新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)にこのほど、春夫愛用の品など100点以上が新たに寄贈された。30日、辻本館長が発表した。
2010(平成22)年に他界した、春夫の子息である佐藤方哉(まさや)氏の遺品整理に伴い佐藤家の遺族が寄贈した。現在は特に資料やいわれの残る日時計や文机、座卓など5点が同館で展示されている。
日時計は高さ約110㌢。影を利用して時間を計る。一緒に撮った写真=写真①=が残るなど春夫のお気に入りだったとされる。1989(平成元)年に春夫邸が移築された後も東京の佐藤邸に残されており、方哉氏の子ども時代について記した著書「環境」の挿絵(谷中安規画)のモチーフになるなど佐藤家のシンボル的な存在であった。
文机は和歌山県名匠にも選ばれた指物師・鮒田武彦(和往・和道)氏の作品。鮒田氏が、1960(昭和35)年の伊勢湾台風で倒れた熊野速玉大社の大鳥居のヒノキを使って作った文机を同市船町の故・杉本義夫氏が春夫に贈ったといった記録があるが、サイズや材質が異なることからそれとは違う机だと考えられる。裏に「紀伊国住人 和往作(印)」とある。
座卓に関しては、春夫邸建築当時の応接間の写真=写真②=が残されている。直径約70㌢で1人か2人が座れる程度の大きさ。晩年、門弟三千人といわれた春夫の応接間にはもっと大きな座卓が置かれるようになったが、佐藤家では大切に保管されていたという。
寄贈品に関して辻本館長は「佐藤家のシンボルである日時計が、移築復元された春夫邸に戻ってきた。多くの人に見ていただければ」と話している。
(2020年10月31日付紙面より)
診療・検査医療機関を指定 (和歌山県 )
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、和歌山県では、地域において発熱などの症状のある人が適切に診療・検査を受けられる体制を整備するため、発熱患者の診療および検査が可能な医療機関を「診療・検査医療機関」として指定した。11月1日から運用を開始する。
同時流行による発熱患者の急増を見据え、国は9月、保健所中心だった従来の方針を転換。都道府県に、10月中に地域の実情に応じ、かかりつけ医などの医療機関を確保し「診療・検査医療機関」に指定するよう要請していた。
要請を受け、県は▽発熱患者等が新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者と接触しないよう、可能な限り動線が分けられている▽必要な検査体制が確保されている▽医療従事者の十分な感染対策を行うなどの適切な感染対策が講じられている▽県または和歌山市と行政検査の委託契約を締結している▽院内掲示を行う等、自院のかかりつけ患者等に対して、発熱等の症状が生じた場合には、電話で相談した上で、自院で診療・検査可能である旨を周知する―の要件を定め、申請を受け付けていた。
県が新たに診療・検査医療機関に指定した民間医療機関は280カ所。指定された医療機関は発熱患者の診療体制の確保に必要な経費に対する補助金や個人防護服の配布対象となるほか、発熱患者など専用の診療室を設けて患者を受け入れる体制をとった場合、その体制確保に要する経費の支援が国から受けられる。
今後は、発熱などの症状がある場合にはまずは電話でかかりつけ医に相談をする。かかりつけ医が指定を受けていない場合は指定医療機関への紹介が受けられるという。
(2020年10月31日付紙面より)
和大オンライン塾始める (串本古座高校地域協議会 )
串本古座高校地域協議会が28日、同校の生徒を対象にした「和歌山大学オンラインくろしお塾」を始めた。ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って大学生と高校生の学び合いを形にする取り組みで、同高校からは1、2年生8人が受講登録し2学期中の毎水曜日放課後にオンライン授業などに臨むという。
地方は都市圏ほど大学が身近ではないという不利の状況緩和策として前年度、単発企画「出張!和大くろしお塾」を実施して生徒と大学生がじかに情報交換できる場を設けた同協議会。今後の場の継続を考える中でインターネットを使えばより多くの機会をつくれると気付き、「和歌山大学オンラインくろしお塾」の実現を模索してきた。
他方、コロナ禍の情勢に伴い通信端末(タブレット)の整備が全国規模で急進し、同校でもオンライン授業実施のための環境が図らずして充実。これを追い風にして情報教育に得手がある和歌山大学教育学部の豊田充崇教授の監修を得て実施内容を固め、校内塾「くろしお塾」を通して生徒に受講を呼び掛けた。
この日はオンライン授業の前段階として対面授業を実施。講師を務める同学部3回生の畑屋蓮さんと栗生菜名さんが来校して生徒と自己紹介をし合い、大学生活や高校時代の学習、受験対策や日頃の学習方法、それぞれの特技などで情報交換をして互いに親近感を培った。終盤では通信端末を使い同システム越しで豊田教授が指導を行い、大学を身近に感じる機会としてこの取り組みがあることを学生と生徒に伝えて共に実りのある機会とするよう促しながら締めくくった。
校内塾の酒井豊塾頭によると、以降12月9日(水)まではオンライン授業を実施し、生徒は英語と数学の問題解説などを受け学生との情報交換もより深める。最終となる16日(水)は再度対面授業をし、オンライン授業の取り組みを振り返りながらより身に付く学習の助言をする予定という。
(2020年10月31日付紙面より)
ニュータウン熟年クラブ (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブ(峰武久・東熟年クラブ会長、角本聖洋・西熟年クラブ会長)は27日、同町内を巡る初の「まちなかウオーク」を開催した。晴天の下、会員34人が参加。景色や町並みを見物しながらウオーキングを楽しんだ。
同クラブは健康増進のために、熊野古道などを歩く「健康ウオーキング」などに取り組んできた。今回は自分たちが住んでいる町や名所を知るために、まちなかでのウオーキングを実施することとなった。
会員はお蛇浦(じゃうら)遊歩道周辺に集合し、記念撮影後に弁天島やお蛇浦遊歩道を見物し出発。勝浦八幡神社横を通り入船館(いりふねかん)へ。その後は高台の防災公園で食事を取り、ビン玉通りを歩きさらに周辺を散策した。
参加した同町狗子ノ川の西岡稔さんは「実際に歩くと改めて那智勝浦町の素晴らしさに気付いた。天気も良く、34人全員が無事で全ての行程で快適に過ごすことができた。今日のおかげで、皆さん若返ったかもしれない」と笑顔で語った。
峰会長は「今回は入会後、初めて参加される方も喜んでくれて良かった。地元を全く知らないと言う方もいたので充実した一日になったと思う」。
今後については「良い町をつくっていくには自分たちの住んでいる町を知ることが重要だと思う。これからのまちなかウオークでは町を学びながら、お店で買い物や食事をして、町の経済活性化にも貢献していきたい」と話した。
(2020年10月31日付紙面より)
総合スポーツ大会グラウンドゴルフ (ゆうゆうクラブ )
県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会
【第23回】楽食のススメ
健康的な食事に関する情報は、今あふれています。糖質制限や、腸活、グルテンフリーにビーガンフードなど、あらゆる側面から健康的な食事に関するさまざまな情報が簡単に手に入りますよね。子どもたちを取り巻く食事にも、オーガニックや無農薬・無添加などの食材が脚光を浴びています。ただ、食事は毎日のこと。「こうじゃないとダメだ!」と決めてしまっては、本当に疲れてしまいます。では、子どもたちを健やかに育てるために、本当に大切なのはどんな食事なのでしょうか? どれだけ体が健康でも、イライラしていたり、体がだるかったり、気力がないと心配になりますよね。やはり、心と体がどちらも元気で、生き生きと前向きな子でいてほしいものですよね。結論から言うと、子どもを健やかに育てる食事は「何を食べるか」ではなく「どんな雰囲気で食べるか」が大切なんです。
家族で食べる食事が、子どもの健康にどう影響するかを調べた研究があります。この研究は、「食事の質」「家族そろった食事」「食卓の雰囲気」などと、子どもの「心の健康状態」との関係を調べたものです。「心の健康状態」の中には、「学校に行くのが嫌になることがあるか?」という登校忌避感や、「自殺したいと思ったことがあるか?」という自殺念慮なども含まれています。「食事の質」には、皆さんが思うインスタント食品やファストフードなどを頻繁に食べるか?などが含まれいます。中学生573名を対象に調べた結果、「『自殺念慮』や『登校忌避感』には『安らぎの場である食卓に家族がほとんど毎日そろうこと』が効果を持つということである」(東洋英和女学院大学人間科学部「食事の質、共食頻度、および食卓の雰囲気が中学生の心の健康に及ぼす影響」、2001年)と記されています。「食事の質」が影響したのは「根気のなさ」という1項目だけだったともあります。つまり子どもの心の健康状態に影響するのは「何を食べるか」ではなく、「どんな雰囲気で食べるか」ということなんです。子どもたちにとって、食卓は自分が安心してくつろげるとても大切な場所で、そこで家族と楽しくコミュニケーションをとることは、精神的な安定に大きく影響するということです。そうは言っても、忙しくてなかなか家族そろって、食事が取れないというご家庭もあると思います。でも大丈夫、その安らぎの場は、食卓でないといけないわけではありません。食卓以外の場でも家族間でしっかりとコミュニケーションが取れていて、家庭が安らぎの場であればそれでいいんです。子どもたちは、大人が自分たちを気に掛け、受け入れ、認めてくれているという状況に安心し、自尊感情や自己肯定感を高めていくんだと私は考えています。
食事の内容ももちろん大切ですが、それよりも、食事の時間に余裕を持ち、その雰囲気を楽しいものにしてあげてほしいと思います。楽しい食卓は子どもだけではなく、きっと私たち大人の心も穏やかにしてくれると私は信じています。
(2020年10月31日付紙面より)
近大附属中学校3年生が (新宮市 )
紀の国緑育推進事業を利用した林業教室が29日、近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の中学3年生47人を対象に実施された。生徒たちは間伐体験や原木市場・製材所見学、木工教室を通じて熊野材が製造される工程を追い、ふるさとの森林や産業への学びを深めた。
この事業は、県内の豊かな森林や林業、環境問題への関心を高め、森林を守り育てる意識を育むことを目的に行われており、同校では2年目となる。新宮・東牟婁地方で林業・製材業・運送業を営む若手経営者で構成する紀南木材新緑会の野中亮伸会長ら3人と、熊野川町森林組合(田中多喜夫代表理事組合長)が指導に当たった。
同校で行われた講義では野中会長が講話。「全国の市町村の中で、新宮市の森林率は90・6%で第2位」と話し、木材業の隆盛で経済的・文化的に発展した新宮市の歴史を写真で紹介。森林の持つ▽水を蓄える▽生物のすみかとなる▽空気をきれいにする―などの効果を発揮させるために森林の適切な管理・整備と伐採・利用が必要と述べ、林業の重要性を強調した。
間伐体験では直径15㌢のスギを伐採。熊野川町森林組合の職員から木の選び方や伐倒方向を決める受け口・追い口の入れ方を学び、使い慣れないのこぎりで切り倒した。
森本新奈さんは「のこぎりは思ったよりも力が必要だった。すんなりと切っていく森林組合の方々は職人技。さすがプロだなと思った」。谷口優依さんは「最初は真っすぐ切れなかったが、途中からすっとのこぎりが入るようになり、楽しかった」と笑顔で話していた。
午後からは新宮市あけぼので、木材の競りを行う㈱新宮原木市場や丸太を製材する板美商店、木材にホゾ・仕口などの加工をする新宮木造住宅協同組合の工場などを見学。木工教室では木のパズル制作や木組みをして木に親しんだ。
(2020年10月30日付紙面より)
ユズ果実の搾汁作業始まる (古座川ゆず平井の里 )
古座川町平井にある農事組合法人古座川ゆず平井の里(羽山勤代表理事)の出荷場で28日、ユズ果実の搾汁作業が始まった。今年は法人全体で約140㌧の収量を見込み、うち状態がいい果実約10㌧は生果として団体所属する紀ノ川農業協同組合へ出荷。残りを搾汁するという。
昭和30年ごろに始まり町内へ広まったユズ生産。同法人は生産者の共同体として平成16年に発足し、現在は95人が組合員となり果実を集荷している。
羽山代表理事によると、今年は70戸が集荷する予定。この日は初日とあって生果用と搾汁用合わせて約10㌧の集荷があり、搾汁用をさっそく地域おこし協力隊など若手の手伝いを得ながら順次洗浄、搾汁した。風味が異なる果汁を意図的に得るために最近は完全に色づく直前の果実も集荷。今は若干青みが残る果実の搾汁をしていて、後にほぼ色づいた果実の搾汁もするという。
搾汁後の果実のうち皮がきれいなものを加工用として取り分け、残りは堆肥化して畑に返すなど無駄を出さない工程で作業を重ね、11月末までに今年分を搾り切ると意気込んでいる。
果汁は大口への出荷もするが、同法人もさまざまな特産品に加工して販路に乗せている。集荷の時期を迎えて羽山代表理事は「全体的にやや小ぶりな印象だが量があり、平年並みの収量を見込んでいる。今年はコロナの影響で加工品の需要が少なく販売が厳しいが、ひるまずに少しでもいい香りを届けるという思いで頑張りたい」とコメントし、出荷先での愛好を願っていた。
(2020年10月30日付紙面より)
11月1日、フラなど動画配信 (ALOHANA くまの )
「ALOHANA くまの実行委員会」(向井里江実行委員長)は28日、熊野市役所で会見を開き、フラやタヒチアンダンス、ウクレレなどをYouTube(ユーチューブ)で配信すると発表した。時間は11月1日(日)午前11時から翌2日(月)午前11時まで。多くの視聴を呼び掛けた。
「ALOHANA くまの」は例年、御浜町のふれあいビーチやしの木広場で開催され、南国ムードいっぱいの踊りや演奏で親しまれてきた。今年は新型コロナの影響で中止。代わりに動画配信を決め、毎年出演してきた個人や団体に協力を呼び掛け、寄せられた動画を2時間に編集。出演は13団体で、熊野鬼城太鼓や那智勝浦町のギタリスト濱口祐自さんの名も。熊野市や那智勝浦町の自然も多く登場する。
向井実行委員長は「映像を通じて笑顔を届けたい」と話す。動画は「アロハナくまの」で検索すればよい。
(2020年10月30日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は29日、那智勝浦町宇久井の熊野古道「大狗子(おおくじ)峠」などの整備に取り組んだ。会員12人が参加。以前から補修作業に取り組んでいる道を補強したほか、周辺の清掃活動に汗を流した。
同会は古道の整備や景観美化のためにボランティアでさまざまな活動に従事している。
この日、会員は雨で道や土が流れてしまわないように溝を掘って周りを石で固めたり、ハンマーで木や竹を打ち込んで土留めを設置した。枯れ木を拾い、徒歩の邪魔になる石などを除くなど美化にも努めた。また、埋まっていた石を掘り起こすと広い石段が現れ、古道に花を添える形となった。
太田代表は「今日、整備した土や石がなじんで、落ち着いてくれたら道も良くなると思う」。
会員からは「これだけきれいになったのだから、大狗子峠も世界遺産になってもらえたら」と話した。
(2020年10月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
千歳連合会初のグラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
新宮市出身 (プロ野球ドラフト会議 )
新宮市出身で天理大学4年の森浦大輔投手(22)が26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから2位指名を受けた。
最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器に空振りを奪う左腕。ドラフト会議をテレビで見ていたという父の孝二さん(52)は「プロに行ってほしかったのでうれしい。テレビに2位と出た途端、友達と一緒に泣いた。プロでは、けがをせずに好きな野球を長く続けてほしい」と語った。
母の由紀さん(48)は「ドラフト後すぐに電話し、『おめでとう』と伝えた。本人は指名を受けて安心した様子でした。皆さんのおかげで、一番の目標がかないました」と喜んだ。
森浦投手は、丹鶴幼稚園の年長児から「新宮パワーウエーブ」で野球を始めた。当時の監督・太田尋文さんは「小学3年生からピッチャーを始め、5年生で球速100㌔ほどあった。体は大きくなかったが投手としてずば抜けていた。4年生の頃、1試合で21奪三振を取ったこともあった。6年生でキャプテンを務め、素晴らしいチームだった」と振り返った。
緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。
名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。
天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞した。
(2020年10月28日付紙面より)
シニアボランティア助成 (大同生命厚生事業団 )
公益財団法人大同生命厚生事業団が実施する2020年度のシニアボランティア活動や地域保健福祉研究などの助成を行う受贈者が決まった。シニアボランティア活動部門では那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブが選考された。
同財団は大同生命保険株式会社が生命保険事業の社会性に鑑み、公共の福祉の増進に役に立ちたいとの願いから1974年に設立された。
社会福祉、公衆衛生の分野に事業を展開しており、研究やボランティア活動などの助成、健康小冊子の発行などを通して、国民の健康の保持と福祉の増進に寄与することを目的に各事業を実施している。
今回、シニア部門では123件の応募があり、和歌山県で五つの団体が選考された。
応募の際の活動テーマを「みんなで楽しく脳トレ活動」と定め、受贈を受けた同クラブの峰武久会長は「助成で購入した大型液晶テレビなどを活用し脳の活性化につながっている。会員一同喜んでいます」。
「脳トレ活動以外にもこれまでの会員たちの活動記録の画像や動画をテレビに映し出して再確認し、仲間意識や絆を深めていきたいです」と語った。
なお、本紙エリア内では串本町で活動するかんりん文庫(梅崎百合子代表)も受贈した。
(2020年10月28日付紙面より)
若手教員育成プログラム (串本町教育委員会 )
串本町教育委員会が主催する本年度若手教員育成に係る研修プログラム(若プロ)のチーム研修(カンファレンス)が23日に役場古座分庁舎であり、対象の教員ら16人が参加して直面する課題や悩みについて教頭らから助言を得る機会を持った。
このプログラムは、町教委の津田和昭指導主事と元校長の坂本善光指導主事が両輪で運営。近年の県教委の教員人事は定年退職と新規採用が活発で、町立学校では経験10年未満の若手教員が全体の46%を占める状況となっている。他方で少子化に伴う学校規模の縮小も進み、具体的には学年の単学級化や複式学級化、中学校にあっては教科担当が自分1人しかいない状況で同学年担当との学級経営、同教科教員との学習指導を相談する機会が持てないという難しさも生じている。
さらに学校運営の中核を担う中堅教員の層が薄い(経験10~19年で18%、同20~29年で16%)という状況も。以前ほど若手教員が現場での学びを詰めないまま数年後に学校運営の中核を担う中堅教員へ差し掛かっていく状況は好ましくない、と直感した坂本指導主事が前年度からこの課題に関わり始め、学校単体で難しいなら町教委が自治体枠で学びの場を創出してはと考えが至り本年度から実践を始めたという。
先行事例が見当たらず、一から組み上げる形での着手。経験4年目(本年度は10人)と同2年目(同8人)の教員を対象とし同3年目(同2人)と講師の希望参加も受け入れつつ、コロナ禍の情勢に伴い年度序盤から出足をくじかれる状況となったが8月から月例で全体研修やチーム研修を重ねている。
チーム研修は本年度初、また若プロ初の実施。助言者として同町教頭会が協力し、坂本さんは「この機会に若手教員は抱えている悩みを打ち明け、教頭は経験に基づく知見や若手教員への期待を伝えてほしい」と呼び掛けて取り組みを促した。
序盤から中盤は若手教員と教頭で学校が異なる8組に分かれ、若手教員が抱えている課題や悩みを打ち明けて話し合い。終盤でその内容を発表し合って全体共有した。
8、9月は授業の組み立て方をテーマにして全体研修を実施。11、12月に同研修を重ね、来年1月に2回目のチーム研修、2月に最終の全体研修を開いて取り組んだ事柄の振り返りを行う流れで若手教員の育ちを補い、町立学校の運営の保持と向上、活発化を図ることを目指すという。
(2020年10月28日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は25日、同地区津波一時避難場所近くの高台に建設した防災備蓄倉庫の完成式を開いた。地区住民、来賓の西田健町長ら約40人が集い、1年4カ月かけて整備した住民手作りの施設の完成を祝った。
「大災害時の死者ゼロ」を目指し、2年前に計画。海抜約30㍍にある町有地を借り、森林環境税の助成を受け、紀宝町森林環境税事業を活用した。
倉庫の建築面積は87・55平方㍍(26・48坪)。自主防災会約330世帯の住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。収納スペースのほか、土間、仮設トイレ2基、物置を整備した。
完成式で森倉組長は、建設に至る経緯、伐採や草刈り、住民が協力して取り組んだ建築作業などを説明し「11月末までに完成させたいと思っていたが、皆さんの協力で8月28日に完成した。ご協力に感謝します」と述べた。
西田町長は「素晴らしい施設ができた。地域の安全安心が確保できると思う。皆さんと一緒に住みよい町をつくっていきたい」と祝った。
この後、森倉組長が施設内を案内し、住民が設備などを確認した。今後、11月下旬から12月中旬にかけて衣装ケースを収納するという。
(2020年10月28日付紙面より)
道の駅「たいじ」で物産展 (広域商工会東牟婁協議会 )
那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村の各商工会で構成する広域商工会東牟婁協議会(阪本洋幸センター長)が25日、太地町森浦にある道の駅「たいじ」(〆谷和豊駅長)で「熊野のいいもの集めました」と題した物産展を開いた。各地域の名物を目当てに、和歌山県内外から訪れた観光客など多くの来場者らでにぎわった。
催しは令和2年度伴走型小規模事業者支援推進事業の一環で、物産展は今回で4回目(太地町では2回目)。同協議会ではこれまでにも事業継続力強化計画策定講座や創業セミナーなどを開催し、事業者の学びや支援に努めている。
関係者らはマスクの着用や飛沫(ひまつ)防止シートの設置、アルコール消毒など新型コロナウイルス感染拡大防止対策を取り運営した。
各町村から7店舗が出店し「じゃばら梅酒」「ブルーベリージャム」「ゆずジャム」「ゆずぽん酢」「薄皮まんじゅう」「焼き菓子」「かつお節」「じゃばら加工品」「コーヒー」「ベーグル」「ココナッツカレー」などの豊富な商品が並んだ。多くの来場者が好みの品物を買い求めていた。
〆谷駅長は「屋外の物産展のおかげで駅屋内にも多くのお客さまが足を運んでくれている。どちらも大盛況となってありがたい」と話した。
阪本センター長は「昨年はねんりんピックに合わせて開催したが、今年はコロナで客足を心配していた。大勢のお客さまが来てくれたので本当に良かった」。
物産展の状況や今後については「熊野地域の良い物を集めているため、地元の方々や観光客の皆さまにも良い商品があることを知ってほしい。今後は地域外の方の出店も視野に入れるとともに、事業者の皆さまには物産展をきっかけに持続的な事業展開をしていただけたら」と語った。
(2020年10月27日付紙面より)
組合員らが感染予防講習会 (県美容業生活衛生同業組合新宮支部 )
和歌山県美容業生活衛生同業組合新宮支部(山本東弘支部長)は26日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で公衆衛生講習会を開いた。新宮保健所の池田和功所長が「新型コロナウイルス感染症を予防するために」を題目に講話。参加者らは感染症について知識を深めるとともに、感染予防に対する認識を新たにした。
毎年、組合員を対象に実施する公衆衛生講習会。今年は新型コロナ感染防止の観点から、3密を避けるために午前・午後の2回に分けて開催。内容を「コロナ感染予防」とした。
午前の部では新宮市内の組合員約20人が講習を受けた。参加者には受講後、「新型コロナウイルス感染予防対策取組店」と記された予防講習会受講済ステッカーが配布された。
池田所長は、現在の県内の感染状況や感染時の症状などについて説明。クラスター(感染者集団)の発生を防止することが重要とし、三つの密が重ならない工夫が必要と述べた。
「コロナは症状が出る前の方がうつりやすい」と説明。潜伏期における感染を防ぐためには症状がなくてもマスクを着用することが重要とした。また、必要な感染予防策や適切な感染防護を講じた場合には濃厚接触とならないとし、マスクやフェースシールド、手袋、エプロン(ガウン)の使用を促した。
丁寧な手洗い・手指消毒の効果にも触れ、感染対策として▽身体的距離の確保(密接するときは個人防護具着用)▽マスクの着用▽手洗い▽1時間に2回以上の換気▽よく触れるところの消毒―を求めた。
池田所長は、施設の清掃・消毒方法や従業員の感染予防のための管理、全日本美容業生活衛生組合連合会の感染拡大予防ガイドラインに基づく「施設内の各所における対応策」などについても説明し「普段から感染予防をして、自ら感染しない、感染を拡大させないようにしましょう」と呼び掛けた。
山本支部長は「仮に風評被害が出た場合、店舗が存続の危機にさらされてしまう。それを避けるためにも感染だけは避けなければならない。各店舗、対策を講じているが講習を通してさらに気を引き締める機会としたい」と話していた。
(2020年10月27日付紙面より)
明神小が海の教室に参加 (勝浦海事事務所 )
古座川町立明神小学校(速水和美校長)の児童10人が23日、国土交通省勝浦海事事務所などが展開する事業「海の教室」に参加し串本の海や日本とトルコの友好に触れて関心を培う機会を得た。
この教室は、同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年の海への関心を高めることを狙いとし、本年度は感染予防対策を講じつつ同事務所管内の学校に参加を呼び掛け3校が希望した。
明神小は3校目の実施で、前2校とは異なり串本海中公園センターと樫野崎を巡る内容。同センターで児童と合流した同事務所の堀川裕之次長は「今日は海に親しんでもらおうと思いこの教室を開いた。魚きれい、海きれいではなく水族館ではどんなお仕事をしているかなど違った面でも関心を持ってもらい、将来そういう仕事についてもらえたらと思う」と児童に期待を寄せつつ、参加を歓迎した。
同センターでは水族館の学芸員・平林勲さんの解説を受けながら串本の海をテーマにした館内の各展示やバックヤード、海中展望塔から串本の海そのものを見学。ウミガメパークで餌やりを体験するなどして内容や平林さんの姿に親しんだ。
昼食休憩を経て午後は樫野崎へと移動。国内最古の石造灯台・樫野埼灯台を見学し、トルコ記念館では1890年にあったトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難と救助や1985年にあったトルコ航空による邦人(=日本人)救出の歴史や海中から引き揚げられた同号や乗組員の遺品を見て日本とトルコ共和国の間柄を考えるなどした。
(2020年10月27日付紙面より)
NACKTが候補DMOに登録 (那智勝浦町 )
那智勝浦観光機構(NACKT)は、16日付で申請を行っていた観光地域づくり法人(候補DMO)に登録されたことを発表した。NACKTは今後、「観光で稼ぎ、潤う町へ」を実現するため、那智勝浦町や町内観光事業者、町民や熊野エリアの関連団体らと共に観光振興を進めていく方針だ。
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観光庁によると、DMOは地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的なアプローチを取り入れた観光地域づくりを行うかじ取り役となる「観光地域づくり法人」とされている。
日本版DMOは地域の稼ぐ力を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地づくりの司令塔となる組織。
多様な関係者と協働しながら明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定し、その戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人だ。
候補DMOに登録されると、国から人材や情報提供などのさまざまな支援メニューを受けることができる。登録後は1年に1度、事業報告が必要となる。
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NACKTは今後、実績を積みながら関係者との合意形成や次年度の戦略の構築などに取り組み、国からの支援の幅が候補DMOよりさらに広がる「登録DMO」を目指すという。
登録DMOにステップアップするには、全ての登録要件を満たした上で、観光庁の審査が必要となる。審査を通過すれば、最短1年で登録DMOとなる。
村井弘和事務局長は今回の登録について「観光庁に認めていただき候補DMOとなれてほっとしている。これからは気を引き締めて活動を進めていく」。
今後については「町内の事業者や町民の皆さまにご協力をいただきながら、登録DMOを目指して懸命に努めていきたいです」と語った。
(2020年10月27日付紙面より)
高校ラグビー和歌山県大会
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は22日、市役所別館で令和2年度第4回生涯現役スキルアップセミナー「御燈祭(おとうまつ)り『たいまつづくり体験』」を開催した。垣下正義さんが講師を務め、6人の参加者が「御燈祭り」に欠かすことのできない「たいまつ」作りに挑戦した。
セミナーは市在住55歳以上の中高年齢者が対象。和歌山労働局の受託事業として、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、当日の2月6日には全国から大勢が「上(あ)がり子」として祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
たいまつはヒノキの板を五角錐に組み合わせ、針金や竹ひもなどで固定。柱状部分の空洞に「バタ」と呼ばれる木切れを入れ、ヒノキを薄く削った「ハナ」を付ける。
垣下さんは新宮生まれ新宮育ち。同市相筋で垣下建築を営む。毎年、本業の傍らたいまつを制作しており、今年は約150本を作り上げた。制作に当たっては「簡単なように思えるが時間と手間がかかる」と紹介。
参加者らは垣下さんの指導の下、手縄の作成からスタート。5枚の板を組み合わせたいまつの形に。結束バンドで仮固定し、針金などを使って組んでいった。「バタ」を入れ、最後に80枚の「ハナ」を付けて完成させた。
セミナーに参加した尾﨑禅さんは「初めての経験で汗をかいたが満足しました。自分の作ったたいまつを持って祭りに参加できる日が楽しみ」と笑顔で話していた。
(2020年10月24日付紙面より)
串本町が22日、役場町長室で本年度観光フォトコンテストの表彰式を開き入賞作品17点を発表した。グランプリは作品「串本大橋夕景」で、撮影者の吉田正洋さん(73)は「この作品が選ばれるとは思っていなかったのでびっくりした」と話している。
このコンテストは、観光PRに活用する写真を広く募集する目的で例年実施。10回目の節目となる本年度は町内外の43人から221点の応募があり、先月25日に審査会を開き田嶋勝正町長ら審査員の選考で入賞作品候補17点を決めた。
各撮影者から原画(画像データ)の提出を受けて入賞を確定し、グランプリ・準グランプリ・審査員賞の各撮影者に表彰式への参加を呼び掛け。当日は吉田さんと審査員賞の長谷洋さん(54)が出席し、田嶋町長からじかに表彰を受けた。
吉田さんの作品は、9月にボランティアで草刈りなどの管理をしているポケットパーク下の磯場から夕暮れ時のくしもと大橋を捉えた内容。この光景は何年も通って挑戦していて、さらにいい瞬間があると気づいていてこの作品では選ばれないと思っていたという。
表彰するに当たり田嶋町長は「見慣れた景色が見る時間帯や角度によって素晴らしい物になるといつも感じている。これからも串本の再発見ができるような写真を応募いただけるとありがたい」とコメント。
表彰を受けて吉田さんは「年がいって『えらいなぁ』と思うこともあるが、まだまだ頑張らんといかんなという思いになった」、長谷さんは「このコンテストでの入賞は連続3回目で光栄に思う。(最近は)見るだけでなく体験しようと思ってもらえるような作品を意識していて、これからも同じ思いで挑戦していきたい」と気持ち改まるところを語った。
入賞した作品17点は23日から30日(金)まで文化センターで、以降は道の駅くしもと橋杭岩で展示予定。諸事情で発表が例年より遅れたが、11月末までに来年の観光カレンダーの発行を始められるよう努めるとしている。
(2020年10月24日付紙面より)
なぎ看護学校で看護宣誓式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の和歌山県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)は22日、同校で看護宣誓式を開いた。今年4月に入学した1年生36人が看護師の道を歩む決意を新たにした。
宣誓式は専門的な知識や技術を学ぶ中、有能な看護師を志す自覚を深めてもらうことを目的に毎年実施している。
点火の儀では、厳粛な雰囲気の中、学生が1人ずつろうそくに火をともし、グループごとに舞台に整列。9グループに分かれて「私たちは患者さんのことを第一に考え、心の声に気付き、患者さん一人一人を思った看護ができる看護師になることを誓います」などと宣誓した。その後、学生はそれぞれの思いを胸にナイチンゲール誓詞を唱和した。
塩路校長は「繰り返し経験をすることで現場の実践力が身に付くと信じてください。今日誓った言葉とこの日の思いを忘れることなく、自分の目標にまい進してください」と式辞。続いて、新宮保健所の池田和功所長が仁坂吉伸知事の励ましの言葉を代読した。
来賓で紀南病院(御浜町)の廣畑靜(しづ)看護部長は「皆さんが看護師になることをご家族だけでなく、多くの人々が心待ちにしていることを忘れないでください」と祝辞を述べた。
在校生代表の羽山高史さんは「思いやりを持ち、患者さんの声に耳を傾け理解しようとすることで、信頼関係の構築や寄り添った看護につながる。困難は仲間と助け合い乗り越えてください。今日誓った自身の看護師像に一歩でも近づけるよう共に頑張っていきましょう」と祝いの言葉を贈った。
(2020年10月24日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦町総合体育大会バドミントン大会
新宮市民スポ祭弓道競技の部
集客力UPセミナーに40人 (和歌山県 )
和歌山県観光交流課は21日、那智勝浦町の体育文化会館で「コロナ時代における集客力UPセミナー&相談会~スマホ利用者に店舗・観光情報を発信~」を開いた。約40人が参加。コロナ禍における集客に向けた情報発信方法などについて学びを深めた。
コロナ禍により海外往来の制限や新たな生活様式の浸透など、観光業界を取り巻く環境が急激に変化し、集客に向けた情報発信にも変化が求められている。
セミナーは、そういった現状を鑑み、今後旅行のスタンダードとなりうるGoogle(グーグル)や各種オンライン旅行予約サイト(OTA=※)などを活用して旅行する個人や小グループ旅行客を取り込むためのノウハウに関して、分かりやすく具体的な情報を提供する目的をもって開催に至った。
開催に当たり、県商工観光労働部観光交流課の橋本恵一郎課長が「コロナをきっかけに時代が変わりつつある。政府でもデジタル化を進めようといった動きもあり、今後ますますデジタル化は進んでいくと思う」。県内の観光概況について説明し「人口が減少する中、外貨を取り入れる必要がある。県もインバウンドを呼び戻すために取り組んでいく」などとあいさつした。
セミナーではGoogle社公認GMB・GoogleMapゴールドエキスパートの永山卓也さんが講話。休憩を挟み、Trip.comグループ日本ブランディング戦略部長の石川美奈さんが「OTA活用による情報発信のメリット」、チケッツインターナショナル日本支店代表の荒木篤実さんが「観光客が体験をする際のニーズ」などをテーマにそれぞれ講話した。
GoToトラベル事務局(和歌山事務局)によるGoToトラベル地域共通クーポンに係る制度概要の説明もあったほか、セミナーと並行し、会場外では講師陣による個別相談会も行われた。
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※OTA=「じゃらん」や「楽天トラベル」に代表されるインターネット上をメインに取引を行う旅行会社。取り扱い分野は、航空券・ホテル・現地オプショナルツアーなど多岐にわたる。
(2020年10月23日付紙面より)
通学路の危険箇所も点検 (御浜町 )
防犯ボランティア団体の子ども見守り隊御浜支部とみかんパトロール隊は、御浜町立阿田和小学校(竹本和拡校長)で19日、見守り活動に取り組んだ。下校する児童に「気を付けて帰ってね」と声を掛けた。
「子どもと女性の犯罪被害防止」などを重点とする全国地域安全運動の一環。紀宝警察署と合同で実施し、2団体と同校の竹本校長、署員の計7人が参加した。
下校する低学年の児童への見守りを行った後、通学路の危険箇所を点検した。同校が昨年実施した保護者アンケートでは、「見通しが悪い場所や人通りの少ない道路がある」などの回答があり、警察と2団体、学校が情報を共有した。
竹本校長は「児童136人のうち、ほとんどが徒歩で通学している。学校では保護者アンケートで危険箇所を把握し、防犯教室にも取り組んでいる。防犯ボランティア団体の活動も抑止力につながっている」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
潮岬中で子育て講演会など (串本町 )
串本町立潮岬中学校で21日夜、同校と潮岬小、潮岬こども園の保護者を対象にした子育て講演会があった。テーマは「ネット・スマホ・ゲームと依存症 正しく知って生かしましょう」。保護者や教諭ら47人が参加し、子どものインターネット利用の実態や周囲の関わり方を考える足掛かりとして聴講した。
この講演会は、潮岬地区の子どもが一貫して通うことになる3校園の育友会が合同で計画した行事。今回は25年来の情報教育研究経験を持つ和歌山大学教職大学院教授・豊田充崇さんを講師に迎え、その識見から子どもが直面する課題解消の糸口を考える趣旨で参加を呼び掛けた。
豊田さんは和歌山県の子どものインターネット利用の実態と県民のおおらかさなどを都道府県別に比較した統計資料で示唆。他方、薬物・アルコール・ギャンブルに続く第4の依存として世界的に懸念されるゲーム障害は没頭により生活が崩れている状態を指すことを紹介し、単に長時間だからではなくどのような状態が依存に当たるかの目安を伝えた。
状態に対する対処として五つの視点(①使用ルールを作る②使用状態の把握③ネット以外の居場所を作る④使用履歴を作る⑤使用制限をする)を挙げ、①については県教育委員会が近々誓約書の書式を発表予定だと伝えて活用を推奨。さらに六つ目の視点として、ゲーム好きはプログラミング好きでプログラムの内容に対してより良いアイデアを出しその実現に意欲を示すという側面を例示し、そのように高い関心を有益な方向へ振らせるのも一つの手だと提言して、保護者らによる関わりを促した。
豊田さんは保護者とは別に同日午後、潮岬小4~6年生78人と潮岬中1~3年生65人を対象にしたネット・スマホ・ゲーム講演会にも登壇。身近な利用方法に潜んでいる危険を児童生徒と一緒になって考え、▽寛容・許容の精神を持つ▽拡散されても大丈夫な書き込みか▽個人情報の扱いは必ず相手の許可を取る▽動画投稿にはリスクがつきもの▽スマホでの時間浪費は未来の自分を虐げる―といった要点を振り返って適切に利用する意識を促した。3校園の教諭を対象にした研修の講師も務め、今後の社会変化を見据えた関わり方の視点を託すなどした。
(2020年10月23日付紙面より)
順心の会が太極拳鍛錬会 (那智勝浦町 )
楊名時太極拳順心の会(大澤順子代表)は21日、那智勝浦町のブルービーチ那智(JR那智駅裏側付近)の広場で太極拳鍛錬会を実施した。約40人が参加し、眼下に広がる那智湾を前にさまざまな型に取り組んだ。
大澤代表は日本健康太極拳協会の師範で、大自然の空気を存分に味わいながら太極拳に取り組んでもらいたいとの思いから年に1度実施。熊野地方で五つの太極拳教室を開き、参加者の健康づくりに役立てている。毎週水曜日には旧三川小学校で教室を開催している。
参加者は大澤代表の動きに合わせて実践。緩やかな音楽が流れる中、集中しながら体を動かし汗を流した。
大澤代表は「曇り空で天候が心配でしたが、晴れ間も見えるようになりすがすがしく行うことができました。コロナ禍でいろんな催しができなくなる中、鍛錬会も中止を考えましたが、対策を取り細心の注意を払って実施することを決めた。自宅で過ごす人が多く、気が重くなりがちのため、自然の空気を吸って少しでもストレス発散につなげてもらえれば」と話していた。
(2020年10月23日付紙面より)
ベンチャー隊が炊事活動 (ボーイスカウト新宮第2団 )
ボーイスカウト新宮第2団(安達実・団委員長)のベンチャー隊は18日、紀宝町鮒田の鮒田活動拠点で炊事活動「肉料理~どの調理が美味?~」を実施した。近大附属新宮高校の櫻井貴文君(3年)と中本康太君(1年)が肉料理や燻製(くんせい)作りに挑戦した。
ボーイスカウトは、家庭や学校では学ぶ機会の少ない活動を自然の中で行い、年齢の異なる仲間とさまざまな活動を実施することで青少年の心と体の成長につなげるのが狙い。
ベンチャー隊(高校1~3年)は、自分たちが考えた企画を元に計画書を作成。計画に基づいて実行に移し、反省点などを報告書にまとめて次の企画に生かす取り組みを行っている。
この日は「肉の種類と味の違い」「普段作る機会の少ない料理に挑戦する」などをテーマに掲げて取り組んだ。調理方法や材料の値段をリサーチし調理時間を予測するなど、会議を重ねプランを作成。実践に挑んだ。
メニューは「鶏肉のハンバーグ」(胸肉とささみの違い)、「ローストビーフ・ポーク」(牛肉と豚肉の違い)。段ボールで燻製機を手作りし、「さくら」「ブレンド」「ヒッコリー」のスモークウッドによる完成の違いも研究した。
櫻井君は「おいしくできた。しかし時間的余裕がなかった。準備に手間取ったことが計画通りに進まなかった要因」。中本君は「料理は上手にできたと思う。やはり準備に時間がかかった」とそれぞれ感想を述べた。
同隊の北村仁志隊長は「大人になっても挑戦する姿勢は必要。これからも『楽しく』を基本に、高度なことにも挑戦していってほしい」と期待を込めた。
同団では現在、小学3年以上の隊員を募集している。年会費2万2000円、入会金3000円が必要。体験入隊も可能。問い合わせ、申し込みはスポーツギアアダチ(電話0735・21・3218、安達さん)または南海堂(電話0735・22・2920、中川さん)まで。
(2020年10月22日付紙面より)
ノルディックウオーキング講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町築地のイササジコンストアで19日、「ノルディックウオーキングはじめて講座」が開かれた。新宮市や同町から20人が参加し、日本ノルディックウオーキング協会公認マスタートレーナーでエヌウォーカー倶楽部代表の藤川真司さんがノルディックウオーキングの特徴や効果を講演し、実技指導を行った。
ノルディックウオーキングとは2本のポールを使用した新しいフィットネススポーツで、世界中で1000万人を超える愛好家がいるとされる。
主な効果として▽腰や膝など下半身の負担を減らすことができる▽負荷を分散し上半身の筋肉を積極的に使える▽全身運動のため、通常のウオーキングの1・2倍以上の運動効果が期待できる▽インナーマッスルも鍛えられる▽肩から腕を振り、ゆったりとした動作で歩けるようになる―などが挙げられる。
講座を協賛する同町教育委員会によると、ノルディックウオーキングは町のスポーツ教室として4年前ほどから実施しており、需要も多いため今後も推進していく方針だという。
藤川さんは「年齢に関係なく筋肉は鍛えることができる。ノルディックウオーキングを続けていれば、寝たきりを予防し、元気になって体も良くなる。いつまでも自分の足で歩きたいという意志が健康づくりにとって重要です」と述べた。
大腰筋と体幹を鍛えることで背骨が刺激されるとし、脳への血流が増えることから脳が活性化すると紹介。「歩幅を広げると歩く速度も変化し、脳への刺激も違ってくる。歩幅が狭いと認知症になりやすいという記事もあるため、広いほうが認知症の予防になる」と解説した。
藤川さんはノルディックウオーキングを子どもの登下校時に行うことで防犯にもつながるとし、「皆さまの健康づくりを地域にも役立てていただけたら」と提案。健康になれば身体機能も改善し、身も心も若くなるとし、生活全体が活性化するため、活動的な日常生活につながると話した。
当日は雨天だったことから参加者は同町湯川の旧山川小学校体育館に移動。入念な準備体操後、実技指導が行われた。
町のノルディックウオーキング教室では竹原生さんと同店オーナーで講座主催者の湊谷洋子さんが講師を務めている。
湊谷さんは「ノルディックウオーキングはさまざまな効果も高く、健康になれる。今後は町内でも広まって、皆さまにも取り組んでいただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月22日付紙面より)
民児協10月定例会で意見交換 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の10月定例会が20日、町福祉センターであった。町と町地域包括支援センター、町社会福祉協議会による報告の後、研修会を行い、委員30人と町内のケアマネジャー(介護支援専門員)12人が意見交換した。
意見交換会は新任を含む委員にケアマネジャーの仕事や地域包括支援センターの役割を学んでもらうもので、3年に1回開いている。
研修会では、町地域包括支援センターの主任介護支援専門員、南友也さんが介護保険とケアマネジャーの仕事を説明。介護保険制度は40歳以上が加入者となって介護保険料を納め、介護や支援が必要になった際には費用の一部を支払ってサービスを利用できる仕組み。当地域では熊野市、御浜町、紀宝町で組織する紀南介護保険広域連合が運営している。
ケアマネジャーについて「要介護者、要支援者の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようケアプランの作成や市町村、サービス事業者、施設などとの連絡調整を行う」と紹介した。
この後、6グループに分かれて意見交換を開始。委員からは「要介護者を担当するケアマネジャーの名前が分からない」「地区内の高齢者が施設に入所したときは知らせてほしい」などの意見があった。ケアマネジャーは改めて役割を紹介し、「地域包括支援センターとのつながりを大切にしている。センターにも相談してほしい」などと伝えた。
濵口会長は「お互い顔を合わせることができて良かった。今後も意見交換会を続けたい」と話していた。
(2020年10月22日付紙面より)
キイジョウロウホトトギス (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)で、キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)が見頃を迎え、鮮やかな黄色い花が参拝者らの目を楽しませている=写真(20日撮影)。
キイジョウロウホトトギスはホトトギス属の植物の一つ。紀伊半島南部の固有種で、山中の湿った崖に生え釣り鐘形の花を付ける。「ジョウロウ(上臈)」には「貴婦人」や「高僧」などの意味があることから「山里の貴婦人」とも呼ばれる。
古くから鑑賞価値の高いものとされることから採集され、それが減少の原因の一つとなっている。紀州藩が編さんした「紀伊続風土記」の「黄杜鵑草(きのほととぎすそう)、那智山中に産する奇品なり」とあるのは本種のこととされている。
和歌山県、奈良県で絶滅危惧Ⅱ類、三重県で絶滅危惧Ⅰ類に分類されている。
(2020年10月22日付紙面より)
共同募金チャリティーコンサート (太地町 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)は17日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で「赤い羽根共同募金チャリティーコンサート(合同発表会)」を開いた。町内外で活躍する4団体とゲストの美しい合唱や迫力ある演奏で終始会場は盛り上がった。
コンサートは募金に加え、住民らがステージ出演を楽しむ人気の催しで4年目を迎える。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から出演者の家族や関係者のみの公開となり、検温、消毒、マスク着用後の入場となった。
集められた募金は和歌山県の共同募金会に送られた後、50%が配分金として同社協が受け取り、町内4カ所で行うふれあいサロン「いっぷく亭」の事業費やボランティア団体の育成補助、福祉教育推進指定校事業に充てられるという。
トップバッターはコーラスグループの「ピアニッシモ」が務め、誰もが知る童謡を熱唱。「赤とんぼ」などの曲では来場者と共に歌った。続いて、昨年の同コンサートでトリを務めた「笑音風(しょうおんぷ)」が登場。会場の笑いを誘うマイクパフォーマンスに加え、「いとしのエリー」「さらば恋人」などの名曲を披露した。
その後、チーム結成間もない「コスモス」がリコーダーやギターなどで「さんぽ」「さくら色のワルツ」を演奏。熊野地方で活躍するフォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんもゲストとして登場し、トークを織り交ぜながらライブを行った。
今年のトリはハリケーンが務め、「パプリカ」「カントリーロード」などを全力で披露。コンサートを締めくくった。
岡本会長は場所を提供した梛の指定管理者である山永サービスに感謝を述べ、「コロナの影響でイベントが少ない中ですが楽しんでいただけたようで良かった。障害を持つ方々の社会参加の場を設けることができてうれしい」と語った。
(2020年10月21日付紙面より)
地域支え合いフォーラムで堀田力さん (新宮市 )
新宮市役所別館で18日、地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう! わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」があった。新宮市と市社会福祉協議会が主宰。83人の来場者が(公財)さわやか福祉財団の堀田力会長のオンライン基調講演「みんなで支え合うあたたかいまちをつくろう~居場所から有償ボランティアまで~」に耳を傾けた。
さわやか福祉財団は弁護士で元検察官の堀田会長が1991(平成3)年に設立した公益財団法人。新しいふれあい社会づくりを目標に、ボランティア団体の設立や、勤労者や子どもも気軽に活動に参加できる仕組みづくりなど、地域で支え合う仕組みづくりを進めている。
堀田さんは「少子高齢化が厳しくなっても、われわれの生活がもっと楽しくなるような社会でないといけない」としながらも「今までは家族が高齢者を支えてきた。しかし少子化で子どもたちも自分たちの生活で精いっぱい」と問題提起。
高齢化について、「ただ生きている期間が延びたのではなく、元気で生きている期間が延びている」と述べ「元気な高齢者が元気を存分に生かして、家族のような気持ちで助けるしかない。財政や少子化が厳しい状況で楽しく生きていくためにはこの方法しかない」と提言。
「助けてもらう側も安心し、希望が持てる。助ける側も人の役に立つ力があると感じ、人に感謝してもらえる。労力を生かした喜びは人間の本質的な喜び」と話した。
調理や掃除、洗濯などの家事、買い物、外出支援、移動支援など、助け合いのレベルを上げていくためには、有償ボランティアのチームを立ち上げ、団体で取り組む活動が全国的に進んでいると紹介し「新宮市が今までつくってきたサロン活動など平素のつながりの中で困り事を話す機会を設け、話し合いの中で有償ボランティアをつくって広げていくことが重要」と述べた。
助け合いの仕組みづくりのためには生活支援コーディネーターと協議体の力が必要と話し「素晴らしい能力はまだまだこのまちに残っている。能力を存分に生かし、地域づくりに参加を。自分のため、地域のために能力を生かして、助け合いを深めていってほしい」と講演を締めくくった。
(2020年10月21日付紙面より)
国交省「海の教室」に参加 (古座小 )
串本町立古座小学校(貴志純子校長)の6年生13人が16日、国土交通省勝浦海事事務所などが展開する事業「海の教室」に参加し海と人の関わりの一端に触れて関心を培うきっかけを得た。
この教室は、同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年の海に対する関心を高める狙いで例年実施していて、本年度はコロナ禍の情勢を鑑みて感染予防対策を講じつつ管内の学校に参加を呼び掛け3校が希望しているという。
古座小は実施2校目で、和歌山県漁業組合連合会勝浦市場、紀の松島観光船、太地町立くじらの博物館を巡る内容。同事務所を代表して堀川裕之次長は「魚類や鯨類だけでなく、海に関わる人の姿にもしっかりと目を向け、鑑賞とは違う観点で勉強してほしい」とあいさつをして参加を歓迎し、児童を代表して森海咲さんは「今日はとても楽しみにして来ました。たくさん学んで帰りたいのでよろしくお願いします」と応えて教室を始めた。
同市場では県漁連の中村博行さんが水揚げが盛んなマグロについて紹介。水揚げされるマグロや混獲される魚の種類、それらの釣法であるはえ縄漁法の概要などを伝え、児童は同市場の見学フロア「展望スペースTUNAGOOD(つなぐ)」から水揚げされたマグロなどの出荷の様子を眺めつつ背景にある漁場環境や人の営みにまで考えを巡らせるなどした。
その後は紀の松島観光船で太地くじら浜公園へ移動。同博物館でイルカやクジラのショーを鑑賞し、館内見学や今川恵学芸員による講座を通して校区内にある旧古座浦に発展をもたらした鯨類や捕鯨について考えた。
実施1校目は新宮市立高田小学校〈全校〉で今月2日に参加。同3校目は古座川町立明神小学校〈2~6年生〉で23日(金)に参加する予定。
(2020年10月21日付紙面より)
8カ月ぶりに山歩き部会 (紀宝町 )
紀宝町山歩き部会は18日、同町浅里で「浅里の里山ウオーキング」を開催した。13人が参加し、飛雪の滝周辺の遊歩道を歩いた。
秋から春まで6~8回にわたり、登山初心者から上級者まで楽しめるコースメニューを検討しており、今年は「地元ガイドと歩こう!」をテーマに設定。新型コロナウイルスの影響で2月から休止してきたが、検温、手指消毒、マスク着用といった感染対策を取った上で8カ月ぶりに開催した。
今回は山歩きを始めた初心者を対象にしたコースで、同部会世話人の福田将志さんが案内。案内看板に載っていない知られざる名所なども紹介した。
遊歩道は飛雪の滝から浅里城跡、二の滝などを巡り、展望台までの約2㌔。参加者は飛雪の滝キャンプ場を出発し、渓流沿いの遊歩道を歩きながら、水の流れる音や鳥のさえずりを聞きながら、のんびりと約4時間の散策を楽しんだ。
次回は、11月8日(日)に熊野古道中辺路(牛馬王子~近露王子)の山歩きを計画しているという。
(2020年10月21日付紙面より)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の神馬渡御式(しんめとぎょしき)が、15日午後から営まれた。主神の熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊を上野宮司が懐に抱き、弓、剣などの神宝を手にした神職が神社関係者らと共に阿須賀神社へと向かった。
例年なら多くの参拝者が列をなし、まちなかを練り歩く神馬渡御式。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、参列者を例年の5分の1程度とし、順路を短縮して斎行した。
阿須賀神社での神事後、御神霊を神馬に奉安して熊野速玉大社へと還御。本殿に奉安して神事を行った後、再び御神霊を神馬へと遷(うつ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へと渡御した。御旅所では、「杉ノ仮宮」に御神霊が遷されると、神子が「鈴剣の舞」を舞って御神霊を鎮めた。
その後、熊野権現が新宮鎮座に向かう途中に大島地区の権現島で休憩を取ったという伝承に基づき、串本町大島地区の代表と水門(みなと)神社総代により献上された権現島周辺で捕れたタイとススキの穂、「オミタマ」という特別な神饌(しんせん)などが供えられ、赤々と燃え盛るたいまつの明かりを受けて、上野宮司が神恩感謝、皇室、国家の安泰と世界平和への祈りをささげた。
今年の神子は、神倉小学校4年の石原凜さんと前川真由さんの2人が務めた。
(2020年10月17日付紙面より)
近隣住民に説明会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は14日夜、同町勝浦のコミュニティ消防センターで町立勝浦小学校敷地内の高台造成に関する説明会を開いた。勝浦4区の住民を対象に工事概要の詳細などを説明した。工事は同校正門側の門柱から校舎やグラウンドへ続く坂道(通称・登校坂)までの区間に約8300立方㍍の土を入れ、2㍍かさ上げするもので、工期は来年の夏休み期間中の約40日を予定。なお、予算は現段階で6500万~7000万円ほどを見込んでおり、12月定例会に上程される。
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説明会には同町総務課防災対策室の寺本斉弘室長や建設課の井道則也副課長ら3人が出席した。
建設課によると、同町の那智漁港内の町有地に保管している2011年9月に発生した紀伊半島大水害時に出た土と駿田山に建設中の消防・防災センターの工事でできる残土をかさ上げに使用するという。同センター分の残土は同町勝浦の元・栽培漁業センター跡地に一時的に保管される。
造成後は避難した住民などが有効に使用できる4000平方㍍の平地となる。その後、アスファルト舗装が施されるが、舗装区間は門柱から登校坂までの延長約130㍍、幅約6㍍となり、工期などは現在未定とした。
また、工事を実施する上で、現存の両側溝は使用できなくなるため新たに側溝を新設する。敷地内のプールは工事後、造成された道ののり面付近に位置しているため、雨水流入の可能性もあることから側溝などの設置も検討しているという。
寺本室長は「かさ上げすることで発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波から避難する際に3分ほどの時間が短縮される」と話した。
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残土搬入時には正門側周辺の道路の幅員が狭いなどの理由から校舎のある大勝浦側からの搬入になると説明。大型車両がグラウンドへ円滑に通行できるように盛土と舗装を行い、搬入経路を確保するとした。
高台造成前のこの準備工事は来年1月から3月までを予定。この工事により、有事の際は自衛隊などの大型車両の乗り入れも可能になると解説した。
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町民からは「敷地内の滑り台はどうなるのか」「夜間は薄暗いので街灯を設置しては」「現在でも溝に土がたまることがある。盛土をするともっとたまる土が増えるのでは」「工事する敷地内は通園くじらに子どもを迎えに来る親御さんもいるが工事期間中は車は止められないのか」などと質問が上がった。
町職員は「滑り台は近隣の公園に移設する」「街灯は設置する予定」「工事期間中には溝掃除もさせていただく」「期間中は駐車できない」と回答。
井道副課長は、今後も関連する地区で同様の説明会を開くとし「隣接する通園くじらさんのお昼寝時間の間は作業員の休憩時間に充てさせていただく。皆さまのご協力や理解がないと工事を進めることはできない。お気付きの点があればなんでも言ってください」と締めくくった。
(2020年10月17日付紙面より)
体成分分析の結果説明会 (串本町 )
串本町地域保健福祉センターで14日、町職員を対象にした体成分分析装置による計測結果の説明会があり、保健師など専門職と計測済みの一般職計14人が健康指導のプロから結果の受け止め方を教わるなどした。
この装置は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、地域での運動機会が減少する中での自身の健康状態を把握し、家庭での運動機会を増やす足掛かりとして導入。以降、本運用を始めるまでの試行として町職員に自身の健康状態把握を兼ねて計測の協力を呼び掛け、同日現在で約40人が計測結果を得た状況にある。
この説明会は、同装置を主に運用する専門職が結果に基づく健康指導をするに当たっての要領を得る研修として計画。この機に一般職にも結果を振り返りセルフメディケーションの意識をいっそう高めてもらおうと考え、それぞれに参加を呼び掛けたという。
この日は地域包括支援センターが展開する介護予防教室「ころころ教室」の講師を務める理学療法士・原井祐弥さんに模範指導を依頼。原井さんは結果表に示されたさまざまな項目を注目すべき順で一通り取り上げ、プロの目で見た数値の捉え方と数値相応に必要となる指導例を解説した。
一般職に参加を呼び掛けた理由の第一義はセルフメディケーション意識の向上だが、他方では計測経験をしっかりと託して同装置の実感を高め、町職員として日々接している町民に推奨してくれたり計測を手伝ってくれたりする仲間を一般職の中に増やして町民により広く計測の裾野を広げられたら、という思いもあるそう。
勤務時間中の実施で結果を得ている一般職全員が参加とはならなかったが、専門職が指導の要領を習得しているので未参加の一般職については今後、専門職が指導の練習を兼ねて説明対応をしていくという。
(2020年10月17日付紙面より)
熊野川小・中が川舟下り (新宮市 )
新宮市立熊野川小学校(山本佳人校長)の5、6年生8人と熊野川中学校(吉田元紀校長)の3年生6人は15日、川の参詣道として世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている「熊野川」の川舟下りを体験し、初めて見る川からの風景を楽しんだ。
本年度初の取り組みで、児童・生徒に地域の良さ、熊野川の素晴らしさを学んでもらうことが目的。多くの船頭が所属する地域住民組織「チームくまのがわ」や熊野川行政局など地域全体が学習を支援している。
川の参詣道は皇族や貴族たちが熊野本宮大社へ参拝した後、熊野速玉大社へ向かうために利用した道。川舟事業は2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されたことをきっかけに、翌年9月から開始された。
道の駅「瀞峡街道熊野川」近くの河原から出発した児童・生徒は、巨岩・奇岩や滝、御船島など見て、平安時代の参詣を追体験。語り部の案内を聞きながら熊野川河口の権現河原までの16㌔を旅した。
峯園なのかさん(中3)は「貴重な体験ができた。滝や岩の名前など、知らないことがたくさんあった」。中本陽晴君(小5)は「岩や木から生命力を感じた。家族にも今日の川舟下りのことを紹介したい」と話していた。
(2020年10月17日付紙面より)
【第22回】嫌いなものを食卓に
皆さんは、子どもが嫌いなものを食卓に出しますか? 私が、周りのお母さんからよく耳にするのは、「主人も子どもも食べないから〇〇は買わない」というお話です。確かに、自分しか食べない食材を料理するのは合理的ではないですし、無駄な出費にも思えますよね。ただ、私はあえて1品だけでも、子どもが嫌いなものを出していただきたいと思っています。無理に食べさせるということか!?と思われそうですが、決してそうではありません。食べられないならそれでもいいんです。ただ、おいしそうにその1品を食べる姿を、お子さんに見せてあげてほしいんです。
私は幼い頃、セロリが嫌いでした。でも、私以外の家族は目の前でポリポリと、セロリスティックに塩をつけて、「おいしい」と食べていたんです。子どもの頃は「信じられない」と思いながら見ていましたが、ある程度の年齢になると、「ほんとだ!こんなにおいしかったんだ!」と気付いたのです。それからはセロリが大好きになりました。嫌いな食べ物も触れる機会が多いものや、身近なものは克服しやすいといわれています。だから、嫌いなものをあえて、食卓に出して、「味見だけしてみたら?」とか「一口だけ食べてみたら?」「すごくおいしいよ」と声を掛けてみてください。それでも食べなければ「おいしい!」と言いながら食べる様子を見せてあげてください。「おいしそうに食べていたな~」という記憶が、「もしかしたら、おいしいかもしれない」「私にも食べられるかもしれない」という気持ちにつながるかもしれません。
味覚の研究論文にこんな記述があります。「口腔(こうくう)や咽頭で味を感じる味蕾(みらい)の数の増加のピークは学童期までで、その後は減少するといわれている。したがって幼児期から学童期にかけて、多くの種類の食材や料理を味わう経験を積み重ねることで味覚は発達する。また、好き嫌いは食経験による慣れ親しみが影響するため、幼児期や学童期に、日々の食卓で親兄弟や祖父母と一緒に食事をすることで、新奇な食物への警戒心が和らぎ、子供たちはいろいろな食材を口にするようになると報告されている」(大阪府立大学「だしの嗜好と子供の頃および現在の食習慣との関係」、2010年)。つまり、子どもが嫌うような食材を食卓に出すことは、好き嫌いの克服につながる可能性があるということですよね。味は嫌いでも、親しみのある食材にすることで、成長してから食べるハードルが下がるというわけです。
「嫌いだ」と言ってから一度も食卓に上がらず、食べる機会がなかった食材より、食卓に上がっていた食材の方が、もう一度試してみようと思えるのは、なんとなく想像がつきますよね。そして、私も食卓にあった「なます」や「白あえ」など、子どもの時はほとんど手をつけなかった小鉢を、今はせっせと作っています。嫌がっている娘もきっと、作るようになってくれると信じています。
(2020年10月17日付紙面より)
塩竃神社の例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で11日、家内安全や豊漁を祈願する秋の例大祭が営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小し神事のみの斎行となった。
同例大祭は160年以上の歴史があるといわれる。毎年、勇義社の迫力ある獅子舞の奉納や地区の女性らで組織される「祭り盛り上げ隊」の屋台などに多くの人が集まり、盛大に行われている。
今回はコロナに加え、先日の台風14号の影響で1日延期してこの日の実施となり、宮総代や同地区の西・東区長、勇義社のメンバーら9人が出席した。
並川廣西区区長は「今年は神事のみとなり、勇義社の獅子舞も省くことになりつらい。来年はいつも通りの行事ができることを祈っています」。
東区区長でもある谷邦夫総区長は「主に漁師の祭りとして継続されてきた例大祭だが、コロナの影響で縮小する形となったので残念で仕方ない」。
同社宮総代の谷洋久代表は「来年こそは獅子舞もできるようになってほしいと願っている」と話した。
神事を終えた井谷宮司は「いつもはサカキを玉串に使用するが、今年は特別にナギを使ってご奉納した。コロナウイルスが凪(な)いで、鎮まり収まるように祈願しました。来年こそは通常のお祭りができれば」と語った。
なお、両区長によると、来年1月に営まれる「脊美(せみ)祭り」も今回と同様、規模を縮小して神事のみになることが決定したという。
(2020年10月13日付紙面より)
熊野学研究委員会自然部会、新宮市教育委員会は11日、新宮市高田で自然探訪スクール第1回講座を開催した。市内外から15人が参加し、高田小水力発電所周辺を散策しながら、秋の植物や昆虫観察を楽しんだ。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことを目的に毎年開いている講座で、本年度は全4回を予定している。
この日は内鹿野(うちがの)渓谷散策を予定していたが、前日の台風による増水のためコースを変更。熊野学研究委員会の高塚建さんらが案内役を務め、道中で山に自生するイワタバコやサンショウなどの植物、サツマニシキやハンミョウ(通称:ミチオシエ)といった美しい昆虫を解説した。ちょうど花期を迎えていた紀伊半島の固有種で和歌山県の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているキイジョウロウホトトギスにも注目が集まった。
那智勝浦町から参加した角拓利君(小学5年)は「昆虫や植物に興味があって参加した。ハンミョウを捕まえたのは初めて」と話し、一緒に参加した友達とアケビを持ち帰っていた。
(2020年10月13日付紙面より)
秋晴れの飛鳥神社例大祭 (太地町 )
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、獅子神楽や稚児行列、子ども神輿(みこし)の中止を決定していた太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭本宮が11日、営まれた。前日の宵宮は台風14号の影響で中止となり、秋晴れの本祭は行事を簡素化・縮小して斎行。樽(たる)神輿と参列者による行列が太地水産共同組合から同神社へと渡御した。
この日は、宵宮で実施予定だった頭屋祭が水産共同組合で執り行われた後に一行は同組合を出発。今年は神輿練りはなく、寄水青年同志会(寄水倶楽部・掛橋寿徳会長)と東新青年同志会(東新倶楽部・玉置功治会長)の会員が樽神輿を担ぎ神社を目指した。
到着後の本殿祭では髙橋宮司が豊漁やコロナ終息などを祈願して祝詞を奏上し、参列者らが玉串をささげた。
掛橋会長は「どこの町でも1年に1回の祭りができずに残念な思いを持っていると思う。皆さまの健康と来年は祭典行事が無事にできることを切に願い、玉串をささげさせていただいた」。
玉置会長は「昨年も台風で神輿ができなかった。倶楽部のメンバーのモチベーションが保っていけるようにしたい。来年こそは祭りや町を盛り上げていけるようにしたい」と語った。
髙橋宮司は「今年は宵宮と本宮をまとめることになったが、今日は天気も良く無事にお祭りができてよかった。総代の方々が朝早くから準備をしていただいたことに感謝している。来年はコロナも収まり、天気にも恵まれ、にぎやかに樽神輿も行いたい。それだけが願いです」と話した。
(2020年10月13日付紙面より)
秋まつりシーズン最盛に (串本町 )
串本町の秋まつりシーズンが最盛の時期を迎えた。今年は新型コロナウイルス感染症を鑑み、神事のみとする神社が大半。代表者参列で氏神への礼を尽くし、来年は例年通り営めることを期す状況が重なっている。
串本町の重心、串本地区を氏子区域とする潮﨑本之宮神社は11日午前10時に式典を執行した。7月26日付で式典以外の行事を中止することを発表し、宵宮の雄々しい宮上り道中をはじめとして本祭日とその前後の区域内をにぎやかす4氏子会の獅子舞奉納や道行きはなし。6月に着任した山本貞夫宮司が神事を担い、各区域の総代らが玉串をささげて今年の礼を神前にささげた。
出雲地区を氏子区域とする朝貴神社も8月初旬に神事のみとすることを申し合わせ。出雲獅子舞保存会の奉納や道行き、高張りちょうちんを伴っての宵宮夜半の宮上りといった行事は中止とした。式典は11日午前9時に執行。坂成正人神主が神事を担い、同地区の平澤正代表区長以下5区の区長と総代らが順次玉串をささげて礼を尽くした。
両神社とも祝詞では新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑みて諸行事を中止した旨を奉告。同感染症の早期収束と氏子区域内で感染がないことを大願の一つに盛り込み、一同で祈願していた。
平澤代表区長(66)は「朝貴神社のお祭りはみんなが楽しみにしていて、区外に出ている出身者も割と集まってくる。このような形になってしまったのはさみしいが、区民皆さんの健勝と繁栄、豊漁は変わらず祈願させていただいた」と話し、来年はまた例年のように営めることを期待した。
和深地区の八幡神社も獅子舞など諸行事を中止しこの日午前10時30分に式典のみ執行。須江区の旧雷公神社宵宮奉納は中止、樫野区の雷公神社も獅子舞や宵宮(例年10月8日)の参拝を中止し、13日(火)に式典のみ営む予定。潮岬地区の潮御崎神社も高張りちょうちんを掲げての宮上りや獅子舞などの行事は中止とし、18日(日)に式典のみ営む予定。
(2020年10月13日付紙面より)
東牟婁地方中体連新人大会
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和2年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が社会福祉、消防水防、教育文化などで市に貢献した個人9人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して87年、旧熊野川町が町制を施行して64年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから15年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人988人と100団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し、「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します。皆さまの比類なき知恵と経験を今後もお貸しいただきますようお願いします」とあいさつ。
引き続き新型コロナウイルス感染症対策への協力を求めるとともに「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
久保智敬市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かしてください」。
県議会の濱口太史副議長は「皆さまがさまざまな活動をすることが多くの人のお手本になっており、地域の元気につながっていることを知ってもらいたい」と祝辞を述べた。
(2020年10月3日付紙面より)
伊藤忠志さんが講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は9月30日、元和歌山県少年補導員連絡協議会会長の伊藤忠志さんを招き署内講演会を開いた。同署職員約50人が聴講する中、伊藤さんは自身の少年補導員の経験を軸に、青少年の健全育成に係る心構えや取り組みなどを話した。
伊藤さんは1982(昭和57)年に警察本部長から少年補導員として委嘱を受け、以降30年にわたり少年の非行防止と健全育成に尽力してきた。
96(平成8)年には新宮警察署少年補導員連絡協議会会長に就任。2007(平成19)年からは4年間和歌山県警察少年補導員連絡協議会会長を務め、県内全体の少年の健全育成の発展に尽くした。その功績は社会にも広く認められ、04(平成16)年の和歌山県知事表彰をはじめ数多くの表彰を受賞。少年の健全育成を目的とした「植樹祭」の開催や各種祭礼における夜間補導活動、登下校時の声掛けあいさつ運動などに取り組んだ。
伊藤さんは「意見もなく事務局が作った資料をただ読み上げるだけ。なんとか組織を改革したいと思った」と会長に就任した当時の思いを語り「社会に貢献するという思いがボランティアには大事。会長として、多くの事業をして会員の参加意識を高めるか、もしくは慣例で経過していくのかを考えた時、参加意識を高めるという方法を選択した」。
串本分屯基地に自衛隊のヘリコプターが来るといった情報から「子どもたちに空からふるさとを見てもらいたい」と思い立った伊藤さんは「管内の子どもたちを集めて交流を深めたら情報の共有ができるのは」と立案。子どもたちをヘリコプターに搭乗させ、さらに地場産業である林業に触れてもらおうと間伐材で工作をするイベントを開催し「子どもたちの笑顔に達成感を感じた」と振り返った。
伊藤さんは「さまざまな事業を企画立案する中でいろいろなトラブルがあった。しかし、青少年のための事業をするとなるとどれだけでもアイデアが出てくる。やってあげているという感覚ではなく、事務局に手伝ってもらっているという意識で活動しないと組織は発展しない」と述べた。
質疑応答では青少年育成に係る多くの質問が上がった。伊藤さんは「点ではなく線の事業をするべき」「自分が自信を持って仕事をすれば必ず実りはある」「子どもに対してはできるだけ同じ目線で優しい言葉を掛けてあげると素直に聞いてくれるのでは」などと伝えた。
(2020年10月3日付紙面より)
罰則規定の適用始まる (新宮保健所 )
新宮保健所は2日、新宮市内の4カ所で「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に係る街頭啓発を実施した。
条例は、環境破壊の一因でもあるプラスチックごみなどの海洋流出を防止するため、その発生源である陸上に散乱しているごみを削減することを目的に制定。ごみを捨てた人が回収命令に応じなかった場合、5万円以下の過料に処されるなどの罰則規定が10月1日から適用されている。
同保健所では、昨年から不法投棄の取り締まりを含め、環境監視員の清水道彦さんと職員がパトロールを実施。不法投棄を防止する監視カメラを設置しているという。
イオン新宮店での街頭啓発は、同保健所衛生環境課の大家秀仁課長と清水さんが取り組み、来店者に条例を周知するチラシを配布した。
清水さんは「ごみの散乱を『しない』『させない』『許さない』が大切。街頭に出て監視の目を光らせていきたい」。大家課長は「罰則が始まりましたが、まずはごみを捨てない意識を高めてもらいたい。一緒に町をきれいにしましょう」と呼び掛けていた。
(2020年10月3日付紙面より)
七川地区の協議会へ着任 (古座川町 )
古座川町が1日、地域おこし協力隊の隊員2人を委嘱。七川地区の振興に当たる団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の事務を支援する隊員として着任した。
この協力隊は人口減や高齢化が進む地域へ地域外の人材を誘致し、地域協力活動への従事を通して定着を図る目的で総務省が支援込みで推奨する制度。古座川町は2015年度から隊員の委嘱を始め、地域振興への協力を得ている。
今回委嘱をしたのは横溝秀文さん(42)と谷井麻美さん(34)の2人。横溝さんは神奈川県伊勢原市の出身で、営業職に従事しつつ地方移住を模索する中で同町に興味を持ち、下調べをした上で同町の募集に志願。谷井さんは同町平井出身で、ふるさとを離れ兵庫県神戸市で映像作家として活動する中で出身地にゆかりがある同協議会から発注を受け、その過程で出会う移住者など自分にない視点を持つ人々の熱情に引かれて同町の募集に志願したという。
この日は西前啓市町長から2人に委嘱状を交付。隊員は単年度起用となるため任期は来年3月31日までだが、制度上、双方の希望があれば最大3カ年まで更新して地域協力活動に従事できる。西前町長はまちの実態を把握して地域おこしのために頑張ることを2人に期待して、委嘱の御礼で後に表敬訪問した下山会長へ引き継いだ。
第一歩を踏み出すに当たり横溝さんは経験を生かした特産品振興と新規に有害駆除への協力、谷井さんは強みである映像製作を引き続き生かした貢献に意欲。下山会長は「昨年から協力隊の募集を続けていただき、2人を採用いただけたことをうれしく思う。(先んじて着任している太田浩二隊員を加え)隊員が3人となった七川ふるさとづくり協議会はこれからも各区長、各住民と一緒になって七川地区を盛り上げていく」と話した。
同町は同日現在、太田隊員、横溝隊員、谷井隊員に加え、同町観光協会事務協力として2人、古座川ふるさと振興公社調理協力として1人の計6人を隊員として委嘱する状況となっている。
(2020年10月3日付紙面より)
【第21回】遊び食べに良い器は?
小さなお子さんがいらっしゃるお宅には、必ずあるプラスチックのお皿。便利ですよね? わが家でも、子どもが小さいうちは割れない器を使っていました。特に遊び食べをする子どもは、うっかり器を落としてしまうこともしばしば。ただでさえ目が離せないのに、食器まで割れたら泣きたくなりますよね。私も同じような気持ちで、割れない食器を使ってました。だけど、食育のことをいろいろ学んだ今、あえて、割れる食器を使うことをお勧めしたいのです。
遊び食べに困るのは9カ月くらいから3歳くらいまでといわれています。離乳食の時期から陶器の食器を勧める人もいますが、私は、そこは無理に陶器にする必要はないと思います。私が割れる食器をお勧めするのは大体1歳半くらいからです。
遊び食べは、食べ物を手やスプーンでぐちゃぐちゃにしたり、わざと床に落としたり、スプーンでお皿をたたいたり…だからマナーとしてはいけないとか、しつけなくちゃと思ってしまいがちです。お母さんたちの悩みのタネですよね。ついつい「こら!」「だめ!」と叱ってしまいますよね。
でも、実は遊び食べは、学習行動なんです。遊んで食べている、というのは大人から見た感覚。子どもたちは、どんな音がするのか、どんな感触なのか、五感をフル稼働させてさまざまなことを試して学んでいるのです。そんな遊び食べの時期にこそ、食器を割っていただきたいんです(笑)。こんな言い方するとおかしいですが、食器がどんなことをすれば割れるのか、どんな風に割れるのか、を学ぶチャンスだと思うのです。割れた時は、叱らずにまず「なぜダメなのか」をきちんと説明してあげてください。「もう割れちゃったから使えなくなったね」「下に落とすとこんなふうに粉々になってしまうよ」「もう元に戻せないよ」と。この体験で「優しく使わないと割れるんだ」ということを学んでいくというわけです。
そしてもう一つ、割った食器をどう片付けるのかを見せてあげてほしいのです。まずは大きい破片を新聞紙に包むとか、細かい破片が残っていたら、けがをするかもしれないから掃除機をかけるとか。割れた陶器がとても危ないということや、片付けるのにも注意しないといけないということを教えてあげてほしいのです。もしかすると遊び食べも少し収まるかもしれません。
木でできた器や、プラスチックの食器はとても便利で安心ですが、100円のものでも良いので、ぜひ食器が割れるということを経験させてあげてください。ただ、遊び食べには個人差があるので、時間に余裕がある時とか、今なら良いなと思える時に陶器に変えるというのもアリだと思います。無理のない範囲で、試してみてください。
(2020年10月3日付紙面より)