新宮地方建設業協同組合(海邊俊行理事長、組合員83)は28日、新宮市緑ヶ丘の同組合で第62回通常総会を開いた。昨年度収支決算・事業実施報告や本年度収支予算・事業計画などを承認。役員改選では海邊理事長を含め、全員を再任した。
新型コロナウイルス感染拡大予防対策を講じつつ可能な限り規模を縮小し開催。物故者に対する黙とうがささげられた後、海邊理事長が開会に当たりあいさつした。
国土強靱(きょうじん)化緊急対策が昨年で終わり、本年度からは加速化対策の名の下に約15兆円が閣議決定されたと述べ「この地域でも今後5年間、安定した工事量が望める。これもひとえに二階俊博先生、そして県建設部の方々のお力添えのおかげ」と感謝。
紀伊半島一周高速道路が全線事業化されたことにも触れ「安定した工事量が望める中においても予算獲得のために要望や陳情をしていきたい。これまでの活動が実を結んで今の工事量があり、金額が安定したと思っている。これからも活動を続けていければ」とさらなる協力を呼び掛けた。
本年度は▽建設工事量の確保、拡大の促進▽施工平準化の推進▽公共工事適正積算および適正工期の確保▽労働災害防止対策推進の強化▽中小企業に対する育成強化対策の推進▽建設業界秩序の確立および暴力団等の徹底排除▽災害発生時における備蓄品等の補充▽各種資格取得、知識向上のための講習会などの地元開催―の8点を重点事項に運営活動を実施していく。
また、新宮分会の安全指導員として長年にわたり尽力したとして、庵野了嗣さんと中上和年さんに対し、労働災害防止協会和歌山県支部から感謝状と記念品が贈られた。
(2021年5月30日付紙面より)
那智勝浦町区長連合会(会長・大江清一中里区長)は28日、同町の体育文化会館で総会を開き、本年度の行事計画案、予算案などの上程議案全てを承認した。役員改選では、橋ノ川区長の串俊男さんが新会長に選任された。
区長連合会は町内の55区で組織。区長相互の親睦を図り、町当局との連携を密にし、区民の福祉増進のために組織する。これまでには町花火大会実行委員会、南の国の雪まつりなどのイベントなどにも協力している。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から総会は開かず、書面決議のみとなった。2020年度は高速道路要望活動、近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間早期整備要望活動などを展開した。
大江会長は「町内にはさまざまな組織・団体がある。各分野で活性化のために取り組んでいるが、いずれの分野でも各区長が多いに関係してくる」。
16年から太田地区が一丸となって運営する交流センターの活動報告を行い、「私たちの役目は行政とのパイプ役。行政と連携を密にして住民の声を届けて、福祉増進などに寄与していきたい」とあいさつした。
堀順一郎町長は「コロナの終息のためにもワクチン接種が有効な手段。接種を推進するとともに6月の町議会では経済対策を提案していく。今年は東日本大震災、紀伊半島大水害から10年の年。防災減災の意識の向上に努めていきたい。各区長さまにはさまざまな形でご尽力を賜りたい」。
同町議会の荒尾典男議長も区長の尽力に感謝する祝辞を述べた。
令和3年度永年勤続区長の表彰では10年勤続が3人、5年勤続7人の計10人が対象となった。この日出席した5人に堀町長から表彰状および感謝状が贈呈された。
表彰者を代表して竹下喜万(よしかず)庄区長は「今後も区の発展や町の発展のために微力ながら、貢献していきたい」とあいさつした。
串新会長は「国内は超少子高齢化社会。かつての地域共同体の考えとはまいりません。区は必要な組織で持続可能な制度なのか。難しい場合はルールを見直してはいかがでしょうか。皆さまのお知恵を拝借して『自分ごととして』『お互いさま』などをシェアできる地域社会の『在りよう』を考える機会になれば」と話した。
(2021年5月30日付紙面より)
協力隊の北原さんが記録に残す (紀宝町 )
熊野川流域で唯一の川舟製作技術を後世に残そうと、紀宝町の地域おこし協力隊・北原潤希(じゅんき)さん(28)が作業工程を記録する取り組みを進めている。
協力隊に着任した2月以降、同町北桧杖の「熊野川体感塾」(谷上嘉一塾長)を拠点に、川舟「三反帆(さんだんぼ)」の遊覧体験の提供など、観光業務に取り組んできた。
そんな中、2隻の川舟製作依頼があり、川舟大工でもある谷上さん(79)の製作に立ち会うことになった。設計図はあるものの、細かな工程は谷上さんの頭の中だけ。「今の自分には手伝えるだけの技量がなく、今後、関われるようになったら活用したい」との思いから、記録作りに乗り出した。
スマホで写真と動画を撮影し、材料を削る行程から部材の仕分け、船底部分や側面を作る作業、乗船者が座るベンチなど細部にわたり技術を記録した。
川舟を作ってみたいと思う人の参考になればと、谷上さんら3人の大工の会話をヒントにシキやミヨシ、カジキなどの用語を分かりやすく表現することも心掛けた。6月末の完成を目指している。
「船底はスギの赤身部分だけを使い、3枚をつなぎ合わせる。それを台座に乗せ、炭であぶって曲線をつくる。完成した川舟に乗ると見ることができない部分だが、知識と経験が必要な作業。谷上さんは川舟と木材の特徴、加工方法を知り尽くしている」。
船頭になるため、小型船舶操縦免許を取得。現在は熊野川で操縦の練習に励んでいる北原さん。パソコンでデータを作成しつつ「自分で作った川舟に乗れればいいですが、そこに至るには多くの努力が必要になる。道具の使い方を身に付ける必要もあり、舟大工より船頭を目指す方が先ですね」と笑みをこぼした。
(2021年5月30日付紙面より)
2番手で登板、好救援
新宮市出身でプロ野球広島東洋カープの森浦大輔投手(22)が28日、ZOZOマリンスタジアム(千葉市)で行われたロッテとの交流戦でマウンドに上がり、1回1/3を無失点に抑え、登板14試合目で初勝利を挙げた。
森浦投手はキャンプ中から実戦で連続無失点の成績を収めて開幕1軍をつかみ取った。3月27日のマツダスタジアム(広島市)での開幕2戦目に当たる対中日戦では、広島3点リードの七回表に2番手としてプロ初登板を果たし、1回を無失点に抑えて初ホールドを記録した。
その後も中継ぎとしてチームの勝利に貢献し、これまで5ホールドを挙げていた。
この日の試合では、広島が2点リードの五回裏、2死二塁の場面で2番手としてマウンドへ。先頭の5番・角中勝也選手の7球目にバットを折るストレートで遊ゴロに打ち取ってピンチをしのぐと、六回には6番・岡大海選手を右飛、7番・エチェバリア選手には四球を与えたが、8番・藤岡裕大選手から129㌔のスライダーで空振り三振を奪うと同時に、一塁走者の盗塁を阻止した。その後は、後続の投手がつなぎ10―8で試合終了。チームの勝利に貢献した。
試合後のヒーローインタビューで森浦投手は「初勝利することができてうれしい。粘り強く投げることを心掛け、先頭打者を抑えて流れに乗れました。今後はチームを勝利に導けるような投手になっていきたい」と力強く語った。
仕事のため、試合を見ていなかったという父・孝二さんは「登板するたびにドキドキしていましたが、初勝利を聞いてうれしく思います。ひとえにチームをはじめ関係者、ファンの皆さまなど、多くの方々に支えていただいたおかげ。これからも、けがをしないように気を配り、チームの役に立てるよう頑張ってほしい」。
母・由紀さんは「いつも緊張しながら見ていましたが、思い出の日になって喜んでいます。改めて多くの方々に見守られ、応援していただいていることを実感してありがたく思います。コロナ禍で心配な面がありますが、体に気を付けて感謝の気持ちを忘れず、チームの勝利に貢献してくれれば」と話していた。
(2021年5月30日付紙面より)
総合スポーツ大会グラウンドゴルフ (ゆうゆうクラブ )
変更に向け説明会開催 (新宮市 )
新宮市は21日夜、市役所別館で「新宮都市計画道路(下本町下田線)の変更に伴う説明会」を開いた。周辺住民ら約30人が出席。市建設農林部都市建設課の職員が変更案や事業の流れなどについて説明した。
都市計画は、地方公共団体が地域の実情によって指定していく。道路、公園、下水などの都市施設は円滑な都市活動を支え、都市生活者の利便性の向上や良好な都市環境を確保する上で必要な施設として位置付けられている。
都市計画道路は、都市の骨格を形成し、安心で安全な市民生活と機能的な都市活動を確保する、都市交通における最も基幹的な都市施設として都市計画法に基づいて決定される。県との事前協議や地元説明会、素案・原案の作成、同審議会での審議などを経て計画が決定、事業化となる。
市ではこれまで、都市計画法に基づく都市施設の一つである都市計画道路について、計画の見直しを行ってきた。このたびの変更は未整備区間である下本町下田線(緑丘会館辺り~新宮信用金庫緑ヶ丘支店辺り)の道路線形と道路幅員計画を見直すもの。
都市計画では新宮信用金庫緑ヶ丘支店の裏側辺りに向けて大きくカーブを描く線形となっているが、変更案では現道を利用した上で総幅員16㍍計画を12㍍とする。現在総幅員(6㍍)が6㍍東側に拡幅する計画となる。なお、計画決定後には建築制限がかかるという。
市からの説明を受け、参加者からは「あの道路は水はけが悪い。道の広さばかりで高さの話が出ていない」「計画が行き当たりばったり。東側の土地所有者の意見ももっと聞いてから計画を立ててほしい」などの意見が上がった。「東側の住民は増改築の計画も立てられない。所有権の侵害に等しい。やるならやる、やらないならやらないをはっきり示してほしい」といった声もあった。
今後、計画案は素案の修正・原案作成などを経て、7月ごろから縦覧を実施し意見を募る予定。
(2021年5月23日付紙面より)
王子ヶ浜小で租税教室 (新宮市 )
新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)で20日、租税教室が開かれた。6年生60人が株式会社秀英社代表取締役社長で新宮納税協会青年部の平美貴將さんから税金の役割や使われ方を学んだ。
新宮・東牟婁租税教育推進協議会主催。次代を担う児童・生徒に税の意義や役割を正しく理解してもらうことが目的。
平美さんははじめに、国民の三大義務である「勤労、納税、教育」に触れ、日本には約50種類の税金があり、所得税、たばこ税、酒税、自動車税、法人税で約80%を占めると説明。日本よりも消費税率が高いスウェーデンなどでは、医療費などの福祉がより充実していると述べた。
児童はクイズを通して、税金が弥生時代の邪馬台国の時代からあることや、小学生が教育を受けるために1人当たり年間88万5000円の費用がかかっていることを学んだ。1億円のレプリカが入ったジュラルミンケースを持ち上げる体験では、あまりの重さに驚いていた。
加藤彩羽(いろは)さんは「改めて税金について知ることができ、身近に感じることができた。1億円は持てなかったけど、すごく重そうだった」と話していた。
(2021年5月23日付紙面より)
太地中で火災避難訓練 (太地町 )
太地町立太地中学校(山田貴也校長)で21日、火災避難訓練があった。同町役場消防係の職員4人が見守る中、生徒32人は避難経路をたどり、落ち着いて訓練に取り組んだ。
同校では火災発生時に対する危機意識を持ち、備えを行うとともに的確な判断の下に行動できる力などを養おうと毎年この時期に実施。訓練は保健室から出火したと想定し、校内放送でアナウンスが流れると、生徒は教職員の指示に従って避難行動を開始した。
この日は雨天のため体育館へと逃げ、訓練後には消火器の使い方や搬送法を学び、代表生徒が役場職員に教わりながら実践した。
役場消防係の飯田拓夢さんは「昨年よりも落ち着いて迅速にできていたと思います。避難時に重要な『押さない、走らない、しゃべらない、戻らない』を略した『おはしも』を忘れず、必ず実行してほしい」と講評した。
上久保弘子教頭は「皆さんの速やかに避難する姿が見られて良い訓練になったと思います。実際の場面では、煙が充満しているため体を低くし、手やタオルなどで鼻と口を押さえて吸い込まないなどの対処を忘れないでほしい。いつ、どこで火災が発生するか分かりません。もしものときのために避難経路や消火器の位置を確認するといった意識を持ってください」と呼び掛けていた。
(2021年5月23日付紙面より)
貸出予約開始に伴い調整会議 (新宮市文化複合施設 )
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」施設貸し出し予約の受け付けが15日から始まった。同日、市役所庁舎では1回目の使用調整会議が開催され、10~12月に文化ホール施設使用を希望する10組(団体)14人が施設の説明を受けたほか、質疑応答を通して施設使用日の調整を行った。
同市下本町で10月3日(日)の開館に向け建設工事が進む同施設。市は開館後の貸館事業において「より多くの人が公平に施設を使用できるように」と、予約受付開始日に使用調整会議を実施するに至った。同会議に参加した者(団体)が優先して予約することができる。
文化ホールは施設使用希望日の1年前から予約可能。来年5月までの予約に関しては今月中に3回の使用調整会議を通して予約を受け付け、5月以降については、受付開始日(原則毎月1日)に使用調整会議を開催し、使用希望日が重複した場合は話し合いまたは抽選を行うといった流れ。重複していない団体は内定となる。楽屋や会議室、和室、スタジオを単独で使用する場合は、使用日の3カ月前から予約が可能だ。
予約受け付け開始に先んじて、市文化振興課の職員が「文化ホール」「熊野学エリア」やその他諸室の概要や客席パターン、「ホール」「楽屋」「会議室」「和室」「スタジオ」「その他共用スペース」の使用料などについて説明。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、施設使用に関しては▽マスク着用の徹底▽人と人の間隔の確保▽手洗い・手指消毒の徹底▽定期的な換気▽検温と健康状態の確認▽参加者情報の把握▽来場者への事前告知・開演前アナウンス―の対策を講じるよう協力を求めた。
なお、予約決定後でも県内および近隣地域での感染拡大や催し物におけるクラスターの発生があった場合は入場者数の制限や施設使用を中止とするほか、イベントの開催内容によっては国の定める基準にのっとり収容率50%以内での使用とする場合もある。
この日の会議では10団体(市内9、市外1)中、希望日重複なし、または抽選で希望日への申請権を得た7イベントが申請を申し出た。来年1、2、3月分の予約については今月22日(土)に開始予定。
(2021年5月16日付紙面より)
コロナウイルス感染症の影響により
ツール・ド・熊野実行委員会は新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が収まらない状況を受け、6月4日(金)から6日(日)まで開催を予定していた「第22回ツール・ド・熊野」(NPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催/角口賀敏理事長)の延期を決定した。
同委員会は世界保健機関(WHO)や日本政府をはじめとする関係機関の対応、他の国際的なスポーツイベントなどの動向を注視しながら大会の開催に向けて関係各位と共に準備や検討を重ねてきた。しかし、7日に政府からの緊急事態宣言延長の決定を受けて同委員会で協議した結果、延期を決めた。
同委員会は「参加者やボランティア、スタッフ、地域住民の方々への感染リスクを減らすことを最優先に考え、当初予定での開催を見送ることとしました。なお、開催についてはコロナ感染の状況を見て、皆さんのご意見を伺いながら検討したいと思います。一日も早いコロナ感染終息を心よりお祈り申し上げます」とコメントを寄せている。
□ □
■ツール・ド・熊野
「3DAY ROAD 熊野」実行委員会立ち上げ後、1999年4月に「南紀熊野体験博」「東紀州体験フェスタ」の関連イベントとして初めて開催。地域の復興と地球環境に優しい自転車の普及を目的に「3DAY CYCLEROAD 熊野」が行われた。
2007年の第9回大会よりNPO法人SPORTS PRODUCE熊野主催「ツール・ド・熊野」に名称が変更。08年からUCI(国際自転車競技連合)アジアツアー2・2のカテゴリーに指定され「ツアー・オブ・ジャパン」「ツール・ド・北海道」と並び、同連合公認の国内3大レースの一つとなった。
(2021年5月16日付紙面より)
温泉むすめの祭壇に (那智勝浦町 )
株式会社エンバウンド=東京都=が展開する人気コンテンツ「温泉むすめ」の南紀勝浦温泉「南紀勝浦 樹紀(きき)ちゃん」を発信してきた那智勝浦町の南紀勝浦温泉旅館組合(清水貞吾組合長)。同組合の入り口左にはグッズを飾る大きなスペースが設けられており、新型コロナウイルス感染拡大以前や緊急事態宣言発令前は多くのファンが訪れ、にぎわっていた。
温泉むすめは全国の温泉地をキャラクター化し、知的財産(キャラクターIP)を通して、日本各地の温泉地や地方都市の魅力を国内外に発信することが目的。観光庁の後援も受けている。
ファンたちはグッズを飾るスペースを「祭壇」、自らが描いた絵やメッセージ、持参のグッズを寄贈することを「奉納」と称している。
男性のファンは「ぽか旦那」、女性のファンは「ぽか女将(おかみ)」と呼ばれ、両者は全国各地の温泉むすめを巡り、祭壇に奉納を行っている人も多いとされる。
グッズの奉納は約3年前から続いており、以前は同町のメッセージ花火大会の際にはファンから「樹紀ちゃん」の誕生日花火も打ち上げられた。
今年3月には株式会社モバイルファクトリー=東京都=が配信するアプリの位置情報連動型ゲーム「ステーションメモリーズ!」「駅メモ! Our Rails」とのコラボレーションもあり、約200人が同組合を訪れ、4月は約60人が来町したという。現在は新型コロナの影響と緊急事態宣言で減少している。
同組合によると、経済効果については温泉むすめとのコラボプランを出している町内の民宿や、「樹紀ちゃん」のサイン入り等身大パネルなどが設置されたホテルで入浴や宿泊するファンも多いという。リピーターもおり、月に1度は来町する人もいるほどで地域活性化に一役買っている。
同組合担当者の中平理咲さんは「樹紀ちゃんのファンも増え、南紀勝浦温泉の認知度も広がった。今後もコラボ事業を頑張ってもらえたら。樹紀ちゃんをきっかけに、那智勝浦町のことを深く知っていただけたら」と話した。
(2021年5月16日付紙面より)
新型コロナワクチン (紀宝町 )
紀宝町は15日、80歳以上の高齢者を対象とした新型コロナワクチンの集団接種を開始した。接種会場の町生涯学習センターまなびの郷では、3密を避けるため接種時間帯を分けて実施し、定員の240人が接種した。
町では混乱が生じないよう、高年齢順に予約を受け付け、現在は80歳以上が対象となっている。14日には75歳以上の町民に20日(木)から受け付け開始の通知を個別に郵送した。
町内三つの医療機関で行う個別接種は17日(月)から始まる。
感染症対策を徹底した集団接種会場では、サーモグラフィーで検温した対象者をスタッフが会場に案内し、予診票に記入漏れがないか確認。予診室で医師が問診、看護師が接種した。
接種後の経過観察が終わった98歳の男性は「近隣市町で感染者が増えてきたので、早く接種したいと思い一番に並んだ。注射は痛くなかった。スムーズに接種が終わり、安心した」と話していた。
(2021年5月16日付紙面より)
熊野川中で畑作りスタート (新宮市 )
新宮市立熊野川中学校(松本潤校長)の畑で11日、2年生14人がサツマイモの苗植えに向けた畝作りと雑草対策のマルチ(黒のビニールシート)掛けをした。地域住民で組織する「チームくまのがわ」のメンバー5人も協力し、農作業を通じて交流した。
畑作りは南地恭太教諭の発案で昨年4月に始まり、チームくまのがわの協力を得ながら4㍍×10㍍の区画を開墾。サツマイモを育てていたが、イノシシの被害に遭って収穫はかなわなかった。
今年は獣害対策を強化するため、チームメンバーが新たに電気柵を設置。生徒と教職員も「今年こそは自分たちの手でさつまいも交流会を開き、普段お世話になっている地域の方々を招いて感謝を伝えたい」と意気込んでいる。
生徒たちが慣れない様子でくわを振るい、手も使いながら4本の畝を作った。初めて農作業を体験する生徒もおり「畝って何?」「なぜビニールシートを掛けるの?」とそれぞれに学びを深めた。
松本友惺君は「チームくまのがわの皆さんは、いつもこんなに大変な作業を手伝ってくれているんだと分かり、ありがたいなと思った。さつまいも交流会では、おいしい芋を食べてもらいたい」。
チームメンバーの木村康史さんは「子どもたちと交流すると、地域住民側にとっても若さをもらえていいこと。今年は生徒も多く、楽しそうに作業をしていた。いい畝ができたのでは」と収穫に期待を寄せた。
(2021年5月13日付紙面より)
2年生が職業観学ぶ (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)の2年生73人は11日、職業学習の事前授業に取り組み、同町井田で洋菓子店「パティスリーアフレイル」を営むパティシエの橋本優さんから職業観について学んだ。
これまで2年生は3日間の日程で「職場体験学習」に取り組んできたが、昨年度からは新型コロナウイルスの影響で、職業観を聞く職業学習に切り替えた。
橋本さんは兵庫県神戸市出身。神戸のレーブドゥシェフで17年間勤め、ケーキの本場フランスでの研修やコンテストにも参加し、2015年8月にアフレイルを開業した。
「小学生の頃から趣味でケーキを作っていた。21歳からケーキ店で働き、39歳で起業した。最初の3~4年頑張ったおかげで今がある」と振り返った。
「働くことは誰かの役に立つこと。自分は何が好きか、何が得意か、それでお金が得られるのか考えることが重要になる」と自身の職業観を伝えた。
「現在(いま)の延長線上に未来がある」「情熱は不可能を可能にする」。ケーキ職人から教わった言葉を紹介し「中学生の夢は無限に広がっている。未来をつぶさないよう、今自分が何をすべきか考え、社会で戦える力を身に付けて」と呼び掛けた。
2年生は6月上旬に職業学習に取り組み、地域で働く人に仕事のやりがいや苦労などをインタビューする予定だという。
(2021年5月13日付紙面より)
新型コロナウイルスワクチン (那智勝浦町 )
那智勝浦町はこのほど、65~74歳までの町民の新型コロナウイルスワクチンの接種券送付を6月以降に延期することを発表した。国からのワクチン配分に遅れが生じ、接種回数の確保が難しくなったことが要因だという。町によると、「広報なちかつうら5月号」で65~74歳までの接種券送付を5月初旬としていたが、前述の理由から延期することとなったという。
町ではすでに75歳以上の高齢者の集団接種を先月から始めており、2回目の集団接種は10日から実施している。
榎本直子福祉課長は「65~74歳までの皆さまへの接種券配布が遅れてしまい申し訳ございません。できるだけ早く送付せていただきます。また、75歳以上の方の病院による個別接種もスムーズに進めていきたい」。
堀順一郎町長は「ワクチン接種が日常生活を取り戻すための第一歩。届き次第すぐに対応できるよう態勢を整えている。町内で現在、感染者が出ていないのも町民の皆さまのおかげ。感謝しています」と話した。
□ □
同町は町民が抱えるワクチンへの疑問や不安の解消などを目的に「新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口」を3月、役場内に設置した。
福祉課によると、「ワクチンはいつ打てるのか」「ワクチン接種によるアレルギーや副反応は大丈夫なのか」などの問い合わせが多いという。
担当職員は「ワクチン接種について不安や疑問があれば電話やご来庁の際にお気軽にご相談ください」と話している。ワクチン接種相談窓口は(電話0735・29・6137)。
なお、個別接種に対応する町内の医療機関への予約方法は各医院へ直接、電話で行う。個別接種による町内の医療機関は別表の通り。
(2021年5月13日付紙面より)
食事会に参加した10人が感染
熊野市内で11日、8人が新型コロナウイルスに感染したことが確認された。県は、このうちの7人を含む20~50代の男女10人の陽性をクラスター(感染者集団)と発表した。
県によると、熊野市内で3日に開かれた飲酒を伴う食事会に男女18人が参加。数人が6日にのどの痛みなどを訴え、検査したところ陽性が判明した。18人のうち16人の検査が済み、県外2人と熊野市、御浜町8人の計10人の感染が確認された。現在の症状はいずれも無症状や軽症~中等症だという。
県は県外感染者を除く8人の濃厚接触者計43人と接触者計30人について調査を進めている。県外感染者の濃厚接触者で50代男性の陽性も確認された。
これを受け、熊野市の河上敢二市長は11日、市民に向けて次のメッセージを発した。
□ □
感染者の皆さま方には、心からお見舞い申し上げますとともに一日も早い回復をお祈りいたしております。市といたしましては、三重県や関係機関と協力・連携しながら感染拡大を防ぐための対策に努めてまいります。
感染は誰にでも起こり得るもので、どれだけ気を付けても完全に防げるものではないものだとご理解ください。ご自身やご家族が感染したと思って行動を考え、感染された方やそのご家族などへの差別や偏見につながる行為、誹謗(ひぼう)中傷は絶対に行わないでください。また、根拠が不明な情報やうわさに惑わされることのない冷静な対応をお願いします。
市民の皆さまには、市内での感染拡大を防ぐためにも、生活の維持に必要な場合を除き、日中を含め、外出や移動を避けていただくとともに、屋外であっても身体的距離を確保し、マスクの着用、手洗い、定期的な換気を行うなど、これまでも繰り返しお願いしてきた一人一人ができる基本的な感染症対策のさらなる徹底をお願いします。
(2021年5月13日付紙面より)
熊野那智大社で神楽講習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で7日から神楽講習が始まった。一般社団法人神社音楽協会の先崎径子(せんざき・みちこ)会長の指導の下、新人含む4人の巫女(みこ)は「浦安の舞」や「那智の瀧舞」に磨きをかけるべく、稽古に汗を流した。
同大社では神前にささげる神楽の質を保つことなどを目的に2~3年に1度、神楽講習を行っている。前回の2018年から3年ぶりの実施となった。
「浦安の舞」は1940(昭和15)年に皇紀2600年奉祝会に向け当時の宮内省楽部の多忠朝(おおの・ただとも)楽長が考案した神楽で、後に全国規模の講習会で各地の神社に広められ、同時に舞い手の巫女も定着させた。「那智の瀧舞」は、同大社の3代前の篠原四郎元宮司と同協会の先代の多静子(しずこ)元会長が考案したという。
講習を前に巫女や先崎会長、男成宮司らは拝殿で「神楽講習開始奉告祭」を営んだ後、斎館にて講習が開始された。
先崎会長は巫女それぞれの注意すべき点を教え、目線や手の位置、所作について丁寧に説明した。さらに「余計な力を抜く」「神楽は自然体が重要」などのアドバイスも行った。
先崎会長は「巫女にとって最も大切な仕事の一つがご神前に奉納する神楽。参拝される方々にすがすがしい気持ちになってもらえることが役目。神楽は世界平和を祈る舞でもあるため、祈りがこもらないといけない」と話した。
新宮市出身で今年4月から同大社の巫女に奉職した住口梨音(りの)さん(18)は「しっかりと教わって、参拝していただいた皆さまに『那智大社に来て良かった』と思ってもらえるように頑張りたい」と語った。
男成宮司は「神楽舞の一番の指導者である先崎会長から教えていただけることがありがたい。形や基本を習得して、心を込めて舞をご奉納できれば」と述べた。
4日間の稽古の成果を神前に奉告する「神楽講習終了奉告祭」は11日(火)午前10時ごろに営まれる。
(2021年5月9日付紙面より)
立岡さん、自作の歌寄贈 (新宮市 )
新宮市の歌詞家、立岡みのるさん(84)は7日、新宮市役所を訪れ、新曲「丹鶴ホールの唄」が録音されたCDを寄贈した。曲を聴いた田岡実千年市長は「歌詞に新宮市の歴史や文化が入っており、丹鶴ホールの特徴も捉えられている。素晴らしい歌詞だと思います」と伝えた。
通信教育などで作詞の腕を磨き、これまで30~40曲もの歌詞を作ってきた立岡さん。10曲ほどがカラオケ配信されるほどの実力だ。このたび、現在建設が進む、市文化複合施設「丹鶴ホール」にスポットを当て「市に奉公したい」との思いで作詞に挑んだ。
制作に当たっては「晴れやかで誰にでも親しまれるような歌詞に仕上げた。吹奏楽の演奏にも向いているのでは」。「速玉様」や「城下町」「熊野学」など、市内の名所や特徴を歌詞に盛り込み、ポジティブなメッセージへと昇華させた。
現在は吹奏楽用に編曲を進めているとし「地元の高校生に演奏、歌唱してもらえれば」と希望を口にした。
田岡市長は「丹鶴ホールがオープンしたら、どこかのタイミングで高校生に演奏してもらい、多くの人に聞いてもらいたい。この曲がBGMとして流れているとわくわくしますね」と笑顔で話していた。
□ □
♪神倉さんや速玉様の神の都
お城山を眺めれば
丹鶴姫が昔いたと言う
讃歌が流れるホール
みんな集うよ楽しく集うよ
タンタンタン丹鶴ホール丹鶴ホール♪
(2021年5月9日付紙面より)
鮒田地区高台の階段上り (紀宝町 )
10年前の紀伊半島大水害で、家屋の全壊や大規模半壊などの被害が多数出た紀宝町鮒田地区に一時避難場所が完成した。竣工(しゅんこう)式があった後日、地区住民が避難場所を確認した。
高台は海抜20㍍、広さ820平方㍍。鮒田区では今後、車庫や衣類などを保管する倉庫を造る計画だという。
水害時には避難所の寺が浸水し、住民は豪雨の中、深夜に寺の裏手にある山道を通り浄水場管理棟へ避難した。地区の女性は「薄着にはだしで寒かったが、みんな必死だった。雨と雷の中、黙々と進んだ。どれだけ歩いたかは覚えていない」と当時の様子を振り返った。
水害を教訓に区は2018年、高台に用地を確保。熊野川で掘削した土砂を活用して紀南河川国道事務所が整備した。
想定を超える浸水に備え、一時避難場所から階段を上ると海抜60㍍まで逃げることができる。この日集まった住民約40人は、階段を上って海抜60㍍の広場まで出向いた。
区では水位をいち早く確認するため、4カ所に防犯カメラを設置。スマートフォンやタブレットで見ることができるという。東口高士区長は「防災に終わりはない。これからも取り組みを進めていく」と話していた。
(2021年5月9日付紙面より)
三輪崎保が花まつり (新宮市 )
新宮市三輪崎の太興山龍雲寺(中畑弘士住職)は7日、釈迦(しゃか)の誕生を祝う「花まつり」を開いた。隣接する保育所型認定こども園三輪崎保育園(中畑元太園長)の5歳児21人が参加し、生花で飾った花御堂(はなみどう)の誕生仏に優しく甘茶を注いだ。
釈迦の誕生の時に竜が現れ、甘露の雨を降らせたという伝承に倣った行事。本来は4月8日に行うが、園児が生活に慣れるまで1カ月ずらしている。
釈迦が描かれた冠をかぶった園児たちは行事の由来を学び、一人一人誕生仏の像に甘茶を掛けて手を合わせた。甘茶を飲むと「砂糖が入っていないのに甘い」「おいしい」と驚いた。この日は三輪崎地区に出て、近隣の施設で花まつりの歌を披露する姿も見られた。
中畑園長は「お釈迦様は、小さなお友達の命も大切にするとても優しい男の子でした。みんなもお釈迦様と一緒で、仲良しなのが大好きですよね? 『ありがとう』や『ごめんなさい』を言える子になってください」と語り掛けていた。
(2021年5月9日付紙面より)