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2021年04月28日
1 渋沢翁に学ぶ「おかねの大切さ」
 新宮YEGが絵本を寄贈  (新宮市 )

 新宮商工会議所青年部(新宮YEG、向井康博会長)の向井会長、井上乃安・下原久幸・福本友樹の各副会長、門和宏専務理事は26日、新宮市役所を訪れ、渋沢栄一をテーマにした子ども向けの絵本「おかねってなぁに?」35冊を寄贈した。田岡実千年市長は「大人にとってもためになる素晴らしい絵本」と感謝を伝えた。絵本は市立図書館と市内小学校に配布される。

 絵本は、2024年度から1万円札の図柄となる渋沢栄一(1840~1931年)が、分かりやすくお金の大切さを伝える内容。「日本の資本主義の父」といわれている渋沢栄一は、商工会議所創設者でもある。

 日本商工会議所青年部では、「渋沢栄一プロジェクト第1弾」として渋沢栄一のやしゃごである澁澤健さんと米良充朝・日本YEG会長による対談を経て、澁澤さん監修による「おかねの大切さを渋沢栄一翁(おう)から学ぶ」という視点で書かれた絵本を制作。

 寄贈はプロジェクト第2弾としての取り組みで、全国415のYEGで実施された。絵本は「お金の歴史」や「お金の3つの役割」「ありがとうが増えるとお金が増える」などの項目を親しみやすいイラストで紹介。▽使う▽ためる▽助ける(寄付)▽働かす(ありがとうをつくる)―のお金の使い方を子どもにも分かるように説明している。寄贈に当たり、向井会長は「絵本を読んで、お金に理解を持ってすくすくと成長してほしい」と思いを語った。

  □     □

■「バイローカル」周知も呼び掛け

 本年度、地域・事業者の活性化を目指して新宮YEGが啓発に取り組む「BUY LOCAL(バイローカル)」の考えに基づいた「バイローカル新宮~地元の未来のために~」事業。

 地域で独立経営をする店舗を利用することで、買い物に使った資金を地域内に環流させることによって当地の経済を活況にしようとする取り組みで、新宮YEGではポスターやウェブサイト、ロゴデザインを活用した商品などを作成。周知や情報発信を展開している。

 会員らは田岡市長に対し、今後は新型コロナの状況を見極めながら、加盟店によるマルシェ(市場)などのイベント実施も視野に入れていると報告し「新宮市には特色ある店舗が多くある。そんなお店を掘り起こしたい」。

 「広報により事業所がより育つ。市の職員さんにも意識を高めてもらい、一緒に企業を育てていければ」と協力を要請。対し、田岡市長は「理念が広がるように、できることに取り組んでいきたい」と応じた。

(2021年4月28日付紙面より)

新宮商工会議所青年部が田岡実千年市長(前列中央)に絵本を手渡した=26日、新宮市役所
2021年04月28日
2 子どもが遊べる環境を
 木戸浦グラウンド無料開放  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は現在、同町天満の木戸浦グラウンドを町内在住の子どもたちに無料開放している。開放時間は、グラウンドの使用に余裕のある平日午後3時から5時まで。土、日曜日、祝日と12月29日~翌年1月6日は除く。

 町内には公園以外で広く使うことができる遊び場が少なく、子どもたちに安全に心置きなく体を動かしてもらおうと昨年10月1日から開始した。

 ルールは▽使用後はグラウンドの整備を行い、ごみは持ち帰る▽野球は小学生のみ使用可▽自転車や単車などの乗り入れは禁止▽ペットを連れての利用は不可▽けががないよう、十分に注意する▽事故などが起きた場合には責任を負いかねる―としている。

 町教育委員会によると、大人のみの使用はできないが、子どもと一緒の場合は使用できる。

 町の担当職員は「町の子どもたちが元気に遊ぶことができる環境との思いで町や教育委員会、関係者などが一体となって取り組んでいます。コロナ禍で不安な日々が続いていますが、しっかりと感染症対策を施した上で少しでも元気に体を動かしてほしい。その中でスポーツ振興などにもつながるきっかけになってもらえれば」と話していた。

(2021年4月28日付紙面より)

町内の子どもたちを対象に無料開放している木戸浦グラウンド=23日、那智勝浦町天満
2021年04月28日
3 今年も羽化シーズン始まる
 記念物のハッチョウトンボ  (古座川町 )

 古座川町内で今年も、世界最小のトンボ類・ハッチョウトンボ=町指定天然記念物=の羽化シーズンが始まった。

 ハッチョウトンボは東南アジアの熱帯域に多く分布するが、生育環境が特殊で国内で観察できる場所は局所的に点在する状況となっている。成虫の体長は一円玉大の約2㌢。羽化後に成熟すると雄はほぼ全身が鮮やかな赤色、メスは腹部が褐色と黒色のしま模様に色づき区別が容易になる。

 同町直見(ぬくみ)にある大谷湿田は県道沿いでもアピールされている生息地で、同町は過去に学術報告されて以降ハッチョウトンボを天然記念物、同湿田を自然保護区に指定して種の存続を図っている。

 現在は木道(もくどう)以外の湿田内への立ち入りを制限しているが、ハッチョウトンボは求愛する時を除いて水生植物につかまりじっとしていることが大半。木道上に人が入っても、手が届きそうなぐらい極端に近づかなければ容易に観察できる。

 同湿田の羽化のシーズンは5月中旬~7月中旬とされているが、最近はゴールデンウイーク半ばからちらほらと成虫が見られる傾向にある。今年はさらに早く羽化が始まったようで、26日は木道上から5匹を観察できたが色づきはこれからといった状況だった。

(2021年4月28日付紙面より)

大谷湿田のハッチョウトンボ。色づきはこれからといった状況だった=26日、古座川町直見
2021年04月28日
4 2年ぶりの田植え作業
 近大新宮中が熊野川町日足で  (新宮市 )

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)の1年生46人が27日、同市熊野川町日足の水田を訪れ、田植え作業を体験した。新型コロナウイルス感染症の影響で2年ぶりの取り組み。晴天の下、生徒たちは1本1本丁寧に苗を植えた。

 市の教育目標である「郷土への誇りと愛着を育む教育の充実」を目的に2016年にスタート。地元農家との交流を通じて地域への愛着を深めるとともに、さまざまな人の手が加わって生産される食べ物や農家への感謝の心を育んでいく。水田は11年の紀伊半島大水害で被害を受けた場所にあり、復興に向けて頑張る地域の姿を伝える狙いもある。

 この日は水害後に地域の耕作放棄地を減らす活動に取り組む「MYNS(マインズ)」(南本安信代表)や県、市、JAみくまのの関係者らが指導に当たった。生徒たちは田んぼの泥の感触に「ぬるっとする」「足がはまった」と叫びながらも、喜々として作業に取り組んだ。稲刈りは8月下旬に予定しており、450~500㌔の収穫を見込んでいる。

 寺地優太君(1年)は「上手にできたと思う。秋の近大新宮祭で、みんなが買ってくれるようなお米に育ってほしい」。南本代表は「たくさんの生徒たちが田植えに取り組んでくれてありがたい。この中から将来の農業後継者が出てくれるといい」。MYNSメンバーの下阪殖保さんは「収穫では、生徒たちもぐんと大人になった姿を見せてくれるのを楽しみにしている」と話していた。

(2021年4月28日付紙面より)

田植え作業に取り組む生徒たち=27日、新宮市熊野川町
2021年04月28日
5 伊藤藍さんが組手53㌔の部で優勝
 全国高校空手道選抜大会  
2021年04月28日
6 那智勝浦少年野球クラブが制す
 スポ少野球東牟婁予選  
2021年04月28日
7 屋根設置工事が完了  市庁舎障害者用駐車場に  (新宮市 )
2021年04月28日
8 くつろぎながら絶景楽しんで  アウトドアリビングを開設  (休暇村南紀勝浦 )
2021年04月28日
9 一つ一つに心を込めて  きいちゃんのモザイクアート  (新宮市 )
2021年04月28日
10 男女そろって準優勝  県中学卓球チャンピオンシップ  (御浜中 )
2021年04月28日
11 ワクチン接種券を送付  シミュレーションも実施  (御浜町 )
2021年04月28日
12 井田海岸で月1回の清掃活動  にっこりフェスは5月に予定  (ウミガメ公園 )
2021年04月28日
13 交通事故のない社会を願い  母への思い込め中岡さんが寄付  (紀宝町 )
2021年04月28日
14 冊数多い5人招きたたえる 「本を読んだで賞」贈呈式 (串本町図書館)
2021年04月25日
15 色川茶畑が降霜により打撃
 県内各地でも被害  (那智勝浦町 )

 「こんなことは10年に1回くらいではないか。収穫量はどうしても落ちてしまう」―。そう話すのは那智勝浦町熊瀬川にある農事組合法人両谷園の岡洋祐代表だ。10日早朝、一番茶収穫前の色川地域で発生した降霜(こうそう)によって両谷園のメンバーや取り引きする生産者の茶畑の茶葉に枯死(こし)被害が相次いだという。

 両谷園は同地域在住の榎本静夫さんが1983年に無農薬の茶の栽培を行う自園自製の茶工場を創設。一番茶を使った「上ほうじ茶」や「ほうじ茶」、「大雲取」などの煎茶が町内外から人気で、個人やスーパーなどに販売している。

 当日、被害に気付いた岡代表らは茶畑各所を回り状況を確認。その後、メンバーらで被害に遭い変色した箇所や良い葉も含めて枝をそろえることで木の成長を合わせる整枝を行った。

 被害を調査した東牟婁振興局では、今年は暖かく例年より木の成長も早かったことから新芽に霜の被害が出たと見解を示した。

 和歌山県農林水産部によると、10日の降霜によって県内では同町に加え、白浜町日置川の茶に新梢(しんしょう)しおれや枯死が。さらに梅では、田辺市と上富田町で果実陥没、傷果(しょうか)、落果、新梢しおれの被害が発生しているという。21日現在、県内全体で被害面積が84・5㌶、被害総額が8022万1000円と報告されている。

 同部職員は「2010年に霜の被害は発生しているが、近年は今回のような被害はなかった。適正な温度管理のために暖かい空気を防霜ファンなどで送ることが対策となる」。

 岡代表は整枝を終えた茶畑を見つめ「われわれも含め生産者の方々にとって1年かけて育てた木なのでショックは大きいと思う。自分たちが行った方法が木にとって正しいかはまだ分からない。木をリセットした形となった。品質が落ちなければありがたい」と語った。

(2021年4月25日付紙面より)

降霜被害があった色川地域の茶畑=21日、那智勝浦町熊瀬川
変色した茶葉
2021年04月25日
16 「県民へのお願い」内容変更
 緊急事態宣言発出を受け  (和歌山県 )

 和歌山県は23日、東京都・京都府・大阪府・兵庫県に「緊急事態宣言」が発出されたことを受け、「県民の皆様へのお願い」の内容を見直した。

 3度目の発令となる緊急事態宣言。期間は25日から5月11日(火)まで。また、「まん延防止等重点措置」を実施すべき区域に愛媛県が追加された。

 これを受け、和歌山県は「大阪府、兵庫県、京都府、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、宮城県、沖縄県への不要不急の外出を控える」の項目に愛媛県を追加。「政府対策本部が『まん延防止等重点措置』の区域を指定している期間」を「政府対策本部が『緊急事態措置を実施すべき区域』等を指定している期間」に変更した。

 県では引き続き▽カラオケ・ダンス等の大規模な催しへの参加を控える▽在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用―などを呼び掛けている。

(2021年4月25日付紙面より)

2021年04月25日
17 大水害から10年、念願の高台完成
 テープカットで竣工祝う  (紀宝町鮒田 )

 2011年の紀伊半島大水害から今年で10年。相野谷川の氾濫により甚大な被害を受けた紀宝町鮒田地区の高台に一時避難場所が完成し、23日に竣工(しゅんこう)式が行われた。避難場所(約850平方㍍)は海抜20㍍に位置し、今後は鮒田区、鮒田自主防災会と町が連携を深めながら消防車庫の設置など整備計画を進めていくという。

 式では西田健町長、東口高士・鮒田区長、国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の川尻竜也所長、町議会の向井健雅議長、萩野進也・総務産業常任委員長がテープカットし、竣工を祝った。

 西田町長は、当時の被害を振り返り「人の命が一番を基本に、安全安心な町づくりに取り組む」とあいさつ。東口区長は高台整備に感謝し「町では日本で最初のタイムラインを策定し、鮒田区でも生活タイムラインをつくった。これからもこの地区で防災の取り組みを頑張りたい」と述べた。

 大水害時、鮒田地区は約13㍍浸水し、家屋の全壊が4棟、大規模半壊が127棟、半壊が41棟、土砂による全壊1棟など181棟が被害を受けた。区では水害を教訓に2018年、高台用地を確保。熊野川で掘削した土砂を活用して紀南河川国道事務所が整備し、今年3月末に完成した。

 想定を超える浸水に備え、一時避難場所より高い海抜60㍍の地点にも避難場所を整備した。

(2021年4月25日付紙面より)

テープカットで一時避難場所の竣工を祝う=23日、紀宝町鮒田
2021年04月25日
18 未成年飲酒防止訴える
 新宮小売酒販組合らが街頭啓発  

 新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは23日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅キャンペーンの街頭啓発を実施した。組合員ら約20人が買い物客らにチラシとティッシュを配った。

 毎年4月は「未成年者飲酒防止強調月間」。和歌山県全体では2000年から、新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを実施している。

 国税庁では20歳未満の者が飲酒をしてはいけない理由について▽脳の機能を低下させる▽肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくする▽性ホルモンの分泌に異常が起きるおそれがある▽アルコール依存症になりやすくなる▽20歳未満の者の飲酒を禁ずる法律(未成年者飲酒禁止法)がある―を挙げている。

 この日、同組合以外に参加したのは、新宮市立少年相談センター、新宮料理飲食業組合、フランチャイズチェーン協会、(株)オークワ、紀南酒造組合などの皆さん。

 啓発活動は、ソーシャルディスタンスの確保や手指消毒、「なるべく声を発さない」などの新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で実施。

 辻理事長の開会宣言の後、マスクと手袋を着用した参加者らは「飲まへん、売らへん、勧めへん」「二十歳未満の飲酒は法律で禁止されています」「年齢が確認できない場合は、新宮小売酒販組合加盟店は酒類の販売はいたしません」とエンドレステープが流れる中、買い物客らに啓発物資を渡した。

 強調月間に当たり、辻理事長は「未成年者はまだ体ができていないため辛抱いただきたい。お酒は二十歳になってから楽しんで」と呼び掛け。

 新型コロナの影響で規模縮小となった啓発活動や、小売店や飲食業など多くの事業者が長引くコロナ禍により売り上げ減などにあえぐ現状に対し「多くの事業者が苦労していると思う。コロナが終息し、みんなでワイワイとお酒を楽しめる日が早く来れば」と話していた。

(2021年4月25日付紙面より)

買い物客らに未成年飲酒防止を訴える=23日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
2021年04月25日
19 矢渕中、紀宝柔道会が活躍
 松阪市スポ少交流柔道大会  
2021年04月25日
20 優勝は久司雅代さん
 なちかつGGCクラブ大会  
2021年04月25日
21 玉置裕さんが新委員長に  千穂第一地区福祉委員会が総会  (新宮市 )
2021年04月25日
22 自費PCR検査に助成  紀宝町が上限1万円を  
2021年04月25日
23 紫と白の競演を期待  フジの花が新緑に映える  (那智勝浦町南平野 )
2021年04月25日
24 きれいなお花がいっぱい  丹鶴幼稚園がお散歩  (新宮市 )
2021年04月25日
25 お悔やみ情報
  
2021年04月23日
26 託す、復興への願い
 地域住民らがこいのぼり設置  (新宮市熊野川町 )

 熊野川地域フラワーツーリズム推進協議会(下阪殖保会長)は22日、新宮市熊野川町日足道路バイパス付近の水田に、こいのぼり30匹を設置。未曽有の大水害から10年の節目に思いをはせた。

 2011年9月の紀伊半島大水害からの復興への願いを込め、地元住民らが設置を始めて9回目。昨年は新型コロナ感染症の影響でこいのぼりの設置と災害復興イベント「鯉のぼり祭り」は中止となっていた。

 11年まで町内イベントで使用していたこいのぼりは、熊野川行政局で保管していたものの水害の際に全て流出。現在使用しているこいのぼりは、熊野川行政局が新聞などで呼び掛け、県内各地から集まったものだ。

 この日は会員と行政局職員ら約10人が設置作業に当たった。熊野杉の間伐材で作った高さ約12㍍のポール6本を立てて取り付けると、30匹のこいのぼりが空を泳ぐかのように風になびいた。

 新型コロナの影響で、今年の「鯉のぼり祭り」もやむなく中止に。こいのぼりは連休明けの5月10日(月)ごろまで設置する予定だという。

 青空にたなびくこいのぼりを見上げ、下阪会長は「復興イベントを催すたびに水害のことを思い出す。コロナ禍なのでこいのぼりを遠くから見て笑顔になってほしい」。

 今年の9月4日に向け、「節目として全体で何ができるか考えていきたい」と地域住民参加型催しの計画を協議していると話した。

(2021年4月23日付紙面より)

青空を泳ぐ30匹のこいのぼり=22日、新宮市熊野川町
会員ら約10人が設置作業を行った
2021年04月23日
27 一足早く初登庁の節目つける
 現職・田嶋勝正町長公務再開  (串本町 )

 任期満了に伴う串本町長選挙で当選した現職・田嶋勝正町長(62)が22日、任期開始より一足早く初登庁の節目をつけて公務を再開した。

 この選挙は18日に執行され、田嶋町長は無所属ながら自民党、公明党の推薦を受けて立候補。当日有権者数1万3617人に対し5934票を獲得し、連続4期となる再選を果たした。

 現職当選時の慣習となっている一足早い初登庁の節目。職員を代表して総務課の中井桐子主事(23)が花束を贈り、集まった職員や支持者らから拍手を受けて入庁した。

 引き続きコロナ禍を考慮して課長級以上の職員を対象にした訓示に臨み、選挙活動中に掲げた▽防災▽子育て支援▽経済振興▽福祉―などの柱を今まで以上に強くするという思いを伝え、63年ぶりとなる役場本庁移転がもたらすモチベーション向上をさらなる住民サービスに充てること、千載一遇のチャンスであるロケット事業による地域振興を職員一丸で必ず成功させることを目指すところの一端として見据えた。

 加えて選挙活動で感じた事柄として広報強化の必要性も掲げ重点化するほか、新型コロナウイルスワクチンの滞りない接種と接種までの間の予防を呼び掛けることを喫緊に始めるとし、「次の4年間はこれまでの経験を生かし、(臆すること無く)最大限頑張りたい」と意気込みを示した。

 町長の次期任期は5月1日(土)から4年間。

(2021年4月23日付紙面より)

花束を受けて初登庁の節目をつけた田嶋勝正町長(右)=22日、串本町役場本庁
次の4年間の方向性や込める思いを課長級以上の職員に訓示
2021年04月23日
28 「不要不急の外出自粛」全域に拡大
 和歌山県  

 和歌山県内で新型コロナウイルスの感染者数が増加しており、病床数が逼迫(ひっぱく)している現状を鑑み、県は21日、紀北地方に呼び掛けていた「不要不急の外出の自粛」を県内全域に拡大し、25日(日)までとしていた期間も延長すると決定した。期間は5月9日(日)まで。

 「カラオケ・ダンスなどの大規模な催しへの参加を控える」「在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用」などに加え、「感染防止策が徹底されないイベントの開催の延期・自粛」「大規模集客施設・小売店での催物・バーゲンなどは延期・自粛」も新たに追加された。

 また、県立学校の部活動は、県外の学校との練習試合や合同練習などを禁止する。大会などについては全国大会や近畿大会につながる場合、原則実施し、その他は原則延期または中止とする。大会などを実施する場合は「新型コロナウイルス感染症に係る県内大会への出場停止や大会中止の目安について」によることとする。

【今後の県立学校における部活動について】

■原則、対人練習および対面練習において、近距離で飛沫(ひまつ)の飛ぶことのないよう、一定の距離を取った上で練習する

▽相撲▽柔道▽剣道▽レスリング▽フェンシング▽なぎなた▽空手道▽少林寺拳法▽ボクシング▽水泳(水球)▽テニス▽ソフトテニス▽卓球▽バドミントン▽バレーボール▽バスケットボール▽ ハンドボール▽サッカー▽ラグビー▽ホッケー▽ 野球▽ソフトボール

■感染防止対策を十分講じた上で練習する

▽陸上競技▽体操▽水泳(競泳・飛込)▽弓道▽ウエイトリフティング▽登山▽ボート▽ヨット▽自転車▽カヌー▽アーチェリー

■向かい合っての演奏・発声などを避けるなどの対応を取った上で練習すること。※下記以外の文化部は感染防止対策を取った上で練習する

▽吹奏楽▽軽音楽▽合唱▽演劇▽放送など

(2021年4月23日付紙面より)

2021年04月23日
29 災害時の合理的配慮目指す
 災害バンダナを作成  (新宮市 )

 新宮市はこのほど、聴覚に障害のある人のための防災グッズ「災害バンダナ」を作成した=写真。市役所1階の福祉課と健康長寿課、4階の防災対策課で耳が聞こえない人(手帳の有無は問わない)、手話ができる人を対象に配布している。

 障害者差別解消法では、要配慮者への合理的配慮の提供が国や地方公共団体の義務として定められており、それは災害時にも不足なく提供されなければならない。

 災害バンダナには「耳が聞こえません お手伝いをお願いします」「手話ができます」といったメッセージが入っており、聴覚障害者がバンダナを身に着けることにより、避難時や避難所での生活において支援を受けやすくなることを目的に200枚作成した。作成に当たっては、市聴覚障害者協会、社会福祉法人美熊野福祉会の協力を得たという。

 使用方法は、バンダナに記載されているメッセージが見えるように羽織るほか、火災時に鼻や口を覆うマスク・ハンカチ代わりとしてや、けがをした際に三角巾としても使用できる。

 市防災対策課では「災害時など、バンダナを着けた方を見掛けたら、積極的に声掛けや支援への協力をお願いします」と呼び掛けている。

(2021年4月23日付紙面より)


2021年04月23日
30 星山卓也さんが優勝
 令和3年度スクラッチ杯  (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
2021年04月23日
31 SNSのトラブル理解  ネットマナー講演会  (近大新宮 )
2021年04月23日
32 事業者支援など議論  臨時会でコロナ対策審議  (新宮市議会 )
2021年04月23日
33 交流図り集中力養う  カルチャーサロン「ちぎり絵教室」  (新宮市 )
2021年04月23日
34 「変な模様の石展」  ギャラリートークも  (宇久井ビジターセンター )
2021年04月23日
35 みんなで楽しく踊ろう! Team雅龍、練習に熱 (新宮市)
2021年04月23日
36 一緒に楽しく過ごそう  下里小で1年生を迎える会  (那智勝浦町 )
2021年04月23日
37 コイとロケットたなびく  恒例ののぼり掲揚始まる  (県立潮岬青少年の家 )
2021年04月23日
38 稚アユ900㌔を管内へ放流  メーカー支援で成果期待  (七川漁業協同組合 )
2021年04月23日
39 紀宝熊野道路に接続する計画  熊野道路の施工説明会  (熊野市 )
2021年04月23日
40 「ロバの音楽座」を迎え  わいてくるくるおんがっかい  (まなびの郷 )
2021年04月23日
41 「趣味の作品展」など計画  紀宝町老連が本年度総会  
2021年04月23日
42 お悔やみ情報
  
2021年04月17日
43 一歩でも半歩でも前へ 春の例大祭締めくくる「渡御祭」 (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭が15日、渡御祭(とぎょさい)で締めくくられた。晴天に恵まれる中、御神霊(おみたま)を納めた唐櫃(からひつ)と時代行列が社殿から旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで練り歩き、斎庭(さいてい)神事が営まれた。

 主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)などを祭り、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭り。主祭神が「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも祀れ」と命じたという故事から、熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、挑花(ちょうばな)と呼ぶチョウを付けた菊の造花を奉じて鼓・笛・旗をもって祭りを行うようになった。

 午前にあった本殿祭には約100人が参列。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同市をはじめ当地方の関係者のみに参列を呼び掛けていた。

 修祓(しゅばつ)、祝詞奏上などに続き、九鬼宮司が四方を榊(さかき)の風によってはらい清め、太陽を迎える新作神楽の男舞「熊野」を舞い新型コロナの終息などを祈願。

 午後からは神木の榊を手にした神職を先頭に、修験者やみこらが渡御。ほら貝や笛の音が町中に響き、沿道から地域住民らがその様子を見守った。

 大斎原では祭典を寿(ことぼ)ぎ、青年会有志が「大和舞」「八咫烏(やたがらす)舞」を奉奏。5人の稚児と父親の八撥(やさばき)神事が営まれた。神事後には那智山青岸渡寺の副住職で熊野修験の髙木亮英正大先達(しょうだいせんだつ)らによる採燈大護摩が行われ、最後に参拝者らに餅と挑花が配られた。

 九鬼宮司は、今なお全国各地で厳しい状況が続くコロナ禍に言及。「今後も大変な日々が続くが前を向き、一歩でも半歩でも自分の歩幅で進んでほしい。コロナが終息し、来年は全国各地の方々にお祭りのご案内ができることを願うばかり」と祝詞や男舞に込めた思いを語った。

 また、新型コロナの影響で地元中学生参加による「大和舞」奉奏が困難な中においてその役目を引き継いだ青年会有志らに対し拍手を送り「今の状況を打破するためには若い人や関係者が協働していかなければならない」と感謝の意を示した。

(2021年4月17日付紙面より)

唐櫃をかついだ神職や時代行列が渡御=15日、田辺市の熊野本宮大社
2021年04月17日
44 被接種者役の協力得て
 ワクチン接種をリハーサル  (串本町 )

 串本町が15日、くしもと町立病院で新型コロナウイルスワクチン接種のリハーサルに取り組んだ。

 24日(土)から始まる65歳以上を対象にした接種を安全かつ円滑に進めるための課題抽出が目的。当日は老人クラブ連合会、食生活推進協議会、保健推進協議会の各会員26人が被接種者役として協力し、接種する側の医師や看護師、病院職員や役場福祉課職員が現在考えている接種体制を実践(接種のみ模擬実践)して要領や円滑化の糸口を探った。

 被接種者から見た流れは①受け付け〈検温と受付番号発行を含む〉②看護師による予診票確認③医師による予診〈接種不可の判断時はここで一端終了〉④看護師によるワクチン接種⑤状態観察―の順。福祉課の中田匠課長が一同に改めてリハーサルの趣旨などを伝え、同病院事務部の名田倍也事務長が院内における一連の流れの動線を説明してリハーサルを始めた。

 初回の24日は午前9時~正午と午後1時~4時、計6時間で487人の接種を想定。逆算して30分につき40人程度のペースで接種または予診による見合わせの判断が必要となる。この日は協力者26人という数から推して、30分で終了することを目標に設定した。

 結果、終了までに要した時間は1時間強。15分の状態観察を差し引いても45分程度かかった計算となり、中田課長は「今後の反省会で出せる限りの課題を集約して、どうスピードアップさせるかを検討する。本番までにスムーズに進められるよう改善を図りたい」と緊張感をにじませた。

 被接種者役はリハーサル後、気づいた事柄をアンケート回答するなどして今後の改善に協力。接種する側を代表して同病院の竹村司病院事業管理者は「接種当日は二の腕を出しやすい服装で、また前もって入浴で肌をきれいにしてきてほしい」など協力を呼び掛けながら締めくくった。

  □     □

高齢者接種は年長から順に



 同課によると、7日現在で65歳以上高齢者のうち5422人(全体の約73%)が接種を希望。他方、15日現在でめどが付いているワクチン供給は12日の週分と26日の週分の各487人×2回分のみで、接種体制上で想定する数より供給が少ないという。

 そのような中、65歳以上を対象にした接種は年長優先(初回は102歳~88歳〈一部〉の幅で実施)とし、接種日時など案内通知はこの序列を基本にして順次希望者へ郵送するとしている。

(2021年4月17日付紙面より)

接種のリハーサルに臨む看護師や職員ら=15日、くしもと町立病院
2021年04月17日
45 連携強化しテロ対策を
 関係機関集まり協議  (新宮港港湾危機管理コアメンバー会合 )

 新宮港におけるテロ対策の一層の強化を図るために15日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で新宮港港湾危機管理コアメンバーの会合が開かれた。関係9機関が出席し、テロ未然防止のための水際対策の重要性について再確認した。

 コアメンバーによると、新型コロナウイルス感染症が世界中に拡大し、国内で多くの感染者が発生している状況下においても、国際テロ情勢は依然として厳しい状況にあるという。今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、これまで以上にテロ等未然防止のための水際対策の重要性が高まっているとしている。

 新宮港港湾危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は、東京オリンピックの開催はテロリストにとっては絶好の機会となるとし、コロナの影響から世界各地で各種イベントが中止となる中でも各国でテロは起きていると伝えた。先月、インドネシアで発生したキリスト教徒を狙った自爆テロや首都ジャカルタの国家警察本部に武装した女性が侵入し射殺された事案を報告した。

 上野保安部長は「わが国の水際危機管理チームの設置は水際対策に万全を期してテロを未然防止することだが、各組織のみではことをなし得ない。関係機関による連携が求められていることを確認しておきたい」と述べた。

 副担当官の山田守孝・新宮警察署長はテロ情勢について、近年のイスラム過激派組織ISIL(アイシル)が支配地域を失ったことから戦闘員らが母国や第三国でテロ行為を敢行する可能性があると述べた。アルカイダは引き続き、オンライン機関誌を通じて信者に欧米諸国に対するテロ行為の実行を呼び掛けていると説明した。

 過激派組織による海外発生のテロ事件では日本人にも被害が発生しているとし、欧米では国外の過激思想に共鳴した国内信者によるテロを行う「グローンテロリズム」の存在にも触れた。

 山田署長は「テロ行為に手を染めることをいとわない過激思想を持つ人物は国内だけでなく、熊野地方に存在してもおかしくない。今年は東京オリンピックに加え、和歌山県内では国民文化祭も開催される。テロ対策は官民一体となって推進する必要がある。各機関においてはテロは差し迫った脅威であることを認識していただきたい。テロリストは国内に入れない基本方針で情報共有を図り、一層の連携強化を」と呼び掛けた。

 会合の参加機関は▽田辺海上保安部(串本海上保安署)▽新宮警察署▽大阪税関和歌山税関支署新宮出張所▽大阪出入国在留管理局和歌山出張所▽近畿地方整備局和歌山港湾事務所▽近畿運輸局和歌山運輸支局勝浦海事事務所▽和歌山県東牟婁振興局新宮建設部▽新宮市企画政策部▽新宮市消防本部。

(2021年4月17日付紙面より)

関係機関が集まり会合=15日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局
上野春一郎・田辺海上保安部長
山田守孝・新宮警察署長
2021年04月17日
46 民間の力で健康づくり支援
 地域活性化起業人を活用  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は本年度より、総務省が推進する「地域活性化起業人(令和2年度までは地域おこし企業人)」の制度を活用して株式会社ルネサンス=東京都=の社員、島田匡平さん(39)を受け入れた。15日には同社や町の関係者が集まり、役場で記者会見を開いた。起業人導入は和歌山県内初。

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■地域活性化起業人とは



 三大都市圏にある民間企業などの社員が知見を生かして一定期間、地方自治体で地域独自の魅力や価値の向上につながる業務に従事する。期間は半年から3年間で、両者が協力して人の流れの創出を目指すもので、今回は世代間の交流による子どもから大人までの体力増進や高齢者の健康づくりなどを行う人材の登用となった。

 また、派遣元企業に対する負担金など起業人の受け入れに要する経費や、起業人が発案・提案した事業、起業人の受け入れ準備などの経費には上限はあるが、特別交付税措置が受けられる。

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■株式会社ルネサンス



 同社は全国にスポーツクラブやフィットネススタジオや介護リハビリ施設などを175カ所以上展開し今年で創業42年を迎える。培ったノウハウを生かして企業や自治体での健康作り支援などのヘルスケア関連事業、海外市場へ向けた取り組みなども実施している。

 現在は200の自治体で健康事業を展開しており、東京オリンピック競泳種目のリレーなどに代表入りした池江璃花子選手が所属していることでも有名。

 これまで鳥取県伯耆(ほうき)町で公共施設を有効利用し町民の健康増進につながる「フィットネス&スタジオパル」と「みぞくちテラソ」の2施設を開業。町や町社会福祉協議会と連携しながら支援を行っている。

 フィットネス&スタジオパルでは補助金なしの黒字経営で7人の雇用を創出している。みぞくちテラソはシニア層の就労や運動、コミュニティの場づくりに取り組んでいるという。

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■記者会見では



 同社地域健康推進部の日高拓郎次長は「起業人制度を活用し、健康課題を抱える町の健康づくりや課題解決に役立ててほしい。町民の皆さまが元気になれるように伴走していきたい」と語った。

 派遣された島田さんはこれまで同社が経営する福岡県の施設でトレーナーとして10年間勤務してきた実績がある。現在は同町湯川に在住。今後は各施設に赴いて園児や児童、生徒の健全な体力増進や高齢者の健康増進などの指導やアドバイスを行う予定だ。

 町の印象について島田さんは「世界遺産の熊野古道や温泉、生マグロと魅力ある場所」と評価。

 今後は「学んできたノウハウを生かし、町民の皆さまの健康などをサポートしたい。町が抱える課題を解決し、町に住みたい方を増やしていきたい」と抱負を述べた。

 堀順一郎町長は「当町では子育て支援や高齢者の健康増進に取り組んでいる。非常階段が完成した体育文化会館や木戸浦グラウンドを利活用したいと考えており、町民と意見交換をしながら事業を進めていく。専門人材の島田さんには町民のためにもできるだけ長く町にいていただきたい」と語った。

(2021年4月17日付紙面より)

地域活性化起業人として活躍が期待される島田匡平さん(中央)=15日、那智勝浦町役場
2021年04月17日
47 次期4年間の挑戦を見る  選挙戦もいよいよ佳境へ  (串本町 )
2021年04月17日
48 事業再構築補助金の相談窓口  新宮商工会議所内に開設  
2021年04月17日
49 マツバウンランの花  熊野地方各地で  
2021年04月17日
50 青空の下で演奏楽しむ  吹奏楽部がランチタイムコンサート  (近大新宮 )
2021年04月17日
51 子育てに小さな彩りを  手形足形アート教室スタート  (新宮市 )
2021年04月17日
52 朝の読書活動など評価  尾呂志学園中が大臣表彰  
2021年04月17日
53 自慢の庭を公開中  オープンガーデン熊野  (熊野市 )
2021年04月17日
54 横断歩道は左右の確認を  1年生対象の交通安全教室  (神内小 )
2021年04月17日
55 身に覚えないメールに注意を  高齢者見守り隊が啓発活動  (紀宝町 )
2021年04月17日
56 ケヅメリクガメがお目見え  道の駅「ウミガメ公園」に  (紀宝町 )
2021年04月17日
57 お悔やみ情報
  
2021年04月14日
58 春の例大祭始まる 健やかな成長とコロナ終息願い (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭が13日、始まった。神を宿すとされる稚児が主人公の神事「湯登(ゆのぼり)神事」(県無形民俗文化財)では、地元の稚児の神聖な体が地面に着かないよう父親が肩車をして練り歩き、温泉につかり身を清めるなどして子どもの健やかな成長を願った。

 熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣を願う祭り。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。

 昨年は新型コロナの全国的な拡大状況を考慮し、神事を一部中止。規模を縮小して実施。今年は人数制限などの対策を講じつつ、緩やかに従来の規模に戻して斎行するとしている。

 湯登神事に参加した子どもは2~4歳の5人。斎行に当たり九鬼宮司は「一瞬でも祭りで笑顔に前を向いていただければ。新型コロナの一日も早い終息を願って執り行いたい」とあいさつ。小雨が降る中、親子は大社本殿前で拝礼を受けた後、九鬼宮司らを先頭に参道を下り国道168号を歩いた。

 湯の峯温泉では温泉につかり身を清めた後、温泉粥(かゆ)などを食べた。狩衣(かりぎぬ)や烏帽子(えぼし)で正装し、稚児の額に神の証しとして朱色の口紅で大の字を書き入れて準備を整えた。

 4歳の紅埜(くれの)君と参加した同町の宮本翔伍さん(33)は「昨年は中止となって残念だった。子どもの健やかな成長と、コロナの一日も早い終息を願って参加します」と話していた。

 祭りは15日(木)の渡御祭、斎庭(さいてい)神事まで続く。なお、祭りの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」にて配信される。

(2021年4月14日付紙面より)

社殿で拝礼を受け、参道を歩く稚児ら=13日、田辺市本宮町
2021年04月14日
59 ふるさと納税寄付に感謝
 紀陽興産が新宮市に  

 新宮市は12日、企業版ふるさと納税の寄付に対し、和歌山市に本社を置く紀陽興産㈱(爲岡(ためおか)英喜代表取締役社長)へ感謝状を贈った。田岡実千年市長は爲岡社長の代理として市役所を訪れた問芝(といしば)陽一・新宮支社長に感謝状を手渡し「市の観光行政に寄与いただけてありがたい」と感謝を述べた。

 「日頃からお世話になっている当地に少しでも貢献できれば」との思いから企業版ふるさと納税を通した寄付を実施。県内で11の自治体に対し同様の寄付を行った。寄付金額は各自治体100万円。

 企業版ふるさと納税は、企業が自治体が行う地方創生の取り組みに対して寄付をすると税負担が軽減される制度。企業が寄付しやすいように損金算入による軽減効果に税額控除による軽減効果が上乗せされ、寄付額の下限は10万円と設定されている。経済的な見返りは禁止されており、寄付額は事業費の範囲内であることが必要。

 このたびの寄付金は、令和2年度の地方創生拠点整備交付金活用事業「新宮市小口自然の家・新宮市小口生産施設改修計画」(令和2年5月13日~令和3年1月13日、工事費約1300万円)に充当されている。

 同計画は、今後の新型コロナウイルス感染症の収束を見据え、大部屋を2部屋に分割するとともに、敷地内にある市小口生産施設を2部屋の宿泊施設として改修することで宿泊室を3部屋増やすもの。改修工事によりこれまで11だった部屋数が15部屋となった。

 現在は新型コロナの影響で利用者が激減しているものの、熊野古道中辺路、大雲取越、小雲取越の中間地点に立地する同施設の利用者数は、外国人観光客を中心に年々増加しており、部屋数が不足している状況にあった。なお、令和元年度には4700人が同施設に宿泊し、うち3500人が外国人観光客だった。

 感謝状を受け、問芝支社長は「いつまでもこのような状況は続かない。コロナの収束を見据えた準備のために使っていただけるのはありがたいこと。(寄付は)頑張って今後も続けていきたい」。

 田岡市長は「市でもふるさと納税に力を入れて、多くの寄付を頂けるよう体制を整えようと思っていた。そんな中、多額の寄付を頂けたことで弾みがつく」と話していた。

(2021年4月14日付紙面より)

田岡実千年市長(左)が紀陽興産の問芝陽一・新宮支社長に感謝状を手渡した=12日、新宮市役所
2021年04月14日
60 来年は終息しにぎやかに
 定光山大泰寺で花祭り  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の定光山大泰寺(西山十海住職)で8、10、11日の3日間、花祭りが営まれた。

 花祭りは、旧暦4月8日の釈迦(しゃか)の誕生を祝う法会。本堂にしつらえた花御堂(はなみどう)の中央に釈迦立像を安置し、誕生の際に甘露が降った故事に倣って立像に甘茶をかける。

 町内外から訪れた多くの参拝者らが小さな釈迦像に甘茶をかけて手を合わせた。本堂で甘茶の振る舞いもあった。

 8の付く日は薬師如来の縁日であることから、同寺の花祭りでは毎年薬師堂を開放し、国の重要文化財である阿弥陀如来坐像(伝薬師如来坐像)を開帳している。

 西山住職は「昨年は新型コロナウイルスの影響で配信のみの花祭りだった。今年は感染防止対策を行い、参拝していただけるようにした。皆さんがお寺に足を運ぶ機会になっていただけたら」。

 今後については「来年は終息して食べ物の屋台などを出してにぎやかな花祭りにしたいと思います」と語った。

 本尊の如来像の開帳は、年3回と決まっており、花祭りのほかには1月8日、13日のみとなっている。

(2021年4月14日付紙面より)

釈迦の誕生を祝った=11日、那智勝浦町の定光山大泰寺
2021年04月14日
61 保育所で英語活動始まる
 幼児教育の新たな取り組み  (紀宝町 )

 幼児教育の新たな取り組みとして、紀宝町は本年度から保育所での英語活動を導入した。園児が遊びを通して楽しみながら英語を経験することにより、外国の言葉や文化に興味を持とうとする気持ちを育む環境の充実を図っていく。

 「英語で遊ぼう」と題し、毎月1回、町内全保育所で英語塾講師の新田慶子さん(同町井田)が教える。13日には井田保育所(小田幸美所長)で最初の活動があり、5歳児25人が取り組んだ。

 新田さんは「Good morning. My name is Keiko(おはようございます。私の名前は慶子です)」とあいさつ。

 「名前を紹介するときはMy name is(マイネームイズ)から始めます。聞きたいときは What's your name?(ワッツユアネーム)」と聞きます」と教え、全員が輪になって手をつなぎ、自己紹介した。

 「walk(歩く)」「jump(ジャンプ)」「run(走る)」など英語のカード5枚を用いて、それぞれのカードを体で表現した。英語の歌に合わせたゲームや絵本の披露などもあり、園児たちは楽しく英語に触れ「楽しかった」と笑顔を見せていた。

(2021年4月14日付紙面より)

英語活動を楽しむ5歳児たち=13日、紀宝町立井田保育所
絵本を読む講師の新田慶子さん
2021年04月14日
62 令和3年成人式が中止に  コロナ禍の情勢見て決断  (串本町 )
2021年04月14日
63 例年より早く花の盛りに  一枚岩に根付くセッコク  (古座川町 )
2021年04月14日
64 晩春定例の芝刈り作業開始  キャンプ場有料期間見据え  (串本町 )
2021年04月14日
65 きれいな町を保つ  渚の会が清掃活動  (那智勝浦町 )
2021年04月14日
66 消防義務の遂行誓う  那智勝浦町消防団任命式  
2021年04月14日
67 木本が県大会へ  春季東海地区高校野球三重県大会  
2021年04月14日
68 事業所で交通安全活動を  安全運転管理推奨像の伝達式  (紀宝署 )
2021年04月14日
69 地域の憩いの場に  「熊野・板屋九郎兵衛の里」で3周年感謝祭  (熊野市 )
2021年04月14日
70 フレイル予防を学ぶ  飯盛ふれあいサークルが再開  (紀宝町 )
2021年04月14日
71 いずれも定数超で選挙戦へ  町長選2人、思い掲げて動く  (串本町長選・町議選 )
2021年04月14日
72 お悔やみ情報
  
2021年04月13日
73 裸形上人しのび終息願う
 那智山青岸渡寺で開山祭  (那智勝浦町 )

 西国第一番の観音札所である那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で11日、開山祭献茶法要会が営まれた。本尊の如意輪観世音菩薩を開帳し、同寺の開祖とされる裸形上人をしのび、髙木亮英副住職らが読経し茶が供えられた。また、例年設けられる茶席は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から昨年同様に中止となった。

 開山祭は約1600年前にインドから渡来し、那智の滝で修行したと伝えられる裸形上人の遺徳をたたえるため、1949年に始まった。

 献茶式は表千家と裏千家が1年交代で奉仕しており、今年は一般社団法人茶道裏千家淡交会南紀支部が行った。献炭は谷口宗尚(そうしょう)さんが、献茶は宇戸平宗富(そうふ)さんが務めた。

 法要後、関宗重幹事長は「本来なら信徒会館でお茶席を設けているがコロナのため中止となり残念。今回ご奉仕させていただけたことを感謝するとともに、コロナの早期終息を願っております」。

 髙木副住職は「茶道裏千家淡交会南紀支部の皆さまに献茶を執り行っていただき身が引き締まる思い。多くのこの地を訪れていただけるように本日はコロナ退散と平癒をご祈念しました」と語った。

(2021年4月13日付紙面より)

献茶式の様子=11日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
髙木亮英副住職らが読経した
2021年04月13日
74 円滑接種に向け運営訓練
 25日からワクチン接種開始  (新宮市 )

 新宮市役所別館で10日、25日(日)から始まる新型コロナワクチン集団接種の円滑な運営に向け、訓練が行われた。医師や看護師、保健師、救急救命士、市職員ら50人が参加。食生活改善推進員25人が被接種者役を務める中、本番さながらの訓練を実施した。

 集団接種の安全かつ迅速な運営のため、事前に課題を把握し改善を図ることを目的に実施した。現在、65歳以上の市民に対してワクチン接種券が送付されており、同所で実施される集団接種の予約受け付けが12日から始まった。

 訓練では▽受付・検温▽予診確認・番号札配布▽予診および接種▽接種済証発行▽接種後状態観察―の各業務の流れや動線を確認。副反応や緊急時の救急搬送などの対応にも備えた。

 訓練開始に当たり、田岡実千年市長は「まだワクチンの供給量が定まっていない状況ではあるが、ワクチン接種は今後の感染拡大防止に大きく寄与すると期待している」とあいさつ。

 「今回の訓練においても問題点や課題などが見つかると思うが、本番では安全かつ迅速に接種が行えるように改善していければ」と呼び掛けた。

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■予約受け付け始まる



 65歳以上の高齢者(昭和32年4月1日以前生まれ)のワクチン集団接種は事前予約制。接種券が届かない場合は「新宮市新型コロナワクチン接種推進室」(電話0735・22・5070)へ問い合わせを。

 集団接種の予約は電話(0120・89・5070、平日午前9時~午後5時)、FAX(0120・79・5070)、ウェブ(市ホームページまたは公式ライン)で受け付ける。

 【別表】①市役所別館②佐野会館の集団接種については、定員を超えた場合、重症化リスクの高い「高年齢順」で受け付けを確定する。受け付けが確定した人には決定通知で接種時間などを知らせる。予約に漏れた人に対しても通知する。

 また、個別接種については5月上旬から接種開始を予定しており、個別接種が可能な医療機関については現在調整中。

 市では「当初はワクチンの数に限りがありますので、接種いただけるまでしばらくお待ちいただくこともありますが、国から順次供給される見込みであり、必ず全員の方が接種できますのでご安心を。これまでの感染症対策を継続しながら接種の時期をお待ちください」と呼び掛けている。

(2021年4月13日付紙面より)

集団接種の一連の流れを確認した=10日、新宮市役所別館
運営訓練の様子

2021年04月13日
75 橋杭岩前で11人がつなぐ
 東京2020聖火リレー通過  (串本町 )

 東京2020オリンピック聖火リレーが9、10日の2日間、和歌山県内14市町を経由する形で通過した。本州最南端の串本町では9日午前11時55分にリレー走行を実施。同町在住のトルコ人女性ドゥルナ・オズカヤさん(33)らランナー11人が聖火をつなぎ、沿道では両国の国旗やカメラを手にした観客多数が通過に注目した。

 このリレーは東京2020組織委員会が全国規模で展開する機運醸成企画。先月25日に福島県を出発し本州内陸を通って愛知県や三重県を経由し和歌山県入り。奈良県へ引き継ぐため県内を時計回りするルートを設定し、経由14市町で順次リレー走行が実施された。

 串本町は道の駅くしもと橋杭岩~橋杭園地間でルートを設定。同駅でミニセレブレーションがあり、町長、議長、教育長、体育協会会長が立ち会う中、スタートを担うオズカヤさんは「聖火リレーを通じて肌の色、言葉の違いはあっても私たちは全て一つと気付いてほしい。串本町の代表として聖火を掲げて走る姿で、串本町とトルコの間にある奥深い絆を世界に伝えたい」など心境を掲げてトーチに聖火を頂き、出走した。

 ランナー11人のうち、本紙関係ではオズカヤさんのほか、第3スロットで那智勝浦町在住の熊井英水さん(85)、第11スロットで北山村在住の佐久間春樹さん(36)がそれぞれ聖火をつないだ。

 同町の次は白浜町でリレー走行を実施。同日中に和歌山市まで達し、2日目は紀の川筋を登り橋本市を最終として奈良県へ引き継いだ。このリレーは7月23日(金・祝)まで続く計画で、ゴールは東京・国立競技場の開会式会場。約1万人のランナーの力を借りて経由した47都道府県859市区町村からの注目を背景にして聖火台にともされる。

(2021年4月13日付紙面より)

観客が注目する中、聖火を掲げて走るドゥルナ・オズカヤさん=9日、串本町くじ野川
2021年04月13日
76 お茶で自然の恵みをPR 熊野本宮大社で新茶祭 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で11日、新茶祭が営まれた。大社裏の茶園で巫女(みこ)らが摘み取った特産品「音無茶(おとなしちゃ)」の新芽を神前に供え、自然の恵みに感謝するとともに産業の発展を祈った。

 音無茶は、平安時代に熊野を訪れた殿上人が植えたのが始まりといわれている。名前は大社近くを流れる音無川にちなんで付けられた。昭和30~40年代に栽培面積を増やし、現在は町内40戸ほどが約4㌶で栽培している。黄金色でスッキリとした味わいが特徴だ。

 茶葉はペットボトル飲料やアイスクリームなどとしても販売されているが、新型コロナウイルスの影響で観光客が激減したことにより、お菓子などの加工品の売り上げは例年の1、2割ほどに落ち込んでいるという。

 最近では二番茶を使用したほうじ茶の需要が伸びている。昨年の一番茶の収穫量は約450㌔、製品化されたのは約90㌔だった。今年は7月下旬ごろから店頭に並ぶ予定だ。

 白衣に赤いたすき姿の巫女と大社敬神婦人会役員らが、祓戸(はらいど)王子近くの茶園(約10㌃)で新芽を摘み取った。本格的な茶摘みは4月下旬を予定。収穫量は1200㌔を見込んでいる。大社は毎年、収穫した一番茶を皇室に献上しているが、今年は新型コロナの影響で取りやめとなった。

 JAみくまの熊野川営農センターの内野智文センター長は「品質が良く、おいしいお茶ができるのでは」。今年は寒暖差と降雨の影響で新芽の動きが活発。例年よりやや収穫が早いという。

 同大社での神事を終え、九鬼宮司は「熊野詣でが最盛期の当時は多くの方々がお茶を持ち帰り憩いとしていた。そういった時代や場所を鑑みながら、音無茶の存在を知っていただければ」。

 また、13日から始まる春の例大祭「本宮祭」に対し「一日も早いコロナの収束と平穏な日々への願いを込めて斎行したい。安心安全で無事に執り行えるようご協力を」と呼び掛けた。

(2021年4月13日付紙面より)

新茶を摘み取る巫女ら=11日、田辺市本宮町
2021年04月13日
77 39校が出場し開幕
 春季近畿高校野球和歌山県予選  
2021年04月13日
78 釈迦の誕生を祝う花まつり  花御堂に甘茶をかけ  (東正寺 )
2021年04月13日
79 浦安の舞、獅子舞を奉納  阿田和神社で春季例大祭  (御浜町 )
2021年04月13日
80 子どもも大人もカレーに舌鼓  ふれあい子ども食堂オープン  (紀宝町 )
2021年04月13日
81 交通事故抑止呼び掛ける  那智大社と合同啓発  (新宮警察署 )
2021年04月13日
82 子どもたちの笑顔のため  ビー玉ストラップ作り10年  (那智勝浦町 )
2021年04月13日
83 日本の礼儀作法に触れる  カルチャーサロン折形講座  (新宮市 )
2021年04月13日
84 明日から一緒に遊ぼうね  丹鶴幼稚園に16人入園  (新宮市 )
2021年04月13日
85 一日一日大切に生活を  北山小中学校で入学式  
2021年04月13日
86 「新学期、頑張って!」  さわやか朝の声かけ運動  (新宮市 )
2021年04月13日
87 練習船「日本丸」仮泊  串本~大島間の海域で  (串本町 )
2021年04月13日
88 学校給食米の苗を田植え  生産者組合の坂本渡さん  (串本町 )
2021年04月13日
89 大島に古民家レストラン開業  沖周ゆかりの家屋を活用し  (串本町 )
2021年04月13日
90 お悔やみ情報
  
2021年04月03日
91 飼育動物の冥福祈る
 くじらの博物館で供養祭  (太地町 )

 太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で2日、飼育中に死亡した鯨類や魚類などの冥福と飼育動物の長生きを祈る供養祭が営まれた。館内にある供養碑前で東明寺の関国昭住職が読経を行い、職員約40人が静かに手を合わせた。

 供養祭は同館が開館した1969年4月2日の記念日に合わせ、42年前から毎年行っている。

 同館には現在、鯨類がコビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ、バンドウイルカ、カマイルカ、スジイルカ、マダライルカ、カズハゴンドウ、シワハイルカの9種38頭おり、ナンヨウツバメウオなどの魚類50種227匹、ミズクラゲなど無脊椎動物21種616匹を飼育展示している。

 同館によると、入館者数は例年10万人超だが、2020年度は約8万8000人(前年度比16%減)だったという。担当職員は「コロナ禍の中、前年度比84%となったのはGoToトラベルキャンペーンや県内での修学旅行が実施されたおかげ。今後もお客さまが安全・安心にお越しいただける体制づくりを強化し取り組んでいきたい」と話した。

 稲森大樹副館長は「供養祭は命を落とした動物たちと向き合える貴重な時間。動物たちに感謝の気持ちを持ち、命を預かっていることを改めて考えさせられる。現在、暮らす動物たちがより健康で長く生きられるように健康管理を徹底したい」と気持ちを新たにした。

 林館長は「新型コロナウイルスの影響で厳しい中だが、個人個人が自覚を持って感染しないようにお客さまに対して、消毒などの対策を徹底してもらえるようにすることが重要。早期にコロナが終息し、元の生活に戻ることを祈っています」と語った。

(2021年4月3日付紙面より)

供養碑に祈りをささげた=2日、太地町立くじらの博物館
2021年04月03日
92 弁天島に祠など奉納
 新設祝し関係者ら参拝  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の大勝浦地区にある弁天島の祠(ほこら)と祭壇が新設されたことを記念して1日、弁天島保存会の関係者らが参拝した。奉納した大阪府藤井寺市の天野貴美子さんらも同所を訪れ、祠に手を合わせた。

 弁天島は三つの奇岩から成り、一番大きい中央の「立島」に鳥居と祠がある。毎年、豊漁や商売繁盛を祈願する弁天祭も営まれている。

 天野さんは「1年2カ月前にこの場所が夢に出てきた。知らない場所なのでいろいろ調べていると、弁天島にたどり着いた。それからは毎月、参拝に訪れている」と話す。

 奉納については「祠がきれいになってうれしい。地元も含め、もっと多くの方々に参拝してほしい」と語った。

 保存会の代表の一人である猪飼伸さんは「立派な祠にしていただいたので、地元や県外からもお参りに来ていただければありがたいです」。

 同じく代表で弟の宏さんは「保存会としては継続維持していく上で祠が新しくなり感謝しています。今後とも精進していきます」と語った。

 なお、今年の弁天祭は14日(水)午後1時から実施予定。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して役員のみが参列し神事を執り行うという。

(2021年4月3日付紙面より)

参拝に訪れた関係者ら=1日、那智勝浦町の弁天島
新設された祠に参拝
2021年04月03日
93 295人15教室で学ぶ 生きがいと創造の事業教室開講式 (新宮市)

 新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)主催の令和3年度生きがいと創造の事業教室開講式が1日、市役所別館であった。本年度から「生きがい教室」と「はつらつ教室」を合わせて実施。295人のクラブ会員たちが書道、陶芸、生け花、民踊など15教室で学んでいく。

 同事業は1979(昭和54)年に市が老人クラブ連合会に委託して以来、意欲や目標を持ちながら継続的に活動することによって元気に生活することを目標に、40年以上にわたり続けられている。

 上廣会長は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を憂い、それに伴う昨年度の市老連の活動状況などを説明。「気持ちを緩めることなく、感染防止対策を守りながら事業を行っていきたい。健康寿命を延ばし前を向いて、今年の干支(えと)・牛のごとく、一歩、一歩ゆっくりと進んでいきたい」とあいさつした。

 来賓の田岡実千年市長は「少子高齢化が進む中、高齢者同士が支え合い、健康で長生きできることが大事。本年度も各教室の受講を通して、生きがいづくり・健康づくりをしていただきたい」と祝辞。今月25日(日)から同所にて高齢者を対象にした集団接種を予定していることも報告した。

 式後には、インストラクターの杉浦資史さん(High-Five代表)による「自宅で出来る簡単!スッキリ!体操」もあり、参加者らは「椅子に座ってかんたん筋力トレーニング」「椅子やテーブルを支えにして転倒予防トレーニング」に挑戦。音楽に合わせ、筋肉や関節を伸ばすなどして体をほぐした。

(2021年4月3日付紙面より)

開講式に出席した皆さん=1日、新宮市役所別館
開講に当たりあいさつする上廣正幸会長
2021年04月03日
94 コロナ終息への願い込め 本宮祭前に「挑花」作り (田辺市本宮町)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の春の例大祭「本宮祭」(13~15日)に向け、同大社敬神婦人会有志5人による「挑花(ちょうばな)」作りが大詰めを迎えている。授かれば無病息災などの御利益があるという縁起物で、祭りまでに約600本を作る。

 菊を模した造花「挑花」は直径約15㌢、高さ約60~90㌢。昨年秋ごろから大社氏子総代会が材料集めなどの準備を始め、年明けから婦人会有志たちが花を作っている。赤、白、黄などの紙を花びらや葉の形に切って、接着剤などで貼り付けて完成させる。

 祭りを目前に控えた2日、同町渡瀬では昨年初めて挑花作りに参加した岸谷和代さん(84)と作業歴約35年のベテラン・岡本ミチさん(77)が作業に取り組んだ。

 岡本さんは「今年も祭りのお手伝いをさせていただいてありがたい。新型コロナウイルスの終息を願いながら一個一個丁寧に作っています」。岸谷さんは「コロナが終息し、多くの人が熊野本宮大社をお参りできるように願っています」と手先を動かしながら挑花に込めた思いを語る。

 挑花は15日(木)の本殿祭に合わせて本殿に飾られ、午後からの渡御祭(とぎょさい)で、挑花を挿して飾った6基の木箱が真名井社(まないしゃ)を経て旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで渡る。

 かつては旧社地での神事が終わると氏子が挑花を奪い合ったが、現在は餅投げの赤餅と引き換えている。今年は新型コロナ感染防止の観点から餅投げは実施せず、挑花は餅と一緒に参列者に授与される。

 同大社の例大祭は、主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)が本宮に鎮座する際に「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも同じく祀れ」と言ったという故事が起源。熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、花を奉じて鼓、笛、旗をもって祭りを営むようになったと社伝に記されている。

(2021年4月3日付紙面より)

挑花作りに取り組む敬神婦人会の岡本ミチさん(左)と岸谷和代さん=2日、田辺市本宮町渡瀬
2021年04月03日
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2021年04月03日
108 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第32回】偏食への声掛け  

 子どもの偏食に悩むお母さんは、たくさんいます。対処といっても、調理方法を工夫するというものが多いですよね。今回は子どもにかける「言葉」についてお伝えしようと思います。言葉は毎日浴びるもの。だからこそ、いい声掛けをしたいですよね。まず大前提としてお伝えしておきたいのは偏食は、年を重ねるごとに改善されることが多いということです。栄養面で心配だという方もいますが、他の食材で補えれば問題ありません。野菜の代わりに果物でもいいし、野菜の栄養は水溶性のものが多いので、スープを飲むだけでも大丈夫。だからそんなに神経質になる必要はありません。それでも、偏食を助長させるような声掛けはしたくないですよね。偏食の子どもに言ってはいけない言葉をお伝えします。

 一つ目は、「嫌だったら食べなくていいよ」です。これは一見とっても優しく聞こえますし食卓の雰囲気はよくなりそうですよね。でも、この言葉はお母さんの妥協の言葉。これを言われると子どもは食べようとトライする気持ちもなくなってしまいます。偏食への対処で大切なのは「諦めない」ということなんです。叱るのはもちろんよくないですが、心配だから食べてほしい。というお母さんの気持ちはぜひ、伝えてあげてください。声を掛けて食べなくても大丈夫。諦めずに伝えてください。

 二つ目は「食べないと〇〇だよ!」という言葉です。「これを食べないと大きくなれないよ」「これを食べないと病気になるよ」こういった言葉は、偏食に全くいい作用を生まないという研究結果があります。ネガティブに響く言葉は極力避けて、まずは、子どもを信じてあげてください。

 最後は三つ目「お行儀が悪いよ」です。意外に思いますが、実は、食べ方などのしつけの声掛けが多いほど偏食が多いという研究結果があります。「食べられないと恥ずかしいよ」「残すのは行儀が悪いよ!」といった言葉は、自分への非難として受け取ってしまうようです。お箸の持ち方や、お皿の使い方などとは少し違うのかもしれませんね。

 偏食への声掛けとして有効な言葉は何かというと、「食べ物への感謝の言葉」です。「農家さんに感謝して食べようね」「食べ物にも命があるから感謝して食べよう」といった感じの言葉です。これを考えると、収穫体験をしたり、生産者を訪ねたりお料理を経験したりすることが、偏食克服に有効なのもうなずけますね。私は大切なのは、言葉ではなく、その食卓の雰囲気なのではないかと思っています。同じ言葉を受け取るにも、そのときのお母さんの語気やニュアンスを子どもたちは敏感に感じ取っているんだと思うのです。この言葉はダメという情報は、参考までに受け止めていただければと思います。子どもの偏食を心配して、この記事を読んでくれただけで、あなたは子どもを思う、素晴らしいお母さんです! ここにある言葉を言ってしまっていてもいくらでも取り返せます! 子どもたちは、言葉の表面でなくその向こうの気持ちを受け取っているんです。

(2021年4月3日付紙面より)