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2021年04月29日
1 第7勝丸が今季初の漁獲
 仲買人ら新鮮なミンク入札  (太地町 )

 太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が今漁期の商業捕鯨で初漁獲したミンククジラの鯨肉の入札が26日、太地漁協地方卸売市場で行われた。地域の仲買人7業者が参加し、2業者が入札した。

 今回、日本鯨類研究所が依頼した生態調査のために日本小型捕鯨協会(貝良文会長)に所属する同町の勝丸は先月9日に太地漁港を出港。今月3日から商業捕鯨が開始されたが、天候不良のためスムーズに操業が進まなかったという。

 当初は青森県八戸沖での操業だったが、悪天候やクジラが小型のものばかりだったため、22日にむつ市沖に移動。翌23日午後2時5分ごろ、沖合50㌔付近で勝丸がミンククジラを発見。千葉県の純友丸と協働でミンククジラを捕獲した。

 同町漁協によると、クジラはメスで全長7・9㍍、内臓などを取り除いた重量が約5・5㌧。鯨肉は同町以外では北海道から九州までの全国28カ所の市場へ運ばれたという。

 太地漁協地方卸売市場では新鮮な赤身35㌔や畝須(うねす)17・5㌔が競りにかけられた。入札された肉は競り後すぐに町漁協スーパーに並んだほか、新宮市や那智勝浦町のスーパーなどにも並ぶ予定だ。

 同町漁協の貝良文専務理事は入札については「クジラが好きな町民にとっては今回のミンクは好みの色ではなかったため、初漁の割には平均的な価格になった」。

 勝丸の活躍や鯨肉につては「天候が悪い中、苦戦しながらも初漁で大きなクジラを捕ってくれてありがたい。今後も多くのクジラを捕ってくれることを期待している。近隣市町でも手に入るので新鮮なクジラをおいしく食べていただけたら」と語った。

(2021年4月29日付紙面より)

第7勝丸が今季初漁獲したミンククジラの入札があった=26日、太地漁協地方卸売市場
新鮮な鯨肉が取り引きされた
2021年04月29日
2 令和6年秋に開通予定 新宮紀宝道路 (国交省)

 国土交通省近畿地方整備局は27日、新宮市と三重県紀宝町をつなぐ「新宮紀宝道路」(2・4㌔)が2024(令和6)年秋に開通するという見通しを公表した。現在整備が進む「すさみ串本道路」(19・2㌔)は25(令和7)年春に開通する見通しだ。

 和歌山県における「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化に向けた道路の5か年対策プログラム」で明らかにした。国交省では同プログラムに位置付けられた災害に強い国土幹線道路ネットワークについて、高規格道路のミッシングリンク(未整備区間で途中で途切れている区間)解消および4車線化、高規格道路と直轄国道とのダブルネットワーク化などによる道路ネットワークの機能強化対策を推進している。

 新宮紀宝道路(紀宝町神内―新宮市あけぼの間)は、国道42号の渋滞緩和による地域相互の振興と発展に寄与するほか、台風などによる土砂災害や南海トラフ地震などの地震災害時におけるネットワークの構築による救命活動や観光をはじめとした地域振興支援、救急医療活動の支援を主な目的とする道路。

 災害時、一般国道42号現道のうち、紀宝町の大部分の区間が津波により浸水し通行不能になると予想されており、整備により東南海・南海地震時の津波などによる浸水時には、迂回路、避難および避難場所として機能すると予想される。また、熊野川渡河部で慢性的に発生する渋滞の緩和にも期待が持たれる。

 公表を受け、田岡実千年・新宮市長は「長年の悲願が現実になった。心よりうれしく、みんなで祝いたい気持ち。熊野川河口大橋の開通により交通の便が良くなり、地域経済活性化の起爆剤になることを期待している。長年建設促進にご尽力いただいた関係機関の方々に感謝申し上げたい」と話している。

(2021年4月29日付紙面より)

令和6年秋の開通に向けて工事が進む熊野川河口大橋=27日、三重県紀宝町側
2021年04月29日
3 世界見据えて初動を固める
 推進協がオンラインで総会  (南紀熊野ジオパーク )

 南紀熊野ジオパーク推進協議会(会長=仁坂吉伸・和歌山県知事)が27日、オンライン形式で本年度通常総会に臨んだ。新任の東垣(あずま・わたる)・同パークセンター長が世界ジオパーク認定を見据えた今後の方向性を会員に示し、関連して一度打ち切った南紀熊野ジオパークガイド新規育成の再開を盛り込んだ事業計画案を承認するなどして初動を固めた。

 この協議会は、南紀熊野ジオパーク振興の中核組織として県や関係9市町村と関係諸機関・団体で結成。本年度の通常総会はコロナ禍の情勢を鑑み、串本町潮岬にある同センター内に感染症予防を考慮したサテライト拠点を置き遠方の会員をウェブ会議システムでつないで審議の場を整えた。

 当日は会員42人中31人が出席し11人が議長委任を提出。会長の仁坂知事はコロナ禍にあって同センターの教育活用が活発な状況や取り組みの高まりを期して3月に和歌山大学と連携協定を締結したことを報告し、「世界ジオパークとするためにはさらに実力を高めなければならない」と思いを掲げてあいさつ。和大を代表してアドバイザーに加わった伊東千尋学長が大学の持ち味を生かして盛り上げに協力したいという思いを掲げて会員との歩み寄りを深めた。

 東センター長は海洋研究開発機構特任技術統括を務め、同協議会のアドバイザーも務める人材。非常勤待遇での起用で、「地元が楽しんで豊かになる状況を世界に知らしめることに頑張りたい」と将来ビジョンを掲げ、前任から引き継いだ世界ジオパーク認定を目指す上での課題に対する見解、世界ジオパークや日本ジオパークの最近の傾向を踏まえて南紀熊野ジオパークや同パークセンターが果たすべき役割を論じて「できるのかではなく、話し合い汗をかきたいと思う」と同調を求めた。

 議事では前年度と本年度の事業関連諸議案を審議し承認。前述した同ガイド新規育成の再開により数と活動領域を国際的に通用する域まで増強し、世界認定に向けた弾みをつける方向性を新たに宿すことになった。その他、環境省近畿地方環境事務所が吉野熊野国立公園内におけるジオ事業の前年度実績と本年度の予定を報告し、それらの情報共有を図って終了した。

(2021年4月29日付紙面より)

感染症予防のためオンライン形式で開かれた本年度通常総会=27日、南紀熊野ジオパークセンター
着任あいさつを兼ね今後の方向性を示した東垣センター長
2021年04月29日
4 「安堵感を与えられたら」
 千鳥会が会員に支援金配布  (新宮市 )

 新宮市の町内会・千鳥会(濱優治会長)は、20日から数日かけて、新型コロナウイルス感染症の支援策として町内会67世帯に対し支援金5000円を配布した。

 長期化し、先の見えない不安に多くの人がストレスを抱えている新型コロナウイルス感染症。25日からは3回目となる緊急事態宣言が東京都・大阪府・京都府・兵庫県に発出されるなど、終息のめどはいまだ立ちそうにない。

 同町内会では、最初の緊急事態宣言が発令されていた昨年5月、「会員のために何かできないか」と一足早く独自の支援を決定。町内会員に対し現金1万円を支給した。

 このたびの支援については「コロナの時代をいかに乗り越えるか。コロナ終息に向け、町内会の存続を考えた」と濱会長。コロナ禍で役員が集まることも困難な中において、電話などで協議を重ねたという。

 支援金には町内会の予備費を充当。「少しでも安堵(あんど)感や喜びを与えられたら」との思いを込め、役員らが会員宅を一軒一軒訪ねて支援金を手渡した。なお、同町内会では昨年、災害対策として古くなった街路灯を撤去し電柱に新たに電灯を取り付ける工事を実施。工事は維持管理費の低減にも一役買っているという。

 支援金を受け取った町内会員の佐藤輝子さん(71)は「新しい電灯も支援金もありがたく、町内会のみんなが喜んでいる。心強く感じています」と笑顔。

 濱会長は「有事の時にどう気遣えるかが大事。共助の気持ちこそ町内会の在り方では。町内会の皆さんには健康で笑顔でいてくれたら」と話していた。

(2021年4月29日付紙面より)

会員に支援金を手渡す濱優治会長(右)=新宮市徐福
2021年04月29日
5 おかはな農園が優勝
 第165回職場対抗ボウリング大会  
2021年04月29日
6 那智勝浦町花火大会が中止  新型コロナ感染拡大防止のため  
2021年04月29日
7 建学の精神に立ち返る日に  近大新宮教職員が墓参り  
2021年04月29日
8 1位に松本武則さん  写連新宮支部4月例会  
2021年04月29日
9 3人が藍綬褒章を受章  令和3年春の褒章  
2021年04月29日
10 早朝から中曽公園で草刈り  讃寿会がボランティアで  (紀宝町 )
2021年04月29日
11 楽しく絵本に触れる  「紀宝はぐくみの森」で社会見学  (成川保育所 )
2021年04月29日
12 高学年が田植えを体験  地域の協力を得て2年ぶりに  (神内小 )
2021年04月29日
13 122組244人が40ホールで対戦 本年度会員交流ペア大会 (串本町)
2021年04月29日
14 一品物求める人でにぎわう  サンゴ台で「手作り五人展」  (串本町 )
2021年04月29日
15 住崎に海中こいのぼり設置  串本盛り上げの思い込めて  (串本ダイビング事業組合 )
2021年04月29日
16 4年後の春への期待高まる  すさみ串本道路予定公表で  (串本町 )
2021年04月29日
17 お悔やみ情報
  
2021年04月28日
18 渋沢翁に学ぶ「おかねの大切さ」
 新宮YEGが絵本を寄贈  (新宮市 )

 新宮商工会議所青年部(新宮YEG、向井康博会長)の向井会長、井上乃安・下原久幸・福本友樹の各副会長、門和宏専務理事は26日、新宮市役所を訪れ、渋沢栄一をテーマにした子ども向けの絵本「おかねってなぁに?」35冊を寄贈した。田岡実千年市長は「大人にとってもためになる素晴らしい絵本」と感謝を伝えた。絵本は市立図書館と市内小学校に配布される。

 絵本は、2024年度から1万円札の図柄となる渋沢栄一(1840~1931年)が、分かりやすくお金の大切さを伝える内容。「日本の資本主義の父」といわれている渋沢栄一は、商工会議所創設者でもある。

 日本商工会議所青年部では、「渋沢栄一プロジェクト第1弾」として渋沢栄一のやしゃごである澁澤健さんと米良充朝・日本YEG会長による対談を経て、澁澤さん監修による「おかねの大切さを渋沢栄一翁(おう)から学ぶ」という視点で書かれた絵本を制作。

 寄贈はプロジェクト第2弾としての取り組みで、全国415のYEGで実施された。絵本は「お金の歴史」や「お金の3つの役割」「ありがとうが増えるとお金が増える」などの項目を親しみやすいイラストで紹介。▽使う▽ためる▽助ける(寄付)▽働かす(ありがとうをつくる)―のお金の使い方を子どもにも分かるように説明している。寄贈に当たり、向井会長は「絵本を読んで、お金に理解を持ってすくすくと成長してほしい」と思いを語った。

  □     □

■「バイローカル」周知も呼び掛け

 本年度、地域・事業者の活性化を目指して新宮YEGが啓発に取り組む「BUY LOCAL(バイローカル)」の考えに基づいた「バイローカル新宮~地元の未来のために~」事業。

 地域で独立経営をする店舗を利用することで、買い物に使った資金を地域内に環流させることによって当地の経済を活況にしようとする取り組みで、新宮YEGではポスターやウェブサイト、ロゴデザインを活用した商品などを作成。周知や情報発信を展開している。

 会員らは田岡市長に対し、今後は新型コロナの状況を見極めながら、加盟店によるマルシェ(市場)などのイベント実施も視野に入れていると報告し「新宮市には特色ある店舗が多くある。そんなお店を掘り起こしたい」。

 「広報により事業所がより育つ。市の職員さんにも意識を高めてもらい、一緒に企業を育てていければ」と協力を要請。対し、田岡市長は「理念が広がるように、できることに取り組んでいきたい」と応じた。

(2021年4月28日付紙面より)

新宮商工会議所青年部が田岡実千年市長(前列中央)に絵本を手渡した=26日、新宮市役所
2021年04月28日
19 子どもが遊べる環境を
 木戸浦グラウンド無料開放  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は現在、同町天満の木戸浦グラウンドを町内在住の子どもたちに無料開放している。開放時間は、グラウンドの使用に余裕のある平日午後3時から5時まで。土、日曜日、祝日と12月29日~翌年1月6日は除く。

 町内には公園以外で広く使うことができる遊び場が少なく、子どもたちに安全に心置きなく体を動かしてもらおうと昨年10月1日から開始した。

 ルールは▽使用後はグラウンドの整備を行い、ごみは持ち帰る▽野球は小学生のみ使用可▽自転車や単車などの乗り入れは禁止▽ペットを連れての利用は不可▽けががないよう、十分に注意する▽事故などが起きた場合には責任を負いかねる―としている。

 町教育委員会によると、大人のみの使用はできないが、子どもと一緒の場合は使用できる。

 町の担当職員は「町の子どもたちが元気に遊ぶことができる環境との思いで町や教育委員会、関係者などが一体となって取り組んでいます。コロナ禍で不安な日々が続いていますが、しっかりと感染症対策を施した上で少しでも元気に体を動かしてほしい。その中でスポーツ振興などにもつながるきっかけになってもらえれば」と話していた。

(2021年4月28日付紙面より)

町内の子どもたちを対象に無料開放している木戸浦グラウンド=23日、那智勝浦町天満
2021年04月28日
20 今年も羽化シーズン始まる
 記念物のハッチョウトンボ  (古座川町 )

 古座川町内で今年も、世界最小のトンボ類・ハッチョウトンボ=町指定天然記念物=の羽化シーズンが始まった。

 ハッチョウトンボは東南アジアの熱帯域に多く分布するが、生育環境が特殊で国内で観察できる場所は局所的に点在する状況となっている。成虫の体長は一円玉大の約2㌢。羽化後に成熟すると雄はほぼ全身が鮮やかな赤色、メスは腹部が褐色と黒色のしま模様に色づき区別が容易になる。

 同町直見(ぬくみ)にある大谷湿田は県道沿いでもアピールされている生息地で、同町は過去に学術報告されて以降ハッチョウトンボを天然記念物、同湿田を自然保護区に指定して種の存続を図っている。

 現在は木道(もくどう)以外の湿田内への立ち入りを制限しているが、ハッチョウトンボは求愛する時を除いて水生植物につかまりじっとしていることが大半。木道上に人が入っても、手が届きそうなぐらい極端に近づかなければ容易に観察できる。

 同湿田の羽化のシーズンは5月中旬~7月中旬とされているが、最近はゴールデンウイーク半ばからちらほらと成虫が見られる傾向にある。今年はさらに早く羽化が始まったようで、26日は木道上から5匹を観察できたが色づきはこれからといった状況だった。

(2021年4月28日付紙面より)

大谷湿田のハッチョウトンボ。色づきはこれからといった状況だった=26日、古座川町直見
2021年04月28日
21 2年ぶりの田植え作業
 近大新宮中が熊野川町日足で  (新宮市 )

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)の1年生46人が27日、同市熊野川町日足の水田を訪れ、田植え作業を体験した。新型コロナウイルス感染症の影響で2年ぶりの取り組み。晴天の下、生徒たちは1本1本丁寧に苗を植えた。

 市の教育目標である「郷土への誇りと愛着を育む教育の充実」を目的に2016年にスタート。地元農家との交流を通じて地域への愛着を深めるとともに、さまざまな人の手が加わって生産される食べ物や農家への感謝の心を育んでいく。水田は11年の紀伊半島大水害で被害を受けた場所にあり、復興に向けて頑張る地域の姿を伝える狙いもある。

 この日は水害後に地域の耕作放棄地を減らす活動に取り組む「MYNS(マインズ)」(南本安信代表)や県、市、JAみくまのの関係者らが指導に当たった。生徒たちは田んぼの泥の感触に「ぬるっとする」「足がはまった」と叫びながらも、喜々として作業に取り組んだ。稲刈りは8月下旬に予定しており、450~500㌔の収穫を見込んでいる。

 寺地優太君(1年)は「上手にできたと思う。秋の近大新宮祭で、みんなが買ってくれるようなお米に育ってほしい」。南本代表は「たくさんの生徒たちが田植えに取り組んでくれてありがたい。この中から将来の農業後継者が出てくれるといい」。MYNSメンバーの下阪殖保さんは「収穫では、生徒たちもぐんと大人になった姿を見せてくれるのを楽しみにしている」と話していた。

(2021年4月28日付紙面より)

田植え作業に取り組む生徒たち=27日、新宮市熊野川町
2021年04月28日
22 伊藤藍さんが組手53㌔の部で優勝
 全国高校空手道選抜大会  
2021年04月28日
23 那智勝浦少年野球クラブが制す
 スポ少野球東牟婁予選  
2021年04月28日
24 屋根設置工事が完了  市庁舎障害者用駐車場に  (新宮市 )
2021年04月28日
25 くつろぎながら絶景楽しんで  アウトドアリビングを開設  (休暇村南紀勝浦 )
2021年04月28日
26 一つ一つに心を込めて  きいちゃんのモザイクアート  (新宮市 )
2021年04月28日
27 男女そろって準優勝  県中学卓球チャンピオンシップ  (御浜中 )
2021年04月28日
28 ワクチン接種券を送付  シミュレーションも実施  (御浜町 )
2021年04月28日
29 井田海岸で月1回の清掃活動  にっこりフェスは5月に予定  (ウミガメ公園 )
2021年04月28日
30 交通事故のない社会を願い  母への思い込め中岡さんが寄付  (紀宝町 )
2021年04月28日
31 冊数多い5人招きたたえる 「本を読んだで賞」贈呈式 (串本町図書館)
2021年04月25日
32 色川茶畑が降霜により打撃
 県内各地でも被害  (那智勝浦町 )

 「こんなことは10年に1回くらいではないか。収穫量はどうしても落ちてしまう」―。そう話すのは那智勝浦町熊瀬川にある農事組合法人両谷園の岡洋祐代表だ。10日早朝、一番茶収穫前の色川地域で発生した降霜(こうそう)によって両谷園のメンバーや取り引きする生産者の茶畑の茶葉に枯死(こし)被害が相次いだという。

 両谷園は同地域在住の榎本静夫さんが1983年に無農薬の茶の栽培を行う自園自製の茶工場を創設。一番茶を使った「上ほうじ茶」や「ほうじ茶」、「大雲取」などの煎茶が町内外から人気で、個人やスーパーなどに販売している。

 当日、被害に気付いた岡代表らは茶畑各所を回り状況を確認。その後、メンバーらで被害に遭い変色した箇所や良い葉も含めて枝をそろえることで木の成長を合わせる整枝を行った。

 被害を調査した東牟婁振興局では、今年は暖かく例年より木の成長も早かったことから新芽に霜の被害が出たと見解を示した。

 和歌山県農林水産部によると、10日の降霜によって県内では同町に加え、白浜町日置川の茶に新梢(しんしょう)しおれや枯死が。さらに梅では、田辺市と上富田町で果実陥没、傷果(しょうか)、落果、新梢しおれの被害が発生しているという。21日現在、県内全体で被害面積が84・5㌶、被害総額が8022万1000円と報告されている。

 同部職員は「2010年に霜の被害は発生しているが、近年は今回のような被害はなかった。適正な温度管理のために暖かい空気を防霜ファンなどで送ることが対策となる」。

 岡代表は整枝を終えた茶畑を見つめ「われわれも含め生産者の方々にとって1年かけて育てた木なのでショックは大きいと思う。自分たちが行った方法が木にとって正しいかはまだ分からない。木をリセットした形となった。品質が落ちなければありがたい」と語った。

(2021年4月25日付紙面より)

降霜被害があった色川地域の茶畑=21日、那智勝浦町熊瀬川
変色した茶葉
2021年04月25日
33 「県民へのお願い」内容変更
 緊急事態宣言発出を受け  (和歌山県 )

 和歌山県は23日、東京都・京都府・大阪府・兵庫県に「緊急事態宣言」が発出されたことを受け、「県民の皆様へのお願い」の内容を見直した。

 3度目の発令となる緊急事態宣言。期間は25日から5月11日(火)まで。また、「まん延防止等重点措置」を実施すべき区域に愛媛県が追加された。

 これを受け、和歌山県は「大阪府、兵庫県、京都府、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、宮城県、沖縄県への不要不急の外出を控える」の項目に愛媛県を追加。「政府対策本部が『まん延防止等重点措置』の区域を指定している期間」を「政府対策本部が『緊急事態措置を実施すべき区域』等を指定している期間」に変更した。

 県では引き続き▽カラオケ・ダンス等の大規模な催しへの参加を控える▽在宅勤務(テレワーク)の積極的な活用―などを呼び掛けている。

(2021年4月25日付紙面より)

2021年04月25日
34 大水害から10年、念願の高台完成
 テープカットで竣工祝う  (紀宝町鮒田 )

 2011年の紀伊半島大水害から今年で10年。相野谷川の氾濫により甚大な被害を受けた紀宝町鮒田地区の高台に一時避難場所が完成し、23日に竣工(しゅんこう)式が行われた。避難場所(約850平方㍍)は海抜20㍍に位置し、今後は鮒田区、鮒田自主防災会と町が連携を深めながら消防車庫の設置など整備計画を進めていくという。

 式では西田健町長、東口高士・鮒田区長、国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の川尻竜也所長、町議会の向井健雅議長、萩野進也・総務産業常任委員長がテープカットし、竣工を祝った。

 西田町長は、当時の被害を振り返り「人の命が一番を基本に、安全安心な町づくりに取り組む」とあいさつ。東口区長は高台整備に感謝し「町では日本で最初のタイムラインを策定し、鮒田区でも生活タイムラインをつくった。これからもこの地区で防災の取り組みを頑張りたい」と述べた。

 大水害時、鮒田地区は約13㍍浸水し、家屋の全壊が4棟、大規模半壊が127棟、半壊が41棟、土砂による全壊1棟など181棟が被害を受けた。区では水害を教訓に2018年、高台用地を確保。熊野川で掘削した土砂を活用して紀南河川国道事務所が整備し、今年3月末に完成した。

 想定を超える浸水に備え、一時避難場所より高い海抜60㍍の地点にも避難場所を整備した。

(2021年4月25日付紙面より)

テープカットで一時避難場所の竣工を祝う=23日、紀宝町鮒田
2021年04月25日
35 未成年飲酒防止訴える
 新宮小売酒販組合らが街頭啓発  

 新宮小売酒販組合(辻良治理事長)などは23日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で未成年者飲酒防止・飲酒運転撲滅キャンペーンの街頭啓発を実施した。組合員ら約20人が買い物客らにチラシとティッシュを配った。

 毎年4月は「未成年者飲酒防止強調月間」。和歌山県全体では2000年から、新宮組合では1993年から街頭キャンペーンを実施している。

 国税庁では20歳未満の者が飲酒をしてはいけない理由について▽脳の機能を低下させる▽肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくする▽性ホルモンの分泌に異常が起きるおそれがある▽アルコール依存症になりやすくなる▽20歳未満の者の飲酒を禁ずる法律(未成年者飲酒禁止法)がある―を挙げている。

 この日、同組合以外に参加したのは、新宮市立少年相談センター、新宮料理飲食業組合、フランチャイズチェーン協会、(株)オークワ、紀南酒造組合などの皆さん。

 啓発活動は、ソーシャルディスタンスの確保や手指消毒、「なるべく声を発さない」などの新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で実施。

 辻理事長の開会宣言の後、マスクと手袋を着用した参加者らは「飲まへん、売らへん、勧めへん」「二十歳未満の飲酒は法律で禁止されています」「年齢が確認できない場合は、新宮小売酒販組合加盟店は酒類の販売はいたしません」とエンドレステープが流れる中、買い物客らに啓発物資を渡した。

 強調月間に当たり、辻理事長は「未成年者はまだ体ができていないため辛抱いただきたい。お酒は二十歳になってから楽しんで」と呼び掛け。

 新型コロナの影響で規模縮小となった啓発活動や、小売店や飲食業など多くの事業者が長引くコロナ禍により売り上げ減などにあえぐ現状に対し「多くの事業者が苦労していると思う。コロナが終息し、みんなでワイワイとお酒を楽しめる日が早く来れば」と話していた。

(2021年4月25日付紙面より)

買い物客らに未成年飲酒防止を訴える=23日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店
2021年04月25日
36 矢渕中、紀宝柔道会が活躍
 松阪市スポ少交流柔道大会  
2021年04月25日
37 優勝は久司雅代さん
 なちかつGGCクラブ大会  
2021年04月25日
38 玉置裕さんが新委員長に  千穂第一地区福祉委員会が総会  (新宮市 )
2021年04月25日
39 自費PCR検査に助成  紀宝町が上限1万円を  
2021年04月25日
40 紫と白の競演を期待  フジの花が新緑に映える  (那智勝浦町南平野 )
2021年04月25日
41 きれいなお花がいっぱい  丹鶴幼稚園がお散歩  (新宮市 )
2021年04月25日
42 お悔やみ情報
  
2021年04月08日
43 町民への周知深めるために
 町歌と春夫の歌詞が体文へ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は6日、ヒノキ製の町歌ボードと新宮市輩出の文豪・佐藤春夫の「秋刀魚(さんま)の歌」直筆原稿を体育文化会館に移設した。町歌ボードはアリーナの壁面に、原稿はアリーナ前のロビー壁に設置された。

  □     □

■町歌ボード



 町歌は那智勝浦町制30周年を記念し、1985年4月に制定されたもので、ボードは40周年を迎えた95年に姉妹都市である長野県上松町から寄贈され、町長室に飾られていた。

 今月より午後5時のチャイムが町歌に変更となったことから、町民に広く知ってもらいたいという堀順一郎町長の思いもあり、多くの人々が利用する同館への移設に至った。

  □     □

■佐藤春夫直筆の歌詞



 新宮市出身の春夫は同町にもゆかりのある人物で、同町八尺鏡野(やたがの)には父の豊太郎の生家である下里懸泉堂(けんせんどう)もある。

 直筆の歌詞原稿は、59年に紀勢本線が全通した際に記念してJR紀伊勝浦駅前に建立された歌碑の元となったもの。

 原稿は91年2月に町指定文化財に登録され、長きにわたって町長応接室に設置されていた。町歌ボードと同様、多くの人に知ってもらおうと同館に移設した。

 堀町長は「これまで町歌は町民の皆さまに歌っていただける機会がなかった。町のことがしっかりと盛り込まれた分かりやすい歌詞となっている。これを機会に親しんでいただき、歌っていただけたら」。

 原稿については「春夫の直筆が見られることも少ないと思う。町民だけでなく、多くの方々に見てもらいたい」と語った。

(2021年4月8日付紙面より)

広く周知するために町歌ボードを移設=6日、那智勝浦町の体育文化会館アリーナ
佐藤春夫の直筆の歌詞を見ることができる
2021年04月08日
44 65歳以上へ接種券送付
 新型コロナワクチン  (新宮市 )

 新宮市は5日、65歳以上の市民に対して、新型コロナウイルスワクチン接種券を送付した=写真。封筒にはワクチン接種までの流れや予約方法・接種会場などの説明や、ファイザー社製ワクチンの説明などが同封されている。

 接種は「集団接種」「個別接種」のいずれかを選択可能。集団接種に関しては25日(日)、市役所別館での接種を皮切りに、佐野体育館(5月9日)、熊野川総合開発センター(23日)、市役所別館(6月6日)を予定している(いずれも1回目の接種日)。

 25日の集団接種については、12日(月)から予約受付を開始する。25日の市役所別館と、5月5日の佐野体育館での集団接種については、定員を超えた場合は重症化リスクの高い「高年齢順」で受付を確定する。

 接種会場への移動について、市はタクシーの初乗り料金(580円分)を補助。タクシー利用券も同封されている。また、集団接種会場への無料シャトルバスの支援も予定しているという。

 個別接種については5月上旬からかかりつけ医(直接予約)などで接種開始予定としている。

 市新型コロナワクチン接種推進室では「当初は、ワクチンの数に限りがありますので接種いただけるまでしばらくお待ちいただくこともありますが、国から順次供給される見込みで、必ず全員の方が接種できますのでご安心を。これまでの感染症対策を継続しながら、接種の時期までお待ちください」と呼び掛けている。

(2021年4月8日付紙面より)


2021年04月08日
45 顔の見えるつながりを
 オンラインで姉妹都市交流  (新宮市、サンタクルーズ市 )

 新宮市は7日、市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)とオンラインをつなぎ「オンライン生徒交流会」を実施した。市内の中学校に通う4人が参加。「バーチャルホスト生徒」としてサ市の生徒9人に市の魅力などを発信。交流を深める機会とした。

 両市は1974年12月25日に姉妹都市関係を結んでおり、文化交流や訪問団の派遣などを通して友好関係を築いてきた。

 本来なら春の生徒訪問団が来新する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため昨年に引き続き相互訪問が困難な状況に。隔年で実施していた国際理解教育海外研修も、本年度は市内中学生の派遣の中止が決定している。

 そういった状況の中、両市は姉妹都市間の往来と本来の交流活動の再開を願いつつ、友好関係継続のための交流方法を模索。本年度の交流事業として、市内中学校に在籍する生徒にサ市の生徒や市民との交流を持つためにオンライン交流会を実施するに至った。

 交流会は10日(土)にも開催予定で、この日は小西汰知君(緑丘中2)、宮本彩音さん(近大中2)、吉良和子さん(同)、吉良佳子さん(同)が参加。

 市教育委員会の雜賀まどかさんが生徒らに対し「サ市の生徒たちは新宮市に来たかったのに来られなかった人たち。今日はバーチャルホストとして新宮の魅力を伝え、顔の見えるつながりを」と呼び掛け。市姉妹都市親善協会の須崎恵美会長や外国語指導助手(ALT)らが交流会の様子を見守った。

 生徒らは英語で自己紹介を行った後、ミニゲームや、折り紙を使って日本文化を紹介するなどして交流。最後にカードとプレゼントを交換し、コロナ終息後の再会を誓い合った。

 吉良佳子さんは「コロナの影響でオンラインという形になったが、英語力を生かして交流できて良かった。これからも勉強してもっと交流を図れるようになれたら」と話していた。

(2021年4月8日付紙面より)

情報交換などを通して交流を図った=7日、新宮市役所
2021年04月08日
46 「熊野大花火大会」今年も中止
 新型コロナウイルスの影響で  (熊野市 )

 熊野市の七里御浜海岸で8月17日に開催を予定していた「熊野大花火大会」の中止が決まった。全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、昨年に続き2年連続の中止となった。

 6日に実施した熊野大花火大会実行委員会で協議し、新型コロナの影響がいまだ継続している中で観覧者や大会関係者、ボランティアなどの感染防止対策を講じての安全安心な大会運営が難しいと判断した。例年、地元や各企業からの協賛によって運営しており今年は協賛募集も中止とした。

 大会本部長の河上敢二市長と大会実行委員長の中平孝之市観光協会長は連名で「毎年、熊野大花火大会を楽しみにしていただいている皆さまのためにも、開催に向けて協議を重ねてまいりましたが開催中止に至りました。新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、来年は多くの方に楽しんでいただけるような熊野大花火大会が開催できるよう、実行委員一同力を合わせていく所存です」などとコメントを公表した。

 熊野大花火は初盆供養として江戸時代から始まり、300年以上の歴史と伝統を誇る。全国屈指の花火大会として知られ、海上に直径600㍍の半円を描く「三尺玉海上自爆」、フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けなど色とりどりに夜空を覆う花火が観衆を魅了している。例年、17万~18万人が訪れているが、昨年は戦後初の中止となった。

(2021年4月8日付紙面より)

以前の熊野大花火大会の様子
2021年04月08日
47 交流の場、対策取って再開  「すみれサロン」1年ぶりに活動  (紀宝町 )
2021年04月08日
48 新1年生が元気に初登校 紀宝町内全小学校で入学式 
2021年04月08日
49 記憶紡いだ冊子に感謝状  「懐かしいまち 那智勝浦町 天満」  
2021年04月08日
50 165人が新たな歩み  近大新宮高校・中学校で入学式  
2021年04月08日
51 自らの可能性を追求して  新宮高校に194人入学  
2021年04月08日
52 串本町の令和3年施政方針③   
2021年04月08日
53 火災救急など実績を記録  令和2年の年報まとめる  (串本町消防本部 )
2021年04月08日
54 物資配って心掛け促す  春の全国交安運動街頭啓発  (串本町や古座川町 )
2021年04月08日
55 お悔やみ情報
  
2021年04月03日
56 飼育動物の冥福祈る
 くじらの博物館で供養祭  (太地町 )

 太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で2日、飼育中に死亡した鯨類や魚類などの冥福と飼育動物の長生きを祈る供養祭が営まれた。館内にある供養碑前で東明寺の関国昭住職が読経を行い、職員約40人が静かに手を合わせた。

 供養祭は同館が開館した1969年4月2日の記念日に合わせ、42年前から毎年行っている。

 同館には現在、鯨類がコビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウ、バンドウイルカ、カマイルカ、スジイルカ、マダライルカ、カズハゴンドウ、シワハイルカの9種38頭おり、ナンヨウツバメウオなどの魚類50種227匹、ミズクラゲなど無脊椎動物21種616匹を飼育展示している。

 同館によると、入館者数は例年10万人超だが、2020年度は約8万8000人(前年度比16%減)だったという。担当職員は「コロナ禍の中、前年度比84%となったのはGoToトラベルキャンペーンや県内での修学旅行が実施されたおかげ。今後もお客さまが安全・安心にお越しいただける体制づくりを強化し取り組んでいきたい」と話した。

 稲森大樹副館長は「供養祭は命を落とした動物たちと向き合える貴重な時間。動物たちに感謝の気持ちを持ち、命を預かっていることを改めて考えさせられる。現在、暮らす動物たちがより健康で長く生きられるように健康管理を徹底したい」と気持ちを新たにした。

 林館長は「新型コロナウイルスの影響で厳しい中だが、個人個人が自覚を持って感染しないようにお客さまに対して、消毒などの対策を徹底してもらえるようにすることが重要。早期にコロナが終息し、元の生活に戻ることを祈っています」と語った。

(2021年4月3日付紙面より)

供養碑に祈りをささげた=2日、太地町立くじらの博物館
2021年04月03日
57 弁天島に祠など奉納
 新設祝し関係者ら参拝  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の大勝浦地区にある弁天島の祠(ほこら)と祭壇が新設されたことを記念して1日、弁天島保存会の関係者らが参拝した。奉納した大阪府藤井寺市の天野貴美子さんらも同所を訪れ、祠に手を合わせた。

 弁天島は三つの奇岩から成り、一番大きい中央の「立島」に鳥居と祠がある。毎年、豊漁や商売繁盛を祈願する弁天祭も営まれている。

 天野さんは「1年2カ月前にこの場所が夢に出てきた。知らない場所なのでいろいろ調べていると、弁天島にたどり着いた。それからは毎月、参拝に訪れている」と話す。

 奉納については「祠がきれいになってうれしい。地元も含め、もっと多くの方々に参拝してほしい」と語った。

 保存会の代表の一人である猪飼伸さんは「立派な祠にしていただいたので、地元や県外からもお参りに来ていただければありがたいです」。

 同じく代表で弟の宏さんは「保存会としては継続維持していく上で祠が新しくなり感謝しています。今後とも精進していきます」と語った。

 なお、今年の弁天祭は14日(水)午後1時から実施予定。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して役員のみが参列し神事を執り行うという。

(2021年4月3日付紙面より)

参拝に訪れた関係者ら=1日、那智勝浦町の弁天島
新設された祠に参拝
2021年04月03日
58 295人15教室で学ぶ 生きがいと創造の事業教室開講式 (新宮市)

 新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)主催の令和3年度生きがいと創造の事業教室開講式が1日、市役所別館であった。本年度から「生きがい教室」と「はつらつ教室」を合わせて実施。295人のクラブ会員たちが書道、陶芸、生け花、民踊など15教室で学んでいく。

 同事業は1979(昭和54)年に市が老人クラブ連合会に委託して以来、意欲や目標を持ちながら継続的に活動することによって元気に生活することを目標に、40年以上にわたり続けられている。

 上廣会長は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を憂い、それに伴う昨年度の市老連の活動状況などを説明。「気持ちを緩めることなく、感染防止対策を守りながら事業を行っていきたい。健康寿命を延ばし前を向いて、今年の干支(えと)・牛のごとく、一歩、一歩ゆっくりと進んでいきたい」とあいさつした。

 来賓の田岡実千年市長は「少子高齢化が進む中、高齢者同士が支え合い、健康で長生きできることが大事。本年度も各教室の受講を通して、生きがいづくり・健康づくりをしていただきたい」と祝辞。今月25日(日)から同所にて高齢者を対象にした集団接種を予定していることも報告した。

 式後には、インストラクターの杉浦資史さん(High-Five代表)による「自宅で出来る簡単!スッキリ!体操」もあり、参加者らは「椅子に座ってかんたん筋力トレーニング」「椅子やテーブルを支えにして転倒予防トレーニング」に挑戦。音楽に合わせ、筋肉や関節を伸ばすなどして体をほぐした。

(2021年4月3日付紙面より)

開講式に出席した皆さん=1日、新宮市役所別館
開講に当たりあいさつする上廣正幸会長
2021年04月03日
59 コロナ終息への願い込め 本宮祭前に「挑花」作り (田辺市本宮町)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の春の例大祭「本宮祭」(13~15日)に向け、同大社敬神婦人会有志5人による「挑花(ちょうばな)」作りが大詰めを迎えている。授かれば無病息災などの御利益があるという縁起物で、祭りまでに約600本を作る。

 菊を模した造花「挑花」は直径約15㌢、高さ約60~90㌢。昨年秋ごろから大社氏子総代会が材料集めなどの準備を始め、年明けから婦人会有志たちが花を作っている。赤、白、黄などの紙を花びらや葉の形に切って、接着剤などで貼り付けて完成させる。

 祭りを目前に控えた2日、同町渡瀬では昨年初めて挑花作りに参加した岸谷和代さん(84)と作業歴約35年のベテラン・岡本ミチさん(77)が作業に取り組んだ。

 岡本さんは「今年も祭りのお手伝いをさせていただいてありがたい。新型コロナウイルスの終息を願いながら一個一個丁寧に作っています」。岸谷さんは「コロナが終息し、多くの人が熊野本宮大社をお参りできるように願っています」と手先を動かしながら挑花に込めた思いを語る。

 挑花は15日(木)の本殿祭に合わせて本殿に飾られ、午後からの渡御祭(とぎょさい)で、挑花を挿して飾った6基の木箱が真名井社(まないしゃ)を経て旧社地の大斎原(おおゆのはら)まで渡る。

 かつては旧社地での神事が終わると氏子が挑花を奪い合ったが、現在は餅投げの赤餅と引き換えている。今年は新型コロナ感染防止の観点から餅投げは実施せず、挑花は餅と一緒に参列者に授与される。

 同大社の例大祭は、主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)が本宮に鎮座する際に「我を祀(まつ)るに母神(イザナミノミコト)をも同じく祀れ」と言ったという故事が起源。熊野市の花の窟(いわや)から母神を迎え、花を奉じて鼓、笛、旗をもって祭りを営むようになったと社伝に記されている。

(2021年4月3日付紙面より)

挑花作りに取り組む敬神婦人会の岡本ミチさん(左)と岸谷和代さん=2日、田辺市本宮町渡瀬
2021年04月03日
60 選手らの活躍写真で伝える  巡回展「スポーツのチカラ」  (串本町 )
2021年04月03日
61 串本の海テーマに18点出品  特別展「黒洋画会展」始まる  (串本海中公園 )
2021年04月03日
62 海産の稚アユ1㌧を放流  理事手分けし管内流域へ  (古座川漁業協同組合 )
2021年04月03日
63 20年下期景況調査結果  新宮商工会議所  
2021年04月03日
64 「熊野歴史研究」発行  熊野歴史研究会が2年ぶり  
2021年04月03日
65 コバノタツナミの花  宇久井ビジターセンター  (那智勝浦町 )
2021年04月03日
66 頭脳ゲームにハラハラ  下田児童館でマンカラカラハ大会  (新宮市 )
2021年04月03日
67 勝浦の海に「太陽」  新たな役目迎えるために  
2021年04月03日
68 明日から一緒に遊ぼうね  新木保育園で入園式  (新宮市 )
2021年04月03日
69 御浜町人事異動   
2021年04月03日
70 樹齢100年超えるナシの木  今年も純白の花が咲き誇る  (紀宝町高岡 )
2021年04月03日
71 元気いっぱい遊ぼうね  町立保育所で一斉に入所式  (紀宝町 )
2021年04月03日
72 「紀宝はぐくみの森」開館迎える  図書館・子育て支援セ複合施設  (紀宝町 )
2021年04月03日
73 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第32回】偏食への声掛け  

 子どもの偏食に悩むお母さんは、たくさんいます。対処といっても、調理方法を工夫するというものが多いですよね。今回は子どもにかける「言葉」についてお伝えしようと思います。言葉は毎日浴びるもの。だからこそ、いい声掛けをしたいですよね。まず大前提としてお伝えしておきたいのは偏食は、年を重ねるごとに改善されることが多いということです。栄養面で心配だという方もいますが、他の食材で補えれば問題ありません。野菜の代わりに果物でもいいし、野菜の栄養は水溶性のものが多いので、スープを飲むだけでも大丈夫。だからそんなに神経質になる必要はありません。それでも、偏食を助長させるような声掛けはしたくないですよね。偏食の子どもに言ってはいけない言葉をお伝えします。

 一つ目は、「嫌だったら食べなくていいよ」です。これは一見とっても優しく聞こえますし食卓の雰囲気はよくなりそうですよね。でも、この言葉はお母さんの妥協の言葉。これを言われると子どもは食べようとトライする気持ちもなくなってしまいます。偏食への対処で大切なのは「諦めない」ということなんです。叱るのはもちろんよくないですが、心配だから食べてほしい。というお母さんの気持ちはぜひ、伝えてあげてください。声を掛けて食べなくても大丈夫。諦めずに伝えてください。

 二つ目は「食べないと〇〇だよ!」という言葉です。「これを食べないと大きくなれないよ」「これを食べないと病気になるよ」こういった言葉は、偏食に全くいい作用を生まないという研究結果があります。ネガティブに響く言葉は極力避けて、まずは、子どもを信じてあげてください。

 最後は三つ目「お行儀が悪いよ」です。意外に思いますが、実は、食べ方などのしつけの声掛けが多いほど偏食が多いという研究結果があります。「食べられないと恥ずかしいよ」「残すのは行儀が悪いよ!」といった言葉は、自分への非難として受け取ってしまうようです。お箸の持ち方や、お皿の使い方などとは少し違うのかもしれませんね。

 偏食への声掛けとして有効な言葉は何かというと、「食べ物への感謝の言葉」です。「農家さんに感謝して食べようね」「食べ物にも命があるから感謝して食べよう」といった感じの言葉です。これを考えると、収穫体験をしたり、生産者を訪ねたりお料理を経験したりすることが、偏食克服に有効なのもうなずけますね。私は大切なのは、言葉ではなく、その食卓の雰囲気なのではないかと思っています。同じ言葉を受け取るにも、そのときのお母さんの語気やニュアンスを子どもたちは敏感に感じ取っているんだと思うのです。この言葉はダメという情報は、参考までに受け止めていただければと思います。子どもの偏食を心配して、この記事を読んでくれただけで、あなたは子どもを思う、素晴らしいお母さんです! ここにある言葉を言ってしまっていてもいくらでも取り返せます! 子どもたちは、言葉の表面でなくその向こうの気持ちを受け取っているんです。

(2021年4月3日付紙面より)