職員らが避難所設営訓練 (新宮市 )
新宮市防災対策課と避難所担当職員ら約20人は27日、同市野田の市福祉センターで新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた避難所運営訓練を実施した。避難スペースのレイアウト作成や、さまざまなケースに応じた受付対応を確認した。
台風や集中豪雨の影響を受けやすい時季を迎えるに当たり、コロナ対策を踏まえた訓練を実施することで課題を把握し、今後の避難所開設時に活用することが目的。昨年度末に和歌山県から4500枚の支給を受けた段ボールパーティションの組み立てや活用方法などを確認する狙いもある。
訓練は市内9カ所で実施。17日の保健センターを皮切りに、蜂伏会館、橋本隣保館、三輪崎会館、王子ヶ浜小学校、新高田会館で行っており、今後は下田隣保館、佐野会館での開催を予定している。
この日は田岡実千年市長が視察。訓練に先立ち「近畿地方は例年より20日以上早い梅雨入りとなった。最近の梅雨は線状降水帯の発生もあり、雨の降り方の予想がつかない状況」と危機感を示し、「コロナ対策を一層強化し、避難所での感染リスクを減らすため、県から支給された段ボールパーティションを市独自の活用法で使用する。訓練ではより良い避難所運営を実施するために、改善事項を見いだせるよう期待したい」と職員らに呼び掛けた。
職員らは協力しながら段ボールパーティションや銀マットを配置し避難スペースを設営。避難者の受け入れに対する応対や動線などの確認も行った。
訓練に立ち会った竹田和之・防災対策課長は「段ボールパーティションも手際よく設置できたと思う。梅雨入りも早く、どういった雨が降るのか予想できない中において、コロナ対策を強化するとともにいち早く避難所を設置し、市民が安心して避難できるように体制を強化したい」と話していた。
(2021年5月28日付紙面より)
職員が初訓練に取り組む (那智勝浦町消防本部 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は26日、同町のブルービーチ那智で初となる土砂埋没救助訓練を実施した。土砂災害への対応強化を図るため、職員8人がさまざまな想定で訓練に取り組んだ。
本来であれば新宮警察署と合同で実施予定だったが、12日が雨天のため、延期となり今回は町消防本部のみで行った。
埋没した要救助者を救助するためにコンパネ4枚とくいを打ち込み、ロープで固定することで周囲の土砂が水平方向にかかる圧力(土圧)を受け流す「土留め訓練」、土砂の中にいる要救助者を救出するために人力で50㌢~1㍍ほど掘る「内掘り訓練」、斜面などに要救助者が埋没している際に人で一方方向へ土砂を排出する「一方掘り訓練」を実施。職員は声を掛け合い、連携しながら訓練に汗を流した。
関谷善文消防署長は「これから雨の多い時季になる。10年前の紀伊半島大水害のような災害は現在発生していないが、今後、発生した際は警察や自衛隊の方々と共に協力しながらマンパワーで取り組んでいかなくてはならない。実際の現場では重機が使用できない場合も多い。経験を重ね、人命を助けていきたい」と語った。
同様の訓練は班ごとに行われるため、残り2回実施する予定だという。
(2021年5月28日付紙面より)
対策意識喚起のため町老連 (古座川町 )
古座川町老人クラブ連合会(奥根公平会長)が26日、会員を対象に空間除菌剤の配布を始めた。単位老人クラブ会長経由で順次配るとしていて、奥根会長は「新型コロナウイルス感染症にかからないよう、絶えず努力していただきたい。みんなで気を付けよう」と会員に呼び掛けている。
「友愛」を念頭に置いてさまざまな事業を展開する同町老連。前年度は冒頭よりコロナ禍の情勢を考慮して行事を休止し、その予算を感染予防事業に振り替えて空間除菌剤を会員1人につき1個配って日頃の対策意識の強化を図った。
本年度もコロナ禍は終息を見せず、前年度から持ち越した資金余力もあることから、理事会で話し合い2回目の配布を決めたという。
今回も首からつり下げるタイプの商品を購入。前回は効果が持続する期間が1カ月だったが、今回は倍の2カ月持つ商品を選んでいる。この日は奥根会長が代表を務める単位老人クラブ「池野山ほがらかクラブ」で配布があり、奥根会長みずから商品の内容と使い方を説明し、会員に1個ずつ配って使用を促した。
この空間除菌剤は、発散する二酸化塩素の力で細菌やカビ、ウイルスを除菌する仕組み。同町老連は前年度、医療従事者がマスクと併せて使用する実績がある点で信頼し、マスク着用や手指消毒などもろもろの感染症予防対策の意識を喚起するきっかけとして配布を始めた。
2回目の配布開始に当たり奥根会長は「新型コロナウイルス感染症は大変な病気。高齢者は(若い世代に比べ)どうしても体力が劣ることを忘れず、常に(もろもろの)予防対策をしてほしい」と込める思いを語った。
(2021年5月28日付紙面より)
紀宝町商工会は26日夜、同町の神内会館で本年度通常総会を開き、任期満了に伴う役員改選で田尾友児会長らを再任。本年度の県商工会連合会長表彰を受けた商工会功労者の森溝和也さん(有限会社森溝組)、優良事業主の奥田敏行さん(焼肉奥田家)、優良従業員の須川幸一さん(杉浦産業有限会社)を紹介した。
検温、手指消毒、マスク着用といった新型コロナウイルス対策を講じ、会員31人が出席。昨年度の事業、収支決算を報告し、本年度の事業計画案、予算案を審議して採択した。
昨年度は、新型コロナウイルスに関する「経営相談窓口」を設置し、コロナ禍の影響を受ける小規模事業者に対して国、県などの支援施策や各種情報を提供。コロナ禍で停滞する地域内の消費喚起を目的に、町と連携したプレミアム商品券事業、商工会独自の共通商品券事業を実施した。
本年度は、コロナ禍をチャンスと捉え、組織強化・機能強化を図り、事業承継、経営計画策定支援をはじめとする重点項目を掲げ、伴走型により支援を行うことなどを基本方針に掲げた。
再任された田尾会長は「会員さんのためにみんなで一丸となって頑張っていきたい」と述べ、さらなる協力を求めた。
(2021年5月28日付紙面より)
熊野徐福万燈祭(新宮花火大会) (新宮市 )
熊野徐福万燈祭運営委員会(委員長・田岡実千年新宮市長)は11日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため本年度の熊野徐福万燈祭(第59回新宮花火大会)を中止すると発表した。中止は昨年に続き2年連続となる。
熊野徐福万燈祭は、秦の時代に渡来したと伝わる徐福の遺徳をしのぶために始まった花火大会。毎年8月12日に同市徐福の徐福公園で徐福供養式典が営まれ、翌日に熊野速玉大社下の熊野川河川敷を舞台に花火大会が催される。夜の熊野川に浮かぶ大輪の花を楽しもうと、例年約4万~5万人(主催者発表)の観客が会場に訪れる。
なお、徐福供養式典については12日(木)、規模を縮小し、関係者のみで執り行われる予定。
中止の決定に伴い、同運営委員長の田岡市長は次のコメントを発表している。
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新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、感染収束の見通しもいまだに予測できない状況にある中、ご観覧者の方々ならびに関係者の方々皆さまに対する感染対策を講じての、安心・安全な運営が保障できないと考え、開催中止の運びとなってしまいました。
花火大会を楽しみにしていただいた皆さま、そして平素よりご支援、ご協力いただいております関係者の皆さまに、昨年度に続いて再びこのような決定のご報告をしなければならないことは誠に苦渋の決断ではございますが、皆さまの健康と安全確保を第一と判断した結果でございますので、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。
一日も早く収束し、来年は多くの方々にご来場いただき、楽しんでいただけるような花火大会にするべく、運営委員一同力を合わせていく所存でございますので、今後とも皆さまのご支援、ご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。
(2021年5月12日付紙面より)
85歳以上から段階的に (紀宝町 )
紀宝町は10日、85歳以上を対象に新型コロナウイルスワクチン接種の電話受け付けを開始した。集団接種で現在確保している720人分に対し、初日は132人の予約があった。
個別接種は町内三つの医療機関で予約を受け付けている。施設入所者を除く85歳以上は739人で、集団、個別の両接種で人数分のワクチンを確保しているという。
午前9時から、新型コロナウイルスワクチン接種プロジェクトチームで集団接種の受け付けを開始。四つの電話回線で職員が対応した。
1回目の接種は町生涯学習センターまなびの郷で15日(土)から30日(日)まで4回に分けて行い、2回目は6月5日(土)からとなる。
駐車場の鵜殿運動場から接種会場まではシャトルバスを用意する。交通手段がない場合は、自宅近くの「町民バス停」からまなびの郷まで無料の「ワクチン接種専用町内巡回バス」が利用できる。申込時に予約する。
個別接種は今月17日(月)から開始となる。
町では、予約できる人数に合わせて個別通知しているため、確実に予約が可能だという。80~84歳までの集団、個別接種の予約受け付けは13日(木)から開始する。
プロジェクトチームでは「町内の医療機関で個別接種の予約は、医療機関の通常診療に支障がないよう、必ず予約受付時間に電話してください」と呼び掛けている。
(2021年5月12日付紙面より)
県外からの流入避けられず (新宮市 )
「持って帰るは思い出だけ 撮って帰るは写真だけ 残して帰るは足跡だけ 天然記念物 浮島の森」。ましてや新型コロナウイルスなんて残していいはずがない―。
新型コロナ感染拡大防止の観点から県境をまたぐ移動の自粛が叫ばれた今年の大型連休期間中、熊野地方では他府県ナンバーの車が目立ち、観光地や道の駅などに停滞する様子が多く見受けられた。新宮市浮島の「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落(浮島の森)」でも、2日75人、3日80人、4日65人、5日42人と県内外から多くの観光客が訪れた。
コロナまん延防止のため、同所が来場者に記入の協力を求めている来場者カードには「東京」「大阪」「愛知」などの記入が目立ったという。「さすがに例年(昨年を除く)よりは少ないが、それでも他府県ナンバーの車が目を引いた。神倉神社の駐車場も満車だったと聞いた」と同所管理人。「人が来ないのも困るが来るのも困る」。観光地(名所)が抱えるジレンマを口にする。
通常、繁忙期は複数人態勢で来客業務に当たるとのことだが、感染リスクを軽減するために今年は1人態勢で業務に就いた。来場者にはマスク着用や手指消毒への協力を呼び掛けた。
さらに、来訪者からの質問に対してもソーシャルディスタンスを保った上で最小限の説明にとどめるなどの対策を講じたという。「特に金銭のやりとりには気を配った」と管理人は話す。
西村康稔経済再生担当相は3日、出演したテレビ番組で、紙幣などを介した感染の可能性を紹介。改めて手洗いや手指消毒の必要性を訴えた。
厚生労働省によると、手や指に付いたウイルスは洗い流すことが最も重要。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで100分の1に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らすことができるという。
慢心や油断が感染拡大を招く可能性がある新型コロナウイルス。県外からの流入も避けられない現状。いま一度、感染対策を見直してみることも必要かもしれない。
(2021年5月12日付紙面より)
ジュニアボランティア始動 (新宮市 )
新宮市野田の中央児童館で、クラブの一環として「ジュニアボランティア」が始動した。児童館行事の手伝いや奉仕活動を通じてボランティア精神を身に付けてもらい、未来のリーダーを育成するため、昨年から始まった取り組み。現在は22日(土)に同館に登録している児童を対象に開く予定の「おたのしみ広場」に向けてゲーム準備を進めている。
同館職員によれば、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、9月末から活動をスタート。感染症対策という制約がある中、児童館に遊びにきた子どもたちの「遊びのリーダー」としてドッジボールをしたり、児童館行事の「作って遊ぼう」などを手伝ったりして活動した。
8日には小学4~6年生のメンバー9人が集まり、それぞれ考えてきたゲームを発表。難易度を調整するために実際にやってみたり、ルールを変更したりし、当日の運営の担当についても話し合った。今後は各自が児童館に来て、看板やポスター作りを行っていく。
栗本玲菜さん(神倉小5)は「ビンゴや劇、靴飛ばしなどを提案したけれど、思ったよりも実現しないものも多かった。自分では簡単だと思ったゲームでも、小さい子には難しいと分かった」。栗本さんに誘われて参加したという谷那摘さん(同)は「当日はみんなに聞こえるように大きく声を出し、失敗した子にも楽しんでもらえるように盛り上げたい」と語った。
同館職員は「ボランティアでやりたいことを子どもたちから募集している。周りの人たちに楽しんでもらうとともに、自分も楽しみながら活動してほしい。新型コロナの影響で制約もあるが、子どもたちの意見を聞きながらサポートしていきたい」と話していた。
(2021年5月12日付紙面より)