クマノザクラの観察会
一般社団法人日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)の主催による「春の観察会」が16日、那智勝浦町天満の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊付近の広場であった。約30人が参加、クマノザクラの発見・発表者である勝木会長より、特徴や見分け方などを学んだ。
同所はクマノザクラが多数自生しており、これほど気軽に間近で観察できる場所はないという。開花のピークはすでに過ぎていたが、遅い個体はまだ咲いていた。
勝木会長はクマノザクラについて「ヤマザクラの変異かと思われていた。那智勝浦町湯川の民家の裏山で花が赤っぽいサクラがあるのを見つけ、今まで見たことがないと調査し、2018年に新種と発表した」と話した。
命名について「いろいろ案が出たが、クマノザクラが言葉として言いやすい」。分布について「熊野や奥吉野、主に熊野川流域に自生している」。開花期について「ソメイヨシノよりちょっと早い時期に咲く」などと伝えた。
他種との見分け方について「花序や花序柄の構造を見るのが大きなポイント」「一つの芽から二つの花が付くものが多い」「花序柄は比較的短いのが特徴」「苞(ほう)は幅広の三角形」などと紹介した。
この後、いずれも花が付いたヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、エドヒガン、クマノザクラの枝を並べ、それぞれの特徴を解説。「クマノザクラはつぼみが濃いピンク色。この色合いは他ではなかなか見ない。個人的には、この上品さは他にはないと思う」などと語った。
参加者は、目の前でそれぞれの特徴を聞き、手持ちのカメラやスマートフォンで写真を撮るなどしていた。質疑応答も盛んに行われた。
熊野市から参加した、地域おこし協力隊の矢島朱莉(あかり)さん(29)は「難しい講義かもと思っていたが、分かりやすくて楽しく勉強できた。ソメイヨシノしか身近になく、クマノザクラはこっちに来て初めて見た。きれいだなと思った。今後は今日聞いたことを意識しながら見てみたい」と述べた。
(2024年3月19日付紙面より)
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国際ワークショップ開催 (那智勝浦町 )
世界17カ国から掘削科学の研究者ら約150人が集う「国際科学掘削の次期国際計画に係る国際ワークショップ」が18日~20日(水・祝)、那智勝浦町の体育文化会館などで開催されている。17日には参加者の親睦のため、事前のガイド付き町歩きツアーや夕食会があった。
国際深海科学掘削計画(IODP)は、海底下の堆積物や岩石を掘削し、地球の歴史などを解明する多国間科学研究共同プログラム。2024年9月に計画が終了するため、後継プログラムの立ち上げ準備の一環で開催した。世界遺産や地球科学的に興味深いジオサイトが所在することから、当地方が開催地に選定された。
夕食会は勝浦漁港にぎわい市場で実施。堀順一郎町長は「本町は南海トラフ地震がいつ起こってもおかしくないが、その一方で豊かな自然の恩恵も受けている。開催趣旨に最も適した場所」と歓迎のあいさつ。「マグロはえ縄漁法」にも触れ、海洋資源の持続可能性への取り組みもアピールした。参加者らはマグロ料理を楽しみ、翌日からのワークショップに備えた。
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■20日に市民講演会
20日午後3時~5時、新宮市の丹鶴ホールで市民講演会「地球の恵みを知り、災いに備える―和歌山から始まる世界への挑戦―」が開催される。参加費無料。▽新たな国際深海科学掘削計画の発足と国際ワークショップin 和歌山▽海底を掘って手がかりをつかめ!地球深部探査船「ちきゅう」で挑む地震・津波調査の今!▽和歌山県の温泉と地震―プレートテクトニクスに起因する自然の恵みと災害―などを演題に、研究者らが講演する。
(2024年3月19日付紙面より)
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木本、紀南高校で合格発表
三重県立木本、紀南両高校で18日、入学試験の合格発表があった。11日の後期選抜と、すでに内定が通知されている前期選抜の合格者が発表され、両校合わせて202人が合格した。
木本高校では普通科と総合学科を合わせ、158人が喜びの春を迎えた。普通科は後期選抜のみ実施し、定員120人に119人(倍率0・99倍)が受験して、総合学科から1人回り120人が合格した。総合学科は定員40人。前期選抜で22人の合格が内定しており、18人を募集した後期選抜では17人(倍率0・94倍)が受験。16人が合格した。
紀南高校普通科(定員80人)は前期選抜で24人が合格。募集人数56人の後期選抜に20人(倍率0・36倍)が受験し、20人が合格した。
両校では午前9時30分に合格者の受験番号が掲示された。受験生は、自分の受験番号を見つけると「あった、あった」と喜んだ。
(2024年3月19日付紙面より)
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和歌山県立串本古座高校吹奏楽部(阿部夏実部長)の第12回定期演奏会が17日に同校第1体育館であり、生徒や教職員、家族や地域住民ら約80人に演奏を披露した。
本年度の部員の集大成であると同時に、3年生部員と最後の思い出をつくって送り出すという意味合いも込めて年度末の定例としている主催公演。コロナ禍で中止や入場制限を余儀なくされる状況が続いたが、本年度は久しぶりに制限なく地域にも公開するとして練習や準備をしてきた。
今回のプログラムは2部構成で、前半の第1部はOBOGなど賛助出演を得てのオープニングを経て、まずは3年生部員2人、現役部員7人、亀谷覚史顧問の10人組で5曲を披露。半ばでは全員が打楽器を手にして奏でるパフォーマンスも繰り広げた。
後半の第2部は再び賛助出演が加わり最大26人組で演奏。序盤は前年度まで指導をしていた漁﨑祐・前顧問(現・新翔高校吹奏楽部副顧問)の指揮で定番曲「Paradise Has No Border」など、中盤以降は亀谷顧問の指揮で定番曲「ディープ・パープル・メドレー」など3曲を奏でた。アニメの楽曲も好む同部。アンコールに応えて楽曲「ルパン三世のテーマ」を響かせて締めくくった。
披露した楽曲数は全12曲。部員が演奏に専念できるよう、同校放送部が舞台演出を一手に引き受けて支援した。本年度の定演を終えて阿部部長は「本番の盛り上がりやノリもあると思うんですけど、昨日や今朝の練習と比べても全然違うと感じるぐらいの演奏ができてすごく楽しかった。盛り上がる曲から静かな曲まで、今日はいろいろな曲を演奏できてどれかは気に入ってもらえたと思う。音楽を通して皆さんに元気になってもらえたらうれしい」と心境を語った。
(2024年3月19日付紙面より)
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山﨑泰氏が徐福講演会 (文献からの考察語る )
一般財団法人新宮徐福協会理事で元新宮市立図書館司書の山﨑泰氏による「徐福伝承と熊野信仰」の講演が15日、新宮市役所別館であった。同協会の主催による、5年ぶりの徐福講演会となる。約40人が参加。さまざまな文献資料から推測される、徐福と熊野の関連性についての考察を聞いた。
山﨑氏は、ある資料に「熊野の付近に秦の人が住んでいるといわれる土地がある」「徐福が住んでいた旧地」「7、8里離れたところに徐福のほこらがある」などを示す記述があることを紹介。「熊野市波田須町から新宮まで30㌔ほどで、7、8里と符合する。波田須町には徐福上陸の伝承が残り徐福神社もあり、昭和30年代に秦の貨幣である大型半両銭も見つかっている。物的証拠と注目されている」と話した。
同じ資料に「古墳が入り交じってある」「家臣の塚である」などの記述もあること。新宮では徐福の七塚があると昔からいわれていることに言及。別資料にある記述からの推察も含め「古墳は徐福の家臣を祭った七塚のことを指すと分かる。現在は一つだけ塚町(新宮市熊野地)に残っている。地名の由来も七塚からきている」と語った。
熊野信仰が盛んだった秋田県の男鹿半島には「徐福の塚」があることを説明。青森県の津軽半島のある神社では、ご神体が徐福の肖像といわれていることも明かした。「徐福伝説は修験者が持ち込んだのではといわれている」「東北では、熊野信仰と徐福はくっつけて語られることが多い」などと述べた。
このほか、徐福伝説と道教と陰陽道(おんみょうどう)と熊野信仰の関係性も解説。「(新宮)市内に北斗七星のように並んだ七塚があり、徐福の家臣の塚という伝承があったのは、陰陽道と徐福の近親性を考えれば不思議ではない」との見解を示した。熊野速玉大社に北斗七星と月を表現した銅鏡が残ることにも触れ「熊野信仰に陰陽道が組み込まれているからだろう」と伝えた。
(2024年3月17日付紙面より)
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新宮ユネスコ協会の感想文 (近大新宮 )
新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)の西田晴胤副会長が11日、近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)を訪れ、ユネスコ協会の活動などを学んだ感想文の優秀賞2人に表彰状を贈った。
新宮市について学習する郷土学習の一環として、世界遺産の保全などを目的に活動している同協会が、中学1年生を対象にユネスコ協会の活動や世界遺産などについて講演した。
講演を聞いた33人が感想文を書き、赤木幸仁さんと山口晴哉さんが優秀賞に選ばれた。
西田副会長は「読ませていただき、全般によくまとまっている印象でした。皆さんが私たちの話をきちんと聞いてくださったのが分かり、大変うれしく感じています。要点をよく捉え、感じたところをそれぞれ述べ、自らが今後どのように取り組んでいくのかを表明していることなど、作文の構成もよくできています。皆さんが日頃の授業に接する姿勢もうかがえる内容でした」と講評した。
(2024年3月17日付紙面より)
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能登半島地震被災地に義援金 (三輪崎小 )
新宮市立三輪崎小学校(竹本明央校長)で15日、能登半島地震義援金の贈呈式があった。令和5年度後期と6年度前期児童会役員12人が、来校した市社会福祉協議会の濵前泰弘会長に全校児童らから集めた義援金4万2078円を託した。
地震発生や災害の惨状をテレビなどで目の当たりにして心を痛め、何かできることはないかと後期児童会が中心となって企画し、前期役員もサポート。保護者向けに取り組みの趣旨を書いた手紙を配布した後、7日から土、日を除く13日までの5日間、登校時に児童玄関で寄付を募った。
集まった義援金は、石川県共同募金を通じて被災地に送られる。
後期会長を務めていた伊藤瑠花さん(6年)は「しっかりと渡すことができて安心した。自分たちにできるのは限られているけど、少しでも役立ててもらって笑顔で元気に過ごしてもらいたい」と語った。
受け取った濵前会長は「子どもたちの人を思いやる気持ちが伝わった。お金だけでなく、みんなの思いが詰まっている。責任を持って被災地に送らせていただきます」と話していた。
(2024年3月17日付紙面より)
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見守り隊員が宇久井小へ (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井小学校の校区で見守り活動を行う西岡稔さん(83)、峰武久さん(84)、宇保英生さん(75)が14日、同校を訪れ、19日(火)に卒業式を控えた6年生22人に自作の歌と祝いの言葉を贈った。
3人は「ニュータウン熟年クラブ見守り隊」に所属し、入学時期などに交通量の多い場所で児童の見守りや声かけを実施。10年以上、活動を続けている。子どもたちの元気な姿が自分たちの支えになっていることから、感謝を伝えたいとの思いで2年前から訪問している。
西岡さんは6年生一人一人の名前を呼び、お菓子を配りながら将来の夢を応援。命や愛、絆、努力などの言葉を伝え「人から信用され、努力することが大事。何事にも懸命に取り組んでいたら誰も怒らない。これから苦しいこともあるかもしれないが、この話を糧に頑張ってください」とエールを送った。
自らのこれまでの人生や、子どもたちへの思い出を込めた「見守りの唄」を歌い、児童から大きな拍手が送られた。
岩見将万君(6年)は「西岡さんは、いつも優しくて楽しくさせてくれる。これからも大きなあいさつをして、明るく誠実な中学生になりたい」。
芝﨑勝善校長は「毎年、節目の時期に足を運んでくださり、ありがたい。子どもたちも『中学校でも頑張るぞ』と力をもらったと思う。地域の方たちに見守られていることを忘れないでほしい」と話していた。
(2024年3月17日付紙面より)
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新宮市内の景況調査結果
新宮商工会議所はこのほど、2023年下期(7~12月)の新宮市内の景況調査結果を発表した。▽建設業▽製造業▽卸・小売業▽飲食業▽サービス業―の5業種100社が対象。いずれの業種も多くの項目で前年同期比と「変わらない」と感じていることが浮き彫りになった。
建設業は、業況、売上、利益、資金繰りの4項目でいずれも「変わらない」が50%前後の最多となった。業況については「やや悪い」が35%。売上や利益でも「やや減少」の回答数が「やや増加」を上回った。
製造業は、「変わらない」の割合が業況は40%、売上は30%、利益は40%、資金繰りは85%だった。しかし売上は「やや増加」が30%で、「変わらない」と同率となった。利益も「やや増加」が25%に。売上と利益は前年より少し状況が良くなった。
卸・小売業は「やや減少」「減少」という回答が目立った。売上は「やや減少」が最多で45%。利益は「やや減少」が最多の60%となった。客数は「横ばい」が最多で50%、次いで「やや減少」が40%。資金繰りは「変わらない」が70%と突出した。
飲食業は、わずかに明るい兆しが見え始めた。売上は「やや増加」が最多の35%。利益は「横ばい」が最多の40%だが、次いで「やや増加」が25%となった。客数も同傾向で、「横ばい」が最多の40%だが、「やや増加」が20%で続いた。資金繰りは「変わらない」が50%、次いで「やや悪化」が30%と厳しさを見せた。
サービス業は、売上で「やや増加」と「変わらない」がともに最多の35%、「増加」も15%となり、今後に期待が高まる。ただ、仕入れは「変わらない」が最多の75%、利益は「横ばい」が最多で45%、客数は「横ばい」が最多の35%となった。
(2024年3月16日付紙面より)
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人権学習会に社協職員30人 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は12日、市福祉センターで職員対象の人権学習会を開いた。市人権教育指導員の谷嗣弘さんが「身近な人権」をテーマに、家庭教育の重要性を説いた。
年1回の学習会で30人が参加。谷さんは「幸せになるために生まれてきた。そして、幸せになるために生きる」といった言葉を紹介し、「人権問題は一つではない。人の数だけ人権は存在する」と強調した。
「あなたの思い込みは正しいですか?」と投げかけ、「迷信、言い伝えも思い込みに含まれる。雨男、雨女だから『あの人を誘わないでおこう』、血液型診断で『だから、あの性格なのね』と決めつける排除が差別となる」とした。
「先人の経験から良い迷信もある」と前置きした上で「迷信や言い伝えは親から子へ、家で受け継がれる。これが差別につながる。頭を白紙に戻して、偏見につながる迷信などは取り除きたいですね」とまとめた。
(2024年3月16日付紙面より)
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那智中で命の授業 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立那智中学校(寺地琢也校長)で14日、命の授業があった。刺しゅう作家の星野真弓さん(東京都)と千葉県を拠点とするFMラジオ局「ベイエフエム」の東京支社長を務める小縣正幸さんが、2011年に発生した東日本大震災の実話を元にした絵本「トミジの海」を朗読。2年生51人が災害の恐ろしさや防災の大切さを学んだ。
絵本の登場人物であるトミジは、宮城県石巻市在住でワカメ養殖などを行う齋藤富嗣さんがモデル。東日本大震災の大津波から生還し、以後各地で語り部として活動している。小縣さんは被災地支援で現地入りしていた際に齋藤さんの話に衝撃を受け、今後に残すべき体験と確信。同社で企画を進め、ラジオ放送でクラウドファンディングを呼びかけて制作に至った。絵は墨絵画家で絵本作家の本多豊國さんが無償で手がけた。
星野さんは、震災から13年が経過する中、災害の記憶を風化させてはならないとの思いから各地で絵本朗読に協力。作品の寄贈や刺しゅう教室開催で、長年東北地方の復興に尽力している。
星野さんと小縣さんは一文一文に思いを込めながら絵本を朗読し、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けた。星野さんが「慈愛」をテーマに東北復興への思いを込めて制作した刺しゅう画「レジリエンス~千手観音菩薩(ぼさつ)~」の展示もあり、生徒たちが関心を寄せていた。
授業後、篠原帆歩さん(2年)は「災害は人を苦しめ、幸せを奪うというイメージだけだったが、本や刺しゅう画を通じて、自然の大切さも教わった。災害には普段から気持ちの準備が必要だと感じた」と語った。
小縣さんは「朗読を耳にして一人でも大切なものを学んでもらえたら。南海トラフ巨大地震もいつ、どのタイミングで発生するか分からない。自分の命を守るため、しっかりとした備えを意識してもらいたい」。星野さんは「生徒の皆さんの真剣に聞く姿が見られました。震災から13年。決して当時の出来事を風化させてはいけない。絵本などを通じて、防災対策に関心を持ってもらうきっかけになれば」と話していた。
この日は1年生53人を対象とした授業もあった。
(2024年3月16日付紙面より)
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「ほっとほーむ」が文科大臣表彰 (那智勝浦町 )
那智勝浦町内でベルト型家庭訪問を軸にした活動を行う家庭教育応援チーム「ほっとほーむ」が、文部科学大臣表彰を受けた。
家庭教育応援チームは、子どもたちの健やかな育ちを支え、全ての保護者が安心して家庭教育を行うことができるよう、地域で主体的な取り組みを行う組織。家庭教育を取り巻く環境が大きく変化し、支援が届きにくい家庭も存在することから、文部科学省が登録制度を設けて活動を促進している。
同町の「ほっとほーむ」は2016年に活動を開始。当初は不登校の子どもがいる家庭への訪問などからスタートし、現在では対象学年(小学1、3、5年、中学1、3年)の全戸訪問を行い、学校や町子ども未来課、福祉課、医師、臨床心理士らと連携して相談体制を構築。特色ある優れた活動として、全国20の優良事例の一つに選ばれた。
現在のメンバーは民生委員や主任児童委員、元教師、学校支援員、子育て経験者ら14人。保護者の声に耳を傾け、心に寄り添い、一緒に考えることを大切に活動している。ほっとさろんの開催や広報紙「ほっと通信」の発行(町ホームページに公開)、LINE(ライン)相談も行う。
表彰を受けてメンバーは「つらいことを、涙を流して相談してくださる保護者の方もいる。関係機関につないで解決を図る前段階で、まずはお話を聞き、心に寄り添うところから」と語る。
今後に向け「『何でも相談していいんだ』という信頼関係を築くため、みんなで考えて進んでいきたい」と話していた。
(2024年3月16日付紙面より)
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【第70回】喉に詰まらせないために
先日、福岡県の小学校で、1年生児童が、給食の「ウズラの卵」を喉に詰まらせて亡くなる事故がありました。これには、「給食の時間が短い」とか「急いで食べるからだ」という意見が見られました。ウズラの卵の使用を控えるという動きが相次ぎましたが、それでは根本的な解決にはならないなと感じています。「ウズラの卵」であっても、昔あった「こんにゃくゼリー」であっても、お正月のお餅でも、噛(か)まずに飲み込もうとすると、窒息する可能性がある食材は、たくさんあります。大切なのは、リスクのある食材を排除することではなく、喉に詰まらせない食べ方を、きちんと教える食育だと思うのです。そこで、今回はこういった痛ましい事故が起きないように、気を付けたいポイントを三つお伝えしようと思います。
まず一つ目、この問題で1番大切なのは「咀嚼」だと私は感じています。「よく噛んで食べることの大切さ」を、しつこく教えてあげてください。以前、こちらでも「噛むことの大切さ」についてお伝えしたことがありますが、「よく噛む」ということは、食育上メリットしかありません。子どもに限らず、大人にとっても、よく噛んで食べることは良いことしかないのです。簡単におさらいすると、「肥満予防・味覚の発達・言葉の発音・歯が強くなる・脳の発達・がんの予防・胃腸の健康・顎の筋肉の強化」などなど、他にもたくさんあるんです! まずは1口30回を意識して、よく噛むことを習慣付けてあげてください。
二つ目のポイントは「食事中に、きちんと水分を取ること」です。これは当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と食事中に水分を取らないお子さんは多いんです。食事中に飲むための、お茶やお水を、食事の最初や最後に一気に取るという子もたくさんいます。食事の時間に、そういうことに気付いたら水分を取るように促してあげてください。喉が潤っていると、食べ物が喉に詰まるというリスクはグッと低くなるはずです。そしてこの水分補給は、まさに習慣なのです。その癖を付けておいてあげることは、とても大切です。
三つ目は姿勢を良くして食べる、ということです。椅子に座って背筋を伸ばすと、食べ物を飲み込みやすい姿勢になります。これは食べる時のマナーでもありますが、やはり姿勢が悪く猫背になると、喉に詰まりやすくなってしまうのです。食べる時に姿勢を正すということは、見た目の美しさや、マナーだけではなく、とても理にかなっているんですね。
いかがでしたでしょうか? どれも当たり前のことですが、日々の中でついつい忘れてしまいがちなことですよね。この「ウズラの卵」の事故を受けて、いま一度食事の習慣を、見直してみてはいかがでしょうか? 食べることは、生きることです。食べることで、命を落とすようなことがないように、しっかりと習慣にしておきたいなと思いました。
(2024年3月16日付紙面より)
自治会連合会が防災講演会 (新宮市 )
新宮市自治会連合会(榎本義清会長)による防災講演会が10日、「丹鶴ホール」であった。「災害時に誰一人取り残さない、安心・安全な地域の絆」をテーマに、防災士で東京大学大学院工学系研究科のピニェイロ・アベウ・タイチ・コンノ特任助教が講演、「今後に備えて避難訓練を重ね、地域防災力を高めることが大切」と訴えた。参加者は災害時要配慮者の避難安全に備えて、今できることを考えた。
日本人の4人に1人が高齢者。30年後には3人に1人と予想されており、講演会では要配慮者の避難安全に焦点を当てた。誰一人取り残さないために、コンノさんは「一人の100歩より、100人の一歩」と強調。▽みんなのまちは、みんなで守ろう▽だれもが助かる、絆を結ぼう▽福祉と防災、一緒に歩もう▽災害恐れぬ、地域をつくろう▽なにがあっても、共助は無限―といった標語を掲げ、参加者は拍手で賛同した。
スライドを用い「災害時要配慮者とは災害時に情報入手、避難行動、避難生活が困難な人。そのうち、支援がないと避難できない人は避難行動要支援者とされている」と説明。津波や地震は自然現象、被害は社会現象であり、社会の弱い箇所をなくすことで被害を小さくすることが可能になるとした。
「犠牲者のほとんどが子どもや高齢者などの要配慮者」と伝え、東日本大震災で助かった人の平均避難距離は430㍍、助からなかった人は430㍍以上避難できなかったと分析。要配慮者の支援は共助を生かした〝福祉と防災の連結〟が大切と語り、要配慮者、安否確認、避難誘導、避難所対応など要配慮者支援を細かく分類することが地域支援につながるとした。
南海トラフ地震が発生すると最短3分で津波が襲来するとのデータを示し、「強い揺れを感じたらすぐに避難してほしい。要配慮者の避難安全に備えて今できることをみんなで考えよう」と呼びかけた。
(2024年3月12日付紙面より)
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少年少女発明クラブ (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」が9日、新宮市福祉センターであった。市内の小学生会員25人が参加、発泡スチロール板を使用した飛行機を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国で活動しており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
瀧野会長が講師を務めた。「ブーメラン飛行機」は、投げるとブーメランのように自分の所に戻ってくるというもの。児童は用意されたパーツを組み上げて飛行機を完成させた。実際に飛ばし、戻ってくることを確かめた。他に数種類の紙飛行機作りも楽しんだ。
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■閉講式も実施
この日は閉講式も行われた。瀧野会長から全員に、修了証書が手渡された。瀧野会長は「11回の講座ご苦労さま。来年度も同じように講座を組みたい。4、5年生はできればまた参加して。続けてやると技術を身に付け、未経験者に教えられるようになっていく。それもクラブの一つの意義。できれば続けて」と呼びかけた。
神倉小4年の堀本心海さんは「お姉さんがやっていたので、やってみたいと思って参加した。(1年を通して)楽しかった。空気砲が特に楽しかった。また来年もやってみたい」と話した。
(2024年3月12日付紙面より)
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観光協会が自転車イベント (古座川町 )
古座川町観光協会(鈴木貴裕会長)主催のイベント「古座川エクスペリエンス&ライド」が10日にあり、自転車の愛好者ら約120人が地域体験を織り交ぜた町内ツーリングを楽しんだ。
実施に当たってはスポーツプロデュース熊野と「KINAN Racing Team」、町が協力。今回は桜が咲き華やかな春に期日を設定し、同チーム所属選手とのファンライドと位置付け、信号がないコースを駆け抜ける中で景観に出合い町の味覚を体験する内容で参加を呼びかけた。
コースは国際ロードレース体験(花見体験含む)と難度低めの花見体験の2種類を設定。直前で花見体験のコース延長が提案され、希望者がいたため3コースで実施する形となった。
発着拠点は一枚岩前。開始に先立って鈴木会長は「クマノザクラが見頃になっている。目で見て、耳で自然の音を聞いてゆっくり無理をせず選手と一緒に走ってほしい。エイドステーションやゴール後にはアユやジビエなどをご用意しているので、今日は五感全てで古座川を体験してほしい」と述べて歓迎。スポーツプロデュース熊野の角口賀敏理事長(株式会社キナン会長)があいさつ、良好なファンライドを期して同Teamの監督と選手7人が自己紹介をして愛好者との距離を縮めるなどした。
交通規制未実施のため、愛好者は選手ら含め十数人のグループになり愛車や同協会がレンタル提供しているEバイクなどで希望するコースへ順次出走した。発着拠点とコース半ばの佐田桜の広場、道の駅瀧之拝太郎、町役場、道の駅虫喰岩にエイドステーションを設け、イベントボランティアが町産の味覚を振る舞って愛好者らのツーリングを後押ししたという。
(2024年3月12日付紙面より)
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17日まで、公募絵画展 (太地町立石垣記念館 )
太地町立石垣記念館(江﨑隆司館長)の公募絵画展が9日に始まった。同町や近隣市町から34点の出品があり、町長賞1席に竹原愛さん(那智勝浦町)の「魂の記憶」、2席に上野節子さん(新宮市)の「ジンジャー」、3席に土山明美さん(太地町)の「planet X」が選出された。
初日には審査員による講評があり、江﨑館長が「18回目を迎え、年々レベルも高くなっている。審査員の方々の評を聞き、絵に対する思いが高まるような場になれば。当館としても、町の文化活動の発展にもつなげたい」とあいさつ。
審査員を務めた熊野美術協会の運営委員の平田勝男さん、太田俊伸さんが一点一点丁寧に講評。町長賞1席の竹原さんの作品について「ヘビのような木と女性の表現が独特で、特に表情、髪の毛の質感や色の対比がいい」と述べた。会場に向け「新宮市などでも絵の具や画材の店がなくなっていく中だが、皆さんにはどんどん絵の具を買って描き、石垣記念館の期待に応えてほしい」と呼びかけた。
竹原さんは「命や魂などをテーマに人物を描き始めて2年。自分では描き切れていない部分ばかりが目についていたが、1席を頂いて驚いた。これからも自分の世界観を表現したい」と語った。
期間は17日(日)までで、開館時間は午前9時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中の来場者の投票で教育長賞の1~3席が決定される。同館は大勢の来場を呼びかけている。
(2024年3月12日付紙面より)
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スポーツウエルネス交流大会 (那智勝浦町体協吹矢部 )
新宮ジュニアレスリングクラブ
サッカー「トルベリーノ鰹カップ」
地域子育て支援センター (那智勝浦町 )
昨年10月に那智勝浦町の体育文化会館に移転した同町地域子育て支援センター(森本幸美センター長)。「あそびの広場」の利用組数は、移転前1日当たり平均2・8組で推移していたが、昨年10月以降は10・2組と約3・5倍に。毎日多くの親子が利用し、好調な滑り出しを見せている。
同センターは2002年に勝浦保育所(現・勝浦こども園)内に開設。未就園の子どもとその親を対象に、育児相談や乳幼児の遊びの場・親の交流の場の提供などで子育てをサポートしてきた。
体育文化会館を多世代の交流拠点として整備し、利用者の利便性向上を図る目的で移転。会館では、多機能トイレのオムツ交換台や男女トイレへのベビーチェア設置、授乳室、屋外遊び場(砂場)などを整備した。
川口橙弥君(1)と利用している母親の明日香さんは「こちらへ引っ越してきて1年ほど。バイパスからのアクセスも良く、駐車場も近くなり、すごく来やすくなった。利用する子も増えて、同世代の子の成長を見られるのもいい」。前地琥陽君(1)と参加した母親の侑紀乃さんは「以前は月1回ほどの利用だったが、子どもも活発に動くようになり、よく来るようになった。4月から息子と同じ保育園に通う子もいる」と語る。
親子を対象としたミニ防災講話やSNS講座、ベビーマッサージなども企画。館内では福祉課による産後の母親らを対象としたママフィットネスのオンライン教室などもあり、子育てに関わる人や情報が集まる場になっている。同館周辺の散歩やどんぐり拾いも人気。
あそびの広場は、水曜日の午後を除く平日の午前9時~正午、午後1時~3時に開催しており、町外からの利用も可能。森本センター長は「ぜひ気軽に遊びに来てください」と呼びかけている。
(2024年3月7日付紙面より)
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4年ぶり天ぷら振る舞い (自然探訪スクール )
熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会は3日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで自然探訪スクールの第8回講座「春の野草の観察」を開いた。4年ぶりに天ぷらの振る舞いもあり、参加者22人が五感を使って春の野草を味わった。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことが目的の講座。講師は熊野学研究委員会委員の瀧野秀二さん。
参加者たちは地玉(じごく)の浜への周遊ルートを歩き、ハマカンゾウやツワブキの新芽、ハマアザミの茎など食べられる野草を採取。野生のミツバと、よく似たキツネノボタンの違いも学んだ。
散策後は待ちに待った天ぷらタイム。瀧野さんが事前に採取していたフキノトウやアシタバ、ハマアザミの根、ノビルなどと一緒に衣をつけて揚げ、岩塩で味わった。春の野草には苦みがあるものも多いが、子どもたちも興味津々で箸を伸ばしていた。
岩口桜來さん(8)は「フキノトウは名前を聞いたことがあったけれど、食べるのは初めて。おいしかった。ミツバを取ったから、家でも天ぷらにしてもらう」と話していた。
(2024年3月7日付紙面より)
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小中学生らに記念品託し (串本町 )
串本町が4日、町立小中学校へロケット「カイロス」初号機打ち上げ限定記念品を託し打ち上げ当日の見物と興味を促すよう求めた。
この記念品は、打ち上げを盛り上げるツールとしてこれまでに作成したグッズの一部。初号機の打ち上げに合わせて町内の小中学生へ配る前提のグッズも複数含んでいて、運用するスペースワン株式会社が9日(土)午前11時~正午ごろ打ち上げ予定と待望の発表をしたことを受けその直前で各校へ託すに至った。
ロケット「カイロス」の射場「スペースポート紀伊」にもっとも近い町立田原小学校(林宣行校長、児童18人)は翌5日の授業終了後に3~6年生を集め、林校長がカイロスという名前の意味などこれまで学んできた事柄を振り返りながら一人一人に記念品を配るなどした。先に下校した1、2年生や欠席者の分は後日配るという。
記念品の内訳は、漫画「宇宙兄弟」とコラボレーションした町長メッセージ付き記念切手シート、スペースタウン串本ロゴ(単色)をプリントした応援手旗、田嶋勝正町長発の保護者宛て趣意書の3点。
町は当初、樫野崎園地へ町立小中学校を招待しみんなで初号機の打ち上げを見届けることを考えていたが、打ち上げ日時が土曜日であることや交通混雑による移動困難が予想されるため断念した。町の子どもたちへの思いを伝えるために付した趣意書には「これらの記念グッズを手にすることでお子さん方に少しでも町発展の起爆剤となりうるロケット事業・宇宙産業に興味を持ってもらえれば」と書かれている。
町企画課によると、町内の生徒も通う古座川町立古座中学校を含め計14校の児童・生徒・教職員計1015人分を託したという。
(2024年3月7日付紙面より)
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鵜殿港で2日連続1000本超え (紀宝町 )
紀宝町の鵜殿港に5日、春のブリ約1600本が水揚げされた。4日は約2700本で2日連続の1000本超え、市場は漁業者や仲買人で活気にあふれた。
例年、3月上旬に1000本ほど揚がり、下旬まで続く。今季は少し早めのスタートとなった。平均7㌔を中心に水揚げされ、2日間で13㌔や15㌔を超える丸々としたブリもあったという。
阿田和大敷漁業生産組合が御浜町阿田和沖に仕掛けた定置網で取れたもので、第一三浜丸、第五三濱丸が水揚げした。
地元の仲買人は「競り落としたブリは良い形をしている。地元や県内、東京、大阪などの都市部に届けたい」と語っていた。
(2024年3月7日付紙面より)
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増田綱紀さんの絵が永田町へ (太地町 )
太地町の増田綱紀さん(75)が描いた風景画「吉野」と「春爛漫(らんまん)」が東京都千代田区永田町の首相官邸に飾られることになった。作品は9日(土)に増田さん宅から東京へ搬送される。2作品とも油彩F100号。桜満開の吉野山を描いた絵画が岸田文雄首相の元に一足早い春を届けそうだ。
増田さんによると、美術・工芸の一般社団法人「光風会」(東京都豊島区)が発行する出版物に2作品が掲載され、絵画を探していた首相官邸の事務局の目に留まったという。増田さんは「春の暖かい雰囲気の絵を探していたそうだ。まさか選ばれるとは夢にも思わなかった。光風会の近畿ブロックで初とも聞いた。支えていただいた方々のおかげ」と話す。
「春爛漫」は2年前、「吉野」は1年前の作品。「あの場所にほれ込んで毎年描いている。描き出すと没頭してしまう。飾られる期間は聞いていないが、桜の風景を楽しんでもらえればうれしい」と笑顔を見せた。
増田さんは光風会主催の公募展で8回の入選を重ね、2022年に会友推挙となった。熊野地方の絵画愛好家でつくる「筆島会」の会長を務める。和歌山県美術家協会会員、熊野美術家協会会員。
(2024年3月6日付紙面より)
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藤紀流家元の藤紀実美さんに (那智勝浦町 )
日本とベトナムの文化交流事業で20日(水・祝)からベトナムへ渡航する藤紀流二代目家元の藤紀実美さんに2日、那智勝浦町内で絵手紙教室を開く阿部由美子さんが生徒と共に描いた絵手紙65枚と色紙を託した。
藤紀さんは、将来日本で働くことを目指す学生たちが学ぶベトナムのフックグエン日本語学校で日本文化を伝えており、渡航は今回で3回目。日本舞踊を披露する他、日本の音楽や浴衣、法被、アート、クマノザクラなどさまざまなものに触れてもらうワークショップも開いている。今回は日本の絵手紙を知ってもらおうと、阿部さんに協力を依頼した。
色とりどりの絵手紙には、日本固有の植物であるツバキや着物、現地で人気の日本アニメが描かれており「シンチャオ(こんにちは)」「ティ(好き)」などのベトナム語のメッセージも入っている。
阿部さんは「絵手紙は人に渡すためのもの。海を渡って現地の方々に届けてもらうのがうれしい」。藤紀さんは「日本に興味を持っている学生ばかりなので、喜んでくれるはず」と感謝していた。
(2024年3月6日付紙面より)
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熊野速玉大社が所蔵
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)が所蔵する「彩絵檜扇(さいえひおうぎ)」を、新たに和歌山県文化財に指定したことを4日、県教育委員会が発表した。同大社関連の県文化財はこれで10件となった。
新たに県文化財となった彩絵檜扇は、同大社の神宝の一つとされていたが、明治時代中期に一度は行方が分からなくなっていた。佐藤春夫が買い戻し、その子孫が奉納して戻った。27枚のヒノキを材料に作られた扇で、大きさは縦が39・4㌢。片面にはフジバカマやススキが、もう片面には松や竹が描かれている。状態は極めて良好という。
光学調査などの結果、足利義満らが1390年に同大社へ奉納した国宝「古神宝類」に含まれる檜扇群と顔料が共通し、元々は一連の作品だった可能性が極めて高いと判断された。
なおこれまで、同大社所有の県指定文化財の件数は、美術工芸品が7件、有形民俗文化財が1件、史跡が1件だった。また今回、彩絵檜扇のほか3件も、新たに県文化財に指定された。
(2024年3月6日付紙面より)
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木葉神社で諸団体関係者 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)で4日、有志による「ロケット『カイロス』初号機打ち上げ成功祈願祭」が執り行われた。
スペースワン株式会社が発表した初号機の打ち上げ日時(9日午前11時~正午)に向けて広まる無事成功の期待が形となった、関係諸団体関係者の私人参列による祈願。
当日は町、町議会、田原区、和歌山東漁業協同組合、同社から21人が参列し、井谷宮司や古座神社の石田保宮司と共に礼を尽くして初号機の成功(人工衛星の軌道投入まで達成)を願った。
このロケットは、串本町田原地内に射点がある射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる計画で、田原はその最至近の見物場所という点で有志はこの場所で祈願をすることにしたという。神事を経て町長の田嶋勝正さんは「今日は打ち上げの成功と訪れる皆さんの安全安心を願った。必ず成功するよう、まちの方も万全を尽くしたい」、田原区長の筒井政士さんは「まずは成功してほしい。そして宇宙産業が地元に根付き、家族が増え小学校がにぎやかになり田原区の少子高齢化や人口減がちょっとでも緩やかになれば」とそれぞれコメント。同社企画・営業・渉外本部課長の村部昭憲さんは「このような祈願祭を設けていただき、非常にうれしい限りです。地元ではわれわれの事業がまちの起爆剤といわれていますが、われわれにとっては宇宙産業を加速する上で皆さんの協力が一番の起爆剤。地元とスペースワンが共存共栄していけるよう、このまちに盛り上がっていただけたら」とそれぞれに思うところを語った。
(2024年3月6日付紙面より)
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那智勝浦町春季ソフトバレー
那智勝浦町総体卓球大会
県小学生サッカーABリーグ
築地地区に津波避難施設 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は1日、一般会計当初予算としては過去最大の107億900万円の2024年度当初予算案を発表した。前年度当初比12億4200万円(13・1%)増で、新クリーンセンター整備事業(19億8564万4000円)や築地地区津波避難施設整備事業(2億1436万1000円)などが押し上げの要因。7日(木)開会の町議会定例会に提案する。
防災・減災対策、子ども・子育て支援・福祉事業、観光産業振興に重点を置いた構成。築地地区の津波避難施設は、にぎわい市場前のタイムズ駐車場に24、25年度の2カ年で建設予定。高さ20㍍、収容人数400人。平常時も観光客らに勝浦湾の眺望やはえ縄漁の歴史を学ぶ場として利用してもらえる施設とする計画だ。
子ども・子育て関連では、高校までの医療費無償化を予定。同町では現在、中学校卒業までの子ども(15歳になって最初の3月31日を迎えるまで)の保険診療の自己負担分を助成しているが、新たに18歳へ拡充する。受給者数は1322人で、事業費として3854万9000円を見込む。
福祉関連の新規事業は高齢者や障害者の入浴助成券配布があり、507万6000円を計上する。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年などに際し、主力産業である観光振興費には計7391万1000円を予定。新規事業として大門坂駐車場リニューアルに向けた基本設計を行い、町中への周遊観光につなげる拠点の他、災害時の避難場所としても活用したい考えだ。地域おこし協力隊制度を利用した外国語観光ガイドの育成、紀伊勝浦駅前周辺の整備に向けた基本構想の策定にも取り組む方針だという。
堀順一郎町長は会見で、いよいよ来週に迫るロケット打ち上げに触れ「観光の目玉になるかの試金石。住民生活への影響やお越しいただいた方の満足度などをしっかりと見極めたい」と語った。
那智勝浦町議会3月定例会の会期は21日(木)までを予定。一般質問は18日(月)、19日(火)を見込んでいる。
(2024年3月2日付紙面より)
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消防車両で広報活動 (新宮市 )
春の全国火災予防運動(1~7日)に伴い、各地の消防は1日、防火広報を実施した。新宮市消防本部では、市消防本部、三輪崎消防派出所、高田コミュニティ消防センター、熊野川消防出張所に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。
市消防本部で行われた出発式には、丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から16人が参加した。中谷健兒団長は「本日より、春の全国火災予防運動が始まります。市民の皆さんに防火意識をしっかりと持っていただけるよう、消防車両による広報活動をお願いします」と呼びかけ。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地域で広報活動へと出発した。
市消防本部管内では昨年(1~12月)、14件の火災が発生し、うち7件が建物火災だった。今年に入ってからは3件の火災が発生している。また予防策として、住宅用火災警報器の設置を呼びかけている。
今年の全国統一防火標語は「火を消して 不安を消して つなぐ未来」。期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽林野火災予防対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽放火火災防止対策の推進▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽地震火災対策の推進―の八つとなる。
(2024年3月2日付紙面より)
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新宮市の県立新宮高校(深野泰宏校長)で1日、卒業式が開かれた。保護者や教職員、在校生らが見守る中、187人が卒業証書を受け取り、新たな道へ歩みを進めた。
各クラスを代表して太田真由さん、川本晴春さん、島良輔さん、藤田侑叶さん、問芝璃音菜さんが深野校長から卒業証書を受け取った。
深野校長は、新型コロナウイルスが5類に移行し、学校行事が通常に戻ったが、生徒たちは「失敗を恐れずに挑戦し、多くの実績を残してくれた」と賛辞を贈り、「自身の持つ無限の可能性を信じ、勇気を持って果敢に挑戦してほしい」と卒業生を励ました。
卒業生代表の久司航輝さんは答辞で、選択する勇気の大切さを述べ、「さまざまな選択を繰り返し、自分自身と向き合い、成長してきた」と高校生活を振り返り、「岐路に立たされた時、きっと輝きあるこの3年間の出来事が選ぶ勇気をくれます。理想という『見えにくいけれど確かに存在するもの』に向かって私は強い選択をしていきたいと思います」と決意を語った。
(2024年3月2日付紙面より)
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2024年度の当初予算案発表 (串本町 )
串本町が2月29日、2024年度一般会計当初予算案を発表した。歳入歳出それぞれ総額は113億6104万3千円で、前年度比8・4%増。構成比は別図の通り。
26年度開校を目指す統合小学校建設事業がいよいよ建設に差しかかる影響が大きく、総額は前年度より8億7661万6千円増。発表に当たり田嶋勝正町長は、引き続き歳入歳出両面で見直しを徹底して持続可能な財政運営を心がけるとともに、事業の必要性や緊急性を熟慮した上で子育て支援と安全安心のまちづくりに重点を置いた内容だとしている。
予算額が特に大きい統合小学校建設事業は9億9717万6千円を計上。26年度開校を見据えて建設を完了する考えで、初年度分の建設工事費(進行率30%前提)、工事監理委託料、意図伝達業務委託料などを含んでいる。
他の予算額が大きい事業は▽ロケット推進事業(4577万4千円)▽古座分庁舎リノベーション事業・旧第二庁舎(=同分庁舎)管理経費(計5912万8千円)▽地籍調査事業(1億867万円)▽潮岬学童保育所新築事業(1億4307万円)▽旧くしもとこども園跡地公園整備事業(9185万2千円)▽有田残土処分場整備事業(1億9964万8千円)▽新古座消防署庁舎建設事業(1億2487万3千円)―など。新規で新婚生活支援事業、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業、母子保健事業―妊産婦アクセス支援事業、小企業信用保証料免除に係る補助金(県内初)、公立中学校給食費無償化(24年度から実施)なども盛り込んでいる。ふるさとのまちづくり応援寄付関係で、同応援基金から4635万1千円を同会計へ繰り入れて活用するという。
併せて14ある特別会計の当初予算案総額も発表。その合計額は87億3280万2千円で、24年度の予算規模は200億9384万5千円となっている。
これら当初予算案は町議会第1回定例会へ上程して審議、承認を求める。
(2024年3月2日付紙面より)
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第199回職場対抗ボウリング大会
那智勝浦町体協グラウンドゴルフ春季大会