新スペースを地域住民が清掃 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」敷地内で、旧太田中学校の講堂を改装した新たな交流スペース整備が進んでいる。3月下旬の使用開始に向けて大詰めとなった20日には、同校の卒業生を含む地域住民ら約40人が集い、清掃活動に汗を流した。
廃校になった校舎を地域の拠点として改修整備し、2016年にオープンした「太田の郷」。地域農産物のブランド化による生産・販売促進や、地域資源を生かした誘客などに取り組んできた。
講堂の改装は「わがらで創る郷の未来『太田の郷を地域資源をもっと有効に活用できるファクトリーと農産業支援拠点へ』」と題し、総務省の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業の交付金を受けて実施した。
講堂内には、みそやしょうゆなどの発酵食商品を加工するフロアや、水洗トイレ、夏季の農業体験者向けのシャワールームなどを整備。農作物の付加価値向上や就農者支援、地域外の人々との交流拠点とすることで、ひいては農業の後継者育成や移住促進につなげる狙いもある。
水道、電気、ガス関連の工事以外は、大工仕事のスキルを持つ地元住民が尽力し、屋根や床の補修、ペンキ塗りなどをしてきた。古い木造校舎の雰囲気を残そうと、室内はあえて木のままにし、面影を残した改修は卒業生にも好評。擁壁周辺のコンクリート打ちを担当した東佐平さん(79)は「自分は第13期の卒業生。講堂では剣道や卓球、卒業式もした」と昔を懐かしむ。「スペースも広いので、いろんな教室や踊りの練習ができるのでは」と今後に期待を寄せた。
NPO「太田の郷」の石田一事務局長は「いま一度地域の皆で立ち上がり、この拠点に集って、地域を盛り上げる仕組みをつくっていきたい」と力を込める。今後は農繁期を過ぎた5月ごろに完成セレモニーを開催する予定だという。
(2024年2月22日付紙面より)
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新翔高で防災スクール (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校(宮井貴浩校長)で16日、防災スクールがあった。自衛隊和歌山地方協力本部新宮地域事務所の山本健さんら8人が来校し、1年生98人らがロープワークや避難所などで役立つ技術のライフハック、救急法を教わった。
防災スクールは毎年、1年生を対象に実施。生徒たちの防災意識を高め、地域防災の担い手として社会貢献できる青少年の育成を目的に行われている。この日は佐野区の役員ら7人も参加した。
生徒らは3グループに分かれて各講習に臨んだ。ロープワークでは本結び、もやい結び、一重結びに挑戦。自衛隊員の説明に耳を傾け、悪戦苦闘しながらも、それぞれの結び方を習得した。ライフハックでは新聞紙を使用した簡易食器作りと、水だけで作れる非常食調理に励み、試食も行った。
救急法の講習時には応急の止血法や、毛布と角材で組んだ担架の作製を学んだ。
佐野区の坂本眞一郎さんは「日頃、区内でも防災について意見を交わすなどしていますが、有意義な時間を過ごせました。改めて知識を確認できた」。
生徒の德村奏磨さんは「難しいところもあったけど、勉強になった。いつ起きるか分からない災害。もしもの時には自分の命を守ると同時に、学んだことを生かして人を助けられるようになれれば」と話していた。
(2024年2月22日付紙面より)
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東牟婁地域でウェブ会議
「東牟婁地域等における大規模氾濫減災協議」が19日、インターネットのウェブ上であった。東牟婁地域で河川がある市町村や、国・県の関係機関などが参加。流域治水に関する取り組み内容の報告を受け、共有した。
各機関の担当者より、減災の取り組み方針や▽古座川▽太田川▽那智川▽佐野川▽周参見川―の流域治水についての説明があった。
全体的な課題として「水害リスクの空白域が存在」「主要河川以外のハザードマップの作成、避難場所、避難経路の見直しが必要」「避難場所・避難経路の見直しに伴う避難誘導の案内看板・誘導灯などの検討が必要」などが告げられた。
古座川、太田川、那智川、佐野川では▽河川改修▽砂防えん堤整備▽森林整備・治山事業―などの実施報告があった。防災教育や災害情報の伝達、河川監視カメラの設置、避難情報の判断などの言及もあった。他地域での流域治水の優良事例の紹介も行われた。
(2024年2月22日付紙面より)
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武者修行プログラムで (那智勝浦町 )
那智勝浦町のコミュニティ消防センターで19日、株式会社旅武者が提供する「地方創生イノベーション武者修行プログラム™」の最終発表会があった。全国から集まった大学生14人がホテル&カフェバー「WhyKumano」オーナーの後呂孝哉さんらにビジネスプランを発表し、二つが採用となった。
ビジネスのリアルを経験する短期集中・実践型プログラム。町内で実施するのは7回目で、テーマは「新しい旅のコンセプト『アルベルゴ・ディフーゾ』~海外観光客向けにゲストハウスの新規サービスを開発~」。
学生たちは2週間かけて観光客らへのインタビューや商品開発、販売・効果測定を展開。最終発表では4チームが▽勝浦マグロジャーキー▽ナッチーバー・おつまみなっちー▽『Bie―Kumano』物販事業プラン▽WhyKibori―を提案した。
採用となったチーム愛燃の「ナッチーバー・おつまみなっちー」は、朝食にぴったりで、おつまみアレンジもできるシリアルバー。「那智黒あめ」を参考に黒糖を使い、アクティブに動く熊野古道歩きの観光客の手軽な栄養・カロリー補給アイテムになる。植物由来の食材を使うことで、ビーガン(完全菜食主義者)の食需要にも応える。
チーム愛燃の大橋さくらさん(19)、浅尾寛太さん(22)、黒沢龍己さん(19)、嶋田心さん(19)は、11日の中間発表時点では具体的な案を出せずに0点評価と苦戦。「偶然持っていたナッツに那智黒あめを絡めてみたことがきっかけ。宿泊中のお客さんに提供すると好評で、改良が楽しかった」と振り返った。
チーム感覚派の「勝浦マグロジャーキー」は、捨てられがちなマグロのあらを活用したジャーキー。味と保存方法などの改善すべき点があるものの、今後も開発をやりきることを条件に採用した。
後呂さんは「正直、ビジネス経験のない学生に飲食提案は無理だろうと思っていたが、ここまでちゃんとしたプランを持ってくるのは予想外。若い人たちの底知れぬ力を感じた」と語り、2案について「実際にお客さんに提供するのが楽しみ」と話していた。
(2024年2月22日付紙面より)
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和田禎佑杯サッカーU―9
てとて杯U―12サッカー大会
公務災害防止研修に98人 (新宮市消防団 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)による公務災害防止研修「健康づくりセミナー」が18日、市役所別館大会議室であった。団員98人が参加し、運動を通して健康管理への認識を深めた。
東日本大震災や紀伊半島大水害で活動中に消防団員が犠牲となったことを踏まえ、消防団安全対策事業の一環として実施。中谷団長が「消防団が活動する災害現場は精神的負担や危険が伴う。皆さんの能力を発揮してもらうためには健康が大事。研修を通して今後の健康増進につなげてください」とあいさつした。
健康運動指導士でNPO法人日本健康運動指導士会の杉浦資史さん、川村護さんが講師を務めた。
杉浦さんは「全国で80万人が消防団に所属しており、年間1100件以上のけが、事故が起こっている。訓練中の肉離れ、捻挫などが多く、日頃の体づくり、運動によって予防できることがある」と説明。けがなく活動できるよう「毎年、健康診断を受け、日常生活に運動を取り入れてください」と呼びかけた。
団員らは、いすに座ったまま腕、肩、足首、股関節などのストレッチをし、タオルを使ったトレーニングにも取り組んだ。首や腹筋などを鍛える運動に続き、2人一組で体幹トレーニングを実践、全身運動で脳の活性化も図った。
(2024年2月21日付紙面より)
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近畿高校サッカー選手権大会
第76回近畿高校サッカー選手権大会の準々決勝が18日、上富田スポーツセンターで行われた。12年ぶり出場の近畿大学附属新宮高校(和歌山3位)が近江(滋賀1位)と対戦。3―1で勝利し、準決勝進出を決めた。
大会には近畿2府4県の代表16校が出場し、17日に開幕した。
近大新宮は1回戦で履正社(大阪第2代表)と対戦。後半2分に先制を許したが、16分に西世愛君(2年)が得点し同点に追い付いた。試合はPK5―4の末、初戦突破を果たした。
準々決勝の近江戦では前半7分に西君のアシストから住川宗正君(2年)がシュートを決め先制。22分に和田尽主将(同)から弓場蒼太君(同)、28分に住川君が再び得点を挙げた。後半31分には1点を返されたものの、リードを守り試合を制した。
準決勝2試合は23日(金・祝)午前10時30分からを予定。紀三井寺公園球技場で近大新宮対初芝橋本(和歌山2位)、同公園陸上競技場で東山(京都1位)対草津東(滋賀2位)があり、午後2時から決勝戦と3位決定戦を行う。
(2024年2月21日付紙面より)
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歯・口に関するポスター (那智勝浦町 )
日本学校歯科医会主催の令和5年度歯・口の健康に関する図画・ポスター中央審査会で、那智勝浦町立那智中学校3年の石井沙耶佳さんと同町立市野々小学校1年の湊陽琉君の作品が、それぞれ全国佳作で入賞を果たした。
児童生徒の口腔(こうくう)衛生に関する理解と認識を高める目的で毎年実施しているコンクール。石井さんの作品は和歌山県審査の中学校の部、湊君は小学校低学年の部で最優秀賞に選ばれ、和歌山県代表として中央展に出品されていた。
石井さんの作品は「食べる楽しさを健康な歯と共に」との言葉とともに、自身と祖母が笑顔でスイーツを食べる様子を描いており「甘い物が好き。年を取っても、おいしい物を一緒に食べられたらいいなと思いを込めた」と語る。
いつも使っている黄色い歯ブラシがポイントだという湊君は「毎日朝昼晩と歯磨きをしている」ときれいな歯で笑顔を見せた。同コンクール県審査では市野々小学校2年生の大谷英吉君も入選に選ばれており「虫歯は一本もないよ」と話していた。
(2024年2月21日付紙面より)
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紀宝警察署協で委員が
第4回紀宝警察署協議会が19日、同署であった。協議会委員がサポート詐欺を体験、パソコンに表示された「許可」を無造作にクリックしてしまい、詐欺に引っかかった。
サイバー犯罪対策は生活安全刑事課の担当署員が講話。コロナ禍のステイホームで、電子決済、ネットショッピングなどサイバー空間の公共空間化が加速し、スマートフォンによるインターネット利用増加とともに、サイバー犯罪も増えているという。
フィッシングによる個人情報などの詐取、ウイルス感染、偽警告によるサポート詐欺の事例を挙げ「サポート詐欺で警告などが鳴ると、自分での対処は難しい。警告画面は直接電源を切るなどの措置が大事」と伝えた。
協議で森阪剛士署長が昨年の管内概況を説明した。特殊詐欺は前年より2件多い4件で被害総額は約1010万円で、前年より約997万円増加。架空料金請求詐欺2件30万円、還付金詐欺1件約50万円、金融商品詐欺1件930万円だった。「金融機関やコンビニなどを連携した水際対策、高齢者への被害防止を呼びかけたい」と述べた。
交通事故は317件で前年より24件増加。物損事故308件、人身事故9件、死者はなかった。車両単独の自損事故が5割、国道42号での事故が2割を占めた。署では、運転者の緊張感の保持のため「見せる交通指導取り締まり」を強化し、交通安全教室、広報啓発活動を継続するという。
ドメスティックバイオレンス(DV)6件、ストーカー4件、児童虐待15人、高齢者虐待2件あり、児童虐待が前年より10人増加した。少年補導は4件増え8件だった。刑法犯認知件数は59件で、検挙数は51件。窃盗犯が6割以上を占めた。
(2024年2月21日付紙面より)
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熊野三所大神社・川関飛烏神社 (那智勝浦町 )
那智川筋を下り春の到来を告げる伝統の春祭り。10日には那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)、11日には川関の飛烏(あすか)神社で例大祭が営まれ、4年ぶりの御弓行事や獅子舞奉納で地域が華やいだ。
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熊野三所大神社では、三間社流造檜皮葺(ひわだぶき)の本殿で髙橋正樹宮司が神事を執り行い、関係者一同が玉串をささげた。獅子舞を継承する一心会が「幣の舞」「剣の舞」「乱獅子」を奉納した。
御弓行事では、古式にのっとり前日に那智の浜で潮垢離(しおごり)、潔斎した射子(ゆいご)奉仕者5人と諸役が境内の外周を巡って弓場入り。弓太郎(ゆだら)を田代哲也さん、中弓(なかゆみ)を廣畑智哉さんと藤社祐樹さん、弟弓(おとゆみ)を田代雅史さんと加藤優志朗さんが務め、的の中央を射抜くと一心会メンバーが射手の親族を胴上げした。最後は盛大に餅まきで締めくくった。
一心会の汐崎広一代表は「けがもなく、再び祭りができてよかった」と感無量。神社総代の藤社潔さんは「射子が集まるかと心配したが、積極的に奉仕してくれて大助かり。来年はよりいっそう活気が戻るといい」と期待を込めた。
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飛烏神社では、熊野那智大社の前田直紀権禰宜(ごんねぎ)を斎主に迎え、事解男命(ことさかのおのみこと)をまつる本殿と、摂社の秋葉神社で神事を営んだ。
祭り囃子(ばやし)が響くと地域住民や子どもたちが神社に集まり、獅子舞奉納では共心会が「八車の舞」「剣の舞」「玉獅子」などの演目を奉納。
天狗(てんぐ)の舞では、地域の期待を一身に背負い、德廣聡仁君(7)が天狗役を務めた。年明けから稽古に励んできた德廣君は緊張を見せず、はつらつとした様子で舞を奉納し、大きな拍手が送られた。
奉納を終えた德廣君は「緊張したけれど、上手にできたと思う」と語った。
共心会の前田憲政代表は「改めて、一つの祭りを皆でつくり上げていくことの喜びを感じた」と話していた。
(2024年2月14日付紙面より)
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和大生らがサミット開催
和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト(きの活、宮井凜晴代表)の主催による「きのくに線サミット2024」が10日から12日、新宮市やきのくに線の列車内であった。和大の学生と地域交通に関心のある30歳までの全国の若者、約50人が参加。地域交通の未来のビジョンについて考えた。
きの活は、きのくに線(紀勢線)を通じた地域活性に取り組む和大の学生プロジェクトとなる。今回のサミットでは、10日は新宮市役所別館で、ゲストによる講演と学生団体の取り組みを発表。11日は特別列車で新宮駅から周参見駅まで行って戻るフィールドワークを実施した。12日は新宮市役所別館で、地域交通の未来ビジョンの作成と発表を行った。
12日午後は、5人ずつ8班に分かれ、各班で考えたビジョンを模造紙にまとめ、班ごとで発表した。ある班は、抱える課題として▽車の方が便利▽他の交通機関との接続が悪い―などを提示。今後は「地域に合わせた交通機関の模索が必要。既存のものにとらわれず、他の交通手段も視野に入れ、地域交通がどうあるべきか考えることが大事」とまとめた。
またある班は、利用者の増加に向けた具体案として「各駅の個性を見て回ってもらう。また観光で、海を見る、釣りを楽しむなど、目的別のおすすめパンフレットを作ってはどうか。通院で利用する人のため、バスへの乗り換えも含めた一体の時刻表があると便利では。ミステリーきっぷで知らない駅に降りるのも面白いかも」などと提案した。
別の班は問題点として「地域の人の概念の中に交通が入っていないのでは」と指摘。「学生が祭りに参加するなどして、地域のコミュニティーに溶け込むことで、関心を持ってもらうきっかけにしてはどうか。信頼関係ができれば相互理解が進み、問題意識を共有できる」と力を込めた。
他の班は「岐阜県で行われている駅寺子屋を導入してはどうか」と述べた。「地域の若者が観光客に、地域の魅力を伝えるもの。地域の理解につながるし、観光客は地域への発見が生まれる。駅寺子屋だから聞ける話もある」と話した。
この取り組みは国土交通省令和5年共創モデル実証プロジェクト人材育成事業に採択されている。
(2024年2月14日付紙面より)
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卒業制作でレザークラフトも (勝浦小 )
那智勝浦町立勝浦小学校で9日、「わかやまジビエ」の出前授業とレザークラフト教室があった。6年2組の22人が卒業制作も兼ね、オリジナルのキーホルダーを作った。
和歌山県では捕獲した野生のイノシシやシカを食資源として観光振興に活かそうと、解体処理施設や食肉流通システムの整備を行い、「わかやまジビエ」として需要拡大に取り組んでいる。今年も県内323校の小中学校や特別支援学校の給食にジビエを提供し、合わせて講座を実施している。
給食でシカ肉のキーマカレーを味わった6年生は、午後にジビエについて学習。県畜産課の松山真也さんが「ジビエは狩猟で手に入れた野生動物の肉を指すフランス語」と紹介。和歌山県では野生動物によって年間約3億円、那智勝浦町内でも約600万円の農作物被害が出ており、対策が必要と述べ「ただ捕獲するだけでなく、頂いた命を無駄にしないことが大切。ジビエはとてもおいしい食材なので、そのことを広めていってほしい」と呼びかけた。
レザークラフトでは地元・那智勝浦町を含む県内各地で生産されたシカ革を使い、児童たちがハートやペンギン、リスなどのキーホルダーを手作りした。
講師を務めたレタメロディア(有田川町)の中井謙次朗さんは「革に使われる動物は、猟師が命がけで捕獲したもの。海外で日本の革を展示した時には『日本にしかない』と高く評価された。現在捨てられてしまっているものも、視点を変えれば世界で通用する」と価値を伝え「革製品は使うごとに色が濃くなり、つやが出てくる。成人式の時にみんなで持ち寄っては」と提案した。
羽山心奈さん(12)は「キーホルダーは中学校のかばんに付けようと思う。シカ肉はおいしかった」と笑顔で話していた。
学級閉鎖で参加できなかった6年1組には、別日でクラフトの時間を設けるよう調整している。
(2024年2月14日付紙面より)
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大島・水門神社の「水門祭」 (串本町 )
串本町大島にある水門(みなと)神社の春季例大祭「水門祭」(県指定無形民俗文化財)が10日に本祭を迎えた。今年は4年ぶりに従来の内容で奉仕。日中は諸行事が立て続き、多くの見物も集めて活気づいた。
この神社は大島港の東にそびえる日和山の中腹にあり、誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)を主祭神としてまつる。現在は大島区が氏子区域となって護持し、最近は同神社祭典保存会の申し合わせにより春季例大祭は2月第2土曜日を本祭として営んでいる。
今年は冷え込みが増すも好天の下で本祭を迎え、午前中は同神社で奉仕。内庭で御前の儀、的場でお的の儀を執り行い、以降は青年会「大同会」による獅子舞奉納と並行して大座の儀が続いた。
大座の儀は4年ぶりとあってもてなしも大いに弾み、予定より半時間ほど押して渡御の一行が出御。大島港で神官、主祭神の神霊をうつした唐櫃(からひつ)を運ぶ白丁、弓頭や付添人らが当船・八勝丸へ乗り込み、苗我島にある御旅所へ赴いて神事とお的の儀を執り行った。当船が戻るまでの間、大島港では当船の出港を送り出した櫂伝馬(かいでんま)「鳳(おおとり)」「鶽(はやぶさ)」が餅まき後に大島―串本間1往復約3・8㌔の競漕(きょうそう)をし、還暦者が祝いの餅まきをするなどした。
当船の苗我島出発に合わせ、出迎えるツルの一行が出発。大島港に設けた仮宮「お山」で最後尾の商人役が口上や競りを繰り広げて場をにぎやかしつつ3周し、その上役陣が扇子や軍配を振るなどして当船を招いた。
当船の帰港と同時に「お山」は倒され、若者が中にあるお鏡を荒々しく奪い合い。大島郵便局で「大同会」が獅子屋台の大練りを繰り広げ、「お山」跡そばで獅子舞を披露した。渡御の一行は同神社へ神霊を戻し、終了祭を執行して渡御を締めくくった。夕方以降も当屋の大座や獅子舞の披露が続き、本祭は夜半までにぎわいを見せた。
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このように東牟婁地方屈指の諸行事数を誇る「水門祭」。主奉仕は区内4組で持ち回り今年は南組が務めたが、今回を最終とし来年以降は4組一丸で主奉仕をする体制を新たに組むという。
南組の1人でもある寺町忠区長(71)は「昔から南組が当番の年は雨ばかりで『南組の年は天気が悪い』と評判だった。今回は準備も天気も心配なく有終の美を飾れて良かったし、皆さんも喜んでくれてやっぱり水門祭はええなとつくづく思った。この祭りをいつまで続けられるかはわからないができる限り後世に伝えて守っていってもらえたら」と感極まる思いを語った。
(2024年2月14日付紙面より)
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松村杯バドミントン大会
市町村対抗ジュニア駅伝競走大会
TGC新宮に3400人 (新宮市 )
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」で4日、「TGC WAKAYAMA 2024 AFTER EVENT in 新宮」(TGC新宮)が開催された。若者を中心に3400人が来場。ダンスステージや人気モデルのトークショーがあり、ガールズパワーで観客を圧倒した。
TGCはファッションフェスタ「東京ガールズコレクション」の略称。若年層への発信力を生かして地方創生にも取り組んでおり、前日に和歌山市で開催された「TGC WAKAYAMA 2024」のパブリックビューイング・関連イベントで、新宮市での開催は初。
よさこいチーム「あしたもハレヤ!」のステージで開幕。モデル・タレントのゆうちゃみ(22)、ゆいちゃみ(19)姉妹によるトークショーでは、TGC出演後に那智勝浦町に宿泊したことを語り「オーシャンビューがハンパない。マグロやエビがおいしかった」。MCの和歌山県住みます芸人こと「わんだーらんど」コンビから「食事制限はしていないの?」と質問が飛ぶと「好きな物を食べるのがギャルのモットーやから!」と返した。
この日のために地元ダンスチーム5団体の選抜メンバーで結成した「South Coast Crew」(サウス)や、米国で開催されるストリートダンスの世界的大会「WOD」(ワールド・オブ・ダンス)でチャンピオンに輝いた「kirameki☆glitter(キラメキグリッター)」が圧巻のステージを見せた。
サウスメンバーの長谷川こころさん(15)は「観客の数に驚いたけれど、いい緊張感で、めちゃくちゃ楽しかった」。奥田はるのさん(15)は「違うチームの子たちとパフォーマンスできて、たくさん刺激を受けた。ゆうちゃみさん、ゆいちゃみさんは、テレビで見るよりもっとスタイルが良くてかわいかった」と笑顔で話していた。
(2024年2月6日付紙面より)
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新宮市の熊野速玉大社と田辺市本宮町の熊野本宮大社で3日、節分追儺式(ついなしき)が営まれた。「鬼は外、福は内」のかけ声とともに豆をまき、除災招福や疫病退散などを祈願した。
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熊野速玉大社(上野顯宮司)では、夜に追儺式が営まれた。雨天だったが、多数の参拝者が集まっていた。また境内参道には屋台が並んでいた。
上野宮司をはじめとした大社関係者は、赤鬼、青鬼と共に拝殿の石階段上に並んで豆をまいた。続いて菓子も盛大にまかれた。集まった参拝客は福にあやかろうと、子どもらは菓子をもらおうと、ともに手を伸ばし歓声を上げた。例年であれば、豆をまきながら鬼を追い払うが、境内は傘を持った参拝客が多く、危険と判断して見送られた。
節分の縁起物「吉兆(きっちょう)」は、昼過ぎで完売していた。境内でどんど焼きも行われており、多くの人が、しめ縄や古いお札などをたき上げていた。
上野宮司は「福豆とお菓子をたくさんまいた。大阪の方でぜひまいてほしいとお菓子を送ってくれた方もいた。たくさんの人に喜んでもらえて良かった。皆さんの健康や福徳招来を祈った。良い年であることを願う」と話した。
□ □
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では、神職や大社役員らが参加し、午前中に節分祭、午後4時から追儺式が執り行われた。境内には災難を追い払い幸福を授かろうと、大勢の参拝者らが訪れた。
追儺式では神事の後、氏子が扮(ふん)した金棒を持つ赤鬼と青鬼が黎明殿の回廊に現れた。「こわい」と叫んで泣き出す子どももいて、境内に歓声が湧いた。
鬼の後に神職や巫女(みこ)、役員らが続き、「鬼は外、福は内」と声を上げて豆をまきながら回廊を3周した。最後に九鬼宮司がモモの木で作った弓とアシで作った矢を持ち登場。天に向かって矢を3本放ち、鬼を追い払った。
この後、餅や菓子などがまかれ、境内に拾い合う参拝者の歓声が響いた。
九鬼宮司は「大勢の子どもたちも参加してくれ、にぎやかで良かった。能登半島では厳しい状況が続いている。被災した人たちが早く日常の生活に戻れるようにと祈り、これ以上、災いが起きないようにとの願いを込めて豆をまいた」と話した。
(2024年2月6日付紙面より)
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元王者、村田諒太さん招き講演会 (紀宝町 )
世界ボクシング協会(WBA)の元ミドル級スーパー王者でロンドン五輪ミドル級金メダリスト、村田諒太さん(38)を講師に招いての文化講演会が4日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷であった。町文化協会が主催。
約500人の来場者を前に「これまでの決断を誇りに思っている。ボクシングと共に歩み、一緒に生きてきたが、それが全てではなかった。結果はその先を得るための道。小さなことを積み重ね、崩れて、また重ねる。夢や目標はいびつで、振り返った時にかなっている」と語った。
村田さんは1986年奈良県生まれ。2012年ロンドン五輪で金メダルを獲得し、13年プロに転向。17年10月に最激戦区のミドル級で世界王者となる。23年3月に現役を引退した。
「ボクシングと共に歩んだ人生」がテーマ。中学1年でボクシングを始め、何度も挫折したことを明かし「不良少年で居場所がなかったが、認めてくれる場所がうれしかった」と振り返った。
大学時代、2006年のアジア大会でアテネ五輪金メダリストに惨敗して自信を失った。その後引退し、大学職員に。09年、現役復帰し、自信を取り戻してロンドン五輪で金メダルを獲得した。
ボクシング人生で得た経験を通して「結果だけでなく、努力や全力で向き合った過程を評価することが大切。ポジティブな気持ちの方が運も味方してくれる。文句で終わらず先に進むとチャンスが生まれる」と伝えた。
親やコーチには「自分で決める子どもの本気度は高い。子どもたちに自己決定権のチャンスを与えてほしい」と呼びかけた。
(2024年2月6日付紙面より)
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いきいきサロン三四朗 (那智勝浦町 )
「いきいきサロン三四朗」(松本一良代表)は1月31日、那智勝浦町勝浦のコミュニティ消防センターで32回目となるサロンを開いた。18人が参加し、同町役場総務課防災対策室の庄司亮太さんと山本将平さんに教わりながら避難所運営ゲームで災害時における運営方法を疑似体験した。
同サロンは仲間づくりや健康増進を図ろうと、防災講話、特殊詐欺防止講話、昼食会、桜の花見など、さまざまな催しを行っている。
開催に当たり、同サロン役員で防災士の藤社和美さんが100円ショップで買える防災グッズを紹介。避難所運営は役場が行うのではなく、自分たちで設営して始めないといけないとし「今日が対処方法を考える手がかりになれば」とあいさつした。
参加者は2グループに分かれて、和歌山県が開発した「きいちゃんの災害避難ゲーム」に挑戦。某年12月12日午前4時に南海トラフ地震(マグニチュード8・7)が発生し、上下水道や電気、ガスなどのライフラインの途絶えた「きいちゃん小学校」で避難所運営を行う想定で開始した。
参加者は▽要配慮者▽保健・衛生▽被災者管理▽ボランティア▽施設管理▽情報▽食料・物資―を統括する班長を務め、1日目、2~3日目、4日目~2週間の各期間に応じた対処方法を話し合った。
松本代表は「避難所に行くという立場だけでなく、違う視点で考えることができて勉強になりました。命を守ることを第一に、自分たちで運営するとなった時の知識を生かしていければ」と語っていた。
(2024年2月6日付紙面より)
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