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2021年05月21日
1 「47年間、ありがとう」
 新宮市立図書館、休館へ  

 新宮市井の沢の市立図書館は20日、今秋開館予定の市文化複合施設「丹鶴ホール」への移転に向け休館に入った。現在地に開館して以降、47年にわたり市民に愛され続けてきた同図書館は、この日をもって図書館としての歴史に終止符を打った。

 同図書館が横町1丁目1番地(現横町公園)から現在地(旧紀南学園跡地)に移転したのは1974 (昭和49) 年のこと。以降、自動車文庫「なかよし号」巡回開始や絵本の読み聞かせ開始、中上健次資料収集室の設置など、快適な読書環境の整備、利便性の向上、図書館サービスの充実を図るためにさまざまな取り組みがされてきた。

 最終日となった19日には休館を惜しむ人らが雨の中多数来館。花束を持って図書館や職員、ボランティアメンバーらに感謝を伝える利用者の姿もあった。図書館によると、昨年(開館日数284日)の貸し出し人数は延べ2万5341人で、10万800冊の貸し出しがあった。1日当たりでは89・2人が354冊を借りた。

 図書館司書として85(昭和60)年から勤務し、退職後も図書館協議会会長として図書館に携わる山﨑泰さんは、最も思い出深い出来事として「郷土資料件名事項目録」の編さんを挙げる。目録はパソコンがまだ普及していなかった当時において、図書館が所有する膨大な郷土資料を100項目に分類し、誰にでも検索できるようにしたもの。

 841㌻にわたる目録の編さんには十数年の年月を要し、2012(平成24)年2月に発行。図書館業務の効率化向上や、各分野の研究者や学生、教育者たちの知的好奇心に応える大きな一助となった。

 山﨑さんは「大逆事件や中上健次、当地方のさまざまな歴史や事柄、人物のバックグラウンドを調べようと、多くの人が図書館を訪れてくれた」と回顧。休館に関しては「いろいろな思い出が詰まっている。さみしい気持ちと新図書館への期待が半々です」と話していた。

 今後はサービスを停止し、10月3日(日)の開館を目指して本や資料の整理などを含めた準備を進めていく。停止するサービスは資料の閲覧や貸し出し、インターネット閲覧など、館内で提供していたサービス全て。自動車文庫の巡回や雲取文庫への貸し出し、レファレンス(調べもの相談)・各種問い合わせへの対応など。

 ブックポストへの返却は6月30日(水)までとなる(場所は図書館、熊野川行政局)。すでに予約済みの資料で5月19日までに準備ができなかった資料は、新図書館開館後に貸し出しとなる。

 利用可能なサービスは▽インターネットによる蔵書検索▽市役所別館ロビーでの新聞閲覧(平日の午前9時~午後5時)。6月2日(水)、7月7日(水)午前9時からは、現図書館駐輪場にて除籍本が持ち帰りできる「お持ち帰りコーナー」を開催する。

 休館に当たり、図書館では「長い期間にわたりご不便やご面倒をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします」と呼び掛けている。

(2021年5月21日付紙面より)

移転に伴い、20日から休館に入った=19日、新宮市立図書館
2021年05月21日
2 昨年と同様に規模縮小し斎行
 熊野那智大社「那智の扇祭り」  

 7月14日(水)に熊野那智大社(男成洋三宮司)などで営まれる「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、昨年に引き続き、規模を縮小するなど従来と祭典内容を変更して斎行することが決まった。

 変更は16日の扇祭り保存会の役員会で協議された。各神社の祭礼も感染防止のため、参列の自粛や行事を中止・縮小していることを鑑み、参列者および奉仕者、拝観者の安全と健康を考慮し、決定したという。

 内容は▽例大祭本社大前の儀の参列はなく、神職や責任役員、祭り関係者のみで行う▽那智の田楽は13日(火)の宵宮(よいみや)のみ行い、大和舞は取りやめ▽本社より別宮への渡御は昨年と同様に木製の辛櫃(からひつ)に納めた御幣(ごへい)にご神霊を移し、二体の扇神輿(おうぎみこし)と2本の大たいまつを伴い、滝に向かう。一般の拝観はなし▽本社大前の儀は午前9時から斎行し、終了後引き続き渡御祭を行い、別宮へ神幸する▽別宮では午前10時から正午まで参拝を停止にする―となる。

 同大社では「本来であれば、一般の方々にもお祭りを拝観していただくことが本望。コロナ禍のため、昨年に引き続いてこのような形になりましたことをご理解いただけましたら幸いです」と話している。

(2021年5月21日付紙面より)

昨年の那智の扇祭りの様子
2021年05月21日
3 ゴーヤの苗100株を寄贈
 新東自立支援協議会へ  (JAみくまの )

 みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が19日、新宮・東牟婁圏域自立支援協議会就労部会(小阪武部会長)へゴーヤの苗100株を寄贈した。同部会は急ぎ関係11団体に分配し活用してもらう考えで、小阪部会長(39)は「コロナで外に出るのも難しい状況が続く中、施設内でできる活動として作物を育ててみることを楽しみにしてもらい、そしてこの機に農業に興味を持っていただければ」と今後の反響に期待している。

 JAグループ和歌山が取り組む会内事業「『緑のカーテン』運動」から派生した寄贈。JAみくまの管内で本年度分のゴーヤの苗を作ったところ、タネの発芽が良好で必要数以上の苗を得ることができた。余らせるのは惜しいと感じ、農福連携で縁がある同部会に相談。同部会はJAみくまのが今後高齢者福祉での農福連携も考えていることを踏まえて関係諸団体へ同運動への挑戦を呼び掛けたところ、11団体が希望し苗を引き継ぐ筋道が成ったという。

 会外への苗の提供は今回が初で、引き継ぐ11団体の内訳は▽県立みくまの支援学校▽エコ工房四季▽古座あさかぜ園▽なぎの木園▽生活介護事業所えん▽杉の郷えぼし寮▽南紀ひまわり作業所▽社会福祉法人高瀬会▽寿楽荘▽グランドール紀の風▽ひきこもり者社会参加支援センターあずまプラッツ。

 この日は農福連携によるJAみくまのとのつながりがとりわけ強いエコ工房四季=串本町古座=を引き渡し場所とし、JAみくまの西向営農センターの瀧本義大次長(39)が「グリーンカーテンを通して農業に興味を持っていただきたい。食材としても活用できるゴーヤということで、その辺も楽しんでもらえたら」と期待を込めて小阪部会長へ苗を託した。

(2021年5月21日付紙面より)

瀧本義大次長(右)からゴーヤの苗を引き継ぐ小阪武部会長=19日、串本町古座のエコ工房四季
2021年05月21日
4 今期初産卵を確認
 王子ヶ浜にアカウミガメ上陸  (新宮市 )

 新宮市の王子ヶ浜で20日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時すぎ、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。

 同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。今年から新しく発足した同会は、これまで「新宮市王子ヶ浜を守る会」(中村誠二郎会長)が実施していた活動内容を引き継ぐ形で、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。

 発見された産卵場所は、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸で、波打ち際から約25㍍付近。約25㌢の深さの穴から、ピンポン球大の卵98個が見つかった。

 アカウミガメは1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、約60~80日でふ化する。5月中旬から8月半ばまで上陸シーズンが続く。

 昨年、初産卵が確認されたのは7月16日。約150個の卵が発見された。気温や海水温の上昇からか、今年は昨年よりひと月以上早い産卵確認となった。なお、昨年は6回のアカウミガメの上陸を確認。うち5頭が約650個の卵を産み、487匹がふ化した。

 榎本会長は、早い時期に産卵が見られた場合のふ化率は低いとしながらも「アカウミガメの上陸数については期待できるのでは」と話していた。

(2021年5月21日付紙面より)

一つ一つの卵を丁寧に採取する榎本晴光会長=20日、新宮市の王子ヶ浜
2021年05月21日
5 薬と向き合い正しく摂取  いきいきサロン大勝浦区  (那智勝浦町 )
2021年05月21日
6 黄色いハンカチにメッセージ  復興記念イベントを企画  (新宮市熊野川町 )
2021年05月21日
7 コロナ禍での発表の場模索  屋外でのダンスイベント  (那智勝浦町 )
2021年05月21日
8 バーベキューは避けて  海岸などでの感染防止対策  (御浜町 )
2021年05月21日
9 橋爪仁智香さんが全国へ  県少年柔道選手権大会で優勝  (紀宝柔道会 )
2021年05月21日
10 本を通じて心の成長を  全小学校で「読み聞かせ」活動  (紀宝町 )
2021年05月18日
11 絵や花の力作と呈茶楽しむ
 対策行い第13回展示祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町文化協会(後誠介会長)、町民展示祭実行委員会は15、16の両日、町体育文化会館で絵画、生け花、呈茶の合同展「第13回町民展示祭」を開催した。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止したため、来場者は2年ぶりの展示祭を楽しんでいた。

 展示祭は絵画の弁天画会(坪野一郎会長)、生け花の花好きクラブ(牧邦子代表)、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)の3団体が日頃の成果を発表する場。コロナ禍以前は毎年多くの来場者でにぎわっていた。

 文化協会や実行委員会は現在のコロナ感染状況などを考慮し、開催について何度も協議・検討を重ねてきたという。

 入場時に▽3密回避のため、一度に会場に入ることのできる人数の制限▽受付で体温を計測後、マスクに受付完了シールを貼る▽感染症が発覚した際の追跡用に入場時間と数字が記載されたカードを発行▽アルコール消毒―などのコロナ対策を万全に取り組んだ。

 弁天画会では今回、熊野古道をテーマに1人1作品を出展。合計71点の力作を展示した。坪野会長は「開催できて良かった。密に注意して楽しんでいただけた」。

 花好きクラブは花器にもこだわり、季節の花を美しく生けた作品約50点を並べた。手作りの「花のブーケ」をプレゼントするくじ引きも実施した。牧代表は「自然のさまざまな花などを集めて作っている。会員の皆さまが頑張った作品を楽しんでいただけたと思う」と話した。

 茶道表千家流音無会は茶を味わうテーブルに透明な仕切りを設けて感染防止対策に務めた。来場者は安心の中で菓子や呈茶を味わった。築紫会長は「いつもと違う形の中でもお茶を楽しみ、癒やしを感じてもらえたのでは」と語った。

 町文化協会の後会長は「毎年楽しみにしているとの声も多く、出展される方々のやりがいにもつながった。最善を尽くし対策をすれば、その範囲内で楽しんでいただけるはず。コロナから日常を取り戻すことが大事」。

 会場に訪れていた堀順一郎町長は「大変楽しみにしていた。皆さまの発想も豊かで私を含め、多くの来場の方々に元気を与えていただいた」と語った。

(2021年5月18日付紙面より)

3団体の代表らが堀順一郎町長(左から2人目)らに作品を説明した=15日、那智勝浦町の体育文化会館
2021年05月18日
12 副教材「すごろく」提供
 エリア内の小6を対象に  (南紀熊野ジオパーク )

 南紀熊野ジオパーク推進協議会がこのほど、同パークエリア内の小学6年生約900人を対象にし副教材「南紀熊野ジオパークすごろくマップ」を提供した。

 ジオパークに関係する教育や学習の普及、支援を目的とし、前年度事業の一環で1200セットを制作。年度をまたいで4月中旬から、対象とする児童に関係する41校に順次託して活用を依頼した。

 セットの内容は▽A1大のすごろく台紙1枚▽さいころや駒、カード類の型抜き厚紙1枚▽ジオパークと併せて子どもたちに学んでほしいSDGsの紹介付き収納ケース1袋。

 複数人でさいころを振って駒を進め、市町村枠にうまく止まるとカードを獲得。全員が上がった時点でのカード枚数で競う内容で、楽しみながら同パークの内容に興味を持ってもらうことを狙っている。

 学校へは予備分も含めて託していて、残数は同パークセンターで保管。希望者配布の予定はなく、引き続き効果的な活用を検討していくという。

 すごろくの内容は同センターの研究員や同協議会が中学1年生を対象に発行している学習ハンドブックの編集委員が確認した上で決めたという。同協議会事務局の大江晃司さんは「活用方法は各校に任せていますが、コロナで自粛が続く中で友達や家族と一緒に楽しんでもらい、同パークに興味を持つきっかけにしてもらえれば。コロナが落ち着いたら興味のある場所へ実際に行ってみる流れにつながるとうれしい」と今後を期待した。

(2021年5月18日付紙面より)

南紀熊野ジオパークすごろくマップの内容物=14日、南紀熊野ジオパークセンター
2021年05月18日
13 例年より早く初夏の風物詩
 ホタルの乱舞、幻想的に  (紀宝町 )

 紀宝町平尾井の相野川沿いで、ゲンジボタルが乱舞する時季を迎えた。川岸や草むらで無数の光を放ち、幻想的な光景が広がっている。

 町内にはゲンジ、ヘイケ、ヒメの3種類のホタルが生息し、ゲンジボタルの時季が終わると、例年6月にはヘイケボタルとヒメボタルが飛び始める。

 小川のせせらぎが聞こえる相野川周辺では、先月末ごろからゲンジボタルが飛び始め、例年より1週間から10日ほど早く観察できるようになったという。14日には無数のほのかな光が飛び交い、訪れた人たちが静かに見入っていた。

 町内でホタルの保護活動に取り組む「ほたるを守る会」の蔵本一範会長は「観賞する際は密にならないよう、静かに見守ってほしい」と話している。

(2021年5月18日付紙面より)

無数のホタルが乱舞し、幻想的な光景に=14日、紀宝町平尾井
2021年05月18日
14 ペーパークラフト学ぶ
 少年少女発明クラブ開講  (新宮市 )

 新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は15日、市福祉センターで開講式と5月講座を開いた。講座は全11回でこの日が1回目。市内の小学生会員24人が和歌山県立新翔高校教諭の中岸速人さんからペーパークラフトを学んだ。

 発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。

 講座で中岸さんは「クラフトは工芸品という意味もあるが、今回は紙で作った工作品と考えてもらったら。ものづくりの楽しさや道具の使い方も勉強していただければ。また、初めてやることは失敗しても構わない。どんどん挑戦してください」とあいさつ。

 児童はウサギ、ジャイアントパンダ、トラ、オオクワガタ、カブトムシなどの豊富な型紙から自分の気に入ったものを選択。カッターやのり、定規などを器用に使って工作を楽しんだ。また、作品が完成した児童の中には難易度の高い型紙での工作を積極的に取り組む姿も見られた。

 瀧野会長は「今後は那智勝浦町浦神の水産試験場やウミホタルの観察もある。来年には中岸さんから川原家の組み立ても学ぶことになっており、新宮市でしか経験できないようなことも取り入れている」。

 児童に対しては「いろんなことに興味を持ってもらいたい。昨年経験したことがある児童はより知識を重ねられ、後輩に教えることもできる。そういった縦の交流ができるのもメリットの一つだと思う」と話した。

 自宅でも段ボールなどを用いて工作を行う神倉小学校4年の中口翔太君は「工作が好きなので、講座が楽しみだった。紙で作るのは大変だけど完成すると達成感がある。これからの講座も楽しみです」と笑顔で語った。

(2021年5月18日付紙面より)

中岸速人さんのアドバイスを受け、工作に取り組む児童=15日、新宮市の福祉センター
発明クラブが開講した
2021年05月18日
15 親子ら15人が陶芸に挑戦  感染症対策講じて体験提供  (潮岬青少年の家 )
2021年05月18日
16 さらに740㌔を管内流域へ  今年3回目の稚アユ放流  (古座川漁協 )
2021年05月18日
17 コロナで観光に暗い影  大門坂茶屋も営業休止に  (那智勝浦町 )
2021年05月18日
18 会長に中谷剛さん再任  総会で本年度事業など決める  (新宮ユネスコ協会 )
2021年05月18日
19 ハッチョウトンボ  新宮市内でも  
2021年05月18日
20 色鮮やかなハマエンドウ  王子ヶ浜海岸で花の盛り  (新宮市 )
2021年05月18日
21 地元の自然と触れ合う  丹鶴幼が園外保育  (新宮市 )
2021年05月18日
22 心も体も伸び伸びヨガ  三輪崎保が「親子DEあそぼ!」  (新宮市 )
2021年05月18日
23 自転車の安全利用学ぶ  運動場で交通安全教室  (神内小 )
2021年05月18日
24 お悔やみ情報
  
2021年05月14日
25 3年連続の中止決定
 熊野大学セミナー  (新宮市 )

 新宮市出身の芥川賞作家で同市名誉市民の中上健次(1946~92年)が設立した文化組織「熊野大学」主催の夏季セミナーが、新型コロナウイルス感染症の影響で3年連続の開催中止が決定した。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上氏によって設立。中上氏の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けており、中上氏が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りも兼ねて全国から多くの中上文学ファンが熊野地方を訪れる。

 音楽家の坂本龍一氏をメインスピーカーとして迎えて開催する予定であったおととしは台風10号の影響を受け中止に。同大学創立30年を迎える記念の年だった昨年は、前年の企画を引き継ぎ、坂本氏や生前交流のあった著名人や文化人を招き、中上氏の思い出や対談に大輪の花を咲かせる予定だった。

 同大学の松本巌理事長は「坂本氏は『中上君の生まれ故郷に、一度でいいから行ってみたい』と言っていた。3年連続の中止は残念でならない」と肩を落としつつ「本来の『熊野大学』に立ち返り、地元の人を対象としたゼミや講演会の開催も考えていきたい。市文化複合施設が完成したら小・中会議室の規模で実施できたら」。

 来年、没後30年を迎える氏に対しては「中上以降も関係者が亡くなり、毎年のように熱心にセミナーに参加してくれていた人も一人一人減っていった。しかし、先々でも氏の名前は出てくると思う。熊野大学は空白ができてしまったが、地元の人にもっと身近に感じていただくためにわれわれも顕彰していきたい」と話していた。

(2021年5月14日付紙面より)

生前の中上健次(新宮市提供)
2021年05月14日
26 鈴木幸夫議員が議長に 副議長は芝山定史議員 (串本町議会)

 串本町議会第1回臨時会が13日、役場古座分庁舎議場であった。4月執行の町長選挙・町議会議員一般選挙後初となる本会議で、正副議長の選挙などが主な内容。議員13人による投票で議長に鈴木幸夫議員、副議長に芝山定史議員を選出するなど初動固めをした。

 町議一般選は前職11人と新人2人が当選。同臨時会は議会と当局相互に自己紹介をし、年長の沼谷美次議員が臨時議長を務めて開会した。

 正副議長の選挙は、議員13人による単記無記名の投票で実施。議長選挙直前の休憩中に鈴木幸夫議員が立候補の所信表明をし、二元代表制の趣旨に基づき公開、先見、提案の3点を重んじて臨みたい旨を主張した。投票は鈴木議員が最多の8票を得て当選。「微力ながら公正公平で円滑な運営に努める。二元代表制の下で議論を重ね英知を結集して諸課題に取り組みたい」とあいさつして他の議員の協力を求めた。

 以降は鈴木議長の進行で議席を指定。副議長選挙直前の休憩中に芝山定史議員が立候補の所信を表明し、投票は芝山議員が最多の8票を獲得し当選した。

 その他、議員13人の意向を踏まえて総務産業建設常任委員会、文教厚生常任委員会の各委員を選任。串本町古座川町衛生施設事務組合議会議員や県後期高齢者医療広域連合議会議員、紀南環境広域施設組合議員の各選挙も行い布陣を整えた。この日は当局も報告(専決処分)4案件を上程し承認を求めた。

(2021年5月14日付紙面より)

議長選挙の開票に臨む議員や議会事務局職員=13日、串本町役場古座分庁舎
2021年05月14日
27 地域包括支援センターって?
 住み慣れた地域で生活できるよう  (紀宝町 )

 「医療、介護が必要になっても高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して生活が送れるよう幅広く相談に応じ、支援しています」。そう語るのは、紀宝町地域包括支援センターの主任介護支援専門員・南友也さん。

 2005年4月の介護保険制度見直しに伴い、地域包括ケアシステムの体制を支える地域の中核機関として、全国に設置された地域包括支援センター。

 紀宝町、御浜町、熊野市の各支援センターは3市町で組織する紀南介護保険広域連合から委託を受けて事業を展開。介護予防ケアマネジメント、総合相談支援業務、権利擁護業務、ケアマネジメント支援業務に加え、在宅医療・介護連携推進、認知症総合支援、生活支援体制整備の各種事業に取り組んでいる。

 紀宝町は保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)の専門職が連携して、ケアマネジャーの相談に応じたり、高齢者の相談などに当たっている。

 「情報提供とともにエンディングノートの配布や、本人がどういった生活を求めているか選択と心構えができるよう『老い支度講座』も開いています」と話す。

 認知症になっても地域で住み続けられるよう紀宝町社会福祉協議会の協力を得て、認知症サポーター養成講座、認知症カフェ、認知症介護者の集いなどを開き、理解を深める取り組みも進めている。生活支援体制整備事業として、「かわりない会」への支援など地域の互助を手助けしているという。

 「介護保険・介護サービスについて知りたい」「買い物が大変」「介護保険申請をしたい」「介護保険以外のサービスを知りたい」「悪質商法にだまされた」といった高齢者やその家族、地域のさまざまな悩みにも応じている。

 南さんは「地域包括支援センターは高齢者の相談窓口の入り口ですね。一人で抱え込まず、お気軽にご相談を」と呼び掛けている。

 相談は同町役場内の地域包括支援センター(電話0735・33・0175)で、祝日を除く平日の午前8時30分から午後5時15分まで受け付けている。

(2021年5月14日付紙面より)

紀宝町地域包括支援センターの南友也さん
2021年05月14日
28 貝岐昌志さんに記念品
 堀町長ら叙勲受章たたえ  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の堀順一郎町長と町消防本部の湯川辰也消防長らは12日、令和3年度の消防功労で瑞宝単光章を受章した同町市野々在住の貝岐昌志(かいはみ・まさし)さん(71)の元を訪ね、長年の功績をたたえた。堀町長は祝辞を述べ、記念品に真ちゅう製の「まとい」を贈呈した。

 貝岐さんは町消防団に約48年間所属し、町民の安心・安全のために尽力してきた。2011年に発生した紀伊半島大水害の際は第4分団長として救助活動に務めた。15年に消防団長に就任し団を支えてきた。昨年3月に退職。

 叙勲の伝達式は10日に和歌山県庁で実施され、貝岐さんは仁坂吉伸知事から勲記の伝達と感謝状の授与を受けた。

 湯川消防長は「消防人の先輩として多くのことを学ばせていただき、与えられた影響は大きい。後進の指導などにご協力いただければ」。

 堀町長は「紀伊半島大水害時の救助や町内で発生した大きな火災の消火活動に務められ、長い間、町民の安心安全のためにご尽力いただいた。町民を代表して感謝しております」と祝った。

 貝岐さんは「私よりも受章されなくてはいけない方は大勢いらっしゃる。受章は団員の皆さまの協力、消防署のバックアップがあってのこと、本当に感謝しています」と語った。

 貝岐さんは現在、引退した団員が長年培った経験を生かし団活動に関わることができる「機能別消防団員」として日夜の災害に備えている。

(2021年5月14日付紙面より)

堀順一郎町長(左)と湯川辰也消防長(右)が貝岐昌志さんの功績をたたえた=12日、那智勝浦町の貝岐プロパン
那智勝浦町から贈られた記念品の「まとい」
2021年05月14日
29 各部が所管事務を報告  新宮市議会総務建設委員会  
2021年05月14日
30 岡鼻崇さんを会長に再任  市ボランティア・市民活動センター総会  (新宮市 )
2021年05月14日
31 ようこそ三輪崎小学校へ  6年生が1年生を歓迎  (新宮市 )
2021年05月14日
32 「ハウ・アー・ユー?」  はまゆう・こども園で英語教室  (新宮市 )
2021年05月14日
33 料理の楽しさ知って  天満保で「クッキング」  (那智勝浦町 )
2021年05月14日
34 役場新庁舎開庁は7月26日  建物完成し期日など発表  (串本町 )
2021年05月14日
35 地図を見ながら新たな発見  3年生が校区探検に  (鵜殿小 )
2021年05月14日
36 全国公募展で多数の入選  書道グループ「書清会」  
2021年05月14日
37 お悔やみ情報
  
2021年05月12日
38 2年連続の中止決定
 熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)  (新宮市 )

 熊野徐福万燈祭運営委員会(委員長・田岡実千年新宮市長)は11日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため本年度の熊野徐福万燈祭(第59回新宮花火大会)を中止すると発表した。中止は昨年に続き2年連続となる。

 熊野徐福万燈祭は、秦の時代に渡来したと伝わる徐福の遺徳をしのぶために始まった花火大会。毎年8月12日に同市徐福の徐福公園で徐福供養式典が営まれ、翌日に熊野速玉大社下の熊野川河川敷を舞台に花火大会が催される。夜の熊野川に浮かぶ大輪の花を楽しもうと、例年約4万~5万人(主催者発表)の観客が会場に訪れる。

 なお、徐福供養式典については12日(木)、規模を縮小し、関係者のみで執り行われる予定。

 中止の決定に伴い、同運営委員長の田岡市長は次のコメントを発表している。

  □     □

 新型コロナウイルス感染症の影響が続いており、感染収束の見通しもいまだに予測できない状況にある中、ご観覧者の方々ならびに関係者の方々皆さまに対する感染対策を講じての、安心・安全な運営が保障できないと考え、開催中止の運びとなってしまいました。

 花火大会を楽しみにしていただいた皆さま、そして平素よりご支援、ご協力いただいております関係者の皆さまに、昨年度に続いて再びこのような決定のご報告をしなければならないことは誠に苦渋の決断ではございますが、皆さまの健康と安全確保を第一と判断した結果でございますので、何とぞご理解賜りますようお願い申し上げます。

 一日も早く収束し、来年は多くの方々にご来場いただき、楽しんでいただけるような花火大会にするべく、運営委員一同力を合わせていく所存でございますので、今後とも皆さまのご支援、ご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

(2021年5月12日付紙面より)

2019年の熊野徐福万燈祭の様子
2021年05月12日
39 集団、個別接種予約始まる
 85歳以上から段階的に  (紀宝町 )

 紀宝町は10日、85歳以上を対象に新型コロナウイルスワクチン接種の電話受け付けを開始した。集団接種で現在確保している720人分に対し、初日は132人の予約があった。

 個別接種は町内三つの医療機関で予約を受け付けている。施設入所者を除く85歳以上は739人で、集団、個別の両接種で人数分のワクチンを確保しているという。

 午前9時から、新型コロナウイルスワクチン接種プロジェクトチームで集団接種の受け付けを開始。四つの電話回線で職員が対応した。

 1回目の接種は町生涯学習センターまなびの郷で15日(土)から30日(日)まで4回に分けて行い、2回目は6月5日(土)からとなる。

 駐車場の鵜殿運動場から接種会場まではシャトルバスを用意する。交通手段がない場合は、自宅近くの「町民バス停」からまなびの郷まで無料の「ワクチン接種専用町内巡回バス」が利用できる。申込時に予約する。

 個別接種は今月17日(月)から開始となる。

 町では、予約できる人数に合わせて個別通知しているため、確実に予約が可能だという。80~84歳までの集団、個別接種の予約受け付けは13日(木)から開始する。

 プロジェクトチームでは「町内の医療機関で個別接種の予約は、医療機関の通常診療に支障がないよう、必ず予約受付時間に電話してください」と呼び掛けている。

(2021年5月12日付紙面より)

集団接種の予約を受け付けるプロジェクトチーム=10日、紀宝町役場
2021年05月12日
40 改めて感染対策の徹底を
 県外からの流入避けられず  (新宮市 )

 「持って帰るは思い出だけ 撮って帰るは写真だけ 残して帰るは足跡だけ 天然記念物 浮島の森」。ましてや新型コロナウイルスなんて残していいはずがない―。

 新型コロナ感染拡大防止の観点から県境をまたぐ移動の自粛が叫ばれた今年の大型連休期間中、熊野地方では他府県ナンバーの車が目立ち、観光地や道の駅などに停滞する様子が多く見受けられた。新宮市浮島の「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落(浮島の森)」でも、2日75人、3日80人、4日65人、5日42人と県内外から多くの観光客が訪れた。

 コロナまん延防止のため、同所が来場者に記入の協力を求めている来場者カードには「東京」「大阪」「愛知」などの記入が目立ったという。「さすがに例年(昨年を除く)よりは少ないが、それでも他府県ナンバーの車が目を引いた。神倉神社の駐車場も満車だったと聞いた」と同所管理人。「人が来ないのも困るが来るのも困る」。観光地(名所)が抱えるジレンマを口にする。

 通常、繁忙期は複数人態勢で来客業務に当たるとのことだが、感染リスクを軽減するために今年は1人態勢で業務に就いた。来場者にはマスク着用や手指消毒への協力を呼び掛けた。

 さらに、来訪者からの質問に対してもソーシャルディスタンスを保った上で最小限の説明にとどめるなどの対策を講じたという。「特に金銭のやりとりには気を配った」と管理人は話す。

 西村康稔経済再生担当相は3日、出演したテレビ番組で、紙幣などを介した感染の可能性を紹介。改めて手洗いや手指消毒の必要性を訴えた。

 厚生労働省によると、手や指に付いたウイルスは洗い流すことが最も重要。手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで100分の1に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らすことができるという。

 慢心や油断が感染拡大を招く可能性がある新型コロナウイルス。県外からの流入も避けられない現状。いま一度、感染対策を見直してみることも必要かもしれない。

(2021年5月12日付紙面より)

観光地などに多くの観光客が訪れた(写真はイメージ)
2021年05月12日
41 目指せ未来のリーダー
 ジュニアボランティア始動  (新宮市 )

 新宮市野田の中央児童館で、クラブの一環として「ジュニアボランティア」が始動した。児童館行事の手伝いや奉仕活動を通じてボランティア精神を身に付けてもらい、未来のリーダーを育成するため、昨年から始まった取り組み。現在は22日(土)に同館に登録している児童を対象に開く予定の「おたのしみ広場」に向けてゲーム準備を進めている。

 同館職員によれば、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、9月末から活動をスタート。感染症対策という制約がある中、児童館に遊びにきた子どもたちの「遊びのリーダー」としてドッジボールをしたり、児童館行事の「作って遊ぼう」などを手伝ったりして活動した。

 8日には小学4~6年生のメンバー9人が集まり、それぞれ考えてきたゲームを発表。難易度を調整するために実際にやってみたり、ルールを変更したりし、当日の運営の担当についても話し合った。今後は各自が児童館に来て、看板やポスター作りを行っていく。

 栗本玲菜さん(神倉小5)は「ビンゴや劇、靴飛ばしなどを提案したけれど、思ったよりも実現しないものも多かった。自分では簡単だと思ったゲームでも、小さい子には難しいと分かった」。栗本さんに誘われて参加したという谷那摘さん(同)は「当日はみんなに聞こえるように大きく声を出し、失敗した子にも楽しんでもらえるように盛り上げたい」と語った。

 同館職員は「ボランティアでやりたいことを子どもたちから募集している。周りの人たちに楽しんでもらうとともに、自分も楽しみながら活動してほしい。新型コロナの影響で制約もあるが、子どもたちの意見を聞きながらサポートしていきたい」と話していた。

(2021年5月12日付紙面より)

話し合いを行うメンバーたち=8日、新宮市の中央児童館
1円玉落としのテストを行う
2021年05月12日
42 命と健康を守るために  西田健町長がメッセージ  (紀宝町 )
2021年05月12日
43 新たなハザードマップ作成  避難経路などの確認を  (御浜町 )
2021年05月12日
44 有馬クラブが30年ぶりに優勝  少年野球マクドナルド三重県大会  
2021年05月12日
45 スモークツリーの花  新宮市のタウンガーデン  
2021年05月12日
46 押しずし作りに挑戦  浮島児童館で料理教室  (新宮市 )
2021年05月12日
47 宣言延長受けて期限変更  潮岬望楼の芝キャンプ場  (串本町 )
2021年05月12日
48 校区内の水田借りて稲作  明神小と高池小が田植え  (古座川町 )