新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)にこのほど、春夫愛用の品など100点以上が新たに寄贈された。30日、辻本館長が発表した。
2010(平成22)年に他界した、春夫の子息である佐藤方哉(まさや)氏の遺品整理に伴い佐藤家の遺族が寄贈した。現在は特に資料やいわれの残る日時計や文机、座卓など5点が同館で展示されている。
日時計は高さ約110㌢。影を利用して時間を計る。一緒に撮った写真=写真①=が残るなど春夫のお気に入りだったとされる。1989(平成元)年に春夫邸が移築された後も東京の佐藤邸に残されており、方哉氏の子ども時代について記した著書「環境」の挿絵(谷中安規画)のモチーフになるなど佐藤家のシンボル的な存在であった。
文机は和歌山県名匠にも選ばれた指物師・鮒田武彦(和往・和道)氏の作品。鮒田氏が、1960(昭和35)年の伊勢湾台風で倒れた熊野速玉大社の大鳥居のヒノキを使って作った文机を同市船町の故・杉本義夫氏が春夫に贈ったといった記録があるが、サイズや材質が異なることからそれとは違う机だと考えられる。裏に「紀伊国住人 和往作(印)」とある。
座卓に関しては、春夫邸建築当時の応接間の写真=写真②=が残されている。直径約70㌢で1人か2人が座れる程度の大きさ。晩年、門弟三千人といわれた春夫の応接間にはもっと大きな座卓が置かれるようになったが、佐藤家では大切に保管されていたという。
寄贈品に関して辻本館長は「佐藤家のシンボルである日時計が、移築復元された春夫邸に戻ってきた。多くの人に見ていただければ」と話している。
(2020年10月31日付紙面より)
診療・検査医療機関を指定 (和歌山県 )
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、和歌山県では、地域において発熱などの症状のある人が適切に診療・検査を受けられる体制を整備するため、発熱患者の診療および検査が可能な医療機関を「診療・検査医療機関」として指定した。11月1日から運用を開始する。
同時流行による発熱患者の急増を見据え、国は9月、保健所中心だった従来の方針を転換。都道府県に、10月中に地域の実情に応じ、かかりつけ医などの医療機関を確保し「診療・検査医療機関」に指定するよう要請していた。
要請を受け、県は▽発熱患者等が新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者と接触しないよう、可能な限り動線が分けられている▽必要な検査体制が確保されている▽医療従事者の十分な感染対策を行うなどの適切な感染対策が講じられている▽県または和歌山市と行政検査の委託契約を締結している▽院内掲示を行う等、自院のかかりつけ患者等に対して、発熱等の症状が生じた場合には、電話で相談した上で、自院で診療・検査可能である旨を周知する―の要件を定め、申請を受け付けていた。
県が新たに診療・検査医療機関に指定した民間医療機関は280カ所。指定された医療機関は発熱患者の診療体制の確保に必要な経費に対する補助金や個人防護服の配布対象となるほか、発熱患者など専用の診療室を設けて患者を受け入れる体制をとった場合、その体制確保に要する経費の支援が国から受けられる。
今後は、発熱などの症状がある場合にはまずは電話でかかりつけ医に相談をする。かかりつけ医が指定を受けていない場合は指定医療機関への紹介が受けられるという。
(2020年10月31日付紙面より)
和大オンライン塾始める (串本古座高校地域協議会 )
串本古座高校地域協議会が28日、同校の生徒を対象にした「和歌山大学オンラインくろしお塾」を始めた。ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って大学生と高校生の学び合いを形にする取り組みで、同高校からは1、2年生8人が受講登録し2学期中の毎水曜日放課後にオンライン授業などに臨むという。
地方は都市圏ほど大学が身近ではないという不利の状況緩和策として前年度、単発企画「出張!和大くろしお塾」を実施して生徒と大学生がじかに情報交換できる場を設けた同協議会。今後の場の継続を考える中でインターネットを使えばより多くの機会をつくれると気付き、「和歌山大学オンラインくろしお塾」の実現を模索してきた。
他方、コロナ禍の情勢に伴い通信端末(タブレット)の整備が全国規模で急進し、同校でもオンライン授業実施のための環境が図らずして充実。これを追い風にして情報教育に得手がある和歌山大学教育学部の豊田充崇教授の監修を得て実施内容を固め、校内塾「くろしお塾」を通して生徒に受講を呼び掛けた。
この日はオンライン授業の前段階として対面授業を実施。講師を務める同学部3回生の畑屋蓮さんと栗生菜名さんが来校して生徒と自己紹介をし合い、大学生活や高校時代の学習、受験対策や日頃の学習方法、それぞれの特技などで情報交換をして互いに親近感を培った。終盤では通信端末を使い同システム越しで豊田教授が指導を行い、大学を身近に感じる機会としてこの取り組みがあることを学生と生徒に伝えて共に実りのある機会とするよう促しながら締めくくった。
校内塾の酒井豊塾頭によると、以降12月9日(水)まではオンライン授業を実施し、生徒は英語と数学の問題解説などを受け学生との情報交換もより深める。最終となる16日(水)は再度対面授業をし、オンライン授業の取り組みを振り返りながらより身に付く学習の助言をする予定という。
(2020年10月31日付紙面より)
ニュータウン熟年クラブ (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブ(峰武久・東熟年クラブ会長、角本聖洋・西熟年クラブ会長)は27日、同町内を巡る初の「まちなかウオーク」を開催した。晴天の下、会員34人が参加。景色や町並みを見物しながらウオーキングを楽しんだ。
同クラブは健康増進のために、熊野古道などを歩く「健康ウオーキング」などに取り組んできた。今回は自分たちが住んでいる町や名所を知るために、まちなかでのウオーキングを実施することとなった。
会員はお蛇浦(じゃうら)遊歩道周辺に集合し、記念撮影後に弁天島やお蛇浦遊歩道を見物し出発。勝浦八幡神社横を通り入船館(いりふねかん)へ。その後は高台の防災公園で食事を取り、ビン玉通りを歩きさらに周辺を散策した。
参加した同町狗子ノ川の西岡稔さんは「実際に歩くと改めて那智勝浦町の素晴らしさに気付いた。天気も良く、34人全員が無事で全ての行程で快適に過ごすことができた。今日のおかげで、皆さん若返ったかもしれない」と笑顔で語った。
峰会長は「今回は入会後、初めて参加される方も喜んでくれて良かった。地元を全く知らないと言う方もいたので充実した一日になったと思う」。
今後については「良い町をつくっていくには自分たちの住んでいる町を知ることが重要だと思う。これからのまちなかウオークでは町を学びながら、お店で買い物や食事をして、町の経済活性化にも貢献していきたい」と話した。
(2020年10月31日付紙面より)
総合スポーツ大会グラウンドゴルフ (ゆうゆうクラブ )
県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会
【第23回】楽食のススメ
健康的な食事に関する情報は、今あふれています。糖質制限や、腸活、グルテンフリーにビーガンフードなど、あらゆる側面から健康的な食事に関するさまざまな情報が簡単に手に入りますよね。子どもたちを取り巻く食事にも、オーガニックや無農薬・無添加などの食材が脚光を浴びています。ただ、食事は毎日のこと。「こうじゃないとダメだ!」と決めてしまっては、本当に疲れてしまいます。では、子どもたちを健やかに育てるために、本当に大切なのはどんな食事なのでしょうか? どれだけ体が健康でも、イライラしていたり、体がだるかったり、気力がないと心配になりますよね。やはり、心と体がどちらも元気で、生き生きと前向きな子でいてほしいものですよね。結論から言うと、子どもを健やかに育てる食事は「何を食べるか」ではなく「どんな雰囲気で食べるか」が大切なんです。
家族で食べる食事が、子どもの健康にどう影響するかを調べた研究があります。この研究は、「食事の質」「家族そろった食事」「食卓の雰囲気」などと、子どもの「心の健康状態」との関係を調べたものです。「心の健康状態」の中には、「学校に行くのが嫌になることがあるか?」という登校忌避感や、「自殺したいと思ったことがあるか?」という自殺念慮なども含まれています。「食事の質」には、皆さんが思うインスタント食品やファストフードなどを頻繁に食べるか?などが含まれいます。中学生573名を対象に調べた結果、「『自殺念慮』や『登校忌避感』には『安らぎの場である食卓に家族がほとんど毎日そろうこと』が効果を持つということである」(東洋英和女学院大学人間科学部「食事の質、共食頻度、および食卓の雰囲気が中学生の心の健康に及ぼす影響」、2001年)と記されています。「食事の質」が影響したのは「根気のなさ」という1項目だけだったともあります。つまり子どもの心の健康状態に影響するのは「何を食べるか」ではなく、「どんな雰囲気で食べるか」ということなんです。子どもたちにとって、食卓は自分が安心してくつろげるとても大切な場所で、そこで家族と楽しくコミュニケーションをとることは、精神的な安定に大きく影響するということです。そうは言っても、忙しくてなかなか家族そろって、食事が取れないというご家庭もあると思います。でも大丈夫、その安らぎの場は、食卓でないといけないわけではありません。食卓以外の場でも家族間でしっかりとコミュニケーションが取れていて、家庭が安らぎの場であればそれでいいんです。子どもたちは、大人が自分たちを気に掛け、受け入れ、認めてくれているという状況に安心し、自尊感情や自己肯定感を高めていくんだと私は考えています。
食事の内容ももちろん大切ですが、それよりも、食事の時間に余裕を持ち、その雰囲気を楽しいものにしてあげてほしいと思います。楽しい食卓は子どもだけではなく、きっと私たち大人の心も穏やかにしてくれると私は信じています。
(2020年10月31日付紙面より)
近大附属中学校3年生が (新宮市 )
紀の国緑育推進事業を利用した林業教室が29日、近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の中学3年生47人を対象に実施された。生徒たちは間伐体験や原木市場・製材所見学、木工教室を通じて熊野材が製造される工程を追い、ふるさとの森林や産業への学びを深めた。
この事業は、県内の豊かな森林や林業、環境問題への関心を高め、森林を守り育てる意識を育むことを目的に行われており、同校では2年目となる。新宮・東牟婁地方で林業・製材業・運送業を営む若手経営者で構成する紀南木材新緑会の野中亮伸会長ら3人と、熊野川町森林組合(田中多喜夫代表理事組合長)が指導に当たった。
同校で行われた講義では野中会長が講話。「全国の市町村の中で、新宮市の森林率は90・6%で第2位」と話し、木材業の隆盛で経済的・文化的に発展した新宮市の歴史を写真で紹介。森林の持つ▽水を蓄える▽生物のすみかとなる▽空気をきれいにする―などの効果を発揮させるために森林の適切な管理・整備と伐採・利用が必要と述べ、林業の重要性を強調した。
間伐体験では直径15㌢のスギを伐採。熊野川町森林組合の職員から木の選び方や伐倒方向を決める受け口・追い口の入れ方を学び、使い慣れないのこぎりで切り倒した。
森本新奈さんは「のこぎりは思ったよりも力が必要だった。すんなりと切っていく森林組合の方々は職人技。さすがプロだなと思った」。谷口優依さんは「最初は真っすぐ切れなかったが、途中からすっとのこぎりが入るようになり、楽しかった」と笑顔で話していた。
午後からは新宮市あけぼので、木材の競りを行う㈱新宮原木市場や丸太を製材する板美商店、木材にホゾ・仕口などの加工をする新宮木造住宅協同組合の工場などを見学。木工教室では木のパズル制作や木組みをして木に親しんだ。
(2020年10月30日付紙面より)
ユズ果実の搾汁作業始まる (古座川ゆず平井の里 )
古座川町平井にある農事組合法人古座川ゆず平井の里(羽山勤代表理事)の出荷場で28日、ユズ果実の搾汁作業が始まった。今年は法人全体で約140㌧の収量を見込み、うち状態がいい果実約10㌧は生果として団体所属する紀ノ川農業協同組合へ出荷。残りを搾汁するという。
昭和30年ごろに始まり町内へ広まったユズ生産。同法人は生産者の共同体として平成16年に発足し、現在は95人が組合員となり果実を集荷している。
羽山代表理事によると、今年は70戸が集荷する予定。この日は初日とあって生果用と搾汁用合わせて約10㌧の集荷があり、搾汁用をさっそく地域おこし協力隊など若手の手伝いを得ながら順次洗浄、搾汁した。風味が異なる果汁を意図的に得るために最近は完全に色づく直前の果実も集荷。今は若干青みが残る果実の搾汁をしていて、後にほぼ色づいた果実の搾汁もするという。
搾汁後の果実のうち皮がきれいなものを加工用として取り分け、残りは堆肥化して畑に返すなど無駄を出さない工程で作業を重ね、11月末までに今年分を搾り切ると意気込んでいる。
果汁は大口への出荷もするが、同法人もさまざまな特産品に加工して販路に乗せている。集荷の時期を迎えて羽山代表理事は「全体的にやや小ぶりな印象だが量があり、平年並みの収量を見込んでいる。今年はコロナの影響で加工品の需要が少なく販売が厳しいが、ひるまずに少しでもいい香りを届けるという思いで頑張りたい」とコメントし、出荷先での愛好を願っていた。
(2020年10月30日付紙面より)
11月1日、フラなど動画配信 (ALOHANA くまの )
「ALOHANA くまの実行委員会」(向井里江実行委員長)は28日、熊野市役所で会見を開き、フラやタヒチアンダンス、ウクレレなどをYouTube(ユーチューブ)で配信すると発表した。時間は11月1日(日)午前11時から翌2日(月)午前11時まで。多くの視聴を呼び掛けた。
「ALOHANA くまの」は例年、御浜町のふれあいビーチやしの木広場で開催され、南国ムードいっぱいの踊りや演奏で親しまれてきた。今年は新型コロナの影響で中止。代わりに動画配信を決め、毎年出演してきた個人や団体に協力を呼び掛け、寄せられた動画を2時間に編集。出演は13団体で、熊野鬼城太鼓や那智勝浦町のギタリスト濱口祐自さんの名も。熊野市や那智勝浦町の自然も多く登場する。
向井実行委員長は「映像を通じて笑顔を届けたい」と話す。動画は「アロハナくまの」で検索すればよい。
(2020年10月30日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は29日、那智勝浦町宇久井の熊野古道「大狗子(おおくじ)峠」などの整備に取り組んだ。会員12人が参加。以前から補修作業に取り組んでいる道を補強したほか、周辺の清掃活動に汗を流した。
同会は古道の整備や景観美化のためにボランティアでさまざまな活動に従事している。
この日、会員は雨で道や土が流れてしまわないように溝を掘って周りを石で固めたり、ハンマーで木や竹を打ち込んで土留めを設置した。枯れ木を拾い、徒歩の邪魔になる石などを除くなど美化にも努めた。また、埋まっていた石を掘り起こすと広い石段が現れ、古道に花を添える形となった。
太田代表は「今日、整備した土や石がなじんで、落ち着いてくれたら道も良くなると思う」。
会員からは「これだけきれいになったのだから、大狗子峠も世界遺産になってもらえたら」と話した。
(2020年10月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
千歳連合会初のグラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
新宮港でテロ対策訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(会長=鈴木伸幸・東牟婁振興局新宮建設部長)は27日、同港三輪崎4号岸壁で令和2年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、新宮市、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロに対する水際での連携体制を強化した。
新宮港では、約1年ぶりとなる「飛鳥Ⅱ」の入港を来月15日(日)に控えており、以降も続けてクルーズ船が寄港する予定となっている。
訓練は、今後増えると予想される客船の入港や、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見越し、テロ事案に対する関係機関の対応の相互確認や、連携強化により的確に対応するための取り組み。▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内からの拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生と消火―の5項目を想定し実施した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートが発砲。海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕に至るまでを訓練した。
鈴木会長は、同港に外航船や貨物船、クルーズ船などが多数入港しており、地方港湾ではあるが「国際航海船及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づく対応が必要な港湾と説明。東京オリ・パラでは国際的な注目が増すことでテロの脅威も増大すると述べ「この日の訓練がテロ対策の重要性と必要性を再認識し、相互組織のつながり強化に寄与するものを期待している」と述べた。
新宮港公安危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は「コロナ禍でさまざまなイベントが中止となる中、国際テロ組織の過激思想の影響を受けた者によるテロの可能性は否定できず備えは常に必要な状況」とあいさつ。水際対策はテロ対策の要であり、関係機関が連携を強化し続けることが重要と呼び掛けた。
訓練後には、副担当官の小畑博昭・新宮警察署長が「水際で不審者をあぶり出しその場で制圧・逮捕するなど、実践さながらの訓練であり、各機関の連携が確認できる内容で非常に心強く感じた」と講評。
「テロを未然に防ぐためには絶対に新宮港からテロリストやテロに使用される物を入れないという強い姿勢で挑む気持ちが必要。関係各機関のより一層の連携強化と対処能力の向上を」と呼び掛けた。
新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
(2020年10月29日付紙面より)
県内の修学旅行生が増加 (ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育棟で27日、プール清掃があり、ウミガメサポーター8人と飼育員らが作業に汗を流した。
今年はコロナ禍での修学旅行の行き先を県内に変更する学校が多く、ウミガメ公園には三重県内から多くの修学旅行生が訪れているという。
きれいなプールで修学旅行生を迎えようと清掃を実施。プール内の水を抜き、壁や床の汚れを落とした後、ウミガメ6頭の甲羅を磨いた。2時間ほど作業し、参加したサポーターは「きれいになったウミガメを多くの人に見てもらいたい」と話していた。
同公園では、ウミガメが健やかに暮らせる飼育環境を維持するため「ウミガメサポーター」を募っている。2013(平成25)年から始まり、これまで457人が登録。協賛金3000円で半年間、5000円で1年間サポーターとして認定される。
会員になればウミガメサポーター認定証が交付されるほか、希望すれば飼育プールの壁面に名前やグループ名の名札を掲示することもできる。問い合わせは、ウミガメふれあいパーク(電話0735・33・0300)まで。
(2020年10月29日付紙面より)
県立串本古座高校(左近晴久校長)の1年美術選択生25人がこのほど、共同作品「ゲルニカ」を仕上げた。来月実施の第16回串本町民総合展に出品するそうで、「本年度は文化祭がないので、この機会に大勢の皆さんに見てもらえれば」と同展期間中の鑑賞を呼び掛けている。
この作品制作は、前年度から同校の美術科を担当する西浦元康講師が生徒に作品発表の実感を託すために計画。油彩画の勉強を兼ねて6月に画家パブロ・ピカソが描いた作品「ゲルニカ」を解説し、以降生徒は手分けしてF10のキャンバス28枚に部分模写して組み合わせ実物の約4分の1の大きさ(約縦180㌢、横約370㌢)となる共同作品を仕上げたという。
西浦講師は「ほとんどの生徒が油絵の具を扱うのが初めて。悪戦苦闘しながら完成までこぎ着けた」と製作の様子をコメント。
生徒の猪村凌君は「色の濃淡をつける感覚が今まで使ってきた絵の具と違って難しかった。共同作品なのでみんなで合わせないと作品がおかしくなってしまうなと思い、そこは丁寧にしようと心掛けた」と挑戦を振り返り、「作品は一つだけど組み合わせる一枚一枚にみんなの個性が出ている。町民総合展ではその部分まで見てほしい」とアピールした。
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1年美術選択生と共に、2年美術選択生10人は油彩の点描画(F3)、3年美術選択生はアクリル絵の具のイラストデザイン(B3)を出品する予定。共同作品と合わせて鑑賞してもらえればと呼び掛けている。
第16回串本町民総合展は来月6日(金)から8日(日)までの3日間、町立体育館と文化センター、串本いやしの会展示場〈合同参加〉で開かれる。開場時間は午前9時~午後4時30分で、入場無料、随時受け付け。同校の作品は同センターB会議室に飾る予定となっている。
(2020年10月29日付紙面より)
和傘の灯りin西村伊作記念館 (11月1日まで、ライトアップイベント )
新宮市新宮の旧西村家住宅(西村伊作記念館、重要文化財)を和傘のライトアップで彩る「和傘の灯りin西村伊作記念館」が27日から始まった=写真。約100本の和傘が同館を照らし、訪れる人々の目を楽しませている。
新型コロナウイルスの影響で閉鎖的になっている気持ちを少しでも和らげることと、インスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で発信することにより市の文化的魅力の周知を図るために新宮商工会議所青年部(新宮YEG)が企画。今年リニューアルオープンした同館の文化的背景や歴史を発信する機会へとつなげる目的もある。
新宮YEGは昨年にも地域活性化事業として「あえかなる城」を開催。新宮城を舞台に展開された水野家入部400年記念イベントに彩りを添えた。
イベント初日のこの日には、多数の親子連れや夫婦、写真愛好家らが訪れ、一眼レフカメラやスマートフォンを手に写真撮影。「きれいだね」などと感想を口にしていた。
寺前砂和会長は「柔らかい和傘の灯りで、少しでも癒やされていただければ」と来館を呼び掛けている。
ライトアップは11月1日(日)までの午後6時~9時(最終日は8時まで)。コロナ感染予防のため、マスク着用と会場入り口では手指消毒を。体調が優れない人は来場を控える。新宮税務署前の駐車場が利用可能。
(2020年10月29日付紙面より)
総合スポーツ大会ソフトテニス (新宮市老連 )
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は22日、市役所別館で令和2年度第4回生涯現役スキルアップセミナー「御燈祭(おとうまつ)り『たいまつづくり体験』」を開催した。垣下正義さんが講師を務め、6人の参加者が「御燈祭り」に欠かすことのできない「たいまつ」作りに挑戦した。
セミナーは市在住55歳以上の中高年齢者が対象。和歌山労働局の受託事業として、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、当日の2月6日には全国から大勢が「上(あ)がり子」として祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
たいまつはヒノキの板を五角錐に組み合わせ、針金や竹ひもなどで固定。柱状部分の空洞に「バタ」と呼ばれる木切れを入れ、ヒノキを薄く削った「ハナ」を付ける。
垣下さんは新宮生まれ新宮育ち。同市相筋で垣下建築を営む。毎年、本業の傍らたいまつを制作しており、今年は約150本を作り上げた。制作に当たっては「簡単なように思えるが時間と手間がかかる」と紹介。
参加者らは垣下さんの指導の下、手縄の作成からスタート。5枚の板を組み合わせたいまつの形に。結束バンドで仮固定し、針金などを使って組んでいった。「バタ」を入れ、最後に80枚の「ハナ」を付けて完成させた。
セミナーに参加した尾﨑禅さんは「初めての経験で汗をかいたが満足しました。自分の作ったたいまつを持って祭りに参加できる日が楽しみ」と笑顔で話していた。
(2020年10月24日付紙面より)
串本町が22日、役場町長室で本年度観光フォトコンテストの表彰式を開き入賞作品17点を発表した。グランプリは作品「串本大橋夕景」で、撮影者の吉田正洋さん(73)は「この作品が選ばれるとは思っていなかったのでびっくりした」と話している。
このコンテストは、観光PRに活用する写真を広く募集する目的で例年実施。10回目の節目となる本年度は町内外の43人から221点の応募があり、先月25日に審査会を開き田嶋勝正町長ら審査員の選考で入賞作品候補17点を決めた。
各撮影者から原画(画像データ)の提出を受けて入賞を確定し、グランプリ・準グランプリ・審査員賞の各撮影者に表彰式への参加を呼び掛け。当日は吉田さんと審査員賞の長谷洋さん(54)が出席し、田嶋町長からじかに表彰を受けた。
吉田さんの作品は、9月にボランティアで草刈りなどの管理をしているポケットパーク下の磯場から夕暮れ時のくしもと大橋を捉えた内容。この光景は何年も通って挑戦していて、さらにいい瞬間があると気づいていてこの作品では選ばれないと思っていたという。
表彰するに当たり田嶋町長は「見慣れた景色が見る時間帯や角度によって素晴らしい物になるといつも感じている。これからも串本の再発見ができるような写真を応募いただけるとありがたい」とコメント。
表彰を受けて吉田さんは「年がいって『えらいなぁ』と思うこともあるが、まだまだ頑張らんといかんなという思いになった」、長谷さんは「このコンテストでの入賞は連続3回目で光栄に思う。(最近は)見るだけでなく体験しようと思ってもらえるような作品を意識していて、これからも同じ思いで挑戦していきたい」と気持ち改まるところを語った。
入賞した作品17点は23日から30日(金)まで文化センターで、以降は道の駅くしもと橋杭岩で展示予定。諸事情で発表が例年より遅れたが、11月末までに来年の観光カレンダーの発行を始められるよう努めるとしている。
(2020年10月24日付紙面より)
なぎ看護学校で看護宣誓式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の和歌山県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)は22日、同校で看護宣誓式を開いた。今年4月に入学した1年生36人が看護師の道を歩む決意を新たにした。
宣誓式は専門的な知識や技術を学ぶ中、有能な看護師を志す自覚を深めてもらうことを目的に毎年実施している。
点火の儀では、厳粛な雰囲気の中、学生が1人ずつろうそくに火をともし、グループごとに舞台に整列。9グループに分かれて「私たちは患者さんのことを第一に考え、心の声に気付き、患者さん一人一人を思った看護ができる看護師になることを誓います」などと宣誓した。その後、学生はそれぞれの思いを胸にナイチンゲール誓詞を唱和した。
塩路校長は「繰り返し経験をすることで現場の実践力が身に付くと信じてください。今日誓った言葉とこの日の思いを忘れることなく、自分の目標にまい進してください」と式辞。続いて、新宮保健所の池田和功所長が仁坂吉伸知事の励ましの言葉を代読した。
来賓で紀南病院(御浜町)の廣畑靜(しづ)看護部長は「皆さんが看護師になることをご家族だけでなく、多くの人々が心待ちにしていることを忘れないでください」と祝辞を述べた。
在校生代表の羽山高史さんは「思いやりを持ち、患者さんの声に耳を傾け理解しようとすることで、信頼関係の構築や寄り添った看護につながる。困難は仲間と助け合い乗り越えてください。今日誓った自身の看護師像に一歩でも近づけるよう共に頑張っていきましょう」と祝いの言葉を贈った。
(2020年10月24日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦町総合体育大会バドミントン大会
新宮市民スポ祭弓道競技の部
熊野速玉大社「新宮の速玉祭」
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が執り行われ、16日には神輿渡御式(みこしとぎょしき)と御船祭(みふねまつり)が営まれた。
例年なら「わっしょい」の掛け声とともに市内を巡行する神輿渡御。今年は新型コロナウイルス感染症拡大予防のため小神輿を使用。神馬(しんめ)に乗った「一ツ物」に先導され、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神遷(うつ)し場に。
熊野大橋上流の「神遷し場」で朱塗神幸用船に遷され、諸手船(もろとぶね)、供奉船とともに御船島に向け出発。漕手の密集密接を避けるため早船競漕(きょうそう)が中止となる中、古式ゆかしく御船島を廻(まわ)った。
その後、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)では、「神輿所」に設けられた杉ノ仮宮で、前日同様に御旅所神事が営まれた。
祭りを終え、上野宮司は「コロナ禍での神事となったが昔と変わることなく伝えていくことをわれわれも真剣に考え、いろいろな方々の協力の下、無事に斎行することができた」と感謝。
「早船競漕もなく、遠方から参列していただくこともかなわなかったが、連綿と続く神様の渡御を滞りなく行うことができた」と話していた。
(2020年10月18日付紙面より)
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会 (那智勝浦町 )
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)は16日、同町勝浦の海のホテル一の滝で、初となる「大辺路観光マップ制作検討会」を開催した。町内のJR各駅を拠点とした「駅近お散歩マップ(絵地図)」と熊野古道大辺路の「各駅発着ルート案内マップ」の制作などに向け関係者らが集まり、議論を重ねた。
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世界遺産・熊野古道「大辺路」の観光客受け入れのための基盤整備と機能強化に取り組み、都市と地域の交流活性を行うことを目的に先月25日に発足した。
▽大辺路の歩行環境、自然景観づくり▽大辺路歩行ルート、観光資源などの情報発信▽大辺路の観光拠点であるJR駅の有効活用▽大辺路の魅力を体感・PRできる催事実行▽その他協議会の目的の達成に必要な活動―などに関する事業を行う。
メンバーは「一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)」「串本町産業課」「那智勝浦町観光企画課」「南紀串本観光協会」「なちかつ古道を守る会」「熊野古道大辺路刈り開き隊」「熊野那智ガイドの会」で構成。西日本旅客鉄道株式会社、KNT―CTホールディングス株式会社、株式会社和歌山リビング新聞社、有限会社マインド、株式会社新宮看板広告、株式会社ノットワールド、インター・セッション有限会社と協力連携し、事業目的の達成を目指す。なお、事業費は2000万円で、協議会自体は単年度間の活動となる。
同協議会のプロジェクトマネージャーを務め、NACKTの観光資源の磨き上げを担当する齊藤滋さんは「1年後、結果によっては継続していく可能性もある。串本、勝浦の連携に太地も加わるような取り組みの下地になれば」と話した。
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齊藤さんは那智勝浦町と串本町の駅には世界遺産や大辺路の紹介が見受けられないと指摘。観光情報発信に含め、Wi―Fi(ワイファイ)サービスなども充実しているすさみ町の駅を例に挙げ「勝浦にもできる。見どころも多いので駅から駅を歩いてもらいたい」と述べた。
また、那智勝浦町と串本町が連携して取り組むことが要と主張。両町の熊野古道には付近に国道42号やJRきのくに線があることから「駅からウオークができることがみそ。今事業では駅を拠点とします」と述べた。さらに両町間の駅のうち14駅にはトイレがあることも大きいと続けた。
観光客などが駅周辺の観光案内や大辺路が楽しめるようにルートを記した「駅近お散歩マップ」と、JRの各駅に大辺路までのルートなどを示した「各駅発着ルート案内マップ」の設置をするとした。駅近お散歩マップは絵地図作家として活躍する植野めぐみさんが会員らの地域の情報を基に制作する。
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同協議会では最終的にこの地域が滞在型観光地となることを目指しており、公共交通機関の利用促進を促すことで地域においての交通基盤の整備にもつながることを視野に置いている。
齊藤さんは誘客多角化・滞在促進事業として外国人や報道陣を招待して魅力を発信するファムトリップや浦神地区の伊勢エビをテーマとしたオンラインツアー、30人ほどの規模の参加者で来年2月に予定している大辺路ウオークモニターツアーなどの事業により、誘客多角化の実証実験を行うと説明した。
世界遺産の熊野古道が通っていない太地駅についてルートに組み込むべきかの議題が挙がった。出席者からは「太地の道の駅もあり、太地駅には特急も止まる。国交省としては拒むことはないはず」「ここはこだわるところではない。観光機構(地域を巻き込むことが定義)なので」と回答があった。
また、各地域の情報収集を進めるとともに交通安全の簡易看板設置についても検討が必要であるとした。
(2020年10月18日付紙面より)
生徒会役員らが啓発活動 (紀南高校 )
紀南高校生徒会と紀宝警察署、紀宝地区防犯協会は16日、御浜町阿田和のパーク七里御浜で合同の広報啓発活動を実施。買い物客に生徒たちが特殊詐欺や住宅対象犯罪の被害防止を呼び掛けた。
生徒会は2010(平成22)年から防犯ボランティア団体として活動を続けており、この日は平山歩夢会長ら役員4人が参加した。
活動は全国地域安全運動の一環。同署は「住宅侵入犯罪の被害防止」を重点に掲げている。防犯ボランティアのベストを着用した生徒たちは、侵入犯罪の手口や対策をまとめたチラシと啓発物品を買い物客に配布。一人一人に「鍵掛けをお願いします」と伝えた。
住宅への侵入は▽ドアのこじ破り▽ピッキング▽サムターン回し―など多種多様な手口がある。一方で、窃盗犯は侵入に5分以上かかると7割が諦めるというデータがあり、自宅の防犯は施錠が重要だという。
同署管内では今年に入り、空き巣など8件の被害が発生しており、生活安全刑事課の一海孝治警部補は「空き巣被害は無施錠がほとんど。外出時の施錠を習慣付けてもらいたい」と話していた。
(2020年10月18日付紙面より)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の神馬渡御式(しんめとぎょしき)が、15日午後から営まれた。主神の熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊を上野宮司が懐に抱き、弓、剣などの神宝を手にした神職が神社関係者らと共に阿須賀神社へと向かった。
例年なら多くの参拝者が列をなし、まちなかを練り歩く神馬渡御式。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、参列者を例年の5分の1程度とし、順路を短縮して斎行した。
阿須賀神社での神事後、御神霊を神馬に奉安して熊野速玉大社へと還御。本殿に奉安して神事を行った後、再び御神霊を神馬へと遷(うつ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へと渡御した。御旅所では、「杉ノ仮宮」に御神霊が遷されると、神子が「鈴剣の舞」を舞って御神霊を鎮めた。
その後、熊野権現が新宮鎮座に向かう途中に大島地区の権現島で休憩を取ったという伝承に基づき、串本町大島地区の代表と水門(みなと)神社総代により献上された権現島周辺で捕れたタイとススキの穂、「オミタマ」という特別な神饌(しんせん)などが供えられ、赤々と燃え盛るたいまつの明かりを受けて、上野宮司が神恩感謝、皇室、国家の安泰と世界平和への祈りをささげた。
今年の神子は、神倉小学校4年の石原凜さんと前川真由さんの2人が務めた。
(2020年10月17日付紙面より)
近隣住民に説明会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は14日夜、同町勝浦のコミュニティ消防センターで町立勝浦小学校敷地内の高台造成に関する説明会を開いた。勝浦4区の住民を対象に工事概要の詳細などを説明した。工事は同校正門側の門柱から校舎やグラウンドへ続く坂道(通称・登校坂)までの区間に約8300立方㍍の土を入れ、2㍍かさ上げするもので、工期は来年の夏休み期間中の約40日を予定。なお、予算は現段階で6500万~7000万円ほどを見込んでおり、12月定例会に上程される。
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説明会には同町総務課防災対策室の寺本斉弘室長や建設課の井道則也副課長ら3人が出席した。
建設課によると、同町の那智漁港内の町有地に保管している2011年9月に発生した紀伊半島大水害時に出た土と駿田山に建設中の消防・防災センターの工事でできる残土をかさ上げに使用するという。同センター分の残土は同町勝浦の元・栽培漁業センター跡地に一時的に保管される。
造成後は避難した住民などが有効に使用できる4000平方㍍の平地となる。その後、アスファルト舗装が施されるが、舗装区間は門柱から登校坂までの延長約130㍍、幅約6㍍となり、工期などは現在未定とした。
また、工事を実施する上で、現存の両側溝は使用できなくなるため新たに側溝を新設する。敷地内のプールは工事後、造成された道ののり面付近に位置しているため、雨水流入の可能性もあることから側溝などの設置も検討しているという。
寺本室長は「かさ上げすることで発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波から避難する際に3分ほどの時間が短縮される」と話した。
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残土搬入時には正門側周辺の道路の幅員が狭いなどの理由から校舎のある大勝浦側からの搬入になると説明。大型車両がグラウンドへ円滑に通行できるように盛土と舗装を行い、搬入経路を確保するとした。
高台造成前のこの準備工事は来年1月から3月までを予定。この工事により、有事の際は自衛隊などの大型車両の乗り入れも可能になると解説した。
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町民からは「敷地内の滑り台はどうなるのか」「夜間は薄暗いので街灯を設置しては」「現在でも溝に土がたまることがある。盛土をするともっとたまる土が増えるのでは」「工事する敷地内は通園くじらに子どもを迎えに来る親御さんもいるが工事期間中は車は止められないのか」などと質問が上がった。
町職員は「滑り台は近隣の公園に移設する」「街灯は設置する予定」「工事期間中には溝掃除もさせていただく」「期間中は駐車できない」と回答。
井道副課長は、今後も関連する地区で同様の説明会を開くとし「隣接する通園くじらさんのお昼寝時間の間は作業員の休憩時間に充てさせていただく。皆さまのご協力や理解がないと工事を進めることはできない。お気付きの点があればなんでも言ってください」と締めくくった。
(2020年10月17日付紙面より)
体成分分析の結果説明会 (串本町 )
串本町地域保健福祉センターで14日、町職員を対象にした体成分分析装置による計測結果の説明会があり、保健師など専門職と計測済みの一般職計14人が健康指導のプロから結果の受け止め方を教わるなどした。
この装置は国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、地域での運動機会が減少する中での自身の健康状態を把握し、家庭での運動機会を増やす足掛かりとして導入。以降、本運用を始めるまでの試行として町職員に自身の健康状態把握を兼ねて計測の協力を呼び掛け、同日現在で約40人が計測結果を得た状況にある。
この説明会は、同装置を主に運用する専門職が結果に基づく健康指導をするに当たっての要領を得る研修として計画。この機に一般職にも結果を振り返りセルフメディケーションの意識をいっそう高めてもらおうと考え、それぞれに参加を呼び掛けたという。
この日は地域包括支援センターが展開する介護予防教室「ころころ教室」の講師を務める理学療法士・原井祐弥さんに模範指導を依頼。原井さんは結果表に示されたさまざまな項目を注目すべき順で一通り取り上げ、プロの目で見た数値の捉え方と数値相応に必要となる指導例を解説した。
一般職に参加を呼び掛けた理由の第一義はセルフメディケーション意識の向上だが、他方では計測経験をしっかりと託して同装置の実感を高め、町職員として日々接している町民に推奨してくれたり計測を手伝ってくれたりする仲間を一般職の中に増やして町民により広く計測の裾野を広げられたら、という思いもあるそう。
勤務時間中の実施で結果を得ている一般職全員が参加とはならなかったが、専門職が指導の要領を習得しているので未参加の一般職については今後、専門職が指導の練習を兼ねて説明対応をしていくという。
(2020年10月17日付紙面より)
熊野川小・中が川舟下り (新宮市 )
新宮市立熊野川小学校(山本佳人校長)の5、6年生8人と熊野川中学校(吉田元紀校長)の3年生6人は15日、川の参詣道として世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録されている「熊野川」の川舟下りを体験し、初めて見る川からの風景を楽しんだ。
本年度初の取り組みで、児童・生徒に地域の良さ、熊野川の素晴らしさを学んでもらうことが目的。多くの船頭が所属する地域住民組織「チームくまのがわ」や熊野川行政局など地域全体が学習を支援している。
川の参詣道は皇族や貴族たちが熊野本宮大社へ参拝した後、熊野速玉大社へ向かうために利用した道。川舟事業は2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されたことをきっかけに、翌年9月から開始された。
道の駅「瀞峡街道熊野川」近くの河原から出発した児童・生徒は、巨岩・奇岩や滝、御船島など見て、平安時代の参詣を追体験。語り部の案内を聞きながら熊野川河口の権現河原までの16㌔を旅した。
峯園なのかさん(中3)は「貴重な体験ができた。滝や岩の名前など、知らないことがたくさんあった」。中本陽晴君(小5)は「岩や木から生命力を感じた。家族にも今日の川舟下りのことを紹介したい」と話していた。
(2020年10月17日付紙面より)
【第22回】嫌いなものを食卓に
皆さんは、子どもが嫌いなものを食卓に出しますか? 私が、周りのお母さんからよく耳にするのは、「主人も子どもも食べないから〇〇は買わない」というお話です。確かに、自分しか食べない食材を料理するのは合理的ではないですし、無駄な出費にも思えますよね。ただ、私はあえて1品だけでも、子どもが嫌いなものを出していただきたいと思っています。無理に食べさせるということか!?と思われそうですが、決してそうではありません。食べられないならそれでもいいんです。ただ、おいしそうにその1品を食べる姿を、お子さんに見せてあげてほしいんです。
私は幼い頃、セロリが嫌いでした。でも、私以外の家族は目の前でポリポリと、セロリスティックに塩をつけて、「おいしい」と食べていたんです。子どもの頃は「信じられない」と思いながら見ていましたが、ある程度の年齢になると、「ほんとだ!こんなにおいしかったんだ!」と気付いたのです。それからはセロリが大好きになりました。嫌いな食べ物も触れる機会が多いものや、身近なものは克服しやすいといわれています。だから、嫌いなものをあえて、食卓に出して、「味見だけしてみたら?」とか「一口だけ食べてみたら?」「すごくおいしいよ」と声を掛けてみてください。それでも食べなければ「おいしい!」と言いながら食べる様子を見せてあげてください。「おいしそうに食べていたな~」という記憶が、「もしかしたら、おいしいかもしれない」「私にも食べられるかもしれない」という気持ちにつながるかもしれません。
味覚の研究論文にこんな記述があります。「口腔(こうくう)や咽頭で味を感じる味蕾(みらい)の数の増加のピークは学童期までで、その後は減少するといわれている。したがって幼児期から学童期にかけて、多くの種類の食材や料理を味わう経験を積み重ねることで味覚は発達する。また、好き嫌いは食経験による慣れ親しみが影響するため、幼児期や学童期に、日々の食卓で親兄弟や祖父母と一緒に食事をすることで、新奇な食物への警戒心が和らぎ、子供たちはいろいろな食材を口にするようになると報告されている」(大阪府立大学「だしの嗜好と子供の頃および現在の食習慣との関係」、2010年)。つまり、子どもが嫌うような食材を食卓に出すことは、好き嫌いの克服につながる可能性があるということですよね。味は嫌いでも、親しみのある食材にすることで、成長してから食べるハードルが下がるというわけです。
「嫌いだ」と言ってから一度も食卓に上がらず、食べる機会がなかった食材より、食卓に上がっていた食材の方が、もう一度試してみようと思えるのは、なんとなく想像がつきますよね。そして、私も食卓にあった「なます」や「白あえ」など、子どもの時はほとんど手をつけなかった小鉢を、今はせっせと作っています。嫌がっている娘もきっと、作るようになってくれると信じています。
(2020年10月17日付紙面より)
戦後75年戦没者・戦災死者追悼式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は13日、同町体育文化会館で戦後75年戦没者・戦災死者追悼式を開催した。5年に1度開かれる追悼式には町内の遺族や関係者ら約80人が参列。追悼の意を表し、永遠の平和を祈念した。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓や役場関係者の出席を縮小。出席者らは検温と消毒後、入場した。式典では飛沫(ひまつ)防止のために国歌、町歌は斉唱せず吹奏とし、黙とうがささげられた。
堀順一郎町長は「諸霊は先の大戦において故郷を離れ、祖国の繁栄を信じ、尊い命をささげられた。そしてご家族の方々の困難に耐えながら、職業や家業に精励されてこられたご努力に対し、敬意を表します。戦後75年を迎えたわが国は国際社会の中、国の再建と発展に努め、本町も発展してきた。諸霊とご家族の皆さまのご尽力のたまもの。このご尽力を次の世代に生かしていくことが私たちの責務。平和と全町民の幸福のために取り組んでいくことをここに誓います」と式辞。
荒尾典男同町議会議長は「戦後75年、那智勝浦町においても目覚ましい発展を遂げた。その繁栄や発展は戦争のために尊い命をささげられた方々の犠牲の上に成り立っている。この悲しみを再び繰り返さないように不断の努力を続けていかなくてはならない」と追悼の辞を述べた。
代表者らの献花後、参列者が諸霊をしのんで菊の花を供えた。
各地区の遺族会を代表し、下里・浦神地区の谷洋一さんが「日本の平和や繁栄は戦死された皆さま方の礎のもとに築かれた。和歌山県では戦死された方の妻は100人を切っているという。これからは子や孫の時代だが、平和を探求する心やふるさとの繁栄を願う気持ちは変わっていないはず。追悼式を機に町の発展に協力することをお誓いいたします」と謝辞を述べた。
同町の祭霊数は1072柱。戦没者遺族は798人。戦災死者遺族は40人。
(2020年10月14日付紙面より)
就職目指す3年生を壮行 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(左近晴久校長)が12日、就職を目指す3年生を対象にした壮行会を開いた。
面接指導などを通してその進路選択をする生徒を後押しする同校キャリア形成・支援部による試験直前恒例の激励の機会。本年度は3年生73人中20人が就職を希望し、早い生徒では15日(木)に前泊し16日(金)に試験本番を迎えるため12日午後に壮行することにしたという。
新型コロナウイルス感染症の情勢により、例年よりも1カ月ほど遅いタイミングでの実施。同校を代表して左近校長は「諸君らは(3年生の)進路決定の先陣。幸先の良いスタートを串本古座高校生として切ってほしい。本番で上がってしまった、思っていることをうまく伝えられなかったという話は諸君らの先輩からも聞くが、うまくしゃべるだけが面接の全てではない。その会社に入りたいという気持ちを伝えることが重要で、そのつもりで頑張ってほしい」、同部の菅井崇文部長は「思い切って、胸を張って頑張ってほしい。会社は面接以外の場面でも見ている。身だしなみにも気を付け(始終)緊張感を持って臨んでほしい」と激励を注いだ。以降は試験を迎えるに当たっての準備事項を最終確認し、不意の支障で落ち着きを失わないよう気持ちを引き締めた。
(2020年10月14日付紙面より)
鈴木知事が山腹崩壊現場を視察 (紀宝町浅里 )
鈴木英敬知事が12日、紀宝町浅里を訪れ、9日夜に地滑り地で発生した山腹崩壊現場を視察した。台風14号による大雨で土砂崩れが発生し、幅約140㍍、高さ約200㍍にわたって崩れ、県道小船紀宝線に土砂が流れ込んだ。鈴木知事は「大規模な崩落のため、専門家の皆さんに意見を聞いた上で早急に対策を取っていく。道路も抜本的な対策を講じていく」と述べ、早期復旧に当たるとした。
県熊野農林事務所の前橋善浩所長が、現場で2017(平成29)年から地滑り対策を行っている最中だったことを説明し「上から崩れて2方向に土砂が流れ、県道をふさいでいるので道路の復旧工事を最優先に対策したい。安全性を見極めて応急対策を考え、スピード感をもって対応する」と伝えた。
視察に同行した西田健町長は「知事に現場を見ていただき、対応を検討してもらえるとのことだった。町としても県と連携したい」、谷川孝栄県議は「来年は、紀伊半島大水害から10年になる。浅里の防災対策が復興のシンボルになる。国へ働き掛けをしながら地滑り対策をしたい」と述べた。
浅里区役員の聖谷定三さん、木下起査央さん、尾崎光男さん、尾鼻展央さんは「生活道路の県道を早く復旧してほしい」と知事に訴えた。
(2020年10月14日付紙面より)
宮井貴浩教頭が「近畿春日章」受章 (新宮高校 )
優れた陸上競技指導者をたたえる近畿陸上競技協会の「2019年度近畿春日章」がこのほど決定し、新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)の宮井貴浩教頭(55)が受章した。
「近畿春日章」は日本陸上競技連盟を立ち上げた一人、故・春日弘氏(1885~1970年)の名前を冠した章で、近畿地区の陸上競技に功労のあった35歳以上の指導者に贈られ、近畿地方の各府県の中学、高校で毎年1人ずつ選ばれている。当初は9月に開催を予定していた「第88回近畿陸上競技選手権大会」で授与式が行われることになっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で大会とともに式典も中止。記念品が同校に送付された。
宮井教頭は1993(平成5)年に教員生活をスタートさせ、インターハイ出場や県大会での100㍍、走り幅跳び、リレーで好成績を挙げる選手を輩出するなど約20年間、当地域の陸上普及に尽力した。
受章については、驚きの一言と語り「まさか、このような章を頂けるとは思っておらず、恐縮していますが大変光栄です。根本的なことですが、楽しさを知り、その中で人としての成長につなげていってほしいという思いで取り組んできた。今後も現在の顧問の先生方と共に当地方の陸上競技振興に少しでも貢献できれば」と話していた。
(2020年10月14日付紙面より)
サッカーU―12全日予選順位決定トーナメント大会
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和2年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が社会福祉、消防水防、教育文化などで市に貢献した個人9人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して87年、旧熊野川町が町制を施行して64年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから15年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人988人と100団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し、「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します。皆さまの比類なき知恵と経験を今後もお貸しいただきますようお願いします」とあいさつ。
引き続き新型コロナウイルス感染症対策への協力を求めるとともに「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
久保智敬市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かしてください」。
県議会の濱口太史副議長は「皆さまがさまざまな活動をすることが多くの人のお手本になっており、地域の元気につながっていることを知ってもらいたい」と祝辞を述べた。
(2020年10月3日付紙面より)
伊藤忠志さんが講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は9月30日、元和歌山県少年補導員連絡協議会会長の伊藤忠志さんを招き署内講演会を開いた。同署職員約50人が聴講する中、伊藤さんは自身の少年補導員の経験を軸に、青少年の健全育成に係る心構えや取り組みなどを話した。
伊藤さんは1982(昭和57)年に警察本部長から少年補導員として委嘱を受け、以降30年にわたり少年の非行防止と健全育成に尽力してきた。
96(平成8)年には新宮警察署少年補導員連絡協議会会長に就任。2007(平成19)年からは4年間和歌山県警察少年補導員連絡協議会会長を務め、県内全体の少年の健全育成の発展に尽くした。その功績は社会にも広く認められ、04(平成16)年の和歌山県知事表彰をはじめ数多くの表彰を受賞。少年の健全育成を目的とした「植樹祭」の開催や各種祭礼における夜間補導活動、登下校時の声掛けあいさつ運動などに取り組んだ。
伊藤さんは「意見もなく事務局が作った資料をただ読み上げるだけ。なんとか組織を改革したいと思った」と会長に就任した当時の思いを語り「社会に貢献するという思いがボランティアには大事。会長として、多くの事業をして会員の参加意識を高めるか、もしくは慣例で経過していくのかを考えた時、参加意識を高めるという方法を選択した」。
串本分屯基地に自衛隊のヘリコプターが来るといった情報から「子どもたちに空からふるさとを見てもらいたい」と思い立った伊藤さんは「管内の子どもたちを集めて交流を深めたら情報の共有ができるのは」と立案。子どもたちをヘリコプターに搭乗させ、さらに地場産業である林業に触れてもらおうと間伐材で工作をするイベントを開催し「子どもたちの笑顔に達成感を感じた」と振り返った。
伊藤さんは「さまざまな事業を企画立案する中でいろいろなトラブルがあった。しかし、青少年のための事業をするとなるとどれだけでもアイデアが出てくる。やってあげているという感覚ではなく、事務局に手伝ってもらっているという意識で活動しないと組織は発展しない」と述べた。
質疑応答では青少年育成に係る多くの質問が上がった。伊藤さんは「点ではなく線の事業をするべき」「自分が自信を持って仕事をすれば必ず実りはある」「子どもに対してはできるだけ同じ目線で優しい言葉を掛けてあげると素直に聞いてくれるのでは」などと伝えた。
(2020年10月3日付紙面より)
罰則規定の適用始まる (新宮保健所 )
新宮保健所は2日、新宮市内の4カ所で「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に係る街頭啓発を実施した。
条例は、環境破壊の一因でもあるプラスチックごみなどの海洋流出を防止するため、その発生源である陸上に散乱しているごみを削減することを目的に制定。ごみを捨てた人が回収命令に応じなかった場合、5万円以下の過料に処されるなどの罰則規定が10月1日から適用されている。
同保健所では、昨年から不法投棄の取り締まりを含め、環境監視員の清水道彦さんと職員がパトロールを実施。不法投棄を防止する監視カメラを設置しているという。
イオン新宮店での街頭啓発は、同保健所衛生環境課の大家秀仁課長と清水さんが取り組み、来店者に条例を周知するチラシを配布した。
清水さんは「ごみの散乱を『しない』『させない』『許さない』が大切。街頭に出て監視の目を光らせていきたい」。大家課長は「罰則が始まりましたが、まずはごみを捨てない意識を高めてもらいたい。一緒に町をきれいにしましょう」と呼び掛けていた。
(2020年10月3日付紙面より)
七川地区の協議会へ着任 (古座川町 )
古座川町が1日、地域おこし協力隊の隊員2人を委嘱。七川地区の振興に当たる団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の事務を支援する隊員として着任した。
この協力隊は人口減や高齢化が進む地域へ地域外の人材を誘致し、地域協力活動への従事を通して定着を図る目的で総務省が支援込みで推奨する制度。古座川町は2015年度から隊員の委嘱を始め、地域振興への協力を得ている。
今回委嘱をしたのは横溝秀文さん(42)と谷井麻美さん(34)の2人。横溝さんは神奈川県伊勢原市の出身で、営業職に従事しつつ地方移住を模索する中で同町に興味を持ち、下調べをした上で同町の募集に志願。谷井さんは同町平井出身で、ふるさとを離れ兵庫県神戸市で映像作家として活動する中で出身地にゆかりがある同協議会から発注を受け、その過程で出会う移住者など自分にない視点を持つ人々の熱情に引かれて同町の募集に志願したという。
この日は西前啓市町長から2人に委嘱状を交付。隊員は単年度起用となるため任期は来年3月31日までだが、制度上、双方の希望があれば最大3カ年まで更新して地域協力活動に従事できる。西前町長はまちの実態を把握して地域おこしのために頑張ることを2人に期待して、委嘱の御礼で後に表敬訪問した下山会長へ引き継いだ。
第一歩を踏み出すに当たり横溝さんは経験を生かした特産品振興と新規に有害駆除への協力、谷井さんは強みである映像製作を引き続き生かした貢献に意欲。下山会長は「昨年から協力隊の募集を続けていただき、2人を採用いただけたことをうれしく思う。(先んじて着任している太田浩二隊員を加え)隊員が3人となった七川ふるさとづくり協議会はこれからも各区長、各住民と一緒になって七川地区を盛り上げていく」と話した。
同町は同日現在、太田隊員、横溝隊員、谷井隊員に加え、同町観光協会事務協力として2人、古座川ふるさと振興公社調理協力として1人の計6人を隊員として委嘱する状況となっている。
(2020年10月3日付紙面より)
【第21回】遊び食べに良い器は?
小さなお子さんがいらっしゃるお宅には、必ずあるプラスチックのお皿。便利ですよね? わが家でも、子どもが小さいうちは割れない器を使っていました。特に遊び食べをする子どもは、うっかり器を落としてしまうこともしばしば。ただでさえ目が離せないのに、食器まで割れたら泣きたくなりますよね。私も同じような気持ちで、割れない食器を使ってました。だけど、食育のことをいろいろ学んだ今、あえて、割れる食器を使うことをお勧めしたいのです。
遊び食べに困るのは9カ月くらいから3歳くらいまでといわれています。離乳食の時期から陶器の食器を勧める人もいますが、私は、そこは無理に陶器にする必要はないと思います。私が割れる食器をお勧めするのは大体1歳半くらいからです。
遊び食べは、食べ物を手やスプーンでぐちゃぐちゃにしたり、わざと床に落としたり、スプーンでお皿をたたいたり…だからマナーとしてはいけないとか、しつけなくちゃと思ってしまいがちです。お母さんたちの悩みのタネですよね。ついつい「こら!」「だめ!」と叱ってしまいますよね。
でも、実は遊び食べは、学習行動なんです。遊んで食べている、というのは大人から見た感覚。子どもたちは、どんな音がするのか、どんな感触なのか、五感をフル稼働させてさまざまなことを試して学んでいるのです。そんな遊び食べの時期にこそ、食器を割っていただきたいんです(笑)。こんな言い方するとおかしいですが、食器がどんなことをすれば割れるのか、どんな風に割れるのか、を学ぶチャンスだと思うのです。割れた時は、叱らずにまず「なぜダメなのか」をきちんと説明してあげてください。「もう割れちゃったから使えなくなったね」「下に落とすとこんなふうに粉々になってしまうよ」「もう元に戻せないよ」と。この体験で「優しく使わないと割れるんだ」ということを学んでいくというわけです。
そしてもう一つ、割った食器をどう片付けるのかを見せてあげてほしいのです。まずは大きい破片を新聞紙に包むとか、細かい破片が残っていたら、けがをするかもしれないから掃除機をかけるとか。割れた陶器がとても危ないということや、片付けるのにも注意しないといけないということを教えてあげてほしいのです。もしかすると遊び食べも少し収まるかもしれません。
木でできた器や、プラスチックの食器はとても便利で安心ですが、100円のものでも良いので、ぜひ食器が割れるということを経験させてあげてください。ただ、遊び食べには個人差があるので、時間に余裕がある時とか、今なら良いなと思える時に陶器に変えるというのもアリだと思います。無理のない範囲で、試してみてください。
(2020年10月3日付紙面より)
熊野川町でデマンドタクシー出発式 (新宮市 )
新宮市熊野川町日足の熊野川行政局で9月30日、1日から運行を開始するデマンドタクシーの出発式があった。田岡実千年市長をはじめ同町区長連絡協議会の下阪殖保会長、タクシーを運行する熊野第一交通株式会社の麥田(むぎた)幹男取締役所長らが出席。テープカットを行い、町民の新しい交通手段の導入を祝った。
同町におけるデマンドタクシーの導入は、民間事業者の路線バスをはじめ行政バスの利用実績が少ないといった現状を鑑みたもの。高齢化が進み、エリアの広い同町において、日常生活における移動手段の確保が課題となっており、住民からは「便数が少ない」「バス停まで遠い」「運賃が高い」などの意見が上がっていた。
市では町民にヒアリングやアンケート、住民説明会などを重ね、事前予約制の乗り合いタクシーの導入を決定。運賃は1回(片道)100円均一で、同町内全域および一部町外(高津橋バス停、熊野市役所紀和庁舎)を1日最大8便運行する。デマンドタクシー導入に伴い、路線バス(玉置口線、篠尾線)、行政バス、熊野川診療所送迎(敷屋方面)は廃止となっている。
開式に当たり、田岡市長が「高齢化が進む中、日常生活における移動手段の確保は大変重要な課題。運行開始後も住民の皆さまのお声をお聞きし、より良いものとなるよう適宜改善していきたい」。
デマンドタクシー導入は新たな公共交通の幕開けとし「住民の皆さまが心豊かで元気に暮らせるよう、今後もまちづくりを進めていきたい」と述べた。
下阪会長は「住民が育てる形で、地域に密着したタクシーであってほしい。住民、市、社協が協力し合うことですばらしいタクシーになると思っている」と期待を込めた。
麥田取締役所長は「デマンドタクシー導入はコロナ禍の中において画期的な企画であり、地域の方々にとっても大きな喜びとなる」と述べ、地域住民に対し、新型コロナ対策としてマスク着用への協力と飲酒時の利用を控えるよう呼び掛けた。
テープカット後には走行デモンストレーションがあり、住民らを乗せたタクシーが行政局を出発。タクシーに乗車した同町椋井在住の森靜子さん(80)は「一人暮らしの高齢者が多い中、みんな喜んでいます。買い物にも行きやすく生活も便利になると思う」と話していた。
(2020年10月2日付紙面より)
新宮信金が熊野修験に浄財寄贈 (那智勝浦町 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)の有志役員や職員ら約100人で組織される「新宮しんきん世界遺産応援募金会」は9月30日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺の信徒会館で同会が集めた浄財の寄贈式を開いた。寄贈を受けた同寺の髙木亮英副住職は「後世に伝承していくために浄財を役立てたい」と感謝を述べた。
同会は世界遺産に登録された地元熊野の環境保全を目的に2004(平成16)年9月に設立された。メンバーは毎月募金を行い、年1回、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の維持や管理、広報、関連する団体などの支援を行っている。
各支店の管轄地域内から推薦団体などを挙げて決定するもので、今回は勝浦支店が推薦した「熊野修験」代表世話人の髙木副住職が選ばれた。
平安時代より、那智の滝や大峰を修行の場として、山伏が山や谷を越えて修行を行う熊野修験。1988(昭和63)年に熊野修験を再興させた髙木副住職は「今日、われわれがこうして生きていられるのも山伏のおかげ。途絶えさせてはならない」という思いで活動し、熊野信仰を全国や後世に広めるために毎年、修行に取り組んでいる。
寄贈式には和平幸勝常勤理事や地域サービス部の芝和樹さん、羽根洋一勝浦支店長と同店の大江和貴さんが出席。
羽根支店長は「役職員一人一人の思いのこもった支援金を、熊野修験のさらなるご発展、活動の広まり、後世への継承にお役立ていただきたい。『蟻(あり)の熊野詣で』のようなにぎわいが再び復活することを願いながら今後も世界遺産の保全などへの支援を継続してまいります」と話した。
髙木副住職は山岳信仰の始まりやこの地域が日本第一霊験所であること、明治時代の廃仏毀釈や神仏分離、修験道廃止令により熊野修験も途絶えたと説明し「熊野修験を復活させてから33周年を迎えた年に貴重な浄財を頂き、非常にありがたく、感謝しております」と語った。
(2020年10月2日付紙面より)
仮移転先で開館を再開 (串本町図書館 )
串本町図書館(池田三明館長)が1日、仮移転先の地域保健福祉センター(町立体育館そば)で開館を再開した。開館時間は午前9時~午後5時15分で、休館日は月曜日と祝祭日など。池田館長は仮移転を機により現代的に活用してもらえる形に近づけたいと意気込んでいる。
串本小学校そばの旧施設から仮移転するため、8月から休館していた同図書館。8月末の同センター内改修完了と同時に蔵書の移設を進め、当初目標とした期日通りに再開へこぎ着けた。
同センター1階のロビーと旧空き室(食堂や厨房)が図書館フロアとなっていて、ロビーに児童図書コーナーと事務所、空き室に一般図書・郷土資料コーナーを配置。書棚の一部は旧施設から引き継いだが、明るい色調の紀州材の書棚も新調して取り入れて雰囲気の演出も図っている。
同館の蔵書規模は約4万9000冊で、うち7割ほどを書棚へ。旧施設で試行していた蔵書検索システムも、再開に合わせて本稼働している。リニューアル記念で蔵書168冊を新規購入。10日(土)には月例のおはなし会も再開し、初動に弾みをつけるという。
同センター玄関も木材装飾で柔らかみがある雰囲気に。池田館長は「フロアの明るさ、交通利便、駐車場も含めて仮移転としてはベストな形に落ち着いたと思う。図書館は貸し出しだけでなく、親子で訪れて本に親しみ関係を深めるといった利用もできる。今後の本移転の弾みとすることも意識し、再開を機に多くの皆様にご活用いただけるよう今後も頑張りたい」と気持ち改まるところを語った。
問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2020年10月2日付紙面より)
老ク連200人が奉仕活動 (新宮市 )
新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)は「老人の日・老人週間」の全国一斉奉仕活動に合わせて9月30日朝、蓬莱テニスコート周辺や浮島の森駐車場など市内の26カ所を清掃した。連合会の26団体、約200人が参加した。
清掃奉仕は「花のある町、ゴミのない町」をテーマに実施。美しい環境で公共施設を利用してもらおうと、草引きやごみ拾いの活動を毎年行っている。
同市神倉の県立新宮高校旧校門前では西道楽天会(河上政方会長)のメンバー約20人が周辺の草を引き、手分けして紙くずや落ち葉、空き缶を拾うなどして汗を流した。
河上会長は「風が強かったため落ち葉の量は多かったですが、紙くずやたばこの吸い殻が格段に少なくなったと思います。今後も意識を持って、地域全体できれいな町を保っていければ」と話していた。
(2020年10月2日付紙面より)