たむらさん、故・前田咲二さんの本を寄贈 (新宮市立図書館 )
和歌山市出身の川柳作家・たむらあきこさんは27日、新宮市出身の川柳作家、故・前田咲二(さくじ)さん(享年92)の川柳をまとめた「川柳ベストコレクション 前田咲二の川柳と独白」を同市立図書館に寄贈した。
前田さんは1926(大正15)年、現在の新宮市に生まれ、旧制新宮中学校(現新宮高校)を卒業。江田島の海軍兵学校に入校した。50代後半ごろから川柳の新聞投句を開始し、関西各地の句会や大会での入選率の高さからすぐに頭角を現し、一目置かれる存在となった。
平成に入り、川柳作家・上野楽生氏ら有志が年間入選数から作成した番付表では「横綱」と称され、達吟家として名をはせた。2007(平成19)年に川柳句会「川柳瓦版の会」会長に就任。同時に読売新聞関西版「よみうり時事川柳」欄、「川柳マガジン」時事川柳欄の選者となる。17(平成29)年、大阪府寝屋川市内の病院にて食道がんにより逝去した。
たむらさんは、前田さんに誘われ、編集同人として瓦版の会に所属。前田さんのもと、後継者候補として研さんを積んだ。猫好きだった前田さんはたむらさんを「あきにゃん」と呼び、娘のように接したという。
寄贈の本はたむらさんが監修。前田さんの遺族が川柳瓦版の会に託した川柳ノートに書かれていた約1万5000句の中から約400句を厳選した。中には「那智開運暦を肌身離さない」「ふるさとは地酒にぶつ切りのまぐろ」と、ふるさと・熊野を愛した前田さんならではの句も目にすることができる。
寄贈した9月27日は前田さんの命日。たむらさんは亡くなる約3週間前に、電話で前田さんと最後の会話を交わした。たむらさんが吟行のために熊野地方に訪れるという話をしたところ前田さんは声を振り絞り「自分も行きたい。一緒に行きたい」と伝えたという。
たむらさんは「先生はよく瀞峡での思い出話などを聞かせてくれた。(本は)先生の名前と句を消してしまってはいけないとの一心で監修した。なるべく多くの人に先生のことを知ってもらいたい」と話していた。
同書は、前田さんの母校である新宮高校にも寄贈される予定。
(2020年9月30日付紙面より)
警察官とバス運転手が合同で啓発 (新宮市 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は秋の全国交通安全運動期間中の28日夕方、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店でバス会社と合同で交通事故抑止を目的に啓発活動を実施した。警察官6人が熊野御坊南海バス株式会社、三重交通株式会社の若手バス運転手3人と協力し、啓発物資を手に買い物客らに交通事故抑止を訴えた。
「夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止」は秋の全国交通安全運動の重点の一つ。
啓発活動は、地域ぐるみでの安全意識の向上を目指すことを目的に実施。薄暮時の交通事故抑止に向け、警察官らは手描きのプラカードを手に「早めのヘッドライト点灯」と「飲酒運転根絶」を呼び掛けた。なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、啓発物資の直接配布は行わず持ち帰り方式で実施した。
啓発活動に参加した三重交通の川上大斗さん(25)は「夕暮れの時刻が早まる中、歩行者や自転車の早期の発見に努めたい。交通弱者の保護に気を付けていければ」。
熊野御坊南海バスの岡﨑奨さん(26)は「早めのヘッドライト点灯を心掛け、法定速度の順守に努めたい」とそれぞれドライバーとしての認識を新たにしつつ、歩行者や自転車に対し夜間における反射材や明るい服装の着用、横断歩道の横断を呼び掛け「ドライバーも歩行者も、お互い気を付けることにより交通事故の抑止につながれば」と話していた。
(2020年9月30日付紙面より)
秋の全国交通安全運動 (紀宝署 )
「秋の全国交通安全運動」(21~30日)期間中、紀宝警察署は紀宝地区交通安全協会などと連携し、交通事故防止の徹底を図る取り組みを進めている。
28日には紀宝町神内のナカミチ建機サービス(有城功二・代表取締役)を「シートベルト着用推進モデル事業所」に指定した。同協会の久保正会長が有城代表取締役に指定書を手渡し、シートベルト着用を事業所ぐるみで徹底してもらうことを求めた。有城代表は「全社員にシートベルト着用と交通ルール順守を徹底したい」と述べた。
29日には御浜町神木の特別養護老人ホームエイジハウスに安全運転管理推奨像を伝達した。推奨像は事業所内の交通安全活動を積極的に実施してもらうため、3カ月ごとにリレー方式で伝達するもので、紀宝地区安全運転管理協議会(榎本恵一会長)が1989(平成元)年から実施。これまで同署管内90以上の事業所をリレーしてきた。
今回は旧事業所の紀宝町社会福祉協議会からエイジハウスに引き継ぎ、ハンドルキーパーモデル事業所にも指定した。
伝達式で榎本会長は新事業所への協力を呼び掛け、同署の濱口裕史署長は「地域から1件でも事故が減る努力をする」と述べた。
エイジハウスの大橋一智施設長は「今後も職員に交通安全の徹底を呼び掛けていく」と話していた。
(2020年9月30日付紙面より)
秋の全国交通安全運動啓発 (古座川町 )
古座川町高池、河内橋北詰交差点で29日早朝、秋の全国交通安全運動(期間9月21日~30日)の街頭啓発があり啓発員が往来するドライバーの交通安全意識を促すなどした。
4連休半ばに期間が始まった同運動。この啓発は当初25日に実施する予定だったが天候不順により29日に延期とし、同日も時折小雨がさす状況となったが、春秋年2回の希少な啓発の機会であり期間も終盤に差し掛かっていることから雨対策をして臨むこととした。
当日は西前啓市町長ら役場、同町交通指導員会、串本警察署から17人が啓発員として参加。T字構造の同交差点の三方に分かれて同署署員が往来する車両に安全な一時停止を求め、啓発物品を手渡し声掛けもして安全運転を呼び掛けた。
和歌山県・交通事故をなくする県民運動推進協議会が掲げる同運動の重点は▽子どもを始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止―の3点。今回の啓発では、啓発物品に飲酒運転抑止のためのグッズを複数入れて同署管内の重点色も出した。
同署の楠間慎也交通課長は「県警管内の交通事故件数は減っているが、死者数はほぼ横ばい。皆さまにはこの運動後も引き続き交通事故防止の協力をお願いしたい」と地域へ呼び掛けている。
(2020年9月30日付紙面より)
日清食品カップ県小学生陸上競技交流大会
厳かに本殿大前ノ儀 (三輪崎八幡神社 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約30人が参列し、神様をたたえて地域の平穏無事などを願った。
例大祭は漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。今年は新型コロナウイルス感染症防止の観点から大幅に規模を縮小して実施。元宮を目指して八幡神社を出発し、恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が豪快にぶつかり合いながら町を練り歩く神輿渡御(みこしとぎょ)、その他の奉納行事は中止となった。
大前ノ儀では、厳かな雰囲気の中▽総代会▽三輪崎区▽漁業協働組合▽農業実行組合▽大黒講―の各団体が保管していた神様の神徳をいただくより代の金幣を返還。熊野速玉大社神職が祝詞、屋敷満雄区長が祭詞を奏上し、参列者が玉串を供えた。
中村氏子総代会長は「コロナウイルスの終息と地域の繁栄を願い、滞りなく営むことができました。来年は再び勇壮な祭りができることを信じて過ごしていければ」と話していた。
(2020年9月16日付紙面より)
利用者宅を訪問して安否確認も (かわりない会 )
紀宝町鵜殿の老人憩の家讃寿(さんじゅ)荘で通所サービス事業を展開する「かわりない会」(牧戸光彦会長)の世話人ら16人が14日、同所で出前講座を受け、新型コロナウイルス感染症への対応などを学んだ。
同会は毎週1回、利用者を迎えて活動しているが、7月末に近隣市町で新型コロナが発生したため、8月から活動を休止している。8月末には世話人が17人の利用者宅を手分けして訪問し、安否を確認した。
これまでも感染症対策を講じていたが、改めて対策を身に付けようと講座を開き、紀南病院感染対策室の根本保正さんを講師に招いた。根本さんは「感染者が減ってもクラスターが発生すると一気に増加する」と述べた上で、現時点での感染経路は感染している人のくしゃみやせきで出るしぶきを吸い込む飛沫(ひまつ)感染と、触ったところからウイルスが付着する接触感染の二つと説明した。
潜伏期間は1~14日ほどで無症状の人でも感染力があるとし「マスク着用、手指消毒、手洗いだけでなく、日常生活でも3密にならないことが大切」と示した。マスクは▽予備を用意する▽装着、外すタイミングに気を配る▽こまめに替えること―を呼び掛けた。
今後はインフルエンザと新型コロナの区別がつかない可能性が出てくることから、マスク、手指消毒といったコロナ同様のインフルエンザ対策も求めた。
牧戸会長は「再開を望む利用者さんが多いが、地域や国内の感染状況を鑑みながら再開時期を考えたい」と話していた。
(2020年9月16日付紙面より)
3度のふ化で確信し発表 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が14日、アカウミガメの完全飼育の第3世代が今年誕生したことを発表した。
誕生した第3世代は、2010年に生まれ現在は館内ウミガメパークで継続飼育中の第2世代個体・くしもトリオ(クー・シー・モー、いずれも雌)のうちモーが産んだ卵からふ化した。
今年は3匹とも同パークの人工孵化(ふか)場で産卵行動を示していて、モーは計3回の同行動とその位置を確認。6月24日産卵分が8月29日、7月8日産卵分が9月2日、7月21日分が9月13日にそれぞれふ化し、飼育を担当する吉田徹副館長は繁殖可能な状態に達したと確信を得て発表へ踏み切ったという。
確信を得るに至った3回目のふ化では50匹が誕生した。後の掘り返しで残った卵の数を確かめて正確なふ化率を計算するが、1回の産卵で100~120個産むことが知られていて今回は約半数が無事誕生した状況だという。
くしもトリオの親に当たる第1世代は11歳時から同行動を示し15歳時の産卵で第2世代が誕生した。くしもトリオはそろって10歳で同行動を示し、吉田副館長は「完全飼育個体の子が生まれた時ほどのインパクトはないが、アカウミガメが何年で成熟するかをより深く探る点で参考になる実績だ」と第3世代誕生の意義の一端を語る。
同館は1971年の開館当初から野生個体を館内飼育。1986年に人工産卵場を設置し、野生個体の入れ替えを適時しながら飼育環境下での繁殖を研究している。完全飼育の第1世代は1995年、第2世代は2010年、第3世代は今年にそれぞれ初誕生。吉田副館長は「累代飼育は本館の目指すところで、この飼育実績は世界的に絶滅が危惧されるアカウミガメを種として保存していく上で役立つ。完全飼育で3世代目まで繁殖に成功しているのは、今のところ本館のみで、さらに次のステップへ進めたことがうれしい。この誕生がきっかけとなり関心を持つ機関が現れたら、互いの研究を深めるため積極的に協力をしていきたい」と話している。
第3世代は今後、モーの3回目のふ化で生まれた50匹をまず1年飼育し、第2世代同様に雌雄数匹を選抜して終生飼育個体とし残りは海へ送り出す予定という。
(2020年9月16日付紙面より)
那智勝浦町総体スポ少バレー大会
障害者用駐車場に屋根設置へ (新宮市 )
新宮市は、市庁舎の障害者用駐車場に屋根を設置する。9月定例会中の10日、市議会(久保智敬議長、15人)は「市庁舎障害者用駐車場屋根等設置工事」費用を含む一般会計補正予算を可決。令和3年3月末の供用開始を目標に事業を進めていく。
事業に係る予算は、設計監理業務委託料、建設工事費合わせて1582万6000円。障害者のさらなる社会参加促進を目指すとともに、合理的配慮の提供を目的とする。
現在の市庁舎は、「市民を守るための安心・安全な庁舎」をコンセプトに2017(平成29)年に完成。「和歌山県福祉のまちづくり条例」に則し、ユニバーサルデザインに配慮する形で建設が進められた。
庁舎前の第1駐車場では障害者用駐車場2台分を入り口近くに優先的に割り当てているが、屋根を設置することによって雨にぬれずに来庁することが可能となる。なお、地中の庁舎設備の関係や建築基準法などの観点から、駐車場レイアウトは現在の場所から変更される見通し。
事業化により、今後設計監理を行い、入札により工事請負業者を決定する。担当課では「3月完成は高い目標。遅くても6、7月には供用を開始したい。屋根が付けば庁舎に入るまでの間に雨にぬれることもなくご不便を掛けることもなくなるのでは」と話している。
(2020年9月12日付紙面より)
着衣泳法の訓練実施 (那智勝浦町消防本部 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は9日、同町の那智漁港で着衣泳法訓練を実施した。消防職員6人が参加し、水中での動きや救助方法などに取り組んだ。
着衣で泳ぐ中で、どれだけ抵抗により動作が困難であるかを体験し、緊急時により迅速な救助ができるかを目的に実施した。準備運動を済ませた消防職員は水面確認をすると、救助服のまま順番に海へと着水。その後、救命胴衣を装着して泳ぎ、違いを比較した。
浮輪やレスキューチューブなどを投げて救助する練習も行われ、消防職員は水難事故防止への意識を高めた。
米川一弥消防士は「日頃から着衣泳法の勉強はしているものの、消防学校時代のカリキュラムで学んで以来の実践。卒業後は機会もなかったため、貴重な訓練でした。着衣時には、服が水を吸い込んで抵抗が大きくなるので非常に重たく、動きも制限されてしまうことを改めて実感した。緊急時に着衣での救助を行う場合には自分の限界を理解しておくことが大切。訓練を通じて知識と経験を深め、適切な救助に努めていきます」と話していた。
(2020年9月12日付紙面より)
和歌山県土砂災害啓発センター (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)ではセンター周辺の地理が一目でわかる手作り模型を設置し、観光客の道案内に役立てている。
同センターによると、大門坂駐車場の利用者や那智山を目指す観光客などが大門坂の入り口などへの経路を訪ねてくることが多いという。そのため、地図よりわかりやすい立体的なカラーの模型を8月末に職員らが作成した。
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同センターでは土砂災害の発生の要因ともなる雨と雲の関係が分かる展示コーナーも開設。雨雲の模型と転倒ます型雨量計が設置されており、質問がある場合は職員が受け付けている。
また、紀伊半島大水害の被災者で、水害の語り部を続ける防災士・久保榮子さんの手作り紙芝居のコピーも展示されている。水害当時の久保さんの体験や周囲の状況が克明に記された貴重な資料で、誰でも自由に閲覧できる。
坂口所長は「観光客の皆さんの一助になればと思い職員が手作りし、ご案内させていただいています。また、久保さんの紙芝居をはじめ、雲の模型などもあるので興味がある方はぜひセンターに足を運んでいただければ」と語っていた。
同センターの開館時間は午前9時から午後5時まで。問い合わせは(電話0735・29・7531)まで。
(2020年9月12日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」=10月15日(木)、16日(金)=に向けた事故防止協議会が7日夜、同大社双鶴殿であった。約20人の関係者らが、安全に例大祭が執り行われるよう注意事項などを話し合った。なお、今年は新型コロナウイルス感染予防の観点から、早船競漕(きょうそう)を取りやめ、一部規模を縮小し斎行する。
例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月、国の重要無形民俗文化財(重文)に指定された。
上野宮司は早船競漕の取りやめについて、7月から各地区の意向を聞いていたが、いまだコロナの終息が見えない現状を鑑み取りやめに至ったと経緯を説明。「規模は縮小するが古来の習わしにのっとって執り行っていきたい」と述べた。
今年の留意事項には▽参列の自粛を行う▽大祭供奉(ぐぶ)員を減らす▽参加者、関係者の体温検査を行う▽参加者、関係者へ手の消毒、人との距離の確保、マスク着用を呼び掛ける▽直会(なおらい)の中止―など、コロナ感染対策が盛り込まれた。
15日の本殿大前の儀は参列を呼び掛けず神社関係者のみで営む。渡御式は参列者を例年の5分の1程度とし、神馬渡御式は同大社を出立後、登坂を通って阿須賀神社に向かい、市内を回らず同大社に戻る。神輿渡御式では神幸船神輿を使用。出立後、市内を回らずそのまま河原へ向かう。
上野宮司は「コロナの影響で今年はさみしいお祭りになると思う。渡御することは民俗的に見ても古い風習。渡御があってこそ意味がある」と祭りへの思いを語った。
(2020年9月9日付紙面より)
吹奏楽部第8回定演開く (潮岬中 )
串本町立潮岬中学校(水上茂秀校長)の吹奏楽部(谷下好花部長、部員13人)が5日、同校体育館で第8回定期演奏会を開き現ユニットの集大成となる演奏を響かせた。
この定演は約7年前、部員数増を背景にし校外活動が多い串本古座高校吹奏楽部の姿勢に憧れた当時の部員が一丸発起して始めた取り組み。以来3年生部員最後の出演機会として回を重ねている。
本年度は新型コロナウイルスとの兼ね合いで中止を考えた時期もあったが、学校が対外的な関わりを避け校内未感染である状況と社会情勢にひるまず熱心に活動する部員の姿を判断材料にし、事前の呼び掛けを校区全体ではなく生徒教職員と家族に限定する形で実施を目指してきたという。
当日は指揮者を務める坂本健斗顧問と賛助出演のOB・OGも加えた15人組で本番を迎え、家族や教職員ら約50人が来場。水上校長はつなぐ意思と自助能力の高さが現在の部員の持ち味だと評価し「熱意に満ち、思いのこもった味わいのある演奏を期待する。来場の皆さまには温かい鑑賞をお願いしたい」とあいさつして開演に花を添えた。
プログラムは前後半の2部構成で、計10曲を演奏。演奏以外のパフォーマンスは特になかったが、後半は青色のジーンズをはいてステージの印象を切り替える趣向を交えた。後半終了後はアンコールの声が掛かり、さらに1曲を奏でて定演を締めくくった。
坂本顧問は「臨時休業で活動できず8月の吹奏楽コンクールも中止となって音楽は無力だと感じた時期もあったが、それでも熱心に打ち込む生徒の姿を見て指導する自分もやりがいを感じた。地域に愛される吹奏楽部としてこれからも頑張っていきたい」とあいさつして来場に感謝。
定演を終えて谷下部長(3年)は「感染の予防もある中で開催させてくれた先生方にまず感謝したい。今回はコロナウイルスで不安を感じている人に元気を出してもらうため、みんなで楽しめる定演を目指して練習してきました。今日はその力を十分に出し切ることができ、これが皆さんの楽しみになっていたらうれしい。私たち3年生は今日で引退になるけれど、2年生、1年生はこれからもみんなで力を合わせて頑張ってほしい」と胸中を語った。
(2020年9月9日付紙面より)
龍神中生徒24人が来町 (那智勝浦町 )
和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)は4日、那智勝浦町体育文化会館と同センターで熊野地方へ体験学習に訪れた田辺市立龍神中学校の1年生24人を迎え、土砂災害についての学習を行った。2011年に発生した紀伊半島大水害の被災者で、同水害の語り部を続ける同町井関の防災士・久保榮子さんが紙芝居などを用いて水害当時の状況を伝え、生徒らは命の大切さや災害への学びを深めた。
同校では以前より、現地に赴いての体験学習を各学年で実施している。1年生は昨年から「紀南体験学習」として、同町と串本町を訪れている。
1泊2日で地方の文化や食の大切さ、自然を学び考える内容となっており、生徒らは3日に同町の大門坂を歩き串本町へ。天候不良のため、予定していたシュノーケリングは中止し、海中公園や南紀熊野ジオパークセンターで翌日の土砂災害について事前学習を行った。
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坂口所長は土砂災害は命を落とす確率が高く、身近で発生している災害であると説明。土石流や地滑り、がけ崩れ、深層崩壊があるとし、事例ごとに画像や動画をスクリーンに映し出した。
和歌山県は80%が山地であり雨が多いため、毎年土砂災害が発生していることを知ってほしいと述べた。「紀伊半島大水害時には田辺では深層崩壊や土石流が発生し、新宮市や那智勝浦町では土石流が発生した」とし、「災害時は早めの避難を」と呼び掛けた。
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久保さんは自身の水害体験をまとめた紙芝居を披露。「激流に流された」「フェンスに引っ掛かり助かった」「夫を失った」「娘との再会」などの実体験を、感情を込めて読み、生徒は真剣な表情で内容に耳を傾けていた。また、近所の住民に聞き取った当時の状況を紹介し、自助や共助の大切さを説明した。
その後、久保さんはウサギのコスチュームで登場。素早い避難の重要性を表すために「脱兎(だっと)の如(ごと)く」といわれるウサギをコスチュームにしたと話し、○×クイズを実施。「自分の命は自分で守る」「電気、水道、ガスで一番失ってはいけないのは電気である」などの防災に関する問題を出し、生徒は楽しみながら学びを深めた。
久保さんは「早めの避難には準備が必要。そして自分の命や家族、近所の方の命も大事。どうか私の紙芝居を教訓にしていただき、命が守れるように行動してほしい」と締めくくった。
生徒を代表し、山本浬(かいり)君が「今日は防災について早めの避難で大切な命がたくさん守れることが分かった。学校へ戻りみんなに伝えていきたいです。ありがとうございました」と感謝を述べた。
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久保さんらの講演後、生徒らは市野々地区にある土砂災害啓発センターに移動。実験装置を用いて砂防えん堤の効果や重要性を理解するとともに、実際の砂防えん堤の前でその仕組みや種類などの説明を受けた。
新行靖校長は「どのような災害が起きるか分からない。中学生は家族や地域を助けることができる力を持っている。減災・防災に携わることのできるリーダーになってほしい」と語った。
(2020年9月9日付紙面より)
わかば保で敬老の日に向け (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満のわかば保育園(山田眞理子園長、園児81人)では現在、21日(月・祝)の「敬老の日」に向けたプレゼント制作が進んでいる。
同園が開いている敬老会には例年100人を超える祖父母が参加し、園児の歌やダンス、触れ合い遊びで楽しい時間を過ごす。本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となったため、全員でプレゼントを手作りすることになった。
園児たちは年齢に合わせ、スタンプを押したり、花やトンボを工作したりしてメッセージカードを飾った。5歳児は紙を絵の具で染めるところからスタートし、ピンクやオレンジのコスモスの飾りを完成させた。
同園では運動会に向けた行進や鼓笛隊の練習も始まっており、毎日元気な声が響いている。山田園長は「規模を縮小したり、入場制限を掛けたりと工夫しつつ、園児たちが楽しみにしている発表会や運動会などを開いていきたい」と話していた。
(2020年9月9日付紙面より)
紀伊半島大水害慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011(平成23)年に発生した紀伊半島大水害から9年を迎えた4日、那智勝浦町は同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。例年は犠牲者の遺族や地域住民が参列するが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から堀順一郎町長と那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表のみが出席。二人は29人の犠牲者・行方不明者をしのび献花を行った。
午後1時30分に町全域にサイレンが響く中、二人は慰霊碑前で黙とうをささげ、白いカーネーションを供えた。
堀町長は那智川流域の復興について砂防えん堤などハード面の復興は進んでいるとしながらも、全てが完了したわけではないと説明。
「水害で被災された方々のご冥福をお祈りした。今後も安心安全を高め、防災・減災に努めるとともに、地域から出られている方々に再び移り住んでいただけるように頑張りたい」と力を込めた。
岩渕代表は「町が慰霊祭を続けてくれたことに感謝している。9年経過しても思いは同じ。忘れてはいけないのではなく、忘れさせてはいけない。今後も後世に伝えていく」。
水害を知らない子どもたちに対しては「この活動を知っていただき、興味や意識を持ってもらえたらありがたい。早めの避難を行い、自分の身は自分で守らなくてはいけない」と語った。
(2020年9月6日付紙面より)
王子ヶ浜を守る会が確認 (新宮市 )
ウミガメの保護活動を続けている新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は4日、78匹のアカウミガメのふ化を確認した。ふ化したのは7月16日に確認された今期初産卵のもの。約150個の卵が、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸、波打ち際から約30㍍付近で発見されていた。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同守る会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。
おととしは産卵が確認されず、昨年は1度の上陸で85個の産卵を確認、21匹がふ化した。今年は、初上陸・初産卵ともに例年より遅く、ふ化場で卵の状況を見守っていたところ4日早朝に会員の榎本晴光さんがふ化を確認。おおむね健康状態も良好で、現在は育成プール内を元気に泳ぎ回っている。
同会青年部の山舗徹哉副部長は「砂の温度の上昇が理由か、今年は例年よりふ化が早いが無事にふ化してくれて安心。今年も放流会を予定しているので、子どもたちに喜んでもらえたら」と話している。
ふ化は数日間続く見込み。一定の大きさに育つまで餌やりや水替え、水温などの管理を行い、海水温が低くなる前に放流を実施する予定。
(2020年9月6日付紙面より)
「町民防災の日」を制定し (紀宝町 )
2011(平成23)年の紀伊半島大水害から9年を迎えた4日、紀宝町町民会議は「紀伊半島大水害から9年が経過しましたが、災害は、いつ、どこで、どのように起こるか分かりません。突然やってくる災害から身を守るため、普段からの備えが大切です。避難場所や避難経路、非常持出品、食料等、今一度、家族で確認をしておきましょう」などと、防災無線を通じて町民に呼び掛けた。
三重、和歌山、奈良で甚大な被害を及ぼした大水害。紀宝町では1人が亡くなり、1人が行方不明者となった。床上・床下浸水は2845棟に上った。
その後、町では大災害を教訓に防災体制の強化・防災施設の充実を図り、災害に備えた事前防災行動計画「タイムライン」を策定し、災害を学ぶ町民防災会議を組織した。また、災害を忘れないために最高水位を記した伝承碑を建て、9月4日を「町民防災の日」に制定した。
自分の命を守るためには防災意識と災害への備えが重要で、自分たちの地域を守るためには、地域を知ることが必要だろう。
〝災害を忘れない〟ということは、経験を風化させず、教訓を後世に残していくこと。「自分だけは大丈夫」と思わず、早めの避難を心掛け、家族や地域で防災について話し合うことが大切だ。
(2020年9月6日付紙面より)
三輪崎小で大輪の花咲く (ひまわりの絆プロジェクト )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)で、6月に種を植えたヒマワリが大輪の花を咲かせた。ヒマワリは「ひまわりの絆プロジェクト」の一環で園芸委員の児童らが植え世話をしたもの。新宮警察の指導の下、ヒマワリの種植えや世話を通じて命の大切さや交通事故の悲惨さなどを学ぶ機会としていた。
同プロジェクトは、2011(平成23)年、京都府内で交通事故で亡くなった男児(当時4歳)が生前大切に育てていたヒマワリの種を多くの場所で開花させることにより、亡くなった男の子の生きた証しを残したいとする遺族の思いに応えるとともに交通事故防止の意識を醸成させることを目的に実施。
京都府警が発案したプロジェクトは16(平成28)年から全国の警察本部犯罪被害者支援室を通じて推進されており、新宮署では今年初めて管内小学校の協力を得る形でプロジェクトに参加した。
花が咲き始めたのは種をまいてから約2カ月半後の8月中旬。新型コロナの影響で短い夏休みとなった児童らを、大輪に花開いたヒマワリが出迎えた。
9月4日には、同署の上畑充史交通課長や和歌山県警マスコットキャラクター「きしゅう君」らが同校を訪れ、プロジェクトへの協力に感謝。上畑交通課長は児童らに対し「育ててくれてありがとう。これからも大きく育てて、そして交通事故をなくせるよう頑張ってください」と呼び掛けた。
園芸委員の松下まゆ花さん(5年)と南りおなさん(同)は「思ったより大きくなった。事故で亡くなった子どもはかわいそう。きれいに咲いたヒマワリを見て交通事故に気を付けようと思います」と話していた。
現在は約10輪が開花。種は児童らが持ち帰るほか、来年の種まき用に同校で保管。さらなるプロジェクトの広がりが期待される。
(2020年9月6日付紙面より)
学童軟式野球大会
鯨類追い込み漁が解禁 (太地町 )
太地町で1日、イルカや小型クジラの追い込み漁が解禁され、太地いさな組合(田中清仁組合長、21人)の漁船12隻が午前5時ごろに太地漁港を出発した。初日からハナゴンドウ1頭、バンドウイルカ3頭を捕獲し、幸先良い漁のスタートを切った。
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国際捕鯨委員会(IWC)脱退や商業捕鯨の再開が注目されていることから、同町では反捕鯨活動家による抗議や違法行為などに対し例年、和歌山県警と海上保安庁が連携し、厳重な警備態勢を敷いている。
この日、東の浜駐車場では反捕鯨活動家と思われる人物の姿もあったが、目立った混乱はなかった。
現地警備を行う新宮警察署によると、「早朝の段階では活動家などの目立った動きはない。例年と同じく厳戒態勢を敷き、引き続き警備に当たる」と話していた。
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晴天に恵まれた初日、船団は7㍄(約12㌔)ほど沖へ向かった。出港から約4時間後の午前8時50分ごろ、ハナゴンドウとバンドウイルカの群れを発見し、同町の畠尻湾に4頭を追い込んだ。いずれも体長は約2・8㍍ほど。
同漁協によると、捕獲された鯨類は生体のまま、同町開発公社が水族館などに販売するために買い取ったという。
太地漁業協同組合の貝良文専務理事は「幸先の良いスタートでうれしい。海水温が高いため心配していたが、天候にも恵まれ良かった」と述べた。
初日の操業を終えた田中組合長は「出初めで捕獲でき安心した。海保や警察の方のおかげで安心して操業ができる。台風もあるが今後も頑張っていきたい」と語った。
なお、漁期はゴンドウクジラ類が来年4月30日、イルカ類が来年2月までとなっている。
(2020年9月2日付紙面より)
丸山千枚田で稲刈り体験始まる (熊野市 )
熊野市紀和町の丸山千枚田で8月29日、稲刈り体験が始まった。例年は市と市ふるさと振興公社の共催で9月上旬に「稲刈りの集い」を催し、1000人近い参加者があるが、今年は新型コロナウイルス感染予防のため、6日(日)まで期間を設けてオーナーを対象にして実施する。
昨年は天候不順で中止となった集いだが、今シーズンの初日は「勤労者地域づくり等参画支援事業実行委員会」(吉川秀治実行委員長)が募ったメンバー約70人が午前9時30分、10時、10時30分の3班に分かれて県内各地から到着。早速鎌を手にし、マスクやフェースシールドを着用して稲刈りや刈り取った稲を束ねる作業に励んだ。千枚田で栽培するのは早場米の「あきたこまち」。「丸山千枚田保存会」(喜田俊生会長)の会員10人も早朝7時から準備作業を進め、稲刈りの手伝いやアドバイスにも努めた。喜田会長は「今年は獣害が少なく、米の出来も良いが、刈り取りが遅れている。あまり遅れると、精米したときに米が割れる」と気にしていた。
勤労者地域づくり等参画支援事業実行委員会は県内の労働団体、労働福祉団体、経営団体で構成する団体で、勤労者の地域や家庭でのワーク・ライフ・バランスを推進するための活動を展開している。吉川実行委員長は「千枚田の田植えと稲刈りは、うちの活動の2本柱。今は自粛で我慢の夏休みですが、楽しい思い出を」と呼び掛けた。体験に参加した南熊地区労働者福祉協議会の中家嗣仁会長は「主催者の思いをしっかりと受け止め、コロナの感染予防に努め、無事に事業が終了できるように」とあいさつした。精米後に分配される新米は、参加者や県内各地の「こども食堂」に分配されるという。
本年度のオーナー数は105組146口で655人。稲刈り体験には8月30日に13組54人、9月5日(土)14組28人、6日(日)9組32人、その他5組56人の申し込みがある。
(2020年9月2日付紙面より)
令和2年度総合教育会議 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は8月31日、町役場で教育に関する重要課題を検討するための令和2年度第1回総合教育会議を開いた。堀順一郎町長や岡田秀洋教育長、町職員、同教育委員らが出席。学校教育や生涯学習などを主とする教育委員会の事業方針を確認し、町が定める教育大綱の素案を協議した。
総合会議は「地方教育行政の組織および運営に関する法律」の改正に伴い設置された。町長と教育委員を構成員として、基本公開で開かれている。
堀町長は「コロナの関係で教育の周辺が影響を受けている。9月議会にはICT化のために必要なタブレット端末導入に係る予算を計上している。学校教育と生涯学習の関係、少子化などについて皆さまからご意見をいただきたい」とあいさつ。
会議では学校教育課と生涯学習課がそれぞれの方針や事業の経過を報告した。2016年に策定された教育大綱は「ふるさとの明日を担う人づくり」を基本理念や指針として定めている。期間は本年度と来年度の2年間。
素案では▽義務教育期間で全ての子どもたちの基礎学力習得に取り組む▽いじめ・不登校の解消を目指し、「学級集団・学習集団・仲間づくり」の育成・充実に取り組む▽「健やかな体の育成」「体力の向上」に取り組む▽安全教育の推進・充実に取り組む▽「ふるさと学習」の充実に取り組む▽人権・同和教育の推進・充実に取り組む▽ICTの効果的活用および情報モラルの指導・啓発に取り組む▽国際理解教育の充実に取り組む―などの14項目を柱にしていると説明。
また、前述の取り組みに対して追記事項があるとし、「新しい生活様式の啓発・普及を」、ふるさと学習の資料の「活用・発信」、「あらゆる状況下でも児童生徒の学びを保障する(『個別的な学習』『遠隔学習』『リモート授業』等)環境整備と活用」などを挙げた。
堀町長は細かな追記や変更を指摘。さらにふるさと学習の追記分と串本町田原に建設中のロケット基地「スペースポート紀伊」の小型ロケット発射を挙げ、「星空や宇宙に目を向けていくのは良いこと。宇宙に興味関心を持つ、青少年育成を。前向きに視野が広がっていると思う」と話した。
委員は小学校の新入生の推移が11年度から20年度までの10年間で36人減となり、26年度までの小学校新入生の人数見込みが66人になることに触れ、「統合などを考える場合は地域の状況や課題、要望の把握が必要になる。多くの事柄を考えながら、どうすれば子どもたちにとってより良い環境になるかを検討していくべき」などと意見した。
(2020年9月2日付紙面より)
新宮市文化複合施設
来年秋ごろの開館に向け整備が進められている新宮市文化複合施設の愛称が「丹鶴ホール」に決まった。市文化複合施設愛称選定委員会により応募総数1010件の中から選出された。8月31日に市役所で表彰式が行われ、最優秀賞に選ばれた大門立身(たつみ)さんの代理・大門順子さんと、優秀賞「たんかくホール」の下古谷光代さん、同賞「ICOLE(いこれ)」の県立新宮高校3年・奥野珠々(すず)さんに田岡実千年市長から賞状などが手渡された。
市は、丹鶴小学校跡地で建設工事が進む同施設について「幅広い世代の市民に、施設に親しみを持ってもらえるように」と、「施設のイメージを表現した、誰もが分かりやすく親しみやすいもの」などを条件に愛称を募集。7月に文化複合施設関係者、文化活動関係団体、学校関係者、中高生らによる委員会で選定を行い、入選候補作品の権利関係調査を経てこのたびの決定・発表に至った。
表彰式に当たり、田岡市長は「全国から1010件もの作品を応募いただきうれしい。それだけ皆さまから注目いただいている施設なのだと改めて感じた」とあいさつ。
選定委員会では「歴史ある丹鶴という地名を残したい」「市内外問わず愛称名を聞いたときにどこにあるのか分かりやすいものがいい」といった意見が多かったことが決め手と説明し、「『ホール』という言葉には『玄関』という意味もある。丹鶴ホールという愛称を持って、施設が市民の皆さまの日々の文化活動や生涯学習における玄関となるような施設を目指したい」と述べた。
表彰を受けた順子さんは「夫婦で一緒に考えた。丹鶴という名前を残したいと思いました」と喜びを語り「市民にとって憩いの場所として、また町おこしの起爆剤となるような施設になってほしい」と期待を込めた。
「丹鶴ホール」は今後施設の愛称として、情報発信や各種イベントに活用していく予定。
(2020年9月2日付紙面より)