規模縮小して宇久井神社例大祭 (那智勝浦町 )
海上安全や豊漁、地域の繁栄などを祈願する那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭が20日、本殿で営まれた。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から神輿(みこし)の渡御行列や御船による海上渡御などを取りやめ、規模を縮小して式典のみを斎行した。
例大祭は毎年、多くの人々でにぎわう伝統の地域行事。例年、祭り前から獅子舞や中学生による御船の練習もあり、氏子や地域住民が協力し、渡御通路や御旅所(おたびしょ)の清掃奉仕活動に取り組んでいる。
今年は新型コロナの影響から、祭典委員会で協議の結果、宵宮祭・本宮ともに規模を縮小した。
当日は神職や祭典役員、党家(とうや)講など関係者のみが参列。コロナ終息や来年の例大祭への思いを胸に玉串をささげ祈願した。続いて、秋葉会(梶誠仁会長)と宇久井青年会(柴原寛会長)による勇ましい獅子神楽が奉納された。
熊野那智大社から林美喜(よしき)権禰宜(ごんねぎ)ら神職2人が出仕。式典後の神酒拝載(しんしゅはいたい)で林権禰宜が「今年はコロナの関係で渡御祭と還御祭を省略させていただきご奉仕させていただいた。来年はより盛り上がる例大祭を斎行できるようにお祈りさせていただきました」と述べ、一同が乾杯した。
祭典委員長の亀井二三男さんは「コロナの感染拡大から今年は祭りを中止するかを祭典委員会で協議し、宵宮や本宮にしぼって斎行させていただいた。できれば小・中学生の神輿や御船はやらせてあげたかったが、苦渋の選択で今回に至った」。
今年の例大祭と来年については「まず無事に終えることができ、喜びを感じている。来年はコロナと付き合う中で盛大にしたい」と語った。
(2020年9月24日付紙面より)
県宇宙教育研究会が発足 (串本町 )
モデルロケット(アルファ3)などを用いた指導方法の確立と普及を目指す県宇宙教育研究会(木皮享会長)が19日、串本町潮岬にある県立潮岬青少年の家で設立総会を開いて発足した。
国内初の民間ロケット発射場を有することとなった県域において、子どもたちがモデルロケットや水ロケットの制作と打ち上げを通して仕組みや原理への理解を深め、科学のすごさを体感する指導方法を見いだすことが同研究会の掲げる目的。
発足時会員数は17人で、会員は教員(指導主事を含む)。本紙関係では新宮高、串本古座高、新宮市立光洋中、那智勝浦町立色川中、串本町立串本中、同大島小の教員6人が参加している。
全国大会優勝を経て2010年と19年に世界大会「Can Sat」へ進出した実績を持つ桐蔭高の科学部顧問・藤木郁久教諭が事務局長を担当。その手腕は学校だけでなく県内の教育全般で生かすべきと推す木皮享校長が会長を担う形となっている。
第一歩は民間ロケット発射場がある串本町から―。そのような思いで会場を選んだ設立総会ではまず会則を定めて本年度の執行部員を決め、本年度の活動内容と予算を承認した。藤木事務局長が桐蔭高科学部の活動や自身の指導者としての歩みを伝え、この研究会をJAXAの養成を受けた教員で結成するグループ「スペースティーチャー和歌山」の実績をステップアップさせて学校教育や社会教育へ広げる場にしたいことを示唆。木皮会長は18日に実施した町長表敬時に望楼の芝を大会地などで使用するため所有者の潮岬財産区と交渉する取り次ぎを求めたことなどを補足説明し、そのような活動も同研究会の一端として軌道に乗せたいとした。
当面の活動は10月3日(土)に缶サット甲子園和歌山地方大会、18日(日)に県立白崎青少年の家で藤木事務局長による実指導を見学。12月5日(土)に県立潮岬青少年の家で現会員による子ども対象のモデルロケット体験会を開く予定。木皮会長は並行して会員の裾野を発射場のある串本町と事務の中核がある和歌山市から県域へ広げることも見据えている。
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同研究会は総会の前後で、日本モデルロケット協会が発行するライセンスの取得を目的とした研修なども実施した。
このライセンスは、自身で同ロケットを打ち上げるために必要な知識と技術を認めるもの。指導者の資格を持つ藤木事務局長が講師となり、新規取得を目指す会員や同伴の家族、藤木事務局長の指導を求めた米航空宇宙局(NASA)主催大会「スペースアップスチャレンジ」出場を目指すメンバー約20人が受講した。
藤木事務局長は18日夜半に同ロケットの原理など基本知識を座学で伝えて試験をし、以降はA8―3エンジン1本で飛ぶ同ロケットキットの制作を指導しエンジンを組み込んで打ち上げるまでの経験を託して取得の門戸を開くなどした。
会員は資格取得研修後、日本宇宙少年団の遠藤守専務理事(スペースワン株式会社最高顧問)によるリモート講演も受講するなどした。
(2020年9月24日付紙面より)
秋の交通安全運動初日に啓発 (紀宝署 )
「秋の全国交通安全運動」初日の21日、熊野市紀和町の道の駅「熊野・板屋九郎兵衛の里」で紀宝警察署と紀宝地区交通安全協会、南牟婁郡交通安全対策協議会による広報啓発活動があった。新型コロナウイルス対策としてマスクとフェースシールドを着用し、テーブルに置いた啓発物品を持ち帰ってもらうなどして、道の駅利用者に運動の周知を図った。
運動の重点は▽子供を始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止―の三つで、同署では30日(水)までの期間中、園児や児童を対象とした交通安全教室、シートベルト着用推進モデル事業所の指定などに取り組む。
同署によると、20日現在、県内の交通事故は3万4321件(前年同期比6932件減)。人身事故は2114件(同523件減)、死亡事故は52件(同1件増)で53人(同1人増)だった。管内では総事故203件(同31件減)のうち、人身事故は16件(同3件減)で死亡事故は発生していない。
地域交通課の横山哲也課長は「管内では9月中、人身事故の発生はなかったが、高齢者の事故が多い。車両は早めのライト点灯、歩行者は反射材の活用、明るい服装をお願いします」と話していた。
(2020年9月24日付紙面より)
下里神社例大祭・神事斎行 (那智勝浦町 )
建御名方神(たけみなかたのかみ)を主祭神とする那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で20日、秋の例大祭の神事が営まれた。同神社の総代役員6人が参列し、神様をたたえて地域の平穏無事などを願った。
祭りは五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全、商売繁盛などを願って行われ、毎年地域住民らでにぎわうが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小。境内で披露されている伝統の獅子舞奉納や餅まき、町を巡行する神輿(みこし)、手踊りなどの祭事は中止となった。
厳かな雰囲気の中、山本宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上。参列者が順番に玉串をささげていき、一日も早いコロナウイルスの終息を祈念した。
山本宮司は「コロナの影響により大幅な縮小を余儀なくされ、残念ではありますが滞りなく営むことができました。地域の方々はじめ、全ての人がマスク着用や3密を避けるなど、それぞれができる対策に努めて終息に向けさらなる意識を強めていただきたい。来年こそは、勇壮で活気のある祭りを再び営むことができるよう願っています」と話していた。
(2020年9月24日付紙面より)
令和2年度クラブ選手権競技 (日本ダイヤモンドゴルフ倶楽部 )
剣道級位審査会
漁野理子さんが3位入賞 (日本学生陸上競技対校選手権大会 )
太地町出身の漁野理子さん(早稲田大4年)が、11日に新潟県のデンカビッグスワンスタジアムで開かれた「第89回日本学生陸上競技対校選手権大会」(通称・日本インカレ)の女子走り幅跳びにおいて3位入賞を果たした。6㍍04の記録を残した漁野さんは「目標は優勝だったが自分の力を出し切れた。表彰台に上れたことを自分自身で評価したい」と語った。
小学1年生で陸上に出会い、中学、高校と活躍の幅を広げてきた漁野さん。小学6年生で全国大会3位入賞を果たし、中学3年生で国民体育大会(国体)に出場し、近畿大会でも4位の成績を収めた。新宮高校入学後も国体やインターハイに出場し、早稲田大へと進んだ。
大学2年で関東インカレ3位、日本インカレ4位に入賞し、3年でも関東インカレ3位となり日本インカレに出場した。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から無観客で実施された今大会が最後の日本インカレとなった漁野さんは「けがもあった。周囲のレベルが高く、ついていくのが大変だった。小学生以来、全国の表彰台に上ることがなかったので、応援してくれる方々への恩返しやチームの上級生として活躍したい気持ちがいっぱいだった」とこれまでを振り返った。
背中を追う後進に対して「良い記録が出ない時期が続いた。いろいろ経験してようやく自分の力が試合で発揮できるようになってきた。辛い時のほうが多いがくじけずに頑張ってほしい」とエール。
故郷や家族には「小学校の時にスポーツクラブで陸上に出会ったからこそ今の自分がある」。
「家族の理解や多大なサポートがあったからこそ、ここまで陸上を続けてこられた。喜んでもらえる結果が出せて良かった。感謝しています」と語った。
10月には基準記録を突破した選手のみが参加できる日本陸上競技選手権大会に出場が決定している。漁野さんは「出たくても出られなかった最初で最後の大会。これまでやってきたことを悔いなく出して入賞できるよう頑張りたい」と抱負を述べた。
半生を費やした競技人生の引退を決意した漁野さん。終止符を打つべく最後の大舞台に挑む。
(2020年9月20日付紙面より)
宇久井神社例大祭・宵宮祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が18日、本殿であった。毎年多くの人でにぎわうが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家(とうや)講など関係者のみが参列して厳かに式典が斎行された。
例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが今年は取りやめとなった。
式典では祭典委員長の亀井二三男さんが「祭典委員会で協議し、規模を縮小して例大祭を執り行うことになった。神輿(みこし)や御船も出したかったが密を避けるために取りやめました。来年こそは派手にやりたいと思う」とあいさつした。
熊野那智大社から出仕した林美喜(よしき)権禰宜(ごんねぎ)が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。
式典後の神酒拝載(しんしゅはいたい)では林権禰宜が「あさっての本宮も天気に恵まれ、良いお祭りになるように心より祈願しております」と述べ、手にした杯で乾杯した。
本宮は20日午前9時から式典のみ行われ、秋葉会と青年会が神楽を奉納する。
(2020年9月20日付紙面より)
矢渕中学校で体育祭 (紀宝町 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長、生徒231人)は19日、体育祭を開催。「矢渕しか勝たん!!~咲き誇れ君色の華~」をテーマに、生徒たちはグラウンドいっぱいに走り回り、爽やかに汗を流した。
全生徒が駆け足で入場。竹原校長が「今日は素晴らしい天気になった。生徒同士がつながり合い、エネルギーを発散してください」、石垣芽愛実行委員長は「各チームが練習してきた成果を発揮して、優勝を目指しながら楽しむことを大切にしましょう」とあいさつした。
6チームの各リーダーが「チーム矢渕で最高の思い出になるよう全力で頑張ることを誓います」と宣誓した後、競技開始。学年別の100㍍走や大縄跳びなどを繰り広げた。
午後からは、クラブ対抗や全校リレーなどがあり、保護者やクラスメートから応援を受けて力走した。本年度は新型コロナウイルス対策として、生徒の同居家族のみが観戦した。
(2020年9月20日付紙面より)
よさこいソーラン教室開講 (新宮市 )
新宮市のくろしお児童館で17日、よさこいソーラン教室の開講式が開かれた。小学生11人が参加し、久しぶりの練習に笑顔で汗を流した。
黄色のTシャツがトレードマークの同館のよさこいチームは、毎年新宮秋まつりや佐野柱松、南紀海彩まつりなどでダンスを披露している。例年は4月に開講しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。
この日は講師の前田優香さんと一緒にヒップホップダンスの基本ステップ「ランニングマン」を練習。2㍍以上の距離を取るなどの感染対策をしながら、楽しく体を動かした。休憩時間には昨年練習した「パプリカ」や「Make you happy」の曲を流して踊り出す姿も見られた。
前田さんは「今年は発表の場であるお祭りも中止になったので、ステップ練習などを中心にやっていくつもり。制限も多いが、来年に向けて少しずつ練習を積んでいけたら」と話していた。
(2020年9月20日付紙面より)
他競技は10月に開催 (東牟婁地方中学校新人大会 )
環境省が改善措置を回答 (総務省 )
環境省近畿地方環境事務所は14日、総務省近畿管区行政評価局(山内達矢局長)が管内の3国立公園(吉野熊野、山陰海岸および瀬戸内海国立公園)について必要な改善措置を講じるよう通知した件に関して回答を行った。17日に同局が公表した。
同局は3国立公園について、昨年5月から今年1月にかけて「誰もが安全で利用しやすいものとなっているか」との観点から現地の実情や関係機関の取り組みなどを調査。和歌山、奈良、兵庫の3県内6市町村(本紙エリア内では新宮市、那智勝浦町、太地町が該当)を調査対象とし、取りまとめた結果を環境省近畿地方環境事務所に通知し、必要な改善措置を講じるよう求めていた。
調査では「公共標識において多言語対応されていたのは637基中301基」「公共標識が老朽化し、情報が読み取れないものなどが46事例」「公衆トイレまでの通路に段差があり支障を来すなどユニバーサルデザイン化に関して不十分(22事例)」「立ち入り・転落防止柵が破損。倒木により通行に支障などあり(24事例)」などが発覚した。
通知に対し環境省は▽環境省が設置した公共標識について、計画的に多言語対応するとともに、新たに点検実施要領を作成し、これに基づく点検を実施▽地域の連絡協議会の場や文書を通じて、多言語対応や不備があるものが是正されるよう地方公共団体などに助言▽環境省が設置した公園施設について、新たに点検実施要領を作成し、これに基づく点検を実施▽危険な状態で放置されている公園施設を修繕―などの措置を実施していく構えを示している。
回答を受け、同局は「すでに改善済みの箇所もあり、今後の措置などについても公文書で回答いただいたので信用したい」と話している。
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国は2013(平成25)年、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」(観光立国推進閣僚会議)により、国立公園を含む自然公園などについて、外国人目線に立った多言語対応の改善、強化を図る方針を打ち出していた。
25(令和7)年の大阪・関西万博の開催が予定されている近畿地方では、国内外の観光客の増加が見込まれる中、管内3国立公園においても各種の取り組みを着実に実施することの必要性が求められていることから、当局は3国立公園内の代表的な利用ルート(総延長約80㌔)とルート上の利用拠点において現地の実情を調査していた。
(2020年9月19日付紙面より)
大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は、1日から始まった「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」の総仕上げとなる最終プレゼンテーションを13日、那智勝浦町の体育文化会館で実施した。
この日は堀順一郎町長や那智勝浦観光機構(NACKT=ナクト)の村井弘和事務局長らも駆け付け、同プログラムに参加した大学生のプレゼンに耳を傾けた。投票の結果、生まぐろによる新商品開発チーム「とぅな」の「とぅ~ナツ」と、お土産新商品開発チーム「ステーキハウス」の「なまぐろちゃんハンカチ」が採用された。また、4チームの中から「とぅな」がチームナンバーワンに選ばれた。
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中間プレゼンを終えた各チームは課題解決などに向き合い、試行錯誤しながら11、12日に同町築地のにぎわい市場で実際に販売などを行う効果測定に取り組んだ。
「とぅな」は甘じょっぱく、冷めてもおいしい食べ歩き商品として、ドーナツ生地で揚げた生まぐろのドーナツ「とぅ~ナツ」を、「ステーキハウス」はご当地感を盛り込んだ愛らしいマグロのイラストと町名が入った「なまぐろちゃんハンカチ」を、「まぐろーん」は生まぐろの食べ方などが27通り楽しめる「27種ど~ん」を販売した。
「かいゆう」は観光客に知られていないお蛇浦(じゃうら)遊歩道などの名所や付近のカフェなどの情報をまとめたマップ「那智勝浦の秘蔵スポット」を観光客らに説明しながら配布した。
「かいゆう」の的羽佑菜さん(横浜国立大3年)は「自分たちがやりたいことや伝えたいことを考えた途端にチームや計画が進み出した。この経験を生かして今後はやりたいことに踏み出したいと思う」と語った。
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13日は午前中ににぎわい市場で審査員による試食があり、午後から体育文化会館で最終プレゼンテーションが行われた。審査員はファシリテーターの吉田亮介さんとNACKTの堀千寿子さん、にぎわい市場の理事で片原魚店の片原茂晴さんが務めた。
各チームが開発商品を懸命にプレゼンし、審査員が課題指摘やアドバイスを行った。投票は学生やファシリテーター、審査員がスマートフォンで実施した。
集計後、吉田さんが採用商品の結果とチームナンバーワンを発表。商品が採用された「ステーキハウス」の水谷海人さん(慶應義塾大2年)、小豆澤希美さん(大阪市立大3年)、伏見こみちさん(立教大3年)、本木まつりさん(法政大2年)は健闘をたたえ合った。
商品採用とナンバーワンに選ばれた「とぅな」の瀬戸新さん(桃山学院大3年)、光吉崇さん(桃山学院大3年)、堀江智子さん(創価大3年)、齋藤芽翠(めみ)さん(岩手大2年)には賞状が贈られ、涙を流す学生の姿も。
瀬戸さんは「このメンバーじゃないと成し遂げられなかった」、光吉さんは「3人がとても大好き。1位が取れて本当にうれしい」、齋藤さんは「このチームで1位が取れてうれしい。良い経験になりました」、堀江さんは「本気の素晴らしさを初めて知りました」とそれぞれ思いを語った。
その後、ファシリテーターの平川徳好さん、髙野康さん、吉田さん、旅武者人財紹介事業部の東条智子さんが「自分を認めてあげてください」「全員が町を好きになってくれて良かった」「周囲の方々から学ばせていただいたことを忘れないでください」と学生にエールを送った。
同社によると、開発された商品はにぎわい市場の各店舗に引き継がれ、今後販売される予定だという。
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※武者修行(R)プログラム
株式会社旅武者のベトナム法人が運営する店舗で、全国から集まる大学生がチームを組み、新規ビジネス担当者として新商品・サービス開発やプロモーション企画を自らで考え、行動し形にして顧客に届けるリアルなビジネス体験学習プログラム。今年から日本国内で実施することとなり、地域や地域住民と関わる関係人口の増加や、武者修行修了生を中心とした関係人口ネットワークの構築を目指している。
(2020年9月19日付紙面より)
会員対象にし救命講習会 (古座川町観光協会 )
古座川町観光協会(須川陽介会長)が13日、中央公民館で会員を対象にした救命講習会を開き会員や職員が初期救命技術の習熟に努めるなどした。
イベントの主催や後援により町内で人の集まる場所へ出向くことが多い同協会。今秋から人気企画「古座川ウオーク&トレッキングツアー」の事務も引き継ぐなどその機会が一層増す中、急患発生時に率先して対処する意識と技術を身に付ける目的で同講習に取り組むことを決め、会員に参加を呼び掛けた。
コロナ禍の情勢を鑑み定員先着12人で募集。当日は事務局の2人を含め9人が参加し、串本町消防本部の職員から周囲の安全確保や意識・呼吸の確認、人工呼吸や胸骨圧迫、自動体外式除細動器(AED)の手配や使用、といった一連の流れについてダミー人形を用いた実践を交えて教わった。
今の初期救命実践時は新型コロナウイルスの考慮も必要で、助ける人の顔にタオルやハンカチをかけて胸骨圧迫時の呼気の拡散を抑えることや人工呼吸にためらいを感じた時は胸骨圧迫だけを続けるなどの点が斬新だったという。
現在は定員を設けて開く形を取っているため、今後も受講の機会を重ね作って習熟の裾野を広げる考え。会員の中でさらに深く学びたいという思いがあれば相応の講習会も考えたいという。
(2020年9月19日付紙面より)
王子ヶ浜小で減災教室 (新宮市 )
新宮市立王子ヶ浜小学校(山本眞也校長、児童340人)で18日、県の「出張!減災教室」があった。4年生53人が地震体験車「ごりょう君」で震度7の揺れを体験するとともに、津波から身を守る方法を学んだ。
社会科の「自然災害から身を守る活動」の一環。ごりょう君は地震から村人を救った物語「稲むらの火」のモデルとなった濱口梧陵氏から名付けられており、社会科の教科書にも掲載されている。今年は濱口氏の生誕200周年に当たる。
地震体験では、椅子に座った状態で南海・東南海・南海の3連動型地震を想定した海溝型地震の揺れを体験。初期微動に続いて大きな揺れが来ると、児童は手すりにしがみついて体を支えていた。震度7の時に重たいピアノがはねる映像を見ると、驚きの声が上がった。
児童は「体が飛びそうだった」「最初は大丈夫と思っていたけれど、怖かった」「30年以内に起こるといわれているが、今この瞬間起こったら大変なことになる」と感想を話していた。
午後には東牟婁振興局による講座が行われ、地震や津波に関する基礎知識を学んだ。
(2020年9月19日付紙面より)
ホップリーグ県大会東牟婁大会
【第20回】今日からできる食育
「食育」という言葉には、どうしても「無添加」や「オーガニック」というキーワードがついて回ります。これは誤解です。無添加やオーガニックや手作りが食育につながるというわけではありません。私が思う「食育」は「心の安定」と「食の自立」を目標としています。子どもたちにとって、食卓でのコミュニケーションは大切な精神安定剤だと思っています。大人と楽しく会話をしながら食べることは、子どもたちを前向きにするという研究結果もあります。そして、もう一つ大切なのが「食の自立」これは、いずれは食を自分で選択して、自分で調理し、生きていける力を付けるということです。これもまた心身を健康に保つために必要な力ですよね。食材を一緒に選んだり、お手伝いをしてもらったり、ということはすぐに浮かびますが、時間のない日々でなかなか難しいですよね? それは、予定のない休日にやるとして、私がおすすめするのが、食卓でのクイズです! これはお子さんの年齢によって内容は変わると思いますが、とっても簡単で最も取り入れやすい食育だと思うんです。
幼稚園から低学年くらいのお子さんには、食材に関するクイズがいいと思います。例えば、かぼちゃの旬はいつでしょう?とか、大根の一番甘い部分はどこでしょう?とか。どんな風にできるかというクイズもいいと思います。土の中にできるか、土の上になるのか、木になるのか、など。食べている食材のことを知るいいきっかけになると思います。
小学校中学年くらいからは、食べ合わせについてや、栄養のことをクイズにするのはいかがでしょうか? これはクイズにせずに、一緒に考えて調べるのもおすすめです。今はスマホ一つでなんでも調べられるので、ビタミンが多いのはどっちの食材か、とか、発酵食品はなぜ体にいいか、とか。あと、大豆に関するクイズもいいと思います。枝豆は若い大豆とか、豆腐も味噌(みそ)も醤油(しょうゆ)も大豆からできているなど、大豆はいろいろ形を変えるので、面白いですよね。食べ合わせは、揚げ物とキャベツとか、実は意味がある食べ合わせをクイズにするのもいいと思います。
小学校高学年から中学生になると、調味料や味付けを当ててもらうのがおすすめです。「これには何が入っているでしょう?」というクイズは、お父さんも一緒に楽しめますよね。食卓が楽しい空気になること間違いなしです。
食育はみなさんのイメージよりも、とても身近な教育です。気負わずに普段の食事のコミュニケーションツールとして活用してみてください。最後に少し宣伝になりますが、この「食育×クイズ」を広めようと、私は「しょくいずアカデミー」という「クイズ番組型食育イベント」を立ち上げました。また、レシピとクイズを動画にしたYouTube(ユーチューブ)チャンネルもありますので、ぜひ、お子さまと一緒にご覧ください。
(2020年9月19日付紙面より)
新宮高校で第27回彩雲祭
和歌山県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)の文化祭「第27回彩雲祭」(戸石蓮実行委員長)が17日、同校で開幕し、文化部によるステージやクラスの制作展示が行われた。
今年のテーマは「SHINKO2020」。延期になった東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために使うはずだった熱意を、彩雲祭にぶつけてほしいという思いを込めた。
開会式で前田校長は「本校の校是は『文武両道』、言い換えれば『よく遊びよく学べ』です。新しい生活様式を守りつつ、2日間しっかり遊んで思い出に残る彩雲祭にしてほしい」。戸石実行委員長は「新型コロナウイルスの大騒動の中ですが、開催することができた。今までにない新しい形の彩雲祭にしましょう。手洗いなどの感染対策をしながら、全力で楽しみましょう」とあいさつした。
オープニングを飾ったのは吹奏楽部。「Dear this moment~チーム亀サウンドを届ける~」をテーマに、「千と千尋の神隠しハイライト」や「Uptown Funk」「君の瞳に恋してる」で会場を盛り上げた。
18日には映像による各クラスの発表や生徒会による「ロミオとジュリエット」、琴部によるミニコンサート、制作展示などが行われる。
今年は新型コロナ拡大防止のため、25日(金)開催のスポーツフェスティバルと合わせて生徒のみの参加とした。保護者や地域の人が生徒の取り組みや作品を見ることができるよう、26日(土)午後0時30分~翌27日(日)午後3時、新宮市福祉センターで「新高展」の開催を予定している。
(2020年9月18日付紙面より)
丹鶴城旧蔵幕府史料が入荷 (新宮市立図書館 )
新宮市井の沢の市立図書館にこのほど、紀州徳川家付家老・9代新宮城主水野忠央(ただなか)が収集した史料群の一部である「丹鶴城旧蔵幕府史料」が入荷した=写真。同図書館では現在、2009年に入荷した第1巻を含めた全35巻が郷土資料室で閲覧可能となっている。
学習院大学図書館が所蔵する「旧丹鶴城蔵書幕府書類」を影印複製したもので、「御老中留書類」のうちの日常政務や儀礼関係が中心となっている。学習院女子大学の元教授・松尾美惠子氏が監修した。
忠央は江戸三大国書の一つ「丹鶴叢書(そうしょ)」の刊行でも有名。忠央が収集し所蔵していた膨大な書籍や記録の多くは散逸したが、一部が学習院大学図書館に伝存していた。
同史料では、奏者番による幕府日記や代官・領主からの問い合わせに対する幕府の回答をまとめたもの、寺社・信仰・祭祀(さいし)に係る事例を書き留めたもの、大名の上・下屋敷、抱屋敷から発生した火事の記録、江戸城中において大規模な儀礼や人事情報、城内全体に日々伝達された御沙汰書の記録、江戸幕府代官の地方支配における勤務のマニュアルなどが収録されており、国立公文書館内閣文庫や国立国会図書館にもない極めて貴重な史料群となっている。
第35巻には「公紀私録」「進達談済写」が収録されており、新宮の風聞探索書をはじめ付家老同士の書状の記録などから、忠央の幕閣や藩政との関わりや動向を見ることができる。
貸し出しは基本的に不可だが、34巻「珍説見聞集」と35巻に関しては同図書館1階カウンター横の「熊野の本あれこれ」コーナーに一定期間設置している。問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284)まで。
(2020年9月18日付紙面より)
インターネット回答も可能
日本に住む全ての人を対象にした5年に1度の「国勢調査」が始まった。回答期日は10月7日(水)までで、郵送などでも可能だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総務省はインターネット回答の利用を呼び掛けている。
調査は1920(大正9)年から始まり、今年で100年目を迎える。調査で得られたさまざまな統計は、政治・行政、民間企業や研究機関でも広く利用され、国民生活に役立てられる。
紀宝町では国から任命を受けた調査員71人が全世帯を訪問し、調査票の配布、回収などを行う。調査員は写真付きの調査員証、腕章を身に着け、国勢調査員であることを確認できるようにしている。
今回は新型コロナの影響で原則、インターホン越しで説明し、郵送、インターネットでの回答を求めるなど非接触式の調査方法を導入した。
町では「事情などにより必ずしも非接触方法で行えない場合もあると思いますので、その際は調査員による感染拡大防止対策を徹底した上で調査に当たっていただく。ご理解とご協力を」と求めている。
(2020年9月18日付紙面より)
日ト友好130周年追悼式典 (串本町 )
串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で16日に追悼式典があり、日本国とトルコ共和国の各代表者が殉難将士への敬意をささげ両国友好の絆とその深化への思いを新たにする節目とした。
この式典は、同町と駐日トルコ共和国大使館が主催する日本トルコ友好130周年事業の一環。この周年はトルコの前身・旧オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号(以下エ号とする)が樫野沖で遭難した年(1890年)を起点にして数えていて、両主催は5年ごとに同事業を計画し同碑に眠る殉難将士を追悼し両国友好の深化を重ねている。
今年は130周年の節目に当たり、現在の同碑が建立された期日(6月3日)に合わせてさまざまな行事をする計画だったが世界的なコロナ禍の収束が見られず延期。同町がエ号遭難期日の9月16日に営んでいる月命日の大祭を同事業の陸上追悼式典へ昇格させ、町内の各代表者の数を最小限に絞り町外の各代表者はインターネット経由で参列する形で営む方向で再度調整を進めてきた。
式中の音楽は参列する予定だった海上自衛隊呉音楽隊が収録した音源を使用。黙とうや国歌斉唱、東京ジャーミィ・イマームによる礼拝に続き、日本・トルコ協会総裁を務める三笠宮家の彬子(あきこ)さまは「両国をオンラインでつなぎ、同じ時を共有し共に祈る機会を持てたことは友好の歴史に刻まれる特別な出来事になるでしょう。この大切なひとときを胸に深くとどめ、両国の友好の歴史が途切れることなく紡ぎ続けられることを祈る」とおことば、一時帰国で列席ができなかったハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使は同碑に眠る将士の礎が世界で類を見ない友情を生むきっかけになっていることを振り返って「同じ場所に集うことがかなわずとも先人たちから引き継いだ友情を胸に心と気持ちはともにある」「真心と義理人情の上に育まれたトルコと日本の友情が人間社会の最も価値ある宝物として輝き続ける事を確信する」とビデオレターをそれぞれ寄せた。
町内各代表者が碑前に献花し同碑に根付いている追悼歌(演奏)をささげた後、田嶋勝正町長は「この地で殉難将士のみ霊をお守りし史実と助け合う心の大切さを語り継ぎ、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きるわれわれの使命。両国の絆が今以上に発展していくことを心より祈念する」と式辞を述べて締めくくった。
感染症予防の一環で一般参列の自粛を求める一方、式典はテレビ和歌山に依頼し動画サイト経由でライブ配信。両国を含め参列できなかった人々に様子を伝えた。
町内から代表参列した各代表者は田嶋町長夫妻、同町議会の結城力議長、樫野区の高山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長、同町トルコ文化協会の伊藤アイシェギュル代表の計7人。
(2020年9月18日付紙面より)
勝浦八幡神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭の宵宮が12日、本宮が13日に営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から神輿(みこし)渡御を取りやめ、式典のみが厳かに行われた。
7月に開かれた祭典委員会で協議し、関係者や参加者の安全などを考慮して今回の内容を決定。神輿渡御に付随する各行事も取りやめとなった。
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12日午後5時から同社で宵宮の式典が営まれた。神社の役員や総代、近隣の区長、各奉仕団体の代表らが参列した。髙橋宮司が町の発展やコロナ終息などを祈願し、祝詞を奏上した。
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翌13日は午前10時から本宮の式典が斎行された。前日と同じく、来賓は招待せず、役員や各奉仕団体の代表らが出席し、玉串をささげ祈った。
祭典後、髙橋宮司は「コロナのため、神輿の渡御もできない状況だったが、獅子舞と舟謡(ふなうた)の奉納をいただいた。来年は氏子や町の発展のために通常通りの祭典にしたい。今日から準備していきたい」と語った。
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宵宮と本宮の両日とも勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)と舟謡勝謡会(中村誓会長)が獅子神楽と舟謡を奉納した。
両団体とも7月の祭典委員会の際に奉納したい旨を各委員に伝え、今回に至ったという。
沖会長は「盛大に行えないのは残念だが、神事に参加できたのはありがたい。来年は例年以上ににぎやかなお祭りにできれば」。
中村会長は「こういうご時世の中、少しでもにぎやかにできればと思い奉納させていただいた。コロナの終息を願いました」と語った。
なお、今年初めから櫂伝馬保存会、愛友会、商工会の有志が舟謡の練習に取り組んでおり、今回初めて舟謡勝謡会と共に舟謡を歌った。
(2020年9月15日付紙面より)
王子分館が人権学習 (新宮市 )
新宮市公民館王子分館(野尻和則分館長)は13日、市立王子ヶ浜小学校で人権学習会を開いた。約40人が参加し、DVDを視聴するなどして人権問題に対する学びを深めた。
この日、同分館は同校運動場を利用したグラウンドゴルフ大会を予定していたが天候不良のため中止に。地区住民が集まる機会を利用し、学習会に切り替え実施した。
野尻分館長は、長引くコロナ禍中における公民館活動の現状に触れ「新宮市では新型コロナの感染者は出ていないが、さまざまな活動に制限がかかっている。今は辛抱の時」。
DVDの視聴に当たり「お互いに気を使いながら仲良く。差別をなくしていきましょう」とあいさつした。
同校の山本眞也校長は、日頃の見守り活動などに対する感謝を述べ「コロナの影響で、半日だけの運動会を予定している。例年なら成長を見ていただける機会としているが今年はお返しすることが難しい。しかしいろんなことを模索しながら、できることをやっていければ」。同町出身の濵田雅美市議会議員が今年の4月に供用開始となった同校前の避難路について説明し「地域の皆さんが諦めることなく声を上げ続けたおかげ」と感謝を伝えた。
参加者らは、会員制交流サイト(SNS)を使ったいじめ問題や、子ども、障害者、女性、高齢者などの人権を扱ったDVD「身近な人権問題~人権は小さな気づきから~」を視聴し、知見を広げた。
(2020年9月15日付紙面より)
避難所開設・運営訓練 (紀宝町 )
新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練が11日、紀宝町井田の井田公民館であった。井田、神内両地区の自主防災会の代表者らが参加し、避難者の受け入れ方法を考えた。
はじめに、町民防災会議第1ブロックの田中正吾会長が「新型コロナ感染拡大が続き、安心できない状況だが、安心・安全は自分で守るもの。災害は待ってくれない。自主防災の活動を止めるわけにいかず、今日は避難所の開設を考えていきたい」とあいさつした。
町総務課防災対策室の職員は、両地区避難所のレイアウトを基にコロナ対応の避難所開設・運営を説明。避難所では玄関で検温、受付で消毒し、問診票に記入して避難スペースに移動することや、受付要員はフェースガード、マスクを着用するなどと伝えた。
熱がある場合は専用スペースへ誘導し、スペースがない場所では自家用車などで待機することも考えているという。
この後、訓練に取り組み、マスクや体温計などの備品を確認し、パイプとビニールシートを組み合わせてパーティションを設置。受付での検温や問診確認も行った。
参加者からは「インフルエンザが流行した際も同じ対応を取るべきでは」などの意見があった。
(2020年9月15日付紙面より)
井関・八反田地区で花火大会 (那智勝浦町 )
2011年9月の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた那智勝浦町の井関区(石井康夫区長)・八反田区(三隅玄也区長)合同の夏祭り花火大会が12日、井関区の駐車場で開催された。両区の若者有志で組織する井関・八反田地区夏祭り実行委員会が主催。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の盆踊りや露店などは中止となったが、多くの住民らが夜空に咲く大輪を楽しんだ。
地域の盆踊りは地区内の妙法鉱山が閉鉱した1972(昭和47)年ごろから中断していたが、実行委員会が中心となり同水害で犠牲になった人たちの霊を慰め、地域の結束を固めようと復活させた。例年は住民が準備や露店の運営を行い、カラオケや福引抽選も実施され、にぎわっている。
石井区長は「亡くなった方のみ霊を弔うということで9年間続けてこられた。現在では両地区の恒例行事となっている。若い方々が花火を打ち上げることで元気づけになると実施してくれた。最後の夏を花火で盛り上げたいと思うので楽しんでください」と語った。
午後8時に花火師による4部構成の花火が打ち上げられ、見物する住民からは歓声が上がり、拍手が送られた。
同実行委員会花火担当の樫尾佳彦さんは「今年はコロナで各地域の祭りが中止となった。町の花火も中止になったので、せめてこの地区だけでも実施して、慰霊の思いと地域の方々にも喜んでもらいたいという思いで花火を実施しました」と語った。
(2020年9月15日付紙面より)
障害者用駐車場に屋根設置へ (新宮市 )
新宮市は、市庁舎の障害者用駐車場に屋根を設置する。9月定例会中の10日、市議会(久保智敬議長、15人)は「市庁舎障害者用駐車場屋根等設置工事」費用を含む一般会計補正予算を可決。令和3年3月末の供用開始を目標に事業を進めていく。
事業に係る予算は、設計監理業務委託料、建設工事費合わせて1582万6000円。障害者のさらなる社会参加促進を目指すとともに、合理的配慮の提供を目的とする。
現在の市庁舎は、「市民を守るための安心・安全な庁舎」をコンセプトに2017(平成29)年に完成。「和歌山県福祉のまちづくり条例」に則し、ユニバーサルデザインに配慮する形で建設が進められた。
庁舎前の第1駐車場では障害者用駐車場2台分を入り口近くに優先的に割り当てているが、屋根を設置することによって雨にぬれずに来庁することが可能となる。なお、地中の庁舎設備の関係や建築基準法などの観点から、駐車場レイアウトは現在の場所から変更される見通し。
事業化により、今後設計監理を行い、入札により工事請負業者を決定する。担当課では「3月完成は高い目標。遅くても6、7月には供用を開始したい。屋根が付けば庁舎に入るまでの間に雨にぬれることもなくご不便を掛けることもなくなるのでは」と話している。
(2020年9月12日付紙面より)
着衣泳法の訓練実施 (那智勝浦町消防本部 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は9日、同町の那智漁港で着衣泳法訓練を実施した。消防職員6人が参加し、水中での動きや救助方法などに取り組んだ。
着衣で泳ぐ中で、どれだけ抵抗により動作が困難であるかを体験し、緊急時により迅速な救助ができるかを目的に実施した。準備運動を済ませた消防職員は水面確認をすると、救助服のまま順番に海へと着水。その後、救命胴衣を装着して泳ぎ、違いを比較した。
浮輪やレスキューチューブなどを投げて救助する練習も行われ、消防職員は水難事故防止への意識を高めた。
米川一弥消防士は「日頃から着衣泳法の勉強はしているものの、消防学校時代のカリキュラムで学んで以来の実践。卒業後は機会もなかったため、貴重な訓練でした。着衣時には、服が水を吸い込んで抵抗が大きくなるので非常に重たく、動きも制限されてしまうことを改めて実感した。緊急時に着衣での救助を行う場合には自分の限界を理解しておくことが大切。訓練を通じて知識と経験を深め、適切な救助に努めていきます」と話していた。
(2020年9月12日付紙面より)
和歌山県土砂災害啓発センター (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)ではセンター周辺の地理が一目でわかる手作り模型を設置し、観光客の道案内に役立てている。
同センターによると、大門坂駐車場の利用者や那智山を目指す観光客などが大門坂の入り口などへの経路を訪ねてくることが多いという。そのため、地図よりわかりやすい立体的なカラーの模型を8月末に職員らが作成した。
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同センターでは土砂災害の発生の要因ともなる雨と雲の関係が分かる展示コーナーも開設。雨雲の模型と転倒ます型雨量計が設置されており、質問がある場合は職員が受け付けている。
また、紀伊半島大水害の被災者で、水害の語り部を続ける防災士・久保榮子さんの手作り紙芝居のコピーも展示されている。水害当時の久保さんの体験や周囲の状況が克明に記された貴重な資料で、誰でも自由に閲覧できる。
坂口所長は「観光客の皆さんの一助になればと思い職員が手作りし、ご案内させていただいています。また、久保さんの紙芝居をはじめ、雲の模型などもあるので興味がある方はぜひセンターに足を運んでいただければ」と語っていた。
同センターの開館時間は午前9時から午後5時まで。問い合わせは(電話0735・29・7531)まで。
(2020年9月12日付紙面より)
「セーフティガードの日」を設定 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は、下校時における子どもの見守り活動を強化しようと毎月第1、3水曜日を「セーフティガードの日」と定めた。初日の2日には同署で出発式があり、小畑署長から訓示を受けた署員らがパトカーや白バイに乗り込み同署を出発。管内で警戒活動に取り組んだ。
2015年、紀の川市で小学5年(当時)男児が刺殺された事件をきっかけに、和歌山県では毎月1日と15日を「きのくに子ども見守り強化の日」と定め、警察官や地域住民らが連携し子どもらの登下校時の見守り活動を行っている。
同署では、下校時や夕刻時に子どもが被害に遭うケースが多いことから「セーフティガードの日」を設定。今後、関係ボランティア団体や少年補導員、市立少年センター、那智勝浦青少年センターと連携を図り、主に小学校児童の下校時の警戒活動を強化していくという。
出発式には署員25人、関係団体約20人が参加。小畑署長が「ボランティアの方々と連携し、子どものさらなる見守り強化を図りたい」などとあいさつした。この日は、パトカー5台、白バイ2台、覆面パトカー5台、青パト5台が約1時間にわたり子どもらの見守りを実施した。
中村光利・生活安全刑事課長は、不審者目撃情報などが下校時に多いことに対し「不安を抱えている保護者の方も多い。見守り強化によって住民の方に安心安全を届けることができたら」と話していた。
(2020年9月4日付紙面より)
下里小で海洋教育 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で2日、海洋教育の授業があった。この日は、4年生8人が太地町立くじらの博物館学芸員の中江環さんから生物の特徴などについて教わった。
同校では毎年行われている授業だが、人の体とつくりの変動を学ぶことを目的に本年度から形式を変えて実施。同教育を通じて地域に生息するクジラやイルカのことを知り、郷土愛などを深める狙いもある。
中江さんは研究の世界には動物の仲間分けのルールがあり▽生まれ方▽呼吸方法▽体のつくり―を紹介。イルカの雄と雌の見分け方や出産時には頭からではなく、尾びれから出ること、母乳の栄養分は人間の約4倍であることを写真や人形を使って説明した。
クジラが進化した歴史や骨格、歯の形の種類、イルカとの違いなどの解説もあり、子どもたちは時折「すごい!!」「少し怖い」などと驚きの声を上げながら中江さんの話に耳を傾けた。
渡瀬瑠生君(9)は「普段、目にしないことが多くて驚いた。クジラやイルカのことが勉強できてよかった」。中江さんは「生き物に対して興味のある子どもも多く、意欲的に話を聞いてくれました。授業を通して関心を持ってもらい、命の大切さなどを理解してもらえれば」と話していた。
(2020年9月4日付紙面より)
21日から秋の全国交安運動 (南郡交対協 )
南牟婁郡交通安全対策協議会(会長・大畑覚御浜町長)による委員会が2日、御浜町役場くろしおホールであり、21日(月・祝)から始まる「秋の全国交通安全運動」期間中の取り組みを協議した。
運動は交通事故防止の徹底を図ることが目的で、期間は30日(水)までの10日間。重点に▽子供を始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行▽夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止―を掲げる。
委員会には大畑会長、副会長の西田健紀宝町長、顧問で紀宝警察署の濱口裕史署長、両町の関係者ら約20人が出席。あいさつした大畑会長は「管内では国道42号での事故が多く発生している。42号の事故防止が最大の課題で、住民の皆さんへの交通安全啓発にご協力を」と呼び掛けた。
濱口署長は県内と管内の交通情勢を報告。8月末現在、県内では3万1607件(前年同期比6508件減)の交通事故があり、49人(同2人増)が亡くなった。
管内の総事故件数は188件(同38件減)で人身事故は16件(同3件減)、死亡事故は発生していない。人身事故の大半が国道42号で日中に発生しており、濱口署長は「8月は人身事故が増加した。引き続き、注意が必要」。飲酒運転やあおり運転は積極的に取り締まるとした。
協議会では運動期間中、街頭啓発活動やシートベルト着用推進モデル事業所の指定式、広報啓発キャンペーン、交通安全教室などに取り組む。
(2020年9月4日付紙面より)
議会質疑受けて当局明かす (串本町 )
串本町が1日、サンゴ台地内で建設中の役場新庁舎を来年7月に開庁する予定であることを明かした。
新庁舎建設工事は昨秋、くしもと町立病院奥に建設予定地を得て着工。現在は建物の外観が見て取れる段階になっていて、同日現在で本年度末の工事完了を見込んでいる。完了後は引き続き庁内ネットワークの構築や新規備品の搬入など環境整備を進め、受け皿が整ったところで現庁舎からの機能移転となる。
同町は完了後開庁までの準備にかかる予算を本年度一般会計補正予算〈第7号〉案において計上。同日から始まった同町議会9月定例会に上程して審議を求め、清水健太郎議員から準備予算の背景にあるスケジュールの確認を求めるなどの質疑を受け田中正文総務課長が田嶋勝正町長の承諾をその場で得て現在の考えを明かすに至った。
その内容によると、来年6月末~7月初めに事前移転を進め、連休となる7月17、18、19日に通常業務にかかる部分の本移転をして20日に新庁舎を開庁する。事前移転と本移転の間で新庁舎竣工(しゅんこう)の式典や内覧などをできればと考えているという。明かすに先だって新型コロナウイルス感染拡大に伴う社会情勢の影響を懸念している現状も伝え、最終的に来年3月20日までの工期が延びる可能性がある(=以降の開庁も相応に延びる)とも申し添えた。
役場新庁舎は現在の本庁、古座分庁舎、文化センター、地域保健センターに分散している各課を集約する設計。当局は庁舎移転にかかる事業の一覧や新庁舎内の見取り図に新規取得する備品と継続使用する備品を区別して上書きした資料などを提示して同案の承認を求め、議会は全会一致で原案承認した。
(2020年9月4日付紙面より)