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2024年03月24日
1 高齢者にタクシー券
 移動支援や免許返納促進  (新宮市 )

 新宮市が自動車の運転免許を持っていない75歳以上の高齢者などにタクシー券を配布することが、市議会での予算の成立により決まった。金額は1人当たり1万2000円分。4月から対象者に申請書の送付を行う予定という。

 移動手段のない高齢者などへの支援や、運転免許返納の促進を目的とした取り組み。新宮市は高齢化率が2月末の時点で38・87%に達した「超高齢化社会」となっており、安全面を考えればなるべく高齢者に運転免許を返納してもらうのが望ましい。

 しかし都市部と比べ、列車やバスなどの公共交通網が未発達なため、高齢者も自動車がなければ生活が困難で、運転免許を返納しづらい実情がある。旧市外はなおさらで、山間部は買い物や通院も自動車なしでは不便極まる。これらの解決の一助になればと市は事業実施を決めた。

 対象は具体的には、新宮市内に在住(施設入所者を除く)する75歳以上で、最初から運転免許を持っていない人。または全年齢で、すでに運転免許証を返納したことを示す書類がある人となる。さまざまな事情で運転免許を返納した若年者にも考慮し、年齢に下限は設けず書類があれば対象と認めるという。

 ただ市は、市内在住の75歳以上は把握しているものの、返納済みも含めた運転免許の有無は把握していない。このため、申請書は75歳以上の市内在住者全員に送る予定という。6000人から7000人ほどいるため時間がかかるが、担当課は「6月までには送りたい」と考えている。75歳未満の免許返納者に関しては、基本的に窓口での申請となる。

 タクシー券は来年3月末まで使える。市内で営業する全てのタクシー会社で利用できる。500円もぎりの24枚券となる。

(2024年3月24日付紙面より)

停車して客を待つタクシー=22日、JR新宮駅
2024年03月24日
2 リハビリ視点の被災地支援
 三上幸夫教授が講演  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立温泉病院で19日、広島大学病院リハビリテーション科の三上幸夫教授による講演会「令和6年能登半島地震における災害リハビリテーション医療~広島JRATの活動と今後の課題~」があった。新宮・東牟婁の市町村と県から保健師ら約40人が出席し、被災地支援におけるリハビリ視点の重要性を学んだ。

 温泉病院と、院内に設置されている和歌山県立医科大学のリハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所が主催。日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)は、リハビリの観点から避難所の環境アセスメントや、生活不活発病、災害関連死の予防を行うチーム。三上教授はその一員として、1月に能登半島地震の被災地で活動した。

 三上教授はJRATの結成経緯について「阪神・淡路大震災後には拠点病院や広域搬送ネットワークの整備が進められたが、2011年の東日本大震災では、長引く避難所生活で精神的に病んだり、身体機能が衰えてしまったりする方が多く出た。体や心のケア、保健医療の重要性が見直されて発足した」と説明。「救命救急を担う災害派遣医療チーム(DMAT)とは逆に、JRATは被災者が地域社会に戻っていくのを支援する『出口戦略』を担う」と述べた。

 能登半島地震の被災地について「医師や理学療法士、作業療法士などのチームで現地入りした。目立つけががなくても、身体の活動面に着目すると『避難中に膝を打って立てない』『片付けで腰が痛くて動けない』と圧迫骨折や腱板(けんばん)断裂が疑われる方、コルセットやつえが必要な方が多くいた」と言及した。

 石川県輪島市門前町で実施した▽起き上がれるか▽立ち上がれるか▽片足立ちできるか―を基準としたリハビリ視点のトリアージ手法も紹介した。

 課題面として、JRATの存在や意義が十分認知されていなかったことや、被災地における福祉用具・義肢装具の入手の困難を挙げ「逃げることも大切だが、逃げきった方々にいかに地域社会に戻っていただくのか、災害関連死をどう防ぐのか。今後のため、和歌山県のJRATのことも知っておいてほしい」と呼びかけた。

 堀順一郎町長は「保健師だけでなく、多くの方に理解いただく必要がある話。その第一歩」と話していた。

(2024年3月24日付紙面より)

保健師らが耳を傾ける=19日、那智勝浦町立温泉病院
三上幸夫教授が講話
2024年03月24日
3 本格的な能を奉納
 観世流 武田友志さん  (熊野速玉大社 )

 観世流能楽師の武田友志さんの歌と舞の奉納が20日、熊野速玉大社(上野顯宮司)であった。約20人が見守る中、古来より伝わる歌と舞を披露した。

 武田さんは、重要無形文化財総合指定保持者で、26世宗家観世清和、父武田志房に師事。3歳で鞍馬天狗(てんぐ)「花見」で初舞台、海外公演にも多数参加し、小中学校生や外国人、初心者のためのワークショップなど、能の普及活動にも努めている。同大社では7年ほど前に能を奉納したことがあるという。

 今回は前日に熊野那智大社で奉納したほか、那智勝浦町下和田の大泰寺で能の体験教室を開いていた。熊野速玉大社ではまず、拝殿で参拝。上野宮司はあいさつで、「新宮」の由来や熊野三神の来臨、熊野速玉大社の創始などを説明し「神様の大きな力を頂きよみがえる、熊野信仰に思いをはせながら奉納をいただければ」と話した。

 奉納は同大社の双鶴殿で行われた。武田さんは能の歴史や能楽の構成、能面などを解説。「能面をゆっくりと下や上に向けて表情をつける。世界で顔で演技をしない芸能はなかなかない」などと話した。

 この後、能の「高砂」と「羽衣」の歌や舞を披露。武田さんは低い声を響かせ、また扇を手にゆっくりと力強く舞った。参加者は静かに観覧し、盛んな拍手で称賛していた。

 市内から訪れた50代女性は「能は神社で奉納しているのを見たことがあったが、ちゃんとゆっくりと見たのは初めて。近くで見られて良い経験をさせてもらった。興味深い話もされていて、今後も見てみたいと思った」と話した。

(2024年3月24日付紙面より)

本格的な能の歌や舞を観覧した=20日、熊野速玉大社の双鶴殿
能面について説明する武田友志さん
2024年03月24日
4 「地震 津波 すぐ逃げろ」
 鵜殿3組自主防災会が設置  (紀宝町 )

 南海トラフ巨大地震に備えて、紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎会長)は22日、地区内に地震・津波発生時の迅速な避難を呼びかける看板を設置した。

 330世帯が所属する鵜殿3組自主防はこれまで、津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫を建設、避難訓練の開催やチラシ配布などで、防災に努めてきた。

 今回、多くの区民の目に付くよう、住宅地と道路沿いに看板を設置。「地震 津波 すぐ逃げろ」などとともに、家族が避難するイラストを添えた。

 「1秒でも早く海抜20㍍を目指して避難してください」「家の耐震補強や家具の転倒防止を」「約1週間分の水・食料を自分で準備して」「避難場所や避難路を何度も確認して」などと記し、地震・津波への備えも呼びかけている。

 看板は縦90㌢、横130㌢。鵜殿地区で新宮紀宝道路紀宝南ランプ他改良工事を請け負うユウテック株式会社(有城和哉代表取締役)が地域貢献の一環で協力し、4枚作成した。現在、2カ所に設置しており残り2枚も今後、取り付けるという。

 ユウテックは防災備蓄倉庫の周辺整備にも協力しており、森倉会長(73)は「大変ありがたい」と感謝し「看板が地震・津波に対する防災意識向上につながれば」と期待を寄せていた。

(2024年3月24日付紙面より)

南海トラフ地震に備えた看板を設置=22日、紀宝町鵜殿
2024年03月24日
5 教職員の異動発表㊤  和歌山県教育委員会  
2024年03月24日
6 雪まつりの義援金託す  南紀くろしお商工会  (那智勝浦町 )
2024年03月24日
7 捕鯨文化ゆかりの地巡る  日本遺産ウォークに23人  (太地町 )
2024年03月24日
8 一般会計当初予算など可決  第1回定例会が閉会  (那智勝浦町議会 )
2024年03月24日
9 13人が学び深める  教養講座「パステルアート教室」  (新宮市 )
2024年03月24日
10 「優しい心」忘れずに  マリア保で卒園礼拝  (新宮市 )
2024年03月24日
11 防火や防災を学び卒団  王子ヶ浜少年消防クラブ  (新宮市 )
2024年03月24日
12 地域脱炭素移行に向け  那智勝浦町の人事異動  
2024年03月24日
13 過去10年で最大規模  和歌山県の人事異動  
2024年03月24日
14 紀和路のクマノザクラが見頃に  熊野市  
2024年03月24日
15 思い出抱え巣立つ  うどの幼稚園で卒園式  (紀宝町 )
2024年03月24日
16 楽しい時間を共に  鵜殿保育所でお別れ会  (紀宝町 )
2024年03月24日
17 熊野青藍高校に正式決定  県議会での議決を報告  (紀南地域高校協 )
2024年03月24日
18 思い出の園舎を後に  わかば保育園で卒園式  (那智勝浦町 )
2024年03月24日
19 人生観や価値観を築いて  近大新宮で中学校修了式  
2024年03月24日
20 お悔やみ情報
  
2024年03月13日
21 避難タワー建設なるか
 態度軟化、「検討」発言  (新宮市 )

 新宮市がこのほど、津波浸水域への避難タワー建設について「必要な場所は検討しようかとなっている」と発言した。以前は浸水域外に逃げる避難を進める方針で、タワー建設には否定的だった。実現すれば、より多くの場所で一時避難の「めど」が立つことになる。

 和歌山県は、2014年に発表した「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」の中で、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地域として、新宮市の三輪崎と熊野地の2地区、16・5㌶の785人を対象に設定。うち三輪崎は、市と地域が協議し、防災マップの策定など「逃げる」対策を進め、対策済みの地域外となっている。

 また市は、県の津波避難困難地域を「事前避難対象地域」として考えている。対象は▽熊野地2丁目▽あけぼの▽王子町2丁目・3丁目の一部―の181人。ただし、熊野地2丁目とあけぼのは、国による熊野川河口大橋の建設に際し、盛り土部分に階段を設け、一時避難ができるようにしてもらったため、緊急時の避難先は確保できたことになる。

 さらに、熊野川河口大橋のあけぼの側の降り口から、盛り土の道路を海岸沿いに通し、国道42号の高森交差点に向かって延ばす計画も、国により事業化されている。こちらの盛り土部分にも階段を設けてもらうことで、一時避難が可能になると仮定すれば、王子町2丁目・3丁目でも安全性が向上する可能性がある。

 他方で三輪崎では、県の津波避難困難地域こそ解消となったものの、高齢化が進んでいることもあり、「逃げる」避難には一抹の不安もあった。そこで地域で協議して昨年8月に、市に「避難タワー建設」を要望していた。市は以前と比べ態度を軟化、先月9日に佐野で行われた三佐木蜂伏の合同防災研修会で「検討」発言があった。

 三輪崎区の仲西博光区長代行は「海岸方面の地域は高齢者が多い。近所に避難タワーがあればより安心できる」と実現に期待を寄せる。

(2024年3月13日付紙面より)

避難タワー建設に期待がかかる海岸地域=新宮市三輪崎
2024年03月13日
22 地域の憩いの通りに
 佐野川沿いで短冊設置  (新宮市 )

 新宮市の佐野区(垣下純三区長)は10日、佐野川沿いで三佐木地区の保育園や保育所、こども園に通う園児たちが描いた短冊の取り付けを実施した。佐野おやじの会(中村優会長)の会員やその家族、区代議員ら約15人が参加。花見シーズンに向けて設置作業に励んだ。

 佐野川沿いは、20年ほど前からサクラが植樹されている。2011年から当時の佐野川堤防桜植栽委員会が取り付け作業を行っていたが、19年を最後に活動が休止。コロナ禍を経て、昨年から同区が引き継ぐ形で取り組んでいる。8、9の両日には赤や黄色のちょうちん139個を設置した。点灯は午後6時から10時に行われ、4月21日(日)までを予定している。

 参加者は4グループに分かれて約300㍍の区間にあるサクラの木に設置したちょうちんの間に三輪崎、白梅の両保育園、佐野保育所、木の川認定こども園の園児が「警察官になりたい」「ディズニーランドで遊びたい」などの夢を書いた短冊160枚を針金で固定し、丁寧に取り付けた。

 垣下区長は「おやじの会の皆さんが中心となって準備をしてくれ、大変ありがたい。サクラが開花した際にはたくさんの人に足を運んでもらい、季節感を味わってもらいたい」。

 中村会長は「昨年には地域住民の人たちから喜びの声を頂き、継続しなければという思いが強くなった。各家族が子どもたちの短冊を見て会話が弾む場と、防犯にもつながる憩いの通りになってくれれば」と話していた。

(2024年3月13日付紙面より)

協力しながら短冊を取り付ける参加者=10日、新宮市佐野
2024年03月13日
23 6組出演し鑑賞集める
 町民音楽祭バンドの部  (串本町 )

 第19回串本町民音楽祭(バンドの部)が10日に文化センターであり、6組が出演して町民らの鑑賞を集めた。

 この音楽祭は町、町教育委員会、串本音楽協会が主催。音楽の発表や鑑賞を通して文化活動を盛んにし、ひいては地域文化の向上に資する目的で年1回、最近は3月の第1日曜日に器楽・合唱等の部、第2日曜日にバンドの部と2日間にわたって開き音楽に関係するさまざまなジャンルの参加を得ている。

 先に実施した器楽・合唱等の部には今回、さまざまなジャンルから11組が出演した。バンドの部に出演したのは▽The JANK▽坊芳太(ぼう・よしたか)▽UH MOON▽HiRoUmi▽フォークソングキンプ▽M.Y.B―で、同センターホールが備えている多色表現ができる照明や大型スピーカー、スモークマシンなどを駆使してライブ独特の幻想的なステージ演出が尽くされる中、持ち時間25分の枠を得てそれぞれの音楽を響かせた。

 バンドについては同音楽祭と串本まつりサマーBANDライブの年2回、このような発表の機会が町内で設けられていて、最終のM.Y.Bは「次は夏に」と呼びかけで観客とのつながりを深めつつ同部を締めくくった。

(2024年3月13日付紙面より)

ライブ独特の雰囲気で実施された第19回串本町民音楽祭バンドの部=10日、串本町文化センター
2024年03月13日
24 花が舞い散る中で催し
 加寿地蔵尊「桜まつり」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町湯川の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊で10日、「桜まつり」があった。加寿姫を祭るほこらを参拝したほか、クマノザクラの植樹、踊りや演奏の発表、飲食出店などを実施した。近隣住民などが多数訪れ、サクラの花が舞い散る中での各種催しを楽しんだ。

 加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)の主催。加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる加寿姫を祭っている。桜まつりは、それまで春まつりとしていたものを改名し、昨年から実施。各種の催しを行う広場にクマノザクラがあることにちなむ。

 会場の広場のクマノザクラは、六分咲き程度だった。軽食ブースやキッチンカーの出店があったほか、全品無料でお心付けのみの「もらってください」コーナーもあった。中田代表が関係者や地域住民と共に加寿地蔵尊のほこらを参拝した後、広場で各種の催しを開始。協賛の日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)と共に、6本のクマノザクラの植樹を行った。

 発表は、連なって咲くサクラの木のもとで行われた。さまざまな団体が、踊りや演奏などを披露した。観客は軽食を楽しむなどしながらゆったりと眺め、盛んな拍手で称賛していた。中田代表は「今日は天気にも恵まれ、キッチンカーも来て、いろんな団体が出演して、にぎわって良かった」と話した。

 なお、会場となった広場は花見が楽しめるよう、3月末まで開放する。時間はおよそ午前9時から午後4時まで。クマノザクラの時期が終わってもソメイヨシノが楽しめるという。

(2024年3月13日付紙面より)

サクラの花が舞い散る中で各種催しが行われた=10日、那智勝浦町湯川の加寿地蔵尊
2024年03月13日
25 伝えたい気持ちが大事  「出合い学習」で手話学ぶ  (相野谷小 )
2024年03月13日
26 感震ブレーカー購入を補助  紀宝町議会一般質問①  
2024年03月13日
27 フルートの音色が会場を包み  「ミューズ」によるコンサート  (紀宝町 )
2024年03月13日
28 ちょうちん設置で奉仕  夜桜ライトアップに協力  (新宮RC )
2024年03月13日
29 東日本大震災を忘れず  市町の職員など黙とう  
2024年03月13日
30 活発化目指して交流  近畿手をつなぐ育成会  (新宮・東牟婁 )
2024年03月13日
31 丹敷の湯継続へ陳情採択  町議会定例会で意見二分  (那智勝浦町 )
2024年03月13日
32 鮮やかな紫色の花  ムラサキサギゴケ  
2024年03月13日
33 カレーライス味わう  佐野で「こども食堂」  (三輪崎民児委協議会 )
2024年03月13日
34 園児がお茶の作法披露  成長の様子を保護者に  (三輪崎保育園 )
2024年03月13日
35 タイプ木前でガイドに挑戦  高池小6年が学び生かして  (古座川町 )
2024年03月13日
36 賛助出演交えて合同練習  17日の第12回定演に向け  (串本古座高校吹奏楽部 )
2024年03月13日
37 子ども多数で活気  5年ぶり児童館祭り  (新宮市 )
2024年03月13日
38 お悔やみ情報
  
2024年03月12日
39 誰一人取り残さないために
 自治会連合会が防災講演会  (新宮市 )

 新宮市自治会連合会(榎本義清会長)による防災講演会が10日、「丹鶴ホール」であった。「災害時に誰一人取り残さない、安心・安全な地域の絆」をテーマに、防災士で東京大学大学院工学系研究科のピニェイロ・アベウ・タイチ・コンノ特任助教が講演、「今後に備えて避難訓練を重ね、地域防災力を高めることが大切」と訴えた。参加者は災害時要配慮者の避難安全に備えて、今できることを考えた。

 日本人の4人に1人が高齢者。30年後には3人に1人と予想されており、講演会では要配慮者の避難安全に焦点を当てた。誰一人取り残さないために、コンノさんは「一人の100歩より、100人の一歩」と強調。▽みんなのまちは、みんなで守ろう▽だれもが助かる、絆を結ぼう▽福祉と防災、一緒に歩もう▽災害恐れぬ、地域をつくろう▽なにがあっても、共助は無限―といった標語を掲げ、参加者は拍手で賛同した。

 スライドを用い「災害時要配慮者とは災害時に情報入手、避難行動、避難生活が困難な人。そのうち、支援がないと避難できない人は避難行動要支援者とされている」と説明。津波や地震は自然現象、被害は社会現象であり、社会の弱い箇所をなくすことで被害を小さくすることが可能になるとした。

 「犠牲者のほとんどが子どもや高齢者などの要配慮者」と伝え、東日本大震災で助かった人の平均避難距離は430㍍、助からなかった人は430㍍以上避難できなかったと分析。要配慮者の支援は共助を生かした〝福祉と防災の連結〟が大切と語り、要配慮者、安否確認、避難誘導、避難所対応など要配慮者支援を細かく分類することが地域支援につながるとした。

 南海トラフ地震が発生すると最短3分で津波が襲来するとのデータを示し、「強い揺れを感じたらすぐに避難してほしい。要配慮者の避難安全に備えて今できることをみんなで考えよう」と呼びかけた。

(2024年3月12日付紙面より)

防災講演会で標語を掲げる=10日、新宮市の「丹鶴ホール」
講師のピニェイロ・アベウ・タイチ・コンノさん
拍手で賛同する来場者
2024年03月12日
40 飛行機の仕組みを学習
 少年少女発明クラブ  (新宮市 )

 新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」が9日、新宮市福祉センターであった。市内の小学生会員25人が参加、発泡スチロール板を使用した飛行機を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。

 発明クラブは全国で活動しており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。

 瀧野会長が講師を務めた。「ブーメラン飛行機」は、投げるとブーメランのように自分の所に戻ってくるというもの。児童は用意されたパーツを組み上げて飛行機を完成させた。実際に飛ばし、戻ってくることを確かめた。他に数種類の紙飛行機作りも楽しんだ。

  □     □

■閉講式も実施

 この日は閉講式も行われた。瀧野会長から全員に、修了証書が手渡された。瀧野会長は「11回の講座ご苦労さま。来年度も同じように講座を組みたい。4、5年生はできればまた参加して。続けてやると技術を身に付け、未経験者に教えられるようになっていく。それもクラブの一つの意義。できれば続けて」と呼びかけた。

 神倉小4年の堀本心海さんは「お姉さんがやっていたので、やってみたいと思って参加した。(1年を通して)楽しかった。空気砲が特に楽しかった。また来年もやってみたい」と話した。

(2024年3月12日付紙面より)

紙飛行機を飛ばす児童ら=9日、新宮市福祉センター
少年少女発明クラブに参加した皆さん
2024年03月12日
41 愛好者ら120人駆け抜ける
 観光協会が自転車イベント  (古座川町 )

 古座川町観光協会(鈴木貴裕会長)主催のイベント「古座川エクスペリエンス&ライド」が10日にあり、自転車の愛好者ら約120人が地域体験を織り交ぜた町内ツーリングを楽しんだ。

 実施に当たってはスポーツプロデュース熊野と「KINAN Racing Team」、町が協力。今回は桜が咲き華やかな春に期日を設定し、同チーム所属選手とのファンライドと位置付け、信号がないコースを駆け抜ける中で景観に出合い町の味覚を体験する内容で参加を呼びかけた。

 コースは国際ロードレース体験(花見体験含む)と難度低めの花見体験の2種類を設定。直前で花見体験のコース延長が提案され、希望者がいたため3コースで実施する形となった。

 発着拠点は一枚岩前。開始に先立って鈴木会長は「クマノザクラが見頃になっている。目で見て、耳で自然の音を聞いてゆっくり無理をせず選手と一緒に走ってほしい。エイドステーションやゴール後にはアユやジビエなどをご用意しているので、今日は五感全てで古座川を体験してほしい」と述べて歓迎。スポーツプロデュース熊野の角口賀敏理事長(株式会社キナン会長)があいさつ、良好なファンライドを期して同Teamの監督と選手7人が自己紹介をして愛好者との距離を縮めるなどした。

 交通規制未実施のため、愛好者は選手ら含め十数人のグループになり愛車や同協会がレンタル提供しているEバイクなどで希望するコースへ順次出走した。発着拠点とコース半ばの佐田桜の広場、道の駅瀧之拝太郎、町役場、道の駅虫喰岩にエイドステーションを設け、イベントボランティアが町産の味覚を振る舞って愛好者らのツーリングを後押ししたという。

(2024年3月12日付紙面より)

十数人のグループに分かれて一枚岩前から出発する愛好者ら=10日、古座川町相瀬
開始に先立ってあいさつする主催者や協力の一同
2024年03月12日
42 町長賞1席に竹原愛さん
 17日まで、公募絵画展  (太地町立石垣記念館 )

 太地町立石垣記念館(江﨑隆司館長)の公募絵画展が9日に始まった。同町や近隣市町から34点の出品があり、町長賞1席に竹原愛さん(那智勝浦町)の「魂の記憶」、2席に上野節子さん(新宮市)の「ジンジャー」、3席に土山明美さん(太地町)の「planet X」が選出された。

 初日には審査員による講評があり、江﨑館長が「18回目を迎え、年々レベルも高くなっている。審査員の方々の評を聞き、絵に対する思いが高まるような場になれば。当館としても、町の文化活動の発展にもつなげたい」とあいさつ。

 審査員を務めた熊野美術協会の運営委員の平田勝男さん、太田俊伸さんが一点一点丁寧に講評。町長賞1席の竹原さんの作品について「ヘビのような木と女性の表現が独特で、特に表情、髪の毛の質感や色の対比がいい」と述べた。会場に向け「新宮市などでも絵の具や画材の店がなくなっていく中だが、皆さんにはどんどん絵の具を買って描き、石垣記念館の期待に応えてほしい」と呼びかけた。

 竹原さんは「命や魂などをテーマに人物を描き始めて2年。自分では描き切れていない部分ばかりが目についていたが、1席を頂いて驚いた。これからも自分の世界観を表現したい」と語った。

 期間は17日(日)までで、開館時間は午前9時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中の来場者の投票で教育長賞の1~3席が決定される。同館は大勢の来場を呼びかけている。

(2024年3月12日付紙面より)

竹原愛さんと作品「魂の記憶」=9日、太地町立石垣記念館
審査員らの講評に耳を傾ける
2024年03月12日
43 親睦を深めて固い絆を
 スポーツウエルネス交流大会  (那智勝浦町体協吹矢部 )
2024年03月12日
44 2大会に出場し好成績
 新宮ジュニアレスリングクラブ  
2024年03月12日
45 新宮が1、2位を独占
 サッカー「トルベリーノ鰹カップ」  
2024年03月12日
46 県立高校入試始まる  新宮・新翔でも実施  (和歌山県 )
2024年03月12日
47 那智勝浦と本宮で増加  年末年始の観光客入込  
2024年03月12日
48 親子で運動会ごっこ  本年度最後の「よちよちくらぶ」  (新宮市 )
2024年03月12日
49 違法薬物の恐ろしさ学ぶ  薬剤師迎えて6年生  (三輪崎小 )
2024年03月12日
50 誕生過程や命の大切さ  王子ヶ浜小で「体のはなし」  (新宮市 )
2024年03月12日
51 恒例の焼き肉パーティー  わかば保育園で卒園前に  (那智勝浦町 )
2024年03月12日
52 6年生と思い出づくり  神内小学校で送る会  (紀宝町 )
2024年03月12日
53 100人参加、杭さん優勝 紀宝町福祉連絡会グラウンドゴルフ大会 
2024年03月12日
54 県立高校で後期選抜  合格発表は18日  (三重県 )
2024年03月12日
55 歌って踊って「エビカニクス」  500人が楽しむ  (紀宝町 )
2024年03月12日
56 チーム「ひなまつり」優勝  第7回ソフトバレー大会  (串本町 )
2024年03月12日
57 同窓会で寄付集め母校支援  串中会の49期生と51期生  (串本町 )
2024年03月12日
58 ほぼ満開でライトアップ  クマノザクラのタイプ木  (古座川町観光協会 )
2024年03月12日
59 お悔やみ情報
  
2024年03月02日
60 当初予算過去最大の107億円
 築地地区に津波避難施設  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は1日、一般会計当初予算としては過去最大の107億900万円の2024年度当初予算案を発表した。前年度当初比12億4200万円(13・1%)増で、新クリーンセンター整備事業(19億8564万4000円)や築地地区津波避難施設整備事業(2億1436万1000円)などが押し上げの要因。7日(木)開会の町議会定例会に提案する。

 防災・減災対策、子ども・子育て支援・福祉事業、観光産業振興に重点を置いた構成。築地地区の津波避難施設は、にぎわい市場前のタイムズ駐車場に24、25年度の2カ年で建設予定。高さ20㍍、収容人数400人。平常時も観光客らに勝浦湾の眺望やはえ縄漁の歴史を学ぶ場として利用してもらえる施設とする計画だ。

 子ども・子育て関連では、高校までの医療費無償化を予定。同町では現在、中学校卒業までの子ども(15歳になって最初の3月31日を迎えるまで)の保険診療の自己負担分を助成しているが、新たに18歳へ拡充する。受給者数は1322人で、事業費として3854万9000円を見込む。

 福祉関連の新規事業は高齢者や障害者の入浴助成券配布があり、507万6000円を計上する。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年などに際し、主力産業である観光振興費には計7391万1000円を予定。新規事業として大門坂駐車場リニューアルに向けた基本設計を行い、町中への周遊観光につなげる拠点の他、災害時の避難場所としても活用したい考えだ。地域おこし協力隊制度を利用した外国語観光ガイドの育成、紀伊勝浦駅前周辺の整備に向けた基本構想の策定にも取り組む方針だという。

 堀順一郎町長は会見で、いよいよ来週に迫るロケット打ち上げに触れ「観光の目玉になるかの試金石。住民生活への影響やお越しいただいた方の満足度などをしっかりと見極めたい」と語った。

 那智勝浦町議会3月定例会の会期は21日(木)までを予定。一般質問は18日(月)、19日(火)を見込んでいる。

(2024年3月2日付紙面より)


2024年03月02日
61 「火の用心」を周知
 消防車両で広報活動  (新宮市 )

 春の全国火災予防運動(1~7日)に伴い、各地の消防は1日、防火広報を実施した。新宮市消防本部では、市消防本部、三輪崎消防派出所、高田コミュニティ消防センター、熊野川消防出張所に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。

 市消防本部で行われた出発式には、丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から16人が参加した。中谷健兒団長は「本日より、春の全国火災予防運動が始まります。市民の皆さんに防火意識をしっかりと持っていただけるよう、消防車両による広報活動をお願いします」と呼びかけ。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地域で広報活動へと出発した。

 市消防本部管内では昨年(1~12月)、14件の火災が発生し、うち7件が建物火災だった。今年に入ってからは3件の火災が発生している。また予防策として、住宅用火災警報器の設置を呼びかけている。

 今年の全国統一防火標語は「火を消して 不安を消して つなぐ未来」。期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽林野火災予防対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽放火火災防止対策の推進▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽地震火災対策の推進―の八つとなる。

(2024年3月2日付紙面より)

広報活動へと出発する消防団の車両=1日、新宮市消防本部
2024年03月02日
62 勇気持ち果敢に挑戦を 187人巣立つ (新宮高校)

 新宮市の県立新宮高校(深野泰宏校長)で1日、卒業式が開かれた。保護者や教職員、在校生らが見守る中、187人が卒業証書を受け取り、新たな道へ歩みを進めた。

 各クラスを代表して太田真由さん、川本晴春さん、島良輔さん、藤田侑叶さん、問芝璃音菜さんが深野校長から卒業証書を受け取った。

 深野校長は、新型コロナウイルスが5類に移行し、学校行事が通常に戻ったが、生徒たちは「失敗を恐れずに挑戦し、多くの実績を残してくれた」と賛辞を贈り、「自身の持つ無限の可能性を信じ、勇気を持って果敢に挑戦してほしい」と卒業生を励ました。

 卒業生代表の久司航輝さんは答辞で、選択する勇気の大切さを述べ、「さまざまな選択を繰り返し、自分自身と向き合い、成長してきた」と高校生活を振り返り、「岐路に立たされた時、きっと輝きあるこの3年間の出来事が選ぶ勇気をくれます。理想という『見えにくいけれど確かに存在するもの』に向かって私は強い選択をしていきたいと思います」と決意を語った。

(2024年3月2日付紙面より)

答辞を述べる久司航輝さん=1日、県立新宮高校
保護者、在校生らに見送られ会場を後にする卒業生
2024年03月02日
63 一般会計総額は113億6104万円
 2024年度の当初予算案発表  (串本町 )

 串本町が2月29日、2024年度一般会計当初予算案を発表した。歳入歳出それぞれ総額は113億6104万3千円で、前年度比8・4%増。構成比は別図の通り。

 26年度開校を目指す統合小学校建設事業がいよいよ建設に差しかかる影響が大きく、総額は前年度より8億7661万6千円増。発表に当たり田嶋勝正町長は、引き続き歳入歳出両面で見直しを徹底して持続可能な財政運営を心がけるとともに、事業の必要性や緊急性を熟慮した上で子育て支援と安全安心のまちづくりに重点を置いた内容だとしている。

 予算額が特に大きい統合小学校建設事業は9億9717万6千円を計上。26年度開校を見据えて建設を完了する考えで、初年度分の建設工事費(進行率30%前提)、工事監理委託料、意図伝達業務委託料などを含んでいる。

 他の予算額が大きい事業は▽ロケット推進事業(4577万4千円)▽古座分庁舎リノベーション事業・旧第二庁舎(=同分庁舎)管理経費(計5912万8千円)▽地籍調査事業(1億867万円)▽潮岬学童保育所新築事業(1億4307万円)▽旧くしもとこども園跡地公園整備事業(9185万2千円)▽有田残土処分場整備事業(1億9964万8千円)▽新古座消防署庁舎建設事業(1億2487万3千円)―など。新規で新婚生活支援事業、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業、母子保健事業―妊産婦アクセス支援事業、小企業信用保証料免除に係る補助金(県内初)、公立中学校給食費無償化(24年度から実施)なども盛り込んでいる。ふるさとのまちづくり応援寄付関係で、同応援基金から4635万1千円を同会計へ繰り入れて活用するという。

 併せて14ある特別会計の当初予算案総額も発表。その合計額は87億3280万2千円で、24年度の予算規模は200億9384万5千円となっている。

 これら当初予算案は町議会第1回定例会へ上程して審議、承認を求める。

(2024年3月2日付紙面より)


2024年03月02日
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79 お悔やみ情報