診療所医師が奮闘 (北山村、7月に「お祭り」開催へ )
北山村にある唯一の医療機関「国保北山村診療所」の医師、内川宗大(むねひろ)さん(36)が「医療が溶け込んだお祭り」のようなイベントを企画し、7月の開催に向けて動いている。「地域医療っておもしろい」。それを体現しようと飛び地の村で奮闘している。
和歌山市出身の内川さんは自治医科大学を卒業し、医師として8年目となる2020年4月に村診療所に赴任した。医師不足解消のため設立された自治医大では、卒業後の一定期間を地域医療に従事させる仕組みがある。最後の2年間を村で勤務し、日赤和歌山医療センターに移ったが、「誰かがどこかで親身になっていれば重症化は防げるんじゃないか。もう一度、北山村で地域医療を実践したい」と感じ、23年4月に村へ戻った。
「その地域を好きになること」。地域医療に向き合う自分なりの姿勢もできた。「人材不足を根底とする問題が深刻化している。医師として育ててくれた地域に何か残し、貢献したい。『地域医療×おもしろい』を体現し、地域を支える医療福祉人材の確保につなげたい」と見据える。
イベント名は「わっしょ医‼北山村」で、7月6日(土)におくとろ公園で開催予定。「わくわくするお祭りに医療が溶け込んで、気付かない間にみんなの懐に入り込めたら」と思いを込めた。
インスタグラムには診療所アカウントとは別に専用のアカウントを開設。「分からないなりに一生懸命やってる」と悪戦苦闘しつつ、飾らない文面で発信している。
開催資金の足しにしようと投資家に出資を依頼するユーチューブの「令和の虎」にも出演。「虎」と呼ばれる投資家たちの厳しい意見を浴びながらも真っすぐな思いをぶつけ、希望の金額を得た。
飲食店の出店やステージイベントなどの盛り上がり要素を充実させつつ、医療体験ブースは縁のある医療介護福祉従事者に協力を求めながら準備を進めている。実行委員会が主催し、村、株式会社じゃばらいず北山が共催する。
内川さんは「医療に関心がある、ないにかかわらず、まずはイベントを楽しみに来てほしい。これを入り口として村や地域医療に関心を持ってもらえれば、つないでいく仕組みも考えている」と話していた。
(2024年3月31日付紙面より)
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こども家庭センターに (新宮市 )
児童福祉法の一部改正により、市町村は児童福祉と母子保健の連携を図り、妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う「こども家庭センター」の設置に努めることが、2024度からの努力義務となった。新宮市はこれを受け、市保健センターの名称を4月1日(月)から「新宮市こども家庭センター」に名称変更し、より充実した支援体制の構築を目指す。
保健センターは子育て世代包括支援センターが母子保健の、子ども家庭総合支援拠点が児童福祉の相談窓口となっていた。新たなこども家庭センターでは、子どもや子育て世帯の課題に一体的に対応する総合窓口となる。「どなたでもお気軽にご相談ください」と呼びかけている。
開設時間は、祝日や年末年始を除く月曜日から金曜日の、午前8時30分から午後5時15分。問い合わせは、子ども家庭センター内の子育て推進課(電話0735・23・3344)。
なお、センター内には四つの係がある。▽妊娠、出産、乳幼児期の健康や発達に関することは「母子保健係」(電話0735・23・4511)▽未就園の子どもたちと保護者のための居場所の提供は「子育てひろば『つぼみ』」(電話0735・29・7246)▽子育ての問題に関することは「子育て支援係〈家庭児童相談室〉」(電話0735・23・3740)▽各種手当・助成や保育所に関することは「子ども未来係」(電話0735・23・3344)―まで。
(2024年3月31日付紙面より)
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看護師の東一代さん講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町福祉健康センターで28日、4年ぶりの町主催の健康講演会「緩和ケアって何?~がん患者の痛みや不安に寄り添うケア~」があった。町立温泉病院・訪問看護ステーションちょうりつの緩和ケア認定看護師・東一代さんが講話し、約30人が、がん患者の苦痛を和らげるケアの世界に触れた。
東さんは緩和ケアについて「がんなどの重い病を抱える患者やその家族一人一人の、身体や心のさまざまなつらさを和らげ、より豊かな人生を送ることができるよう支えるケア」と紹介。
中世ヨーロッパで旅の巡礼者らの安息場所(ホスピス)から始まり、近代以後はハンセン病や結核、がん、エイズなど治療困難な末期患者を対象とするようになったと歴史を紹介。現代では医療の進歩でさまざまな病が治療できるようになった一方、「治療が長期化し、死が迫った時期だけでなく、治療中もよりよい生活を送れるよう支援することが必要になった」と述べた。
近代ホスピス運動の母と呼ばれるシシリー・ソンダースが提唱した「全人的苦痛」の概念に言及。がん患者は▽身体的苦痛(がんや治療によって感じる痛み)▽精神的苦痛(恐怖や怒りの感情)▽社会的苦痛(社会との隔たりから感じるつらさ)▽スピリチュアルペイン(痛みを運命として捉えてしまうつらさ)―が複合したつらさに直面しているとし「薬で痛みを取ることで、不安も減り、社会復帰もできるなど、良くも悪くもそれぞれの苦痛が影響し合っている」と述べた。
医師や家族と共に釣り好きの患者の外出を支援したエピソードから「病気ではなく『つらさ』『困っていること』に焦点を当て、その人らしさを支えることが緩和ケアの本質。現代では慢性心不全や神経難病、認知症にも広がっている」と語った。
役場福祉課から、那智勝浦町のがん検診の現状についての講話もあった。町内では2017~21年の全死亡者1337人中356人ががんで亡くなっている。町が実施する検診のうち、乳がん・子宮頸(けい)がんで受診率が低く、肺がん・大腸がんは要精密検査となった後の未受診率が高いとし「75歳以下の方には5月下旬に受診券を送付するので、必ず受診を」と呼びかけた。
(2024年3月31日付紙面より)
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20周年記念コースターも (那智勝浦町 )
豊かな水資源を全国に広報しようと那智勝浦町が製造を進めていたオリジナルラベルの「那智勝浦町ボトルドウオーター『熊野の水』」が完成し、29日に役場町長室でお披露目があった。
水や水源地、水源涵養(かんよう)林の保全啓発を目的に、那智原始林の水で約4万本を製造。ペットボトルよりもリサイクル率の高いアルミ缶を採用し、賞味期限5年の長期保存水で災害備蓄の側面もある。ラベルは「あらたまデザイン」が手がけた。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年のノベルティーとして熊野材を用いたヒノキのコースター1000個も製作。熊野三山、三筋の滝(那智の滝の別称で、三筋に分かれて流れ落ちることから)、那智原始林にある「二の滝」「三の滝」などから着想を得て、3本の木を革ひもで結ったデザインにした。
堀順一郎町長は「世界遺産を構成する町内の熊野那智大社、飛瀧神社、那智山青岸渡寺、補陀洛山寺を巡っていただくツアーなどを那智勝浦観光機構と企画しており、その記念品としたい。将来的には土産物としての販売も検討したい」と話していた。
(2024年3月31日付紙面より)
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当地方でも注意呼びかけ (和歌山県警 )
和歌山県内で今年に入り、特殊詐欺の一種「金融商品詐欺」が増加しており、1月末までに既に7件約6300万円の被害が発生していることが分かった。26日には和歌山県警察本部特殊詐欺被害防止アドバイザーの楠本研さん・脊古佳さんが、那智勝浦町教育センターの三川クラブゆかし潟老人会のサロンに出向き「現状、新宮警察署管内の発生はないが、被害届を出さない方もおり、統計は氷山の一角」と注意を呼びかけた。
特殊詐欺の手口には「流行」があり、県内では昨年中最多は架空料金請求詐欺の64件(被害額約2億7500万円)。2022年も同じく架空料金請求詐欺が41件(同7500万円)、21年は還付金詐欺が28件(同2200万円)だった。
金融商品詐欺は「お金を増やしたい」「将来が不安」という心理につけ込み、偽の金融商品の情報で購入金をだまし取る手口。県内の被害者年齢は30~70代と幅広い。
交流サイト(SNS)上のなりすまし広告や投資交流LINE(ライン)グループに招待されたことがきっかけになることが多い。投資専用アプリをダウンロードし、アプリ上では利益が出ているように見えても、最終的には出金ができずに連絡を断たれるなどがある。
サロンの参加者からは、他にも「商品を頼んだ覚えがないのに、宅配便業者から『不在でした』と頻繁にメールが来る」「高額商品をローンで買わされた」「リサイクルを名乗る業者に家に上がり込まれ、怖い思いをした」「頼んだこともないのに、北海道の海産物を買えと電話がかかってくる」など詐欺や消費者トラブルに関する相談が多数寄せられていた。
同クラブの南智惠子代表は「注意はしているつもりだが、皆で情報共有することが大事。家族や友人に相談するというワンステップがあるだけで違うと思う」と語った。
不審に思うことがあれば、新宮警察署(電話0735・21・0110)、和歌山県警特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル(電話0120・508・878)、消費者センター(局番なし188)まで相談を。
(2024年3月28日付紙面より)
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色川姓サミットを開催 (那智勝浦町 )
第4回の「色川姓サミット」(同実行委員会主催・田古良元昭委員長)が24日、那智勝浦町立色川小・中学校であった。全国の色川姓の人や、地域・近隣市町村の住民など約60人が参加。色川地区の歴史や色川姓のルーツについて知識を深めた。
全国の色川姓は同町の色川地区が発祥の地とされており、その歴史は南北朝時代までさかのぼるといわれている。サミットは全国の色川姓を持つ人などを集めて行われるもので、開催は5年ぶりとなった。
和歌山県立博物館の坂本亮太・学芸課長が「色川郷と色川氏の足跡」を演題に講演した。「色川は棚田や色川茶、平維盛(たいらのこれもり)の伝説で知られている」「色川の地名の由来は、紀伊続風土記の説として、宇呂川(うろかわ)が転じて伊呂川(いろかわ)になったとある。ただ、確かなことはよく分からない」などと語った。
古文書の記述によると、色川郷には中世の頃には7村あったが、歴史が下ると18村あることから「7から18に増えながら変化していったのか。現在は11の字があるので、現在にかけても変遷があったかと思う」と述べた。
江戸時代末期ぐらいに描かれた那智山周辺の絵図に、色川についての記述があることに言及。「文字が書いてあり、色川の説明が出てくる。平維盛の子孫が住んでいて、名字が小松とある。江戸時代の人たちがそう考えていたことが分かる」と話した。
平家や維盛が開いたとされる集落は全国にあることに触れ「県内では有田川町にも維盛の伝説があり、末裔(まつえい)と伝える一族もいる」と発言した。
色川文書も紹介。「2巻8通あり、多くは南北朝時代、1通は室町時代のもの。色川氏や色川郷の足跡が分かる」と伝えた。
「色川文書は江戸時代から有名で、水戸黄門の助さんのモデルとなった人も調査し記録を残した。どれだけ注目されていたのかが分かる」と明かした。
参加者は、興味深そうに耳を傾けていた。色川の文化財も会場で見学できる予定だったが、当日は雨天で持ち込めず中止となった。講演後にライブコンサートもあった。
(2024年3月28日付紙面より)
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交通安全協会新宮支部
一般財団法人和歌山県交通安全協会新宮支部(田中肇支部長)による、ランドセルカバーと巾着袋の贈呈式が25日、新宮市役所であった。田中支部長が目録を手渡し、子どもの交通安全を呼びかけた。
同支部は毎年度、管内となる新宮市、田辺市本宮町、那智勝浦町、太地町、串本町、古座川町、北山村の小学校の新入学児童と、幼稚園・保育所の新入園児に対して、これらの交通安全の物品を贈呈している。交通安全協会費を活用して購入している。
新宮市では、小学校4校192人と支援学校1校5人にランドセルカバーを、幼稚園・保育所の11園152人に巾着袋を贈った。速水盛康教育長と中上清之健康福祉部長に目録を手渡した。
速水教育長は「子どもらの安心安全な登下校への支援に加え、園児にも支援を頂くことで、地域の多くの目も集まる。子どもを育てるのに、地域のいろんな方々が目を向けてくれるのは心強い」。
中上部長は「全国で子どもらが交通事故で命を落としている状況がある。園児には交通安全に気を付けるように伝えて配りたい」などと感謝を述べた。
なお、管内全体の対象人数は、小学校26校と支援学校1校の新入学児童391人と、幼稚園と保育所21園の新入園児222人だった。
(2024年3月28日付紙面より)
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県内有数の早場米の産地 (紀宝町 )
紀宝町大里で27日、早くも田植えがあった。同町神内の中西和益さん(76)が30㌃の田んぼに早場米のアキタコマチを植えた。
同町は、県内有数の早場米の産地で、毎年お盆前に新米が食べられるよう、県内の他地域に先駆けて3月下旬に田植えを行っている。JA伊勢三重南紀地区管内では中西さんら2人が計約90㌃の田んぼで栽培を続け、昨年は計6㌧を出荷した。
この日は朝から作業に取り組み、田園風景に苗を植える機械の音が鳴り響いていた。中西さんは「今年もおいしいお米に育つことを期待している」と話していた。稲刈りは7月下旬を予定しており、昨年並みの約1・3㌧の収穫を目指している。
お盆前の8月上旬にはJA各店舗やファーマーズマーケット「ほほえみかん」で新米を販売する予定。
(2024年3月28日付紙面より)
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老連親善グラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
ミニバスケ教室体験会 (SMILE.E.T )
白鯨杯ソフトバレー大会 (太地町 )
移動支援や免許返納促進 (新宮市 )
新宮市が自動車の運転免許を持っていない75歳以上の高齢者などにタクシー券を配布することが、市議会での予算の成立により決まった。金額は1人当たり1万2000円分。4月から対象者に申請書の送付を行う予定という。
移動手段のない高齢者などへの支援や、運転免許返納の促進を目的とした取り組み。新宮市は高齢化率が2月末の時点で38・87%に達した「超高齢化社会」となっており、安全面を考えればなるべく高齢者に運転免許を返納してもらうのが望ましい。
しかし都市部と比べ、列車やバスなどの公共交通網が未発達なため、高齢者も自動車がなければ生活が困難で、運転免許を返納しづらい実情がある。旧市外はなおさらで、山間部は買い物や通院も自動車なしでは不便極まる。これらの解決の一助になればと市は事業実施を決めた。
対象は具体的には、新宮市内に在住(施設入所者を除く)する75歳以上で、最初から運転免許を持っていない人。または全年齢で、すでに運転免許証を返納したことを示す書類がある人となる。さまざまな事情で運転免許を返納した若年者にも考慮し、年齢に下限は設けず書類があれば対象と認めるという。
ただ市は、市内在住の75歳以上は把握しているものの、返納済みも含めた運転免許の有無は把握していない。このため、申請書は75歳以上の市内在住者全員に送る予定という。6000人から7000人ほどいるため時間がかかるが、担当課は「6月までには送りたい」と考えている。75歳未満の免許返納者に関しては、基本的に窓口での申請となる。
タクシー券は来年3月末まで使える。市内で営業する全てのタクシー会社で利用できる。500円もぎりの24枚券となる。
(2024年3月24日付紙面より)
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三上幸夫教授が講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立温泉病院で19日、広島大学病院リハビリテーション科の三上幸夫教授による講演会「令和6年能登半島地震における災害リハビリテーション医療~広島JRATの活動と今後の課題~」があった。新宮・東牟婁の市町村と県から保健師ら約40人が出席し、被災地支援におけるリハビリ視点の重要性を学んだ。
温泉病院と、院内に設置されている和歌山県立医科大学のリハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所が主催。日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)は、リハビリの観点から避難所の環境アセスメントや、生活不活発病、災害関連死の予防を行うチーム。三上教授はその一員として、1月に能登半島地震の被災地で活動した。
三上教授はJRATの結成経緯について「阪神・淡路大震災後には拠点病院や広域搬送ネットワークの整備が進められたが、2011年の東日本大震災では、長引く避難所生活で精神的に病んだり、身体機能が衰えてしまったりする方が多く出た。体や心のケア、保健医療の重要性が見直されて発足した」と説明。「救命救急を担う災害派遣医療チーム(DMAT)とは逆に、JRATは被災者が地域社会に戻っていくのを支援する『出口戦略』を担う」と述べた。
能登半島地震の被災地について「医師や理学療法士、作業療法士などのチームで現地入りした。目立つけががなくても、身体の活動面に着目すると『避難中に膝を打って立てない』『片付けで腰が痛くて動けない』と圧迫骨折や腱板(けんばん)断裂が疑われる方、コルセットやつえが必要な方が多くいた」と言及した。
石川県輪島市門前町で実施した▽起き上がれるか▽立ち上がれるか▽片足立ちできるか―を基準としたリハビリ視点のトリアージ手法も紹介した。
課題面として、JRATの存在や意義が十分認知されていなかったことや、被災地における福祉用具・義肢装具の入手の困難を挙げ「逃げることも大切だが、逃げきった方々にいかに地域社会に戻っていただくのか、災害関連死をどう防ぐのか。今後のため、和歌山県のJRATのことも知っておいてほしい」と呼びかけた。
堀順一郎町長は「保健師だけでなく、多くの方に理解いただく必要がある話。その第一歩」と話していた。
(2024年3月24日付紙面より)
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観世流 武田友志さん (熊野速玉大社 )
観世流能楽師の武田友志さんの歌と舞の奉納が20日、熊野速玉大社(上野顯宮司)であった。約20人が見守る中、古来より伝わる歌と舞を披露した。
武田さんは、重要無形文化財総合指定保持者で、26世宗家観世清和、父武田志房に師事。3歳で鞍馬天狗(てんぐ)「花見」で初舞台、海外公演にも多数参加し、小中学校生や外国人、初心者のためのワークショップなど、能の普及活動にも努めている。同大社では7年ほど前に能を奉納したことがあるという。
今回は前日に熊野那智大社で奉納したほか、那智勝浦町下和田の大泰寺で能の体験教室を開いていた。熊野速玉大社ではまず、拝殿で参拝。上野宮司はあいさつで、「新宮」の由来や熊野三神の来臨、熊野速玉大社の創始などを説明し「神様の大きな力を頂きよみがえる、熊野信仰に思いをはせながら奉納をいただければ」と話した。
奉納は同大社の双鶴殿で行われた。武田さんは能の歴史や能楽の構成、能面などを解説。「能面をゆっくりと下や上に向けて表情をつける。世界で顔で演技をしない芸能はなかなかない」などと話した。
この後、能の「高砂」と「羽衣」の歌や舞を披露。武田さんは低い声を響かせ、また扇を手にゆっくりと力強く舞った。参加者は静かに観覧し、盛んな拍手で称賛していた。
市内から訪れた50代女性は「能は神社で奉納しているのを見たことがあったが、ちゃんとゆっくりと見たのは初めて。近くで見られて良い経験をさせてもらった。興味深い話もされていて、今後も見てみたいと思った」と話した。
(2024年3月24日付紙面より)
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鵜殿3組自主防災会が設置 (紀宝町 )
南海トラフ巨大地震に備えて、紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎会長)は22日、地区内に地震・津波発生時の迅速な避難を呼びかける看板を設置した。
330世帯が所属する鵜殿3組自主防はこれまで、津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫を建設、避難訓練の開催やチラシ配布などで、防災に努めてきた。
今回、多くの区民の目に付くよう、住宅地と道路沿いに看板を設置。「地震 津波 すぐ逃げろ」などとともに、家族が避難するイラストを添えた。
「1秒でも早く海抜20㍍を目指して避難してください」「家の耐震補強や家具の転倒防止を」「約1週間分の水・食料を自分で準備して」「避難場所や避難路を何度も確認して」などと記し、地震・津波への備えも呼びかけている。
看板は縦90㌢、横130㌢。鵜殿地区で新宮紀宝道路紀宝南ランプ他改良工事を請け負うユウテック株式会社(有城和哉代表取締役)が地域貢献の一環で協力し、4枚作成した。現在、2カ所に設置しており残り2枚も今後、取り付けるという。
ユウテックは防災備蓄倉庫の周辺整備にも協力しており、森倉会長(73)は「大変ありがたい」と感謝し「看板が地震・津波に対する防災意識向上につながれば」と期待を寄せていた。
(2024年3月24日付紙面より)
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態度軟化、「検討」発言 (新宮市 )
新宮市がこのほど、津波浸水域への避難タワー建設について「必要な場所は検討しようかとなっている」と発言した。以前は浸水域外に逃げる避難を進める方針で、タワー建設には否定的だった。実現すれば、より多くの場所で一時避難の「めど」が立つことになる。
和歌山県は、2014年に発表した「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」の中で、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地域として、新宮市の三輪崎と熊野地の2地区、16・5㌶の785人を対象に設定。うち三輪崎は、市と地域が協議し、防災マップの策定など「逃げる」対策を進め、対策済みの地域外となっている。
また市は、県の津波避難困難地域を「事前避難対象地域」として考えている。対象は▽熊野地2丁目▽あけぼの▽王子町2丁目・3丁目の一部―の181人。ただし、熊野地2丁目とあけぼのは、国による熊野川河口大橋の建設に際し、盛り土部分に階段を設け、一時避難ができるようにしてもらったため、緊急時の避難先は確保できたことになる。
さらに、熊野川河口大橋のあけぼの側の降り口から、盛り土の道路を海岸沿いに通し、国道42号の高森交差点に向かって延ばす計画も、国により事業化されている。こちらの盛り土部分にも階段を設けてもらうことで、一時避難が可能になると仮定すれば、王子町2丁目・3丁目でも安全性が向上する可能性がある。
他方で三輪崎では、県の津波避難困難地域こそ解消となったものの、高齢化が進んでいることもあり、「逃げる」避難には一抹の不安もあった。そこで地域で協議して昨年8月に、市に「避難タワー建設」を要望していた。市は以前と比べ態度を軟化、先月9日に佐野で行われた三佐木蜂伏の合同防災研修会で「検討」発言があった。
三輪崎区の仲西博光区長代行は「海岸方面の地域は高齢者が多い。近所に避難タワーがあればより安心できる」と実現に期待を寄せる。
(2024年3月13日付紙面より)
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佐野川沿いで短冊設置 (新宮市 )
新宮市の佐野区(垣下純三区長)は10日、佐野川沿いで三佐木地区の保育園や保育所、こども園に通う園児たちが描いた短冊の取り付けを実施した。佐野おやじの会(中村優会長)の会員やその家族、区代議員ら約15人が参加。花見シーズンに向けて設置作業に励んだ。
佐野川沿いは、20年ほど前からサクラが植樹されている。2011年から当時の佐野川堤防桜植栽委員会が取り付け作業を行っていたが、19年を最後に活動が休止。コロナ禍を経て、昨年から同区が引き継ぐ形で取り組んでいる。8、9の両日には赤や黄色のちょうちん139個を設置した。点灯は午後6時から10時に行われ、4月21日(日)までを予定している。
参加者は4グループに分かれて約300㍍の区間にあるサクラの木に設置したちょうちんの間に三輪崎、白梅の両保育園、佐野保育所、木の川認定こども園の園児が「警察官になりたい」「ディズニーランドで遊びたい」などの夢を書いた短冊160枚を針金で固定し、丁寧に取り付けた。
垣下区長は「おやじの会の皆さんが中心となって準備をしてくれ、大変ありがたい。サクラが開花した際にはたくさんの人に足を運んでもらい、季節感を味わってもらいたい」。
中村会長は「昨年には地域住民の人たちから喜びの声を頂き、継続しなければという思いが強くなった。各家族が子どもたちの短冊を見て会話が弾む場と、防犯にもつながる憩いの通りになってくれれば」と話していた。
(2024年3月13日付紙面より)
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町民音楽祭バンドの部 (串本町 )
第19回串本町民音楽祭(バンドの部)が10日に文化センターであり、6組が出演して町民らの鑑賞を集めた。
この音楽祭は町、町教育委員会、串本音楽協会が主催。音楽の発表や鑑賞を通して文化活動を盛んにし、ひいては地域文化の向上に資する目的で年1回、最近は3月の第1日曜日に器楽・合唱等の部、第2日曜日にバンドの部と2日間にわたって開き音楽に関係するさまざまなジャンルの参加を得ている。
先に実施した器楽・合唱等の部には今回、さまざまなジャンルから11組が出演した。バンドの部に出演したのは▽The JANK▽坊芳太(ぼう・よしたか)▽UH MOON▽HiRoUmi▽フォークソングキンプ▽M.Y.B―で、同センターホールが備えている多色表現ができる照明や大型スピーカー、スモークマシンなどを駆使してライブ独特の幻想的なステージ演出が尽くされる中、持ち時間25分の枠を得てそれぞれの音楽を響かせた。
バンドについては同音楽祭と串本まつりサマーBANDライブの年2回、このような発表の機会が町内で設けられていて、最終のM.Y.Bは「次は夏に」と呼びかけで観客とのつながりを深めつつ同部を締めくくった。
(2024年3月13日付紙面より)
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加寿地蔵尊「桜まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊で10日、「桜まつり」があった。加寿姫を祭るほこらを参拝したほか、クマノザクラの植樹、踊りや演奏の発表、飲食出店などを実施した。近隣住民などが多数訪れ、サクラの花が舞い散る中での各種催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)の主催。加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる加寿姫を祭っている。桜まつりは、それまで春まつりとしていたものを改名し、昨年から実施。各種の催しを行う広場にクマノザクラがあることにちなむ。
会場の広場のクマノザクラは、六分咲き程度だった。軽食ブースやキッチンカーの出店があったほか、全品無料でお心付けのみの「もらってください」コーナーもあった。中田代表が関係者や地域住民と共に加寿地蔵尊のほこらを参拝した後、広場で各種の催しを開始。協賛の日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)と共に、6本のクマノザクラの植樹を行った。
発表は、連なって咲くサクラの木のもとで行われた。さまざまな団体が、踊りや演奏などを披露した。観客は軽食を楽しむなどしながらゆったりと眺め、盛んな拍手で称賛していた。中田代表は「今日は天気にも恵まれ、キッチンカーも来て、いろんな団体が出演して、にぎわって良かった」と話した。
なお、会場となった広場は花見が楽しめるよう、3月末まで開放する。時間はおよそ午前9時から午後4時まで。クマノザクラの時期が終わってもソメイヨシノが楽しめるという。
(2024年3月13日付紙面より)
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自治会連合会が防災講演会 (新宮市 )
新宮市自治会連合会(榎本義清会長)による防災講演会が10日、「丹鶴ホール」であった。「災害時に誰一人取り残さない、安心・安全な地域の絆」をテーマに、防災士で東京大学大学院工学系研究科のピニェイロ・アベウ・タイチ・コンノ特任助教が講演、「今後に備えて避難訓練を重ね、地域防災力を高めることが大切」と訴えた。参加者は災害時要配慮者の避難安全に備えて、今できることを考えた。
日本人の4人に1人が高齢者。30年後には3人に1人と予想されており、講演会では要配慮者の避難安全に焦点を当てた。誰一人取り残さないために、コンノさんは「一人の100歩より、100人の一歩」と強調。▽みんなのまちは、みんなで守ろう▽だれもが助かる、絆を結ぼう▽福祉と防災、一緒に歩もう▽災害恐れぬ、地域をつくろう▽なにがあっても、共助は無限―といった標語を掲げ、参加者は拍手で賛同した。
スライドを用い「災害時要配慮者とは災害時に情報入手、避難行動、避難生活が困難な人。そのうち、支援がないと避難できない人は避難行動要支援者とされている」と説明。津波や地震は自然現象、被害は社会現象であり、社会の弱い箇所をなくすことで被害を小さくすることが可能になるとした。
「犠牲者のほとんどが子どもや高齢者などの要配慮者」と伝え、東日本大震災で助かった人の平均避難距離は430㍍、助からなかった人は430㍍以上避難できなかったと分析。要配慮者の支援は共助を生かした〝福祉と防災の連結〟が大切と語り、要配慮者、安否確認、避難誘導、避難所対応など要配慮者支援を細かく分類することが地域支援につながるとした。
南海トラフ地震が発生すると最短3分で津波が襲来するとのデータを示し、「強い揺れを感じたらすぐに避難してほしい。要配慮者の避難安全に備えて今できることをみんなで考えよう」と呼びかけた。
(2024年3月12日付紙面より)
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少年少女発明クラブ (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」が9日、新宮市福祉センターであった。市内の小学生会員25人が参加、発泡スチロール板を使用した飛行機を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国で活動しており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
瀧野会長が講師を務めた。「ブーメラン飛行機」は、投げるとブーメランのように自分の所に戻ってくるというもの。児童は用意されたパーツを組み上げて飛行機を完成させた。実際に飛ばし、戻ってくることを確かめた。他に数種類の紙飛行機作りも楽しんだ。
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■閉講式も実施
この日は閉講式も行われた。瀧野会長から全員に、修了証書が手渡された。瀧野会長は「11回の講座ご苦労さま。来年度も同じように講座を組みたい。4、5年生はできればまた参加して。続けてやると技術を身に付け、未経験者に教えられるようになっていく。それもクラブの一つの意義。できれば続けて」と呼びかけた。
神倉小4年の堀本心海さんは「お姉さんがやっていたので、やってみたいと思って参加した。(1年を通して)楽しかった。空気砲が特に楽しかった。また来年もやってみたい」と話した。
(2024年3月12日付紙面より)
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観光協会が自転車イベント (古座川町 )
古座川町観光協会(鈴木貴裕会長)主催のイベント「古座川エクスペリエンス&ライド」が10日にあり、自転車の愛好者ら約120人が地域体験を織り交ぜた町内ツーリングを楽しんだ。
実施に当たってはスポーツプロデュース熊野と「KINAN Racing Team」、町が協力。今回は桜が咲き華やかな春に期日を設定し、同チーム所属選手とのファンライドと位置付け、信号がないコースを駆け抜ける中で景観に出合い町の味覚を体験する内容で参加を呼びかけた。
コースは国際ロードレース体験(花見体験含む)と難度低めの花見体験の2種類を設定。直前で花見体験のコース延長が提案され、希望者がいたため3コースで実施する形となった。
発着拠点は一枚岩前。開始に先立って鈴木会長は「クマノザクラが見頃になっている。目で見て、耳で自然の音を聞いてゆっくり無理をせず選手と一緒に走ってほしい。エイドステーションやゴール後にはアユやジビエなどをご用意しているので、今日は五感全てで古座川を体験してほしい」と述べて歓迎。スポーツプロデュース熊野の角口賀敏理事長(株式会社キナン会長)があいさつ、良好なファンライドを期して同Teamの監督と選手7人が自己紹介をして愛好者との距離を縮めるなどした。
交通規制未実施のため、愛好者は選手ら含め十数人のグループになり愛車や同協会がレンタル提供しているEバイクなどで希望するコースへ順次出走した。発着拠点とコース半ばの佐田桜の広場、道の駅瀧之拝太郎、町役場、道の駅虫喰岩にエイドステーションを設け、イベントボランティアが町産の味覚を振る舞って愛好者らのツーリングを後押ししたという。
(2024年3月12日付紙面より)
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17日まで、公募絵画展 (太地町立石垣記念館 )
太地町立石垣記念館(江﨑隆司館長)の公募絵画展が9日に始まった。同町や近隣市町から34点の出品があり、町長賞1席に竹原愛さん(那智勝浦町)の「魂の記憶」、2席に上野節子さん(新宮市)の「ジンジャー」、3席に土山明美さん(太地町)の「planet X」が選出された。
初日には審査員による講評があり、江﨑館長が「18回目を迎え、年々レベルも高くなっている。審査員の方々の評を聞き、絵に対する思いが高まるような場になれば。当館としても、町の文化活動の発展にもつなげたい」とあいさつ。
審査員を務めた熊野美術協会の運営委員の平田勝男さん、太田俊伸さんが一点一点丁寧に講評。町長賞1席の竹原さんの作品について「ヘビのような木と女性の表現が独特で、特に表情、髪の毛の質感や色の対比がいい」と述べた。会場に向け「新宮市などでも絵の具や画材の店がなくなっていく中だが、皆さんにはどんどん絵の具を買って描き、石垣記念館の期待に応えてほしい」と呼びかけた。
竹原さんは「命や魂などをテーマに人物を描き始めて2年。自分では描き切れていない部分ばかりが目についていたが、1席を頂いて驚いた。これからも自分の世界観を表現したい」と語った。
期間は17日(日)までで、開館時間は午前9時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中の来場者の投票で教育長賞の1~3席が決定される。同館は大勢の来場を呼びかけている。
(2024年3月12日付紙面より)
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スポーツウエルネス交流大会 (那智勝浦町体協吹矢部 )
新宮ジュニアレスリングクラブ
サッカー「トルベリーノ鰹カップ」