職員が民間から技術学ぶ (太地町 )
株式会社POS(堀哲也代表取締役)が太地町役場の若手職員4人を対象に実施してきたドローンの操作訓練が25日、最終日を迎えた。職員は同町森浦にある旧グリーンピア南紀などで、操作技術などの確認や総仕上げを行った。
同町では今年、防災や観光などの場面で活用するためにドローンを1機購入した。同機体には夜間操作を可能とするライトや災害時などに呼び掛けなどが行えるスピーカも設置できるほか、サーモカメラを内蔵。
総務課、産業建設課、住民福祉課、太地町立くじらの博物館の20代から30代までの若手職員4人を選出し各課の業務に生かすべく、同社にトレーニングを依頼した。
職員の訓練は今年11月から開始し、週1回のペースで実施。▽機体自体が自動的に角度や位置を修正し安定した状態が保てるGPS機能を使用したまま操作▽GPS機能を使用し、地面に設置したコーンをコースと仮定し、前後や左右、円を描く操作を身に付ける▽不意にGPS機能が働かなくなったことを想定し、機能を使わず、自力で角度などを補正し操作する―などの訓練に取り組んできたという。
総務課副主査の野瀬智章さん(29)は「防災関連では人が行くには危険な場所での使用や、災害時に町民の方々へのお知らせや指示にも使用できると思う。各課、それぞれの使い道があるため、ドローンを活用していきたい」と語った。
堀さんは「自治体が主体となってドローンの購入や職員の操作訓練を実施しているのは和歌山県内でも少ないはず。防災・防犯がメインの用途になると思うが、空撮による観光面でのPRなどにも使用していただけたら」と語った。
その後、職員らは整備が進む駅舎防災複合施設(JR太地駅)に向かい、実際に対象物を前にしての操作にも取り組んだ。
(2020年12月27日付紙面より)
県立と串本町の両図書館へ
串本町出身の水墨画家・東野光生(とうの・こうせい)さんの画集「東野光生 水墨画集成」〈全2巻〉が24日、県立図書館(兒玉佳世子館長)と同町図書館(池田三明館長)へそれぞれ寄贈された。
東野さんは1946年、田原生まれ。84年に小説「浅黄の帽子」で文壇デビュー後、水墨画家としての才覚も発揮し94年に初の水墨画集「涅槃(ねはん) 東野光生 寺院水墨画の世界」を発行。神奈川県横浜市に居を構え、水墨画家兼作家として現役を貫いている。
本紙関係では90年に串本うしおコーラスグループ団歌を作詞、2004年に小説「補陀落幻影」を発行し世界遺産登録記念行事の一環で講師登壇、那智山青岸渡寺へ11年に水墨画「補陀落渡海出帆図」「補陀落渡海船中読経図」、12年に同「襖絵(ふすまえ)『歳月』」などの作品を寄進など、ふるさと熊野へも複数の作品や接点を宿している。
両館への画集寄贈は08年の画集「世界遺産・仁和寺 高松宮記念書院 新作襖絵 四季曼荼羅」に続いて2回目。今回の「東野光生 水墨画集成」は上巻「悠久」と下巻「瞬刻」の2巻があり、水墨画家であり作家でもある自身の集大成を示す内容に仕上がっている。発行元は芸術新聞社で各巻8000円(税抜き)。
この日は東野さんから代理寄贈を引き受けた知人・西野政和さんが同町図書館を訪問し、池田館長と来館中の兒玉館長に上・下巻各1冊をそれぞれ贈呈。池田館長は「勇名をはせる地元の先輩として多くの人に知ってもらう機会にしたい」、兒玉館長は同行する県立紀南図書館(=県立図書館分館)の鈴木浩館長と共に「県民の財産としてお預かりし、本館や分館で閲覧できる状況を目指す」と応えて受け取った。
同町図書館は即日で蔵書登録を完了し、26日現在で郷土資料の扱いで閲覧できる状況とした。県立図書館は寄贈を機に追加購入を進めて永久保存用と閲覧用をそろえ、1カ月以内をめどにして県民が閲覧できる状況を整えるとしている。
(2020年12月27日付紙面より)
熊野那智大社で終息など祈願 (那智勝浦町 )
那智勝浦観光機構(NACKT)は25日、那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「幸先詣(さいさきもうで)」を行った。理事長の堀順一郎町長、理事の南紀くろしお商工会の森川起安会長、村井弘和事務局長、堀千寿子さんが参列し、新型コロナウイルスの終息などを祈願し一足早い参拝を済ませた。
幸先詣とはコロナ禍の中、年始に集中する参拝や縁起物の授与を前倒して行うもので、分散型参拝と同様に各地の神社で実施されている。
観光機構では、コロナ感染拡大防止の観点から、密を避けるために初詣をこの日に前倒するに至った。神職によると、同大社での幸先詣は初だという。神事では祝詞を奏上後に巫女が那智の滝舞を奉納。参列者を代表して堀町長が玉串をささげ、金幣の儀が行われた。
男成宮司は「コロナの影響で皆さまもご苦労されていると思う。来年には事態が収まり、干支(えと)の丑(うし)のように牛歩のごとく一歩ずつ歩みを進められる年になってほしい。観光機構の発展と町の観光振興を祈っております」と語った。
堀町長は感染防止対策として分散型参拝を呼び掛けるとともに「コロナの終息や、罹患者の早期の回復や亡くなられた方々の冥福をお祈りした。そしてより明るい那智勝浦町にしていくことを宣言しました」と抱負を述べた。
(2020年12月27日付紙面より)
吹奏楽部がランチタイムコンサート (新宮高校 )
新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)吹奏楽部(亀谷覚史顧問・山本紗椰部長、部員18人)は25日、同校中庭でクリスマス・校内ランチタイムコンサートを開いた。部員たちは全3曲を披露し、生徒や教職員を楽しませた。
昼休憩時にすてきな時間を過ごしてもらおうと年に数回実施している。当初は24日を予定していたが、雨天のためこの日に延期された。終業式後に行われたコンサートで部員たちは「髭男(ひげだん)メドレー」「恋人たちのクリスマス」を演奏。芝の上で弁当を食べながら耳を傾けたり、渡り廊下や窓から顔を出して聞き入る生徒たちの姿が見られた。アンコールでは「ウォーク・ザ・ダイナソー」を披露。手拍子で盛り上がる一幕もあり、にぎやかなひとときを過ごした。
演奏を聴いた中村華奈子さん(2年)は「毎回楽しみにしています。寒かったけど、今回も吹奏楽部のすてきな音楽を聴くことができて良かった」。
山本部長は「終業式後にコンサートを鑑賞してくれてありがたく思います。拍手や手拍子など、みんなが盛り上がってくれたので、私たちも楽しかった。これからも、みんなに喜んでもらえるような演奏ができるよう、練習に励んでいきます」と話していた。
(2020年12月27日付紙面より)
新宮市観光協会特別委員会(会長=里中陽互・市観光協会長)は24日、田岡実千年市長に「通過型観光地から地域主導の滞在型観光地への実践」を提案。委員会でまとめた市の観光振興の具現化案を報告した。
観光客に占める宿泊客の割合が10・7%にとどまる市の観光を取り巻く現状を踏まえ、市観光協会では、昨年9月に特別委員会を設置。通過型から滞在型の観光地を目指すため6回にわたり協議を進め、「地元に眠る観光資源(素材)を発掘し、磨き上げにより観光客が聖地・熊野新宮へ行ってみたくなる回遊滞在型観光コンテンツを地元のわれわれが一体となってつくる」ための実践への取り組みをまとめた。
この日は里中会長と隅地洋・特別委員会副会長、市観光協会の森本祐司専務理事、山本大輔事務局長らが市役所を訪れ、「癒やされます」をコンセプトに回遊性を高める滞在型観光コンテンツを提案した。
新宮城・神倉神社・熊野古道を三つの柱に「新たな発見に感動する~しんぐう 魅力発見旅~」と題し▽新宮城跡と城下町食べ歩き・まち歩き▽熊野川舟下りと新宮三社巡り▽海の熊野古道と万葉歌人の吟行巡り―など七つのプラン案を提示し、多様なニーズに対応するため、テーマ別に地域の観光資源を生かしたミニツアーや体験などもまとめた。
また、市に対して「観光コンテンツの情報発信と旅行エージェントへのプロモーション」「滞在型観光地を推進するための受け入れ態勢の整備」のための取り組みなどを要望として提案した。
隅地副会長は「地元が中心になって行政と連携することが大事。市民を巻き込まないと本当のおもてなしはできない」。里中会長は「官民協力し合い、観光地として新宮をつくっていければ」と主張。
提案を受け、田岡市長は「行政の役割も具体的に示していただいた。実現できればまちの活性化に結び付く。今すぐにはできないこともあるが、行政としても皆さんと一緒にできることからやっていきたい」と応じた。
(2020年12月25日付紙面より)
「お食事処きく」が義援金 (新宮市 )
新宮市井の沢の「お食事処おふくろの味きく」の店主・森下喜久(きく)さんは23日、市社会福祉協議会(田中信秀会長)に、今年7月に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した「令和2年7月豪雨」への義援金を託した。
同店舗では郵便ポスト型の貯金箱を設置しており、売り上げの一部を寄付するなど募金活動を続けている。地域住民をはじめ森下さんの人柄を慕い、全国各地から訪れる出張者、観光や帰省客らが募金に協力。来店者たちの善意で、今回3万5876円の寄付が集まった。これまでも東日本大震災(2011年)や紀伊半島大水害(同年)、熊本地震(16年)、西日本豪雨(18年)、千葉県で発生した台風15、19号による大雨災害(19年)などの被災地にも義援金を送っている。
森下さんは協力してくれた来店者らに感謝し「少額ではありますが、貯金箱には多くの人の温かい真心が詰まっています。復興を目指す中、今年は新型コロナウイルスの影響もあって大変な日々を過ごしていると思います。少しでも役に立てればうれしい」。
義援金を受け取った大谷康央事務局長は「年末年始を迎える中、コロナ禍で思うように復旧が進んでいない話を耳にしているので、願いが込められた支援にありがたく思います。復興に向け有効に活用してもらえれば」と話していた。
(2020年12月25日付紙面より)
吹奏楽部ミニコンサート (串本古座高校 )
県立串本古座高校(左近晴久校長)の吹奏楽部(仁木愛里部長、部員7人)が23日、生徒有志が自主設置したイルミネーション前でミニクリスマスコンサートを開いて場を盛り上げた。
体育祭や文化祭などの行事をコロナ禍の影響で失った生徒らの思い出づくりの場になればと願って設置したこのイルミネーション。本点灯を始めた直後に「ミニコンサートも開けないか」というアイデアが持ち上がり、提案を受けた同部は生徒有志と同様の思いで挑戦を決意した。
部員は5日間というごく限られた時間の中で、雰囲気に合う楽曲を急ぎ習得。迎えた本番ではアンコール曲を含め3曲を演奏し、生徒やその家族、住民や教員が鑑賞し拍手でたたえるなどした。
演奏を終えて仁木部長(2年)は「楽しかったけれど、練習時間が短くて完全な演奏で聴かせられなかったのは残念」と苦笑いしつつ、「コロナ禍で楽しいことがどんどん減っているけど、こんな風にできることもいろいろとある。みんなで協力してやっていきたいですね」と込めた思いを語った。
このイルミネーションは来年1月15日(金)まで(12月29日~1月3日を除く)の平日午後5時~8時に点灯している。
(2020年12月25日付紙面より)
直見の妙見神社で区民有志 (古座川町 )
古座川町直見(ぬくみ)にある妙見神社で22日、数十年ぶりとなる例祭が営まれた。区長の畦智邦男さんら区民有志7人がかねての思いにコロナ禍退散の願いを積んで奉仕の再開を決起。約40人が参列し、祭神に礼を尽くした。
この神社は妙見橋の右岸側に位置。石垣の上部に宇津木石を組むなど重厚な境内に、明神~三尾川(みとがわ)を向く方向で祭神が祭られ地蔵尊が安置されている。主祭神は牛頭天皇。畦智さんによると例祭は旧暦11月8日に営まれていたが、幼少だった数十年前に餅まきを見た記憶を最後に途絶えている。他方、区外でこの神社を高く評価する声があることにも気付いていて、いつか奉仕を再開したいと思いを募らせているところで新型コロナウイルス流行という時代に直面。牛頭天皇には疫病退散を願い祭られる側面があり有志は今こそ再開と思い立ったという。
旧暦11月8日に当たる新暦12月22日を期日とし、古座神社の石田保宮司に出仕を依頼して例祭の執行を触れ込み。当日は境内をのぼりで飾って神饌(しんせん)を献上し、石田宮司に続いて参列一同で玉串をささげて祈願した。神事後は餅まきや飴まきをし、神前に民の活気を誘って締めくくった。
同橋の下は遊泳場として親しまれるが、今まで大きな事故があったことはなくこれも同神社のご加護だと感謝する有志ら。畦智さんは「コロナ感染はしないさせないの思いで何とか早く収束してほしい。全ての区民の安全と健康と繁栄と併せてそう願った」と語り、今後は区の役員の総意が得られれば区行事、得られずともできる限り例祭を続けて直見の氏神として忘れずに見守る意欲をにじませた。
(2020年12月25日付紙面より)
和歌山県内でフリーペーパーやウェブメディア「ロカルわかやま」などの事業を展開する株式会社和歌山リビング新聞社は22日、新宮市で日帰りモニターツアー「世界遺産新宮三社巡り&熊野古道を徹底ウオーク」を開催した。参加者らは神倉神社や熊野速玉大社、阿須賀神社などを巡り、各自の会員制交流サイト(SNS)に画像を投稿するなどしてまちの魅力を発信した。
新型コロナ禍でも持続可能な交流型観光(サステナブルツーリズム)を推進することを目的に、同社では環境省「国立・国定公園への誘客の推進事業」の採択を受け、熊野地域において新たな自然体験型観光の整備に取り組んでいる。
モニターツアーは、インフルエンサー(SNS情報発信者)を対象に同市、那智勝浦町、古座川町、串本町、すさみ町の5市町で企画。ツアーを通して参加者が情報発信することによる当地方の幅広い魅力拡散を狙いとしている。ツアー参加費は同事業から全額が補助されている。
この日のツアーでは県内外から6人が参加。ナビゲートを市登録ガイドの福田美紀さんが担った。
JR新宮駅に集合した参加者らは自己紹介を済ませ徒歩で神倉神社へ。赤嶋惠子さん扮(ふん)する熊野比丘尼(びくに)の曼荼羅(まんだら)絵解きでまちの歴史などを学び、石段を上り参拝した。
その後、参加者らは熊野速玉大社で正式参拝。めはりずしの昼食に舌鼓を打ち、熊野古道・高野坂を歩くなどしてまちの歴史と自然を体験する機会とした。
海南市から参加した大北美年さんは「熊野はあこがれの場所。ただ観光するだけじゃなく、こうして説明していただけるととても勉強になる」と笑顔。
絵解きに関して「時代を超えて物語が意識されていてすごいと思う。一度途絶えたものが今でも継承されていることが素晴らしいと思います」と話していた。
同社は、「ロカルわかやま」の熊野エリア版サイト「ロカルくまの」(https://rokaru-kumano.jp)をこのほどオープン。当地方のレジャーや地域情報などを発信している。
(2020年12月24日付紙面より)
三輪崎地区サロンに30人 (新宮市 )
新宮市の三輪崎地区福祉委員会は22日、三輪崎会館でサロンを開いた。約30人が参加し、新型コロナウイルス感染症予防DVDを鑑賞したほか、椅子を使った簡単な体操で体をほぐすなど交流を深めた。
新型コロナの情勢を鑑み、集まることが困難な中において「せめて顔を合わす機会に」と開かれたこの日のサロン。開催に当たり、上廣正幸委員長はコロナの世界的流行や英国のコロナ変種などに触れ「この機会に皆さんと一緒にコロナについておさらいができたら」とあいさつした。
DVDは新宮保健所が10月現在の情報を基に制作したもの。同保健所の池田和功所長が県内の状況やコロナの症状、予防方法などを紹介する内容となっている。
映像内で池田所長は「第1波では男女とも50代が中心だったが第2波では20代の若者が中心となっている」「第2波では味覚・嗅覚異常を訴える人が多い。感染者の年代が低いこともあり、第1波より肺炎を併発する人が少ない」などと説明。退院基準が短くなったことから、入院期間の平均日数が19日から8日へと少なくなったことなどにも触れた。
感染経路に「飛沫(ひまつ)感染(+エアロゾル)」と「接触感染」を挙げ、3密を避けることや換気、マスクの着用、手指・環境消毒などが重要な対策とした。
また、手洗いを丁寧に行うことで十分にウイルスを除去できると述べ、石けんやハンドソープを使った丁寧な手洗いの実践を呼び掛けた。
(2020年12月24日付紙面より)
台北市内湖高級中學と交流 (新宮高 )
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)のESS部(水谷菜乃部長、部員6人)は22日、台湾の台北市立内湖(ネイフー)高級中學の英語のクラスと中継をつなぎ、オンライン交流会を開いた。生徒たちは互いに文化や学校生活についてプレゼンテーションし、質疑応答を通じて交流を深めた。
ESSは「English Speaking Society」の略で、楽しく英語を学ぶクラブ活動。これまでアメリカやマレーシアなどさまざまな国の留学生や観光客と交流している。オンラインの交流会は昨年のボツワナ共和国のセレメン小学校に続き2回目。
新宮高校の生徒たちは、日本の正月行事や、台湾では珍しい学校のクラブ活動、校内の新型コロナウイルス感染対策をスライドで解説した。
内湖高級中學の生徒は、限られたマスクを国民に均一に行き渡らせる政策を展開するオードリー・タン政務委員(デジタル担当)や台北市のナイトマーケットについて紹介。台湾でも人気沸騰中のアニメ「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」の好きなキャラクターについても語った。
質疑応答では「日本では正月にどのように過ごしますか」「台湾ではまだタピオカははやっていますか」などの質問があり、英語で回答していた。
苦手な英語を克服するためにESS部に入ったという水谷部長は「新型コロナウイルス感染拡大以降、海外の人々と交流するのは初めて。オンラインという環境や、互いの国の英語のなまりなど、難しいところもあったが、楽しかった」と語った。
来年1月には、同校の姉妹校である台湾國立彰化女子高級中學とオンライン交流会を開く予定だという。
(2020年12月24日付紙面より)
紀南病院組合議会で一般質問
紀南病院組合議会(議長・下田克彦熊野市議会議員)による12月定例会が22日、御浜町の同病院で開かれ、一般質問があった。紀宝町、熊野市、御浜町の3議員が執行部の見解をただした。
一般質問は前回の10月定例会に続いて2回目。紀宝町の榎本健治議員は、病院経営の収支と医師・看護師確保、医療機器導入について質問し、看護師確保に向けて県内看護学校との連携を求めた。
病院経営について管理者の大畑覚御浜町長は「赤字は新型コロナが大きく影響している」とし「国、県の補助金が見込まれているので対応できるのでは」との認識を示した。医師確保は三重大学医学部への陳情、医師バンクへの登録、情報収集などに務めており、夜勤のできる看護師確保が課題とした。
熊野市の森岡忠雄議員は新型コロナによる医療崩壊を危惧。院内感染リスク軽減のためのオンライン診療、ワクチンの円滑な接種体制を聞いた。
大畑管理者は「紀南病院では感染病床を4床有しており、医療崩壊が起きないよう院内感染対策を継続して取っている」と答弁。「高齢者が多い地域性、通信機器整備を考えると早期のオンライン診療導入は難しい」とし、ワクチン接種に関して「今後構成市町と情報共有したい」と述べた。
御浜町の﨑久保隆議員は新型コロナへの対応、人材確保、病院経営、患者の情報提供を取り上げた。新型コロナ対策として病院玄関への検温設備設置を求め、通院、入院患者、感染者への対策を聞いた。
「院内での感染防止対策を講じている」とした大畑管理者は「クラスター発生を防止することが最重要で、玄関でのマスク着用、手指消毒の徹底、診療科での体温測定でリスクを減らすことができる。入院患者はマニュアルに沿って対策を取っている」と答弁した。
加藤弘幸院長は「感染対策のアピールをする効果はあるが、今すぐ検温設備を導入する考えはない」と述べ、「感染者が出た場合に備え、感染対策チームが受け入れのための対策を取っている。当院が感染対策を怠ることはない」と強調した。
(2020年12月24日付紙面より)
那智勝浦町出身 (レスリング )
那智勝浦町出身で日本体育大学3年の山口海輝(かいき)選手(21)が、17~20日に東京都の駒沢オリンピック公園体育館で開催されたレスリングの「2020年天皇杯全日本選手権」の男子フリースタイル65㌔級で優勝を果たした。
山口選手は新宮ジュニアレスリングクラブで練習に励んで中学校を卒業後、高校レスリングの強豪である日体大柏高校(千葉県)へと進学。2015(平成27)年の紀の国わかやま国体や高校総体、JOC(日本オリンピック委員会)杯、ブバイサ・サイキエフ国際大会を制すなど、国内外で活躍している。同大学進学後もさまざまな大会で結果を残し、11月には57㌔から65㌔に階級を上げて挑んだ内閣総理大臣杯でも優勝した。
天皇杯では相手選手の棄権により1回戦を突破すると、準決勝は上野裕次郎選手(栃木県スポーツ協会)に快勝した。決勝戦では自他ともに認めるライバルである安楽龍馬選手(早稲田大学)と対戦。白熱した試合を展開し、ポイント2―1で接戦をものにして見事勝利を収めた。
優勝の報告を受けた父・哲也さん(45)は「新型コロナウイルス感染症の影響で練習ができない中、一生懸命自主トレに励んでいました。本人は優勝はうれしい反面、積極的な攻めができなかった、目標である『世界』に向けて課題にしっかりと取り組んでいかないといけないと振り返っていました」と語る。
「総理大臣杯、天皇杯ともに一番の成績を残してくれたことは喜ばしく、優勝を信じていた。これからも支えてくれた多くの方々に感謝しつつ、謙虚さを忘れず突き進んでほしいですね」と話していた。
(2020年12月22日付紙面より)
フィンランドのお菓子作り教室 (紀宝町 )
フィンランド在住のサウナ文化研究家、こばやしあやなさんを招いてのお菓子作り教室が18、19日の2日間、紀宝町浅里の飛雪の滝キャンプ場で開かれた。2日間で計18人が参加し、フィンランドのクリスマスのお菓子「ヨウルトルットゥ」を作った。
18日の教室には子ども6人を含む8人が参加。こばやしさんは世界地図を基に「フィンランドは北欧にあり、湖が多い国。日本からは飛行機で9時間くらい。夏は白夜で太陽が沈まず、冬は太陽が出ずに寒い国」と紹介した。サンタの国、フィンランドではクリスマスを「ヨウル」と呼び、「ヨウルトルットゥ」とホットドリンク「グロギ」がクリスマスの定番だという。
ヨウルトルットゥ作りに挑戦した子どもたちは、正方形の生地に切り込みを入れて、折り紙のように折っていった。天使や花、かわいい風車のような形に折り、伝統的なプルーンとリンゴのジャムをたっぷり塗ってオーブンで焼いた。
焼き上がるまで、こばやしさんはフィンランドの景色を写し出し、「10月に初雪が降り、11月には湖が岸辺から凍り始める。冬のフィンランドはオーロラがきれいで、秋には湖に映ることがある」と話した。
クリスマスにはイルミネーションやツリーを飾り、日本と違いフィンランドのサンタは昼間に来てくれるという。
クッキーで家を作るフィンランド文化などを映像で楽しみ、15分後にはオーブンから甘い香りが漂った。お菓子が焼き上がると、子どもたちは熱々のまま頬張り「上手にできた」「おいしい」と笑顔を見せていた。
(2020年12月22日付紙面より)
大みそかに向け試験点灯 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社の御神体である那智の滝と、那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)の三重塔で19日、大みそかのライトアップに備えた試験点灯があった=写真。
1989(平成元)年から始まったライトアップ。発光機の清掃の後、午後5時に点灯され、水銀灯3基と、5基のライトに照らされた三重塔と那智の滝が夕闇迫る那智山中に浮かび上がった。
見守った青岸渡寺の髙木亮英副住職は「新型コロナで大変な世の中、一日も早い終息と、世の平和を願いたい」と話していた。
ライトアップは31日(木)の日没から元日の明け方まで実施される。熊野那智大社では27日(日)に滝の上に架かるしめ縄を張り替え、迎春に備える。
(2020年12月22日付紙面より)
古座川サイクリングフェス (古座川町 )
古座川町で19日、自転車イベント「古座川リバーサイドサイクリングフェス2020」があり一般84人が「KINAN Cycling Team」のプロ選手と共に高池の虫喰岩、滝の拝、一枚岩といった名勝を巡るツーリングに親しんだ。
このイベントは同町観光協会(須川陽介会長)とNPO法人スポーツプロデュース熊野(角口賀敏理事長)が主催、同町と県が後援、株式会社キナンが協力。信号がなく交通も穏やかな町域を生かしたサイクルツーリズムを推進する同協会が主要なコースを広く伝えるため、新宮市を拠点にし大会運営のノウハウを持つ同法人と両輪で計画し、①清流奇岩巡りコース(滝の拝以外の名勝巡り、全長約28㌔)②清流3名勝巡りコース(全長約50㌔)―の2ルートを設定して事前申し込みを受け付けた。
当日は①に20人、②に64人が参加。同協会事務局がある道の駅虫喰岩を大会拠点にして開会し、須川会長は「コロナ禍と初開催で満足のいくイベント結果にならないかもしれないが、今後もよりよいイベントにしていきたいので温かい気持ちで迎えていただければ幸い。古座川の自然や味覚を十分に楽しんでほしい」とあいさつして歓迎した。
来賓を代表して西前啓市町長、鶴保庸介参議院議員、角口理事長が祝辞を寄せ、町議有志も列席。県議会の濱口太史議員と二階俊博代議士の秘書・二階伸康さんは列席に加えて一般参加もした。
共に駆ける同チーム選手10人の自己紹介後、選手含む10人前後の小グループに分かれて順次スタート。スポーツ自転車相応に軽くスピードを出しながら前半はチェックポイントがある各名勝巡りをし、エイドステーションがある一枚岩前で合流した。ジビエやアユ、ユズ菓子など地元の味を昼食としつつ選手のトークショーを鑑賞するなどしながら休憩を取り、後半は南紀月の瀬温泉ぼたん荘前のチェックポイント経由で道の駅虫喰岩へと戻った。
実施に当たり同協会がレンタル提供するスポーツ自転車は全車貸し出しとなり、同法人も希望に対する不足分を出してフォローしたという。ツーリング後は記念グッズ(イベントロゴ入りボトルなど)を受け取って終了となり、参加者やスタッフは物産やサイクリンググッズの直販を利用しつつ解散した。
(2020年12月22日付紙面より)
クリスマス需要に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近(くわの・としちか)組合長)は、クリスマス需要期の出荷に向け18日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家14人、みくまの農業協同組合、県職員らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘みが強く酸味もほどよい。例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万2000ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。桒野組合長は、同センターに届いた約100ケースのイチゴを前に「コロナの影響も続くが『まりひめ』は人気がある品種。これからも自信を持って出荷してほしい」と参加者らに呼び掛けた。
桒野組合長は「大きな台風もなかったが天候の関係か、少しだけ収穫が遅れた。しかしクリスマスに間に合って良かった」と今年の状況について説明し「大きくて食味がいい。『まりひめでなければ』というファンも多い」と自信をのぞかせた。
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1971(昭和46)年に結成され、設立50年を迎える那智勝浦町苺生産組合。このほど、同組合は産業の振興や発展、農山漁村の活性化に貢献したとして、令和2年度「和歌山県農林水産業賞」(農業部門)を受賞した。桒野組合長は「設立50年を迎えるに当たり栄えある賞を頂けて光栄」と話していた。
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「まりひめ」が品種登録されて今年で10年を迎えた。県いちご生産組合連合会は今年、「まりひめ」のPRポスターを一新。「今年も『まりひめ』元気です」をキャッチコピーに採用し、さらに愛される品種を目指す。
また、連合会は各管内の小学生を対象に「まりひめ」PRポスターコンテストを実施しており、優秀作品を来年以降のポスターに採用する予定としている。
(2020年12月20日付紙面より)
合同夜間パトロール (新宮市 )
少年補導員、地域安全推進員、熊野パトロール隊、新宮少年相談センター、新宮警察署による合同夜間パトロールが18日、新宮市内であった。約30人が同市大橋通の大橋交番を出発。約1時間かけて繁華街や商店街、国道沿いなどを巡回した。
年末年始特別警戒の取り組みの一環。年末にかけて少年の非行など治安情勢が悪化傾向にある中、少年の非行防止、安全安心のまちづくりを目的に実施した。
パトロールの実施に当たり、同署の小畑博昭署長が「当署も年末年始の特別警戒に努めている。本日は寒く、ご多忙の中お集まりいただいてありがたい」とあいさつ。
参加者らは各自、懐中電灯や「安心・安全街づくり」と記されたちょうちんや「みんなでつくろう 安心の街」と書かれたのぼり旗を手に夜のまちを巡回。併せて、自転車盗や特殊詐欺に注意を呼び掛けるのぼり旗も用意し、防犯意識高揚のための広報活動を行った。
(2020年12月20日付紙面より)
1年生と地元企業の交流会 (紀南高校 )
御浜町の県立紀南高校(森典英校長、生徒189人)で18日、地元企業8社を招いての交流会があった。1年生55人が参加し、各企業から事業内容などの説明を受けた。
県外進出、県外就職が増加する一方、ふるさとを離れても将来的には戻りたいというニーズがあることを踏まえ、地元の高校生と企業の交流の場を設け、将来、就職を考える一助に、また、地元の人材確保につながる機会となるよう県商工会連合会が主催。
3回目を迎えた本年度は、かきうち農園、さくら清凉社、ウミガメフーズ、尾﨑畜産御浜ファーム、M・A・P紀南事務所、熊野精工、野地木材工業、三角田(みすまだ)工業が参加した。
体育館に集まった1年生を前に、紀宝町商工会の田尾友児会長が「将来、この地に残って働きたいと思う人もいると思う。なるべく地域に残って地元産業を支えてもらいたい。今日はじっくり話を聞いて進路の参考にしてほしい」とあいさつ。
各ブースでは会社代表や担当者が会社概要や業務内容などを説明。働くイメージを持ってもらおうと、映像で紹介する企業もあり、生徒たちは2年後の進路実現に向けて、熱心に耳を傾けていた。
(2020年12月20日付紙面より)
新宮警察署(小畑博昭署長)は18日、管内の個人6人に対し感謝状を贈った。一人一人に感謝状を手渡した小畑署長は「安心安全なまちづくりは、皆さまや地域の方々の協力なしではなし得ない。今後とも警察業務にご理解いただくとともに、末永いご支援とご協力を」と謝辞を述べた。
このたびの感謝状は、令和2年中に警察活動の各分野における協力者に対し贈呈するもの。警備や雑踏事故防止、拾得業務の適正化、交通安全、防災、犯罪抑止などの各分野に功労があった人に贈られた。
ホテル浦島執行役員の石垣俊光さんは、テロ対策等管理者対策に協力するなど、警備活動に協力した。熊野本宮大社の九鬼家隆宮司は、例大祭や初詣などにおいて新型コロナ感染予防対策を講じた上で事前に雑踏整理のシミュレーションを実施するなど雑踏事故防止に万全を期したことが評価。
西日本旅客鉄道株式会社新宮駅長の小谷典史さんは、特例施設占有者として拾得物の適切な保管管理や届け出を行い、県民の財産保護に寄与。交通安全協会新宮支部職員の下浦朋さんは、約18年にわたり交通安全協会職員として精勤し管内の交通安全に貢献した。
株式会社POS代表取締役の堀哲也さんは、行方不明者の捜索や、同署との合同によるドローン操縦訓練の実施や、関係機関による大規模地震災害対応訓練への参加など、各種防災活動に協力。株式会社オークワ保安員の宮本さおりさんは、万引被疑者の検挙や捜査への協力など、管内の万引事犯の減少に努めるなど犯罪抑止活動に尽力したことが認められた。
感謝状を受け取った堀さんは「民間としてドローンを使って活動に協力できた。身に余る光栄」。九鬼宮司は「気が引き締まる思い。改めてしっかりと、安心安全に参拝者の方々をお迎えできるよう努めたい」と喜びを語った。
(2020年12月20日付紙面より)
青岸渡寺で大すす払い (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の西国第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で16日早朝から昼ごろにかけて、1年間のほこりを払い清める年末の大すす払いが行われた。初雪が舞う中、髙木亮英副住職ら寺の職員が総出で世界遺産の本堂や鐘楼、山門などの清掃に取り組んだ。
同寺によると、この日は気温が低く、午前8時の時点で寺内の温度が3・5度と今年一番の冷え込みだという。
職員らは協力してササの葉を先に付けた長いタケを使い、天井にたまったほこりを落とした。
重さ450㌔、直径1・4㍍、大きさでは日本一といわれている本堂につり下げられた豊臣秀吉寄進の大鰐口(おおわにぐち)は職員がはしごに乗って、丁寧に清めた。
髙木副住職は「今年はコロナに始まりコロナに終わる年。ほこりとともにコロナも打ち払いたい。一日も早いコロナの終息と皆さまのご多幸がやって来るように祈っています」と語った。
(2020年12月19日付紙面より)
来店者に記入を呼び掛け (新宮市料理飲食業組合 )
新宮市料理飲食業組合(平見一雄組合長)は14日から、来店者に名前や電話番号などを記入してもらう取り組みを始めている。
多くの帰省客や観光客が見込まれる年末年始に向けて新宮食品衛生協会(食協)が協力し、新型コロナウイルス感染者が発生した場合の早期対応が目的。新宮調理師会にも協力を依頼している。濃厚接触者の特定が容易となるため、組合に加入していない同市から串本町までの飲食店にも周知を図っていくとのこと。
取り組みには名刺大の「ご来店カード」を使用し、同組合に加盟している60店舗へ配布。▽名前▽電話番号▽和歌山県内もしくは県外在住▽県外の際には県名を書く―の記入欄を設けている。家族や複数人など団体での来店時にはその代表者に記入を求め、感染者が発生すればカードを基に保健所が濃厚接触者をたどる。カードがない場合は報道機関で店名を公表して来店者に名乗り出てもらうよう呼び掛けていくという。
同市千穂で平見組合長が経営している「うどん・そば処たぬき屋」では11日から試験的に取り組みを開始した。平見組合長は「保健所と話をして協力を得ながら制作することになりました。組合に非加入でも食協なら飲食店はほとんど入っている。任意であると告げた上でお願いすると、ほとんどのお客さんが書いてくれます。観光で訪れた人も協力してくれます」。
「保健所の負担を少しでも軽くしたい。人口が少ない当地域では店名公表は死活問題となってしまい、店が開けられなくなってしまいます。手間はかかるが、お客さんと飲食業を守るため。ご来店の際には記入をお願いし、各店舗および業界全体のために協力して乗り越えましょう」と話していた。
(2020年12月19日付紙面より)
町民向けロケットWS開始 (串本町 )
串本町が14日、田原地区を対象にしてロケット事業に関するワークショップ(WS)を山村交流センターで開いた。地区内3区の区民ら20人が参加し、来年度の打ち上げに向け基礎知識などの説明を受けた。
このWSは、ロケット事業を生かした地域振興を目指す同町が足掛かりとして展開する誘客多角化等実証事業の一環。来年度の打ち上げに向けた機運を高める目的で学校、団体、町民を対象に計30回開くことを目指していて、団体、学校に続いて動き出した町民向けの初回は民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」が所在する地元への礼として田原地区とする形を取った。
この日の講師は同事業の委託を受ける株式会社USPジャパン代表取締役の新津研一さんが担当。校時を考慮した学校向けに比べて町民向けは少し色濃くの約90分の内容で▽スペースポート紀伊の概要と運用するスペースワン株式会社が目指す事業展開や小型ロケットの構造や性能▽人工衛星の時代変遷と現在の生活に果たしている主な役割▽ロケット事業について地域が取り組める事柄―の3部構成で説明を進め、質疑応答や小休憩を適時織り交ぜた。
翌15日は事前申し込み少数で告知した3回のうち、午前と夜半の2回が中止となったが、午後(日中)に地区問わずのWSを1回実施した。以降の町民向けWSの日程は14日現在で未定。参加者には教材として冊子「スペースポート紀伊まるわかりブック」などを配り、参加した町民からの基礎知識の普及も図っている。
役場企画課ロケット推進グループは2月半ばに想定する公開行事(同事業の成果発表会で町独自のロゴマークもこのタイミングで発表する予定)がずれ込まないよう、来年1月末時点での30回達成を目標にして順次進めるとしている。
(2020年12月19日付紙面より)
4年生がマイヤーレモン収穫 (井田小 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長)の4年生25人が16日、御浜町阿田和にある杉浦利也さんの農園を訪れ、マイヤーレモン150㌔の収穫や試食を楽しんだ。
同校は地域をフィールドとした特色ある教育活動として、総合的な学習の時間を「『井田』未来 創造 Learning」と名付け、4年生は地域の環境資源や産業について学んでいる。
マイヤーレモンはレモンとオレンジの自然交雑によって生まれた品種で、通常のレモンより果汁が1・5倍多く、まろやかな酸味が特徴。
この日はたかみ農園の田中高美さん、石本果樹園の石本慶紀さんも協力。「レモンを食べてみたい人」と児童に問い掛けると一斉に手が上がり、「酸っぱい」「皮もおいしい」と話しながら全員で味わった。収穫作業では、大きなレモンを選んで二度切りし、分担してコンテナまで運んでいた。
濵口大幹君は「マイヤーレモンは酸っぱかったけれど、だんだん慣れて甘さも感じた。ミカンやレモンの勉強は楽しい」と話していた。
(2020年12月19日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会「黒潮クラブ大会」
田辺市本宮町の熊野本宮大社旧社地・大斎原で15日、九鬼家隆宮司による恒例の一文字揮毫(きごう)があった。白装束に荒縄のたすき姿で力強く「前」と書いた九鬼宮司は「根気強く、自分の歩幅で前に」と祈念した。
新年への願いを込め九鬼宮司が書き始め13年目。3密を避けるため、初の大斎原での揮毫となった。
大鳥居の真下に敷かれた縦横約3㍍の白い布を前に精神統一を図った九鬼宮司は、長さ1・3㍍の大筆で一気に書き上げた。「令和三年辛丑(かのとうし)」「祈コロナ終息」と記し朱印を押して書を仕上げると、見守った参拝者らから大きな拍手が起こった。
前日に揮毫する字を決定した。「新型コロナの影響で多くの人が悩み、足踏みした年だった。自分の歩幅で夢や未来、目標に向かって方向性を見失うことなく前に進んでほしい」との願いを込めた。
「祈コロナ終息」には、医療従事者への感謝と「青空のような晴れ晴れしい一年であるように」と青色のインクを使用した。
「ゆっくりでいいから進んでいこうよ」と、背中を優しく押すイメージで筆を動かしたと九鬼宮司。「キャンバスは自分で描くもの。我慢しながらも、半歩ずつでもいいから前(未来)に進む一年になれば」と話していた。書は年内中に社務所前に掲げるほか、複写した同サイズのものを大斎原の大鳥居下にも掲揚する。
同大社では3密回避のため初詣における「分散参拝」を呼び掛けており、毎年境内で執り行われる「新年初祈祷(きとう)」を大斎原で斎行する。
(2020年12月16日付紙面より)
廣瀬拓哉さんが指導と講演 (南紀ボーイズ )
太地町森浦の旧グリーンピア南紀で13日、同町を拠点に活動する中学生硬式野球チーム「和歌山南紀ボーイズ」(漁野尚登代表)の野球教室があった。履正社スポーツ専門学校野球コースの廣瀬拓哉コーチ(29)が同チームの選手30人を指導し、共に汗を流した。
廣瀬さんは大阪府枚方市出身で、高校時代には近畿大学附属新宮高校硬式野球部の主将を務め、近畿大学へ進学。大阪府で4年間社会科教諭として勤めた後、2017~19年には国際協力機構(JICA)日系社会青年ボランティアとしてブラジルへ赴き、現地の日系人コミュニティーで野球指導や日本文化継承、日本語教育に携わった。現在は野球コーチをしながら、日本語教師や「持続可能な開発目標(SDGs)」推進に関する講演活動を展開している。
練習では、内野ゴロの捕球から一塁への送球を安定させるフォームを指導。午後のキャリア教育では、野球の経験を生かした将来設計について語った。「自分には野球があったから、外国語を覚え、海外で活動することができた。体の動かし方と同じで、将来のビジョンも幅広い選択肢を持っておくことが大事」と言い、「甲子園に出られなかったら、プロ野球選手になれなかったら終わりではない。野球の可能性は無限大。ぜひ、将来地域の野球を盛り上げてほしい」と呼び掛けた。
また、甲子園出場の夢を追い掛けて親元を離れる3年生の選手たちに「寮に入ると寂しくなることもあると思う。一緒に過ごせる今を大切に、全力で頑張って」とエールを送った。
新宮市三輪崎で食や肌、体全般に関する教室を展開する「イロドリ」の中村美奈子さんによる講座もあった。中村さんは「体づくりで一番大事なのは消化吸収力」と話し、旬の食材や発酵食品を食卓に取り入れ、よくかみ、ドカ食いをしないこと、基礎体温を高めることなどを呼び掛けていた。
(2020年12月16日付紙面より)
新宮市のタウンガーデン
新宮市保健センター横の「タウンガーデン」で、14日からイルミネーションの点灯が始まった=写真。来年1月末ごろまで点灯を続ける。
同所のイルミネーションは15回目。花づくりボランティア「タウンガーデン」(平田裕子代表)会員の高齢化などの理由から、以前より協力していたフラダンス教室「AniAni Hula Studio」(司空慧子代表)がイルミネーション設置を引き継いで今回で4回目となる。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、毎年実施していた点灯式は中止となったが、AniAniメンバーやタウンガーデン会員らが1週間ほどかけてイルミネーションやクリスマスオーナメントなどを設置。晴れて点灯の日を迎えた。
点灯期間中は同所のアーチ付近に募金箱を設置。平田代表が「イルミネーション継続のためにご協力を」と呼び掛けている。
(2020年12月16日付紙面より)
JAL社員がキャリア教育 (古座川町 )
古座川町立明神中学校(海野文宏校長)の生徒12人が14日、日本航空株式会社(JAL)のオンラインキャリア教育を受け自身の将来を考えるきっかけを得た。
この教育は、同社業務企画職の丸島拓郎さんが「将来を目指す学生に失敗を恐れず挑戦してみようと思えるきっかけを託したい」という思いで企画。複数の専門職で成り立つ同社ならではの手法として、子どもが将来の夢として思い描くことも多いパイロットに協力してもらい活力のある展開を目指している。
そのような発信の受け手を丸島さんが探していることを知人経由で知った同町観光協会の須川陽介会長は、町内の子どもたちにとっていい機会になると確信して同教育と中学校を仲介しこの日は明神中、18日(金)に同町立古座中学校がそれぞれ受講することとなった。
明神中の同教育では、企画者の丸島さんとパイロットの川上大輔さんがウェブ会議システムを用いてオンライン登壇。学生時代の自分たちの姿と航空業界を目指すようになったきっかけやタイミング、学生時代の経験が社会人になってからどのように力になっているかなどをそれぞれ語り、そのような人生の歩みや業種に関係する生徒の質問に答えるなどした。
丸島さんは「失敗を糧にして次に成功すれば、その失敗は気分的に帳消しになる感じだ」と実感を伝え、学生時代の苦い経験や挫折は今の仕事や人生に挑み続けるエネルギーになっていることを強調。学生時代は失敗を恐れずたくさん挑戦し迷ったときは一人で抱え込まず親や友達と相談して考えた方が良い、と自分に足らなかった点をメッセージとして生徒へ託し、将来への挑戦を後押しした。
授業1時間分という限られた時間の中で学生への思いを託した2人。生徒は「何事もちゃんとしたいという気持ちになれた」「つまらないことでも頑張れば面白くなるという話が印象的で、自分も頑張ってみようと思った」など感想を伝えて経験談やアドバイスに感謝して締めくくった。
古座中ではパイロットの石川貴一さんと丸島さんがオンライン登壇して生徒の将来への挑戦を後押しする予定。
(2020年12月16日付紙面より)
障害者スポーツ体験会「陸上競技」
小学生ソフトテニス選手権大会県予選会
熊野川中で防災授業 (国交省 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所は11日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川中学校(吉田元紀校長、生徒29人)で公開防災授業を実施した。「大雨が降ったときの身を守る行動を考えよう!」をテーマに、生徒たちが大雨に伴う水害時に取るべき行動などについて討議し、災害に対する認識を深めた。
防災授業は今年で4回目の取り組み。国内有数の台風常襲地である紀伊半島において、有事の際にどのようなタイミングでどのような行動を起こせばいいのかなどを考えるきっかけづくりとして実施している。
同事務所調査課の玉木秀幸・地域防災調整官らが、2011(平成23)年の紀伊半島大水害や18(平成30)年の西日本豪雨などの様子を写真や資料を用いて過去の災害を振り返った。
洪水浸水想定区域図や土砂災害警戒区域図、洪水ハザードマップなどの説明を行い▽在宅▽避難所▽ホテル▽青空▽縁故―のコロナ禍における避難方法を紹介。
4班に分かれた生徒らは避難ルート、タイムラインなどのワークシート記入や意見交換、情報共有を通じて、地域や自宅の水害・土砂災害の危険性や避難時の注意点、避難ルートの確認、避難の際に行う準備や行動について考える機会とした。
最後に、各ワークを通して確認した内容を班ごとに発表。「動きやすい服装で避難する」「状況を確認しながら周りの人を手伝う」「大切なものは2階に上げる」「ラジオやモバイルバッテリーを用意しておく」「普段から地域の人とコミュニケーションをとっておく」など、避難時の具体的行動について示した。
発表を終え、玉木地域防災調整官が「自分の家のリスクの確認は重要。今日のことを持ち帰って、家族の人に教えてあげて」と呼び掛けた。生徒会長の中前なごみさん(2年)が「防災のことをたくさん教えていただき勉強になった。今日のことを今後にも生かしていきたい」と玉木地域防災調整官らに感謝を述べた。
(2020年12月13日付紙面より)
教育研究会ICT部会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育研究会ICT部会は10日、町立太田小学校(上地巳奈子校長)、市野々小学校(中西健校長)、色川小学校(寺地琢也校長)、宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の4校をつないでオンライン授業を実施した。
同部会は本年度、オンラインツールを活用した遠隔授業をテーマに研究を進めている。国が推進するGIGAスクール構想への対応や、1人学級を抱えるへき地の小規模校同士の交流など、さまざまな視点から児童にとってより良い授業の在り方を模索することが目的。
この日はオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を用い、宇久井小学校から平瀬公士教頭が国語科の授業を実施。遠隔で3校の5、6年生30人が、2、3人のグループに分かれて電子黒板やノートパソコンで授業を受けた。
児童は「虫」「虹」「地」などのヘビが元になっている漢字の成り立ちを学び、「蛸(たこ)」「蚯蚓(みみず)」といった難読漢字クイズで盛り上がった。他校の友人と一緒に授業を受けられることを喜ぶ姿も見られ、児童からは「クイズで頭をたくさん使った」「いろんな人と交流できてうれしい」との声があった。
教職員による研究協議では、「児童の感想は楽しかったという意見が多く、交流ツールとしては良い」という意見があった反面、「授業する側としては子どもたちの様子が把握しづらい」「ノートパソコンでは音量が小さく、外付けのスピーカーが必要。機材の接触不良で、電子黒板から音がでないトラブルもあった」といった課題も浮かび、今後の改善について議論が交わされた。
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■GIGAスクール構想
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略。義務教育を受ける児童・生徒に1人1台の学習者用タブレットと高速ネットワーク環境を整備することで、公正に個別最適化され、資質・能力を確実に育成できる教育ICT環境を実現する構想。
(2020年12月13日付紙面より)
校庭に巨大ピクセルアート登場 (木本高 )
創立100周年を迎える県立木本高校の校庭に9日、巨大なピクセルアートが登場した。この歴史と伝統を祝う事業の一環で、3年生188人による「100」の人文字とともにドローンによる記念写真撮影で祝った。
同校は1920年、県立木本中学校として開校し、55年には現在の木本高等学校に校名を変更した。記念のピクセルアート作りは昨年夏に企画され、同高校、熊野林星会、三重大学地域拠点サテライト、東紀州サテライトが制作に携わってきた。このアートは約9㍍×14・4㍍の大きさ。同高校学校林のヒノキの間伐材を利用した4・5㌢角の木片チップ6万4000枚を使って80枚のパネルに仕上げ、制作を担当した3年生がこれを並べることで完成させた。
図柄は100年の歴史を表現するため、開校当時の制服を着た男子生徒と現在の制服姿の女子生徒を並べ、後方には100年前から変わらぬ姿の獅子岩を描いている。図案は3年生で漫画研究部の松本奈々部長(17)が考案し、約1カ月かけて完成させた。これを節目とした新しい歴史の始まりには、「今の学校や地域の雰囲気を守り、変わらずにいってほしい」と願った。製材や乾燥を重ねて材料のチップを用意した熊野林星会の野地良成副会長(39)は「生徒たちと何かできないかと高校から相談があり、木育教育の一環として引き受けた。地元高校に少しでも恩返しできたかな」と述べた。
作業を終えた仲川聖華さん(17)は「100周年記念事業に参加できたことを誇りに思う」、同じく川上かおるさん(18)も「伝統ある素晴らしい学校と改めて感じた」と話した。撮影会は当初9月16日の予定だったが、天候の都合で延期されていた。パネルは、パーティションなど活用法を検討中という。
(2020年12月13日付紙面より)
移転準備のため26日に閉館 (鵜殿図書館 )
紀宝町立鵜殿図書館が移転準備のため、26日(土)をもって閉館し、28年の歴史に幕を下ろすことになった。来春には同町神内の旧保健センターに移転し、「図書館・子育て支援センター複合施設」として再開する。
鵜殿図書館は1992(平成4)年4月に建設され、施設の老朽化が進みバリアフリー対策も十分でないことや、小高い丘の中腹に位置し交通アクセス、駐車場が広くないなどの理由から移転が決まった。
26日まで町内在住、在勤者に限り1人20冊まで本を借りることができる。返却期限は来年4月1日までで、図書館玄関横のブックポストに返す。入館の際はマスクの着用と手指消毒を求めている。開館時間は午前9時30分から午後6時までで、休館日は月曜日。
移動図書館は来年1月まで予定通り実施する。日程は「広報きほう1月号」に掲載する。
1月以降、移転準備により整理した本の「リサイクル本コーナー」を町生涯学習センターまなびの郷と、ふるさと資料館に設置する。
今月16日(水)午後7時から、図書館2階研修室で児童書作家・杉山亮さんによる「ものがたりライブ」を開く。対象は小学生以上で、申し込み、問い合わせは同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2020年12月13日付紙面より)
じゃばらいず北山が会見
北山村の特産品ジャバラを用いた事業の発展と地域づくりに寄与することを目的に設立された「株式会社じゃばらいず北山」(池上輝幸代表取締役社長)は10日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で会見を開き、ジャバラの花粉症への効用を調べるモニター調査や臨床試験の内容を発表し、新商品をPRした。
モニター調査は、東京都の東京家政大学(以降、家政大)と共同で回答アンケートを作成することにより、より精度の高い結果を出すことができるという。第1弾が14日(月)から来年1月25日(月)まで。第2弾は1月26日(火)から3月1日(月)までを予定。各1000人を募集。ジャバラ粉末を1日1㌘程度、2週間ほど摂取し、花粉症への効用をアンケートで答える。ウェブでの申し込み限定(https://www.kitayamamura.net/kafun2000/)。
臨床試験はデータの信ぴょう性を高めることを目的に、医師で家政大の澤田めぐみ教授がジャバラのスギ花粉症に対する有効性と安全性を科学的に調査する。家政大は過去に約1カ月間の短期試験を行っており、今回は約3カ月間の長期試験となる。検査にはジャバラの果皮の粉末を固めたものを使用するが、長期投与効果を検討するために効き目成分が入っていないものも用いるなど、プラセボ対照、ランダム化二重盲検を行うという。調査の対象者は東京都在住となる。
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新商品は、これまでの「じゃばらパウダー」に改良を加え、子どもでも味わえる粉末となった「じゃばらっ粉(こ)」。人気の「じゃばらウォーター」は甘みを調整してパッケージもリニューアルした。じゃばらっ粉は、1日の摂取目安量約2㌘に、ジャバラ果汁10㍉㍑に含まれるナリルチン量が約8倍含まれている。1缶40㌘(約20日分)で1500円(税別)。来年1月25日(月)までに予約すれば20%オフとなる。予約開始は12月18日(金)からで、発売は1月26日(火)から。
なお、現在の商品数は30品未満だが、今後は果皮を使用した製品を多く開発していく予定。
池上社長は「今回の調査では専門家に協力いただくことで効果の裏付けにつながると期待している。北山村のジャバラをブランド化し、全国の皆さまに知ってもらえるように知名度を上げていきたい」。
同村の活性化などについては「住民に手厚い環境が用意できるようになってきたのはジャバラやふるさと納税などが大きい産業になってきてくれたから。小さい村ながら健闘できているのでは」と語った。
商品や臨床実験に対する問い合わせは、じゃばらいず北山(電話0735・49・2380)まで。
(2020年12月12日付紙面より)
市野々公衆トイレ供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々地区の王子神社前に10月末に完成した公衆トイレが10日、供用開始となった。完成記念のセレモニーなどは実施されなかった。
古道を歩く人々や観光客の利用のために同区が要望していたもので、土地は同区が無償貸与し建設に至っている。
町企画課によると、トイレ施設は木造平屋建て。床面積が18・46平方㍍、建築面積が19・65平方㍍。男性用トイレは洋式大便器1基と小便器1基で、女子トイレが洋式大便器1基。多目的トイレは洋式大便器1基とオストメイト、ベビーチェアも完備している。
建設費は1878万9100円で、内訳は設計管理業務委託料が181万5000円(2カ年)、工事請負費は1697万4100円となっている。
(2020年12月12日付紙面より)
名取市「なとセン」と交流 (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長、以下新宮ボラセン)は11日、同市新町の新宮ステーションで、市の姉妹都市・宮城県名取市の市民活動支援センター(なとセン)と、「Zoom(ズーム)」を使用したオンライン交流会を開催した。両センターがおのおのの事業説明を行ったほか、質疑応答などを介して交流を図った。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が懸念される中、需要が高まるウェブ会議ツール「Zoom」。このたびの交流会は、ツール導入をきっかけに、改めて両市の交流を図る機会を設けることを目的に開催された。両市は職員の派遣を通じて親交を深めるとともにさまざまな情報交換を行う一端としている。
両センターの交流会は初。新宮市からは岡鼻会長をはじめ11人が参加。名取市からは「なとセン」の阿留多伎眞人(あるたき・まこと)理事長と事務局の木村ひろ子さんが参加した。
開催に当たり、岡鼻会長が「それぞれの市民活動団体が自信を持って素晴らしい活動ができるように意見交換できれば」。阿留多伎理事長は「こういう形の交流が市民活動の幅を広げることにつながれば」とそれぞれあいさつ。参加者同士自己紹介し、モニターを通して顔を合わせた。
阿留多伎理事長は、センターの歴史や事業、センターの指定管理を担うNPO法人「パートナーシップなとり」の取り組みなどについて説明。
新宮市社会福祉協議会の樋川守さんが、新宮ボラセン「結夢(ゆめ)」の活動内容について、地域交流イベント「しんぐう元気フェスタ」の開催や「新宮・那智勝浦 天空ハーフマラソン」への参加協力などを紹介した。令和2年度の新宮ボラセン登録数は84団体、個人25人となっている(4月現在)。
質疑応答では、「なとセン」が「東日本大震災以降、復興までの道のりを語り部が紹介する活動や防災教育を行う市民団体もある」などと紹介。今後については「事業を広げていきたいがまだまだ市民活動が市民に浸透しているとは言い難い」と現状を話した。
新宮ボラセンは「登録することによって会場を無償で借りられるなどの仕組みがある」などと登録のメリットについて説明。最後に今後の交流の在り方について意見を交換した。
(2020年12月12日付紙面より)
旧車両は古座署へ入れ替え (串本町消防本部 )
串本町消防本部(寺島正彦消防長)が10日、串本消防署(新屋寿男署長)へ新たに配備された救助工作車(以下新車両とする)の運用を始めた。先鋭資機材を搭載したⅡ型車両で、価格は約1億2600万円。旧車両は古座消防署へ入れ替え配備し、引き続き運用する。
救助工作車は、建物の倒壊や車両の損壊で中に閉じ込められた要救助者を救出するために必要な資機材を搭載した消防車両。串本消防署は市町村合併前の2001(平成13)年に初導入したが、以来19年が経過し今後は高速延伸や民間小型ロケット発射場完成などに伴う地域変化に対する体制の改善や強化が求められる状況も見込まれることから本年度、更新整備をするに至ったという。
約20年の経過に伴い、積載する資機材も相応に進歩。新車両の油圧式救助器具(カッター・スプレッダー・ラムシリンダー・コンビツール)は電動で水中対応となり、▽エンジン音がないことで隊員間の活動時の意思疎通が取りやすい▽起動が速く行動がより迅速になる▽台風や豪雨など荒天下でも扱いやすく対応の幅が広がる―といった利点が更新により得られる。
車両据え付けの小型クレーンは旧車両よりアームが1・2㍍長く、ワイヤー長をほぼ倍の約74㍍にすることで転落事故への対応能力を高めている。旧車両で前引きだったウインチが前後引きに代わり、安定した荷重制御ができるようになった点も含めて活動を迅速化させるという。価格の内訳は車両が約8400万円、資機材が約4200万円という。
同本部はこの日、田嶋勝正町長と同町消防団の稲田賢団長を交えて運用開始式を実施。田嶋町長は「安全安心のために有効活用し、その職務に一層精励してほしい」と期待を注いで新屋署長へキーを託し、隊員は取り扱いの演示をして積載している主な資機材を紹介。寺島消防長は「念願の新車両。一日も早く慣れ、運用方法を熟考して成果を現場活動に反映してほしい。高速やホテル、ロケットで今後はより多くの人や物が流れ込む状況。消防への期待も相応に高まるので、しっかりと活用して大いに応えてほしい」と述べて今後の運用に向けた気持ちを引き締めた。
古座消防署に配備されている救助工作車もⅡ形車両だが串本消防署よりも導入年が古く、入れ替え配備をして引き続き更新の機会を探るという。
(2020年12月12日付紙面より)
【第26回】生の魚は何歳から?
生卵と同じように、「お刺し身やおすしは、何歳から食べられますか?」とよく聞かれます。これもまた、残念ながら明確な答えはありません。離乳食期は、消化機能もまだ弱いので2~3歳くらいからというのが一般的です。ただ初めて食べさせるときは、いろいろ不安ですよね。そこで、気を付けたいポイントとそのリスクを併せてお知らせしようと思います。
生の魚のリスクにはどんなものがあるんでしょうか? まずは「アニサキス」です。最近話題になっている、魚介類に寄生する寄生虫です。生の魚を食べて、数時間から十数時間後に激しいみぞおちの痛みや嘔吐(おうと)などが発症するといわれています。そして、このアニサキスの怖いところは、強い生命力にあります。アニサキスは60度で1分、70度以上では瞬時に死滅します。また冷凍処理によりアニサキス幼虫は感染性を失うので、魚をマイナス20度以下で24時間以上冷凍することは有効です。酸には抵抗性があり、食酢での処理、塩漬け、しょうゆやワサビを付けても死ぬことはありません。加熱調理するか、十分に冷凍してから調理することが効果的です。ただ、この「アニサキス」には一つ救いがあります。寄生虫は目に見えるということです。なので、生の魚を食べる前に、じ~っと見て寄生虫がいないか確認しましょう!
次は「腸炎ビブリオ」。これも今は減少傾向にありますが、お刺し身などから発生する食中毒の代表的なものです。生の魚から発生しますが、手指や調理器具などを介しても感染することがあるので、家庭でも注意した方が良さそうです。潜伏時間は2時間から24時間で、激しい腹痛、下痢などが主症状です。腸炎ビブリオは、塩水を好むそうなので、真水でよく洗うことでも防ぐことができますが、おすしやお刺し身ではなかなかできませんよね。
そして、「ノロウイルス」。これも、有名な感染症です。冬に広まることが多く、加熱により防げますが、生だとなかなか避けられません。基本的には二枚貝に多いので、体調不良や寝不足のときは、生の貝は避けた方が良さそうです。子どもに生の貝を与えるのは極力避けましょう。
最後は「ヒスタミン中毒」です。実はこれとても厄介なのですが、魚を取った時に付着してしまったら加熱しても加工しても死なないんです! ですが、重症になることは少なく、抗ヒスタミン剤を投与することで、完治します。子どもに生のお魚を与えるときは、「目で見て確認する」「生魚を与えたことを意識して、症状が出たらすぐに病院に行く」「保管の際の温度管理を気を付ける」「調理器具は消毒殺菌」「二枚貝を避ける」この五つのポイントに注意してください。
楽しい年末年始を過ごすためにも、ぜひ十分注意しながら、食事を楽しんでいただきたいと思います。
(2020年12月12日付紙面より)
拝殿に来年の大絵馬掲揚 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から迎春準備が始まった。拝殿の外に、来年のえと「辛丑(かのとうし)」の大絵馬が掲げられた。来年1月末ごろに拝殿内部に掛け替えを行う。
大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。アクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に梛(なぎ)の御幣を立てた雄牛を描いた。「信じた道を歩み、希望を忘れずにいると神様がきっと道を照らしてくれる」と思いを込め、「神威照道(しんいしょうとう)」の文字が添えられている。
例年は拝殿の内部に掲揚する大絵馬。今年は新年の参拝時の密を避けるため、初めて外に掲げた。同大社では新年、参拝所の石段手前にさい銭箱を配置し、要所要所に消毒液を設置するなどして参拝者の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じる予定としている。
上野宮司は「人は迷い、時として勇気を忘れる。新型コロナの影響で今年は多くの人がそれを経験したと思う。しかし、信じた道を一生懸命に歩いていくと神威は力強く道を照らしてくれるのでは」と掲げられた絵馬を見上げて話す。
「こういう時だからこそ、いろんな思いを胸に参拝においでになる人がいらっしゃる。神社としてはその気持ちを受け止めたい。密を避け、スムーズに参拝いただけるように努めたい」と初詣参拝者に対する思いを語った。
(2020年12月2日付紙面より)
新型コロナウイルス感染流行下での初詣客の受け入れ対策を進めている熊野本宮大社と本宮町商工会、熊野本宮観光協会で組織する「熊野本宮よみがえり委員会」(会長・名渕敬熊野本宮観光協会長)は11月30日、同大社や旧社地「大斎原(おおゆのはら)」分散型の参拝についてシミュレーションを行った。同委員会や工事事業者などを含め約50人が実際に現場を歩き、対策や動線を確認した。
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この日は瑞宝殿で4回目の会議を開き、年末年始の態勢などを再確認し、シミュレーションを実施した。
大社での対策として、▽158段の石段中央に仕切りを設け、上り下りで一方通行にする▽参道沿いに2㍍の間隔を空けた手水設置▽階段上の地面には参拝客同士の距離を保つため1・5㍍間隔でテープで印を付ける▽祈とうや縁起物の授与は大斎原で行う▽通常のさい銭箱の代用に本殿前には幅54㍍、奥行き3・6㍍、高さ1・1㍍の足場用鉄筋にテント生地を張ったさい銭箱を設置▽さい銭のスペースが広いため、1回36人が横1列となり、参拝できる。それによって従来は4回参拝していたところが1回となる▽参拝後は設置されたスロープから社務所側に抜け、下り階段へ誘導する―など。
委員からはスロープの段差を緩和するべきではなどの意見も挙がった。
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一行は大斎原へ移動。神職からは「大社と大斎原を合わせ、総合受付3、祈とう受付1、授与所が3、祈とう所1、祈とう控え所2の計10張りのテントを設置する」「縁起物の授与や金銭の受け渡しは直接手で行わず、全てトレーを使用する」「職員はビニール手袋やマスク、フェイスシールドも着用」などの対策をすると説明。対策の進捗具合は8割だと報告した。
また、授与所のテントは大型なため、二つに区切り、計6カ所として対応するとした。
なお、町商工会も地元大工による特設の絵馬掛けが完成したことやまちなかを巡る動線について説明した。
名渕会長は「協議をした結果は年末年始に試されることになる。お越しいただいた方に安心安全な観光地をアピールできるように努めていきたい」。
九鬼家隆宮司は「今日は一体感が深まったと思う。取り組みや対策で皆さまに安心してお参りいただけるように、万全を期して準備を進めていきたい」と話した。
10日(木)は午後6時より夜間のシミュレーションを実施するという。
(2020年12月2日付紙面より)
金融機関対象に防犯診断 (串本警察署 )
県警察本部の年末年始特別警戒が1日から始まった。串本警察署(﨑口忠署長)はその一環で、管内の各金融機関を対象にした防犯診断などに着手。その姿勢で管内の意識を高めることにより、犯罪抑止を目指している。
この警戒は12月1日から翌年1月10日までを期間として毎年実施。同署は人、金、物が大きく動く時期を狙った強盗や特殊詐欺などの犯罪を未然に防ぐ目的で、生活安全刑事課(榎政雄課長)を軸に同診断後も巡回を密に重ねて取り組むとしている。
串本町の指定金融機関となっている紀陽銀行串本支店(坂本充寿支店長)へは1日、﨑口署長と榎課長ら課員3人が訪問。過去の事例を踏まえて考えたチェックリストに沿って日頃の防犯体制に隙がないかを確かめるなどし、体制の万全や意識の高まりを促した。
管内には33の金融機関店舗があり、課員は期間中に手分けして訪問し同診断や巡回などを重ねる。そのように姿を見せることで各金融機関はもとより、利用する住民の意識も喚起する。
榎課長は「年末で人の動きも慌ただしくなる中、最近は少ないが強盗やひったくりといった犯罪は今も懸念されるところ。これらを未然に防いで皆さんが気持ちよく新年を迎えられるよう頑張りたい」と今季に懸ける思いをコメント。
特殊詐欺関係では、「多額の引き落としなどをされるご高齢の方が来たら警察へ連絡するよう、銀行さんにもお願いしている。そのようにいっそうの協力をして被害の防止に努めたい」と話した。
(2020年12月2日付紙面より)
久安教頭が「読売教育賞」受賞 (城南中 )
意欲的な研究や実践を行い、優れた業績を上げている教育者や教育団体をたたえる読売新聞社の「第69回読売教育賞」がこのほど決定し、新宮市立城南中学校(中田善夫校長)の久安孝典教頭(42)が優秀賞を受賞した。
読売教育賞は、同社が教育の発展の一助にと1952(昭和27)年に創設。教科別に部門を設けて現場で指導する人々の励みとし、多様で創造性に富む教育環境づくりを進めることを目的としており、毎年全国の教育関係者などを対象に募集している。
今年は153件の応募があった。最優秀賞は9件、優秀賞には21件が選ばれ、久安教頭の実践論文「特別支援教育コーディネーターを中心とした『校内支援体制』の構築について」は特別支援教育部門での受賞となり、記念盾が同校に贈られた。
受賞について久安教頭は大変うれしく、光栄なことと語り「募集要項が届いた際に一度、原点に立ち戻ってこれまで取り組んできたことを見直してみようと論文を作成しました。今後も体制の充実に向けて、当地方の特別支援教育推進に少しでも寄与できれば」と話していた。
(2020年12月2日付紙面より)
マクドナルドカップ2020