駅で苗木を育てて植林 (JR西とソマノベース )
JR西日本和歌山支社とソマノベース(田辺市・奥川季花社長)は、和歌山県内の特急くろしお停車駅で、紀州備長炭の原木であるウバメガシの苗木を育て、熊野古道近隣のエリアに植林する「戻り苗」プロジェクトを始めた。28日は新宮駅などに設置。脱炭素や災害防止などを目指す。
戻り苗は、ドングリから苗木を育て、山に植林する取り組み。ソマノベースはドングリが入った戻り苗キットを、環境問題などに関心のある個人や企業にいったん購入してもらい、2年間育てた後に戻してもらって植林している。土砂災害リスクの軽減も念頭に、場所は放置山林などを選んでいる。同支社は、カーボンニュートラルを目指していることもあり、取り組みに賛同。さらに減少しているウバメガシの保護も考えて樹木を選んだ。
場所は▽和歌山支社▽和歌山駅▽海南駅▽新宮駅▽紀伊勝浦駅▽串本駅▽白浜駅▽紀伊田辺駅▽御坊駅―の9カ所。紀州ヒノキで作られた、24本挿しのラダーシェルフを2台ずつ、合計で18台432本を設置する。各駅では駅員が水やりを行う。2年で30㌢前後になる予定という。新宮駅では、1年育てた苗木とドングリを半数ずつ、駅構内に設置した。
同支社地域共生室の御堂直樹課長(48)は「環境保全、森林づくり、ウバメガシ保護、熊野古道の保全など、いろんなストーリーを持たせた取り組み。駅利用者や地域も一緒に環境問題に向き合い取り組んでほしい。愛着ある木を見つけて2年間、成長を感じてもらえれば」と話した。
ソマノベースの奥川社長(28)は、那智勝浦町天満の出身で、新宮高校の卒業。戻り苗の発想の原点は、紀伊半島大水害の経験だった。「植林で防災につなげたいとの思いがあった。新宮駅は通学で毎日のように利用したし、勝浦も地元。そういう場所に置いてもらえるのはうれしい。これを通して大水害の教訓を思い出したり、経験していない子どもらが大水害を知ってくれることにつながれば」と語った。
(2024年3月30日付紙面より)
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4~10月の三季運用に向け (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭園地で28日、防砂ネットの撤去作業があった。
南紀串本観光協会(島野利之会長)が4月1日(月)から始める三季運用(4~10月)に向けた準備の一環。この防砂ネットは冬に吹き抜ける風で舞い上がりやすい砂の飛散を抑える目的で設置していて、三季運用のシーズンオフとなる冬場に砂浜へ張っている。
直近では昨年12月に幅1㍍の農業用樹脂ネットを長さ17㍍で切り出したもの20枚を、マツの防風林が途切れて砂が国道一帯まで飛散しやすいビーチハウスラパン前の砂浜(海水浴場の遊泳区域と面する砂浜)へおおむね波打ち際に垂直方向となるよう約5㍍間隔で設置。この日は同協会の会員や職員と町産業課の職員8人が作業に参加し、半ば埋もれるほどに飛散を食い止めた防砂ネットを砂から引き出し支柱も引き抜いて砂浜を自然の状態へと戻した。
同協会は三季運用中、同ハウスを営業してシーカヤックなど各種マリンアクティビティーのレンタルやツアーの提供(その予約は通年で受け付け中)をし、7~8月に海水浴場を設置して活用を図っている。
来月21日(日)には機運醸成を目的としたイベント「橋杭ビーチオープンフェスタ」を初の試みで朝市企画と連動させた形で開くとし、現在内容を煮詰めている。次の三季運用に向け、島野会長(56)は「先日は少し残念だったがロケットの方もどんどん進んでいるし、打ち上げを心待ちにするたくさんの皆さんが串本へ来られると思う。橋杭ビーチでは4月にオープンフェスタがあり、その先も新たなイベントや既存のイベントをどんどんとやっていきたいと思うので、たくさんの皆さんにお越しいただければ」と思うところを語った。
同ビーチの問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)、各種マリンアクティビティーの予約はビーチハウス・ラパン(電話090・3356・8305)まで。
(2024年3月30日付紙面より)
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民生児童委協が研修会 (新宮市 )
和歌山県社会福祉協議会地域福祉部副部長で、災害ボランティアセンター所長でもある南出考氏による「災害時における民生委員のやるべきこと」の講演が25日、新宮市福祉センターであった。約40人が参加。災害時の行動や備えについて考えた。
新宮市民生委員児童委員協議会(小内潤治会長)の研修会として実施した。南出氏は、自らも支援に出向いた能登半島地震に言及。「家屋倒壊の被害が多数発生している。被災者は、いまだに厳しい避難生活を余儀なくされている。断水の復旧は遅れており、まだまだ水が通っていない状況」などと話した。
被災地の家屋の写真を映し出し「家屋が50㌢以上沈下していた。液状化した地域もたくさんあった。印象的だったのは、門松やしめ縄が飾られたままの家が多かった。誰も悪くないのに日常が一変していた。生活の落差を思うと胸が締め付けられた」と語った。
「生かされた命の尊さ」に言及。「自分自身の役割は何か。被災によりつながりをなくした人もいる。そういう人とつながって励ますために動いている気がする。一人ではできないことを、仲間と協力してできるようにしていくことが役割かと」と力を込めた。
人間関係の構築の重要性も強調した。「被災地に入ると、絆やつながりが大事とよくいわれる。普段つながりを強める取り組みをしているだろうか。孤立や孤独を深めてしまわないように、お互いが気にかけ合い、励まし合い生きていく。災害時も同じ。コミュニケーションを取りつながることが大事」と訴えた。
発災後の関係構築は困難であることを説明。「だからこそ、日頃からつながりを築いておく必要がある。初めましてをできるだけなくしておくのが、備えの一つ。日頃から顔の見える、笑顔の見える関係づくりを」と呼びかけた。
「被災者はよく、防災のことを家族や友人、隣人ともっと話しておけばよかったと言う。災害はいつ起こるか分からない。備えができるうちはまだいい。誰もが防災の担い手。大切なものを守るため、失わないため」と伝えた。
(2024年3月30日付紙面より)
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那智勝浦町や串本町など
那智勝浦町や串本町をはじめ県内5カ所に、アニメ「ポケットモンスター」(ポケモン)のキャラクターがデザインされたマンホールのふた「ポケふた」が設置されることになり、そのお披露目式が25日、和歌山県庁であった。各町の名所を背景にした、色鮮やかなデザインが明らかになった。
ポケモンは、ゲームソフトを原作としたテレビアニメ。人気を博し映画化もされ、スマートフォン向け位置情報ゲーム「ポケモンGO」も登場している。そのキャラは森やUFOなどさまざまなものを象徴しており、各町に適したキャラが選ばれてポケふたにデザインされている。
那智勝浦町は那智の滝を背景に森のキャラとなっており、大門坂駐車場に4月中旬から4月下旬に設置を予定。串本町はロケットを背景に星、宇宙生物、磁力のキャラが配され、設置は4月下旬の予定となっている。設置されたポケふたは順次、「ポケモンGO」のゲームマップ上に登場する。
その他の設置場所は、和歌山市、高野町、白浜町。ポケふたは株式会社ポケモンが自治体へ無償で寄贈し、設置や管理は自治体が行う。3月19日現在で33都道府県に333枚が設置され、それぞれが専用デザインとなっている。
(2024年3月30日付紙面より)
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新宮市内の景況調査結果
新宮商工会議所はこのほど、2023年下期(7~12月)の新宮市内の景況調査結果を発表した。▽建設業▽製造業▽卸・小売業▽飲食業▽サービス業―の5業種100社が対象。いずれの業種も多くの項目で前年同期比と「変わらない」と感じていることが浮き彫りになった。
建設業は、業況、売上、利益、資金繰りの4項目でいずれも「変わらない」が50%前後の最多となった。業況については「やや悪い」が35%。売上や利益でも「やや減少」の回答数が「やや増加」を上回った。
製造業は、「変わらない」の割合が業況は40%、売上は30%、利益は40%、資金繰りは85%だった。しかし売上は「やや増加」が30%で、「変わらない」と同率となった。利益も「やや増加」が25%に。売上と利益は前年より少し状況が良くなった。
卸・小売業は「やや減少」「減少」という回答が目立った。売上は「やや減少」が最多で45%。利益は「やや減少」が最多の60%となった。客数は「横ばい」が最多で50%、次いで「やや減少」が40%。資金繰りは「変わらない」が70%と突出した。
飲食業は、わずかに明るい兆しが見え始めた。売上は「やや増加」が最多の35%。利益は「横ばい」が最多の40%だが、次いで「やや増加」が25%となった。客数も同傾向で、「横ばい」が最多の40%だが、「やや増加」が20%で続いた。資金繰りは「変わらない」が50%、次いで「やや悪化」が30%と厳しさを見せた。
サービス業は、売上で「やや増加」と「変わらない」がともに最多の35%、「増加」も15%となり、今後に期待が高まる。ただ、仕入れは「変わらない」が最多の75%、利益は「横ばい」が最多で45%、客数は「横ばい」が最多の35%となった。
(2024年3月16日付紙面より)
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人権学習会に社協職員30人 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は12日、市福祉センターで職員対象の人権学習会を開いた。市人権教育指導員の谷嗣弘さんが「身近な人権」をテーマに、家庭教育の重要性を説いた。
年1回の学習会で30人が参加。谷さんは「幸せになるために生まれてきた。そして、幸せになるために生きる」といった言葉を紹介し、「人権問題は一つではない。人の数だけ人権は存在する」と強調した。
「あなたの思い込みは正しいですか?」と投げかけ、「迷信、言い伝えも思い込みに含まれる。雨男、雨女だから『あの人を誘わないでおこう』、血液型診断で『だから、あの性格なのね』と決めつける排除が差別となる」とした。
「先人の経験から良い迷信もある」と前置きした上で「迷信や言い伝えは親から子へ、家で受け継がれる。これが差別につながる。頭を白紙に戻して、偏見につながる迷信などは取り除きたいですね」とまとめた。
(2024年3月16日付紙面より)
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那智中で命の授業 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立那智中学校(寺地琢也校長)で14日、命の授業があった。刺しゅう作家の星野真弓さん(東京都)と千葉県を拠点とするFMラジオ局「ベイエフエム」の東京支社長を務める小縣正幸さんが、2011年に発生した東日本大震災の実話を元にした絵本「トミジの海」を朗読。2年生51人が災害の恐ろしさや防災の大切さを学んだ。
絵本の登場人物であるトミジは、宮城県石巻市在住でワカメ養殖などを行う齋藤富嗣さんがモデル。東日本大震災の大津波から生還し、以後各地で語り部として活動している。小縣さんは被災地支援で現地入りしていた際に齋藤さんの話に衝撃を受け、今後に残すべき体験と確信。同社で企画を進め、ラジオ放送でクラウドファンディングを呼びかけて制作に至った。絵は墨絵画家で絵本作家の本多豊國さんが無償で手がけた。
星野さんは、震災から13年が経過する中、災害の記憶を風化させてはならないとの思いから各地で絵本朗読に協力。作品の寄贈や刺しゅう教室開催で、長年東北地方の復興に尽力している。
星野さんと小縣さんは一文一文に思いを込めながら絵本を朗読し、生徒たちは真剣な表情で耳を傾けた。星野さんが「慈愛」をテーマに東北復興への思いを込めて制作した刺しゅう画「レジリエンス~千手観音菩薩(ぼさつ)~」の展示もあり、生徒たちが関心を寄せていた。
授業後、篠原帆歩さん(2年)は「災害は人を苦しめ、幸せを奪うというイメージだけだったが、本や刺しゅう画を通じて、自然の大切さも教わった。災害には普段から気持ちの準備が必要だと感じた」と語った。
小縣さんは「朗読を耳にして一人でも大切なものを学んでもらえたら。南海トラフ巨大地震もいつ、どのタイミングで発生するか分からない。自分の命を守るため、しっかりとした備えを意識してもらいたい」。星野さんは「生徒の皆さんの真剣に聞く姿が見られました。震災から13年。決して当時の出来事を風化させてはいけない。絵本などを通じて、防災対策に関心を持ってもらうきっかけになれば」と話していた。
この日は1年生53人を対象とした授業もあった。
(2024年3月16日付紙面より)
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「ほっとほーむ」が文科大臣表彰 (那智勝浦町 )
那智勝浦町内でベルト型家庭訪問を軸にした活動を行う家庭教育応援チーム「ほっとほーむ」が、文部科学大臣表彰を受けた。
家庭教育応援チームは、子どもたちの健やかな育ちを支え、全ての保護者が安心して家庭教育を行うことができるよう、地域で主体的な取り組みを行う組織。家庭教育を取り巻く環境が大きく変化し、支援が届きにくい家庭も存在することから、文部科学省が登録制度を設けて活動を促進している。
同町の「ほっとほーむ」は2016年に活動を開始。当初は不登校の子どもがいる家庭への訪問などからスタートし、現在では対象学年(小学1、3、5年、中学1、3年)の全戸訪問を行い、学校や町子ども未来課、福祉課、医師、臨床心理士らと連携して相談体制を構築。特色ある優れた活動として、全国20の優良事例の一つに選ばれた。
現在のメンバーは民生委員や主任児童委員、元教師、学校支援員、子育て経験者ら14人。保護者の声に耳を傾け、心に寄り添い、一緒に考えることを大切に活動している。ほっとさろんの開催や広報紙「ほっと通信」の発行(町ホームページに公開)、LINE(ライン)相談も行う。
表彰を受けてメンバーは「つらいことを、涙を流して相談してくださる保護者の方もいる。関係機関につないで解決を図る前段階で、まずはお話を聞き、心に寄り添うところから」と語る。
今後に向け「『何でも相談していいんだ』という信頼関係を築くため、みんなで考えて進んでいきたい」と話していた。
(2024年3月16日付紙面より)
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【第70回】喉に詰まらせないために
先日、福岡県の小学校で、1年生児童が、給食の「ウズラの卵」を喉に詰まらせて亡くなる事故がありました。これには、「給食の時間が短い」とか「急いで食べるからだ」という意見が見られました。ウズラの卵の使用を控えるという動きが相次ぎましたが、それでは根本的な解決にはならないなと感じています。「ウズラの卵」であっても、昔あった「こんにゃくゼリー」であっても、お正月のお餅でも、噛(か)まずに飲み込もうとすると、窒息する可能性がある食材は、たくさんあります。大切なのは、リスクのある食材を排除することではなく、喉に詰まらせない食べ方を、きちんと教える食育だと思うのです。そこで、今回はこういった痛ましい事故が起きないように、気を付けたいポイントを三つお伝えしようと思います。
まず一つ目、この問題で1番大切なのは「咀嚼」だと私は感じています。「よく噛んで食べることの大切さ」を、しつこく教えてあげてください。以前、こちらでも「噛むことの大切さ」についてお伝えしたことがありますが、「よく噛む」ということは、食育上メリットしかありません。子どもに限らず、大人にとっても、よく噛んで食べることは良いことしかないのです。簡単におさらいすると、「肥満予防・味覚の発達・言葉の発音・歯が強くなる・脳の発達・がんの予防・胃腸の健康・顎の筋肉の強化」などなど、他にもたくさんあるんです! まずは1口30回を意識して、よく噛むことを習慣付けてあげてください。
二つ目のポイントは「食事中に、きちんと水分を取ること」です。これは当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と食事中に水分を取らないお子さんは多いんです。食事中に飲むための、お茶やお水を、食事の最初や最後に一気に取るという子もたくさんいます。食事の時間に、そういうことに気付いたら水分を取るように促してあげてください。喉が潤っていると、食べ物が喉に詰まるというリスクはグッと低くなるはずです。そしてこの水分補給は、まさに習慣なのです。その癖を付けておいてあげることは、とても大切です。
三つ目は姿勢を良くして食べる、ということです。椅子に座って背筋を伸ばすと、食べ物を飲み込みやすい姿勢になります。これは食べる時のマナーでもありますが、やはり姿勢が悪く猫背になると、喉に詰まりやすくなってしまうのです。食べる時に姿勢を正すということは、見た目の美しさや、マナーだけではなく、とても理にかなっているんですね。
いかがでしたでしょうか? どれも当たり前のことですが、日々の中でついつい忘れてしまいがちなことですよね。この「ウズラの卵」の事故を受けて、いま一度食事の習慣を、見直してみてはいかがでしょうか? 食べることは、生きることです。食べることで、命を落とすようなことがないように、しっかりと習慣にしておきたいなと思いました。
(2024年3月16日付紙面より)
那智勝浦町立市野々小学校(中地直樹校長)を舞台に和歌山工業高等専門学校(御坊市)が行ったアイデア検証「ロボット先生をプログラミングで動かして学ぶ防災学習」が、2月29日に茨城県で開催された第2回高専防災減災コンテストで文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した。3月13日には、研究を指導した和高専の辻原治教授が学生からのビデオメッセージを市野々小へ届け、感謝を伝えた。
和高専は和歌山県土砂災害啓発センター(那智勝浦町)と共に、デジタル技術を活用した防災教育コンテンツを開発。2022年に同じく市野々小で実施した「防災学習砂場の開発」も、第1回コンテストで最優秀賞を受賞しており、2連覇の快挙となる。
今回のアイデア検証は、小学校でのプログラミングの必修化も踏まえ、ゲーム感覚で楽しみながら防災を学べるツールとして、谷口晃祥さん(環境都市工学科5年生)と片嶋将人さん(専攻科エコシステム工学専攻2年生)が企画した。
昨年12月の検証には、市野々小の5、6年生10人が協力。床に置いた36のマス目(各50㌢四方)のフィールドに川や橋、土砂災害(地滑り、土石流、崖崩れ)による障害物を配置し、安全なルートをパソコンに入力してロボットを避難させた。
学生2人からは「前もって災害発生をイメージし、避難の仕方をプログラミングのように順序立てて考えておくことを教える教材として評価していただいた。皆さんのおかげ。将来はぜひ高専に!」とのビデオメッセージがあり、辻原教授は「4月から社会人になる2人には、この経験を生かしてほしい」と語った。
市野々小の中地校長は「13年前の紀伊半島大水害で被災して以後、防災学習を続けている。楽しみながら自然に防災を学び、新しい考え方に触れられる機会をくださり、子どもたちも幸せだと思う」。土砂災害啓発センターの稲田健二所長は「和高専との共同研究は4年目で、全国的にも高い評価を得ている。今後は他の学校にも横展開できるよう努めていきたい」とコメントを寄せた。
(2024年3月15日付紙面より)
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動画づくりワークショップ (新宮市 )
丹鶴ホールプロモーションチーム「ICOLE(いこれ)」による「動画づくりワークショップ」が10日、新宮市の丹鶴ホールであった。高校生4人が参加し、丹鶴ホールのショートプロモーションムービー作りに挑戦した。
講師は、新宮市や那智勝浦町観光プロモーションムービー制作やデザインなどを手がける、同市仲之町のふくもとデザイン事務所の福本友樹さんが務めた。
2月10日に続く2回目。前回は、福本さんがカメラのセンサーサイズや動画のサイズ、カメラの動かし方などを教えた。参加者はスマートフォンを使い、背景をぼかして撮影する練習にも取り組んだ。
今回は、丹鶴ホールの良さを知ってもらうことをコンセプトに、外観やホールのロゴ、施設内を分担して動画撮影。20~30秒のムービーを作った。
新宮高校2年生の中浦心陽さんは「写真が好きで応募した。動画撮影は難しかったけど、いいムービーを作りたい」と話していた。
「ICOLE」は市の公募により立ち上がった市民主体の組織。今回のムービーは、昨年も実施したICOLE主催の高校生動画コンテストに出品する予定だという。
(2024年3月15日付紙面より)
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田原海水浴場の見学者ら (串本町 )
民間小型ロケット「カイロス」初号機が13日午前11時1分12秒に打ち上げられたが、約5秒後に自律飛行安全システムの飛行中断処置により落下した。串本町の公式見学場・田原海水浴場では入場チケットを持つ685人が見守っていたが、状況を伝えるアナウンスを受け落胆。打ち上げまで頑張ったカイロスを拍手でたたえて見学を終えた。
このロケットはスペースワン株式会社が開発し製造。世界情勢に伴う部品調達難などによる5度の延期を乗り越え、社内外とも念願の打ち上げへとこぎ着けた。
同見学場ではこの日、早朝から地元の出店が始まり9日に続いて数は約4分の1となったが見学者が来場。宇宙飛行士を模した衣装を着た盛り上げ役の町職員と一緒にカウントダウンをしリフトオフの瞬間を迎えたが、届き始めたごう音は数秒で途絶え、ウェブ配信で射点の様子を確かめていた見学者からいち早く状況が広がった。落胆し尾根から立ち上る噴煙ではない煙をぼうぜんと見届けた後、打ち上げまで頑張った「カイロス」に次回へのエールとして拍手を送ろうというアナウンスに応えて見学を終了した。
見学者の一人として結果を見届けた田嶋勝正町長は、ロケットと一体になってまちづくりを進める決意を掲げ、同社に向け「この状況は打開できると思う」とエール。「まちは必ず全面バックアップし、これからの宇宙を開発する最初のまちになるという意気込みでやっていきたい。今回は残念だったが、みんなと力を合わせて『カイロス』の産声を上げさせたい」と思いを声にした。
主に那智勝浦町と串本町の有志が結成し「カイロス」の打ち上げに向け機運醸成に献身してきた和歌山ロケット応援団の青木圭団長は「残念な結果だけれど、いろんなところのロケットの打ち上げを見ていても(こういう結果が)あるので仕方のないことかなと思う。スペースワンやその技術者の方が自分たちよりもっとショックを受けていると思うので、応援団として何かの形で陰ながらにでも応援しているというのを伝えたい」と胸中を語った。
(2024年3月15日付紙面より)
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人権擁護委員が矢渕中へ (紀宝町 )
熊野人権擁護委員協議会の南牟婁地区部会による人権教室が13日、紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)であり、1年生78人に悩んだときは一人で抱え込まず、相談するよう呼びかけた。
人権擁護委員制度を理解し、社会問題となっているヤングケアラーについても知ってもらおうと昨年に続いて開催した。紀宝町と御浜町の委員でつくる南牟婁地区部会から部会長の萩野映児さんらが訪れ、1年生計3クラスで授業した。
人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づき法務大臣が委嘱する無報酬のボランティアで、住民から人権相談を受けたり、人権啓発活動をしたりしている。紀宝では5人、御浜では4人が委嘱されている。
授業では人権擁護委員の活動内容を説明した上で、いじめなど人権に関する悩みがあれば、学校に置かれている「子どもの人権SOSミニレター」(津地方法務局などが実施)のほか、電話やメールでも相談できることを伝えた。
子どもが家族の介護などを行うヤングケアラーの問題については「中学生の17人に1人がヤングケアラーと言われており、学校に行きたくても、勉強したくても、遊びたくてもそれができない」と語り、「友達の変化に気付けるのは君たち。信頼できる大人に相談してほしい」と呼びかけた。
また、教育を受ける権利や心・体の成長に必要な生活を送る権利など九つの権利を挙げると、「自分が一番大事にしたい権利は?」と問いかけ。生徒は自分にとって大切なことを思い浮かべながら考えた。
(2024年3月15日付紙面より)
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態度軟化、「検討」発言 (新宮市 )
新宮市がこのほど、津波浸水域への避難タワー建設について「必要な場所は検討しようかとなっている」と発言した。以前は浸水域外に逃げる避難を進める方針で、タワー建設には否定的だった。実現すれば、より多くの場所で一時避難の「めど」が立つことになる。
和歌山県は、2014年に発表した「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」の中で、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地域として、新宮市の三輪崎と熊野地の2地区、16・5㌶の785人を対象に設定。うち三輪崎は、市と地域が協議し、防災マップの策定など「逃げる」対策を進め、対策済みの地域外となっている。
また市は、県の津波避難困難地域を「事前避難対象地域」として考えている。対象は▽熊野地2丁目▽あけぼの▽王子町2丁目・3丁目の一部―の181人。ただし、熊野地2丁目とあけぼのは、国による熊野川河口大橋の建設に際し、盛り土部分に階段を設け、一時避難ができるようにしてもらったため、緊急時の避難先は確保できたことになる。
さらに、熊野川河口大橋のあけぼの側の降り口から、盛り土の道路を海岸沿いに通し、国道42号の高森交差点に向かって延ばす計画も、国により事業化されている。こちらの盛り土部分にも階段を設けてもらうことで、一時避難が可能になると仮定すれば、王子町2丁目・3丁目でも安全性が向上する可能性がある。
他方で三輪崎では、県の津波避難困難地域こそ解消となったものの、高齢化が進んでいることもあり、「逃げる」避難には一抹の不安もあった。そこで地域で協議して昨年8月に、市に「避難タワー建設」を要望していた。市は以前と比べ態度を軟化、先月9日に佐野で行われた三佐木蜂伏の合同防災研修会で「検討」発言があった。
三輪崎区の仲西博光区長代行は「海岸方面の地域は高齢者が多い。近所に避難タワーがあればより安心できる」と実現に期待を寄せる。
(2024年3月13日付紙面より)
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佐野川沿いで短冊設置 (新宮市 )
新宮市の佐野区(垣下純三区長)は10日、佐野川沿いで三佐木地区の保育園や保育所、こども園に通う園児たちが描いた短冊の取り付けを実施した。佐野おやじの会(中村優会長)の会員やその家族、区代議員ら約15人が参加。花見シーズンに向けて設置作業に励んだ。
佐野川沿いは、20年ほど前からサクラが植樹されている。2011年から当時の佐野川堤防桜植栽委員会が取り付け作業を行っていたが、19年を最後に活動が休止。コロナ禍を経て、昨年から同区が引き継ぐ形で取り組んでいる。8、9の両日には赤や黄色のちょうちん139個を設置した。点灯は午後6時から10時に行われ、4月21日(日)までを予定している。
参加者は4グループに分かれて約300㍍の区間にあるサクラの木に設置したちょうちんの間に三輪崎、白梅の両保育園、佐野保育所、木の川認定こども園の園児が「警察官になりたい」「ディズニーランドで遊びたい」などの夢を書いた短冊160枚を針金で固定し、丁寧に取り付けた。
垣下区長は「おやじの会の皆さんが中心となって準備をしてくれ、大変ありがたい。サクラが開花した際にはたくさんの人に足を運んでもらい、季節感を味わってもらいたい」。
中村会長は「昨年には地域住民の人たちから喜びの声を頂き、継続しなければという思いが強くなった。各家族が子どもたちの短冊を見て会話が弾む場と、防犯にもつながる憩いの通りになってくれれば」と話していた。
(2024年3月13日付紙面より)
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町民音楽祭バンドの部 (串本町 )
第19回串本町民音楽祭(バンドの部)が10日に文化センターであり、6組が出演して町民らの鑑賞を集めた。
この音楽祭は町、町教育委員会、串本音楽協会が主催。音楽の発表や鑑賞を通して文化活動を盛んにし、ひいては地域文化の向上に資する目的で年1回、最近は3月の第1日曜日に器楽・合唱等の部、第2日曜日にバンドの部と2日間にわたって開き音楽に関係するさまざまなジャンルの参加を得ている。
先に実施した器楽・合唱等の部には今回、さまざまなジャンルから11組が出演した。バンドの部に出演したのは▽The JANK▽坊芳太(ぼう・よしたか)▽UH MOON▽HiRoUmi▽フォークソングキンプ▽M.Y.B―で、同センターホールが備えている多色表現ができる照明や大型スピーカー、スモークマシンなどを駆使してライブ独特の幻想的なステージ演出が尽くされる中、持ち時間25分の枠を得てそれぞれの音楽を響かせた。
バンドについては同音楽祭と串本まつりサマーBANDライブの年2回、このような発表の機会が町内で設けられていて、最終のM.Y.Bは「次は夏に」と呼びかけで観客とのつながりを深めつつ同部を締めくくった。
(2024年3月13日付紙面より)
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加寿地蔵尊「桜まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊で10日、「桜まつり」があった。加寿姫を祭るほこらを参拝したほか、クマノザクラの植樹、踊りや演奏の発表、飲食出店などを実施した。近隣住民などが多数訪れ、サクラの花が舞い散る中での各種催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)の主催。加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる加寿姫を祭っている。桜まつりは、それまで春まつりとしていたものを改名し、昨年から実施。各種の催しを行う広場にクマノザクラがあることにちなむ。
会場の広場のクマノザクラは、六分咲き程度だった。軽食ブースやキッチンカーの出店があったほか、全品無料でお心付けのみの「もらってください」コーナーもあった。中田代表が関係者や地域住民と共に加寿地蔵尊のほこらを参拝した後、広場で各種の催しを開始。協賛の日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)と共に、6本のクマノザクラの植樹を行った。
発表は、連なって咲くサクラの木のもとで行われた。さまざまな団体が、踊りや演奏などを披露した。観客は軽食を楽しむなどしながらゆったりと眺め、盛んな拍手で称賛していた。中田代表は「今日は天気にも恵まれ、キッチンカーも来て、いろんな団体が出演して、にぎわって良かった」と話した。
なお、会場となった広場は花見が楽しめるよう、3月末まで開放する。時間はおよそ午前9時から午後4時まで。クマノザクラの時期が終わってもソメイヨシノが楽しめるという。
(2024年3月13日付紙面より)
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自治会連合会が防災講演会 (新宮市 )
新宮市自治会連合会(榎本義清会長)による防災講演会が10日、「丹鶴ホール」であった。「災害時に誰一人取り残さない、安心・安全な地域の絆」をテーマに、防災士で東京大学大学院工学系研究科のピニェイロ・アベウ・タイチ・コンノ特任助教が講演、「今後に備えて避難訓練を重ね、地域防災力を高めることが大切」と訴えた。参加者は災害時要配慮者の避難安全に備えて、今できることを考えた。
日本人の4人に1人が高齢者。30年後には3人に1人と予想されており、講演会では要配慮者の避難安全に焦点を当てた。誰一人取り残さないために、コンノさんは「一人の100歩より、100人の一歩」と強調。▽みんなのまちは、みんなで守ろう▽だれもが助かる、絆を結ぼう▽福祉と防災、一緒に歩もう▽災害恐れぬ、地域をつくろう▽なにがあっても、共助は無限―といった標語を掲げ、参加者は拍手で賛同した。
スライドを用い「災害時要配慮者とは災害時に情報入手、避難行動、避難生活が困難な人。そのうち、支援がないと避難できない人は避難行動要支援者とされている」と説明。津波や地震は自然現象、被害は社会現象であり、社会の弱い箇所をなくすことで被害を小さくすることが可能になるとした。
「犠牲者のほとんどが子どもや高齢者などの要配慮者」と伝え、東日本大震災で助かった人の平均避難距離は430㍍、助からなかった人は430㍍以上避難できなかったと分析。要配慮者の支援は共助を生かした〝福祉と防災の連結〟が大切と語り、要配慮者、安否確認、避難誘導、避難所対応など要配慮者支援を細かく分類することが地域支援につながるとした。
南海トラフ地震が発生すると最短3分で津波が襲来するとのデータを示し、「強い揺れを感じたらすぐに避難してほしい。要配慮者の避難安全に備えて今できることをみんなで考えよう」と呼びかけた。
(2024年3月12日付紙面より)
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少年少女発明クラブ (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」が9日、新宮市福祉センターであった。市内の小学生会員25人が参加、発泡スチロール板を使用した飛行機を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国で活動しており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
瀧野会長が講師を務めた。「ブーメラン飛行機」は、投げるとブーメランのように自分の所に戻ってくるというもの。児童は用意されたパーツを組み上げて飛行機を完成させた。実際に飛ばし、戻ってくることを確かめた。他に数種類の紙飛行機作りも楽しんだ。
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■閉講式も実施
この日は閉講式も行われた。瀧野会長から全員に、修了証書が手渡された。瀧野会長は「11回の講座ご苦労さま。来年度も同じように講座を組みたい。4、5年生はできればまた参加して。続けてやると技術を身に付け、未経験者に教えられるようになっていく。それもクラブの一つの意義。できれば続けて」と呼びかけた。
神倉小4年の堀本心海さんは「お姉さんがやっていたので、やってみたいと思って参加した。(1年を通して)楽しかった。空気砲が特に楽しかった。また来年もやってみたい」と話した。
(2024年3月12日付紙面より)
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観光協会が自転車イベント (古座川町 )
古座川町観光協会(鈴木貴裕会長)主催のイベント「古座川エクスペリエンス&ライド」が10日にあり、自転車の愛好者ら約120人が地域体験を織り交ぜた町内ツーリングを楽しんだ。
実施に当たってはスポーツプロデュース熊野と「KINAN Racing Team」、町が協力。今回は桜が咲き華やかな春に期日を設定し、同チーム所属選手とのファンライドと位置付け、信号がないコースを駆け抜ける中で景観に出合い町の味覚を体験する内容で参加を呼びかけた。
コースは国際ロードレース体験(花見体験含む)と難度低めの花見体験の2種類を設定。直前で花見体験のコース延長が提案され、希望者がいたため3コースで実施する形となった。
発着拠点は一枚岩前。開始に先立って鈴木会長は「クマノザクラが見頃になっている。目で見て、耳で自然の音を聞いてゆっくり無理をせず選手と一緒に走ってほしい。エイドステーションやゴール後にはアユやジビエなどをご用意しているので、今日は五感全てで古座川を体験してほしい」と述べて歓迎。スポーツプロデュース熊野の角口賀敏理事長(株式会社キナン会長)があいさつ、良好なファンライドを期して同Teamの監督と選手7人が自己紹介をして愛好者との距離を縮めるなどした。
交通規制未実施のため、愛好者は選手ら含め十数人のグループになり愛車や同協会がレンタル提供しているEバイクなどで希望するコースへ順次出走した。発着拠点とコース半ばの佐田桜の広場、道の駅瀧之拝太郎、町役場、道の駅虫喰岩にエイドステーションを設け、イベントボランティアが町産の味覚を振る舞って愛好者らのツーリングを後押ししたという。
(2024年3月12日付紙面より)
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17日まで、公募絵画展 (太地町立石垣記念館 )
太地町立石垣記念館(江﨑隆司館長)の公募絵画展が9日に始まった。同町や近隣市町から34点の出品があり、町長賞1席に竹原愛さん(那智勝浦町)の「魂の記憶」、2席に上野節子さん(新宮市)の「ジンジャー」、3席に土山明美さん(太地町)の「planet X」が選出された。
初日には審査員による講評があり、江﨑館長が「18回目を迎え、年々レベルも高くなっている。審査員の方々の評を聞き、絵に対する思いが高まるような場になれば。当館としても、町の文化活動の発展にもつなげたい」とあいさつ。
審査員を務めた熊野美術協会の運営委員の平田勝男さん、太田俊伸さんが一点一点丁寧に講評。町長賞1席の竹原さんの作品について「ヘビのような木と女性の表現が独特で、特に表情、髪の毛の質感や色の対比がいい」と述べた。会場に向け「新宮市などでも絵の具や画材の店がなくなっていく中だが、皆さんにはどんどん絵の具を買って描き、石垣記念館の期待に応えてほしい」と呼びかけた。
竹原さんは「命や魂などをテーマに人物を描き始めて2年。自分では描き切れていない部分ばかりが目についていたが、1席を頂いて驚いた。これからも自分の世界観を表現したい」と語った。
期間は17日(日)までで、開館時間は午前9時~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中の来場者の投票で教育長賞の1~3席が決定される。同館は大勢の来場を呼びかけている。
(2024年3月12日付紙面より)
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スポーツウエルネス交流大会 (那智勝浦町体協吹矢部 )
新宮ジュニアレスリングクラブ
サッカー「トルベリーノ鰹カップ」
公立中学校で卒業式 (新宮市・那智勝浦町 )
新宮市と那智勝浦町の公立中学校で7日、卒業式が挙行された。生徒たちは校長から卒業証書を受け取り、3年間の思い出を胸に母校を巣立った。
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新宮市内では緑丘72人、城南52人、光洋58人、高田1人、熊野川2人の計185人が卒業した。
緑丘中学校では保護者や教職員らが見守る中、生徒たちに証書を手渡した宮本雅史校長は「学び続ける」「夢を持って努力していく」「人とのつながりを大切に」の言葉を贈り「みんなは何事にも積極的に取り組み、この3年間で本当にたくましくなりました。社会は人と人とのつながりでできている。学校生活で学んだことを生かし、成長していってください」と式辞。
在校生を代表して平井寧月さん(2年)が「行事などを通して、皆さんは私たちの憧れの存在でした。これからは先輩方から学んだことを引き継ぎ、より良い学校にしていけるよう頑張ります」と語った。
卒業生代表の永田眞太郎さんは中学校生活を振り返り「この先、たくさんの出会いと別れがある。高い壁にぶつかることもあると思いますが、緑丘中学校で学んだ思い出を胸に前向きに乗り越えていきます」と答辞を述べた。
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那智勝浦町では、那智45人、下里30人、色川5人が卒業した。宇久井は13日(水)に開かれる予定で24人が母校を巣立つ。
下里中学校では中西健校長が一人一人に卒業証書を手渡し、式辞の中で体育祭や文化祭を成功に導いた3年生の活躍をたたえた。中西校長は「無駄が大切、自分で決めることが大切、自分自身を大切に、この三つをお願いしたい」と卒業生に語りかけ、「悩んだり、心が不安定になったりするかもしれないが、みなさんは私たちにとって希望の固まり。それを忘れないで思い切り青春時代を楽しんで」とエールを送った。
在校生代表の曽我悠太さんの送辞を受け、卒業生代表の小野優さん、尾鷲俊人さん、中村安祐美さんが答辞を述べた。3人は先生の指導、部活動、修学旅行などの思い出を語り、卒業生全員が立ち上がってそろって先生、保護者らに頭を下げて感謝の気持ちを表した。3人は、さらに大きく成長することを誓って答辞を結んだ。卒業生らは温かな拍手に送られ、会場を後にした。
(2024年3月8日付紙面より)
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見学場などへのぼり掲げて (和歌山ロケット応援団 )
和歌山ロケット応援団(青木圭団長)が6日、同団設置分のロケット打ち上げ応援のぼりの掲出作業を完了した。
「応援の思いは共通」という観点で在住地域にこだわらず有志が集まって結成する同団。こののぼりはロケット「カイロス」の打ち上げを盛り上げるシティーラッピング素材として、射場「スペースポート紀伊」公式エンブレムを取り入れて作成し、同団掲出と協力事業者掲出の2系統で設置の裾野を広げている。
現在行われている掲出は、9日(土)午前11時~正午に打ち上げ予定の初号機を見据えた機運醸成。まちなかは協力事業者が店頭などへそれぞれ掲出しているため、同団設置分は初号機の公式見学場の出入り口を分かりやすくする掲出を考え田原海水浴場そばに40本、旧浦神小学校一帯に50本を順次設置。残りはJR古座駅駐車場のフェンスに掲げているという。
この取り組みが初号機の打ち上げに向けた最終の機運醸成で、青木団長は「打ち上げ日時は晴れの予報で、あとはもう無事に打ち上がることだけを期待するばかり。皆さんもきっと同じ気持ちだと思うので、その瞬間は大きな感動が広がると思う。私たちは応援団なので、そのように盛り上がるよう打ち上げを応援していきたい」と心境を語った。
田原海水浴場そばには後にスペースポート紀伊周辺地域協議会も応援のぼりを追加で設置。その相乗で、並ぶのぼりが一段と主張力を増している。
(2024年3月8日付紙面より)
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シダックスから子どもらへ (串本町 )
串本町学校給食センターの調理運営業務を受託するシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社が6日、配食先の子どもらへ民間ロケット打ち上げ記念クッキーを提供した。
田原にある民間ロケット射場「スペースポート紀伊」のロケット「カイロス」初号機が打ち上げ予定となったことを受け、子どもたちにその瞬間を心に残る記念にしてほしいという願いを込めて計画。クッキーは同社学校給食事業の調理スタッフがアレルギーフリーを意識してレシピを考案し、同センターで5日に焼き上げスペースタウン串本ロゴとシダックスグループ公式食育キャラクター「モグちゃん(記念仕様)」、社名などをあしらった宇宙食風パッケージに詰めて仕上げた。配食先の全員に加え、自校方式で配食する田原小、町外だが配食先の古座川町立古座中学校も対象にし約1300個を6日に一斉提供した。
串本町立西向小学校(河田恵美校長、児童42人)へは同社和歌山営業所の塩路浩一営業所長ら社員が給食の時間に合わせて訪問し、提供の趣旨を伝えて一人一人に同クッキーを手渡した。児童の多くが給食を食べ終えた後に宇宙飛行士気分でパッケージを開封して味わった。
クッキーはアレルギーフリーを意識し白くなってしまった生地にほどよい色味をつけてくれるカボチャを練り込み、ロケットの形をした枠の中に「くしもと」と記したデザインを型押しした内容。型押しは子どもが「くしもと」というなじみ深い響きからすぐにロケットが連想できるようにと考えた工夫だそうで、児童は何が書いてあるのかを興味津々に確かめ何の味かを探りながら味わった。
河田校長は「これをきっかけにして9日にいよいよ上がることとなったロケットへの関心を今まで以上に持てるようになれば」と効果を期待して提供に感謝。塩路営業所長は「まずは注目される事業が立ち上がるというところを大いに感じ、地元に誇りを持っていただければ。これがいい思い出になり将来、この地域を発展させる人になってもらえれば」と提供に込めた思いを語った。
(2024年3月8日付紙面より)
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JR駅員が串本駅改札内に (串本町 )
JR串本駅改札内の待合室に6日、ロケット「カイロス」をテーマにしたペットボトルキャップアート作品が設置された。
JR新宮駅に勤務する小原和記係長(40)主導による趣向。駅員にとどまらず保線、電気、乗務の各社員や関係する事業者の協力も得てデザインや設計を練りに練り、必要な材料を集め1年越しでこの作品を作り上げたという。
縦横とも180㌢の正方形パネルに2500個のキャップを並べ、橋杭岩越しに飛ぶロケットとその前を走る特急くろしおを描き出した内容。民間ロケット射場「スペースポート紀伊」から何時に打ち上がるのかが分からず、「宇宙=星空」の印象でロケットの背景は星空になっているという。
同室に収まる目いっぱいの大きさで作ったため、この日は数人がかりで角をぶつけないよう慎重に搬入。頑強な足がついているが万全を期してワイヤーで壁とつないで安全を確保し、大勢にこの前で記念撮影をしてほしいという思いがあり極力その妨げにならない配置で木製ベンチを入れ直した。
道本隆文・新宮駅長(60)は「新宮駅に飾っている『WEST EXPRESS 銀河』をテーマにしたアートの第2弾となる作品。ロケットの打ち上げをきっかけにして多くの方に紀南へ来てほしいし、われわれもできる限り地元の皆さんと一緒にその対応をしていきたい」とコメント。
設置を終えて小原係長は「主導したものとしては感動の一言に尽きます。地域に愛されるためにみんなでこのアートを作ったので、たくさんの人に見に来てほしい。ロケットが起爆剤となり地域が発展することに少しでも寄与できたら」と主導に込めた思いを語った。
(2024年3月8日付紙面より)
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高校サッカー「フレッシュマンリーグ」
新宮信金経営者塾100人会「紀蹴カップ」