新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)にこのほど、春夫愛用の品など100点以上が新たに寄贈された。30日、辻本館長が発表した。
2010(平成22)年に他界した、春夫の子息である佐藤方哉(まさや)氏の遺品整理に伴い佐藤家の遺族が寄贈した。現在は特に資料やいわれの残る日時計や文机、座卓など5点が同館で展示されている。
日時計は高さ約110㌢。影を利用して時間を計る。一緒に撮った写真=写真①=が残るなど春夫のお気に入りだったとされる。1989(平成元)年に春夫邸が移築された後も東京の佐藤邸に残されており、方哉氏の子ども時代について記した著書「環境」の挿絵(谷中安規画)のモチーフになるなど佐藤家のシンボル的な存在であった。
文机は和歌山県名匠にも選ばれた指物師・鮒田武彦(和往・和道)氏の作品。鮒田氏が、1960(昭和35)年の伊勢湾台風で倒れた熊野速玉大社の大鳥居のヒノキを使って作った文机を同市船町の故・杉本義夫氏が春夫に贈ったといった記録があるが、サイズや材質が異なることからそれとは違う机だと考えられる。裏に「紀伊国住人 和往作(印)」とある。
座卓に関しては、春夫邸建築当時の応接間の写真=写真②=が残されている。直径約70㌢で1人か2人が座れる程度の大きさ。晩年、門弟三千人といわれた春夫の応接間にはもっと大きな座卓が置かれるようになったが、佐藤家では大切に保管されていたという。
寄贈品に関して辻本館長は「佐藤家のシンボルである日時計が、移築復元された春夫邸に戻ってきた。多くの人に見ていただければ」と話している。
(2020年10月31日付紙面より)
診療・検査医療機関を指定 (和歌山県 )
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、和歌山県では、地域において発熱などの症状のある人が適切に診療・検査を受けられる体制を整備するため、発熱患者の診療および検査が可能な医療機関を「診療・検査医療機関」として指定した。11月1日から運用を開始する。
同時流行による発熱患者の急増を見据え、国は9月、保健所中心だった従来の方針を転換。都道府県に、10月中に地域の実情に応じ、かかりつけ医などの医療機関を確保し「診療・検査医療機関」に指定するよう要請していた。
要請を受け、県は▽発熱患者等が新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者と接触しないよう、可能な限り動線が分けられている▽必要な検査体制が確保されている▽医療従事者の十分な感染対策を行うなどの適切な感染対策が講じられている▽県または和歌山市と行政検査の委託契約を締結している▽院内掲示を行う等、自院のかかりつけ患者等に対して、発熱等の症状が生じた場合には、電話で相談した上で、自院で診療・検査可能である旨を周知する―の要件を定め、申請を受け付けていた。
県が新たに診療・検査医療機関に指定した民間医療機関は280カ所。指定された医療機関は発熱患者の診療体制の確保に必要な経費に対する補助金や個人防護服の配布対象となるほか、発熱患者など専用の診療室を設けて患者を受け入れる体制をとった場合、その体制確保に要する経費の支援が国から受けられる。
今後は、発熱などの症状がある場合にはまずは電話でかかりつけ医に相談をする。かかりつけ医が指定を受けていない場合は指定医療機関への紹介が受けられるという。
(2020年10月31日付紙面より)
和大オンライン塾始める (串本古座高校地域協議会 )
串本古座高校地域協議会が28日、同校の生徒を対象にした「和歌山大学オンラインくろしお塾」を始めた。ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って大学生と高校生の学び合いを形にする取り組みで、同高校からは1、2年生8人が受講登録し2学期中の毎水曜日放課後にオンライン授業などに臨むという。
地方は都市圏ほど大学が身近ではないという不利の状況緩和策として前年度、単発企画「出張!和大くろしお塾」を実施して生徒と大学生がじかに情報交換できる場を設けた同協議会。今後の場の継続を考える中でインターネットを使えばより多くの機会をつくれると気付き、「和歌山大学オンラインくろしお塾」の実現を模索してきた。
他方、コロナ禍の情勢に伴い通信端末(タブレット)の整備が全国規模で急進し、同校でもオンライン授業実施のための環境が図らずして充実。これを追い風にして情報教育に得手がある和歌山大学教育学部の豊田充崇教授の監修を得て実施内容を固め、校内塾「くろしお塾」を通して生徒に受講を呼び掛けた。
この日はオンライン授業の前段階として対面授業を実施。講師を務める同学部3回生の畑屋蓮さんと栗生菜名さんが来校して生徒と自己紹介をし合い、大学生活や高校時代の学習、受験対策や日頃の学習方法、それぞれの特技などで情報交換をして互いに親近感を培った。終盤では通信端末を使い同システム越しで豊田教授が指導を行い、大学を身近に感じる機会としてこの取り組みがあることを学生と生徒に伝えて共に実りのある機会とするよう促しながら締めくくった。
校内塾の酒井豊塾頭によると、以降12月9日(水)まではオンライン授業を実施し、生徒は英語と数学の問題解説などを受け学生との情報交換もより深める。最終となる16日(水)は再度対面授業をし、オンライン授業の取り組みを振り返りながらより身に付く学習の助言をする予定という。
(2020年10月31日付紙面より)
ニュータウン熟年クラブ (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブ(峰武久・東熟年クラブ会長、角本聖洋・西熟年クラブ会長)は27日、同町内を巡る初の「まちなかウオーク」を開催した。晴天の下、会員34人が参加。景色や町並みを見物しながらウオーキングを楽しんだ。
同クラブは健康増進のために、熊野古道などを歩く「健康ウオーキング」などに取り組んできた。今回は自分たちが住んでいる町や名所を知るために、まちなかでのウオーキングを実施することとなった。
会員はお蛇浦(じゃうら)遊歩道周辺に集合し、記念撮影後に弁天島やお蛇浦遊歩道を見物し出発。勝浦八幡神社横を通り入船館(いりふねかん)へ。その後は高台の防災公園で食事を取り、ビン玉通りを歩きさらに周辺を散策した。
参加した同町狗子ノ川の西岡稔さんは「実際に歩くと改めて那智勝浦町の素晴らしさに気付いた。天気も良く、34人全員が無事で全ての行程で快適に過ごすことができた。今日のおかげで、皆さん若返ったかもしれない」と笑顔で語った。
峰会長は「今回は入会後、初めて参加される方も喜んでくれて良かった。地元を全く知らないと言う方もいたので充実した一日になったと思う」。
今後については「良い町をつくっていくには自分たちの住んでいる町を知ることが重要だと思う。これからのまちなかウオークでは町を学びながら、お店で買い物や食事をして、町の経済活性化にも貢献していきたい」と話した。
(2020年10月31日付紙面より)
総合スポーツ大会グラウンドゴルフ (ゆうゆうクラブ )
県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会
【第23回】楽食のススメ
健康的な食事に関する情報は、今あふれています。糖質制限や、腸活、グルテンフリーにビーガンフードなど、あらゆる側面から健康的な食事に関するさまざまな情報が簡単に手に入りますよね。子どもたちを取り巻く食事にも、オーガニックや無農薬・無添加などの食材が脚光を浴びています。ただ、食事は毎日のこと。「こうじゃないとダメだ!」と決めてしまっては、本当に疲れてしまいます。では、子どもたちを健やかに育てるために、本当に大切なのはどんな食事なのでしょうか? どれだけ体が健康でも、イライラしていたり、体がだるかったり、気力がないと心配になりますよね。やはり、心と体がどちらも元気で、生き生きと前向きな子でいてほしいものですよね。結論から言うと、子どもを健やかに育てる食事は「何を食べるか」ではなく「どんな雰囲気で食べるか」が大切なんです。
家族で食べる食事が、子どもの健康にどう影響するかを調べた研究があります。この研究は、「食事の質」「家族そろった食事」「食卓の雰囲気」などと、子どもの「心の健康状態」との関係を調べたものです。「心の健康状態」の中には、「学校に行くのが嫌になることがあるか?」という登校忌避感や、「自殺したいと思ったことがあるか?」という自殺念慮なども含まれています。「食事の質」には、皆さんが思うインスタント食品やファストフードなどを頻繁に食べるか?などが含まれいます。中学生573名を対象に調べた結果、「『自殺念慮』や『登校忌避感』には『安らぎの場である食卓に家族がほとんど毎日そろうこと』が効果を持つということである」(東洋英和女学院大学人間科学部「食事の質、共食頻度、および食卓の雰囲気が中学生の心の健康に及ぼす影響」、2001年)と記されています。「食事の質」が影響したのは「根気のなさ」という1項目だけだったともあります。つまり子どもの心の健康状態に影響するのは「何を食べるか」ではなく、「どんな雰囲気で食べるか」ということなんです。子どもたちにとって、食卓は自分が安心してくつろげるとても大切な場所で、そこで家族と楽しくコミュニケーションをとることは、精神的な安定に大きく影響するということです。そうは言っても、忙しくてなかなか家族そろって、食事が取れないというご家庭もあると思います。でも大丈夫、その安らぎの場は、食卓でないといけないわけではありません。食卓以外の場でも家族間でしっかりとコミュニケーションが取れていて、家庭が安らぎの場であればそれでいいんです。子どもたちは、大人が自分たちを気に掛け、受け入れ、認めてくれているという状況に安心し、自尊感情や自己肯定感を高めていくんだと私は考えています。
食事の内容ももちろん大切ですが、それよりも、食事の時間に余裕を持ち、その雰囲気を楽しいものにしてあげてほしいと思います。楽しい食卓は子どもだけではなく、きっと私たち大人の心も穏やかにしてくれると私は信じています。
(2020年10月31日付紙面より)
新宮市出身 (プロ野球ドラフト会議 )
新宮市出身で天理大学4年の森浦大輔投手(22)が26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから2位指名を受けた。
最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器に空振りを奪う左腕。ドラフト会議をテレビで見ていたという父の孝二さん(52)は「プロに行ってほしかったのでうれしい。テレビに2位と出た途端、友達と一緒に泣いた。プロでは、けがをせずに好きな野球を長く続けてほしい」と語った。
母の由紀さん(48)は「ドラフト後すぐに電話し、『おめでとう』と伝えた。本人は指名を受けて安心した様子でした。皆さんのおかげで、一番の目標がかないました」と喜んだ。
森浦投手は、丹鶴幼稚園の年長児から「新宮パワーウエーブ」で野球を始めた。当時の監督・太田尋文さんは「小学3年生からピッチャーを始め、5年生で球速100㌔ほどあった。体は大きくなかったが投手としてずば抜けていた。4年生の頃、1試合で21奪三振を取ったこともあった。6年生でキャプテンを務め、素晴らしいチームだった」と振り返った。
緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。
名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。
天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞した。
(2020年10月28日付紙面より)
シニアボランティア助成 (大同生命厚生事業団 )
公益財団法人大同生命厚生事業団が実施する2020年度のシニアボランティア活動や地域保健福祉研究などの助成を行う受贈者が決まった。シニアボランティア活動部門では那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブが選考された。
同財団は大同生命保険株式会社が生命保険事業の社会性に鑑み、公共の福祉の増進に役に立ちたいとの願いから1974年に設立された。
社会福祉、公衆衛生の分野に事業を展開しており、研究やボランティア活動などの助成、健康小冊子の発行などを通して、国民の健康の保持と福祉の増進に寄与することを目的に各事業を実施している。
今回、シニア部門では123件の応募があり、和歌山県で五つの団体が選考された。
応募の際の活動テーマを「みんなで楽しく脳トレ活動」と定め、受贈を受けた同クラブの峰武久会長は「助成で購入した大型液晶テレビなどを活用し脳の活性化につながっている。会員一同喜んでいます」。
「脳トレ活動以外にもこれまでの会員たちの活動記録の画像や動画をテレビに映し出して再確認し、仲間意識や絆を深めていきたいです」と語った。
なお、本紙エリア内では串本町で活動するかんりん文庫(梅崎百合子代表)も受贈した。
(2020年10月28日付紙面より)
若手教員育成プログラム (串本町教育委員会 )
串本町教育委員会が主催する本年度若手教員育成に係る研修プログラム(若プロ)のチーム研修(カンファレンス)が23日に役場古座分庁舎であり、対象の教員ら16人が参加して直面する課題や悩みについて教頭らから助言を得る機会を持った。
このプログラムは、町教委の津田和昭指導主事と元校長の坂本善光指導主事が両輪で運営。近年の県教委の教員人事は定年退職と新規採用が活発で、町立学校では経験10年未満の若手教員が全体の46%を占める状況となっている。他方で少子化に伴う学校規模の縮小も進み、具体的には学年の単学級化や複式学級化、中学校にあっては教科担当が自分1人しかいない状況で同学年担当との学級経営、同教科教員との学習指導を相談する機会が持てないという難しさも生じている。
さらに学校運営の中核を担う中堅教員の層が薄い(経験10~19年で18%、同20~29年で16%)という状況も。以前ほど若手教員が現場での学びを詰めないまま数年後に学校運営の中核を担う中堅教員へ差し掛かっていく状況は好ましくない、と直感した坂本指導主事が前年度からこの課題に関わり始め、学校単体で難しいなら町教委が自治体枠で学びの場を創出してはと考えが至り本年度から実践を始めたという。
先行事例が見当たらず、一から組み上げる形での着手。経験4年目(本年度は10人)と同2年目(同8人)の教員を対象とし同3年目(同2人)と講師の希望参加も受け入れつつ、コロナ禍の情勢に伴い年度序盤から出足をくじかれる状況となったが8月から月例で全体研修やチーム研修を重ねている。
チーム研修は本年度初、また若プロ初の実施。助言者として同町教頭会が協力し、坂本さんは「この機会に若手教員は抱えている悩みを打ち明け、教頭は経験に基づく知見や若手教員への期待を伝えてほしい」と呼び掛けて取り組みを促した。
序盤から中盤は若手教員と教頭で学校が異なる8組に分かれ、若手教員が抱えている課題や悩みを打ち明けて話し合い。終盤でその内容を発表し合って全体共有した。
8、9月は授業の組み立て方をテーマにして全体研修を実施。11、12月に同研修を重ね、来年1月に2回目のチーム研修、2月に最終の全体研修を開いて取り組んだ事柄の振り返りを行う流れで若手教員の育ちを補い、町立学校の運営の保持と向上、活発化を図ることを目指すという。
(2020年10月28日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は25日、同地区津波一時避難場所近くの高台に建設した防災備蓄倉庫の完成式を開いた。地区住民、来賓の西田健町長ら約40人が集い、1年4カ月かけて整備した住民手作りの施設の完成を祝った。
「大災害時の死者ゼロ」を目指し、2年前に計画。海抜約30㍍にある町有地を借り、森林環境税の助成を受け、紀宝町森林環境税事業を活用した。
倉庫の建築面積は87・55平方㍍(26・48坪)。自主防災会約330世帯の住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。収納スペースのほか、土間、仮設トイレ2基、物置を整備した。
完成式で森倉組長は、建設に至る経緯、伐採や草刈り、住民が協力して取り組んだ建築作業などを説明し「11月末までに完成させたいと思っていたが、皆さんの協力で8月28日に完成した。ご協力に感謝します」と述べた。
西田町長は「素晴らしい施設ができた。地域の安全安心が確保できると思う。皆さんと一緒に住みよい町をつくっていきたい」と祝った。
この後、森倉組長が施設内を案内し、住民が設備などを確認した。今後、11月下旬から12月中旬にかけて衣装ケースを収納するという。
(2020年10月28日付紙面より)
城南中でオレンジリボン制作 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)育友会人権部会(岩澤遊水部長)は22日夜、11月の児童虐待防止月間に合わせ生徒たちに身に着けてもらうオレンジリボン約200個を制作した。保護者や教職員約20人が、一つ一つ思いを込めて丁寧に作業した。
同部が主催し、子どもたちを保護者の温かい気持ちで包み、やがて子どもたちが守ってあげられる側の人間に成長してほしいとの願いから取り組み今年で6年目。生徒にとってはオレンジリボンを通じて保護者の気持ちを受け取り、児童虐待防止に関して学ぶ機会となっている。
保護者が学校と地域をつなぎ、みんなが温かな気持ちになれるよう進めている。11月には各学年を対象に授業を実施し、学びを深めていく予定。生徒らは月間中、制服にオレンジリボンを着けて登校する。
森浦展行・主幹教諭は社会運動に対して支援や賛同を表す「アウェアネス・リボン」の色と意味を説明。参加者は熱心に耳を傾け「生徒たちには活動の大切さを知って、意識を高めてほしいです」と語った。
森浦主幹教諭は「人権というと難しく捉えてしまいます。常に『一人じゃない』ことを分かってほしい。保護者の方々や教職員で心を込めて作ったリボンを着けてもらい、元気に明るく学校生活を送ってもらえれば」と話していた。
(2020年10月25日付紙面より)
市街地で目撃情報多発 (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校付近で23日午前7時ごろ、路上にイノシシが倒れていると新宮警察署に通報があった。同署からの連絡を受け現場に向かった市農林水産課職員がイノシシを捕獲。鳥獣保護員の下忠文さんの元に運び殺処分した。下さんと職員は「攻撃してくる場合もあるので、発見した際には市農林水産課か警察に連絡を」と呼び掛けている。
捕獲されたイノシシは体長約90㌢、重さ約30㌔の雌。市道永田切杭線の道路上に倒れており、市職員が駆け付けた時にはすでに弱っていたという。
体に傷があったことから車と接触したと考えられるが、飼育豚や野生イノシシで感染拡大が続く「豚熱」の可能性もあることから現在、県農業水産振興課で血液検査を進めている。
同課によると、春ごろからイノシシによる農作物被害情報や目撃情報が寄せられており、9月ごろから新木保育園付近や橋本、相筋、三佐木地区など市街地での目撃情報が増えたという。先週には新翔高校の校庭でイノシシに掘られた跡を発見。2頭分の足跡が確認されている。
また、佐野駅付近における被害情報も多く、佐野川沿いの休耕地をねぐらにしている可能性も。近日中に近隣住民に通知の上、追い払い花火(動物駆遂用煙火)を使った対策を計画している。
同課は「体感としては昨年より3割ほど増えていると感じる。市街地でイノシシの被害・目撃情報が増えてきたのは近年。特に今年に限っては、市街地での発見も珍しいといえない状況」。
「イノシシ・サル等が住宅地に出没したときの初動対応マニュアル」に基づき、警察と連携し対応しているものの、増えすぎている現状を鑑み今年は幼獣も捕獲対象にしているという。
下さんと同課は、イノシシのねぐらになりやすい休耕地の草刈りや、イノシシに出くわした際の対応として▽近づかない▽興奮させないように静かにその場を立ち去る▽無理に追い払おうとしない▽生ごみの放置や放任果樹などは控える―などを呼び掛けている。
(2020年10月25日付紙面より)
三浦伸也さんによる子育て講座 (紀宝町 )
「絵本を読む人」として全国各地で活躍する〝しんちゃん〟こと、三浦伸也さんを招いての子育て講座が21日、紀宝町の神内福祉センターであった。
数冊の絵本を披露した三浦さんは「子どもも大人もハッピーになれるキーワードは『安心』と『自信』。安心と自信があれば、未知の世界に一歩踏み出せる」と伝えた。
その上で「安心や居場所のために家族みんなで食卓を囲んでほしい」、「失敗してチャレンジして成功すると自信になる。この自信が財産になる」などと話し、子どもの可能性を広げてほしいと呼び掛けた。
東日本大震災の被災地・陸前高田市に毎月通い、絵本を読み続けている三浦さん。「がれきの中から聞こえた子どもたちの笑い声が、まさに希望そのものだった」と語った。震災を経験した保育士の「子どもたちを失いたくない」という気持ちが、子どもたちの落ち着きにつながっていると感じたという。
「子どもは無条件に親を信じている。安心できる場を本能的に求めている。お母さんが一緒に楽しむことで子どもも喜ぶ」。
「子どもは自分の答えに自信を持っている。答えを一つにしてしまうと窮屈になる。大人の『物差し』を変え、理解することで大人の自信につながる」。自身の経験を交え「子どもたちの世界」を受け入れることの大切さも知らせた。
講座は、町ファミリーサポートセンターによる「サポート会員講習会」の最終講習で、所々にユーモアを交えた興味深い話に受講生とサポート会員ら20人が聞き入っていた。
子育ての手伝いをする同センターのサポート会員は93人で、今回、全3回の講座を受けた7人を新たに会員登録した。
(2020年10月25日付紙面より)
南紀勝浦温泉がエントリー (那智勝浦町 )
国民参加型の地方活性化プロジェクト「温泉総選挙2020」が1日から応援投票の受け付けを始めている。おととしには総務大臣賞を、昨年は歴史・文化部門で1位を獲得した那智勝浦町の南紀勝浦温泉が今年も同部門にエントリーした。
温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じて、さまざまな温泉地の情報に触れることができ、各温泉地の利用促進を図り、地域活性化につなげることを目的としている。
「温泉地のリアルタイム情報サイト」としての役割も担っており今年で5回目。公式サイトから応援投票した場合は抽選で旅行券などが当たる。投票は来年1月20日(水)までとなっており、今年はウェブでの投票のみ。南紀勝浦温泉旅館組合によると、22日午後4時時点での同温泉の順位は3位だという。
エントリーについて中定俊組合長は「GoToキャンペーンのおかげで客足も以前に比べると戻りつつありますが、キャンペーン後はどうなるか分かりません。また今年も入賞すれば、南紀勝浦温泉のPRにもつながりますので、大きなチャンスだと思っています。入賞して南紀勝浦温泉の魅力を多くの人に知っていただきたいです」。
投票については「昨年の温泉総選挙では大変多くの皆さまに応援をしていただいたおかげで『歴史・文化部門』にて1位を取ることができました。また今年も入賞ができるように皆さまの応援、よろしくお願いいたします」と呼び掛けた。
投票や選挙についての詳細の確認はインターネットで「温泉総選挙」で検索、または(https://onsen-ouen.jp)まで。
(2020年10月25日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
スポーツウエルネス吹矢大会 (那智勝浦町体育協会 )
広報キャラバン隊が県内でPR活動 (紀の国わかやま文化祭・県実行委員会 )
「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」が来年10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される。1年後の開催に向け、キャラバン隊メンバーときいちゃんが県内各地でPR活動を実施。7日に紀南地方入りしたキャラバン隊は、新宮市井の沢の熊野新聞社本社を訪れ「県民一丸となって盛り上げましょう」と呼び掛けた。
国民文化祭は、文化活動への参加の意欲を喚起し、地方文化の発展に寄与するとともに国民生活のより一層の充実に資することを目的とする全国規模の文化の祭典。全国障害者芸術・文化祭は全ての障害者の芸術や文化活動への参加を通じて、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的に01(平成13)年から始まった。
わかやま文化祭のキャッチフレーズは「山青し 海青し 文化は輝く」。▽県民総参加で文化力のさらなる向上を目指す▽先人が育んできた文化を継承する▽交流の中で相互理解と新しい文化の創造を促す―を基本方針とし、地域文化の発展や新しい文化の創造へとつながる祭典を目指す。現在、県内で136の事業を予定している。
祭典に向け、実行委員会では県内文化団体や障害福祉関係団体、各市町文化協会により「盛り上げ隊」を発足。県民が作成した折り鶴を使用して「折り鶴アート作品」を制作する「折り鶴プロジェクト」や、盛り上げ隊が県内の学校などに出向き、文化体験を行う「出前体験プロジェクト」、公式ポスターを県内全域の企業や店舗などの協力のもと掲出し、会員制交流サイト(SNS)で発信する「ポスター2021プロジェクト」など、PRを重ね、県民意識の高揚を図るための取り組みを行っている。
地元和歌山を拠点に活動を行う兄弟お笑いコンビ「すみたに」を中心とするキャラバン隊は、きいちゃんと共にラッピングカーで県内各地を訪問。広く広報活動を行っている。21年の開催に合わせ、県内で2021枚のポスターの掲示を目標に8月6日から事業所などを回り、約2カ月で約600枚のポスターを配ってきた。この日は広報ポスターと出来上がったばかりの公式リーフレットを持参し周知を呼び掛けた。
実行委員会では現在、グッズを活用した広報や、文化祭SNS公式アカウントをフォロー・シェアするなどして祭典を盛り上げる広報ボランティアを募集している。
「すみたに」の角谷匡俊(まさとし)さんは「一人一人がサポーターとなって、祭典に向かって県民みんなで盛り上げていけたら」。弟の佳洋(よしひろ)さんは「県民の皆さんに多く知っていただき、共に広報をしていただけたら」と話していた。
広報ボランティアへの応募は11月21日(日)まで。氏名(団体名)、応募人数(団体のみ)、住所、年齢(個人のみ)、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどSNSのアカウントを記入し、FAX(073・423・7120)やメール(kinokunibunkasai2021@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。
(2020年10月11日付紙面より)
田岡市長が要望書を提出
和歌山県紀南地方の7市町村と県は7日、JR西日本(長谷川一明社長)に対して長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の誘致に向けた要望書を提出した。新宮市の田岡実千年市長が代表し、冨本直樹・和歌山支社長に要望書を手渡した。
同社は観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始した。
長距離列車について同市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町の7市町村と県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目。2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきたという。
要望書には、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、また、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れた上で「世界中に新型コロナウイルス感染症の猛威が吹き荒れ、本県の主要産業である観光関連事業は壊滅的な打撃を被り、地域は疲弊している」「地元自治体、観光関係団体・事業者、地域住民とともに地域の多種多様な観光資源を活用し『with コロナ』という新しい生活様式に沿った魅力ある観光メニューの開発や食、おもてなしを用意していく」と盛り込んだ。
田岡市長は提出に当たり「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意するのでぜひとも運行をお願いしたい」。
冨本支社長は「素晴らしい観光資源を持つ紀南地方へ誘致できるように取り組んでいきたい」と述べた。
(2020年10月11日付紙面より)
台風14号は10日午前8時現在、潮岬の南約180㌔にあり、暴風域を伴いながら時速20㌔で北東に進んでいる。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍、最大瞬間風速は40㍍。夜には東海道沖に達し、その後は勢力を弱めながら南へ移動する見込み。
串本町では9日夕方、50代女性が強風にあおられ転倒。左足を骨折する重傷を負った。
また、紀宝町浅里地区では9日夜、大規模な地滑りが発生したが、けが人はなかった。
和歌山、津両地方気象台によると、7日午後2時の降り始めから10日午前5時までの降水量は▽那智勝浦町色川433㍉▽新宮市371㍉▽熊野市新鹿339㍉―などとなっている。串本町潮岬では10日午前6時9分、30・1㍍の最大瞬間風速を観測した。和歌山県によると、新宮市で約30軒、那智勝浦町で約370軒、串本町で約90軒の停電が発生した。
また、9日には倒木に伴い、串本町潮岬の潮岬周遊線が片側通行規制となったが、現在は復旧。同町田原から津荷にかけての国道42号で全面通行止めとなっている。
台風の接近に伴い、JR西日本は10日、特急くろしお号と、きのくに線の運転を一部取りやめ。JR東海は同日の特急ワイドビュー南紀号を全区間、終日運休した。
(2020年10月11日付紙面より)
江戸千家宗家が献茶式 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社で4日、新宮生まれの茶人、川上不白(1719~1807年)を流祖とする江戸千家宗家蓮華菴(川上閑雪(かんせつ)家元)による献茶式があった。本年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から各支部の代表など10人が参列し、川上紹雪(じょうせつ)副家元が献茶を行った。恒例となっている献茶後のお茶会は中止となった。
献茶は2007(平成19)年12月、宗家所蔵の不白寿像から「宝珠双龍紋」が見つかったことから、不白の故郷の「那智の滝」への崇拝と龍神信仰があったと考えられている。このことを縁に翌08年(同20)年から同大社での献茶を続けており、今年で13回目を迎えた。
献茶式では、多くの観光客らが見物する中、紹雪副家元が茶を2椀たてて神前に献じた。
男成宮司は「例年通りご奉仕いただき、ありがとうございます。熊野はよみがえりの地。一日も早い改善のために心よりお祈りをささげたい。皆さまには明るい世の中を見据えて茶の道にご精進いただきたいと思います」と述べた。
紹雪副家元は「コロナの状況もある中、無事に務めることができてほっとしています。茶道に限らず、さまざまな伝統文化が大変な状況にあると思う。一日も早く平穏な世の中に戻ってほしいと思いを込めて献茶させていただきました」と語った。
不白は新宮藩主水野家に仕える藩士の次男として生まれた。32歳で江戸に出て、千家流茶道を広めた。皇族、大名、旗本から町民まで階層にかかわらず指導したことで知られる。
(2020年10月6日付紙面より)
災害時警察活動協力員らが啓発活動 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は3日、新宮市谷王子町のオークワ新宮仲之町店の催事場周辺で災害啓発活動を実施した。同署員4人と災害時警察活動協力員4人が買い物客らにチラシなどの啓発物資を手渡し、災害時の備えの必要性と自主避難の重要性を訴えた。
災害時警察活動協力員は、災害発生時における災害警備活動などへの警察官の大量動員に伴って生じる多数の空き交番や駐在所において、警察官の代わりに地域住民の不安感を解消するために窓口対応などを行うことを目的としたもの。各警察署ごとに警察官OBから選出されている。
啓発活動は、夏から秋にかけての台風シーズンや、今後発生が危惧される南海トラフ地震などの大災害に備えてもらおうと、普段からの準備や心構えを広く呼び掛けるもの。啓発物資の配布のほか、紀伊半島大水害(2011年)、東日本大震災(同)、熊本地震(16年)の被害状況や災害警備活動の様子もパネルで展示され、多くの買い物客らが足を止めて見入っていた。
同署の新谷浩一警備課長は「災害はいつ起こるか分かりません。最低限の避難グッズの用意や、ローリングストックなど平時に備えを。災害時には河川状況や避難指示を確認し、早めの避難を心掛けてください」と呼び掛けている。
(2020年10月6日付紙面より)
風水害に備え各避難所に配置 (紀宝町 )
風水害に備え紀宝町は、町内各避難所に新型コロナウイルスに対応した備品・物資を配置し、各地区の避難所開設・運営訓練などで取り扱いを説明した。災害時における感染リスク低減を図ることが目的で、第2次地方創生臨時交付金事業の一つ。避難所運営者用、衛生管理用、受付用の各備品をそろえた。
マスク、使い捨てゴム手袋、フェースガード、養生テープ、啓発用掲示物、手指消毒液、ペーパータオル、施設消毒液、施設消毒用タオル、除菌シート、
足踏み式ごみ箱、ごみ袋、非接触式体温計、問診票兼避難者情報カードなどの備品を一つのボックスにまとめた。パーティションセットも備え、各避難所のレイアウトも添えて、受付要員はフェースガード、マスクを着用するよう呼び掛けた。
新型コロナは、いつ、どこで、誰が感染するか分からないことから、町では自主防災組織に「避難所へ避難する際はマスクを着用し、感染防止拡大対策の協力をお願いするとともに、避難所受付検温実施などで混雑するため、早めの避難を心掛けるように呼び掛けてほしい」と求めている。
(2020年10月6日付紙面より)
第2回お買物券発行開始 (串本町商工会 )
串本町商工会(須賀節夫会長)が4日、本年度第2回プレミアムお買物券の発行を始めた。この日は役職員らが町内2カ所で、感染症予防対策を講じながら販売所を設置。5日以降は同町商工会館で売り切れるまで取り扱いを続けるという。
このお買物券は、同町の小売店舗等消費拡大推進事業の委託を受けて年2回発行。今回は感染症対応事業「プレミアムお買物券増額事業」の上積み委託による、プレミアム率を1割から3割、発行数を3000セットから5000セットに増強する形で発行している。
販売所の一つ、同町文化センターでは役職員が12の窓口を設けて販売に当たった。発行対象は町内在住・在勤者で、従来の代理購入は不可。家族連れで購入に訪れるケースもあり、開場前から順番待ちの列ができ開場後1時間弱続く従来にない盛況を見せていた。
通常時の発行規模は3300万円相当だが、今回は6500万円相当。須賀会長はこの消費者支援は取扱参加店の経営支援にもつながっているとし「経済効果として功を奏し、一人でも多くの商売人のプラスになってくれれば」と期待を語った。
今回発行分の有効期限は12月31日(木)。取り扱い参加店数は141で、A2大のチラシなどで紹介しているほか取り扱い参加店も店頭告知しているので目安にしてほしいという。同会館での取り扱い時間は平日午前9時~午後5時。5日現在の残数は約1000セットという。問い合わせは同商工会(電話0735・62・0044)まで。
(2020年10月6日付紙面より)
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