コロナ禍で利用増へ (那智勝浦町 )
那智勝浦町とJAみくまの農業協同組合(漆畑繁生組合長)が共同運営する同町二河の市民農園である「ふれあい農園」が新型コロナウイルス感染症の流行から利用が拡大しているという。1区画約30平方㍍の区画が50あるが、21日現在ですでに46区画が使用されている。
同農園は自らの手で野菜づくりなどを楽しむことや、町民同士の交流の場づくり、遊休農地の活用を目的に地元住民の協力を得て、2016年度より事業を開始。
作業で使用する道具は必要だが、申し込みを行えば無料で利用できるのが魅力。町農林水産課によると、当初は利用率も伸び悩んだが、コロナ禍の中で問い合わせも多くなり、新規申込者が増えたという。
農園では町民に「家庭菜園」のような形で楽しんでもらうことに重きを置いているため、「果樹などの木や根が大きく張る作物を育てること」「正当な理由がなく、作付けを行わない」「営利目的での利用」はできないとしている。
同課担当職員は「この農園は毎年ごとに作付けができる野菜を育てていただきたい。ご自身で作って楽しむのはもちろん、新鮮な野菜をご家族で食べて楽しんでもいただきたい」と話した。
開始当初から野菜づくりを楽しむ近所の60代男性は「趣味でサツマイモやカボチャなどを作っている。収穫は楽しい」。
3カ月前から同農園を利用している70代女性は「こちらは獣害も少ない。苗を分けてくれたり、作り方を教えてくれる方も多い。草刈りをしてくださる方もいるのでありがたい。若い女性も増えたと思う。コロナ禍が関係しているかもしれない」と話していた。
利用3年目となる同地区在住の南智恵子さんは「夫と二人で野菜作りを楽しんでいる。この1年ほどで利用者も多くなった。交流できてうれしい。農園は良い取り組みだと思う」と語った。
農園は新宮方面からなら、同町二河の町教育センター(旧三川小学校)前の交差点を右折した際に見える民家2軒の間付近。申し込みや問い合わせは町農林水産課農林係(電話0735・29・4455)まで。
(2021年5月29日付紙面より)
聴覚障害者協会が要望書提出 (新宮市 )
新宮市聴覚障害者協会(南村道雄会長)の会員6人と(一社)和歌山県聴覚障害者協会の櫻井貴浩事務局長は27日、市役所を訪れ、市に対し「聴覚障がい者の意思疎通のために専任手話通訳者の採用を求める要望書」を提出。手話通訳を行う専任職員の採用や配置などを求めた。
市では2019年3月、手話が言語であるとの認識に基づき、手話の理解と広がりをもって地域で支えあい、手話を使って安心して暮らすことができる地域社会を目指す「市手話言語条例」を制定。条例制定は、聴覚障害者が共生できる社会の実現の大きな一歩となった。
しかし、現在市では、業務として手話通訳を行う専任職員がおらず、手話通訳を民間企業に委託しているといった現状がある。
要望書は、条例制定からのさらなる歩みを求めるもので、今後聴覚障害者の高齢化も進み、医療や介護といった専門用語の必要な分野での手話通訳がますます重要となっていること、また個人情報保護的観点などもあり、より一層の意思疎通支援事業の改善や充実を求めるもの。
会員らは「生活の安心のため、『聞こえない』ことを専門に理解してくれる人が行政には必要」「個人情報の壁もあり、民間では難しい。生活や命に関わる相談に対応してもらえる市役所であってほしい」などと早期実現を要望。
同協会顧問の上田勝之市議会議員は「相手が公務員でないと伝わりにくいこともある。『聞こえない』ことを理解している人が関与するのが望ましい」と述べた。
対し、北畑直子・健康福祉部長は「『聞こえない人のことを分かる人』という言葉は身に染みた。生活に寄り添えるのは正職員だと思う。市長や関係課とも協議したい」と要望を預かり、「現状は今あるマンパワーの中でできる限りのことをしたい」。
櫻井事務局長は「私たちはいろいろな壁を感じて生きてきた。『できない』と言われることに慣れてしまっているし、『困っている』ということすら気付かないこともある。聴覚障害者に対する正しい理解を広めてほしい」と要望した。
同協会は同日、「聴覚障がい者が安心して利用できる丹鶴ホール・図書館の設備の充実を求める要望書」「聴覚障がい者が安心して利用できる新宮市立医療センターの設備の充実を求める要望書」も併せて提出した。
(2021年5月29日付紙面より)
高齢者対象ワクチン接種 (古座川町 )
古座川町の高齢者対象新型コロナワクチン集団接種が27日、第1組2回目の接種に差し掛かった。同日~29日(土)で第1組、6月3日(木)~5日(土)で第2組に2回目を接種。残る第3組(71歳の一部を含むそれ以下の対象者と追加希望者)分のワクチン配分のめども付いていて、6月23日(水)~25日(金)で1回目、7月14日(水)~16日(金)で2回目を接種するという。
同町の高齢者対象接種は今月6日から始まった。その時点で対象者1411人の約73%が接種を希望。71歳の一部を含むそれ以上の対象者を第1組と第2組に分け、それ以下を第3組とし年長優先で順次、組単位で集団接種を進めている。
同町健康福祉課の巽寿久課長によると、第3組の接種時期が他の組よりずれ込んでいるのは当初希望しなかった対象者に再度接種希望の有無を確認しているため。追加希望を第3組に組み込んで集団接種会場を設け、その2回目終了時点で高齢者対象の接種を完了する。別途、社会福祉法人高瀬会職員分のワクチン提供も並行して進めるという。
(2021年5月29日付紙面より)
新宮警察署で表彰状伝達 (和歌山県防連 )
新宮警察署(山田守孝署長)で27日、令和3年度和歌山県防犯協議会連合会(県防連)防犯功労者(団体)等表彰の伝達式があった。個人の部で受賞した天野川(てんのかわ)宏子さんと、団体の部「新宮市立少年相談センター補導協力委員会」の橋本政成会長に対し山田署長が表彰状を手渡し、長年にわたるボランティア活動に敬意を示した。
県防連は「みんなでつくろう安心の街」を合言葉に、防犯知識の普及や安全な地域環境づくり、少年の健全育成などの総合的な地域安全対策を推進し、犯罪や事故、災害のない安全で安心が実感できる明るく住みよい町づくりに寄与することを目的に1958年に設立。
功労者(団体)表彰は、多年にわたり地域で防犯活動に尽力した個人や団体をたたえるために毎年実施している。
天野川さんは「熊野パトロール隊」発足当時(2004年)から代表者として小学生の登下校の見守り活動や朝の声掛け運動、他の団体との合同パトロールなどに尽力。
同協力委員会は、1974年の発足当初は非行少年の補導などを中心に活動していたが、その後これまでの活動に加え環境浄化活動や健全育成活動、少年の立ち直り支援活動、各種防犯パトロール・啓発活動、児童・生徒の登下校時の見守り活動など、幅広い活動を展開している。
表彰状を受け、橋本会長は「長年の活動が認められたことをうれしく思う。スマートフォンの時代、そして新型コロナの時代と外に出てくる少年は少なくなり活動の形は変わってきたが幅広い活動を展開している。受賞は励みになる。ますます頑張っていきたい」。
天野川さんは「子どもたちの『おはよう』『行ってきます』の言葉と笑顔がうれしく安心する。ちゃんとあいさつのできる子どもが増えてほしい。(見守り活動は)立てる間は頑張りたいです」と笑顔で話した。
(2021年5月29日付紙面より)
新宮市立図書館、休館へ
新宮市井の沢の市立図書館は20日、今秋開館予定の市文化複合施設「丹鶴ホール」への移転に向け休館に入った。現在地に開館して以降、47年にわたり市民に愛され続けてきた同図書館は、この日をもって図書館としての歴史に終止符を打った。
同図書館が横町1丁目1番地(現横町公園)から現在地(旧紀南学園跡地)に移転したのは1974 (昭和49) 年のこと。以降、自動車文庫「なかよし号」巡回開始や絵本の読み聞かせ開始、中上健次資料収集室の設置など、快適な読書環境の整備、利便性の向上、図書館サービスの充実を図るためにさまざまな取り組みがされてきた。
最終日となった19日には休館を惜しむ人らが雨の中多数来館。花束を持って図書館や職員、ボランティアメンバーらに感謝を伝える利用者の姿もあった。図書館によると、昨年(開館日数284日)の貸し出し人数は延べ2万5341人で、10万800冊の貸し出しがあった。1日当たりでは89・2人が354冊を借りた。
図書館司書として85(昭和60)年から勤務し、退職後も図書館協議会会長として図書館に携わる山﨑泰さんは、最も思い出深い出来事として「郷土資料件名事項目録」の編さんを挙げる。目録はパソコンがまだ普及していなかった当時において、図書館が所有する膨大な郷土資料を100項目に分類し、誰にでも検索できるようにしたもの。
841㌻にわたる目録の編さんには十数年の年月を要し、2012(平成24)年2月に発行。図書館業務の効率化向上や、各分野の研究者や学生、教育者たちの知的好奇心に応える大きな一助となった。
山﨑さんは「大逆事件や中上健次、当地方のさまざまな歴史や事柄、人物のバックグラウンドを調べようと、多くの人が図書館を訪れてくれた」と回顧。休館に関しては「いろいろな思い出が詰まっている。さみしい気持ちと新図書館への期待が半々です」と話していた。
今後はサービスを停止し、10月3日(日)の開館を目指して本や資料の整理などを含めた準備を進めていく。停止するサービスは資料の閲覧や貸し出し、インターネット閲覧など、館内で提供していたサービス全て。自動車文庫の巡回や雲取文庫への貸し出し、レファレンス(調べもの相談)・各種問い合わせへの対応など。
ブックポストへの返却は6月30日(水)までとなる(場所は図書館、熊野川行政局)。すでに予約済みの資料で5月19日までに準備ができなかった資料は、新図書館開館後に貸し出しとなる。
利用可能なサービスは▽インターネットによる蔵書検索▽市役所別館ロビーでの新聞閲覧(平日の午前9時~午後5時)。6月2日(水)、7月7日(水)午前9時からは、現図書館駐輪場にて除籍本が持ち帰りできる「お持ち帰りコーナー」を開催する。
休館に当たり、図書館では「長い期間にわたりご不便やご面倒をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いいたします」と呼び掛けている。
(2021年5月21日付紙面より)
熊野那智大社「那智の扇祭り」
7月14日(水)に熊野那智大社(男成洋三宮司)などで営まれる「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、昨年に引き続き、規模を縮小するなど従来と祭典内容を変更して斎行することが決まった。
変更は16日の扇祭り保存会の役員会で協議された。各神社の祭礼も感染防止のため、参列の自粛や行事を中止・縮小していることを鑑み、参列者および奉仕者、拝観者の安全と健康を考慮し、決定したという。
内容は▽例大祭本社大前の儀の参列はなく、神職や責任役員、祭り関係者のみで行う▽那智の田楽は13日(火)の宵宮(よいみや)のみ行い、大和舞は取りやめ▽本社より別宮への渡御は昨年と同様に木製の辛櫃(からひつ)に納めた御幣(ごへい)にご神霊を移し、二体の扇神輿(おうぎみこし)と2本の大たいまつを伴い、滝に向かう。一般の拝観はなし▽本社大前の儀は午前9時から斎行し、終了後引き続き渡御祭を行い、別宮へ神幸する▽別宮では午前10時から正午まで参拝を停止にする―となる。
同大社では「本来であれば、一般の方々にもお祭りを拝観していただくことが本望。コロナ禍のため、昨年に引き続いてこのような形になりましたことをご理解いただけましたら幸いです」と話している。
(2021年5月21日付紙面より)
新東自立支援協議会へ (JAみくまの )
みくまの農業協同組合(JAみくまの、漆畑繁生代表理事組合長)が19日、新宮・東牟婁圏域自立支援協議会就労部会(小阪武部会長)へゴーヤの苗100株を寄贈した。同部会は急ぎ関係11団体に分配し活用してもらう考えで、小阪部会長(39)は「コロナで外に出るのも難しい状況が続く中、施設内でできる活動として作物を育ててみることを楽しみにしてもらい、そしてこの機に農業に興味を持っていただければ」と今後の反響に期待している。
JAグループ和歌山が取り組む会内事業「『緑のカーテン』運動」から派生した寄贈。JAみくまの管内で本年度分のゴーヤの苗を作ったところ、タネの発芽が良好で必要数以上の苗を得ることができた。余らせるのは惜しいと感じ、農福連携で縁がある同部会に相談。同部会はJAみくまのが今後高齢者福祉での農福連携も考えていることを踏まえて関係諸団体へ同運動への挑戦を呼び掛けたところ、11団体が希望し苗を引き継ぐ筋道が成ったという。
会外への苗の提供は今回が初で、引き継ぐ11団体の内訳は▽県立みくまの支援学校▽エコ工房四季▽古座あさかぜ園▽なぎの木園▽生活介護事業所えん▽杉の郷えぼし寮▽南紀ひまわり作業所▽社会福祉法人高瀬会▽寿楽荘▽グランドール紀の風▽ひきこもり者社会参加支援センターあずまプラッツ。
この日は農福連携によるJAみくまのとのつながりがとりわけ強いエコ工房四季=串本町古座=を引き渡し場所とし、JAみくまの西向営農センターの瀧本義大次長(39)が「グリーンカーテンを通して農業に興味を持っていただきたい。食材としても活用できるゴーヤということで、その辺も楽しんでもらえたら」と期待を込めて小阪部会長へ苗を託した。
(2021年5月21日付紙面より)
王子ヶ浜にアカウミガメ上陸 (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜で20日早朝、アカウミガメの今期初産卵が確認された。午前5時すぎ、ウミガメの保護活動を展開する「紀伊半島の海亀を守る会」の榎本晴光会長が卵を発見した。
同浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。今年から新しく発足した同会は、これまで「新宮市王子ヶ浜を守る会」(中村誠二郎会長)が実施していた活動内容を引き継ぐ形で、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。
発見された産卵場所は、市立総合体育館(大浜体育館)前の海岸で、波打ち際から約25㍍付近。約25㌢の深さの穴から、ピンポン球大の卵98個が見つかった。
アカウミガメは1回の産卵で平均110~120個の卵を産み、約60~80日でふ化する。5月中旬から8月半ばまで上陸シーズンが続く。
昨年、初産卵が確認されたのは7月16日。約150個の卵が発見された。気温や海水温の上昇からか、今年は昨年よりひと月以上早い産卵確認となった。なお、昨年は6回のアカウミガメの上陸を確認。うち5頭が約650個の卵を産み、487匹がふ化した。
榎本会長は、早い時期に産卵が見られた場合のふ化率は低いとしながらも「アカウミガメの上陸数については期待できるのでは」と話していた。
(2021年5月21日付紙面より)
人口約430人の北山村で10日、村内の希望者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。希望者全員に2回接種して余ったワクチンは、近隣自治体の対象者に接種するなどの対応が取られる予定。
同村にワクチンが届いたのは今月2日。和歌山県から1箱(195バイアル、975回分)が配分された。総人口432人(4月1日現在)の村内における16歳以上の接種対象者は382人で、うち約8割となる318人が接種を希望した。
希望者全員に2回接種しても約170人分のワクチンが余る計算で、県内では希望者全員にワクチンが行き渡ったレアケースとなった。村役場住民福祉課の川辺美和課長は「余剰分は新宮保健所の指示の下、有効活用していただきたい」と話している。
1回目は15日(土)にかけて、2回目の接種は31日(月)~6月2日(水)を予定しており、初日となったこの日、国保北山村診療所では山口賢二村長を皮切りに70~80代を中心とした57人が接種を受けた。
「村民の不安解消につながれば」と接種第一号を買って出た山口村長。接種後、「個人差もあると思うが痛みは感じなかった」と感想を口にし、「人口が少ないことは日常の悩みだが、ワクチン接種に関しては利点につながった。希望者全員に行き渡るのはありがたいこと」。
接種希望者が対象者の約8割にとどまったことについては「少し気になる」とし、「引き続きコロナ予防対策に力を注ぎたい」と話していた。
(2021年5月11日付紙面より)
和歌山FB―神戸三田Bs戦 (さわかみ関西独立リーグ )
串本町サンゴ台にある総合運動公園(サン・ナンタンランド)野球場で9日、さわかみ関西独立リーグ2021公式戦「和歌山ファイティングバーズ(FB)―神戸三田ブレイバーズ戦(Bs)」があった。今回は和歌山FBがファン感謝デーに位置付けて入場無料とし、感染症予防対策を経て集まった観客の注目を浴びながら熱戦を繰り広げた。
同リーグは、メジャー12球団が属する日本野球連盟とは別系統のプロ野球団体の一つで、今季は田辺市を拠点にして活動する和歌山FBなど4球団が参画し4月から公式戦を積み重ねている。
この日は和歌山FBがサテライト的に捉えている同球場を公式戦の舞台とし、田所洋二球団代表によると観戦を通してコロナ禍に直面する地域を元気づけたいという思いも込めてファン感謝デーに位置付け、通常1000円の入場料を無料にして観戦を呼び掛けた。同球場での同リーグ公式戦実施は2019年5月以来2年ぶりだという。
当日は同町出身の演歌歌手・小芝陽子さんを迎えて国歌独唱、同町スポーツ少年団本部長の瀧野智惠子さんと和歌山FB公認応援団長を務めるタレント・リトル清原さんを迎えて始球式など、地域との接点も培いながら神戸三田Bsの先攻で試合を始めた。
和歌山FBは現在首位、神戸三田Bsは同2位で今季内を推移中。2強の対戦は一回裏で和歌山FBが1点を先制し、以降は両者得点を重ねて追いつ追われつとなり九回裏で和歌山FBが1点を追加してスコア3―3となり延長戦へもつれこんだ。規定の十一回裏まで延長したが両者得点は得られず、3時間20分にわたる攻防の末に引き分ける結果となった。
両チームの対戦成績は1勝1敗1引き分けとなっている。和歌山FBの次の公式戦(第11戦・対06BULLS戦)は20日(木)正午に実施予定。試合情報は和歌山FB公式ホームページを参照。
(2021年5月11日付紙面より)
10日から個別接種予約も開始 (新宮市 )
新宮市佐野の佐野体育館で9日、高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種があった。市内2会場目となる同所での接種には、定員360人に対し1374人の申し込みがあり、接種ボーダーラインは81歳以上となった。
10日からは3会場目となる熊野川総合開発センター〈1回目5月23日(日)〉での集団接種の申し込み予約が開始されたが、定員を超えた場合は交通事情などの地域性を考慮し、熊野川・高田地域住民が優先となる。
当初予定では定員を180人としていたが、ワクチン供給の見通しが立ってきたことから定員を240人に変更。4回目の会場となる市役所別館〈1回目6月6日(日)〉も360人から420人に変更された。高齢者施設の入所者(希望者数約600人)については先月26日から接種が始まっており、6月半ばに2回の接種が完了する見込み。
市ではこれまで4回線だったコールセンターを6回線に増線。引き続き市新型コロナワクチン接種推進室(電話0735・22・5070)でも予約を受け付けている。
同推進室の山下泰司室長は「市の高齢者全員分のワクチンが国から供給されることが確定している。接種後も引き続き、マスク着用や手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保など、感染防止対策にご協力をお願いします」と呼び掛けている。
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新宮市は、▽市役所別館〈1回目6月5日(土)〉▽佐野体育館〈1回目6月20日(日)〉―の2会場を新たに追加した。定員はいずれも420人で、予約申し込みは今月24日(月)から。定員を超えた場合は年齢の高い順から予約を決定する。
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高齢者対象の個別接種の予約も10日から始まった。接種開始は31日(月)から。順次開始となるため、日程は医療機関により異なる。予約は各医療機関に直接申し込む。接種が受けられる医療機関は別表の通り。
なお、市立医療センターは新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ医療機関となっており、医療崩壊につながる院内感染の拡大を防止するため入院患者への面会禁止措置を講じており、かかりつけ患者の個別接種の実施はできない状況となっている。
(2021年5月11日付紙面より)
猿田彦・三宝荒神社で例祭 (新宮市 )
新宮市の神倉神社境内にある猿田彦神社・神倉三宝荒(さんぼうこう)神社で8日、例祭が営まれた。昨年に引き続き今年も新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、餅まきは中止となった。
神事には同社敬仰会の松本良さんと榎本友子さん、熊野速玉大社の上野顯宮司ら15人ほどが参列した。同大社の西村圭市権禰宜(ごんねぎ)が祝詞を奏上し、巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納。参列者たちが玉串をささげた。
西村権禰宜が例祭の斎行について同会や関係者らに感謝を述べ、「コロナ禍になってからは、これまでの当たり前の生活がどれほどありがたいものだったかと感じる。先が見えない状況だが、一日も早くマスクを着けずにお祭りできる日を祈っております」と話した。
上野宮司は参列者らに神社の歴史を説明し、「敬仰会の役員が少ない中、松本さまと榎本さまには一生懸命に尽力を頂いている。皆さまにもご協力をお願いしたい」とあいさつ。
松本さんは「コロナ禍において人や神様とのつながりの大切さに改めて気付いた。来年こそは通常通りの例祭が実施できることを願っている。皆さまどうぞ、お健やかに過ごしてください」と語った。
その後、配布された整理券を持った参拝者や地域住民に餅が配られた。
神倉山には明治時代まで「天狗(てんぐ)様」として親しまれた猿田彦命(さるたひこのみこと)の神社があった。火産霊神(ほむすびのかみ)と誉田別命(ほんだわけのみこと)を祭る三宝荒神社は立里(高野山)にあり、願望成就・商売繁盛の御神徳が高い。速玉大社は、氏子有志の協力で1981(昭和56)年に両社の社殿、鳥居、参道などを整備した。毎年5月8日に例祭を営んでいる。
(2021年5月11日付紙面より)
智弁和歌山が優勝 (春季近畿高校野球和歌山県予選 )