交通事故抑止目的に意見交換会 (新宮警察署 )
秋の全国交通安全運動期間(21~30日)中の24日、新宮警察署(小畑博昭署長)で交通事故抑止を目的とした公共交通機関などとの「意見交換会」があった。新宮市、那智勝浦町、太地町、北山村、田辺市本宮町の各自治体や管内のバス・タクシー会社、同署、県警本部など21人が出席。高齢ドライバーの交通事故を抑止するために意見を出し合った。
意見交換会は、高齢ドライバーの交通事故を抑止するため、市町村の公共交通担当者、バス・タクシー会社の担当者が、高齢者が生活しやすい公共交通について話し合う機会とするもので、初めての開催となった。
和歌山県内では、18年連続で人身事故件数が減少しているものの、高齢ドライバーの交通事故発生率の割合は減少に至っていないという。
開催に当たり、小畑署長は「交通事故を抑止する上で、高齢ドライバーの対策は重要な課題」とあいさつ。同署では取り組みの一環として世帯訪問によるきめ細やかな運転指導を行ったり、運転免許証の自主返納を推進したりするなどの対策を講じているとしながらも「広く、山間部も多い管内においては高齢化率も高く車のない生活は死活問題」と現状を説明。それぞれの立場において率直な意見を、と求めた。
県警本部交通部交通企画課の加藤賢治・課長補佐は、昨年4月に東京都豊島区東池袋の交差点で、当時87歳だった男性が運転する車が暴走し親子2人が死亡した事件を振り返りつつ「運動神経や反射神経、目の衰えなど、高齢者の事故は人間の生理的な要素が関わってくるのは必須」。
高齢ドライバーの交通事故抑止のための先進的な取り組み事例として、栃木県鹿沼市の終身無料乗車券、新潟県阿賀野市の無期限市営バス無料事業、茨城県大子町のタクシー利用助成事業などを紹介。「この機会にぜひ検討を」と呼び掛けた。
(2020年9月26日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は24日、那智勝浦町宇久井の熊野古道「大狗子(おおくじ)峠」周辺の補修を行った。会員11人が参加し、経年劣化や雨水などで破損した古道を直した。
太田代表は作業の内容や担当を説明し「雨が降ってくるかもしれないので注意して頑張ってください」とあいさつした。
会員らは地元から多くの石を持ち合い、石を運ぶ班と道を整備する2班に分かれて作業に取り組んだ。
土が流れ落ちた部分に土を入れて木の杭を打ったり、車で運んだ石や埋まってある石を協力して敷き詰め道を整えた。また、現場近くの草刈りなどにも汗を流した。
同会によると、この日は大狗子峠に上がる道から大狗子トンネルに降りる道までを5時間ほどかけて整備した。
今後も各古道の整備や周辺の草刈りも計画しているという。なお、10月7日(水)に次回の活動内容を決める定例会が開催される。
(2020年9月26日付紙面より)
「ころころ教室」始まる (串本町 )
串本町主催の介護予防教室「ころころ教室」が23日、町立体育館で始まった。
この教室は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した独自事業第3弾の一つ「在宅高齢者運動指導支援員雇用促進事業」に相当。
新型コロナウイルス感染症予防に伴う地域での運動機会の減少や外出自粛に伴う体力の衰えなどの不安を緩和するため、健康づくりの基礎知識となる運動・口腔(こうくう)・栄養を一通り学んで家庭で健康の維持増進を始める足掛かりを託す目的で実施へ踏み出した。
担当部署は同町地域包括支援センター。高齢化率が45・9%に達している町域における目的達成のため、主に紀北で指導実績を重ねる株式会社シグの理学療法士・高垣弘行さんと原井祐弥さんに講師を依頼して全9回の実施計画を立て、栄養や口腔の関係では町内の人材にも指導の協力を求めるという。そのような立案を進めつつ、65歳以上でこれから運動を始めようとしている町民に事前申し込みを呼び掛けた結果、14人が受講を希望して開講するに至った。
1回目となるこの日は受講の成果を実感する時に必要となる現在の体力の測定とその結果に対する説明が主な内容で、同教室を始めるに当たって高垣さんは「運動をするということではなく、皆さん自身が体の状態を知りどうすれば介護を予防し健康寿命を延ばせるかに重きを置いた内容になる」と意識づけた。
以降は運動機能検査と題して▽握力測定▽TUG(早歩きコーン回り)▽タンデム立位テスト(最大30秒まで)▽下肢柔軟性テスト▽5回立ち座りテスト▽片足立位時間(最大20秒まで)―などの測定を実施し、残り時間で測定結果に基づく説明をするなどした。
同検査は開講終盤に再度挑戦し、序盤との数値の変化で取り組みの成果を振り返る予定。次回は具体的な学びの第一歩として運動指導から取り組み始めるという。
(2020年9月26日付紙面より)
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市熊野川町 )
熊野川の川舟下り船頭育成事業を兼ねた「生涯現役スキルアップセミナー」が24日、新宮市熊野川町の熊野川川舟センターであった。6人が参加し、同センターの向井地一成さんから事業内容や川舟と船頭の現状などを学んだ。
和歌山労働局の受託事業として市生涯現役促進地域連携協議会が実施。市在住の55歳以上の中高年齢者が対象で、雇用促進と生きがいづくりの場への参加支援などを目的に、本年度3回目の開催となった。
セミナーで向井地さんは、2004(平成16)年7月に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録されたことをきっかけに翌年の9月25日から川舟事業が開始したことを説明。「川の参詣道を再現、体感してもらうことで地域資源の有効活用、景観保全、就業機会の創出など、さまざまなメリットや活性化につながるのではないかとの思いから県、市、旧同町が共同して始まった」と述べた。
現状については新型コロナウイルスの影響により厳しい状況にあると話し「2015年ごろから外国人が増加し、最近では年間約4000人が乗船しているが、今年は8月末の段階で170人と激減。9月に入って約150人と増加傾向にあるため10、11月と客足が伸びることを期待している」と語った。
川舟の材質は木で主に杉材などを使用しており、全長約8㍍、幅約1・8㍍、総トン数が0・7~1㌧であることや、船頭の現状などにも触れ、参加者は向井地さんの話に耳を傾けた。
講話後にはライフジャケットを着用した参加者が川舟に乗り込み、船頭の打越保さんや語り部の案内を聞きながら川舟下りを体験した。
(2020年9月26日付紙面より)
エイジレス・ライフ事例選定 (ニュータウン熟年クラブ )
「地域の皆さんと共にやってきたことが認められた。皆さんが健康で集えることがなにより」―。そう話すのは那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブの峰武久会長だ。同クラブは内閣府が実施する令和2年度「エイジレス・ライフ実践事例および社会参加活動事例」の紹介事例に選ばれた。選定に至るまでの経緯や抱負などを峰会長に聞いた。
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内閣府では年齢にとらわれず、自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送ることを実践している高齢者の事例(エイジレス・ライフ実践事例・個人)や地域で社会参加活動を積極的に行っている高齢者のグループ(社会参加活動事例・団体)を募集。
その中から内閣府が紹介する事例を決め、広く紹介して国民の参考とすることを趣旨としている。同クラブはグループの事例に選定された。
各都道府県、指定都市、中核市および高齢者関連団体から推薦を行い、本年度は全国で個人46件、団体45件を決定。和歌山県での団体選考は同クラブのみで、内閣府特命担当大臣から賞状と盾が贈られた。
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内閣府の資料によると、同クラブの社会参加活動内容は「新興住宅地という地縁・血縁の面から住民同士の関わり合いが薄い地域で、老人クラブが中心となって、災害時における住民相互の連携や活性化という目的で盆踊り大会を開催し、地域住民のつながりを再構築した。また、月2回のウオーキング等の多彩な活動を実施し、地域を盛り上げており、周辺地区の老人クラブの活動指針になっている」。
町老人クラブ連合会事務局で同町社会福祉協議会の担当職員は「大変喜ばしい。会長や会員の皆さまのご努力のたまもの。今後の継続も願っています」と話した。
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和歌山県社協が実施する各地域の活性化を図るために必要なシニアリーダーの育成講座において、峰会長は2011(平成23)年から13(平成25)年まで計28回の講習を受講した。
エイジレス・ライフ実践者として「現役社会で培った知識や経験を社会に還元する。新しい価値観で生き生きと、人生の総仕上げをする。まずは楽しく筋力を鍛え、脳トレの実践で『健康長寿』を目指す」というスローガンを掲げているという。
峰会長は「今回のありがたい機会を通して会員同士の絆を深めるとともに、皆さんの長年の経験と知識をお借りしながら新しい活動に取り組んでいきたい」と話した。
(2020年9月25日付紙面より)
町内8地区で戦没者慰霊祭 (串本町 )
串本町内8地区で22日から23日にかけ、戦没者慰霊祭が順次営まれた。遺族ら関係者がコロナ禍の情勢を鑑みながら参列し、太平洋戦争時に護国の礎となった出身者の冥福を祈り恒久平和を求める思いを共にした。
本年度は19日現在で、コロナ禍の情勢を鑑みつつ9地区が感染症予防を考慮しながら戦没者慰霊祭を営む予定。うち6地区(潮岬、出雲、有田、大島、須江、樫野)が22日、2地区(田並、江田)が23日に地内の寺で例年通りまたは遺族会役員と住職のみで法要に臨んだという。
大島地区は22日午前11時に神護山蓮生寺(磯﨑一寛住職)で戦没者慰霊祭があり、稲田賢区長や総代ら9人に加え町を代表して福祉課の中田匠課長も参列。磯﨑住職が法要を勤める中、中田課長は田嶋勝正町長のメッセージを代読し「国民の大半が戦争の悲劇を知らない世代である今、先の大戦で学んだ多くの教訓を心に刻み平和の大切さや戦争の悲惨さを風化させず次の世代へ伝えることがわれわれの責務。串本町は現下の新型コロナウイルス感染症を乗り越え、未来の担い手となる世代のため心豊かに暮らすことができるまちづくりに尽力し、恒久平和の実現に向け不断の努力を続けることを誓う」という思いをささげた。
残る古座地区は例年秋の後半に期日を定めていて、本年度は11月中に善照寺で戦没者慰霊祭を営む方向で日程調整中という。
(2020年9月25日付紙面より)
高砂会が成川小運動場で (紀宝町 )
紀宝町成川の老人クラブ「成川高砂会」(森新一会長)は20日、同町立成川小学校運動場で除草作業に取り組んだ。
全国老人クラブ連合会の全国一斉「社会奉仕の日」に合わせた活動。この日は42人が参加する予定だったが、雨天のため男性会員を中心に作業した。女性会員は日を改めて活動するという。
高砂会は毎週土曜日に同校運動場でグラウンドゴルフを楽しんでおり、感謝の気持ちを込めて早朝から草刈りを行った。
10月には同小運動会が予定されており、作業に参加した大藤伸之校長は「休日にもかかわらず、子どもたちのために作業していただきありがたい」と話していた。
同小の児童からは、「いつも見守ってくださってありがとうございます。これからも元気でいてください」「地域を笑顔にしてくれてありがとうございます」といった感謝のメッセージと消毒液のセットが会員に贈られた。
(2020年9月25日付紙面より)
コロナ終息への応援メッセージ展示 (新宮市社協 )
新宮市社会福祉協議会は23日から、市福祉センターで市内小中学校の児童らが書いた新型コロナウイルス終息への応援メッセージを展示している。
コロナの影響でさまざまな催しの中止を余儀なくされ、地域の人たちの不安を少しでも和らげて元気になる活力になればとの思いから企画。神倉、王子ヶ浜、三輪崎、熊野川、高田小・中の各学校が協力し実現した。
同センター内には高齢者に向けた「一人一人大切な命。私たちと一緒に健康と幸せを守りましょう」「これからも病気に気を付けて、元気に長生きしてください」「コロナに負けるな!」「元気で心も体も大切に」など、子どもたちのそれぞれの思いを記した寄せ書きが並んでいる。展示は10月末までを予定している。
同協議会生活支援コーディネーターの福島圭さんは「先生方の賛同に心から感謝しています。時代を担う子どもたちの力は町と人に元気をくれる。メッセージを受け取ることで、高齢者の方々が『良かった』『うれしかった』『元気になった』と思ってもらえれば幸いです。今後は各地区の民生委員の皆さんに協力していただきながら声掛けと同時に、このメッセージを伝え届けていければ」と話していた。
(2020年9月25日付紙面より)
漁野理子さんが3位入賞 (日本学生陸上競技対校選手権大会 )
太地町出身の漁野理子さん(早稲田大4年)が、11日に新潟県のデンカビッグスワンスタジアムで開かれた「第89回日本学生陸上競技対校選手権大会」(通称・日本インカレ)の女子走り幅跳びにおいて3位入賞を果たした。6㍍04の記録を残した漁野さんは「目標は優勝だったが自分の力を出し切れた。表彰台に上れたことを自分自身で評価したい」と語った。
小学1年生で陸上に出会い、中学、高校と活躍の幅を広げてきた漁野さん。小学6年生で全国大会3位入賞を果たし、中学3年生で国民体育大会(国体)に出場し、近畿大会でも4位の成績を収めた。新宮高校入学後も国体やインターハイに出場し、早稲田大へと進んだ。
大学2年で関東インカレ3位、日本インカレ4位に入賞し、3年でも関東インカレ3位となり日本インカレに出場した。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から無観客で実施された今大会が最後の日本インカレとなった漁野さんは「けがもあった。周囲のレベルが高く、ついていくのが大変だった。小学生以来、全国の表彰台に上ることがなかったので、応援してくれる方々への恩返しやチームの上級生として活躍したい気持ちがいっぱいだった」とこれまでを振り返った。
背中を追う後進に対して「良い記録が出ない時期が続いた。いろいろ経験してようやく自分の力が試合で発揮できるようになってきた。辛い時のほうが多いがくじけずに頑張ってほしい」とエール。
故郷や家族には「小学校の時にスポーツクラブで陸上に出会ったからこそ今の自分がある」。
「家族の理解や多大なサポートがあったからこそ、ここまで陸上を続けてこられた。喜んでもらえる結果が出せて良かった。感謝しています」と語った。
10月には基準記録を突破した選手のみが参加できる日本陸上競技選手権大会に出場が決定している。漁野さんは「出たくても出られなかった最初で最後の大会。これまでやってきたことを悔いなく出して入賞できるよう頑張りたい」と抱負を述べた。
半生を費やした競技人生の引退を決意した漁野さん。終止符を打つべく最後の大舞台に挑む。
(2020年9月20日付紙面より)
宇久井神社例大祭・宵宮祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が18日、本殿であった。毎年多くの人でにぎわうが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家(とうや)講など関係者のみが参列して厳かに式典が斎行された。
例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが今年は取りやめとなった。
式典では祭典委員長の亀井二三男さんが「祭典委員会で協議し、規模を縮小して例大祭を執り行うことになった。神輿(みこし)や御船も出したかったが密を避けるために取りやめました。来年こそは派手にやりたいと思う」とあいさつした。
熊野那智大社から出仕した林美喜(よしき)権禰宜(ごんねぎ)が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。
式典後の神酒拝載(しんしゅはいたい)では林権禰宜が「あさっての本宮も天気に恵まれ、良いお祭りになるように心より祈願しております」と述べ、手にした杯で乾杯した。
本宮は20日午前9時から式典のみ行われ、秋葉会と青年会が神楽を奉納する。
(2020年9月20日付紙面より)
矢渕中学校で体育祭 (紀宝町 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長、生徒231人)は19日、体育祭を開催。「矢渕しか勝たん!!~咲き誇れ君色の華~」をテーマに、生徒たちはグラウンドいっぱいに走り回り、爽やかに汗を流した。
全生徒が駆け足で入場。竹原校長が「今日は素晴らしい天気になった。生徒同士がつながり合い、エネルギーを発散してください」、石垣芽愛実行委員長は「各チームが練習してきた成果を発揮して、優勝を目指しながら楽しむことを大切にしましょう」とあいさつした。
6チームの各リーダーが「チーム矢渕で最高の思い出になるよう全力で頑張ることを誓います」と宣誓した後、競技開始。学年別の100㍍走や大縄跳びなどを繰り広げた。
午後からは、クラブ対抗や全校リレーなどがあり、保護者やクラスメートから応援を受けて力走した。本年度は新型コロナウイルス対策として、生徒の同居家族のみが観戦した。
(2020年9月20日付紙面より)
よさこいソーラン教室開講 (新宮市 )
新宮市のくろしお児童館で17日、よさこいソーラン教室の開講式が開かれた。小学生11人が参加し、久しぶりの練習に笑顔で汗を流した。
黄色のTシャツがトレードマークの同館のよさこいチームは、毎年新宮秋まつりや佐野柱松、南紀海彩まつりなどでダンスを披露している。例年は4月に開講しているが、今年は新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。
この日は講師の前田優香さんと一緒にヒップホップダンスの基本ステップ「ランニングマン」を練習。2㍍以上の距離を取るなどの感染対策をしながら、楽しく体を動かした。休憩時間には昨年練習した「パプリカ」や「Make you happy」の曲を流して踊り出す姿も見られた。
前田さんは「今年は発表の場であるお祭りも中止になったので、ステップ練習などを中心にやっていくつもり。制限も多いが、来年に向けて少しずつ練習を積んでいけたら」と話していた。
(2020年9月20日付紙面より)
他競技は10月に開催 (東牟婁地方中学校新人大会 )
新宮高校で第27回彩雲祭
和歌山県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)の文化祭「第27回彩雲祭」(戸石蓮実行委員長)が17日、同校で開幕し、文化部によるステージやクラスの制作展示が行われた。
今年のテーマは「SHINKO2020」。延期になった東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために使うはずだった熱意を、彩雲祭にぶつけてほしいという思いを込めた。
開会式で前田校長は「本校の校是は『文武両道』、言い換えれば『よく遊びよく学べ』です。新しい生活様式を守りつつ、2日間しっかり遊んで思い出に残る彩雲祭にしてほしい」。戸石実行委員長は「新型コロナウイルスの大騒動の中ですが、開催することができた。今までにない新しい形の彩雲祭にしましょう。手洗いなどの感染対策をしながら、全力で楽しみましょう」とあいさつした。
オープニングを飾ったのは吹奏楽部。「Dear this moment~チーム亀サウンドを届ける~」をテーマに、「千と千尋の神隠しハイライト」や「Uptown Funk」「君の瞳に恋してる」で会場を盛り上げた。
18日には映像による各クラスの発表や生徒会による「ロミオとジュリエット」、琴部によるミニコンサート、制作展示などが行われる。
今年は新型コロナ拡大防止のため、25日(金)開催のスポーツフェスティバルと合わせて生徒のみの参加とした。保護者や地域の人が生徒の取り組みや作品を見ることができるよう、26日(土)午後0時30分~翌27日(日)午後3時、新宮市福祉センターで「新高展」の開催を予定している。
(2020年9月18日付紙面より)
丹鶴城旧蔵幕府史料が入荷 (新宮市立図書館 )
新宮市井の沢の市立図書館にこのほど、紀州徳川家付家老・9代新宮城主水野忠央(ただなか)が収集した史料群の一部である「丹鶴城旧蔵幕府史料」が入荷した=写真。同図書館では現在、2009年に入荷した第1巻を含めた全35巻が郷土資料室で閲覧可能となっている。
学習院大学図書館が所蔵する「旧丹鶴城蔵書幕府書類」を影印複製したもので、「御老中留書類」のうちの日常政務や儀礼関係が中心となっている。学習院女子大学の元教授・松尾美惠子氏が監修した。
忠央は江戸三大国書の一つ「丹鶴叢書(そうしょ)」の刊行でも有名。忠央が収集し所蔵していた膨大な書籍や記録の多くは散逸したが、一部が学習院大学図書館に伝存していた。
同史料では、奏者番による幕府日記や代官・領主からの問い合わせに対する幕府の回答をまとめたもの、寺社・信仰・祭祀(さいし)に係る事例を書き留めたもの、大名の上・下屋敷、抱屋敷から発生した火事の記録、江戸城中において大規模な儀礼や人事情報、城内全体に日々伝達された御沙汰書の記録、江戸幕府代官の地方支配における勤務のマニュアルなどが収録されており、国立公文書館内閣文庫や国立国会図書館にもない極めて貴重な史料群となっている。
第35巻には「公紀私録」「進達談済写」が収録されており、新宮の風聞探索書をはじめ付家老同士の書状の記録などから、忠央の幕閣や藩政との関わりや動向を見ることができる。
貸し出しは基本的に不可だが、34巻「珍説見聞集」と35巻に関しては同図書館1階カウンター横の「熊野の本あれこれ」コーナーに一定期間設置している。問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284)まで。
(2020年9月18日付紙面より)
インターネット回答も可能
日本に住む全ての人を対象にした5年に1度の「国勢調査」が始まった。回答期日は10月7日(水)までで、郵送などでも可能だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総務省はインターネット回答の利用を呼び掛けている。
調査は1920(大正9)年から始まり、今年で100年目を迎える。調査で得られたさまざまな統計は、政治・行政、民間企業や研究機関でも広く利用され、国民生活に役立てられる。
紀宝町では国から任命を受けた調査員71人が全世帯を訪問し、調査票の配布、回収などを行う。調査員は写真付きの調査員証、腕章を身に着け、国勢調査員であることを確認できるようにしている。
今回は新型コロナの影響で原則、インターホン越しで説明し、郵送、インターネットでの回答を求めるなど非接触式の調査方法を導入した。
町では「事情などにより必ずしも非接触方法で行えない場合もあると思いますので、その際は調査員による感染拡大防止対策を徹底した上で調査に当たっていただく。ご理解とご協力を」と求めている。
(2020年9月18日付紙面より)
日ト友好130周年追悼式典 (串本町 )
串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で16日に追悼式典があり、日本国とトルコ共和国の各代表者が殉難将士への敬意をささげ両国友好の絆とその深化への思いを新たにする節目とした。
この式典は、同町と駐日トルコ共和国大使館が主催する日本トルコ友好130周年事業の一環。この周年はトルコの前身・旧オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号(以下エ号とする)が樫野沖で遭難した年(1890年)を起点にして数えていて、両主催は5年ごとに同事業を計画し同碑に眠る殉難将士を追悼し両国友好の深化を重ねている。
今年は130周年の節目に当たり、現在の同碑が建立された期日(6月3日)に合わせてさまざまな行事をする計画だったが世界的なコロナ禍の収束が見られず延期。同町がエ号遭難期日の9月16日に営んでいる月命日の大祭を同事業の陸上追悼式典へ昇格させ、町内の各代表者の数を最小限に絞り町外の各代表者はインターネット経由で参列する形で営む方向で再度調整を進めてきた。
式中の音楽は参列する予定だった海上自衛隊呉音楽隊が収録した音源を使用。黙とうや国歌斉唱、東京ジャーミィ・イマームによる礼拝に続き、日本・トルコ協会総裁を務める三笠宮家の彬子(あきこ)さまは「両国をオンラインでつなぎ、同じ時を共有し共に祈る機会を持てたことは友好の歴史に刻まれる特別な出来事になるでしょう。この大切なひとときを胸に深くとどめ、両国の友好の歴史が途切れることなく紡ぎ続けられることを祈る」とおことば、一時帰国で列席ができなかったハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使は同碑に眠る将士の礎が世界で類を見ない友情を生むきっかけになっていることを振り返って「同じ場所に集うことがかなわずとも先人たちから引き継いだ友情を胸に心と気持ちはともにある」「真心と義理人情の上に育まれたトルコと日本の友情が人間社会の最も価値ある宝物として輝き続ける事を確信する」とビデオレターをそれぞれ寄せた。
町内各代表者が碑前に献花し同碑に根付いている追悼歌(演奏)をささげた後、田嶋勝正町長は「この地で殉難将士のみ霊をお守りし史実と助け合う心の大切さを語り継ぎ、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きるわれわれの使命。両国の絆が今以上に発展していくことを心より祈念する」と式辞を述べて締めくくった。
感染症予防の一環で一般参列の自粛を求める一方、式典はテレビ和歌山に依頼し動画サイト経由でライブ配信。両国を含め参列できなかった人々に様子を伝えた。
町内から代表参列した各代表者は田嶋町長夫妻、同町議会の結城力議長、樫野区の高山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長、同町トルコ文化協会の伊藤アイシェギュル代表の計7人。
(2020年9月18日付紙面より)
清原造園が石張り施工奉納 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で先月20日から施工が進んでいた参拝所の石張り工事が完了した。16日に奉納奉告祭が営まれ、上野宮司が石張りを施工した清原造園(新宮市王子町)の清原利一代表に感謝状を手渡した。
同大社は1883(明治16)年、花火火災により社殿が焼失し、その後仮殿が再建。戦後、1952(昭和27)年から67(昭和42)年にかけて社殿が再建されている。
参拝所はモルタルで施工されており、当時は群青色だったが、施工から約50年が経過していることから経年劣化により変色やひび割れがあったという。
このたびの施工奉納は、今年7月に同大社境内にさざれ石と顕彰碑、および拝殿補強柱施工を奉納した株式会社R.LinkCorporationの椋野玲史・代表取締役会長の提案を受けたもの。
清原造園3代目である清原代表は、21(大正10)年の創業以来、今年で100年を迎えることや日頃の感謝を伝える機会にと工事を快諾。奉納に至った。
完成した参拝所は、拝殿と合わせて白い御影石を使用。これまで木製だったスロープも滑らないよう石に加工を施し新調した。清原代表と息子の勇一(はやかず)さんも自ら施工に当たった。
奉納奉告祭を終え、清原代表は「当社にとって創業100年の記念の年に奉納させていただき感謝しています」。
上野宮司は「立派な石張りに感謝しています。また、3代目である代表と4代目を担うご子息が自ら施工する姿に感動しました」と感謝。
鎌倉時代に制定された「御成敗式目」の第一条より「神は人の敬によりて威を増し 人は神の徳によりて運を添ふ」を引用し「一生懸命ご奉仕いただいた。私たちもこれからも一生懸命祈りをささげたい」と話していた。
(2020年9月17日付紙面より)
ドライブスルー方式で検討
新型コロナウイルスに対応するため、新たに「紀南地域検査センター」を設けてドライブスルー方式でPCR検査を実施する計画が発表された。詳細は検討中だが紀南医師会が医師、紀南病院が職員を派遣して月~金曜の午後1時から3時まで運営する。かかりつけ医の紹介が必要で、1日12人が限度という。
県の委託事業として計画され、14日に開催された紀南病院組合議会(下克彦議長、議員11人)の全員協議会で説明があった。
協議会では10月1日(木)開会予定の同院組合議会定例会の議案などを話し合った。定例会議案は手数料条例、補正予算、令和元年度病院事業会計決算の3議案。病院管理者の大畑覚御浜町長は「コロナの終結が見通せず、新たな対応を検討している。病院の経営健全化にも意見を賜りたい」と述べ、議員各位の協力を要請した。紀南病院ではコロナ患者専用として4床を用意している。
また、事務局が病院経営の7月までの現況を説明。それによると事業収益は12億3081万円で昨年比13・3%(1億8900万円)の減。うち入院収益は6億6212万円で同17・1%(1億4330万円)、外来収益は2億8176万円で同12%(3860万円)の減となった。
コロナ感染症の影響で、患者自身が不要不急の診察を自粛する傾向が見られるという。きなん苑は1545万円で51%(522万円)の増だが、全体で前年度に3億7000万円の赤字があり、依然として厳しい経営が続いている。
(2020年9月17日付紙面より)
機会提供受け明神小児童ら (古座川町 )
古座川町立明神小学校(速水和美校長)の5、6年生らが14日、大柳区内にある水田で稲刈りに挑戦した。同区の北裏説朗区長(64)が提供した機会で、児童は鎌で刈った稲をさがりに掛けるまでの流れを体験した。
北裏区長は明神地区区長会長として同校の学校運営協議会委員に着任。母校の今に触れる中で児童が稲作の経験をしていないことを知り、半ばからの経験となるが自分の水田で稲刈りを体験することを2カ月ほど前に提案した。
町内の他2小学校は地域の協力を得て長年稲作に取り組んでいて、自然豊かな環境にありながら唯一できずにいた同校は喜んで体験を希望。初となるため児童を代表して5、6年生が代表して北裏さんの水田を訪ね時間が許す範囲で挑戦した。
切れ味はそれなりだが刃のかかりがいいのこぎり鎌の使い方を教わった児童は前半、先生の応援を得ながら0・5㌃ほどを刈り取り。水分補給と休憩を挟んで後半は天日干しに適した向きを自分たちで考えてさがりを組み、刈った稲をわらで縛ってさがりに掛ける流れをこなした。
草刈りを手伝ったことはあるが稲刈りは初めてという小柳怜生君(6年)は「刈る時の足の置き方や刃の向きを変えてみるとかを教えてもらい、それが分かってみんなで楽しくできたのでよかった」とコメント。北裏さんは「まずは稲刈りの楽しさを持ち帰ってもらったらと思う。その楽しさの一方にはイノシシやサルの食害もあったりする。どうしてそうなるのかなど、稲作をさらに考えるきっかけにしてもらえれば」など学びの発展を児童の今後に期待した。
北裏さんは刈り取った稲を精米し、学校給食米として同校に送るそう。品種はもち米「もちみのり」だそうで、速水校長は「赤飯にして味わえればと考えています。稲刈りといっても、その作業には農家の皆さんのいろいろな知恵が詰まっていて、今日は児童はとてもいい経験をさせていただけた」と話し、今年は半ばからとなったが来年は田植えからと北裏さんに願いつつ提供に感謝していた。
(2020年9月17日付紙面より)
ウオータースライダー (太地こども園 )
太地町立太地こども園(森尾扶佐子園長、園児68人)の芝生で15日、今夏最後のウオータースライダーごっこがあった。4、5歳児35人が豪快に坂を滑って水に飛び込み、笑顔をはじけさせた。
新型コロナウイルス感染症による自粛生活の中で子どもたちにストレスがたまっているのではと案じた教職員たちが、大好きな水遊びで思いっきり発散してもらいたいと企画。普段は芝滑りをしている坂にブルーシートを敷き、水を流して自作のウオータースライダーを完成させた。
水着姿の園児たちは、最初に専用絵の具でボディーペインティングをし、頬や額、腹などにハートやリンゴの模様を描いて楽しんだ。ウオータースライダーが始まると、「キャー」と歓声を上げながら、寝そべったり友達と数珠つなぎになったりして何回も坂を滑った。
森尾園長は「この夏、晴れた日はほとんど毎日ウオータースライダーで遊んだ。思った以上に喜んでくれてうれしい。坂を何十回も登って滑るので、降園時のバスの中や夕飯前に寝てしまう子もいる。体も鍛えられ、プールで顔を水につけられるようになった子もいた。新型コロナさえなければ、学童の子どもたちも呼んで一緒に遊ばせてあげたい」と話していた。
(2020年9月17日付紙面より)
「救急の日」街頭啓発 (那智勝浦町 )
「救急の日」(9月9日)に合わせ那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は9日、同町朝日のエバグリーン勝浦店と天満のAコープなち店で街頭啓発を実施した。消防職員や新宮保健所の職員8人が参加し、買い物客らに熱中症や感染症対策の重要性を呼び掛けた。
救急の日は救急医療関係者の意識高揚と国民の救急医療に対する理解と認識を深める目的で1982(昭和57)年に定められた。この日を含む1週間(今年は8~14日)は救急医療週間とし、全国でさまざまな啓発活動が行われている。
エバグリーン勝浦店では啓発用のビラやばんそうこう、心肺蘇生法の手順が書かれたカードなどを配布しながら丁寧に声掛けした。
同本部によると、今年1月1日から8月31日までの熱中症による救急搬送件数は10件で、昨年同時期と比較し1人減となったという。
救急搬送については多い時で1日8件で、ここ数年間では年間約1000件に上ると説明。救急車の適正利用も呼び掛けている。
関谷善文・消防署長は「今年は梅雨が長く、暑さの厳しい時期が比較的に短かったが、その短い期間中に気温が高かった。そのため、例年同様に熱中症による搬送があった」。
また、高齢者や子どもが重症化する確率が高いとし、「室内での事例も多いため、冷房をかけて換気を行い、普段から暑さに気を付けてほしい」と語った。
同本部では普通救命講習Iの受講者を募集しており、5~10人程度から受け付けている。問い合わせは那智勝浦町消防署救急係(電話0735・52・4900)まで。
(2020年9月11日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会が手作り (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)が同地区の津波一時避難場所近くの高台で建設を進めていた防災備蓄倉庫が完成した。今後は柵や看板を設置するなど周辺整備を進め、完成式も計画している。倉庫への避難路改修は町が取り組み、避難しやすい環境を整える。
「大災害時の死者ゼロ」を目指そうと、2年前に計画。海抜約30㍍にある町有地を借り、材料費は三重県の森と緑の県民税(現・森林環境贈与税)の助成を受けた。町の前向きな協力も得て建設に至った。
人件費を削減しようと住民自らが立ち上がり、昨年6月から自主防災会が中心となって進めてきた。伐採や草刈りなど1年がかりで土地を整備。地盤改良や基礎工事などは専門業者に依頼し、6月21日の棟上げ後は、住民が集まり作業に汗を流してきた。
倉庫は木造平屋建ての約26坪。収納スペースや土間、仮設トイレ2基、物置を整備した。住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。維持費削減のため電気、ガス、水道は設置しなかった。
同自主防災会には約330世帯が所属。地震津波、水害に備え、高台の3カ所に一時避難場所を整備しており、倉庫は矢渕中近くと町福祉センター近くの各一時避難場所の中間にあり、災害時には両避難場所から遊歩道を歩いて向かうことができる。
森倉組長は「住民の皆さんのおかげで、予定より2カ月早く完成した。張り切りすぎて腕を痛めてドクターストップがかかるほど頑張ってくれた人もいた。皆さんに感謝です」と話していた。
(2020年9月11日付紙面より)
高池小5年、稲刈りに挑戦 (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の5年生11人が9日、同町池野山にある水田で稲刈りに取り組んだ。
同校の歴代5年生が取り組んでいる稲作体験(通称・米米クラブ)の一環。本年度の5年生は新型コロナウイルスに伴う学校の臨時休業で第一歩となる田植えができなかったが、10年余り水田提供などの協力をしている淡佐口幸男さんら世話役は「収穫の頃には状況も変わって稲刈りはできるだろう」と信じて田植えの代行を同校に提案。喜んだ大畑校長ら先生も応援に駆け付けて実行し、草引きなどの中間管理も世話役で引き受けて5年生が稲刈りに挑戦できるチャンスをつないだ。
児童数減に伴い6年生が応援する形がここ数年の定番となっているが、今回は5年生だけで挑戦。人手不足を補うため世話役の淡佐口さん夫妻や奥根公平さん夫妻、中根和夫さんも手伝い、広さ1・5㌃の水田を一丸で刈り取り稲をさがりに掛けて作業を終えた。世話役が植えたのはもち米「かぐらもち」の苗。大畑校長によると、本年度も若干虫害を受けたが例年並みの収量を見込んでいるという。
同体験は田植えから精米まで挑戦するのが例年の流れで、5年生は18日(金)ごろに淡佐口さんの機械を借りて脱穀と精米に挑戦する予定。
(2020年9月11日付紙面より)
高田小学校で読み聞かせ (新宮市 )
新宮市立高田小学校(大家淳志校長、児童11人)で10日、ブックタイムがあり、児童たちが学校司書の川野真由子さんと下村恵美さんのお気に入りの絵本や英語の絵本を楽しんだ。
同校に学校司書が訪れる機会を利用し、児童がより発展的に本の世界に浸れる時間をつくろうと昨年度から始まった取り組み。現在は月2回開かれている。
この日は同校が取り組む小中連携と英語学習も兼ね、高田中学校の英語教諭・塩﨑恵美さんも参加した。塩﨑さんは英語で“Bear(クマ)”“Squirrel(リス)”“Flower(花)”の単語を教え、絵本「Flower Trail(はなのみち)」を読み聞かせた。
児童は静かに「オニのサラリーマン」や「あたしのすきなもの、なぁんだ?」の物語に聞き入り、読み聞かせの後は自分で好きな昆虫図鑑や絵本を選んで自由に読んでいた。
(2020年9月11日付紙面より)
串本太地道路用地幅杭設置式 (那智勝浦町 )
国土交通省近畿地方整備局と和歌山県などは5日、那智勝浦町体育文化会館で、紀伊半島を一周する幹線道路計画の一つである「一般国道42号 串本太地道路」の用地幅杭設置式を開いた。式典には二階俊博自民党幹事長や仁坂吉伸県知事、田嶋勝正串本町長、三軒一高太地町長、堀順一郎那智勝浦町長など近隣市町村の各首長をはじめ関係者約150人が出席した。
紀伊半島を一周する高速道路ネットワークの一部を構成する串本太地道路は、2018年度に事業化。災害時の交通確保や救急医療活動・広域周遊観光の支援を目的とした全長18・4㌔㍍の自動車専用道路となっている。
今年3月には串本町と那智勝浦町の一部地域で道路の用地取得に必要な幅杭の設置を、4月には用地の買収に着手。8月には古座川町で幅杭の設置が行われたという。
門博文国交省大臣政務官は「紀伊半島一周の夢が近づいてきた。全線開通を目指し事業を推進していきたい」。
仁坂知事は25年に開催予定の大阪・関西万博や、串本町に建設されるロケット発射場においても同道路が重要であるとし「道路の完成は地元が発展の絵を描ける。用地取得がスムーズにいくように皆さまのために協力していただきたい」とあいさつした。
二階幹事長が「待望だった串本太地道路の式典が開けたことは夢のような気持ち。遅れている和歌山から進んでいく和歌山とするためにも、県全体を盛り上げていきたい。用地交渉においても担当する地元の成果が必要となる。私も和歌山へ観光客や商売の方々をこちらへ呼び込んでこられるような努力をしていきたい」と祝辞を述べた。
続いて、館内に設置されたモニターに、関係する3町の事業者や園児などが式典に対し応援のメッセージを贈る姿が映し出された。その後、各来賓らが幅杭の前に立ち、一斉に木槌で杭を打ち込んだ。
「がんばろう三唱」では、新型コロナの防止のため関係者は声を出さず、堀町長の掛け声に合わせて手を突き上げるポーズを取り、早期完成への士気を高めた。
式典終了後、二階幹事長は「高速道路の紀伊半島一周は皆さまと共に叫び続けてきたこと。スムーズなゴールを迎えるためには協力と、完成させるという雰囲気が必要になる。立派に完成させたい」と意気込みを語った。
(2020年9月8日付紙面より)
熊野川河口大橋記念碑の除幕式 (紀宝町 )
熊野川河口大橋記念碑の除幕式が5日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷であった。自民党の二階俊博幹事長、鈴木英敬知事、国土交通省の吉岡幹夫道路局長、莊司健町議会議長、同省近畿地方整備局の溝口宏樹局長、架橋虹の会の福本稔夫会長、田岡実千年新宮市長、同町の西田健町長がくす玉を開披し、記念碑の建立を祝った。
記念碑は高さ190㌢、幅330㌢。同町鵜殿の熊野川河口大橋建設現場近くに建立した。碑銘の「熊野川河口大橋」は二階幹事長が揮毫(きごう)し、官民一体で架橋に取り組んできた歴史が刻まれている。
2002(平成14)年7月、新宮市の住民団体「海岸道路の建設を促進する会」、翌年7月に旧鵜殿村の住民団体「架橋虹の会」が発足し、河口大橋建設を求める動きが活発化した。04(平成16)年3月には行政、議会が参画し、官民共同による「熊野川河口に橋を架ける会」を組織。架橋に向けての機運が高まり、熊野川河口大橋を含む新宮紀宝道路が13(平成25)年度に事業化された。
河口大橋は紀宝町と新宮市を結ぶ全長821㍍。同町側では昨年8月から3基の橋の下部工事に着手し、今年8月末に完成。7月から上部工事に取り掛かっている。
式典には藤根正典、谷川孝栄両三重県議、濱口太史和歌山県議、紀宝町議ら約40人が出席。西田町長が「熊野川河口大橋は地域の物流、観光、産業、経済、災害時に重要な『命の道』と『地方創生の道』。完成した際は地域のみんなで喜び合えるようにしたい。記念碑を保存し、皆さまのお力添えを後世に残していきたい」とあいさつした。
二階幹事長は「ふるさとは住む人が中心になって築き上げていくもので、われわれが頑張らないといけない。これからも大橋を中心に、われわれの地域が大きく飛躍するよう頑張ろう」、鈴木知事は「河口大橋が一日でも早く実現するようしっかり努力したい。今日という日を歴史に刻み、明日へとつなげていきましょう」とそれぞれ祝辞を述べた。
閉式後、二階幹事長らが記念碑を訪れ、河口大橋の進捗(しんちょく)状況も確認した。
式典は記念碑前で6日に予定していたが、台風10号による悪天候が予想されたため屋内での開催となった。
(2020年9月8日付紙面より)
少年少女発明クラブ開講式 (新宮市 )
新宮市役所別館で5日、令和2年度市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)の開講式と第1回講座が開かれた。本年度は現時点で15人が参加し、講座を通して楽しく学んでいく。
少年少女発明クラブは全国各地にあり、県内では10市町で活動。講座を通じて、子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、楽しく自由な発想でさまざまな制作、野外活動に取り組んでいる。式は当初、4月に行われる予定だったが、新型コロナウイルスの影響から緊急事態宣言で学校が休校を余儀なくされたことなどに伴って開講を延期。本年度については来年3月まで全7回の講座を実施する。
開講式で瀧野会長は「本来は12回にわたって開催を予定していましたが、コロナウイルスのため遅れてしまった。できる限り休まずに参加してほしいと思います。感染症対策を意識しながらも、楽しく取り組んでください」とあいさつし、発明バッジを参加者に授与した。
第1回講座では近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部の1、2年生8人がマイナス196度の液体窒素を使った実験を披露。児童は部員たちに教わりながらバナナやスーパーボール、花などを固めて、くぎ打ちや跳ね具合を確認した。
山本望心君(10)は「これまで実験の経験はあります。興味もあるので、これから楽しみ」。赤木幸仁君(10)は「実験は初めて。めったにない機会なので、いろんな実験に取り組みたいです」と話していた。
定員の20人まで若干の余裕があり、市生涯学習課では参加者を募集している。問い合わせは同課(電話0735・23・3333)まで。
(2020年9月8日付紙面より)
和田禎祐杯サッカーU―10
写真集「熊野修験」を発刊 (世界遺産熊野本宮館で写真展も )
三重県出身のフリーカメラマン、森武史さん(62)が写真集「熊野修験」を月兎舎より出版した=写真。B5横長判並製140㌻(カラー120㌻、モノクロ20㌻)。発刊に当たり1日、森さんと那智山青岸渡寺の髙木亮英副住職が田辺市本宮町の「世界遺産熊野本宮館」で会見を開き「写真集の発刊は皆さまのご尽力と神仏のご加護のおかげ」と感謝を述べた。
写真集は、1988(昭和63)年、髙木副住職が熊野修験を再興してから33年の節目を記念するもの。
約1300年前に役行者(えんのぎょうじゃ)によって開かれ、各地の霊場へと広がっていった修験道。中でも那智の滝や大峰山脈を有する熊野は日本第一霊験所として多くの山伏が修行に訪れ、全国各地へ熊野信仰を広めていった。しかし、1872(明治5)年、廃仏毀釈(きしゃく)の世情の中、修験道廃止令により熊野修験も途絶した。
髙木副住職は父・亮孝氏(青岸渡寺第7世大僧正)の遷化の際、遺品の中に山伏装束を発見。亡父の遺志が熊野修験の再興であったことを知り、父への追善供養と自らへの使命感から再興を決意した。
髙木副住職は1988(昭和63)年、大峰山脈の南奥駈ルートを整備していた「新宮山彦ぐるーぷ」の力を借り大峯奥駈修行を、92(平成4)年に那智四十八滝回峰行、94(平成6)年に葛城二十八宿修行を復活させた。
2001(平成13)年当時、熊野古道を撮影していた森さんは、髙木副住職に大峯奥駈道の案内を依頼したことをきっかけに修験道の精神性に引かれたという。「髙木副住職の功績を残したい」との思いから修行に同行することになり、以降約20年にわたり山林抖擻(とそう)する山伏らの姿を撮り続けた。
完成した写真集を前に森さんは「ぜひ手に取ってもらって山伏の自然に対する思いを感じ取ってほしい」。
髙木副住職は「迫力がひしひしと感じられる。一コマ一コマが思い出深い。熊野修験を後世に残す意義深い本だと思う」と述べ「目に見えない、言い表しがたいものが熊野三山にはある。人それぞれに応じた霊験や癒やしを求めて多くの人がやってくる。これからも多くの人に来ていただき、熊野の大自然を感じ自己を見つめていただければ」と話していた。
写真集は本体価格2500円(税別)。発行部数は2000部で、大阪、京都府、和歌山、奈良、三重県の主要書店や月兎舎ホームページ(https://www.i-nagi.com)、楽天ブックスやAmazon(アマゾン)などで購入可能。
また、今月30日(水)まで、同館北棟展示スペースで再興三十三周年記念写真展「熊野修験」を開催している。開館は午前9時~午後5時。
(2020年9月3日付紙面より)
高田小・中が稲刈り (新宮市 )
新宮市立高田小・中学校(大家淳志校長)の児童生徒18人と教職員は8月31日、地域住民らと総出で学校田「たか田んぼ」の稲刈りをした。
同校伝統の取り組みで、子どもたちに農業の喜びや苦労、地元の自然の大切さを知ってもらうことが目的。2015年に育友会の溝口亮会長らの呼び掛けで米作りを復活させ、今年で6年目となる。
例年は教職員が稲刈りの手順を教えるが、今年は小中合同の縦割り班を作り、中学生が鎌の使い方や稲わらの結び方を教えた。児童生徒は互いに声を掛け合い、こまめに水分補給をしながらずっしりと実った稲穂を刈り取った。今年はシカやサルの食害もあったが、地域住民らも無事に収穫を迎えて喜びを分かち合った。
久保凜花さん(中1)は「今年は中学生が稲刈りを教えるということで、責任感が強まった。小学生の子たちはすごく活躍してくれた。去年に比べて稲が大きく育ってくれ、香りも強い気がする。今から新米を食べるのが楽しみ」と語った。
収穫した稲穂は新高田会館前の歩道の柵で乾かした後、脱穀作業をする予定にしている。
(2020年9月3日付紙面より)
「緊急警戒宣言」解除受け (紀宝町 )
三重県は8月31日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため県独自で出していた「緊急警戒宣言」を解除した。これを受けて紀宝町社会福祉協議会は、1日をもって分散勤務を終了し、神内福祉センターへの外部立ち入り禁止も解除した。今後もマスク着用や手指消毒、3密回避といった対策を継続する。
神内福祉センター内の子育て支援センターも1カ月ぶりに再開し、初日から親子が遊び場に参加した。淡海順子センター長は「親子で安心安全に利用していただけるよう、マスク着用や手指消毒はもちろん、おもちゃを滅菌庫で消毒したり、空気清浄機を設置したりもしています。残暑が厳しい中ですが、育児の息抜きに遊びに来てください」と呼び掛けている。
新型コロナに対応した事前行動計画(タイムライン)を運用している紀宝町も町独自の「緊急事態宣言」を解除。熊野市、御浜町など近隣市町で14日以上感染者や濃厚接触者が確認されていないことから、タイムラインのステージを4から3に引き下げた。町では引き続き感染予防啓発に取り組み、週1回の対策本部会議で各課の対応を確認していくという。
(2020年9月3日付紙面より)
全署規模で災害警備訓練 (串本警察署 )
串本警察署(﨑口忠署長)が2日、総合災害警備訓練に取り組み要領習熟と意識高揚に努めた。
この訓練は、県警察本部が部内奨励する「災害に備える日」(毎月5日)の活動の一環。普段は署内各部署またはその連携の範囲で取り組む形が定着しているが9月は関東大震災(1923年9月1日発生)にちなむ防災の日を軸とする防災週間によりいっそうの意識高揚が全国規模で求められる状況があり、同署も例年この訓練を計画し全署規模で取り組んでいる。
本年度計画した訓練項目は▽徒歩と車両による警察官の緊急避難訓練〈庁舎から代替指揮所まで〉▽簡易レッカーによる放置車両排除訓練▽信号機滅灯対策訓練―の三つで、当日は訓練開始まもなく強い雨が降り出したが、一部内容を変更しながら有事は荒天もありとして対処し﨑口署長ら署員20人と大水崎避難路の使用時にまたぐ線路上の安全確保などで協力したJR串本駅の三輪順平駅長ら駅員5人が臨んだ。
緊急避難訓練は海抜約3㍍にある庁舎から同約54㍍にある同所まで署員と車両を速やかに上げて事後対応につなげる(警察機能を被災で損失させない)ことを目的とした定番の項目。車両排除訓練は簡易レッカーの要領習熟を目的とした新規項目で、今回は軽四輪貨物自動車(トラックタイプ)の四輪に簡易レッカーをはめて4人がかりで押し動かすまでの流れを実践した。
信号機滅灯対策訓練は国道42号西向信号交差点を実際に滅灯して実施。警察官が素養として身に付けている手信号で交通誘導を実践した。
全体指揮を務めた同署交通課の楠間慎也課長は「いつ起こるか分からない災害に対する心の準備を常に持ち、今後も継続的に訓練に取り組んで避難対策や応急対策を高めていきたい」とコメント。
同訓練を見届けた﨑口署長は「警察には住民を救助する責務があり、それは訓練を重ねないと円滑に発揮しがたいものでもある。この訓練を通して不備や支障があれば今後検討し、災害に備えてほしい」と署員の今後を期待した。
(2020年9月3日付紙面より)
もみじ会、8月ゴルフコンペ
王子サッカー教室監督・大谷康央さん