熊野修験再興後に初 (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の行者堂で、成田瀧英(りゅうえい)さん(51)が、山伏として護摩焚(だ)きを許される加行(けぎょう)満行を果たした。熊野修験再興後、女性では初。24日の月例護摩供では、成田さんが初めて護摩焚きを厳修した。
成田さんは修験道の世界に足を踏み入れたきっかけについて「ご縁あってのこと」と語る。1972年に秋田県で生まれ、仕事のために東京都板橋区熊野町へ上京。熊野権現を勧請(かんじょう)した熊野神社の近くに住んでいたことから、当地方の熊野三山を訪れた。
海と山が近く、水の循環が体感できる熊野の自然に魅せられ、神秘ウオークやあげいん熊野詣で何度も何度も通い詰めるうち、先輩の山伏たちとの出会いで、かつて神仏習合の一大修験道場であった那智山の歴史や宗教観に触れていったという。
2018年の大峯奥駈修行の「春の峯入り」で初めて鈴懸の山伏装束を身に着け、22年には得度して剃髪(ていはつ)。山林抖擻(とそう)や那智四十八滝回峰行、写経、読経などの修行を積み、昨年10月に150年ぶりに再建された熊野修験の根本道場「行者堂」で加行を積んだ。
多くの人々の支えを受けて修行を積んできた成田さん。「山からお力を頂き、里に下りてきた時に皆さまにお分かちすること、神仏と人をつなぐのが山伏の役目。今後はさらに利他行に努めたい。そして、日本第一霊験所である那智山のこと、熊野修験のことを多くの人に伝えていきたい」と話す。
熊野修験の大導師である髙木住職は「昔は女人禁制の聖地が多い中、熊野は浄不浄や性別、身分を問わずにあらゆる人々を受け入れてきた。熊野で修行をした山伏が先達として人々を導き、熊野比丘尼(びくに)として信仰を広めた女性たちもいた。この地で成田さんが厳しい修行を積まれ、加行満行されたのは非常に意義深
いこと」と語り、今後の活躍に期待を込めていた。
(2024年2月28日付紙面より)
第11回フェスタ講演会 (南紀熊野ジオパーク )
第11回南紀熊野ジオパークフェスタの講演会が24日、串本町潮岬にある同パークセンターであり69人(主催者発表)が聴講しエリア内の魅力を再確認する一助にした。
本年度のフェスタの前半となる企画。盛りだくさんのブースなどと講演会の両方をじっくり親しみたいという声に応え、今回は講演会と式典・各種ブースを別日に設定し、前後半2日間として来場を呼びかける内容としている。
今回は11年目を迎えていま一度初心を振り返るという趣旨でこの講演会を計画。講師は和歌山大学(紀伊半島価値共創基幹災害科学・レジリエンス共創センター)の客員教授・後誠介さんで、「今改めて、南紀熊野ジオパークの魅力は!」と題して登壇した。冒頭で①熊野の霊場を育んだ大地②安らぎの景観・驚きの景観③きらめく紀州路④紀の国・温泉の謎を解く―の4点を論旨として掲げ、①では熊野古道大雲取越えの道中にある丸石、那智大滝、神倉神社のゴトビキ岩、熊野川の御船島(みふねじま)、古座川の河内島(こうちじま)、交通の難所として知られる三重県尾鷲市~紀伊木ノ本間、一枚岩や虫喰岩(むしくいいわ)や橋杭岩などに順次着目し、これらは総じて熊野酸性岩が織りなす造形であると紹介。元となった熊野カルデラ火山は隆起と風化などで山体がなくなり、現在は地下1000~2000㍍でできた熊野酸性岩が露頭している状態だとした。
②では安らぎを感じさせる志原海岸と驚きを感じさせるフェニックス褶曲(しゅうきょく)などを対比し、付加体と前弧海盆堆積体の見え方の違いを示唆。③ではヤッコカンザシの遺骸や丘陵部に海岸の砂利が乗っている状況から大地の隆起を捉え、さらに海面上昇・下降が絡み合って現在の景観が形作られている状況④では同パークエリアの温泉水の大部分が雨水と地下から上がってくる熱流体が混ざることで作られ、雨水は放射性水素年代測定で100年以上前の降水に由来することが分かっていてそこに価値があると解説するなどした。
(2024年2月28日付紙面より)
相野谷小中が防災学習 (紀宝町 )
紀宝町立相野谷中学校(矢田哲也校長)と相野谷小学校(竹本和拡校長)は26日、人権・防災学習を同町高齢者生産活動センターなどで行った。中学1年生8人と小学5、6年生16人が地域住民と共に校区内の平尾井地区を防災の視点を持ちながら歩き、全3回の学びで得たことを発表した。
2021年度から小中合同で取り組んでおり、地域の特徴や災害時の危険箇所を点検して防災マップを作り、安全に避難する手段を身に付けるとともに、地域の一員として自分にできることを考えるのが狙い。三重大学大学院工学研究科准教授の川口淳さんを講師として迎えている。
児童生徒は4班に分かれて1月にタウンウォッチング、今月6日に防災マップを制作しており、この日は学習のまとめとして地域住民や学校運営協議会、保護者に参加を呼びかけ、同じコースのタウンウォッチングと学習発表会を行った。
センターを出発した児童生徒は1月の点検で調べたことを住民に説明。住民からも紀伊半島大水害の被害を聞きながら地区内を歩いた。センターでは川口さんが地域の特性を踏まえ、災害時に気を付けることなどを解説。能登半島地震にも触れた上で、「災害のメカニズムは二つで、自然、そして社会の脆弱(ぜいじゃく)性(ハード、ソフト)が起こす」と指摘。学習ではハード、ソフト両面を学んだとし、「誰がどこで何をできるかを常に見つけてほしい」。地域全体に向け、「若い人は少ないがいる。子どもたちもいずれ出て行くかもしれないが、故郷に年に何度かは帰ってくる。能登は帰省していた若い人が力になった。子どもたちを大切にしてほしい」と呼びかけた。
学校運営協議会の西村喜久男会長は「大人の視点では気付かないことに気付けた。高齢化が進むが、皆さんと連携し防災減災に努めたい」と話した。
(2024年2月28日付紙面より)
火災予防兼ね、住民らも感謝 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の旧宇久井海水浴場の堤防で26日、草刈りがあった。カミジ技建株式会社の社員7人が区役員や地域のボランティアに協力し、町道フェリー港線沿い175㍍の生い茂ったススキやセイタカアワダチソウを刈り取り、トラックへ積み込んでいった。
以前は沿線住民が草刈りや剪定(せんてい)、犬のふん対策の注意看板設置などの環境美化に取り組んでいたが、高齢化によって活動が困難に。区や住民ボランティアによる草刈りやクリーンセンター搬入、裁断焼却にも大きな労力を要し、難航していた。
町内では今年、4件の火災が相次いで発生しており、地域住民から「もしたばこのポイ捨てでもあれば、枯れたススキにすぐに燃え広がってしまう」と懸念する声が上がっていたところ、宇久井の旧フェリーターミナルで新宮港港湾施設整備工事の消波ブロック製造を請け負うカミジ技建が協力を申し出た。
宇久井区の土井正治総区長は「過去には堤防の排水用の溝が詰まって浸水被害があったことも。住民生活のため、定期的な草刈りや溝掃除は重要。地域貢献ということで協力が得られてありがたい」と感謝を述べていた。
3月2日(土)には、株式会社夏山組が側溝の排水不良に伴う泥上げの奉仕活動を行う予定だ。
(2024年2月28日付紙面より)
神戸大学卓球部が合同合宿 (那智勝浦町 )
県下小学生バレーボール新人県予選大会
第13回新宮市伝統芸能大会
新宮市伝統芸能大会が25日、市文化複合施設「丹鶴ホール」で開かれ、11団体が日頃の成果を披露、会場から大きな拍手が湧いた。
13回目の今年は▽哲泉流日本吟詠協会紀州支部連合▽井谷豊優扇会▽熊野曼荼羅(まんだら)太鼓▽関西吟詩文化協会 華城会▽正派若柳流美栄の会▽西川流友華会▽西川流友千恵会▽藤紀和会▽哲泉流南紀清流▽若柳流若吉会▽坂東流柳蛙会―が日舞や詩舞、詩吟、力強い和太鼓演奏を繰り広げた。
市と市伝統芸能大会実行委員会(委員長=藤紀実美・藤紀和会家元)が主催。速水盛康教育長が「丹鶴ホールで伝統芸能を披露していただけることを楽しみにしている。温かいまなざしで堪能し、和やかにお過ごしください」とあいさつした。
西川流友千恵会の華麗な舞で幕を開けた。各団体が舞台に立ち、和服姿の出演者が優雅な立ち振る舞いで花を添えた。
有志による「正調新宮節」の踊りに続き、最後は熊野曼荼羅太鼓が「お祭り新宮節」「黒潮囃子(ばやし)」を演奏した。
ホール1階のホワイエでは、茶道表千家流音無会(築紫充代会長)による呈茶の振る舞いもあった。
(2024年2月27日付紙面より)
こども航空教室を開催 (新宮市 )
新宮市が主催し、市と包括連携協定を結んでいる明治安田生命保険相互会社が協賛する「親子で学ぶ! こども航空教室」が24日、新宮市役所別館であった。親子連れ14組33人が参加。飛行機が飛ぶ仕組みや客室乗務員の仕事を学んだ。
明治安田生命は日本航空株式会社(JAL)と提携しており、こども航空教室を全国で展開している。新宮市にも提案して実施が決まった。現役のJAL客室乗務員で組織する「JALふるさと応援隊」の森國真世さんが講師を務めた。
森國さんは、JALグループが持っている飛行機の数や種類、国際線で活躍するボーイング787について紹介。飛行機が飛ぶ仕組みについて「エンジンを回して進むと風を受け、翼の上と下の風の速さが変わる。圧力の差により浮かび上がろうとする力で押し上げる」と話した。
羽田や成田にある整備工場についても解説。「タイヤやブレーキやエンジンに不具合がないかを点検する。3~4年ごとにエンジンやシステムを整備、6~8年ごとにシートや内装を外して隅々まで調べる」などと語った。
客室乗務員の仕事も紹介。「パスポートや身分証明書、制服、iPad(アイパッド)などが仕事グッズ。iPadには仕事資料が全て入っている」と述べた。客室乗務員が必ず持っているものとして「秒針付きの腕時計。お客さまの脈を測らないといけない時に使う」と明かした。
参加者に、機内アナウンスに挑戦してもらう一幕もあった。「聞きやすい声で、ゆっくりと笑顔で」と呼びかけ。参加者は指導に従い、森國さんに続いてアナウンスした。
両親と共に訪れた松田莉桜(りお)さん(8)、栞奈(かんな)さん(7)は「楽しかった。飛行機にはまだ乗ったことがないので乗ってみたい」などと話した。
なお会場では、明治安田生命のスタッフによる血管年齢測定なども行われていた。
(2024年2月27日付紙面より)
西向小でキッズシェフ体験 (県調理師会 )
串本町立西向小学校(河田恵美校長)の5、6年生16人が22日、県調理師会のキッズシェフ体験に参加し現役の調理師と一緒に魚の三枚おろしやだし取りなどを経験した。
この体験は、子どもたちに調理の楽しさを伝えるため会員が学校へ赴く形で実施。今回は同会新宮支部の平見一雄支部長と所属する新宮調理師会の里中陽互さん、中畑光史さん、平見輝行さんの計4人がアジのつみれ汁など児童に味わってもらうメニューの食材を持参して訪問した。
5、6年生は魚の三枚おろしを実演で教わり、アジで挑戦。その切り身をたたきにし、ネギと卵黄を混ぜてつみれにした。昆布とかつお節の合わせだしを取り、砂糖やしょうゆ、塩といった調味料を加えて好みの味に調えつみれ汁を調理した。
和食の基本となる調理の体験と並行して、4人は防災食としてサバ缶を使った炊き込みご飯の作り方も紹介。5、6年生はこれら2品と味を調えただし汁で味わううどん、だしを取った後のかつお節で作ったつくだ煮をこの日の昼食とし、それらの味わいを確かめた。
児童の多くが三枚おろし初体験で、今回の経験で魚をおろす自信がついたそう。食後は複数人がだしの取り方も含めて「家でもしてみたいと思った」と感想を発表し、数々の紹介に感謝した。
5、6年生の経験を一調理師として後押しした平見支部長は「料理に興味を持ち、少しでもこういう仕事(=調理師)に就いてくれる人が増えればと思います。今回も息子がつくだ煮を準備してくれたが、食材を無駄にしないことも一緒に教えていけたら」とこの活動に込める思いを語った。
(2024年2月27日付紙面より)
43人が那智山の原生林へ (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山で23日、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)主催の「神秘ウオーク」が始まった。普段立ち入れない神域である那智山の原生林を体験できるとあって、初回には全国から43人が参加し、那智の滝(一の滝、二の滝、三の滝)を巡った。
比較的水量が少ない2~5月限定で、3滝を巡ることができる唯一の企画として人気を博している。今季は3月10日(日)までに5回行う計画。この日は雨天で水量増加が予想されることから、熊野・那智ガイドの会の9人がサポートした。
バス停「那智山」の近くを出発した一行は、表参道を上って熊野那智大社に正式参拝。同じく世界遺産の一部である那智山青岸渡寺や昨年150年ぶりに再建された行者堂へも足を運んだ。昼食を済ませた後に、神域へと足を踏み入れた。手付かずの自然が残る険しい坂を上り、沢を渡って二の滝、三の滝へと向かった。
愛知県名古屋市から友人4人で参加した女性は「山を歩くのが好きで、熊野には以前も来たことがあったけれど、神秘ウオークは初めて。雨を心配していたが、ガイドさんがいて心強い」と話していた。
(2024年2月27日付紙面より)
公務災害防止研修に98人 (新宮市消防団 )
新宮市消防団(中谷健兒団長)による公務災害防止研修「健康づくりセミナー」が18日、市役所別館大会議室であった。団員98人が参加し、運動を通して健康管理への認識を深めた。
東日本大震災や紀伊半島大水害で活動中に消防団員が犠牲となったことを踏まえ、消防団安全対策事業の一環として実施。中谷団長が「消防団が活動する災害現場は精神的負担や危険が伴う。皆さんの能力を発揮してもらうためには健康が大事。研修を通して今後の健康増進につなげてください」とあいさつした。
健康運動指導士でNPO法人日本健康運動指導士会の杉浦資史さん、川村護さんが講師を務めた。
杉浦さんは「全国で80万人が消防団に所属しており、年間1100件以上のけが、事故が起こっている。訓練中の肉離れ、捻挫などが多く、日頃の体づくり、運動によって予防できることがある」と説明。けがなく活動できるよう「毎年、健康診断を受け、日常生活に運動を取り入れてください」と呼びかけた。
団員らは、いすに座ったまま腕、肩、足首、股関節などのストレッチをし、タオルを使ったトレーニングにも取り組んだ。首や腹筋などを鍛える運動に続き、2人一組で体幹トレーニングを実践、全身運動で脳の活性化も図った。
(2024年2月21日付紙面より)
近畿高校サッカー選手権大会
第76回近畿高校サッカー選手権大会の準々決勝が18日、上富田スポーツセンターで行われた。12年ぶり出場の近畿大学附属新宮高校(和歌山3位)が近江(滋賀1位)と対戦。3―1で勝利し、準決勝進出を決めた。
大会には近畿2府4県の代表16校が出場し、17日に開幕した。
近大新宮は1回戦で履正社(大阪第2代表)と対戦。後半2分に先制を許したが、16分に西世愛君(2年)が得点し同点に追い付いた。試合はPK5―4の末、初戦突破を果たした。
準々決勝の近江戦では前半7分に西君のアシストから住川宗正君(2年)がシュートを決め先制。22分に和田尽主将(同)から弓場蒼太君(同)、28分に住川君が再び得点を挙げた。後半31分には1点を返されたものの、リードを守り試合を制した。
準決勝2試合は23日(金・祝)午前10時30分からを予定。紀三井寺公園球技場で近大新宮対初芝橋本(和歌山2位)、同公園陸上競技場で東山(京都1位)対草津東(滋賀2位)があり、午後2時から決勝戦と3位決定戦を行う。
(2024年2月21日付紙面より)
歯・口に関するポスター (那智勝浦町 )
日本学校歯科医会主催の令和5年度歯・口の健康に関する図画・ポスター中央審査会で、那智勝浦町立那智中学校3年の石井沙耶佳さんと同町立市野々小学校1年の湊陽琉君の作品が、それぞれ全国佳作で入賞を果たした。
児童生徒の口腔(こうくう)衛生に関する理解と認識を高める目的で毎年実施しているコンクール。石井さんの作品は和歌山県審査の中学校の部、湊君は小学校低学年の部で最優秀賞に選ばれ、和歌山県代表として中央展に出品されていた。
石井さんの作品は「食べる楽しさを健康な歯と共に」との言葉とともに、自身と祖母が笑顔でスイーツを食べる様子を描いており「甘い物が好き。年を取っても、おいしい物を一緒に食べられたらいいなと思いを込めた」と語る。
いつも使っている黄色い歯ブラシがポイントだという湊君は「毎日朝昼晩と歯磨きをしている」ときれいな歯で笑顔を見せた。同コンクール県審査では市野々小学校2年生の大谷英吉君も入選に選ばれており「虫歯は一本もないよ」と話していた。
(2024年2月21日付紙面より)
紀宝警察署協で委員が
第4回紀宝警察署協議会が19日、同署であった。協議会委員がサポート詐欺を体験、パソコンに表示された「許可」を無造作にクリックしてしまい、詐欺に引っかかった。
サイバー犯罪対策は生活安全刑事課の担当署員が講話。コロナ禍のステイホームで、電子決済、ネットショッピングなどサイバー空間の公共空間化が加速し、スマートフォンによるインターネット利用増加とともに、サイバー犯罪も増えているという。
フィッシングによる個人情報などの詐取、ウイルス感染、偽警告によるサポート詐欺の事例を挙げ「サポート詐欺で警告などが鳴ると、自分での対処は難しい。警告画面は直接電源を切るなどの措置が大事」と伝えた。
協議で森阪剛士署長が昨年の管内概況を説明した。特殊詐欺は前年より2件多い4件で被害総額は約1010万円で、前年より約997万円増加。架空料金請求詐欺2件30万円、還付金詐欺1件約50万円、金融商品詐欺1件930万円だった。「金融機関やコンビニなどを連携した水際対策、高齢者への被害防止を呼びかけたい」と述べた。
交通事故は317件で前年より24件増加。物損事故308件、人身事故9件、死者はなかった。車両単独の自損事故が5割、国道42号での事故が2割を占めた。署では、運転者の緊張感の保持のため「見せる交通指導取り締まり」を強化し、交通安全教室、広報啓発活動を継続するという。
ドメスティックバイオレンス(DV)6件、ストーカー4件、児童虐待15人、高齢者虐待2件あり、児童虐待が前年より10人増加した。少年補導は4件増え8件だった。刑法犯認知件数は59件で、検挙数は51件。窃盗犯が6割以上を占めた。
(2024年2月21日付紙面より)
新宮市長が年頭に指針 (3月議会の提案目指す )
新宮市の田岡実千年市長が今年の年頭所感で、子ども医療費無償化制度の高校卒業までの拡充を打ち出している。実現すれば新宮・東牟婁の6市町村のうち4例目となる。市議会3月定例会での提案を目指している。
新宮市の子ども医療費の無償化は現在、中学卒業まで。厳密に言えば、中学卒業時の年齢となる、15歳となった年度末までとなっている。市自治会連合会から要望を受けるなどの経緯を経て、2017年8月から無償化実施となった。
高校卒業まで拡充されることに期待する声もある。長女が高校1年生となる市内在住の30代女性は「ぜひ(拡充に)なってほしい。高校生にもなると病院に行く回数は少ないけれど、何かあった時に迷わず行けるので、やっぱり違う。早くなってほしい」と話した。
なお、新宮市と東牟婁郡では2月6日現在、太地町、古座川町、北山村が高校卒業まで、厳密に言えば18歳となった年度末までの無償化を果たしている。太地町は12年4月に中学卒業まで、17年4月に高校卒業まで無償化。古座川町は12年8月に中学卒業まで、17年4月に高校卒業まで無償化となった。北山村は10年以上前のため不明とのことだった。
対して、那智勝浦町と串本町は中学卒業まで。無償化となった時期は順に、12年8月からと16年8月からだった。
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年頭所感では、市役所三輪崎支所への常設エコ広場の開設もうたっている。すでに予算も議会の承認を受けている。
常設エコ広場は2月6日現在、旧市内にある市役所第4駐車場の1カ所のみで開設。平日の午前9時から午後4時までスタッフが常駐し、市民が持ち込むごみの分別に協力している。22年10月に開始、問題の発生も特にないという。
(2024年2月16日付紙面より)
被災地へ、広がる支援の輪 (曹洞宗青年会 )
曹洞宗三重県第二宗務所青年会(北知秀会長)の10人が14日、能登半島地震の被災地支援を目的とした托鉢(たくはつ)をした。熊野市から紀宝町にかけて約20㌔を歩き、浄財を募った。集まった募金は被災地に寄付される。
第二宗務所は尾鷲市~紀宝町、北山村の曹洞宗寺院の組合で、青年会は組合に所属する45歳以下の僧侶を基本とした組織。直接、浄財を受け取り、被災地へ寄付することとともに、寄付そのものへの関心を持ってもらうことを願い、初めて義援金目的で計画した。
熊野市木本町の祐福寺を午前10時に出発。托鉢衣を着て網代笠(あじろがさ)をかぶり、鈴を鳴らして協力を求めた。この日歩いた道は、熊野古道「伊勢路」の中でも浜街道と呼ばれ、伊勢神宮より熊野三社を結ぶ参詣の道として、古来より人々の祈りを支えてきた。
住民らは、青年会の思いをくみ、家から外に出て「ご苦労さま」「頑張ってください」などと声をかけ、寄付金を手渡していた。
5時間ほどかけて紀宝町鵜殿の東正寺に到着。北会長は「地域の方々の協力なくして托鉢は成り立たない。たくさんの浄財を頂いたことに感謝しています。今後もつながりを深める活動を続けたい」と話していた。
(2024年2月16日付紙面より)
ロケット応援水槽を展示 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で10日、「串本ロケット応援水槽」=写真=の期間限定展示が始まった。
館内Aゾーンにあるトピックス水槽を用いた趣向。スペースワン株式会社がロケット「カイロス」初号機の打ち上げ日時を3月9日(土)午前11時~正午と発表したことを受け、宇宙と海の違いはあるがそれぞれに自然科学を学んできた仲間として成功を祈り打ち上げを来館者に伝える思いで飼育スタッフの中村公一さんが企画した。
同館のコンセプトに基づき串本の海から宇宙にちなむ生き物を複数種類厳選して採集し準備した。▽名前に「ホシ」が入った生き物(ホシササノハベラ・ホシゴンベ・ミツボシクロスズメダイ・クロホシイシモチ・ホシマンジュウガニ)▽学名が星にちなんだ生き物(サカサクラゲ〈Cassiopea sp.〉・キクノハナガイ〈Siphonaria sirius〉)▽形が星の生き物(アオヒトデ・ムラサキヒトデ・ミナミジュズベリヒトデ)▽宇宙(ソラ)に関係する名前の生き物(ソラスズメダイ)▽その他(サンゴイソギンチャク〈ミツボシクロスズメダイのすみか用〉)―の5グループ構成で、12種類約70点を同時飼育(サカサクラゲとキクノハナガイは水槽内で隔離する形で飼育)している。
加えて地球など惑星を連想させる飾り物と中村さんが「カイロス」を模して手作りした60分の1スケールの木彫りロケットを釣り糸で位置を決めながら浮かせていて、「宇宙の海」で串本の海の生き物が動き回る様子に親しむことができる。
水槽周囲の解説モニターで展示している生き物の特徴も紹介。中村さんは「ロケットの見物客にもご覧いただけたらうれしいが、一番は観光で来たお客さまが展示を通して串本はロケットが打ち上がるまちだと気付いてくれること。そのような応援ができれば何より」とこの展示に込めた思いを語る。
展示期間は3月10日(日)までだが、打ち上げが天候などの事情で延びた場合は相応の延長も考えるという。館内展示で、鑑賞する場合は入館料が必要。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2024年2月16日付紙面より)
太田小で福祉学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)で13日、福祉学習があった。3、4年生7人が美熊野福祉会の施設利用者で全盲の溝本和彦さんから視覚障害がある人の見え方や生活などについて教わった。
学習は、児童がさまざまな人の立場や人生を体験することで、自分たちに何ができるのかを考えて福祉への学びを深めることを目的に行われた。この日は同福祉会と町社会福祉協議会の職員も来校した。
溝本さんは子どもたちを前に「見えない人のことを知ろう」をテーマに講話した。視覚障害の症状には▽全く見えない▽物が半分しか見えない▽望遠鏡を通しているようにしか見えない―など、人によって違いがあると説明。生活の中でさまざまな状況を把握していると述べ「毎日を安心して生活し、いろんなところに行って楽しむ権利があります。みんなが思いやりの心を持って、お互いに助け合うことを忘れてはならない」と語った。
福祉会職員は溝本さんの日常生活に触れながら白杖(はくじょう)や盲導犬、点字ブロック、音響信号機、ガイドヘルパーの重要性を説明。優しく声をかけ、サポートしてあげることが大切とし「みんなの思いやりの気持ちが見えない人に大きな安心感を与えます」と伝えた。
後半には、児童が2人一組になってアイマスクを装着し、全盲の体験や点字学習にも取り組んだ。
下地ひまりさん(3年)は「アイマスクの体験で目が見えない怖さが分かった。その中で溝本さんが生活していることに驚きました。これからは町で困っている人を見かけたら、少しでも助けられるようになりたい」と話していた。
(2024年2月16日付紙面より)
㈱ニチダイ野球部が春季キャンプ (新宮市 )
全国女子ラグビー選手権でトライ (那智勝浦町 )
県高校サッカー新人大会男子の部
宇久井中2年が漁業体験 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(川口徹校長)の2年生17人が14日早朝、宇久井漁業協同組合の協力の下、漁業体験学習に臨んだ。生徒たちは大型定置網(通称・大敷)でクロマグロや旬の寒ブリが水揚げされる様子に大興奮。地元漁師たちと喜びを分かち合った。
宇久井大敷の歴史は1926(大正15)年に始まる。黒潮の影響を受ける好漁場で、ブリやサバ、アジ、サワラなどを主に、四季折々の魚が取れる。48(昭和23)年にはブリの大漁によって宇久井中学校の旧校舎が建設されたとも伝わっている。
漁業とのつながりの深い同校は長年海洋教育に取り組み、地元漁師を講師に、漁業の歴史や漁法、魚種、料理などを生徒たちに伝えている。漁業に関わる人々の苦労や喜びを共にすることで、将来の担い手育成も視野に入れている。
第三十宇久井丸と第三十六宇久井丸に乗り込んだ生徒たちは、明け方の宇久井漁港を出発し、昇る朝日を仰ぎながら沖合約3㌔の定置網へ。網を引き上げると漁師たちから「マグロが入ったーるぞ!」と声が上がり、生徒たちは「え、マグロ?」「どこどこ?」と興味津々で網をのぞき込んだ。クロマグロとキハダマグロは船上ですぐさま活(い)け締めにされ、氷づけにされた。寒ブリ40本、マダイ、アジ、サバなども取れ、生徒たちにカンパチやアカイカの刺し身の振る舞いもあった。
濵仲琥羽さん(14)は「網を引き上げるのは重そうで、すごい仕事だなと思った。マグロが2匹も取れてびっくり。お刺し身がおいしかった」。亀井璃暖さん(13)は「初めて沖へ行って、漁師さんの気分を味わえた。魚を取るのはちょっとかわいそうだったけれど、いつも食べ物を取ってくれていることに感謝している」と話していた。
宇久井漁協の向井誠士・代表理事組合長は「これからいよいよブリのシーズン。漁獲量も伸びてくるはず」と大漁に期待を込めていた。
(2024年2月15日付紙面より)
下里神社、伝統の「御弓祭」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で11日、「御弓祭」が営まれ、町立下里中学校の生徒4人が昔の狩猟の衣装である直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)の勇ましい姿で弓を引いた。災厄や疫病を閉じ込めた的の中央が射抜かれると、見守っていた大勢の地域住民から拍手と歓声が湧き起こった。
祭りは山本宮司の五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災などを祈る神事で始まり、参列者が玉串をささげた後、地元の「下里剣友会」の4人が日本剣道形や基本技を奉納。剣士らが力強く竹刀を振るった。
御弓行事は、境内に設けられた直径102㌢の的を17㍍の距離をおいて射抜く。的の裏には、災厄や疫病を意味する「鬼」の字が書かれている。最初に山本宮司が弓矢で天地を射て、災厄や疫病を的に閉じ込めた。この後、中学生が2人ずつ左右交代して計4本の弓を射た。例年、射手6人と矢拾い2人の計8人務めるが、今年はスポーツ行事などで4人の参加となった。
射手は2年生の桃井勇起斗さん、川口慶次さん、曽我悠太さん、1年生の上田颯涼さん。4人は6日から練習を重ねてきた。中央を射抜いた上田さんは「うれしかった」と笑顔。曽我さんは「所作を正しくできた」と話した。4人とも大役を務め終えて誇らしい表情を見せていた。
御弓祭は、かつては旧暦の正月11日だったが、現在は毎年、2月11日に行っている。山本宮司は「伝統が続いているのは下里中学校と下里剣友会の協力のおかげ」と感謝し、「今年、1巡目で真ん中を射ることができた。記憶では初めてのことと思う。みんな上手だった」と喜んでいた。
(2024年2月15日付紙面より)
着工式で早期完成願う (熊野道路 )
国道42号熊野道路(延長6・7㌔)で初めてトンネルの本体工事が始まることから、着工式が11日、熊野市井戸町の市文化交流センターであった。四つ計画されているうちの二つのトンネルで、掘削が始まる。
熊野道路は、2019年度に事業化された紀宝熊野道路(延長15・6㌔)と、すでに供用中の熊野尾鷲道路(延長18・6㌔)に連結する自動車専用道路で、2014年度に事業化され、19年度から工事が進んでいる。全体事業費は約350億円を見込む。
区間内には四つのトンネルが計画されており、熊野市大泊町の大泊インターチェンジ(IC)付近から木本町を結ぶ熊野第1トンネル(仮称、延長866㍍)と、木本町から井戸町を結ぶ熊野第2トンネル(仮称、延長1307㍍)の掘削に取りかかる。工期は第1が12月下旬まで、第2が来年11月下旬までとなっている。
着工式には国会議員や県知事、地元自治体の首長ら約50人が出席し、早期完成と工事の無事を祈りくわ入れ式などを行った。主催者を代表し、式辞を述べた河上敢二熊野市長は「南海トラフ地震が発生した際、国道42号は津波浸水被害が想定されている。立地条件が似ている能登半島地震の状況を見たとき、災害に強い命の道となる熊野道路にはこれまで以上に期待を寄せている」。あいさつした国土交通省中部地方整備局の佐藤寿延局長も能登半島地震の道路被害に触れ、「1月2日には一般道を啓開してルートを確保した。同じ半島なので、42号に次ぐ2本目の道路を整備することは大きな意味を持つ」と力を込めた。鈴木英敬衆院議員や一見勝之三重県知事ら来賓も祝辞を贈った。
くわ入れ式に続き、近畿自動車道紀勢線(熊野市―新宮市間)建設促進同盟会会長の西田健紀宝町長が音頭を取り、万歳三唱で祝った。また、開式前には県立木本高校吹奏楽部が4曲を演奏し、会場を盛り上げた。
(2024年2月15日付紙面より)
シニアのための教室始まる (新宮市 )
新宮市による「シニアのためのスマホ教室」が13日、佐野会館で始まった。20日(火)までの9講座で計74人がスマートフォン操作の基礎を学ぶ。
デジタル化が進む中、最も身近で利用頻度の高いスマートフォンの取り扱いを学習してもらうことで、高齢者のデジタル活用を支援する取り組み。
昨年に続く2回目で、65歳以上の市民が対象。▽初めてのスマホ▽アプリの追加、インターネットの利用▽地図アプリ、セキュリティー―といった三つから自身にあった基本教室を選ぶ。講師はドコモショップ新宮店の清水怜子さんらが務めた。
初回教室は、初めてスマホを持つ人や、持っていない人が参加。清水さんが「スマホは知りたい情報をインターネット検索でき、自分好みにカスタマイズもできて持ち運びも楽」と利点を紹介。「写真もきれいで地図もはっきり見えますよ」と伝えた。
初めて触る参加者は体験用スマホを使用。電源の入れ方や切り方、スリープモード、マナーモードなどを学び、指でスライドしながら画面に触れて操作のこつを覚えた。
インターネットの検索サイトを使って文字入力も体験し、清水さんは「できる範囲でうまく使い、触りながら覚えてください」と呼びかけた。
(2024年2月15日付紙面より)
市町村対抗ジュニア駅伝へ出発 (新宮市、那智勝浦町 )
「第23回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会」が11日(日・祝)午前11時から、和歌山市内で開催される。紀三井寺公園陸上競技場をスタートし、各チーム10人の選手が仲間との絆をたすきでつなぎ、和歌山県庁前までの10区間21・1㌔のコースで競う。新宮市選手団は10日に市役所別館で出発式、那智勝浦町選手団は9日に同町役場玄関前で壮行会を開いた。
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向井雅男副市長は選手たちに対し「自分たちにできる最高のパフォーマンスを会場の皆さんに見せてあげてください」と激励した。
選手を代表して男子の新家稟雄(しんか・りお)主将(光洋中3年)が「新宮市代表として堂々とたすきをつないでいきます」。女子の上野碧主将(緑丘中3年)が「大会では1秒でも早く、一つでも上の順位が取れるよう懸命に走ります」と誓った。
山下幸之助監督は「走る選手だけでチームが成り立っているわけではない。応援やサポートが絶対に必要。それぞれの役割をしっかり果たしてほしい」、団長を務める速水盛康教育長は「目標を一つにして物事に取り組むのは素晴らしいこと。自信を持って大会に臨んでください」と奮起を促した。
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全選手を前に堀順一郎町長は「本番では練習の成果を発揮し、好成績を目指してもらいたい」と激励。寺本尚史監督は「今まで励んだ練習にうそはありません。あいさつ、ベストを尽くす、休息も練習のうちを実践してきた。28人全員でレースに臨みましょう」と士気を高めた。
選手代表の下向奏介主将(下里中3年)は「歴代記録の更新を目指し、全力で走り抜くことを誓います」と決意を表明していた。
大会の模様は動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ放送され、テレビ和歌山でも午後7時54分から録画放映される。
(2024年2月11日付紙面より)
キャッシュレス納付も
新宮市医師会(谷地雅宏会長)と新宮納税貯蓄組合連合会(森川起安会長)の主催による「電子申告・キャッシュレス納付推進」宣言式が8日、新宮市井の沢の新宮商工会議所の会館であった。谷地会長が推進を宣言、出席した約30人も気持ちを新たにした。
同会と連合会のほか、新宮税務署(美馬本進署長)、公益社団法人新宮納税協会(横手章郎会長)などからの参加があった。
開会に当たり、森川会長があいさつ。情報通信技術(ICT)を活用した申告や納税について「利便性が良く、定着を図ることは経済社会のICT化を一層加速し、企業経営の健全な発展、健全な申告と納税の推進に貢献するもの」と語った。
「医師会が連合会の運動の趣旨に賛同いただき、多くの納税者に対して電子申告・キャッシュレス納付の推進をしていただくことは、私どもにとって喜び。連合会としても、医師会の宣言を背に、納税者に対し、推進を啓発していきたい」とまとめた。
続いて谷地会長が宣言した。新型コロナウイルス感染症の5類移行に言及。「(しかし)多くの人が確定申告で税務署を訪れ、密になることは防がなければ。電子申告を利用すれば回避できる。キャッシュレス納付も時代に適合している」と話した。
「医師会が率先して実践し呼びかけ、感染症の拡大を予防し、活力ある地域社会に貢献したい。よって新宮医師会は『電子申告・キャッシュレス納付推進』に取り組むことを宣言する」と力を込めた。
大阪国税局徴収部長、紀南県税事務所長、新宮市長のあいさつ(代読も含む)もあった。いずれも新宮医師会の宣言を歓迎し、運動の一層の推進に期待を寄せていた。
(2024年2月11日付紙面より)
スイートピー出荷最盛期 (御浜町 )
卒業や異動シーズンを前に、「門出」や「優しい思い出」の花言葉を持つスイートピーの出荷が御浜町阿田和で最盛期を迎えている。
30年以上生産している矢田又己さんのビニールハウス4棟計700平方㍍では、ピンク系統を中心に12色ほどを育てている。今シーズンは暖冬のため、暖房をあまり使わずに済んでいるという。
柔らかな日差しが降り注ぐビニールハウスでは、女性らが収穫時期になった花を丁寧に摘み取っていた。50本の束にして100本入りの箱詰めにし、伊勢市と奈良県の市場に出荷する。作業は4月初旬まで続く。
スイートピーは春を代表する切り花として知られ、卒業入学シーズンに最盛期を迎える。ひらひらとしたかれんな花びらが、飛び立つチョウのようで、新たな旅立ちを祝う花言葉が付いた。
(2024年2月11日付紙面より)
11日の「御弓祭」に向け (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で11日(日・祝)に斎行される「御弓祭」に向け、射手を務める町立下里中学校の生徒4人の稽古が大詰めを迎えている。9日には直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)を着用し、的に向かって一心に矢を射た。
厄災を封じた的を射抜くことで邪気を払い、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願うもの。旧正月11日の年頭行事だったが、現在は毎年、建国記念の日に行っている。
今年の射手は上田颯涼さん、桃井勇起斗さん、川口慶次さん、曽我悠太さんの4人で、6日から稽古をスタート。弓と矢の扱いや姿勢、作法などを教わってきた。上田さんは「射手をするのは今年初めて。これまでの練習で5発当たった」。桃井さんは「難しいけれど、やっていると勉強になることも多くて興味が湧いてくる」と語る。
山本宮司は「本当によく頑張ってくれている」。指導役の神社総代の植地登喜雄さん(83)や植地賢さん(46)は「本番も大丈夫です」と背中を押していた。
祭り当日は午前10時30分から神事を執り行い、下里剣友会の剣士による形の奉納に続いて御弓神事がある。的を戸口に挿しておくと魔よけになることから、神事後には、参拝者が取り合うという。
(2024年2月11日付紙面より)
太地町は1月31日、初の音楽療法&手話イベントを町公民館で開催した。2022年に町で制定された「手話言語条例」(※)に基づき、町民の手話への理解と普及を促進しようと企画。町民約80人が参加し、手話を話せることの喜びを分かち合った。
イベントは、太地町立太地小学校の4年生15人による手話歌「愛の花」「大きな古時計」で開幕した。同町在住のろう者・畑見建三さん(75)に歌を伝えようと練習してきたという。
「手話や聞こえない人のことを知ろう!」と題した講演では、東牟婁・新宮聴覚障害者協会の辻山尚美さん(58)が手話通訳を交えて会場に語りかけた。「私たちが手話を話すことは当たり前に感じられるかもしれないが、かつて手話は言語として認められていなかった。『口話法』といって、聞こえない人も声を出し、相手の口の動きを読み取って会話するよう指導されていた。手話は私たちにとっての命。ようやく自由に手話で会話できるようになった」と話した。
畑見さんが「今では決して許されないことだが、手話を使っているのを教師に見つかり、手をたたかれたり、廊下に立たされたりしたことがある」と苦しいろう学校での経験を明かすと、会場に驚きが広がった。
美熊野福祉会の音楽隊による音楽療法では「春がきた」「春の小川」「ふるさと」などの楽曲を、会場が一体となって手話と声で歌った。
参加した70代女性は「手話を話してたたかれていた時代があったなんて知らず、自分がいかに無知だったか気付いた。手話言語条例のことは耳にしていたが、改めて手話を話せることを喜ぶ気持ちが伝わり、涙が出た」と話していた。
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※手話言語条例=手話とは、手話を必要とする人が知的で豊かな日常生活を営むために受け継いできた独自の言語体系を有する文化であるとの認識の下、手話による意思疎通を行う権利を尊重し、手話を必要とする人とそうでない人が互いに尊重し合いながら共生することを基本理念とする。
(2024年2月2日付紙面より)
須江崎沖合で漁中に捕獲 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で本州初記録となるドクウツボが展示飼育されている。熱帯~亜熱帯に生息するウツボで、分布北限記録ともなることから今年1月上旬には論文発表も実施。飼育担当の大西遼さん(26)は「仕入れて展示されることが多いウツボだが、記録個体はここ(=同館)だけ」と希少さをアピールし、来館時の鑑賞を呼びかけている。
ドクウツボはウツボ類の中では大型の種で、最大2㍍ほどの大きさになることから迫力重視で仕入れて展示飼育する施設も多いそう。生息域はサンゴ礁がある浅い海域で、国内では小笠原諸島、薩摩半島、大隅諸島、琉球列島の沖合で生息が記録されているが、本州の沖合では同館の個体が初記録になるという。
その体長は約90㌢で、成魚だが性別は不明。昨年11月26日、大島在住の福島勝司さんが須江崎の沖合(水深約30㍍)でウツボ籠漁をしている折に捕獲した。長い経験の中で見かけたことがなく、直感で「毒のあるウツボでは」と感じて同館へ連絡。対応した大西さんもドクウツボではと感じながら引き取り、ウツボ類を展示飼育している館内Aゾーンの掃除をするエビ水槽へ搬入した。
南方の魚種に詳しい鹿児島大学大学院の院生・是枝伶旺さんに同定を求め、ドクウツボだと確認。大西さんと是枝さんの連名で分布北限記録、本州初記録として今年1月上旬に論文誌「Nature of Kagoshima」において発表したという。
体の表面に独特の暗色斑模様を帯びえら穴が黒いなどの特徴で、串本の海にいる他のウツボと区別できる。毒は生物濃縮型のシガテラ毒で、食用すると中毒を起こす場合がある。経験のある漁師は取るべきウツボが分かっているので、誤って市場流通する状況はまずあり得ないという。
同水槽内では岩陰に潜んでいることが多いが、8種類十数匹いるウツボ類の1匹として良好になじんでいる。2014年にダイビング中の目撃情報が存在しているが、他に情報がないため同館の個体が流れ着いたのか串本の海で繁殖したのかは現状では判断できないとしている。
(2024年2月2日付紙面より)
共育ミニ集会に16人 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会は1月30日、町福祉健康センターで共育ミニ集会の第2回講座を開催した。和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの教育研究アドバイザー・今西武さんを講師に、16人が改めて過去の災害を振り返り、防災を考える機会とした。
町教委は本年度より「『命』や『生き方』を考える教育の推進」を重点目標に追加。▽命▽防災▽交流サイト(SNS)―の三つについて、子ども・大人双方で考える時間・空間として集会を企画した。
今西さんは「人間は『心』が動かないと行動しない。だからこそ、行動心理学を基に、心が動き、実際に行動するための防災プログラムをつくってきた」と講話。報道写真を基に東日本大震災(2011年3月11日)の被災地や遺族らの姿を克明に捉えた「3・11メッセージ」を上映した。
「1月1日の能登半島地震が発生するまで、正直『また防災か…』と思っていた人もいるのでは。ご自身の足元を振り返りながら、自分のため、愛する人のために防災を」と呼びかけた。
同年に発生した紀伊半島大水害からも13年が経過する中、災害の記憶をどう子どもたちに伝えていくべきか葛藤する町内教育現場の映像も上映。町教委の草下博昭課長は「能登半島地震の被災地の状況を見るたび、町内小中学校で行われている防災の取り組みと重なる。今後も各校で頑張っていくので、見守ってほしい」と伝えた。
参加した海野実加さん(31)は「東日本大震災で親を亡くした子どもの姿にショックを受けた。1歳の子どもがいるので、何としてでも災害から生き延びなければと感じた」と話していた。
(2024年2月2日付紙面より)
表示灯株式会社が奉納 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)の境内に1月26日、デジタル案内板が奉納された。日本語・英語で大社の由緒やお参りの作法などを伝え、観光客の利便性向上につなげるものだ。
表示灯株式会社から大社へ申し出があり、地域の27社から広告協賛を得て設置。案内板は宝物殿横にあり、境内の雰囲気に合うよう朱塗りになっている。清祓(きよめはら)い式の後に使用が開始された。
タッチパネル式モニターでは▽神道とは?▽境内案内▽ご祈祷(きとう)▽参拝方法▽授与品▽催事情報▽御由緒―の7項目を見ることができ、一部を除いて英語にも対応している。側面には日本の長さの単位である寸と尺の目盛りがあり、七五三などで参拝した人々の記念撮影にも使える工夫が施されている。絵馬型の協賛企業広告や周辺地図もある。
同社開発本部長の浅野正臣さんは「小さい子どもや外国人でも分かるよう、お参りやちょうずの作法はアニメーションになっている」。男成宮司は「神道についての解説もあり、神社の教化にもつながるのでは。世界遺産登録20周年の年でタイミングも合い、外国人の方々にも利用していただきたい」と期待を寄せていた。
(2024年2月2日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
第22回新宮ニューイヤーサッカー
那智勝浦町総体スポ少バレーボール大会