消防本部啓発通して注意呼び掛け (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部は9日、那智勝浦町天満のAコープなち店で熱中症予防を呼び掛ける啓発活動を実施した。署員7人が、買い物客らに熱中症予防啓発冊子などを配布。注意喚起を行った。
気象条件が変わりやすく、気温の変化が大きいなどの理由から、近年増加傾向にある熱中症を報じるニュース。消防庁の発表によると、先月31日から今月6日までの間で、すでに全国で約640人の人が熱中症により救急搬送されている。同町では昨年度、10人が熱中症の疑いで搬送されており、本年度は9日現在で2人が搬送されている。
また、屋外だけではなく室内における発生も増えており、外出自粛で家にいる時間が増えることによる「巣ごもり熱中症」の増加も懸念される。
同署では「熱中症は正しい知識を身に付ければ防ぐことができる病気」としてこの時季、定期的かつ適切な水分補給やエアコンなどによる温度・湿度調節を呼び掛ける啓発活動を展開している。なお、昨年は新型コロナウイルス感染症の広がりを考慮し、街頭啓発は中止とした。
今年はコロナ情勢を見定め、感染予防対策を講じて実施。熱中症対策を盛り込んだ冊子含む啓発物資の手渡しをやめ、持ち帰り方式で熱中症予防の周知を図った。
清水浩・警防課副課長は「昨年はコロナ禍で啓発は自粛したが今年は感染対策を万全に開催する運びとなった。これから気温も上昇し熱中症の確率も上がる。対策を講じ、楽しい夏を迎えてほしい」と話していた。
この日の啓発では、救急車の適正利用も併せてPR。119番通報する前に救急車が本当に必要かを考えるとともに、命に関わる病気やけがなど、緊急性がある場合には「ためらわずに通報を」と呼び掛けた。
(2021年6月11日付紙面より)
教職員対象の救命救急教室 (三輪崎小 )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)で9日、同校教職員35人を対象にした救命救急教室があった。新宮消防署救急係の羽山裕美さん、尾畑徹さん、西一慶さんを招き、心肺蘇生法や自動体外式除細動器(AED)の使用方法を学んだ。
教室は職員研修の一環。熱中症の発生や水泳などが行われる時季を迎え、緊急の状況に備えて知識や迅速な行動が取れるようにと毎年行われている。
羽山さんは▽肩幅ほどに膝を立てて座る▽肘を曲げない▽手を組んで胸の中心に置く▽約5㌢の深さで、1分間に100~120回ほど垂直に押す―などのポイントを説明。倒れて息をしていない人の場合には、直ちに胸骨圧迫を実施するよう伝え「風呂場やトイレなど、狭い場所で患者が倒れている場合には広い所に移動させた上で処置を行うことが重要」と述べた。
AEDの取り扱い方法では、体がぬれている場合には拭き取った後に装着するなどの注意点を挙げた。
参加者は3グループに分かれAEDを使って心肺蘇生法を実践。「大丈夫ですか」「119番お願いします」などと、声を掛け合いながら訓練に取り組んだ。
参加した教職員は「例年、訓練は行っているが、いつどこで緊急の状況に遭遇するか分からない。同じことを繰り返して身に付けることが大切だと思います。万が一の場合には落ち着いて処置を施せるようにしていければ」と話していた。
(2021年6月11日付紙面より)
県警の航空隊と合同訓練 (串本警察署 )
串本警察署(泉政勝署長)と県警警察航空隊が9日、串本町潮岬にある望楼の芝で県警航空機〈ヘリコプター〉「きのくに」の夜間離着陸訓練に取り組んだ。
この訓練は「きのくに」の夜間運用における安全で確実な離着陸を実現するため適時取り組んでいる。喫緊では昨年6月の日中に防災相互通信用無線運用訓練と併せて臨時離着陸場設置訓練に取り組み同場用の夜間灯火装置の配置手順を実践したが、今回はその経験を生かして実際に夜間の離着陸を形にすることに取り組んだ。
同装置は「きのくに」の運用効果を高めるため、同隊が同場設置を想定する場所を管内とする警察署に配置。串本町管内では自治体の了承を得て望楼の芝の一角を想定していて、同署は2008年3月の配置以降迅速な設置を目指すため最寄りの潮岬警察官駐在所で保管している。今回の訓練には同署警備課と地域課の課員7人が参加し、同装置を潮岬望楼の芝キャンプ場へ運搬し、想定場所となっている芝地へ黄色の境界灯を15㍍四方に8個、緑色の境界誘導灯を着陸時進入方向に5個、離陸時進出方向に3個速やかに並べて臨時離着陸場を整えた。
10㌔先から視認できるフラッシュライトも点灯して「きのくに」の飛来を待ち、午後7時15分ごろに機影を確認後、署員1人が境界灯の枠内で誘導棒を振って位置を伝え以降は離れて離着陸時の周辺安全を確保する流れを実践した。
この装置は署員が取り扱う前提となっているが、署員は異動により入れ替わるため署内の経験者が未経験者に指導して署として運用手順を保持している。今回の訓練について警備課の井口潔課長は、経験者1人が未経験者に指導する状況としたが円滑にこなせたと署員の動きを評価。「この臨時離着陸場は県警だけでなく他の機関のヘリも離発着でき、昼夜運用で被災者や救助要員、物資などいろいろな搬送ができる。今回は夜ということで(同装置本来の運用を)実践的にできた。串本署としては今後も実践的な訓練を繰り返し、緊急事態に対応できる体制づくりを続けていきたい」とコメントした。
(2021年6月11日付紙面より)
利便性向上し、利用者も増加 (「はぐくみの森」オープン2カ月 )
紀宝町神内の町立図書館と子育て支援センターの複合施設「紀宝はぐくみの森」がオープンして2カ月がたった。「子どもをみんなで慈しみ、大きく成長して巣立ってほしい」との願いがこもった木の温かみと落ち着きが感じられる施設で、4月2日の開館以降約6000人が訪れた(9日現在)。
以前の町立鵜殿図書館より駐車スペースが広くなり、交通アクセスもよくなった上、町民バスが利用できるようになった。利便性が向上したことで、開館以降、町内の保育所や小学校からも見学に訪れるようになった。
図書館は子どもから高齢者まで、全ての人が利用しやすいようユニバーサルデザインにも配慮した。7日には町立相野谷保育所の4、5歳児が町民バスを利用して初めて訪問。児童コーナーで気に入った絵本を借りた。2階の活性化ホールで図書館ボランティアによる読み聞かせを楽しみ、最後は園児たちで描いた絵をプレゼントした。
図書館の岸葉子館長は「バス停が近くにあるので、バスを利用して訪れてくれる小学校や保育所が増えた。小学校の先生や祖父母と一緒に来てくれる子どももたくさんいます」と話していた。
施設では新型コロナウイルス対策として手指消毒、検温、入館者カードへの記入の他、利用者の制限を設けている。問い合わせは同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2021年6月11日付紙面より)
和歌山県道場少年剣道大会
谷上嘉一さんらが製作
川の参詣道として世界遺産に登録されている「熊野川」を巡る川舟下り。新宮市熊野川町の熊野川川舟センターが2005年から定期乗合便を開始し、多くの観光客が川を下りながら流域の自然を体感してきた。
熊野川の川舟は、船首が大きく反り返り、船底は平らで、どんな条件にも対応できる構造が大きな特徴だ。
川舟の老朽化に伴い、2隻の製作を依頼しており、紀宝町北桧杖の川舟大工・谷上嘉一さん(79)が製作に取り掛かっている。
川舟は全長8・7㍍、幅約1・82㍍。外国人向けに座席などを部分的に強化した。製作には大工3人で2カ月を要する。1隻はすでに完成し、2隻目は6月中を目指している。
谷上さんは〝日本一の暴れ川〟と呼ばれた熊野川を行き来する川舟とともに生活してきた。「50年ほど前は10人ほどの舟大工がいて、川舟も各家で1~2隻持っていた。生活の一部だった」と振り返る。
川舟はかつて、熊野川を行き交う重要な交通手段だった。谷上さんも船頭として舟を操っていたが、道路整備が進み、昭和30年代に役割を終えた。川舟の需要が減るにつれ舟大工も減少してきた。
地域の伝統技術を絶やさぬため、40年以上前から独学で川舟を造り続けている谷川さん。今では、熊野川流域で唯一の職人となった。
使用する木材はスギが8割ほどを占める。地元の山に入り、舟に合う淡い赤身の多い木を選ぶ。固いヒノキで強化し、ケヤキは船首部分に使う。
「1本の木から造ることで作業性が良く、機能性、操作性も良くなる。木は同じ場所に生えていても重量や反発力、赤身のクセなどが微妙に違う」と話す。
川舟造りは全ての部分を曲げるのが難しく、火であぶって木を曲げる。曲がり方は木によって違うため、長年の経験と勘が頼りだという。
これまで5隻の観光川下り用の川舟を製作しており、「熊野川の景観、歴史、生活を知ってもらうことで地域振興にもつながる。観光客には世界遺産と川舟の歴史を感じながら遊覧を楽しんでほしい」と語る。
(2021年6月5日付紙面より)
身障連定例の要望書提出 (串本町 )
串本町身体障害者連盟の中野實会長が2日、田嶋勝正町長を表敬訪問し定例の要望書を提出した。
同連盟は西暦奇数年に町長を来賓として総会に招いて要望書を提出する活動を続け、町は当事者の声として重んじ成果による応答に努めている。本年度は提出年に当たるがコロナ禍の情勢を考慮して総会を書面決議とし提出の場がつくれなかったため、会長が町長へ届ける形を取った。
今回の要望事項は①歩道環境の整備(国道42号潮岬東口交差点~同西口交差点区間)②コミュニティバス運行(車いす利用者対応のリフト・車内固定器具付バスの導入など)③JR串本駅の物理的障壁の改善(町による駅員等による解決ではない環境整備の要請)④公的機関への手話通訳者配置(手話ができる職員の育成)⑤防災関係(要支援者に行き届く避難支援の具体化)―の5項目。
中野会長は役場本庁~JR串本駅間の歩道環境改善や文化センタートイレの洋式化、コミュニティバス路線へのノンステップ車両導入など過去の要望事項の達成と要望に応える町の取り組みへの感謝を伝え、①の項目は建設課から国土交通省が対応に動き出すので事前に面会してほしいと要請を受けていることを報告した。
他方、④は町職員内で手話対応ができる人材を育てること、⑤は要支援者対象の個別計画が有事の支援に確実に生かされるよう区長や自主防災会などと事前に話し合う場を設けることを特に期待して強調した。
(2021年6月5日付紙面より)
「社協のエクササイズ教室」 (太地町 )
太地町社会福祉協議会は2日夜、同町多目的センターで「社協のエクササイズ教室」を開いた。町地域包括支援センター理学療法士の谷口徹さんが講師を務め、町内在住の参加者12人がストレッチに取り組むなどして汗を流した。
教室は多種のエクササイズを通して健康障害の予防や介護予防を図ろうと毎月実施。ストレッチ、筋トレ、プール体操など、項目を変えながら行われている。
この日のテーマは「からだのストレッチング」。冒頭で谷口さんは「筋肉は筋膜というもので覆われています。一方向に体を伸ばすより、筋膜の走行を考慮することで筋肉を解きほぐすことができる」と説明。注意事項の後、運動を開始した。
参加者は全身や胴回り二の腕・脇腹、肩甲骨、体側など計8種類のストレッチを実践。谷口さんの手本を見ながらゆっくりと体を反らし、熱心に取り組んだ。
3回目の参加という50代の女性は「元々、硬いこともあって少し痛かったですが、楽しく体を動かすことができた。難しい動作ではないので、時間を見つけて自宅でも実践してみたいと思います」。
谷口さんは「集中して取り組む姿が見られました。体を伸ばすべき場所は人によってさまざまで、無理のない動きを行うことが大切。継続して実施し、健康づくりにつなげていってもらえれば」と話していた。
(2021年6月5日付紙面より)
30日まで開放、熊野那智大社 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、境内にある紫陽花(あじさい)園を1日から30日(水)まで開放している。園内のアジサイは現在六分咲きを迎え、参拝者の目を楽しませている。開放時間は午前8時30分から午後3時30分まで。
大社によると、境内のアジサイは1960年頃から栽培を始め、職舎付近や参道、車道沿いに植えられている。現在は2000株ほどが自生しており、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなど十数種類がある。
例年は14日に営まれる「紫陽花祭」後に一般開放されるが、今年は花の咲きが早いことから1日からの開放となったという。
大社の神職は「今年の花の咲きは早い。花の状態も例年並みに良いと思う。ぜひ、ご参拝にお越しの際はアジサイを楽しんでいただけたら」と話している。
紫陽花園は大社の大鳥居下の階段を降りた参道横にある。
(2021年6月5日付紙面より)
【第35回】スーパーは食育の宝庫!
夕飯のお買い物、子どもと行くこともあると思いますが、どんなことに気を付けていますか? 私はスーパーマーケットは食育の宝庫だと思っています。小さい頃はスーパーでいろんなお話をすることをお勧めします!
まず、一番簡単な食育は商品について話すことです。今は通年出回るものが多くなった野菜でもやはり旬のものは、目立つところにあったりたくさん置いてあったりしますよね。「春だから、緑のものがたくさんあるよ」とか、「春は山菜が採れるんだよ」とか、「夏だからスイカがあるね~」など、果物でも野菜でも、季節を教えてあげるきっかけになります。旬に食べるととびきりおいしいことや値段が安く買えること。旬に食べると栄養が豊富なことなども教えてあげてください。「これもたくさんあるけど、春の野菜なのかな?」と一緒にスマホで調べたりするのもいいですね。お母さんから聞いたことより、一緒に調べたものの方が、印象に残るかもしれません。
それ以外にも「おいしそうなものを選んで」と、子どもに選んでもらうのもいいと思います。色がきれいなもの、みずみずしいものを選んでもらってください。おいしいものを選ぶポイントを教えてあげるとさらに食育になります。
キュウリなら、トゲがしっかりしているもの。春キャベツなら軽くてふんわりしているもの。冬キャベツなら重いもの。お魚なら目がきれいなものなどおいしい食材の見分け方はたくさんあります。こういったコミュニケーションは食材を選ぶ力を養ってくれます。
さらに私の一押しは献立を相談することです。例えば、メインが唐揚げなら「唐揚げと一緒に食べるのは他にはどんなおかずがいいかな?」といった具合です。「お肉はあるから、お野菜がいいね」などヒントをあげるのもいいですね。こういったやりとりで、バランスの取れた食事を意識することを覚えてくれます。
「緑の野菜は買ったけど、赤がないね」とか「野菜とお肉はあるけど、他に何があったらいいかな?」などの問い掛けも食育になります。食意識を高めて、食卓に関わることで食べるものも増えると思います。楽しんで食べてもらうには、食材や料理に興味を持って参加することがとてもいいといわれています。自分で選んだ食材や自分がよく知っている食材、自分で考えた献立は、ただ食卓に受動的に並べられたものとはまた違うものとして映ると思います。
食卓で食べるときは「これは○○ちゃんが選んだやつだよ」「○○ちゃんが選んだものはおいしいね」などと、話してあげてください。きっと子どもたちはとてもうれしく楽しく感じるはずです。
楽しんで食事をするというのは何も特別なことは必要ありません。ただ、家族の一員として、受け入れられているという認識を与えることが重要です。ぜひ身近なスーパーマーケットから、食育を始めてみてはいかがでしょうか?
(2021年6月5日付紙面より)