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2024年02月16日
1 高校医療費無償化か
 新宮市長が年頭に指針  (3月議会の提案目指す )

 新宮市の田岡実千年市長が今年の年頭所感で、子ども医療費無償化制度の高校卒業までの拡充を打ち出している。実現すれば新宮・東牟婁の6市町村のうち4例目となる。市議会3月定例会での提案を目指している。

 新宮市の子ども医療費の無償化は現在、中学卒業まで。厳密に言えば、中学卒業時の年齢となる、15歳となった年度末までとなっている。市自治会連合会から要望を受けるなどの経緯を経て、2017年8月から無償化実施となった。

 高校卒業まで拡充されることに期待する声もある。長女が高校1年生となる市内在住の30代女性は「ぜひ(拡充に)なってほしい。高校生にもなると病院に行く回数は少ないけれど、何かあった時に迷わず行けるので、やっぱり違う。早くなってほしい」と話した。

 なお、新宮市と東牟婁郡では2月6日現在、太地町、古座川町、北山村が高校卒業まで、厳密に言えば18歳となった年度末までの無償化を果たしている。太地町は12年4月に中学卒業まで、17年4月に高校卒業まで無償化。古座川町は12年8月に中学卒業まで、17年4月に高校卒業まで無償化となった。北山村は10年以上前のため不明とのことだった。

 対して、那智勝浦町と串本町は中学卒業まで。無償化となった時期は順に、12年8月からと16年8月からだった。

  □     □

■三輪崎に常設エコ広場



 年頭所感では、市役所三輪崎支所への常設エコ広場の開設もうたっている。すでに予算も議会の承認を受けている。

 常設エコ広場は2月6日現在、旧市内にある市役所第4駐車場の1カ所のみで開設。平日の午前9時から午後4時までスタッフが常駐し、市民が持ち込むごみの分別に協力している。22年10月に開始、問題の発生も特にないという。

(2024年2月16日付紙面より)

列車を降りて学校へと向かう高校生=JR新宮駅
2024年02月16日
2 鳴り響く托鉢の鈴
 被災地へ、広がる支援の輪  (曹洞宗青年会 )

 曹洞宗三重県第二宗務所青年会(北知秀会長)の10人が14日、能登半島地震の被災地支援を目的とした托鉢(たくはつ)をした。熊野市から紀宝町にかけて約20㌔を歩き、浄財を募った。集まった募金は被災地に寄付される。

 第二宗務所は尾鷲市~紀宝町、北山村の曹洞宗寺院の組合で、青年会は組合に所属する45歳以下の僧侶を基本とした組織。直接、浄財を受け取り、被災地へ寄付することとともに、寄付そのものへの関心を持ってもらうことを願い、初めて義援金目的で計画した。

 熊野市木本町の祐福寺を午前10時に出発。托鉢衣を着て網代笠(あじろがさ)をかぶり、鈴を鳴らして協力を求めた。この日歩いた道は、熊野古道「伊勢路」の中でも浜街道と呼ばれ、伊勢神宮より熊野三社を結ぶ参詣の道として、古来より人々の祈りを支えてきた。

 住民らは、青年会の思いをくみ、家から外に出て「ご苦労さま」「頑張ってください」などと声をかけ、寄付金を手渡していた。

 5時間ほどかけて紀宝町鵜殿の東正寺に到着。北会長は「地域の方々の協力なくして托鉢は成り立たない。たくさんの浄財を頂いたことに感謝しています。今後もつながりを深める活動を続けたい」と話していた。

(2024年2月16日付紙面より)

被災地支援の托鉢を行った青年会のメンバー=14日、熊野市木本町
義援金の浄財を手渡す
2024年02月16日
3 宇宙にちなむ生き物紹介
 ロケット応援水槽を展示  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で10日、「串本ロケット応援水槽」=写真=の期間限定展示が始まった。

 館内Aゾーンにあるトピックス水槽を用いた趣向。スペースワン株式会社がロケット「カイロス」初号機の打ち上げ日時を3月9日(土)午前11時~正午と発表したことを受け、宇宙と海の違いはあるがそれぞれに自然科学を学んできた仲間として成功を祈り打ち上げを来館者に伝える思いで飼育スタッフの中村公一さんが企画した。

 同館のコンセプトに基づき串本の海から宇宙にちなむ生き物を複数種類厳選して採集し準備した。▽名前に「ホシ」が入った生き物(ホシササノハベラ・ホシゴンベ・ミツボシクロスズメダイ・クロホシイシモチ・ホシマンジュウガニ)▽学名が星にちなんだ生き物(サカサクラゲ〈Cassiopea sp.〉・キクノハナガイ〈Siphonaria sirius〉)▽形が星の生き物(アオヒトデ・ムラサキヒトデ・ミナミジュズベリヒトデ)▽宇宙(ソラ)に関係する名前の生き物(ソラスズメダイ)▽その他(サンゴイソギンチャク〈ミツボシクロスズメダイのすみか用〉)―の5グループ構成で、12種類約70点を同時飼育(サカサクラゲとキクノハナガイは水槽内で隔離する形で飼育)している。

 加えて地球など惑星を連想させる飾り物と中村さんが「カイロス」を模して手作りした60分の1スケールの木彫りロケットを釣り糸で位置を決めながら浮かせていて、「宇宙の海」で串本の海の生き物が動き回る様子に親しむことができる。

 水槽周囲の解説モニターで展示している生き物の特徴も紹介。中村さんは「ロケットの見物客にもご覧いただけたらうれしいが、一番は観光で来たお客さまが展示を通して串本はロケットが打ち上がるまちだと気付いてくれること。そのような応援ができれば何より」とこの展示に込めた思いを語る。

 展示期間は3月10日(日)までだが、打ち上げが天候などの事情で延びた場合は相応の延長も考えるという。館内展示で、鑑賞する場合は入館料が必要。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。

(2024年2月16日付紙面より)


2024年02月16日
4 思いやり忘れず助け合う
 太田小で福祉学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)で13日、福祉学習があった。3、4年生7人が美熊野福祉会の施設利用者で全盲の溝本和彦さんから視覚障害がある人の見え方や生活などについて教わった。

 学習は、児童がさまざまな人の立場や人生を体験することで、自分たちに何ができるのかを考えて福祉への学びを深めることを目的に行われた。この日は同福祉会と町社会福祉協議会の職員も来校した。

 溝本さんは子どもたちを前に「見えない人のことを知ろう」をテーマに講話した。視覚障害の症状には▽全く見えない▽物が半分しか見えない▽望遠鏡を通しているようにしか見えない―など、人によって違いがあると説明。生活の中でさまざまな状況を把握していると述べ「毎日を安心して生活し、いろんなところに行って楽しむ権利があります。みんなが思いやりの心を持って、お互いに助け合うことを忘れてはならない」と語った。

 福祉会職員は溝本さんの日常生活に触れながら白杖(はくじょう)や盲導犬、点字ブロック、音響信号機、ガイドヘルパーの重要性を説明。優しく声をかけ、サポートしてあげることが大切とし「みんなの思いやりの気持ちが見えない人に大きな安心感を与えます」と伝えた。

 後半には、児童が2人一組になってアイマスクを装着し、全盲の体験や点字学習にも取り組んだ。

 下地ひまりさん(3年)は「アイマスクの体験で目が見えない怖さが分かった。その中で溝本さんが生活していることに驚きました。これからは町で困っている人を見かけたら、少しでも助けられるようになりたい」と話していた。

(2024年2月16日付紙面より)

溝本和彦さん(右)の講話に耳を傾ける児童=13日、那智勝浦町立太田小学校
全盲の疑似体験に臨んだ
2024年02月16日
5 最高の結果で恩返しを
 ㈱ニチダイ野球部が春季キャンプ  (新宮市 )
2024年02月16日
6 木下そよ香さんが活躍
 全国女子ラグビー選手権でトライ  (那智勝浦町 )
2024年02月16日
7 近大新宮が近畿大会へ
 県高校サッカー新人大会男子の部  
2024年02月16日
8 大学生14人が体験学習  武者修行プログラムで  (那智勝浦町 )
2024年02月16日
9 効果的な店舗演出は  販売促進セミナー開催  (新宮商工会議所 )
2024年02月16日
10 賢いSNSの使い方とは  共育ミニ集会に保護者ら  (那智勝浦町 )
2024年02月16日
11 特選に堀力朗さん  写連紀南支部1月優秀作品  
2024年02月16日
12 校舎に映像、バレンタイン演出  初のイベント「近愛祭」  (近大新宮 )
2024年02月16日
13 「ビー玉落とし楽しい」  中央児童館「つくってあそぼう」  (新宮市 )
2024年02月16日
14 海外協力隊の経験語る  カメルーン派遣の比嘉絢野さん  (光洋中教育講演会 )
2024年02月16日
15 県の少子化対策学ぶ  3市町の議員集まり研修会  (熊野・南郡 )
2024年02月16日
16 厄年や寿祝いで4人参列  古座神社で厄よけ祈とう  (串本町 )
2024年02月16日
17 1800人超の家族ら鑑賞  県書初競書会の中央展  (古座川町 )
2024年02月16日
18 4年ぶり従来奉仕にぎわう  大島・水門神社春季例大祭「水門祭」  (串本町 )
2024年02月16日
19 お悔やみ情報
  
2024年02月14日
20 4年ぶり春祭りを通常斎行
 熊野三所大神社・川関飛烏神社  (那智勝浦町 )

 那智川筋を下り春の到来を告げる伝統の春祭り。10日には那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)、11日には川関の飛烏(あすか)神社で例大祭が営まれ、4年ぶりの御弓行事や獅子舞奉納で地域が華やいだ。

  □     □

■熊野三所大神社



 熊野三所大神社では、三間社流造檜皮葺(ひわだぶき)の本殿で髙橋正樹宮司が神事を執り行い、関係者一同が玉串をささげた。獅子舞を継承する一心会が「幣の舞」「剣の舞」「乱獅子」を奉納した。

 御弓行事では、古式にのっとり前日に那智の浜で潮垢離(しおごり)、潔斎した射子(ゆいご)奉仕者5人と諸役が境内の外周を巡って弓場入り。弓太郎(ゆだら)を田代哲也さん、中弓(なかゆみ)を廣畑智哉さんと藤社祐樹さん、弟弓(おとゆみ)を田代雅史さんと加藤優志朗さんが務め、的の中央を射抜くと一心会メンバーが射手の親族を胴上げした。最後は盛大に餅まきで締めくくった。

 一心会の汐崎広一代表は「けがもなく、再び祭りができてよかった」と感無量。神社総代の藤社潔さんは「射子が集まるかと心配したが、積極的に奉仕してくれて大助かり。来年はよりいっそう活気が戻るといい」と期待を込めた。

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■飛烏神社



 飛烏神社では、熊野那智大社の前田直紀権禰宜(ごんねぎ)を斎主に迎え、事解男命(ことさかのおのみこと)をまつる本殿と、摂社の秋葉神社で神事を営んだ。

 祭り囃子(ばやし)が響くと地域住民や子どもたちが神社に集まり、獅子舞奉納では共心会が「八車の舞」「剣の舞」「玉獅子」などの演目を奉納。

 天狗(てんぐ)の舞では、地域の期待を一身に背負い、德廣聡仁君(7)が天狗役を務めた。年明けから稽古に励んできた德廣君は緊張を見せず、はつらつとした様子で舞を奉納し、大きな拍手が送られた。

 奉納を終えた德廣君は「緊張したけれど、上手にできたと思う」と語った。

 共心会の前田憲政代表は「改めて、一つの祭りを皆でつくり上げていくことの喜びを感じた」と話していた。

(2024年2月14日付紙面より)

御弓行事で的中央を狙う=10日、那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社
德廣聡仁君が天狗の舞を奉納=11日、那智勝浦町川関の飛烏神社
2024年02月14日
21 きのくに線の活性化を
 和大生らがサミット開催  

 和歌山大学きのくに線活性化プロジェクト(きの活、宮井凜晴代表)の主催による「きのくに線サミット2024」が10日から12日、新宮市やきのくに線の列車内であった。和大の学生と地域交通に関心のある30歳までの全国の若者、約50人が参加。地域交通の未来のビジョンについて考えた。

 きの活は、きのくに線(紀勢線)を通じた地域活性に取り組む和大の学生プロジェクトとなる。今回のサミットでは、10日は新宮市役所別館で、ゲストによる講演と学生団体の取り組みを発表。11日は特別列車で新宮駅から周参見駅まで行って戻るフィールドワークを実施した。12日は新宮市役所別館で、地域交通の未来ビジョンの作成と発表を行った。

 12日午後は、5人ずつ8班に分かれ、各班で考えたビジョンを模造紙にまとめ、班ごとで発表した。ある班は、抱える課題として▽車の方が便利▽他の交通機関との接続が悪い―などを提示。今後は「地域に合わせた交通機関の模索が必要。既存のものにとらわれず、他の交通手段も視野に入れ、地域交通がどうあるべきか考えることが大事」とまとめた。

 またある班は、利用者の増加に向けた具体案として「各駅の個性を見て回ってもらう。また観光で、海を見る、釣りを楽しむなど、目的別のおすすめパンフレットを作ってはどうか。通院で利用する人のため、バスへの乗り換えも含めた一体の時刻表があると便利では。ミステリーきっぷで知らない駅に降りるのも面白いかも」などと提案した。

 別の班は問題点として「地域の人の概念の中に交通が入っていないのでは」と指摘。「学生が祭りに参加するなどして、地域のコミュニティーに溶け込むことで、関心を持ってもらうきっかけにしてはどうか。信頼関係ができれば相互理解が進み、問題意識を共有できる」と力を込めた。

 他の班は「岐阜県で行われている駅寺子屋を導入してはどうか」と述べた。「地域の若者が観光客に、地域の魅力を伝えるもの。地域の理解につながるし、観光客は地域への発見が生まれる。駅寺子屋だから聞ける話もある」と話した。

 この取り組みは国土交通省令和5年共創モデル実証プロジェクト人材育成事業に採択されている。

(2024年2月14日付紙面より)

「地域交通の未来ビジョン」を発表する参加者=12日、新宮市役所別館
2024年02月14日
22 「わかやまジビエ」学ぶ
 卒業制作でレザークラフトも  (勝浦小 )

 那智勝浦町立勝浦小学校で9日、「わかやまジビエ」の出前授業とレザークラフト教室があった。6年2組の22人が卒業制作も兼ね、オリジナルのキーホルダーを作った。

 和歌山県では捕獲した野生のイノシシやシカを食資源として観光振興に活かそうと、解体処理施設や食肉流通システムの整備を行い、「わかやまジビエ」として需要拡大に取り組んでいる。今年も県内323校の小中学校や特別支援学校の給食にジビエを提供し、合わせて講座を実施している。

 給食でシカ肉のキーマカレーを味わった6年生は、午後にジビエについて学習。県畜産課の松山真也さんが「ジビエは狩猟で手に入れた野生動物の肉を指すフランス語」と紹介。和歌山県では野生動物によって年間約3億円、那智勝浦町内でも約600万円の農作物被害が出ており、対策が必要と述べ「ただ捕獲するだけでなく、頂いた命を無駄にしないことが大切。ジビエはとてもおいしい食材なので、そのことを広めていってほしい」と呼びかけた。

 レザークラフトでは地元・那智勝浦町を含む県内各地で生産されたシカ革を使い、児童たちがハートやペンギン、リスなどのキーホルダーを手作りした。

 講師を務めたレタメロディア(有田川町)の中井謙次朗さんは「革に使われる動物は、猟師が命がけで捕獲したもの。海外で日本の革を展示した時には『日本にしかない』と高く評価された。現在捨てられてしまっているものも、視点を変えれば世界で通用する」と価値を伝え「革製品は使うごとに色が濃くなり、つやが出てくる。成人式の時にみんなで持ち寄っては」と提案した。

 羽山心奈さん(12)は「キーホルダーは中学校のかばんに付けようと思う。シカ肉はおいしかった」と笑顔で話していた。

 学級閉鎖で参加できなかった6年1組には、別日でクラフトの時間を設けるよう調整している。

(2024年2月14日付紙面より)

オリジナルキーホルダーが完成=9日、那智勝浦町立勝浦小学校
初めてなめしたシカ革を見せる中井謙次朗さん
2024年02月14日
23 4年ぶり従来奉仕で活気
 大島・水門神社の「水門祭」  (串本町 )

 串本町大島にある水門(みなと)神社の春季例大祭「水門祭」(県指定無形民俗文化財)が10日に本祭を迎えた。今年は4年ぶりに従来の内容で奉仕。日中は諸行事が立て続き、多くの見物も集めて活気づいた。

 この神社は大島港の東にそびえる日和山の中腹にあり、誉田別命(ほんだわけのみこと)(応神天皇)を主祭神としてまつる。現在は大島区が氏子区域となって護持し、最近は同神社祭典保存会の申し合わせにより春季例大祭は2月第2土曜日を本祭として営んでいる。

 今年は冷え込みが増すも好天の下で本祭を迎え、午前中は同神社で奉仕。内庭で御前の儀、的場でお的の儀を執り行い、以降は青年会「大同会」による獅子舞奉納と並行して大座の儀が続いた。

 大座の儀は4年ぶりとあってもてなしも大いに弾み、予定より半時間ほど押して渡御の一行が出御。大島港で神官、主祭神の神霊をうつした唐櫃(からひつ)を運ぶ白丁、弓頭や付添人らが当船・八勝丸へ乗り込み、苗我島にある御旅所へ赴いて神事とお的の儀を執り行った。当船が戻るまでの間、大島港では当船の出港を送り出した櫂伝馬(かいでんま)「鳳(おおとり)」「鶽(はやぶさ)」が餅まき後に大島―串本間1往復約3・8㌔の競漕(きょうそう)をし、還暦者が祝いの餅まきをするなどした。

 当船の苗我島出発に合わせ、出迎えるツルの一行が出発。大島港に設けた仮宮「お山」で最後尾の商人役が口上や競りを繰り広げて場をにぎやかしつつ3周し、その上役陣が扇子や軍配を振るなどして当船を招いた。

 当船の帰港と同時に「お山」は倒され、若者が中にあるお鏡を荒々しく奪い合い。大島郵便局で「大同会」が獅子屋台の大練りを繰り広げ、「お山」跡そばで獅子舞を披露した。渡御の一行は同神社へ神霊を戻し、終了祭を執行して渡御を締めくくった。夕方以降も当屋の大座や獅子舞の披露が続き、本祭は夜半までにぎわいを見せた。

  □     □

来年以降は4組一丸で奉仕



 このように東牟婁地方屈指の諸行事数を誇る「水門祭」。主奉仕は区内4組で持ち回り今年は南組が務めたが、今回を最終とし来年以降は4組一丸で主奉仕をする体制を新たに組むという。

 南組の1人でもある寺町忠区長(71)は「昔から南組が当番の年は雨ばかりで『南組の年は天気が悪い』と評判だった。今回は準備も天気も心配なく有終の美を飾れて良かったし、皆さんも喜んでくれてやっぱり水門祭はええなとつくづく思った。この祭りをいつまで続けられるかはわからないができる限り後世に伝えて守っていってもらえたら」と感極まる思いを語った。

(2024年2月14日付紙面より)

当船を招くツルの一行=10日、串本町大島
帰港する当船
競漕を始める櫂伝馬「鳳」「鶽」
2024年02月14日
24 179人が熱戦展開
 松村杯バドミントン大会  
2024年02月14日
25 那智勝浦町、地元勢トップの9位
 市町村対抗ジュニア駅伝競走大会  
2024年02月14日
26 孤立しない社会づくりを  宇久井中で薬物乱用防止教室  (那智勝浦町 )
2024年02月14日
27 神倉神社で紀元祭  建国記念の日、国の繁栄祈る  (新宮市 )
2024年02月14日
28 知識深め有事に備え  三佐木蜂伏の防災研修会  (新宮市 )
2024年02月14日
29 本まぐろ丼など人気  恒例の「紀の宝みなと市」  (紀宝町 )
2024年02月14日
30 親子で楽しいひととき  成川小で「ふれあいドッジボール」  (紀宝町 )
2024年02月14日
31 ルールブック周知に向けて  鵜殿区ワークショップで宣言文  (紀宝町 )
2024年02月14日
32 潮岬に「ギャラリーISHIKAWA」を開設  撮り続けた36年の作品を披露  (石川昭春さん )
2024年02月14日
33 ガスこんろ寄贈申し出る  南紀支部から古座川町へ  (県エルピーガス協会 )
2024年02月14日
34 小学生になるのが楽しみ  三輪崎小で園児との交流会  (新宮市 )
2024年02月14日
35 お悔やみ情報
  
2024年02月11日
36 絆をたすきでつなぐ
 市町村対抗ジュニア駅伝へ出発  (新宮市、那智勝浦町 )

 「第23回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会」が11日(日・祝)午前11時から、和歌山市内で開催される。紀三井寺公園陸上競技場をスタートし、各チーム10人の選手が仲間との絆をたすきでつなぎ、和歌山県庁前までの10区間21・1㌔のコースで競う。新宮市選手団は10日に市役所別館で出発式、那智勝浦町選手団は9日に同町役場玄関前で壮行会を開いた。

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■新宮市選手団出発式



 向井雅男副市長は選手たちに対し「自分たちにできる最高のパフォーマンスを会場の皆さんに見せてあげてください」と激励した。

 選手を代表して男子の新家稟雄(しんか・りお)主将(光洋中3年)が「新宮市代表として堂々とたすきをつないでいきます」。女子の上野碧主将(緑丘中3年)が「大会では1秒でも早く、一つでも上の順位が取れるよう懸命に走ります」と誓った。

 山下幸之助監督は「走る選手だけでチームが成り立っているわけではない。応援やサポートが絶対に必要。それぞれの役割をしっかり果たしてほしい」、団長を務める速水盛康教育長は「目標を一つにして物事に取り組むのは素晴らしいこと。自信を持って大会に臨んでください」と奮起を促した。

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■那智勝浦町選手団壮行会



 全選手を前に堀順一郎町長は「本番では練習の成果を発揮し、好成績を目指してもらいたい」と激励。寺本尚史監督は「今まで励んだ練習にうそはありません。あいさつ、ベストを尽くす、休息も練習のうちを実践してきた。28人全員でレースに臨みましょう」と士気を高めた。

 選手代表の下向奏介主将(下里中3年)は「歴代記録の更新を目指し、全力で走り抜くことを誓います」と決意を表明していた。

 大会の模様は動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ放送され、テレビ和歌山でも午後7時54分から録画放映される。

(2024年2月11日付紙面より)

出発式に臨んだ新宮市選手団=10日、新宮市役所別館
大会に向け士気を高めた那智勝浦町選手団=9日、那智勝浦町役場
2024年02月11日
37 電子申告の推進を宣言
 キャッシュレス納付も  

 新宮市医師会(谷地雅宏会長)と新宮納税貯蓄組合連合会(森川起安会長)の主催による「電子申告・キャッシュレス納付推進」宣言式が8日、新宮市井の沢の新宮商工会議所の会館であった。谷地会長が推進を宣言、出席した約30人も気持ちを新たにした。

 同会と連合会のほか、新宮税務署(美馬本進署長)、公益社団法人新宮納税協会(横手章郎会長)などからの参加があった。

 開会に当たり、森川会長があいさつ。情報通信技術(ICT)を活用した申告や納税について「利便性が良く、定着を図ることは経済社会のICT化を一層加速し、企業経営の健全な発展、健全な申告と納税の推進に貢献するもの」と語った。

 「医師会が連合会の運動の趣旨に賛同いただき、多くの納税者に対して電子申告・キャッシュレス納付の推進をしていただくことは、私どもにとって喜び。連合会としても、医師会の宣言を背に、納税者に対し、推進を啓発していきたい」とまとめた。

 続いて谷地会長が宣言した。新型コロナウイルス感染症の5類移行に言及。「(しかし)多くの人が確定申告で税務署を訪れ、密になることは防がなければ。電子申告を利用すれば回避できる。キャッシュレス納付も時代に適合している」と話した。

 「医師会が率先して実践し呼びかけ、感染症の拡大を予防し、活力ある地域社会に貢献したい。よって新宮医師会は『電子申告・キャッシュレス納付推進』に取り組むことを宣言する」と力を込めた。

 大阪国税局徴収部長、紀南県税事務所長、新宮市長のあいさつ(代読も含む)もあった。いずれも新宮医師会の宣言を歓迎し、運動の一層の推進に期待を寄せていた。

(2024年2月11日付紙面より)

宣言式に出席した皆さん=8日、新宮市井の沢の新宮商工会議所の会館
推進宣言を行う谷地雅宏会長
2024年02月11日
38 「門出」、花言葉で祝う
 スイートピー出荷最盛期  (御浜町 )

 卒業や異動シーズンを前に、「門出」や「優しい思い出」の花言葉を持つスイートピーの出荷が御浜町阿田和で最盛期を迎えている。

 30年以上生産している矢田又己さんのビニールハウス4棟計700平方㍍では、ピンク系統を中心に12色ほどを育てている。今シーズンは暖冬のため、暖房をあまり使わずに済んでいるという。

 柔らかな日差しが降り注ぐビニールハウスでは、女性らが収穫時期になった花を丁寧に摘み取っていた。50本の束にして100本入りの箱詰めにし、伊勢市と奈良県の市場に出荷する。作業は4月初旬まで続く。

 スイートピーは春を代表する切り花として知られ、卒業入学シーズンに最盛期を迎える。ひらひらとしたかれんな花びらが、飛び立つチョウのようで、新たな旅立ちを祝う花言葉が付いた。

(2024年2月11日付紙面より)

収穫時期を迎えたピンクのスイートピー=御浜町阿田和
2024年02月11日
39 中学生の稽古が大詰め
 11日の「御弓祭」に向け  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で11日(日・祝)に斎行される「御弓祭」に向け、射手を務める町立下里中学校の生徒4人の稽古が大詰めを迎えている。9日には直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)を着用し、的に向かって一心に矢を射た。

 厄災を封じた的を射抜くことで邪気を払い、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願うもの。旧正月11日の年頭行事だったが、現在は毎年、建国記念の日に行っている。

 今年の射手は上田颯涼さん、桃井勇起斗さん、川口慶次さん、曽我悠太さんの4人で、6日から稽古をスタート。弓と矢の扱いや姿勢、作法などを教わってきた。上田さんは「射手をするのは今年初めて。これまでの練習で5発当たった」。桃井さんは「難しいけれど、やっていると勉強になることも多くて興味が湧いてくる」と語る。

 山本宮司は「本当によく頑張ってくれている」。指導役の神社総代の植地登喜雄さん(83)や植地賢さん(46)は「本番も大丈夫です」と背中を押していた。

 祭り当日は午前10時30分から神事を執り行い、下里剣友会の剣士による形の奉納に続いて御弓神事がある。的を戸口に挿しておくと魔よけになることから、神事後には、参拝者が取り合うという。

(2024年2月11日付紙面より)

射手を務める中学生=9日、那智勝浦町の下里神社
2024年02月11日
40 イタリア指導、市PRも  新宮剣友会の宮戸8段  
2024年02月11日
41 能登への義援金を託す  熊野速玉大社と敬神婦人会  
2024年02月11日
42 見臺洋一さんの墨絵展  初公開、九里峡の風景  
2024年02月11日
43 「期限間近、ぜひ設置を」  住宅用火災警報器の補助  (新宮市 )
2024年02月11日
44 「せんせい、がんばれ!」  下里こども園で総合避難訓練  (那智勝浦町 )
2024年02月11日
45 事故防止への意識高める  くろしお児で交通安全教室  (新宮市 )
2024年02月11日
46 講話や体験で学び深める  城南中で初の「ふるさと講座」  (新宮市 )
2024年02月11日
47 小中学生の力作808点  11日まで、紀南の子ども作品展  
2024年02月11日
48 安心して入学してね  5年生と園児が交流  (井田小 )
2024年02月11日
49 美しい音色で感情を表現  「ミューズ」、コンサートに向けて練習中  (趣味日和 ~生活に、彩りを。~ )
2024年02月11日
50 お悔やみ情報
  
2024年02月09日
51 浮島の森が和菓子に
 緑丘中の生徒が考案  (「おいの伝説」の蛇も )

 新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)2年生の杉谷好美怜(すみれ)さんが考案した和菓子「抹茶蛇どら焼き」が、新宮市新町の和菓子店の福田屋(永用利一店主)で2月中旬に商品化される。販売は期間限定。新宮市の浮島の森と「おいの伝説」に着想を得ており、粘土を使って見本を作る校内コンテストでグランプリに輝いていた。

 緑丘中の粘土で作る和菓子コンテストは、昨年度から実施。コロナ禍で職業体験が行えなかったことと、生徒の保護者が和菓子店を営んでいたことをきっかけに始まった。粘土で和菓子を模して楽しむキットが売られており、これを使用している。

 制作には「紀南らしさ」を盛り込むというテーマが与えられていた。また単純に成形するだけでなく、味をイメージして材料も指定するようになっていた。本年度は、2年生の約60人が挑戦。昨年10月の文化祭で作品が展示され、生徒と保護者が投票、杉谷さんが最多票を集めていた。

 「抹茶蛇どら焼き」は、抹茶で浮島の緑を表現。おいのをのみ込んだ蛇は餅で成形を考えた。粒あんにも古座川町の特産品であるユズを加え、爽やかな味わいとすることをイメージした。

 杉谷さんは「バレンタインは毎年何か作っていて、ケーキなどのお菓子を作るのは楽しい。コンテストでは、新宮らしいものをと、浮島の森とおいの伝説を(題材に)選んだ。粒あんの粒をいっぱい作るのが大変だった」と話す。

 すでに試作品を食べさせてもらったという。「生地がもちもちしておいしかった。ユズの香りもちゃんと再現してもらっていた。販売が楽しみ。みんなに食べてほしい」とほほ笑んだ。

 永用店主は「抹茶蛇どら焼き」の試作品について「内容が結構盛りだくさんで、バランスに気を配った。ユズの香りが邪魔をしないよう、また蛇の見た目がどぎつくならないようにと考えた」と明かす。コンテストについても「和菓子を知ってもらう良い機会と思う。参加した生徒の中から、未来の和菓子職人が出てくれれば」と期待を寄せる。

(2024年2月9日付紙面より)

杉谷好美怜さんが考案した和菓子「抹茶蛇どら焼き」
「抹茶蛇どら焼き」を持つ杉谷さん=2日、新宮市立緑丘中学校
生徒らが制作した和菓子コンテストの作品群
2024年02月09日
52 無事祭典を終え感謝
 御燈祭りの翌日奉祝祭  

 御燈祭(おとうまつ)り翌日奉祝祭が7日午前、新宮市の神倉神社(宮司=上野顯・熊野速玉大社宮司)であった。祭典を取り仕切った神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)や神倉青年団などから12人が参列。無事に終えられたことを祝い、感謝をささげた。

 麓の大鳥居前で営まれた。神職によるお払いの後、上野宮司が祝詞を奏上。巫女による鈴払いを経て、上野宮司や参列者が順次、玉串を奉てんした。各自が山頂にあるご神体のゴトビキ岩に向かい、目を閉じ静かに祈っていた。

 上野宮司は4年ぶりの上がり子の参加について「事故なく、けがなく、全員が喜びの火をいただけるよう、一心に祈った」と回想。「山からの火がいつまでも続く、美しい火祭りだった」と満足を口にした。

 タカクラジが霊剣をたずさえ、松明(たいまつ)を手に神倉山を駆け下り、後の神武天皇であるイワレビコのもとにはせ参じたという逸話を紹介。「御燈祭りはこの姿を現しているとも言われる。その火祭りに携わる一人一人が、時代の証明者」と強調した。

 消防、警察、その他有志の協力にも言及。「祭りを無事に滞りなく終えられ、協力してくれた全ての人に感謝申し上げたい」と締めくくった。

  □     □

■盛大な餅まきも



 御燈祭り翌日祭として、神倉神社奉賛会による餅まきも、同日夕方に新宮市立神倉小学校のグラウンドで行われ、にぎわいを見せた。

 猪飼会長は「4年ぶりに上がり子を迎えての祭りを終え、気分は最高。僕らは御燈祭りが大好き。だからこそ、大変なことも多いが続けられる。今後も続けていきたい」と語った。

 神倉青年団で大松明も担当した中山忠吏さんは「大きなけがもなく、当日は天気も晴れて、良い祭りだった。大松明も、緊張より楽しみが強かった。スムーズに神事が行えて良かった」と話した。

(2024年2月9日付紙面より)

感謝の玉串をささげる上野顯宮司=7日、新宮市の神倉神社
集まった地域住民に向けて盛大に餅がまかれた=同日、新宮市立神倉小学校のグラウンド
2024年02月09日
53 地震による土砂災害警戒
 テックフォース隊員語る  (那智勝浦町 )

 「地震でも土砂災害は起きる」と警鐘を鳴らすのは、那智勝浦町市野々にある国土交通省近畿地方整備局の追鳥裕樹さん(紀伊山系砂防事務所那智勝浦監督官詰所)と小林正直さん(大規模土砂災害対策技術センター)。緊急災害対策派遣隊「テックフォース」の一員として、能登半島地震で土砂災害が発生した石川県輪島市と珠洲市で現場調査に当たった。

 テックフォースとは、大規模自然災害が発生した際、国土交通省から地方公共団体に派遣され、道路や港湾の被災状況調査や、保有する災害対策機材による応急対応の技術支援を行う部隊。

 2人は1月15~22日に砂防班第2陣として現地入り。積雪や悪天候に見舞われつつ、以前から砂防施設点検で活用してきたドローンを使い、人力では近づけない土砂災害発生地点の調査に従事した。

 能登半島地震では、石川県を中心に計230件(1月31日現在)の土砂災害が発生。家屋や道路に甚大な被害をもたらし、河川閉塞(へいそく)による二次災害も危惧されている。

 小林さんは現地の様子について「道路は至る所に亀裂や陥没があり、液状化によって下水管が浮き出ている状況。ほとんどの橋の付け根には大きな段差ができていた。渋滞も発生しており、宿泊地の白山市から現地に向かうだけでも大変。道路の重要性を再認識した」と振り返る。

 地震、津波、土砂災害などが同時多発的に起こる複合災害に備え「近年では複数の災害の情報を一つにまとめたハザードマップなどもあり、活用していただきたい」と呼びかけた。

 追鳥さんも「地震で崩れている場所のほとんどは、もともと土砂災害警戒区域に指定されていた場所」とハザードマップの重要性を強調。「津波から逃げなければならない中、道路沿いの土砂災害警戒区域が軒並み崩れて通れないということも考えられる」と危機感を強めた。

 今後、和歌山県土砂災害啓発センターとも連携し、啓発に地震による土砂災害の内容を加えることを検討しており「われわれが経験したことを地域防災に役立てるため、いろいろな場でお話しできたら」と話していた。

 海と山に囲まれた紀伊半島南部の沿岸では、津波避難場所の高台が同時に土砂災害警戒区域になっていることも珍しくない。発災時に地域で何が起こるのか、それらにどう対処するのかを考える機会としてもらいたい。

(2024年2月9日付紙面より)

追鳥裕樹さん(左)と小林正直さん=那智勝浦町の国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター
現地でドローンを飛ばす様子(国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所提供)
2024年02月09日
54 展示・図書スペース紹介
 文教厚生委対象に見学会  (串本町 )

 串本町が7日、町議会文教厚生常任委員会を対象にしたロケットミュージアム(展示スペース)と星空ライブラリー(図書スペース)の見学会を開き委員に内容を伝えた。

 これらスペースは西向にある旧役場古座分庁舎内で、3カ年計画のリノベーション事業に基づいて本年度に整備された。昨年末に大枠が仕上がり、町は先月11日に町議会の総務産業建設常任委員会を対象に見学会を実施。今回は文教厚生常任委員会を対象に実施したことで、議員13人全員が現時点での内容を把握する形となった。

 同ミュージアムはロケット「カイロス」の実物大投影や透視紹介などのデジタルコンテンツと壁面パネルやパズルなどのアナログコンテンツを織り交ぜた体験主体の構成。今回も町企画課の名田倍也課長がデジタルコンテンツを動作させた状態で一連の内容を紹介し、質問に応じるなどした。

 同ライブラリーはまだ書籍搬入が完了しておらず、本棚や閲覧席などの配置やロケットの先端部分・フェアリングを模した仕掛けなどを紹介した。同ミュージアムとスペースシアター(最大8K画質の臨場感シアター)は有料公開対象で委託先事業者との調整を経て夏ごろ、旧役場古座分庁舎を「宇宙ふれあいホールSora―Miru」と名称変更した上でオープン予定。同ライブラリーは無償の古座図書室をベースとしていて、名田課長は貸し出し可能な状況が整った時点で町管理により同ミュージアムなどより先にオープンさせるとし、ゆくゆくは委託先事業者へ運営を委ねられないかを模索する予定と説明した。

(2024年2月9日付紙面より)

ロケットミュージアムの内容を確かめる町議会文教厚生常任委員会の委員ら=7日、串本町西向
2024年02月09日
55 トルベリーノが優勝飾る
 サッカーU―8「池田仁彦杯」  
2024年02月09日
56 優勝目指し健脚競う
 太地町持久走大会  
2024年02月09日
57 人権の知識を深める  外部講師招き特別授業  (新翔高校 )
2024年02月09日
58 ヘゴやリュウビンタイ観察  日だまり観察会に15人  (太地町 )
2024年02月09日
59 「建学の精神を学ぶ」  創設者の足跡たどる学習  (近大新宮中 )
2024年02月09日
60 一日でも早く穏やかに  能登半島地震被災地に義援金  (新宮赤十字奉仕団 )
2024年02月09日
61 区長連合会対象に報告会  活動状況を伝え意見交換  (串本町議会 )
2024年02月09日
62 ネットの使う時間決めよう  6年生対象の情報モラル教育  (鵜殿小 )
2024年02月09日
63 地元から小2ペア入賞  県選抜室内ソフトテニス選手権  
2024年02月09日
64 各関係省庁に要望活動  タイムライン防災・全国国民会議  
2024年02月09日
65 創作への思い聞く  児童文学作家・富安さん迎え  (紀宝町立図書館 )
2024年02月09日
66 お悔やみ情報
  
2024年02月08日
67 4年ぶりの上がり子、1427人
 春の訪れ告げる「御燈祭り」  (神倉神社 )

 熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭(おとうまつ)り」が6日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれた。今年は4年ぶりに一般参加の上(あ)がり子を迎え、1427人(主催者発表)が神倉山に集まり、山頂付近にあるご神体「ゴトビキ岩」の下で御神火を授かって下山した。

 1400年以上前から続くと伝わる全国でも珍しい女人禁制の祭り。白装束に荒縄を胴に巻き、草鞋(わらじ)を履いた男たちが、源頼朝が寄進したと伝わる鎌倉積みの538段の石段を上った。

 大松明(おおたいまつ)の御神火が上がり子たちの松明に行き渡った午後8時前、山門が開扉され、松明を手にした先頭集団が一斉に飛び出した。

 神倉山の麓に架かる太鼓橋付近では、山を下りてくる勇壮な男たちを大勢の家族や観光客たちが出迎えた。

(2024年2月8日付紙面より)

一斉に山門から飛び出す上がり子=6日、新宮市の神倉神社

2024年02月08日
68 空気砲を作って学ぶ
 少年少女発明クラブ  (新宮市 )

 新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は3日、新宮市役所別館で2月講座「空気砲を作って学ぼう」を開いた。近畿大学附属新宮高校スーパーサイエンス部の部員11人が講師を務めた。市内の小学生の会員17人が参加。段ボールで空気砲を作り打ち出したほか、大型の空気砲で紙コップを倒し、空気の威力を確かめた。

 発明クラブは全国各地で活動をしており、県内でも10市町で行われている。新宮市では、市内の小学4~6年生を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。

 児童らは、部員の指導や協力を受けながら空気砲を作製した。段ボールを組み立てて直方体とし、一面に丸や三角など好みの穴を描き、部員にカッターで切り抜いてもらった。空気砲が完成すると、閉じたカーテンに向かい側面をたたき、飛び出した空気で揺れ動くことを確認。部員に煙を入れてもらい、空気が飛び出す様子を目視でも確かめた。参加者同士で打ち合って楽しむ姿もあった。

 高さ1㍍程度の、大型の空気砲も用意されていた。3㍍ほど離れた場所に、紙コップがピラミッド状に置かれており、これを倒せるかに挑戦。部員に煙を入れてもらい、児童が交代で後ろから押し出し、うまく倒れると歓声を上げて喜んだ。

 王子ヶ浜小学校5年生の岡野ななみさんは「作った空気砲は空気がいっぱい出た。大きな空気砲は少しずれて、うまく(紙コップが)倒れなかった。楽しかった。機会があったらまたやりたい」と話した。

(2024年2月8日付紙面より)

煙を入れて空気砲を楽しむ児童ら=3日、新宮市役所別館
大型空気砲を打ち出して紙コップを倒した
2024年02月08日
69 オンラインで運動教室
 体育文化会館で開催中  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は現在、体育文化会館で気軽に運動ができるオンラインプログラム教室を開催している。6日には「腸がよろこぶエクササイズ」に3人が参加し、30分ほどの有酸素運動やストレッチをした。

 ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」などを活用したライブレッスンで、インストラクターとリアルタイムでつながりながら楽しく運動できる。昨年9月に初めて実施し、好評につき1月から再実施している。

 この日のレッスンでは、近年注目を集める「腸内環境の改善」にフォーカスし、おなか周りのストレッチからスタート。有酸素運動の後、副交感神経を高めるリラックスタイムもあり、インストラクターは「運動不足、運動のし過ぎはともに体のストレスになり、腸内環境を悪化させる。バランスの良い食事も大事で水溶性食物繊維の多いゴボウやこんにゃく、ワカメなどがお薦め」と呼びかけた。

 参加した橋本芳子さん(79)は「程よく体がポカポカする。腸活とピラティスに参加している。やっぱり体を動かさないと」と話していた。

 日中には60歳以上の高齢者向けの教室(一部産後の母親などが対象の講座もあり)、夜間には町内在住・在勤の一般成人向けの教室を実施中。バレエ・フィットネス・ヨガを組み合わせた「バレトン」や「骨盤ととのうヨガ」、「肩こり予防エクササイズ」など、バリエーション豊かな講座をそろえている。町ホームページ(https://www.town.nachikatsuura.wakayama.jp/info/1416)などで講座を公開している。問い合わせは町福祉課高齢者支援係(電話0735・29・7039)まで。

(2024年2月8日付紙面より)

腸がよろこぶエクササイズ=6日、那智勝浦町の体育文化会館
2024年02月08日
70 春、クマノザクラの名所に
 児童と住民ら苗木植える  (紀宝町 )

 紀伊半島南部に自生する「クマノザクラ」の名所になればと紀宝町立神内小学校(寺本真奈美校長)と神内生き活き協議会(矢熊敏男会長)は6日、校内に初めて苗木3本を植えた。卒業を控える6年生11人が開花を楽しみに作業した。

 協議会は神内地区の活性化を目的に住民らで組織して活動しており、2019年度に事業化された自動車専用道路「紀宝熊野道路」が同校の近くを通る予定のことから、学校周辺にクマノザクラの植樹を計画してきた。賛同した日本クマノザクラの会副会長の田尾友児さん(神内)が苗木を提供した。

 この日は協議会の会員や田尾さんらが訪れ、6年生と一緒に作業した。矢熊会長は「高速道路からクマノザクラがきれいに見られたらと計画している。卒業の思い出の一つにしてほしい」と呼びかけた。田尾さんはクマノザクラについて2018年に発表された野生の品種で、「ソメイヨシノの代わりになるかもと期待されている。とても花がきれいなのが特徴。春を待ち焦がれている時に一番に咲く」と解説した。

 児童らは協力してスコップで穴を掘り、高さ2・5㍍ほどの苗木を植え付け。協議会が用意した看板を取り付け、全員で記念撮影を楽しんだ。

 杉浦唯月君は「植樹は楽しかった。貴重な体験をありがとうございました。高速道路から見られる景色を楽しみにしています」と話していた。

(2024年2月8日付紙面より)

苗木を植える6年生=6日、紀宝町立神内小学校
看板を前に記念撮影
2024年02月08日
71 親子で簡単、みそ作り  「よちよちくらぶ」で楽しむ  (新宮市 )
2024年02月08日
72 LINEの使い方学ぶ  はじめてのスマホ講習会  (那智勝浦町 )
2024年02月08日
73 無事終えられて感謝  御燈祭り後の清掃活動  (神倉神社 )
2024年02月08日
74 海で清めて御燈祭りへ  熊野生流倶楽部がみそぎ  
2024年02月08日
75 防災やフレイル予防講座  太田地区福祉委員会が研修  (那智勝浦町 )
2024年02月08日
76 町長へ県大会結果など報告  潮岬中3年・西悠斗さん  (ビブリオバトル )
2024年02月08日
77 管内の応募全作品を紹介  文化セで図画コン展示会  (串本海上保安署 )
2024年02月08日
78 多くの来場者が協力  能登半島地震の災害義援金活動  (紀宝町 )
2024年02月08日
79 研修・支援体制強化など評価  中央果実協会理事長賞を受賞  (みかんの里創生協議会 )
2024年02月08日
80 ロボットサッカーなど体験  紀南オープンフィールド構想  
2024年02月08日
81 77ペアが熱戦繰り広げ  成川ソフトテニス大会  (紀宝町 )
2024年02月08日
82 お悔やみ情報
  
2024年02月03日
83 NHKってどんなとこ?
 出前授業で児童が学ぶ  (神倉小学校 )

 NHK和歌山放送局による出前授業が1日、新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)であった。5年生72人が、NHKの仕事を学んだり、中継車を見学したり、カメラを触ってみたりした。

 NHK和歌山は、総合テレビで毎週月曜から金曜の午後6時30分から放送している「ギュギュっと和歌山」内で、5日(月)から9日(金)まで「新宮市ウイーク」を実施する。6日(火)の御燈祭(おとうまつ)りの生中継などを予定している。神倉小での出前授業の様子も、このウイーク内の7日(水)に放送する予定となっている。

 出前授業は組ごとで行われた。NHKのスタッフが児童らに、仕事の概要を説明。「公共メディアのNHKの重要な役割は、緊急時、例えば災害があった時に、いち早く避難などの情報を届けること。皆さんの命や暮らしを守る役割がある」と話した。「ギュギュっと和歌山」も紹介。「この学校の3年生の草鞋(わらじ)作りの様子も放送された」と明かした。

 児童らは中継車も見学した。スタッフが、内部の機器類や屋根に付くアンテナについて説明。「中継車の中で作った映像を、放送局に届けるのに使うのが屋根のアンテナ。通信衛星に電波を飛ばして放送局に届ける」などと伝えた。

 カメラについても説明を受けた。スタッフが「緑の幕の前であれば、自分以外の映像を合成できる」と語った。実際に児童が緑の幕の前に立ち、背景が合成した海の中の映像になることをモニターで確認した。カメラの取り扱いも体験した。

 田中咲伍君は「中継車をはじめ、いろいろな機械を見られてよかった。カメラの操作は難しかった。中継車の中で背景を変えたりできるのはすごいと思った」と話した。

(2024年2月3日付紙面より)

NHKの仕事について教わった=1日、新宮市立神倉小学校
カメラの取り扱いに興味津々
2024年02月03日
84 高芝区の防災マップ発表
 下里防災隊が住民招き  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(堺高行校長)は1月31日、同校に高芝区民や保護者らを招き「下里防災隊」の発表会を開いた。6年生19人が制作した高芝区の防災マップを配布し、学んできたことを発信した。

 6年生は本年度、学校裏の大丸山の避難路清掃やフィールドワーク、和歌山県土砂災害啓発センターや町役場防災対策室による授業、各区の区長らとの意見交換などで、防災に関して総合的に学んできた。

 学習のまとめとして完成させた高芝区のマップには、ブロック塀や崩れそうな崖、空き家などの危険箇所だけでなく、避難の際に安全に通行できそうな広い道や災害時に活用できるトイレ・自動販売機なども記載されている。発表会では、地震・津波発生のメカニズムや過去の大規模災害の教訓、防災バッグの中身など幅広い内容を伝えた。

 児童の学習にも協力してきた国土交通省国土技術政策総合研究所道路地震防災研究室(茨城県)の長屋和宏・主任研究官は、1月1日に発生した能登半島地震の現状を伝え「『自分たちの地域でも同じことが起きるんじゃないか』という視点で見ると、いろいろなことが見えてくる」と語った。開発した防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」のワークショップもあった。

 高芝区の伊藤善之区長(67)は「地域をよく見て勉強してくれたと感じる。子どもたちが遊ぶ場所の近くはブロック塀を撤去するなどしているが、対策ができていない場所もある。区としても防災に取り組んでいきたい」と話していた。

 この日は高芝区と連携して登校時避難訓練も実施する予定だったが、雨天で中止した。

(2024年2月3日付紙面より)

防災について発表する6年生=1月31日、那智勝浦町立下里小学校
高芝区の防災マップ
2024年02月03日
85 串本海域の価値など紹介
 西向小6年生らを招いて  (串本町 )

 「世界湿地の日」の2日、串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでサンゴ骨格標本観察会があり、町立西向小学校(河田恵美校長)の6年生が招きを受け専門家から教わる機会を得た。

 世界湿地の日(2月2日)は、湿地に関心を持ちその大切さを知ってもらうため国際条約「ラムサール条約」採択日(1971年2月2日)にちなんで国連が制定した記念日。串本町には世界最北限のサンゴ群落と伴う生物多様性を誇る串本沿岸海域が2005年に同条約湿地として登録された経緯があり、その価値を伝える趣旨で町、南紀熊野ジオパークセンター、株式会社串本海中公園センターが共催でこの日から16日(金)まで、南紀熊野ジオパークセンターを会場にして企画展「ラムサール条約湿地パネル展」を開いている。

 観察会はこの企画展に連動して計画。西向小6年生は串本海中公園センター水族館の森美枝館長から同条約の概要と湿地が自然や人間の生活に果たす役割、登録湿地の一つである串本沿岸海域がなぜ大切なのかの理由など、南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員から火成岩で浸食に強い潮岬台地があることで同じ町内でも西と東で海の環境が違い西にはサンゴ群落が発達していることなどを教わり、終盤で複数種類の同標本を間近に観察してその印象を深めるなどした。

 児童の岩本柚咲さんは「湿地が自分たちの生活にも関わっていて、温暖化を防いでくれていると聞いて驚いた。これからも大切にしていくためにごみを出してはいけないし、道の溝も(串本の)海とつながっているのでそこへごみを捨てようとする人を見かけたら声をかけないといけないと思った」と参加して思ったことを語った。

 同パネル展はこの条約の趣旨や串本沿岸海域の登録湿地としての特色などを8枚の解説パネルで紹介する内容で、開館中の午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。

(2024年2月3日付紙面より)

標本を間近に観察しながら学びを深める西向小6年生ら=2日、南紀熊野ジオパークセンター
16日まで実施するラムサール条約湿地パネル展
2024年02月03日
86 歌やゲームで盛り上がる
 保育所やこども園などで節分行事  (新宮市、那智勝浦町 )

 新宮市と那智勝浦町内の保育園、保育所、こども園で2日、節分行事が行われた。園児らは歌やゲームなどで楽しいひとときを過ごした。

 那智勝浦町立宇久井こども園(荘司千保園長、園児62人)は節分集会を開いた。各クラスの代表園児が自分たちの作ったお面を紹介した後、全員で節分にちなんだクイズに挑戦。「節分には何をまく?」「鬼がはいているのは何?」などの問題に答えた。

 パネルシアターでは、物語を通して職員から節分の由来の説明に耳を傾けた。後半には、赤と青の鬼が登場。突然の出来事に泣き出す園児もいたが、すぐに盛り上がり、歌「まめまき」を一緒に合唱した。

 最後は、2カ所に分かれてボールを籠に入れて競う「豆入れゲーム」に元気いっぱい取り組み、笑顔を見せながらにぎわっていた。

(2024年2月3日付紙面より)

「豆入れゲーム」で盛り上がる園児=2日、那智勝浦町立宇久井こども園
2024年02月03日
87 5商品が上位入賞  お弁当・お惣菜大賞2024  (株式会社ハイマート )
2024年02月03日
88 身体健全や無病息災祈願  加寿地蔵尊で初地蔵まつり  (那智勝浦町 )
2024年02月03日
89 「被災された方の役に立てば」  やまけん会ゴルフクラブが義援金  (新宮市 )
2024年02月03日
90 迅速な行動や経路を確認  新宮市庁舎で消防訓練  
2024年02月03日
91 地域一体で面的DXを  GBP推進セミナー  (那智勝浦町 )
2024年02月03日
92 画家・植野禎さん作品展  Gきのくにで3月末まで  (串本町 )
2024年02月03日
93 神前抽選で役者を決める  水門神社で「おみくじ祭」  (串本町 )
2024年02月03日
94 地震想像して地区内歩く  「校区人権・防災学習」始動  (相野谷小・中 )
2024年02月03日
95 横断歩道は「よく見てね」  うどの幼稚園で交通安全教室  (紀宝町 )
2024年02月03日
96 歯磨き絵本などを寄贈  保育所、幼稚園、小学校に  (紀宝町 )
2024年02月03日
97 お悔やみ情報
  
2024年02月02日
98 手話を話せることの喜び 太地町が初のイベント開催 

 太地町は1月31日、初の音楽療法&手話イベントを町公民館で開催した。2022年に町で制定された「手話言語条例」(※)に基づき、町民の手話への理解と普及を促進しようと企画。町民約80人が参加し、手話を話せることの喜びを分かち合った。

 イベントは、太地町立太地小学校の4年生15人による手話歌「愛の花」「大きな古時計」で開幕した。同町在住のろう者・畑見建三さん(75)に歌を伝えようと練習してきたという。

 「手話や聞こえない人のことを知ろう!」と題した講演では、東牟婁・新宮聴覚障害者協会の辻山尚美さん(58)が手話通訳を交えて会場に語りかけた。「私たちが手話を話すことは当たり前に感じられるかもしれないが、かつて手話は言語として認められていなかった。『口話法』といって、聞こえない人も声を出し、相手の口の動きを読み取って会話するよう指導されていた。手話は私たちにとっての命。ようやく自由に手話で会話できるようになった」と話した。

 畑見さんが「今では決して許されないことだが、手話を使っているのを教師に見つかり、手をたたかれたり、廊下に立たされたりしたことがある」と苦しいろう学校での経験を明かすと、会場に驚きが広がった。

 美熊野福祉会の音楽隊による音楽療法では「春がきた」「春の小川」「ふるさと」などの楽曲を、会場が一体となって手話と声で歌った。

 参加した70代女性は「手話を話してたたかれていた時代があったなんて知らず、自分がいかに無知だったか気付いた。手話言語条例のことは耳にしていたが、改めて手話を話せることを喜ぶ気持ちが伝わり、涙が出た」と話していた。

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※手話言語条例=手話とは、手話を必要とする人が知的で豊かな日常生活を営むために受け継いできた独自の言語体系を有する文化であるとの認識の下、手話による意思疎通を行う権利を尊重し、手話を必要とする人とそうでない人が互いに尊重し合いながら共生することを基本理念とする。

(2024年2月2日付紙面より)

辻山尚美さん(右)が講話=1月31日、太地町公民館
手話で「上を向いて歩こう」を歌う会場
2024年02月02日
99 本州初記録のドクウツボ
 須江崎沖合で漁中に捕獲  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で本州初記録となるドクウツボが展示飼育されている。熱帯~亜熱帯に生息するウツボで、分布北限記録ともなることから今年1月上旬には論文発表も実施。飼育担当の大西遼さん(26)は「仕入れて展示されることが多いウツボだが、記録個体はここ(=同館)だけ」と希少さをアピールし、来館時の鑑賞を呼びかけている。

 ドクウツボはウツボ類の中では大型の種で、最大2㍍ほどの大きさになることから迫力重視で仕入れて展示飼育する施設も多いそう。生息域はサンゴ礁がある浅い海域で、国内では小笠原諸島、薩摩半島、大隅諸島、琉球列島の沖合で生息が記録されているが、本州の沖合では同館の個体が初記録になるという。

 その体長は約90㌢で、成魚だが性別は不明。昨年11月26日、大島在住の福島勝司さんが須江崎の沖合(水深約30㍍)でウツボ籠漁をしている折に捕獲した。長い経験の中で見かけたことがなく、直感で「毒のあるウツボでは」と感じて同館へ連絡。対応した大西さんもドクウツボではと感じながら引き取り、ウツボ類を展示飼育している館内Aゾーンの掃除をするエビ水槽へ搬入した。

 南方の魚種に詳しい鹿児島大学大学院の院生・是枝伶旺さんに同定を求め、ドクウツボだと確認。大西さんと是枝さんの連名で分布北限記録、本州初記録として今年1月上旬に論文誌「Nature of Kagoshima」において発表したという。

 体の表面に独特の暗色斑模様を帯びえら穴が黒いなどの特徴で、串本の海にいる他のウツボと区別できる。毒は生物濃縮型のシガテラ毒で、食用すると中毒を起こす場合がある。経験のある漁師は取るべきウツボが分かっているので、誤って市場流通する状況はまずあり得ないという。

 同水槽内では岩陰に潜んでいることが多いが、8種類十数匹いるウツボ類の1匹として良好になじんでいる。2014年にダイビング中の目撃情報が存在しているが、他に情報がないため同館の個体が流れ着いたのか串本の海で繁殖したのかは現状では判断できないとしている。

(2024年2月2日付紙面より)

本州初記録として論文発表したドクウツボ=1月31日、串本海中公園センター水族館
2024年02月02日
100 災害から生き延びねば…
 共育ミニ集会に16人  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町教育委員会は1月30日、町福祉健康センターで共育ミニ集会の第2回講座を開催した。和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの教育研究アドバイザー・今西武さんを講師に、16人が改めて過去の災害を振り返り、防災を考える機会とした。

 町教委は本年度より「『命』や『生き方』を考える教育の推進」を重点目標に追加。▽命▽防災▽交流サイト(SNS)―の三つについて、子ども・大人双方で考える時間・空間として集会を企画した。

 今西さんは「人間は『心』が動かないと行動しない。だからこそ、行動心理学を基に、心が動き、実際に行動するための防災プログラムをつくってきた」と講話。報道写真を基に東日本大震災(2011年3月11日)の被災地や遺族らの姿を克明に捉えた「3・11メッセージ」を上映した。

 「1月1日の能登半島地震が発生するまで、正直『また防災か…』と思っていた人もいるのでは。ご自身の足元を振り返りながら、自分のため、愛する人のために防災を」と呼びかけた。

 同年に発生した紀伊半島大水害からも13年が経過する中、災害の記憶をどう子どもたちに伝えていくべきか葛藤する町内教育現場の映像も上映。町教委の草下博昭課長は「能登半島地震の被災地の状況を見るたび、町内小中学校で行われている防災の取り組みと重なる。今後も各校で頑張っていくので、見守ってほしい」と伝えた。

 参加した海野実加さん(31)は「東日本大震災で親を亡くした子どもの姿にショックを受けた。1歳の子どもがいるので、何としてでも災害から生き延びなければと感じた」と話していた。

(2024年2月2日付紙面より)

講話に耳を傾ける参加者=1月30日、那智勝浦町福祉健康センター
今西武さん
2024年02月02日
101 境内にデジタル案内板
 表示灯株式会社が奉納  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)の境内に1月26日、デジタル案内板が奉納された。日本語・英語で大社の由緒やお参りの作法などを伝え、観光客の利便性向上につなげるものだ。

 表示灯株式会社から大社へ申し出があり、地域の27社から広告協賛を得て設置。案内板は宝物殿横にあり、境内の雰囲気に合うよう朱塗りになっている。清祓(きよめはら)い式の後に使用が開始された。

 タッチパネル式モニターでは▽神道とは?▽境内案内▽ご祈祷(きとう)▽参拝方法▽授与品▽催事情報▽御由緒―の7項目を見ることができ、一部を除いて英語にも対応している。側面には日本の長さの単位である寸と尺の目盛りがあり、七五三などで参拝した人々の記念撮影にも使える工夫が施されている。絵馬型の協賛企業広告や周辺地図もある。

 同社開発本部長の浅野正臣さんは「小さい子どもや外国人でも分かるよう、お参りやちょうずの作法はアニメーションになっている」。男成宮司は「神道についての解説もあり、神社の教化にもつながるのでは。世界遺産登録20周年の年でタイミングも合い、外国人の方々にも利用していただきたい」と期待を寄せていた。

(2024年2月2日付紙面より)

宝物殿横に設置=1月26日、那智勝浦町の熊野那智大社
2024年02月02日
102 1月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2024年02月02日
103 JUNTOSが優勝飾る
 第22回新宮ニューイヤーサッカー  
2024年02月02日
104 串本が栄冠つかむ
 那智勝浦町総体スポ少バレーボール大会  
2024年02月02日
105 技家や理科の発想が集う  古座川町で作品展示会  (東牟婁地方 )
2024年02月02日
106 園地ににぎやかさ醸す  樫野崎の早咲きサクラ  (串本町 )
2024年02月02日
107 「やわらかくておいしい」  わがら広角が「もちつきサロン」  (新宮市 )
2024年02月02日
108 早春の浦神峠越える  NPO法人熊野が古道体験  
2024年02月02日
109 下里小4年生が道普請  守る会と清水峠を歩き学ぶ  (那智勝浦町 )
2024年02月02日
110 小6にワイヤロック錠  自転車盗難防止目指し  (新宮警察署 )
2024年02月02日
111 フォークリフト操作を確認  災害時物資輸送に備え研修  
2024年02月02日
112 リーグ連覇と連続日本一を  定期総会で応援ツアー決める  (熊虎会 )
2024年02月02日
113 真剣な表情で企業の説明聞く  初の合同就職説明会  (紀宝町 )
2024年02月02日
114 地震、津波に備え設備確認  飯盛自主防、炊き出し訓練  (紀宝町 )
2024年02月02日
115 「感謝」掲げてまい進  宮本睦美理事長が就任  (新宮青年会議所 )