新宮市立佐藤春夫記念館(辻本雄一館長)にこのほど、春夫愛用の品など100点以上が新たに寄贈された。30日、辻本館長が発表した。
2010(平成22)年に他界した、春夫の子息である佐藤方哉(まさや)氏の遺品整理に伴い佐藤家の遺族が寄贈した。現在は特に資料やいわれの残る日時計や文机、座卓など5点が同館で展示されている。
日時計は高さ約110㌢。影を利用して時間を計る。一緒に撮った写真=写真①=が残るなど春夫のお気に入りだったとされる。1989(平成元)年に春夫邸が移築された後も東京の佐藤邸に残されており、方哉氏の子ども時代について記した著書「環境」の挿絵(谷中安規画)のモチーフになるなど佐藤家のシンボル的な存在であった。
文机は和歌山県名匠にも選ばれた指物師・鮒田武彦(和往・和道)氏の作品。鮒田氏が、1960(昭和35)年の伊勢湾台風で倒れた熊野速玉大社の大鳥居のヒノキを使って作った文机を同市船町の故・杉本義夫氏が春夫に贈ったといった記録があるが、サイズや材質が異なることからそれとは違う机だと考えられる。裏に「紀伊国住人 和往作(印)」とある。
座卓に関しては、春夫邸建築当時の応接間の写真=写真②=が残されている。直径約70㌢で1人か2人が座れる程度の大きさ。晩年、門弟三千人といわれた春夫の応接間にはもっと大きな座卓が置かれるようになったが、佐藤家では大切に保管されていたという。
寄贈品に関して辻本館長は「佐藤家のシンボルである日時計が、移築復元された春夫邸に戻ってきた。多くの人に見ていただければ」と話している。
(2020年10月31日付紙面より)
診療・検査医療機関を指定 (和歌山県 )
新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、和歌山県では、地域において発熱などの症状のある人が適切に診療・検査を受けられる体制を整備するため、発熱患者の診療および検査が可能な医療機関を「診療・検査医療機関」として指定した。11月1日から運用を開始する。
同時流行による発熱患者の急増を見据え、国は9月、保健所中心だった従来の方針を転換。都道府県に、10月中に地域の実情に応じ、かかりつけ医などの医療機関を確保し「診療・検査医療機関」に指定するよう要請していた。
要請を受け、県は▽発熱患者等が新型コロナウイルス感染症以外の疾患の患者と接触しないよう、可能な限り動線が分けられている▽必要な検査体制が確保されている▽医療従事者の十分な感染対策を行うなどの適切な感染対策が講じられている▽県または和歌山市と行政検査の委託契約を締結している▽院内掲示を行う等、自院のかかりつけ患者等に対して、発熱等の症状が生じた場合には、電話で相談した上で、自院で診療・検査可能である旨を周知する―の要件を定め、申請を受け付けていた。
県が新たに診療・検査医療機関に指定した民間医療機関は280カ所。指定された医療機関は発熱患者の診療体制の確保に必要な経費に対する補助金や個人防護服の配布対象となるほか、発熱患者など専用の診療室を設けて患者を受け入れる体制をとった場合、その体制確保に要する経費の支援が国から受けられる。
今後は、発熱などの症状がある場合にはまずは電話でかかりつけ医に相談をする。かかりつけ医が指定を受けていない場合は指定医療機関への紹介が受けられるという。
(2020年10月31日付紙面より)
和大オンライン塾始める (串本古座高校地域協議会 )
串本古座高校地域協議会が28日、同校の生徒を対象にした「和歌山大学オンラインくろしお塾」を始めた。ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を使って大学生と高校生の学び合いを形にする取り組みで、同高校からは1、2年生8人が受講登録し2学期中の毎水曜日放課後にオンライン授業などに臨むという。
地方は都市圏ほど大学が身近ではないという不利の状況緩和策として前年度、単発企画「出張!和大くろしお塾」を実施して生徒と大学生がじかに情報交換できる場を設けた同協議会。今後の場の継続を考える中でインターネットを使えばより多くの機会をつくれると気付き、「和歌山大学オンラインくろしお塾」の実現を模索してきた。
他方、コロナ禍の情勢に伴い通信端末(タブレット)の整備が全国規模で急進し、同校でもオンライン授業実施のための環境が図らずして充実。これを追い風にして情報教育に得手がある和歌山大学教育学部の豊田充崇教授の監修を得て実施内容を固め、校内塾「くろしお塾」を通して生徒に受講を呼び掛けた。
この日はオンライン授業の前段階として対面授業を実施。講師を務める同学部3回生の畑屋蓮さんと栗生菜名さんが来校して生徒と自己紹介をし合い、大学生活や高校時代の学習、受験対策や日頃の学習方法、それぞれの特技などで情報交換をして互いに親近感を培った。終盤では通信端末を使い同システム越しで豊田教授が指導を行い、大学を身近に感じる機会としてこの取り組みがあることを学生と生徒に伝えて共に実りのある機会とするよう促しながら締めくくった。
校内塾の酒井豊塾頭によると、以降12月9日(水)まではオンライン授業を実施し、生徒は英語と数学の問題解説などを受け学生との情報交換もより深める。最終となる16日(水)は再度対面授業をし、オンライン授業の取り組みを振り返りながらより身に付く学習の助言をする予定という。
(2020年10月31日付紙面より)
ニュータウン熟年クラブ (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブ(峰武久・東熟年クラブ会長、角本聖洋・西熟年クラブ会長)は27日、同町内を巡る初の「まちなかウオーク」を開催した。晴天の下、会員34人が参加。景色や町並みを見物しながらウオーキングを楽しんだ。
同クラブは健康増進のために、熊野古道などを歩く「健康ウオーキング」などに取り組んできた。今回は自分たちが住んでいる町や名所を知るために、まちなかでのウオーキングを実施することとなった。
会員はお蛇浦(じゃうら)遊歩道周辺に集合し、記念撮影後に弁天島やお蛇浦遊歩道を見物し出発。勝浦八幡神社横を通り入船館(いりふねかん)へ。その後は高台の防災公園で食事を取り、ビン玉通りを歩きさらに周辺を散策した。
参加した同町狗子ノ川の西岡稔さんは「実際に歩くと改めて那智勝浦町の素晴らしさに気付いた。天気も良く、34人全員が無事で全ての行程で快適に過ごすことができた。今日のおかげで、皆さん若返ったかもしれない」と笑顔で語った。
峰会長は「今回は入会後、初めて参加される方も喜んでくれて良かった。地元を全く知らないと言う方もいたので充実した一日になったと思う」。
今後については「良い町をつくっていくには自分たちの住んでいる町を知ることが重要だと思う。これからのまちなかウオークでは町を学びながら、お店で買い物や食事をして、町の経済活性化にも貢献していきたい」と話した。
(2020年10月31日付紙面より)
総合スポーツ大会グラウンドゴルフ (ゆうゆうクラブ )
県年金受給者協会グラウンドゴルフ潮岬大会
【第23回】楽食のススメ
健康的な食事に関する情報は、今あふれています。糖質制限や、腸活、グルテンフリーにビーガンフードなど、あらゆる側面から健康的な食事に関するさまざまな情報が簡単に手に入りますよね。子どもたちを取り巻く食事にも、オーガニックや無農薬・無添加などの食材が脚光を浴びています。ただ、食事は毎日のこと。「こうじゃないとダメだ!」と決めてしまっては、本当に疲れてしまいます。では、子どもたちを健やかに育てるために、本当に大切なのはどんな食事なのでしょうか? どれだけ体が健康でも、イライラしていたり、体がだるかったり、気力がないと心配になりますよね。やはり、心と体がどちらも元気で、生き生きと前向きな子でいてほしいものですよね。結論から言うと、子どもを健やかに育てる食事は「何を食べるか」ではなく「どんな雰囲気で食べるか」が大切なんです。
家族で食べる食事が、子どもの健康にどう影響するかを調べた研究があります。この研究は、「食事の質」「家族そろった食事」「食卓の雰囲気」などと、子どもの「心の健康状態」との関係を調べたものです。「心の健康状態」の中には、「学校に行くのが嫌になることがあるか?」という登校忌避感や、「自殺したいと思ったことがあるか?」という自殺念慮なども含まれています。「食事の質」には、皆さんが思うインスタント食品やファストフードなどを頻繁に食べるか?などが含まれいます。中学生573名を対象に調べた結果、「『自殺念慮』や『登校忌避感』には『安らぎの場である食卓に家族がほとんど毎日そろうこと』が効果を持つということである」(東洋英和女学院大学人間科学部「食事の質、共食頻度、および食卓の雰囲気が中学生の心の健康に及ぼす影響」、2001年)と記されています。「食事の質」が影響したのは「根気のなさ」という1項目だけだったともあります。つまり子どもの心の健康状態に影響するのは「何を食べるか」ではなく、「どんな雰囲気で食べるか」ということなんです。子どもたちにとって、食卓は自分が安心してくつろげるとても大切な場所で、そこで家族と楽しくコミュニケーションをとることは、精神的な安定に大きく影響するということです。そうは言っても、忙しくてなかなか家族そろって、食事が取れないというご家庭もあると思います。でも大丈夫、その安らぎの場は、食卓でないといけないわけではありません。食卓以外の場でも家族間でしっかりとコミュニケーションが取れていて、家庭が安らぎの場であればそれでいいんです。子どもたちは、大人が自分たちを気に掛け、受け入れ、認めてくれているという状況に安心し、自尊感情や自己肯定感を高めていくんだと私は考えています。
食事の内容ももちろん大切ですが、それよりも、食事の時間に余裕を持ち、その雰囲気を楽しいものにしてあげてほしいと思います。楽しい食卓は子どもだけではなく、きっと私たち大人の心も穏やかにしてくれると私は信じています。
(2020年10月31日付紙面より)
新宮港でテロ対策訓練 (港湾保安委員会 )
新宮港港湾保安委員会(会長=鈴木伸幸・東牟婁振興局新宮建設部長)は27日、同港三輪崎4号岸壁で令和2年度新宮港テロ対策訓練を実施した。田辺海上保安部、新宮警察署、新宮市、新宮市・那智勝浦町の両消防本部、大阪税関和歌山税関支署新宮出張所など10機関から約70人が参加。テロに対する水際での連携体制を強化した。
新宮港では、約1年ぶりとなる「飛鳥Ⅱ」の入港を来月15日(日)に控えており、以降も続けてクルーズ船が寄港する予定となっている。
訓練は、今後増えると予想される客船の入港や、来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見越し、テロ事案に対する関係機関の対応の相互確認や、連携強化により的確に対応するための取り組み。▽巡視艇による不審小型ボートの発見と追跡、逮捕▽入国審査における不審旅客の発見と逮捕▽手荷物検査における旅客の所持品内からの拳銃発見と逮捕▽船内不審旅客の捜索と逮捕▽時限発火装置による火災発生と消火―の5項目を想定し実施した。
海上での訓練では、海保のボートが追跡し、追い詰められた不審小型ボートが発砲。海保巡視船が威嚇射撃を行い、不審者を逮捕に至るまでを訓練した。
鈴木会長は、同港に外航船や貨物船、クルーズ船などが多数入港しており、地方港湾ではあるが「国際航海船及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に基づく対応が必要な港湾と説明。東京オリ・パラでは国際的な注目が増すことでテロの脅威も増大すると述べ「この日の訓練がテロ対策の重要性と必要性を再認識し、相互組織のつながり強化に寄与するものを期待している」と述べた。
新宮港公安危機管理担当官の上野春一郎・田辺海上保安部長は「コロナ禍でさまざまなイベントが中止となる中、国際テロ組織の過激思想の影響を受けた者によるテロの可能性は否定できず備えは常に必要な状況」とあいさつ。水際対策はテロ対策の要であり、関係機関が連携を強化し続けることが重要と呼び掛けた。
訓練後には、副担当官の小畑博昭・新宮警察署長が「水際で不審者をあぶり出しその場で制圧・逮捕するなど、実践さながらの訓練であり、各機関の連携が確認できる内容で非常に心強く感じた」と講評。
「テロを未然に防ぐためには絶対に新宮港からテロリストやテロに使用される物を入れないという強い姿勢で挑む気持ちが必要。関係各機関のより一層の連携強化と対処能力の向上を」と呼び掛けた。
新宮港でのテロ訓練は国際船舶・港湾保安法の施行(2004年)を受け、06年から毎年実施されている。
(2020年10月29日付紙面より)
県内の修学旅行生が増加 (ウミガメ公園 )
紀宝町井田の道の駅「紀宝町ウミガメ公園」飼育棟で27日、プール清掃があり、ウミガメサポーター8人と飼育員らが作業に汗を流した。
今年はコロナ禍での修学旅行の行き先を県内に変更する学校が多く、ウミガメ公園には三重県内から多くの修学旅行生が訪れているという。
きれいなプールで修学旅行生を迎えようと清掃を実施。プール内の水を抜き、壁や床の汚れを落とした後、ウミガメ6頭の甲羅を磨いた。2時間ほど作業し、参加したサポーターは「きれいになったウミガメを多くの人に見てもらいたい」と話していた。
同公園では、ウミガメが健やかに暮らせる飼育環境を維持するため「ウミガメサポーター」を募っている。2013(平成25)年から始まり、これまで457人が登録。協賛金3000円で半年間、5000円で1年間サポーターとして認定される。
会員になればウミガメサポーター認定証が交付されるほか、希望すれば飼育プールの壁面に名前やグループ名の名札を掲示することもできる。問い合わせは、ウミガメふれあいパーク(電話0735・33・0300)まで。
(2020年10月29日付紙面より)
県立串本古座高校(左近晴久校長)の1年美術選択生25人がこのほど、共同作品「ゲルニカ」を仕上げた。来月実施の第16回串本町民総合展に出品するそうで、「本年度は文化祭がないので、この機会に大勢の皆さんに見てもらえれば」と同展期間中の鑑賞を呼び掛けている。
この作品制作は、前年度から同校の美術科を担当する西浦元康講師が生徒に作品発表の実感を託すために計画。油彩画の勉強を兼ねて6月に画家パブロ・ピカソが描いた作品「ゲルニカ」を解説し、以降生徒は手分けしてF10のキャンバス28枚に部分模写して組み合わせ実物の約4分の1の大きさ(約縦180㌢、横約370㌢)となる共同作品を仕上げたという。
西浦講師は「ほとんどの生徒が油絵の具を扱うのが初めて。悪戦苦闘しながら完成までこぎ着けた」と製作の様子をコメント。
生徒の猪村凌君は「色の濃淡をつける感覚が今まで使ってきた絵の具と違って難しかった。共同作品なのでみんなで合わせないと作品がおかしくなってしまうなと思い、そこは丁寧にしようと心掛けた」と挑戦を振り返り、「作品は一つだけど組み合わせる一枚一枚にみんなの個性が出ている。町民総合展ではその部分まで見てほしい」とアピールした。
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1年美術選択生と共に、2年美術選択生10人は油彩の点描画(F3)、3年美術選択生はアクリル絵の具のイラストデザイン(B3)を出品する予定。共同作品と合わせて鑑賞してもらえればと呼び掛けている。
第16回串本町民総合展は来月6日(金)から8日(日)までの3日間、町立体育館と文化センター、串本いやしの会展示場〈合同参加〉で開かれる。開場時間は午前9時~午後4時30分で、入場無料、随時受け付け。同校の作品は同センターB会議室に飾る予定となっている。
(2020年10月29日付紙面より)
和傘の灯りin西村伊作記念館 (11月1日まで、ライトアップイベント )
新宮市新宮の旧西村家住宅(西村伊作記念館、重要文化財)を和傘のライトアップで彩る「和傘の灯りin西村伊作記念館」が27日から始まった=写真。約100本の和傘が同館を照らし、訪れる人々の目を楽しませている。
新型コロナウイルスの影響で閉鎖的になっている気持ちを少しでも和らげることと、インスタグラムなど会員制交流サイト(SNS)で発信することにより市の文化的魅力の周知を図るために新宮商工会議所青年部(新宮YEG)が企画。今年リニューアルオープンした同館の文化的背景や歴史を発信する機会へとつなげる目的もある。
新宮YEGは昨年にも地域活性化事業として「あえかなる城」を開催。新宮城を舞台に展開された水野家入部400年記念イベントに彩りを添えた。
イベント初日のこの日には、多数の親子連れや夫婦、写真愛好家らが訪れ、一眼レフカメラやスマートフォンを手に写真撮影。「きれいだね」などと感想を口にしていた。
寺前砂和会長は「柔らかい和傘の灯りで、少しでも癒やされていただければ」と来館を呼び掛けている。
ライトアップは11月1日(日)までの午後6時~9時(最終日は8時まで)。コロナ感染予防のため、マスク着用と会場入り口では手指消毒を。体調が優れない人は来場を控える。新宮税務署前の駐車場が利用可能。
(2020年10月29日付紙面より)
総合スポーツ大会ソフトテニス (新宮市老連 )
城南中でオレンジリボン制作 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(中田善夫校長)育友会人権部会(岩澤遊水部長)は22日夜、11月の児童虐待防止月間に合わせ生徒たちに身に着けてもらうオレンジリボン約200個を制作した。保護者や教職員約20人が、一つ一つ思いを込めて丁寧に作業した。
同部が主催し、子どもたちを保護者の温かい気持ちで包み、やがて子どもたちが守ってあげられる側の人間に成長してほしいとの願いから取り組み今年で6年目。生徒にとってはオレンジリボンを通じて保護者の気持ちを受け取り、児童虐待防止に関して学ぶ機会となっている。
保護者が学校と地域をつなぎ、みんなが温かな気持ちになれるよう進めている。11月には各学年を対象に授業を実施し、学びを深めていく予定。生徒らは月間中、制服にオレンジリボンを着けて登校する。
森浦展行・主幹教諭は社会運動に対して支援や賛同を表す「アウェアネス・リボン」の色と意味を説明。参加者は熱心に耳を傾け「生徒たちには活動の大切さを知って、意識を高めてほしいです」と語った。
森浦主幹教諭は「人権というと難しく捉えてしまいます。常に『一人じゃない』ことを分かってほしい。保護者の方々や教職員で心を込めて作ったリボンを着けてもらい、元気に明るく学校生活を送ってもらえれば」と話していた。
(2020年10月25日付紙面より)
市街地で目撃情報多発 (新宮市 )
新宮市佐野の県立新翔高校付近で23日午前7時ごろ、路上にイノシシが倒れていると新宮警察署に通報があった。同署からの連絡を受け現場に向かった市農林水産課職員がイノシシを捕獲。鳥獣保護員の下忠文さんの元に運び殺処分した。下さんと職員は「攻撃してくる場合もあるので、発見した際には市農林水産課か警察に連絡を」と呼び掛けている。
捕獲されたイノシシは体長約90㌢、重さ約30㌔の雌。市道永田切杭線の道路上に倒れており、市職員が駆け付けた時にはすでに弱っていたという。
体に傷があったことから車と接触したと考えられるが、飼育豚や野生イノシシで感染拡大が続く「豚熱」の可能性もあることから現在、県農業水産振興課で血液検査を進めている。
同課によると、春ごろからイノシシによる農作物被害情報や目撃情報が寄せられており、9月ごろから新木保育園付近や橋本、相筋、三佐木地区など市街地での目撃情報が増えたという。先週には新翔高校の校庭でイノシシに掘られた跡を発見。2頭分の足跡が確認されている。
また、佐野駅付近における被害情報も多く、佐野川沿いの休耕地をねぐらにしている可能性も。近日中に近隣住民に通知の上、追い払い花火(動物駆遂用煙火)を使った対策を計画している。
同課は「体感としては昨年より3割ほど増えていると感じる。市街地でイノシシの被害・目撃情報が増えてきたのは近年。特に今年に限っては、市街地での発見も珍しいといえない状況」。
「イノシシ・サル等が住宅地に出没したときの初動対応マニュアル」に基づき、警察と連携し対応しているものの、増えすぎている現状を鑑み今年は幼獣も捕獲対象にしているという。
下さんと同課は、イノシシのねぐらになりやすい休耕地の草刈りや、イノシシに出くわした際の対応として▽近づかない▽興奮させないように静かにその場を立ち去る▽無理に追い払おうとしない▽生ごみの放置や放任果樹などは控える―などを呼び掛けている。
(2020年10月25日付紙面より)
三浦伸也さんによる子育て講座 (紀宝町 )
「絵本を読む人」として全国各地で活躍する〝しんちゃん〟こと、三浦伸也さんを招いての子育て講座が21日、紀宝町の神内福祉センターであった。
数冊の絵本を披露した三浦さんは「子どもも大人もハッピーになれるキーワードは『安心』と『自信』。安心と自信があれば、未知の世界に一歩踏み出せる」と伝えた。
その上で「安心や居場所のために家族みんなで食卓を囲んでほしい」、「失敗してチャレンジして成功すると自信になる。この自信が財産になる」などと話し、子どもの可能性を広げてほしいと呼び掛けた。
東日本大震災の被災地・陸前高田市に毎月通い、絵本を読み続けている三浦さん。「がれきの中から聞こえた子どもたちの笑い声が、まさに希望そのものだった」と語った。震災を経験した保育士の「子どもたちを失いたくない」という気持ちが、子どもたちの落ち着きにつながっていると感じたという。
「子どもは無条件に親を信じている。安心できる場を本能的に求めている。お母さんが一緒に楽しむことで子どもも喜ぶ」。
「子どもは自分の答えに自信を持っている。答えを一つにしてしまうと窮屈になる。大人の『物差し』を変え、理解することで大人の自信につながる」。自身の経験を交え「子どもたちの世界」を受け入れることの大切さも知らせた。
講座は、町ファミリーサポートセンターによる「サポート会員講習会」の最終講習で、所々にユーモアを交えた興味深い話に受講生とサポート会員ら20人が聞き入っていた。
子育ての手伝いをする同センターのサポート会員は93人で、今回、全3回の講座を受けた7人を新たに会員登録した。
(2020年10月25日付紙面より)
南紀勝浦温泉がエントリー (那智勝浦町 )
国民参加型の地方活性化プロジェクト「温泉総選挙2020」が1日から応援投票の受け付けを始めている。おととしには総務大臣賞を、昨年は歴史・文化部門で1位を獲得した那智勝浦町の南紀勝浦温泉が今年も同部門にエントリーした。
温泉総選挙は好きな温泉地への応援投票を通じて、さまざまな温泉地の情報に触れることができ、各温泉地の利用促進を図り、地域活性化につなげることを目的としている。
「温泉地のリアルタイム情報サイト」としての役割も担っており今年で5回目。公式サイトから応援投票した場合は抽選で旅行券などが当たる。投票は来年1月20日(水)までとなっており、今年はウェブでの投票のみ。南紀勝浦温泉旅館組合によると、22日午後4時時点での同温泉の順位は3位だという。
エントリーについて中定俊組合長は「GoToキャンペーンのおかげで客足も以前に比べると戻りつつありますが、キャンペーン後はどうなるか分かりません。また今年も入賞すれば、南紀勝浦温泉のPRにもつながりますので、大きなチャンスだと思っています。入賞して南紀勝浦温泉の魅力を多くの人に知っていただきたいです」。
投票については「昨年の温泉総選挙では大変多くの皆さまに応援をしていただいたおかげで『歴史・文化部門』にて1位を取ることができました。また今年も入賞ができるように皆さまの応援、よろしくお願いいたします」と呼び掛けた。
投票や選挙についての詳細の確認はインターネットで「温泉総選挙」で検索、または(https://onsen-ouen.jp)まで。
(2020年10月25日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
スポーツウエルネス吹矢大会 (那智勝浦町体育協会 )
ベンチャー隊が炊事活動 (ボーイスカウト新宮第2団 )
ボーイスカウト新宮第2団(安達実・団委員長)のベンチャー隊は18日、紀宝町鮒田の鮒田活動拠点で炊事活動「肉料理~どの調理が美味?~」を実施した。近大附属新宮高校の櫻井貴文君(3年)と中本康太君(1年)が肉料理や燻製(くんせい)作りに挑戦した。
ボーイスカウトは、家庭や学校では学ぶ機会の少ない活動を自然の中で行い、年齢の異なる仲間とさまざまな活動を実施することで青少年の心と体の成長につなげるのが狙い。
ベンチャー隊(高校1~3年)は、自分たちが考えた企画を元に計画書を作成。計画に基づいて実行に移し、反省点などを報告書にまとめて次の企画に生かす取り組みを行っている。
この日は「肉の種類と味の違い」「普段作る機会の少ない料理に挑戦する」などをテーマに掲げて取り組んだ。調理方法や材料の値段をリサーチし調理時間を予測するなど、会議を重ねプランを作成。実践に挑んだ。
メニューは「鶏肉のハンバーグ」(胸肉とささみの違い)、「ローストビーフ・ポーク」(牛肉と豚肉の違い)。段ボールで燻製機を手作りし、「さくら」「ブレンド」「ヒッコリー」のスモークウッドによる完成の違いも研究した。
櫻井君は「おいしくできた。しかし時間的余裕がなかった。準備に手間取ったことが計画通りに進まなかった要因」。中本君は「料理は上手にできたと思う。やはり準備に時間がかかった」とそれぞれ感想を述べた。
同隊の北村仁志隊長は「大人になっても挑戦する姿勢は必要。これからも『楽しく』を基本に、高度なことにも挑戦していってほしい」と期待を込めた。
同団では現在、小学3年以上の隊員を募集している。年会費2万2000円、入会金3000円が必要。体験入隊も可能。問い合わせ、申し込みはスポーツギアアダチ(電話0735・21・3218、安達さん)または南海堂(電話0735・22・2920、中川さん)まで。
(2020年10月22日付紙面より)
ノルディックウオーキング講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町築地のイササジコンストアで19日、「ノルディックウオーキングはじめて講座」が開かれた。新宮市や同町から20人が参加し、日本ノルディックウオーキング協会公認マスタートレーナーでエヌウォーカー倶楽部代表の藤川真司さんがノルディックウオーキングの特徴や効果を講演し、実技指導を行った。
ノルディックウオーキングとは2本のポールを使用した新しいフィットネススポーツで、世界中で1000万人を超える愛好家がいるとされる。
主な効果として▽腰や膝など下半身の負担を減らすことができる▽負荷を分散し上半身の筋肉を積極的に使える▽全身運動のため、通常のウオーキングの1・2倍以上の運動効果が期待できる▽インナーマッスルも鍛えられる▽肩から腕を振り、ゆったりとした動作で歩けるようになる―などが挙げられる。
講座を協賛する同町教育委員会によると、ノルディックウオーキングは町のスポーツ教室として4年前ほどから実施しており、需要も多いため今後も推進していく方針だという。
藤川さんは「年齢に関係なく筋肉は鍛えることができる。ノルディックウオーキングを続けていれば、寝たきりを予防し、元気になって体も良くなる。いつまでも自分の足で歩きたいという意志が健康づくりにとって重要です」と述べた。
大腰筋と体幹を鍛えることで背骨が刺激されるとし、脳への血流が増えることから脳が活性化すると紹介。「歩幅を広げると歩く速度も変化し、脳への刺激も違ってくる。歩幅が狭いと認知症になりやすいという記事もあるため、広いほうが認知症の予防になる」と解説した。
藤川さんはノルディックウオーキングを子どもの登下校時に行うことで防犯にもつながるとし、「皆さまの健康づくりを地域にも役立てていただけたら」と提案。健康になれば身体機能も改善し、身も心も若くなるとし、生活全体が活性化するため、活動的な日常生活につながると話した。
当日は雨天だったことから参加者は同町湯川の旧山川小学校体育館に移動。入念な準備体操後、実技指導が行われた。
町のノルディックウオーキング教室では竹原生さんと同店オーナーで講座主催者の湊谷洋子さんが講師を務めている。
湊谷さんは「ノルディックウオーキングはさまざまな効果も高く、健康になれる。今後は町内でも広まって、皆さまにも取り組んでいただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月22日付紙面より)
民児協10月定例会で意見交換 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(濵口啓会長)の10月定例会が20日、町福祉センターであった。町と町地域包括支援センター、町社会福祉協議会による報告の後、研修会を行い、委員30人と町内のケアマネジャー(介護支援専門員)12人が意見交換した。
意見交換会は新任を含む委員にケアマネジャーの仕事や地域包括支援センターの役割を学んでもらうもので、3年に1回開いている。
研修会では、町地域包括支援センターの主任介護支援専門員、南友也さんが介護保険とケアマネジャーの仕事を説明。介護保険制度は40歳以上が加入者となって介護保険料を納め、介護や支援が必要になった際には費用の一部を支払ってサービスを利用できる仕組み。当地域では熊野市、御浜町、紀宝町で組織する紀南介護保険広域連合が運営している。
ケアマネジャーについて「要介護者、要支援者の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようケアプランの作成や市町村、サービス事業者、施設などとの連絡調整を行う」と紹介した。
この後、6グループに分かれて意見交換を開始。委員からは「要介護者を担当するケアマネジャーの名前が分からない」「地区内の高齢者が施設に入所したときは知らせてほしい」などの意見があった。ケアマネジャーは改めて役割を紹介し、「地域包括支援センターとのつながりを大切にしている。センターにも相談してほしい」などと伝えた。
濵口会長は「お互い顔を合わせることができて良かった。今後も意見交換会を続けたい」と話していた。
(2020年10月22日付紙面より)
キイジョウロウホトトギス (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)で、キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)が見頃を迎え、鮮やかな黄色い花が参拝者らの目を楽しませている=写真(20日撮影)。
キイジョウロウホトトギスはホトトギス属の植物の一つ。紀伊半島南部の固有種で、山中の湿った崖に生え釣り鐘形の花を付ける。「ジョウロウ(上臈)」には「貴婦人」や「高僧」などの意味があることから「山里の貴婦人」とも呼ばれる。
古くから鑑賞価値の高いものとされることから採集され、それが減少の原因の一つとなっている。紀州藩が編さんした「紀伊続風土記」の「黄杜鵑草(きのほととぎすそう)、那智山中に産する奇品なり」とあるのは本種のこととされている。
和歌山県、奈良県で絶滅危惧Ⅱ類、三重県で絶滅危惧Ⅰ類に分類されている。
(2020年10月22日付紙面より)
塩竃神社の例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で11日、家内安全や豊漁を祈願する秋の例大祭が営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小し神事のみの斎行となった。
同例大祭は160年以上の歴史があるといわれる。毎年、勇義社の迫力ある獅子舞の奉納や地区の女性らで組織される「祭り盛り上げ隊」の屋台などに多くの人が集まり、盛大に行われている。
今回はコロナに加え、先日の台風14号の影響で1日延期してこの日の実施となり、宮総代や同地区の西・東区長、勇義社のメンバーら9人が出席した。
並川廣西区区長は「今年は神事のみとなり、勇義社の獅子舞も省くことになりつらい。来年はいつも通りの行事ができることを祈っています」。
東区区長でもある谷邦夫総区長は「主に漁師の祭りとして継続されてきた例大祭だが、コロナの影響で縮小する形となったので残念で仕方ない」。
同社宮総代の谷洋久代表は「来年こそは獅子舞もできるようになってほしいと願っている」と話した。
神事を終えた井谷宮司は「いつもはサカキを玉串に使用するが、今年は特別にナギを使ってご奉納した。コロナウイルスが凪(な)いで、鎮まり収まるように祈願しました。来年こそは通常のお祭りができれば」と語った。
なお、両区長によると、来年1月に営まれる「脊美(せみ)祭り」も今回と同様、規模を縮小して神事のみになることが決定したという。
(2020年10月13日付紙面より)
熊野学研究委員会自然部会、新宮市教育委員会は11日、新宮市高田で自然探訪スクール第1回講座を開催した。市内外から15人が参加し、高田小水力発電所周辺を散策しながら、秋の植物や昆虫観察を楽しんだ。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことを目的に毎年開いている講座で、本年度は全4回を予定している。
この日は内鹿野(うちがの)渓谷散策を予定していたが、前日の台風による増水のためコースを変更。熊野学研究委員会の高塚建さんらが案内役を務め、道中で山に自生するイワタバコやサンショウなどの植物、サツマニシキやハンミョウ(通称:ミチオシエ)といった美しい昆虫を解説した。ちょうど花期を迎えていた紀伊半島の固有種で和歌山県の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているキイジョウロウホトトギスにも注目が集まった。
那智勝浦町から参加した角拓利君(小学5年)は「昆虫や植物に興味があって参加した。ハンミョウを捕まえたのは初めて」と話し、一緒に参加した友達とアケビを持ち帰っていた。
(2020年10月13日付紙面より)
秋晴れの飛鳥神社例大祭 (太地町 )
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、獅子神楽や稚児行列、子ども神輿(みこし)の中止を決定していた太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭本宮が11日、営まれた。前日の宵宮は台風14号の影響で中止となり、秋晴れの本祭は行事を簡素化・縮小して斎行。樽(たる)神輿と参列者による行列が太地水産共同組合から同神社へと渡御した。
この日は、宵宮で実施予定だった頭屋祭が水産共同組合で執り行われた後に一行は同組合を出発。今年は神輿練りはなく、寄水青年同志会(寄水倶楽部・掛橋寿徳会長)と東新青年同志会(東新倶楽部・玉置功治会長)の会員が樽神輿を担ぎ神社を目指した。
到着後の本殿祭では髙橋宮司が豊漁やコロナ終息などを祈願して祝詞を奏上し、参列者らが玉串をささげた。
掛橋会長は「どこの町でも1年に1回の祭りができずに残念な思いを持っていると思う。皆さまの健康と来年は祭典行事が無事にできることを切に願い、玉串をささげさせていただいた」。
玉置会長は「昨年も台風で神輿ができなかった。倶楽部のメンバーのモチベーションが保っていけるようにしたい。来年こそは祭りや町を盛り上げていけるようにしたい」と語った。
髙橋宮司は「今年は宵宮と本宮をまとめることになったが、今日は天気も良く無事にお祭りができてよかった。総代の方々が朝早くから準備をしていただいたことに感謝している。来年はコロナも収まり、天気にも恵まれ、にぎやかに樽神輿も行いたい。それだけが願いです」と話した。
(2020年10月13日付紙面より)
秋まつりシーズン最盛に (串本町 )
串本町の秋まつりシーズンが最盛の時期を迎えた。今年は新型コロナウイルス感染症を鑑み、神事のみとする神社が大半。代表者参列で氏神への礼を尽くし、来年は例年通り営めることを期す状況が重なっている。
串本町の重心、串本地区を氏子区域とする潮﨑本之宮神社は11日午前10時に式典を執行した。7月26日付で式典以外の行事を中止することを発表し、宵宮の雄々しい宮上り道中をはじめとして本祭日とその前後の区域内をにぎやかす4氏子会の獅子舞奉納や道行きはなし。6月に着任した山本貞夫宮司が神事を担い、各区域の総代らが玉串をささげて今年の礼を神前にささげた。
出雲地区を氏子区域とする朝貴神社も8月初旬に神事のみとすることを申し合わせ。出雲獅子舞保存会の奉納や道行き、高張りちょうちんを伴っての宵宮夜半の宮上りといった行事は中止とした。式典は11日午前9時に執行。坂成正人神主が神事を担い、同地区の平澤正代表区長以下5区の区長と総代らが順次玉串をささげて礼を尽くした。
両神社とも祝詞では新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑みて諸行事を中止した旨を奉告。同感染症の早期収束と氏子区域内で感染がないことを大願の一つに盛り込み、一同で祈願していた。
平澤代表区長(66)は「朝貴神社のお祭りはみんなが楽しみにしていて、区外に出ている出身者も割と集まってくる。このような形になってしまったのはさみしいが、区民皆さんの健勝と繁栄、豊漁は変わらず祈願させていただいた」と話し、来年はまた例年のように営めることを期待した。
和深地区の八幡神社も獅子舞など諸行事を中止しこの日午前10時30分に式典のみ執行。須江区の旧雷公神社宵宮奉納は中止、樫野区の雷公神社も獅子舞や宵宮(例年10月8日)の参拝を中止し、13日(火)に式典のみ営む予定。潮岬地区の潮御崎神社も高張りちょうちんを掲げての宮上りや獅子舞などの行事は中止とし、18日(日)に式典のみ営む予定。
(2020年10月13日付紙面より)
東牟婁地方中体連新人大会
広報キャラバン隊が県内でPR活動 (紀の国わかやま文化祭・県実行委員会 )
「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」が来年10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される。1年後の開催に向け、キャラバン隊メンバーときいちゃんが県内各地でPR活動を実施。7日に紀南地方入りしたキャラバン隊は、新宮市井の沢の熊野新聞社本社を訪れ「県民一丸となって盛り上げましょう」と呼び掛けた。
国民文化祭は、文化活動への参加の意欲を喚起し、地方文化の発展に寄与するとともに国民生活のより一層の充実に資することを目的とする全国規模の文化の祭典。全国障害者芸術・文化祭は全ての障害者の芸術や文化活動への参加を通じて、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的に01(平成13)年から始まった。
わかやま文化祭のキャッチフレーズは「山青し 海青し 文化は輝く」。▽県民総参加で文化力のさらなる向上を目指す▽先人が育んできた文化を継承する▽交流の中で相互理解と新しい文化の創造を促す―を基本方針とし、地域文化の発展や新しい文化の創造へとつながる祭典を目指す。現在、県内で136の事業を予定している。
祭典に向け、実行委員会では県内文化団体や障害福祉関係団体、各市町文化協会により「盛り上げ隊」を発足。県民が作成した折り鶴を使用して「折り鶴アート作品」を制作する「折り鶴プロジェクト」や、盛り上げ隊が県内の学校などに出向き、文化体験を行う「出前体験プロジェクト」、公式ポスターを県内全域の企業や店舗などの協力のもと掲出し、会員制交流サイト(SNS)で発信する「ポスター2021プロジェクト」など、PRを重ね、県民意識の高揚を図るための取り組みを行っている。
地元和歌山を拠点に活動を行う兄弟お笑いコンビ「すみたに」を中心とするキャラバン隊は、きいちゃんと共にラッピングカーで県内各地を訪問。広く広報活動を行っている。21年の開催に合わせ、県内で2021枚のポスターの掲示を目標に8月6日から事業所などを回り、約2カ月で約600枚のポスターを配ってきた。この日は広報ポスターと出来上がったばかりの公式リーフレットを持参し周知を呼び掛けた。
実行委員会では現在、グッズを活用した広報や、文化祭SNS公式アカウントをフォロー・シェアするなどして祭典を盛り上げる広報ボランティアを募集している。
「すみたに」の角谷匡俊(まさとし)さんは「一人一人がサポーターとなって、祭典に向かって県民みんなで盛り上げていけたら」。弟の佳洋(よしひろ)さんは「県民の皆さんに多く知っていただき、共に広報をしていただけたら」と話していた。
広報ボランティアへの応募は11月21日(日)まで。氏名(団体名)、応募人数(団体のみ)、住所、年齢(個人のみ)、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどSNSのアカウントを記入し、FAX(073・423・7120)やメール(kinokunibunkasai2021@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。
(2020年10月11日付紙面より)
田岡市長が要望書を提出
和歌山県紀南地方の7市町村と県は7日、JR西日本(長谷川一明社長)に対して長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の誘致に向けた要望書を提出した。新宮市の田岡実千年市長が代表し、冨本直樹・和歌山支社長に要望書を手渡した。
同社は観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始した。
長距離列車について同市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町の7市町村と県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目。2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきたという。
要望書には、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、また、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れた上で「世界中に新型コロナウイルス感染症の猛威が吹き荒れ、本県の主要産業である観光関連事業は壊滅的な打撃を被り、地域は疲弊している」「地元自治体、観光関係団体・事業者、地域住民とともに地域の多種多様な観光資源を活用し『with コロナ』という新しい生活様式に沿った魅力ある観光メニューの開発や食、おもてなしを用意していく」と盛り込んだ。
田岡市長は提出に当たり「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意するのでぜひとも運行をお願いしたい」。
冨本支社長は「素晴らしい観光資源を持つ紀南地方へ誘致できるように取り組んでいきたい」と述べた。
(2020年10月11日付紙面より)
台風14号は10日午前8時現在、潮岬の南約180㌔にあり、暴風域を伴いながら時速20㌔で北東に進んでいる。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍、最大瞬間風速は40㍍。夜には東海道沖に達し、その後は勢力を弱めながら南へ移動する見込み。
串本町では9日夕方、50代女性が強風にあおられ転倒。左足を骨折する重傷を負った。
また、紀宝町浅里地区では9日夜、大規模な地滑りが発生したが、けが人はなかった。
和歌山、津両地方気象台によると、7日午後2時の降り始めから10日午前5時までの降水量は▽那智勝浦町色川433㍉▽新宮市371㍉▽熊野市新鹿339㍉―などとなっている。串本町潮岬では10日午前6時9分、30・1㍍の最大瞬間風速を観測した。和歌山県によると、新宮市で約30軒、那智勝浦町で約370軒、串本町で約90軒の停電が発生した。
また、9日には倒木に伴い、串本町潮岬の潮岬周遊線が片側通行規制となったが、現在は復旧。同町田原から津荷にかけての国道42号で全面通行止めとなっている。
台風の接近に伴い、JR西日本は10日、特急くろしお号と、きのくに線の運転を一部取りやめ。JR東海は同日の特急ワイドビュー南紀号を全区間、終日運休した。
(2020年10月11日付紙面より)
熊野那智大社(男成洋三宮司)で8日、創建1700年記念境内施設整備事業による礼殿などの改修工事完了に伴い「御創建壱千七百年境内施設整備事業竣功(しゅんこう)奉告祭」が執り行われた。神職や神社役員、工事関係者、島正博・整備事業奉賛会長、下宏・和歌山県副知事、九鬼家隆県神社庁長、堀順一郎町長ら約20人が参列し、御前に事業完了を奉告した。続けて竣功記念碑の除幕式も行われた。
事業概要は、礼殿、拝殿の改修および銅板屋根のふき替え、鳥居や宝物殿、長生殿、手水(ちょうず)舎、授与所の塗装工事。同大社別宮・飛瀧(ひろう)神社の鳥居、社務所、祈願所の改修や塗装など。
事業費約2億8000万円は氏子や崇敬者らによる寄付。3月31日に工事が完了した。4月に竣功清祓式が斎行されたが、新型コロナウイルス感染症の影響で奉告祭は延期となっていた。
奉告祭では、男成宮司に続いて参列者らが玉串を奉てん。巫女(みこ)が神楽「浦安の舞」を奉納した。
男成宮司は「多くの方をお招きし奉告祭を斎行したかったが、新型コロナの影響でかなわず残念」と心情を語り「関係者の方々や全国の崇敬者の方々のご奉仕により立派に竣功することができた。皆さま方のご奉仕に応えるべく、一生懸命努めていきたい」とあいさつ。
「神社はきちんとした形で残していくことが必要。一新された当大社に多くの人にお参りに来ていただければ」と話していた。
(2020年10月9日付紙面より)
体成分分析装置運用開始 (串本町 )
串本町が7日、体成分分析装置の本運用を開始した。当面は地域包括支援センターと保健センターが介護予防教室や特定保健指導などで運用。将来的には各地区で開かれているサロンなどへと測定の機会を広げることも目指しているという。
この装置は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した町独自事業第5弾の一事業「体成分分析装置購入事業」により導入。町民の健康増進の一助としてかねて運用を模索していたが、始めるなら早い方がいいという考えがあり同第3弾の1事業「在宅高齢者運動指導支援員雇用促進事業」に基づく介護予防教室「ころころ教室」の実施に間に合わせる方向で導入を目指してきた。
分析項目は体水分量、タンパク質量、ミネラル量、体脂肪量などで、事前入力した身長と年齢と性別も加味して筋肉量などを割り出す。測定に要する時間は約15秒。結果表には肥満指標や部位別(右腕・左腕・体幹・右脚・左脚)の筋肉量や体脂肪量、細胞外水分比、体重・栄養・肥満・筋肉均衡などの評価も示され、体の状態の把握や保健指導に生かすことができる。
同教室の期間開始には間に合わなかったが、この日あった3回目の開講前に受講生全員が同装置による測定に臨み、感染症予防に伴うフレイルの予防を見据えた栄養指導を受ける中でさっそく結果表を活用するなどした。同装置はID管理で個人のデータを蓄積でき、受講生は期間終盤で再度計測に臨み、その変化で受講の成果を振り返る予定。成果の実感を託して、同感染症の広まりに伴う屋外活動の機会減少を補う家庭での健康づくりを促すという。
地域包括支援センターの林源藏センター長によると、この装置には大勢に利用してもらうことで町民の健康状態の傾向をつかめる側面もあるそう。そのビッグデータを構築し町内に必要な介護予防事業の見極めに生かすことを先々に見据え、幅広く測定の機会を捉えて同装置を活用することに意気込んでいる。
(2020年10月9日付紙面より)
4歳児のフッ化物洗口始まる (紀宝町 )
健康的な食生活を維持するためには、自分の歯で、自分の口から食事をとることが大切と考えられている。日本歯科医師会では、80歳になっても自分の歯を20本以上保つ「8020運動を推進」を推奨している。
虫歯予防には、毎日の歯磨きが大切だが、幼児期からの取り組みも重要だ。紀宝町では2012(平成24)年から、虫歯予防の一環として4歳児以上を対象にフッ化物洗口を行っている。本年度も町内全保育所と幼稚園でフッ化物洗口を開始する。
フッ化物洗口は、1日1回、洗口液5㍉㍑を口に含み、30秒間ブクブクうがいする。虫歯菌の抑制、再石灰物化の促進、歯質の強化に効果があるフッ素を用いたうがい法で、虫歯予防に期待できるという。
7日には相野谷保育所(村上江里所長)で始まり、町みらい健康課の歯科衛生士、竹田仁香さんがうがいの方法を指導した。4歳児は、うがいができるように3週間前から水で練習してきた。この日初めてフッ化物でうがいをし、竹田さんは「歯を丈夫にするためにフッ素でうがいしました。うがいしてから30分はお茶などを飲まないように」と説明した。
町では、1歳2カ月児から3歳児までの各歯科健診で歯科健診、フッ化物歯面塗布、ブラッシング指導、食生活・相談などを行っている。
(2020年10月9日付紙面より)
三輪崎小で出前授業 (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童371人)で6日、2年生56人を対象にした出前授業「梅と梅干しのお話説明会」があった。紀州田辺梅干協同組合の大谷喜則副理事長が来校し、ウメ栽培の歴史や梅干しの効能、県を代表する品種であるみなべ町発祥の「南高梅」について話した。
和歌山県、県教委、県漬物組合連合会が推進する「梅干しで元気!!キャンペーン」の一環。県の食育推進月間(10月1~31日)に合わせて実施しており、今年16年目を迎える。
梅干しをより身近なものとして食べる習慣を養い、自分の食に関心を持ってもらうことが目的。県内の全小学校と特別支援学校251校に梅干し約6万4000個と学習冊子6万部を提供し、7校を対象に説明会を行う。
大谷副理事長は「和歌山県のウメ収穫量は日本一で、昨年は5万7500㌧、全国シェアの65%を占めている」と話し、約400年前から続くみなべ・田辺地域のウメ栽培が国連食糧農業機関(FAO)の「世界農業遺産」に認定されていることを紹介。梅干しに多く含まれるクエン酸には▽疲労回復▽殺菌効果による食中毒予防▽血液をさらさらにする―の三つの効能があると語り、「毎日梅干しを食べて健康になって」と呼び掛けた。
梅干しの贈呈式もあり、贈られた梅干しはこの日の給食で提供された。
(2020年10月9日付紙面より)
神倉小でJICAが講話 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で現在、6年生83人を対象に独立行政法人国際協力機構(JICA)の国際協力推進員である中嶋悦子さん、アモア万里奈さんによるSDGs(エスディージーズ)出前授業が開かれている。7日には6年1組29人が、世界中で起きているさまざまな問題に触れ、持続可能な未来社会の実現に向けて熊野地方に住む自分たちができることを考えた。
SDGsとは2015年の国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。貧困や飢餓、気候変動、安全な水の確保、ジェンダーの平等など、21世紀の世界が抱える普遍的な課題を挙げ、2030年までに国際社会が達成すべき17の目標を掲げている。
出前講座で児童は「世界の半数近くの学校では手を洗うための水や石けんが準備できない」「昨年1年間で世界中の女性と女の子が2億人以上、身近な人から暴力を受けている」「新型コロナウイルスの影響で世界の200カ国16億人近くの人が学校に通えなくなった」「インターネット環境の有無による格差が広がっている」など、新型コロナの世界的大流行によってあらわになった社会課題を学習。全ての問題がSDGsの17の目標と関わっていることを学んだ。
後半には、児童一人一人が「SDGsアンバサダー」として、どんな未来社会になってほしいか、具体的に自分にできることは何かなどを考えて発表。児童からは「暴力や暴言がなく、みんな笑顔になれる未来になってほしい」「節電、節水をする」「無駄なものを買わない」などの意見があった。
中嶋さんはネパールでの活動中に経験した男女の教育格差や現地の学校環境について話し、「問題が放置されれば、今の社会や生活、システムが続かなくなる可能性がある。普段の生活の中でSDGsの達成に向けて頑張ろうと思うことが大切」と呼び掛けていた。
(2020年10月8日付紙面より)
木下建設の招待受け橋杭小 (串本町 )
串本町サンゴ台にあるすさみ串本道路ICアクセス改良工事の現場付近で7日、同町立橋杭小学校(溝内聡子校長)の5、6年生が作業風景を題材にし写生会に取り組んだ。
この写生会は、現場の道路整備を担う木下建設株式会社の招待による機会。現場付近における児童の見守り活動で接点がある溝内校長から受け入れの希望があり、同社は昨年9月に串本小児童を対象にした写生会実施時のノウハウを生かして快諾した。溝内校長から作業中の建設重機を描かせたいと希望があり、当日は現場が見渡せる仮設歩道上に場所を設け各府省庁が示す感染症予防の目安を考慮した形で児童を招待した。
実施に先立って発注者・国土交通省紀南河川国道事務所の笹嶋和彦・串本国道維持出張所長が、大阪府松原市から三重県多気町を結ぶ全長340㌔の高速自動車国道「近畿自動車道紀勢線」とその一部になる全町19・2㌔のすさみ串本道路を解説。児童は命を守る道であり地域振興の道でもある同道路の玄関口が今居る場所、と実感を高めながら写生を始めた。
取り組んだ時間は1時間ほどで、以降は校内で仕上げるという。受け入れの段取りを担当した同社の河邉真悟監理技術者は「大きくなってこの道を通る時に、この場所で写生会をしたことを思い出してもらえればと思う。こういう仕事があると知ってもらい、将来建設業に従事してみようかなと思ってもらえるきっかけにもなれば」と取り組んだ児童の今後を期待した。
(2020年10月8日付紙面より)
熊野地域の観光活性化目指す (新宮市・那智勝浦町 )
和歌山県内でフリーペーパーやウェブメディア「ロカルわかやま」などの幅広い事業を展開する株式会社わかやまリビング新聞社(西田弘代表取締役社長)は5日、那智勝浦町の体育文化会館で環境省の国立公園・国定公園への誘客推進事業となる「熊野地域の観光事業活性化のための研修」を開催し、新宮・東牟婁などの5市町の職員や関係する住民らが同地域の観光活性化に向け見識を深めた。新宮市の田岡実千年市長と同町の堀順一郎町長がパネルディスカッションを行い、各市町の魅力を伝えた。
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大阪観光大学と連携した同事業は、新型コロナウイルス感染拡大の現況を踏まえ、和歌山県民や近隣府県の住民に同県の魅力を発信して誘客を図り、地域の観光業の活性化に貢献することが目的。
同社が行うレジャーや地域情報などを網羅したまとめ情報サイト「ロカルわかやま」を活用し、熊野地域の観光情報プラットフォームを構築するとともに体験型観光を効率的に販売するコミュニティーの創設を目指す。なお、「ロカルわかやま」の熊野エリア版となるサイト「ロカルくまの」を現在制作中であり、今年11月上旬にスタートする予定。
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田岡市長はコロナ以前は市への観光客が年々増加傾向にあったとし、熊野は世界から注目を浴びていると主張。国の史跡指定を受けている新宮城跡や旧西村家住宅(重要文化財)、旧チャップマン邸(登録有形文化財)を紹介し、佐藤春夫や中上健次、西村伊作、江戸千家の川上不白など数多くの文化人を輩出したことにも触れた。
また、新宮港に入港する大型客船の現状や、来年オープンとなる「丹鶴ホール」がまちなか観光の拠点となると説明。自身が薦めるスポットや行事として、王子ヶ浜、高野坂、熊野川の川舟下り、浮島の森、大雲取越、熊野速玉大社例大祭や御燈祭(おとうまつ)りなどを紹介し「おいしい食事ができる店や景観地も多く、癒やしの時間を過ごすことができる新宮市にぜひ来てもらえたら」と語った。
堀町長は生マグロや温泉に加え、那智の滝や熊野古道などの世界遺産、国立公園の弁天島、紀の松島、大雲取越もあるとし、サッカーを日本に広めた同町出身の中村覚之助についても紹介した。さらに、同町でも見学場事業が進められている串本町のロケット発射場にも触れた。
堀町長は「熊野地域はポテンシャルが高い。町の観光は今まで事業者目線だったが、これからは顧客目線でやっていきたい。そのためにDMOを立ち上げた。今後はインバウンドはもちろん、外貨を稼いでいきたい」と話した。
両首長の発表に対し、株式会社ノットワールド取締役の河野有さんは「自然だけなら他市町村にもあるが、この地域は掛け算で文化がついてくる。人と自然を主軸にすれば魅力的に映るのでは」とアドバイス。
大阪観光大学の小野田金司教授は「どちらの町も魅力がいっぱいだと思う。この事業は国立公園がテーマ。自然を売りにすることを各市町で押さえていきたい」と述べた。その後は参加者らが情報交換などを行った。
(2020年10月8日付紙面より)
危険考慮し今年度中に (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井にあるフェリーターミナルの連絡橋の撤去がこのほど決定した。同町が、経年劣化による落下の危険性や景観上の観点から地元区や宇久井漁業協同組合からの要望を受けたもので、今年度中に実施される。
同町総務課によると、このターミナルは過去に東京や高知、大分県などの航路を結ぶフェリーが着岸する際に使用されてきた。
経営母体は変わりながらも海の交通網に必要な連絡橋として活躍したが、定期航路がなくなり、その役目を終えた。
使用されなくなってから数十年以上が経過しており、現在は橋を含め建物自体も町の管理となっている。連絡橋の撤去費用は先日の令和2年度9月定例会で可決された。
担当職員は「昔はフェリーの利用も多く、私自身も船に乗り込む際に連絡橋を渡った。今回は連絡橋のみの撤去となるため費用は130万円ほど。台風などの問題もあるため、建設課には早急に進めてほしいと伝えている」と話した。
(2020年10月8日付紙面より)
江戸千家宗家が献茶式 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社で4日、新宮生まれの茶人、川上不白(1719~1807年)を流祖とする江戸千家宗家蓮華菴(川上閑雪(かんせつ)家元)による献茶式があった。本年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から各支部の代表など10人が参列し、川上紹雪(じょうせつ)副家元が献茶を行った。恒例となっている献茶後のお茶会は中止となった。
献茶は2007(平成19)年12月、宗家所蔵の不白寿像から「宝珠双龍紋」が見つかったことから、不白の故郷の「那智の滝」への崇拝と龍神信仰があったと考えられている。このことを縁に翌08年(同20)年から同大社での献茶を続けており、今年で13回目を迎えた。
献茶式では、多くの観光客らが見物する中、紹雪副家元が茶を2椀たてて神前に献じた。
男成宮司は「例年通りご奉仕いただき、ありがとうございます。熊野はよみがえりの地。一日も早い改善のために心よりお祈りをささげたい。皆さまには明るい世の中を見据えて茶の道にご精進いただきたいと思います」と述べた。
紹雪副家元は「コロナの状況もある中、無事に務めることができてほっとしています。茶道に限らず、さまざまな伝統文化が大変な状況にあると思う。一日も早く平穏な世の中に戻ってほしいと思いを込めて献茶させていただきました」と語った。
不白は新宮藩主水野家に仕える藩士の次男として生まれた。32歳で江戸に出て、千家流茶道を広めた。皇族、大名、旗本から町民まで階層にかかわらず指導したことで知られる。
(2020年10月6日付紙面より)
災害時警察活動協力員らが啓発活動 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は3日、新宮市谷王子町のオークワ新宮仲之町店の催事場周辺で災害啓発活動を実施した。同署員4人と災害時警察活動協力員4人が買い物客らにチラシなどの啓発物資を手渡し、災害時の備えの必要性と自主避難の重要性を訴えた。
災害時警察活動協力員は、災害発生時における災害警備活動などへの警察官の大量動員に伴って生じる多数の空き交番や駐在所において、警察官の代わりに地域住民の不安感を解消するために窓口対応などを行うことを目的としたもの。各警察署ごとに警察官OBから選出されている。
啓発活動は、夏から秋にかけての台風シーズンや、今後発生が危惧される南海トラフ地震などの大災害に備えてもらおうと、普段からの準備や心構えを広く呼び掛けるもの。啓発物資の配布のほか、紀伊半島大水害(2011年)、東日本大震災(同)、熊本地震(16年)の被害状況や災害警備活動の様子もパネルで展示され、多くの買い物客らが足を止めて見入っていた。
同署の新谷浩一警備課長は「災害はいつ起こるか分かりません。最低限の避難グッズの用意や、ローリングストックなど平時に備えを。災害時には河川状況や避難指示を確認し、早めの避難を心掛けてください」と呼び掛けている。
(2020年10月6日付紙面より)
風水害に備え各避難所に配置 (紀宝町 )
風水害に備え紀宝町は、町内各避難所に新型コロナウイルスに対応した備品・物資を配置し、各地区の避難所開設・運営訓練などで取り扱いを説明した。災害時における感染リスク低減を図ることが目的で、第2次地方創生臨時交付金事業の一つ。避難所運営者用、衛生管理用、受付用の各備品をそろえた。
マスク、使い捨てゴム手袋、フェースガード、養生テープ、啓発用掲示物、手指消毒液、ペーパータオル、施設消毒液、施設消毒用タオル、除菌シート、
足踏み式ごみ箱、ごみ袋、非接触式体温計、問診票兼避難者情報カードなどの備品を一つのボックスにまとめた。パーティションセットも備え、各避難所のレイアウトも添えて、受付要員はフェースガード、マスクを着用するよう呼び掛けた。
新型コロナは、いつ、どこで、誰が感染するか分からないことから、町では自主防災組織に「避難所へ避難する際はマスクを着用し、感染防止拡大対策の協力をお願いするとともに、避難所受付検温実施などで混雑するため、早めの避難を心掛けるように呼び掛けてほしい」と求めている。
(2020年10月6日付紙面より)
第2回お買物券発行開始 (串本町商工会 )
串本町商工会(須賀節夫会長)が4日、本年度第2回プレミアムお買物券の発行を始めた。この日は役職員らが町内2カ所で、感染症予防対策を講じながら販売所を設置。5日以降は同町商工会館で売り切れるまで取り扱いを続けるという。
このお買物券は、同町の小売店舗等消費拡大推進事業の委託を受けて年2回発行。今回は感染症対応事業「プレミアムお買物券増額事業」の上積み委託による、プレミアム率を1割から3割、発行数を3000セットから5000セットに増強する形で発行している。
販売所の一つ、同町文化センターでは役職員が12の窓口を設けて販売に当たった。発行対象は町内在住・在勤者で、従来の代理購入は不可。家族連れで購入に訪れるケースもあり、開場前から順番待ちの列ができ開場後1時間弱続く従来にない盛況を見せていた。
通常時の発行規模は3300万円相当だが、今回は6500万円相当。須賀会長はこの消費者支援は取扱参加店の経営支援にもつながっているとし「経済効果として功を奏し、一人でも多くの商売人のプラスになってくれれば」と期待を語った。
今回発行分の有効期限は12月31日(木)。取り扱い参加店数は141で、A2大のチラシなどで紹介しているほか取り扱い参加店も店頭告知しているので目安にしてほしいという。同会館での取り扱い時間は平日午前9時~午後5時。5日現在の残数は約1000セットという。問い合わせは同商工会(電話0735・62・0044)まで。
(2020年10月6日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
新宮市スポーツ祭典バドミントン競技
JAみくまの旗学童軟式野球大会
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和2年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が社会福祉、消防水防、教育文化などで市に貢献した個人9人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して87年、旧熊野川町が町制を施行して64年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから15年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人988人と100団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し、「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します。皆さまの比類なき知恵と経験を今後もお貸しいただきますようお願いします」とあいさつ。
引き続き新型コロナウイルス感染症対策への協力を求めるとともに「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
久保智敬市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かしてください」。
県議会の濱口太史副議長は「皆さまがさまざまな活動をすることが多くの人のお手本になっており、地域の元気につながっていることを知ってもらいたい」と祝辞を述べた。
(2020年10月3日付紙面より)
伊藤忠志さんが講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は9月30日、元和歌山県少年補導員連絡協議会会長の伊藤忠志さんを招き署内講演会を開いた。同署職員約50人が聴講する中、伊藤さんは自身の少年補導員の経験を軸に、青少年の健全育成に係る心構えや取り組みなどを話した。
伊藤さんは1982(昭和57)年に警察本部長から少年補導員として委嘱を受け、以降30年にわたり少年の非行防止と健全育成に尽力してきた。
96(平成8)年には新宮警察署少年補導員連絡協議会会長に就任。2007(平成19)年からは4年間和歌山県警察少年補導員連絡協議会会長を務め、県内全体の少年の健全育成の発展に尽くした。その功績は社会にも広く認められ、04(平成16)年の和歌山県知事表彰をはじめ数多くの表彰を受賞。少年の健全育成を目的とした「植樹祭」の開催や各種祭礼における夜間補導活動、登下校時の声掛けあいさつ運動などに取り組んだ。
伊藤さんは「意見もなく事務局が作った資料をただ読み上げるだけ。なんとか組織を改革したいと思った」と会長に就任した当時の思いを語り「社会に貢献するという思いがボランティアには大事。会長として、多くの事業をして会員の参加意識を高めるか、もしくは慣例で経過していくのかを考えた時、参加意識を高めるという方法を選択した」。
串本分屯基地に自衛隊のヘリコプターが来るといった情報から「子どもたちに空からふるさとを見てもらいたい」と思い立った伊藤さんは「管内の子どもたちを集めて交流を深めたら情報の共有ができるのは」と立案。子どもたちをヘリコプターに搭乗させ、さらに地場産業である林業に触れてもらおうと間伐材で工作をするイベントを開催し「子どもたちの笑顔に達成感を感じた」と振り返った。
伊藤さんは「さまざまな事業を企画立案する中でいろいろなトラブルがあった。しかし、青少年のための事業をするとなるとどれだけでもアイデアが出てくる。やってあげているという感覚ではなく、事務局に手伝ってもらっているという意識で活動しないと組織は発展しない」と述べた。
質疑応答では青少年育成に係る多くの質問が上がった。伊藤さんは「点ではなく線の事業をするべき」「自分が自信を持って仕事をすれば必ず実りはある」「子どもに対してはできるだけ同じ目線で優しい言葉を掛けてあげると素直に聞いてくれるのでは」などと伝えた。
(2020年10月3日付紙面より)
罰則規定の適用始まる (新宮保健所 )
新宮保健所は2日、新宮市内の4カ所で「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に係る街頭啓発を実施した。
条例は、環境破壊の一因でもあるプラスチックごみなどの海洋流出を防止するため、その発生源である陸上に散乱しているごみを削減することを目的に制定。ごみを捨てた人が回収命令に応じなかった場合、5万円以下の過料に処されるなどの罰則規定が10月1日から適用されている。
同保健所では、昨年から不法投棄の取り締まりを含め、環境監視員の清水道彦さんと職員がパトロールを実施。不法投棄を防止する監視カメラを設置しているという。
イオン新宮店での街頭啓発は、同保健所衛生環境課の大家秀仁課長と清水さんが取り組み、来店者に条例を周知するチラシを配布した。
清水さんは「ごみの散乱を『しない』『させない』『許さない』が大切。街頭に出て監視の目を光らせていきたい」。大家課長は「罰則が始まりましたが、まずはごみを捨てない意識を高めてもらいたい。一緒に町をきれいにしましょう」と呼び掛けていた。
(2020年10月3日付紙面より)
七川地区の協議会へ着任 (古座川町 )
古座川町が1日、地域おこし協力隊の隊員2人を委嘱。七川地区の振興に当たる団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の事務を支援する隊員として着任した。
この協力隊は人口減や高齢化が進む地域へ地域外の人材を誘致し、地域協力活動への従事を通して定着を図る目的で総務省が支援込みで推奨する制度。古座川町は2015年度から隊員の委嘱を始め、地域振興への協力を得ている。
今回委嘱をしたのは横溝秀文さん(42)と谷井麻美さん(34)の2人。横溝さんは神奈川県伊勢原市の出身で、営業職に従事しつつ地方移住を模索する中で同町に興味を持ち、下調べをした上で同町の募集に志願。谷井さんは同町平井出身で、ふるさとを離れ兵庫県神戸市で映像作家として活動する中で出身地にゆかりがある同協議会から発注を受け、その過程で出会う移住者など自分にない視点を持つ人々の熱情に引かれて同町の募集に志願したという。
この日は西前啓市町長から2人に委嘱状を交付。隊員は単年度起用となるため任期は来年3月31日までだが、制度上、双方の希望があれば最大3カ年まで更新して地域協力活動に従事できる。西前町長はまちの実態を把握して地域おこしのために頑張ることを2人に期待して、委嘱の御礼で後に表敬訪問した下山会長へ引き継いだ。
第一歩を踏み出すに当たり横溝さんは経験を生かした特産品振興と新規に有害駆除への協力、谷井さんは強みである映像製作を引き続き生かした貢献に意欲。下山会長は「昨年から協力隊の募集を続けていただき、2人を採用いただけたことをうれしく思う。(先んじて着任している太田浩二隊員を加え)隊員が3人となった七川ふるさとづくり協議会はこれからも各区長、各住民と一緒になって七川地区を盛り上げていく」と話した。
同町は同日現在、太田隊員、横溝隊員、谷井隊員に加え、同町観光協会事務協力として2人、古座川ふるさと振興公社調理協力として1人の計6人を隊員として委嘱する状況となっている。
(2020年10月3日付紙面より)
【第21回】遊び食べに良い器は?
小さなお子さんがいらっしゃるお宅には、必ずあるプラスチックのお皿。便利ですよね? わが家でも、子どもが小さいうちは割れない器を使っていました。特に遊び食べをする子どもは、うっかり器を落としてしまうこともしばしば。ただでさえ目が離せないのに、食器まで割れたら泣きたくなりますよね。私も同じような気持ちで、割れない食器を使ってました。だけど、食育のことをいろいろ学んだ今、あえて、割れる食器を使うことをお勧めしたいのです。
遊び食べに困るのは9カ月くらいから3歳くらいまでといわれています。離乳食の時期から陶器の食器を勧める人もいますが、私は、そこは無理に陶器にする必要はないと思います。私が割れる食器をお勧めするのは大体1歳半くらいからです。
遊び食べは、食べ物を手やスプーンでぐちゃぐちゃにしたり、わざと床に落としたり、スプーンでお皿をたたいたり…だからマナーとしてはいけないとか、しつけなくちゃと思ってしまいがちです。お母さんたちの悩みのタネですよね。ついつい「こら!」「だめ!」と叱ってしまいますよね。
でも、実は遊び食べは、学習行動なんです。遊んで食べている、というのは大人から見た感覚。子どもたちは、どんな音がするのか、どんな感触なのか、五感をフル稼働させてさまざまなことを試して学んでいるのです。そんな遊び食べの時期にこそ、食器を割っていただきたいんです(笑)。こんな言い方するとおかしいですが、食器がどんなことをすれば割れるのか、どんな風に割れるのか、を学ぶチャンスだと思うのです。割れた時は、叱らずにまず「なぜダメなのか」をきちんと説明してあげてください。「もう割れちゃったから使えなくなったね」「下に落とすとこんなふうに粉々になってしまうよ」「もう元に戻せないよ」と。この体験で「優しく使わないと割れるんだ」ということを学んでいくというわけです。
そしてもう一つ、割った食器をどう片付けるのかを見せてあげてほしいのです。まずは大きい破片を新聞紙に包むとか、細かい破片が残っていたら、けがをするかもしれないから掃除機をかけるとか。割れた陶器がとても危ないということや、片付けるのにも注意しないといけないということを教えてあげてほしいのです。もしかすると遊び食べも少し収まるかもしれません。
木でできた器や、プラスチックの食器はとても便利で安心ですが、100円のものでも良いので、ぜひ食器が割れるということを経験させてあげてください。ただ、遊び食べには個人差があるので、時間に余裕がある時とか、今なら良いなと思える時に陶器に変えるというのもアリだと思います。無理のない範囲で、試してみてください。
(2020年10月3日付紙面より)
熊野川町でデマンドタクシー出発式 (新宮市 )
新宮市熊野川町日足の熊野川行政局で9月30日、1日から運行を開始するデマンドタクシーの出発式があった。田岡実千年市長をはじめ同町区長連絡協議会の下阪殖保会長、タクシーを運行する熊野第一交通株式会社の麥田(むぎた)幹男取締役所長らが出席。テープカットを行い、町民の新しい交通手段の導入を祝った。
同町におけるデマンドタクシーの導入は、民間事業者の路線バスをはじめ行政バスの利用実績が少ないといった現状を鑑みたもの。高齢化が進み、エリアの広い同町において、日常生活における移動手段の確保が課題となっており、住民からは「便数が少ない」「バス停まで遠い」「運賃が高い」などの意見が上がっていた。
市では町民にヒアリングやアンケート、住民説明会などを重ね、事前予約制の乗り合いタクシーの導入を決定。運賃は1回(片道)100円均一で、同町内全域および一部町外(高津橋バス停、熊野市役所紀和庁舎)を1日最大8便運行する。デマンドタクシー導入に伴い、路線バス(玉置口線、篠尾線)、行政バス、熊野川診療所送迎(敷屋方面)は廃止となっている。
開式に当たり、田岡市長が「高齢化が進む中、日常生活における移動手段の確保は大変重要な課題。運行開始後も住民の皆さまのお声をお聞きし、より良いものとなるよう適宜改善していきたい」。
デマンドタクシー導入は新たな公共交通の幕開けとし「住民の皆さまが心豊かで元気に暮らせるよう、今後もまちづくりを進めていきたい」と述べた。
下阪会長は「住民が育てる形で、地域に密着したタクシーであってほしい。住民、市、社協が協力し合うことですばらしいタクシーになると思っている」と期待を込めた。
麥田取締役所長は「デマンドタクシー導入はコロナ禍の中において画期的な企画であり、地域の方々にとっても大きな喜びとなる」と述べ、地域住民に対し、新型コロナ対策としてマスク着用への協力と飲酒時の利用を控えるよう呼び掛けた。
テープカット後には走行デモンストレーションがあり、住民らを乗せたタクシーが行政局を出発。タクシーに乗車した同町椋井在住の森靜子さん(80)は「一人暮らしの高齢者が多い中、みんな喜んでいます。買い物にも行きやすく生活も便利になると思う」と話していた。
(2020年10月2日付紙面より)
新宮信金が熊野修験に浄財寄贈 (那智勝浦町 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)の有志役員や職員ら約100人で組織される「新宮しんきん世界遺産応援募金会」は9月30日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺の信徒会館で同会が集めた浄財の寄贈式を開いた。寄贈を受けた同寺の髙木亮英副住職は「後世に伝承していくために浄財を役立てたい」と感謝を述べた。
同会は世界遺産に登録された地元熊野の環境保全を目的に2004(平成16)年9月に設立された。メンバーは毎月募金を行い、年1回、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の維持や管理、広報、関連する団体などの支援を行っている。
各支店の管轄地域内から推薦団体などを挙げて決定するもので、今回は勝浦支店が推薦した「熊野修験」代表世話人の髙木副住職が選ばれた。
平安時代より、那智の滝や大峰を修行の場として、山伏が山や谷を越えて修行を行う熊野修験。1988(昭和63)年に熊野修験を再興させた髙木副住職は「今日、われわれがこうして生きていられるのも山伏のおかげ。途絶えさせてはならない」という思いで活動し、熊野信仰を全国や後世に広めるために毎年、修行に取り組んでいる。
寄贈式には和平幸勝常勤理事や地域サービス部の芝和樹さん、羽根洋一勝浦支店長と同店の大江和貴さんが出席。
羽根支店長は「役職員一人一人の思いのこもった支援金を、熊野修験のさらなるご発展、活動の広まり、後世への継承にお役立ていただきたい。『蟻(あり)の熊野詣で』のようなにぎわいが再び復活することを願いながら今後も世界遺産の保全などへの支援を継続してまいります」と話した。
髙木副住職は山岳信仰の始まりやこの地域が日本第一霊験所であること、明治時代の廃仏毀釈や神仏分離、修験道廃止令により熊野修験も途絶えたと説明し「熊野修験を復活させてから33周年を迎えた年に貴重な浄財を頂き、非常にありがたく、感謝しております」と語った。
(2020年10月2日付紙面より)
仮移転先で開館を再開 (串本町図書館 )
串本町図書館(池田三明館長)が1日、仮移転先の地域保健福祉センター(町立体育館そば)で開館を再開した。開館時間は午前9時~午後5時15分で、休館日は月曜日と祝祭日など。池田館長は仮移転を機により現代的に活用してもらえる形に近づけたいと意気込んでいる。
串本小学校そばの旧施設から仮移転するため、8月から休館していた同図書館。8月末の同センター内改修完了と同時に蔵書の移設を進め、当初目標とした期日通りに再開へこぎ着けた。
同センター1階のロビーと旧空き室(食堂や厨房)が図書館フロアとなっていて、ロビーに児童図書コーナーと事務所、空き室に一般図書・郷土資料コーナーを配置。書棚の一部は旧施設から引き継いだが、明るい色調の紀州材の書棚も新調して取り入れて雰囲気の演出も図っている。
同館の蔵書規模は約4万9000冊で、うち7割ほどを書棚へ。旧施設で試行していた蔵書検索システムも、再開に合わせて本稼働している。リニューアル記念で蔵書168冊を新規購入。10日(土)には月例のおはなし会も再開し、初動に弾みをつけるという。
同センター玄関も木材装飾で柔らかみがある雰囲気に。池田館長は「フロアの明るさ、交通利便、駐車場も含めて仮移転としてはベストな形に落ち着いたと思う。図書館は貸し出しだけでなく、親子で訪れて本に親しみ関係を深めるといった利用もできる。今後の本移転の弾みとすることも意識し、再開を機に多くの皆様にご活用いただけるよう今後も頑張りたい」と気持ち改まるところを語った。
問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2020年10月2日付紙面より)
老ク連200人が奉仕活動 (新宮市 )
新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)は「老人の日・老人週間」の全国一斉奉仕活動に合わせて9月30日朝、蓬莱テニスコート周辺や浮島の森駐車場など市内の26カ所を清掃した。連合会の26団体、約200人が参加した。
清掃奉仕は「花のある町、ゴミのない町」をテーマに実施。美しい環境で公共施設を利用してもらおうと、草引きやごみ拾いの活動を毎年行っている。
同市神倉の県立新宮高校旧校門前では西道楽天会(河上政方会長)のメンバー約20人が周辺の草を引き、手分けして紙くずや落ち葉、空き缶を拾うなどして汗を流した。
河上会長は「風が強かったため落ち葉の量は多かったですが、紙くずやたばこの吸い殻が格段に少なくなったと思います。今後も意識を持って、地域全体できれいな町を保っていければ」と話していた。
(2020年10月2日付紙面より)