近大附属中学校3年生が (新宮市 )
紀の国緑育推進事業を利用した林業教室が29日、近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の中学3年生47人を対象に実施された。生徒たちは間伐体験や原木市場・製材所見学、木工教室を通じて熊野材が製造される工程を追い、ふるさとの森林や産業への学びを深めた。
この事業は、県内の豊かな森林や林業、環境問題への関心を高め、森林を守り育てる意識を育むことを目的に行われており、同校では2年目となる。新宮・東牟婁地方で林業・製材業・運送業を営む若手経営者で構成する紀南木材新緑会の野中亮伸会長ら3人と、熊野川町森林組合(田中多喜夫代表理事組合長)が指導に当たった。
同校で行われた講義では野中会長が講話。「全国の市町村の中で、新宮市の森林率は90・6%で第2位」と話し、木材業の隆盛で経済的・文化的に発展した新宮市の歴史を写真で紹介。森林の持つ▽水を蓄える▽生物のすみかとなる▽空気をきれいにする―などの効果を発揮させるために森林の適切な管理・整備と伐採・利用が必要と述べ、林業の重要性を強調した。
間伐体験では直径15㌢のスギを伐採。熊野川町森林組合の職員から木の選び方や伐倒方向を決める受け口・追い口の入れ方を学び、使い慣れないのこぎりで切り倒した。
森本新奈さんは「のこぎりは思ったよりも力が必要だった。すんなりと切っていく森林組合の方々は職人技。さすがプロだなと思った」。谷口優依さんは「最初は真っすぐ切れなかったが、途中からすっとのこぎりが入るようになり、楽しかった」と笑顔で話していた。
午後からは新宮市あけぼので、木材の競りを行う㈱新宮原木市場や丸太を製材する板美商店、木材にホゾ・仕口などの加工をする新宮木造住宅協同組合の工場などを見学。木工教室では木のパズル制作や木組みをして木に親しんだ。
(2020年10月30日付紙面より)
ユズ果実の搾汁作業始まる (古座川ゆず平井の里 )
古座川町平井にある農事組合法人古座川ゆず平井の里(羽山勤代表理事)の出荷場で28日、ユズ果実の搾汁作業が始まった。今年は法人全体で約140㌧の収量を見込み、うち状態がいい果実約10㌧は生果として団体所属する紀ノ川農業協同組合へ出荷。残りを搾汁するという。
昭和30年ごろに始まり町内へ広まったユズ生産。同法人は生産者の共同体として平成16年に発足し、現在は95人が組合員となり果実を集荷している。
羽山代表理事によると、今年は70戸が集荷する予定。この日は初日とあって生果用と搾汁用合わせて約10㌧の集荷があり、搾汁用をさっそく地域おこし協力隊など若手の手伝いを得ながら順次洗浄、搾汁した。風味が異なる果汁を意図的に得るために最近は完全に色づく直前の果実も集荷。今は若干青みが残る果実の搾汁をしていて、後にほぼ色づいた果実の搾汁もするという。
搾汁後の果実のうち皮がきれいなものを加工用として取り分け、残りは堆肥化して畑に返すなど無駄を出さない工程で作業を重ね、11月末までに今年分を搾り切ると意気込んでいる。
果汁は大口への出荷もするが、同法人もさまざまな特産品に加工して販路に乗せている。集荷の時期を迎えて羽山代表理事は「全体的にやや小ぶりな印象だが量があり、平年並みの収量を見込んでいる。今年はコロナの影響で加工品の需要が少なく販売が厳しいが、ひるまずに少しでもいい香りを届けるという思いで頑張りたい」とコメントし、出荷先での愛好を願っていた。
(2020年10月30日付紙面より)
11月1日、フラなど動画配信 (ALOHANA くまの )
「ALOHANA くまの実行委員会」(向井里江実行委員長)は28日、熊野市役所で会見を開き、フラやタヒチアンダンス、ウクレレなどをYouTube(ユーチューブ)で配信すると発表した。時間は11月1日(日)午前11時から翌2日(月)午前11時まで。多くの視聴を呼び掛けた。
「ALOHANA くまの」は例年、御浜町のふれあいビーチやしの木広場で開催され、南国ムードいっぱいの踊りや演奏で親しまれてきた。今年は新型コロナの影響で中止。代わりに動画配信を決め、毎年出演してきた個人や団体に協力を呼び掛け、寄せられた動画を2時間に編集。出演は13団体で、熊野鬼城太鼓や那智勝浦町のギタリスト濱口祐自さんの名も。熊野市や那智勝浦町の自然も多く登場する。
向井実行委員長は「映像を通じて笑顔を届けたい」と話す。動画は「アロハナくまの」で検索すればよい。
(2020年10月30日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は29日、那智勝浦町宇久井の熊野古道「大狗子(おおくじ)峠」などの整備に取り組んだ。会員12人が参加。以前から補修作業に取り組んでいる道を補強したほか、周辺の清掃活動に汗を流した。
同会は古道の整備や景観美化のためにボランティアでさまざまな活動に従事している。
この日、会員は雨で道や土が流れてしまわないように溝を掘って周りを石で固めたり、ハンマーで木や竹を打ち込んで土留めを設置した。枯れ木を拾い、徒歩の邪魔になる石などを除くなど美化にも努めた。また、埋まっていた石を掘り起こすと広い石段が現れ、古道に花を添える形となった。
太田代表は「今日、整備した土や石がなじんで、落ち着いてくれたら道も良くなると思う」。
会員からは「これだけきれいになったのだから、大狗子峠も世界遺産になってもらえたら」と話した。
(2020年10月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
千歳連合会初のグラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
新宮市出身 (プロ野球ドラフト会議 )
新宮市出身で天理大学4年の森浦大輔投手(22)が26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープから2位指名を受けた。
最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器に空振りを奪う左腕。ドラフト会議をテレビで見ていたという父の孝二さん(52)は「プロに行ってほしかったのでうれしい。テレビに2位と出た途端、友達と一緒に泣いた。プロでは、けがをせずに好きな野球を長く続けてほしい」と語った。
母の由紀さん(48)は「ドラフト後すぐに電話し、『おめでとう』と伝えた。本人は指名を受けて安心した様子でした。皆さんのおかげで、一番の目標がかないました」と喜んだ。
森浦投手は、丹鶴幼稚園の年長児から「新宮パワーウエーブ」で野球を始めた。当時の監督・太田尋文さんは「小学3年生からピッチャーを始め、5年生で球速100㌔ほどあった。体は大きくなかったが投手としてずば抜けていた。4年生の頃、1試合で21奪三振を取ったこともあった。6年生でキャプテンを務め、素晴らしいチームだった」と振り返った。
緑丘中学校では野球部に所属。3年生の時に和歌山県大会で優勝し、近畿大会に出場した。
名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。
天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞した。
(2020年10月28日付紙面より)
シニアボランティア助成 (大同生命厚生事業団 )
公益財団法人大同生命厚生事業団が実施する2020年度のシニアボランティア活動や地域保健福祉研究などの助成を行う受贈者が決まった。シニアボランティア活動部門では那智勝浦町宇久井のニュータウン熟年クラブが選考された。
同財団は大同生命保険株式会社が生命保険事業の社会性に鑑み、公共の福祉の増進に役に立ちたいとの願いから1974年に設立された。
社会福祉、公衆衛生の分野に事業を展開しており、研究やボランティア活動などの助成、健康小冊子の発行などを通して、国民の健康の保持と福祉の増進に寄与することを目的に各事業を実施している。
今回、シニア部門では123件の応募があり、和歌山県で五つの団体が選考された。
応募の際の活動テーマを「みんなで楽しく脳トレ活動」と定め、受贈を受けた同クラブの峰武久会長は「助成で購入した大型液晶テレビなどを活用し脳の活性化につながっている。会員一同喜んでいます」。
「脳トレ活動以外にもこれまでの会員たちの活動記録の画像や動画をテレビに映し出して再確認し、仲間意識や絆を深めていきたいです」と語った。
なお、本紙エリア内では串本町で活動するかんりん文庫(梅崎百合子代表)も受贈した。
(2020年10月28日付紙面より)
若手教員育成プログラム (串本町教育委員会 )
串本町教育委員会が主催する本年度若手教員育成に係る研修プログラム(若プロ)のチーム研修(カンファレンス)が23日に役場古座分庁舎であり、対象の教員ら16人が参加して直面する課題や悩みについて教頭らから助言を得る機会を持った。
このプログラムは、町教委の津田和昭指導主事と元校長の坂本善光指導主事が両輪で運営。近年の県教委の教員人事は定年退職と新規採用が活発で、町立学校では経験10年未満の若手教員が全体の46%を占める状況となっている。他方で少子化に伴う学校規模の縮小も進み、具体的には学年の単学級化や複式学級化、中学校にあっては教科担当が自分1人しかいない状況で同学年担当との学級経営、同教科教員との学習指導を相談する機会が持てないという難しさも生じている。
さらに学校運営の中核を担う中堅教員の層が薄い(経験10~19年で18%、同20~29年で16%)という状況も。以前ほど若手教員が現場での学びを詰めないまま数年後に学校運営の中核を担う中堅教員へ差し掛かっていく状況は好ましくない、と直感した坂本指導主事が前年度からこの課題に関わり始め、学校単体で難しいなら町教委が自治体枠で学びの場を創出してはと考えが至り本年度から実践を始めたという。
先行事例が見当たらず、一から組み上げる形での着手。経験4年目(本年度は10人)と同2年目(同8人)の教員を対象とし同3年目(同2人)と講師の希望参加も受け入れつつ、コロナ禍の情勢に伴い年度序盤から出足をくじかれる状況となったが8月から月例で全体研修やチーム研修を重ねている。
チーム研修は本年度初、また若プロ初の実施。助言者として同町教頭会が協力し、坂本さんは「この機会に若手教員は抱えている悩みを打ち明け、教頭は経験に基づく知見や若手教員への期待を伝えてほしい」と呼び掛けて取り組みを促した。
序盤から中盤は若手教員と教頭で学校が異なる8組に分かれ、若手教員が抱えている課題や悩みを打ち明けて話し合い。終盤でその内容を発表し合って全体共有した。
8、9月は授業の組み立て方をテーマにして全体研修を実施。11、12月に同研修を重ね、来年1月に2回目のチーム研修、2月に最終の全体研修を開いて取り組んだ事柄の振り返りを行う流れで若手教員の育ちを補い、町立学校の運営の保持と向上、活発化を図ることを目指すという。
(2020年10月28日付紙面より)
鵜殿3組自主防災会 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎組長)は25日、同地区津波一時避難場所近くの高台に建設した防災備蓄倉庫の完成式を開いた。地区住民、来賓の西田健町長ら約40人が集い、1年4カ月かけて整備した住民手作りの施設の完成を祝った。
「大災害時の死者ゼロ」を目指し、2年前に計画。海抜約30㍍にある町有地を借り、森林環境税の助成を受け、紀宝町森林環境税事業を活用した。
倉庫の建築面積は87・55平方㍍(26・48坪)。自主防災会約330世帯の住民が避難生活に必要な物資をまとめた衣装ケースを保管する。収納スペースのほか、土間、仮設トイレ2基、物置を整備した。
完成式で森倉組長は、建設に至る経緯、伐採や草刈り、住民が協力して取り組んだ建築作業などを説明し「11月末までに完成させたいと思っていたが、皆さんの協力で8月28日に完成した。ご協力に感謝します」と述べた。
西田町長は「素晴らしい施設ができた。地域の安全安心が確保できると思う。皆さんと一緒に住みよい町をつくっていきたい」と祝った。
この後、森倉組長が施設内を案内し、住民が設備などを確認した。今後、11月下旬から12月中旬にかけて衣装ケースを収納するという。
(2020年10月28日付紙面より)
道の駅「たいじ」で物産展 (広域商工会東牟婁協議会 )
那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村の各商工会で構成する広域商工会東牟婁協議会(阪本洋幸センター長)が25日、太地町森浦にある道の駅「たいじ」(〆谷和豊駅長)で「熊野のいいもの集めました」と題した物産展を開いた。各地域の名物を目当てに、和歌山県内外から訪れた観光客など多くの来場者らでにぎわった。
催しは令和2年度伴走型小規模事業者支援推進事業の一環で、物産展は今回で4回目(太地町では2回目)。同協議会ではこれまでにも事業継続力強化計画策定講座や創業セミナーなどを開催し、事業者の学びや支援に努めている。
関係者らはマスクの着用や飛沫(ひまつ)防止シートの設置、アルコール消毒など新型コロナウイルス感染拡大防止対策を取り運営した。
各町村から7店舗が出店し「じゃばら梅酒」「ブルーベリージャム」「ゆずジャム」「ゆずぽん酢」「薄皮まんじゅう」「焼き菓子」「かつお節」「じゃばら加工品」「コーヒー」「ベーグル」「ココナッツカレー」などの豊富な商品が並んだ。多くの来場者が好みの品物を買い求めていた。
〆谷駅長は「屋外の物産展のおかげで駅屋内にも多くのお客さまが足を運んでくれている。どちらも大盛況となってありがたい」と話した。
阪本センター長は「昨年はねんりんピックに合わせて開催したが、今年はコロナで客足を心配していた。大勢のお客さまが来てくれたので本当に良かった」。
物産展の状況や今後については「熊野地域の良い物を集めているため、地元の方々や観光客の皆さまにも良い商品があることを知ってほしい。今後は地域外の方の出店も視野に入れるとともに、事業者の皆さまには物産展をきっかけに持続的な事業展開をしていただけたら」と語った。
(2020年10月27日付紙面より)
組合員らが感染予防講習会 (県美容業生活衛生同業組合新宮支部 )
和歌山県美容業生活衛生同業組合新宮支部(山本東弘支部長)は26日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で公衆衛生講習会を開いた。新宮保健所の池田和功所長が「新型コロナウイルス感染症を予防するために」を題目に講話。参加者らは感染症について知識を深めるとともに、感染予防に対する認識を新たにした。
毎年、組合員を対象に実施する公衆衛生講習会。今年は新型コロナ感染防止の観点から、3密を避けるために午前・午後の2回に分けて開催。内容を「コロナ感染予防」とした。
午前の部では新宮市内の組合員約20人が講習を受けた。参加者には受講後、「新型コロナウイルス感染予防対策取組店」と記された予防講習会受講済ステッカーが配布された。
池田所長は、現在の県内の感染状況や感染時の症状などについて説明。クラスター(感染者集団)の発生を防止することが重要とし、三つの密が重ならない工夫が必要と述べた。
「コロナは症状が出る前の方がうつりやすい」と説明。潜伏期における感染を防ぐためには症状がなくてもマスクを着用することが重要とした。また、必要な感染予防策や適切な感染防護を講じた場合には濃厚接触とならないとし、マスクやフェースシールド、手袋、エプロン(ガウン)の使用を促した。
丁寧な手洗い・手指消毒の効果にも触れ、感染対策として▽身体的距離の確保(密接するときは個人防護具着用)▽マスクの着用▽手洗い▽1時間に2回以上の換気▽よく触れるところの消毒―を求めた。
池田所長は、施設の清掃・消毒方法や従業員の感染予防のための管理、全日本美容業生活衛生組合連合会の感染拡大予防ガイドラインに基づく「施設内の各所における対応策」などについても説明し「普段から感染予防をして、自ら感染しない、感染を拡大させないようにしましょう」と呼び掛けた。
山本支部長は「仮に風評被害が出た場合、店舗が存続の危機にさらされてしまう。それを避けるためにも感染だけは避けなければならない。各店舗、対策を講じているが講習を通してさらに気を引き締める機会としたい」と話していた。
(2020年10月27日付紙面より)
明神小が海の教室に参加 (勝浦海事事務所 )
古座川町立明神小学校(速水和美校長)の児童10人が23日、国土交通省勝浦海事事務所などが展開する事業「海の教室」に参加し串本の海や日本とトルコの友好に触れて関心を培う機会を得た。
この教室は、同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年の海への関心を高めることを狙いとし、本年度は感染予防対策を講じつつ同事務所管内の学校に参加を呼び掛け3校が希望した。
明神小は3校目の実施で、前2校とは異なり串本海中公園センターと樫野崎を巡る内容。同センターで児童と合流した同事務所の堀川裕之次長は「今日は海に親しんでもらおうと思いこの教室を開いた。魚きれい、海きれいではなく水族館ではどんなお仕事をしているかなど違った面でも関心を持ってもらい、将来そういう仕事についてもらえたらと思う」と児童に期待を寄せつつ、参加を歓迎した。
同センターでは水族館の学芸員・平林勲さんの解説を受けながら串本の海をテーマにした館内の各展示やバックヤード、海中展望塔から串本の海そのものを見学。ウミガメパークで餌やりを体験するなどして内容や平林さんの姿に親しんだ。
昼食休憩を経て午後は樫野崎へと移動。国内最古の石造灯台・樫野埼灯台を見学し、トルコ記念館では1890年にあったトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難と救助や1985年にあったトルコ航空による邦人(=日本人)救出の歴史や海中から引き揚げられた同号や乗組員の遺品を見て日本とトルコ共和国の間柄を考えるなどした。
(2020年10月27日付紙面より)
NACKTが候補DMOに登録 (那智勝浦町 )
那智勝浦観光機構(NACKT)は、16日付で申請を行っていた観光地域づくり法人(候補DMO)に登録されたことを発表した。NACKTは今後、「観光で稼ぎ、潤う町へ」を実現するため、那智勝浦町や町内観光事業者、町民や熊野エリアの関連団体らと共に観光振興を進めていく方針だ。
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観光庁によると、DMOは地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的なアプローチを取り入れた観光地域づくりを行うかじ取り役となる「観光地域づくり法人」とされている。
日本版DMOは地域の稼ぐ力を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地づくりの司令塔となる組織。
多様な関係者と協働しながら明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定し、その戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人だ。
候補DMOに登録されると、国から人材や情報提供などのさまざまな支援メニューを受けることができる。登録後は1年に1度、事業報告が必要となる。
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NACKTは今後、実績を積みながら関係者との合意形成や次年度の戦略の構築などに取り組み、国からの支援の幅が候補DMOよりさらに広がる「登録DMO」を目指すという。
登録DMOにステップアップするには、全ての登録要件を満たした上で、観光庁の審査が必要となる。審査を通過すれば、最短1年で登録DMOとなる。
村井弘和事務局長は今回の登録について「観光庁に認めていただき候補DMOとなれてほっとしている。これからは気を引き締めて活動を進めていく」。
今後については「町内の事業者や町民の皆さまにご協力をいただきながら、登録DMOを目指して懸命に努めていきたいです」と語った。
(2020年10月27日付紙面より)
高校ラグビー和歌山県大会
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は22日、市役所別館で令和2年度第4回生涯現役スキルアップセミナー「御燈祭(おとうまつ)り『たいまつづくり体験』」を開催した。垣下正義さんが講師を務め、6人の参加者が「御燈祭り」に欠かすことのできない「たいまつ」作りに挑戦した。
セミナーは市在住55歳以上の中高年齢者が対象。和歌山労働局の受託事業として、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、当日の2月6日には全国から大勢が「上(あ)がり子」として祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
たいまつはヒノキの板を五角錐に組み合わせ、針金や竹ひもなどで固定。柱状部分の空洞に「バタ」と呼ばれる木切れを入れ、ヒノキを薄く削った「ハナ」を付ける。
垣下さんは新宮生まれ新宮育ち。同市相筋で垣下建築を営む。毎年、本業の傍らたいまつを制作しており、今年は約150本を作り上げた。制作に当たっては「簡単なように思えるが時間と手間がかかる」と紹介。
参加者らは垣下さんの指導の下、手縄の作成からスタート。5枚の板を組み合わせたいまつの形に。結束バンドで仮固定し、針金などを使って組んでいった。「バタ」を入れ、最後に80枚の「ハナ」を付けて完成させた。
セミナーに参加した尾﨑禅さんは「初めての経験で汗をかいたが満足しました。自分の作ったたいまつを持って祭りに参加できる日が楽しみ」と笑顔で話していた。
(2020年10月24日付紙面より)
串本町が22日、役場町長室で本年度観光フォトコンテストの表彰式を開き入賞作品17点を発表した。グランプリは作品「串本大橋夕景」で、撮影者の吉田正洋さん(73)は「この作品が選ばれるとは思っていなかったのでびっくりした」と話している。
このコンテストは、観光PRに活用する写真を広く募集する目的で例年実施。10回目の節目となる本年度は町内外の43人から221点の応募があり、先月25日に審査会を開き田嶋勝正町長ら審査員の選考で入賞作品候補17点を決めた。
各撮影者から原画(画像データ)の提出を受けて入賞を確定し、グランプリ・準グランプリ・審査員賞の各撮影者に表彰式への参加を呼び掛け。当日は吉田さんと審査員賞の長谷洋さん(54)が出席し、田嶋町長からじかに表彰を受けた。
吉田さんの作品は、9月にボランティアで草刈りなどの管理をしているポケットパーク下の磯場から夕暮れ時のくしもと大橋を捉えた内容。この光景は何年も通って挑戦していて、さらにいい瞬間があると気づいていてこの作品では選ばれないと思っていたという。
表彰するに当たり田嶋町長は「見慣れた景色が見る時間帯や角度によって素晴らしい物になるといつも感じている。これからも串本の再発見ができるような写真を応募いただけるとありがたい」とコメント。
表彰を受けて吉田さんは「年がいって『えらいなぁ』と思うこともあるが、まだまだ頑張らんといかんなという思いになった」、長谷さんは「このコンテストでの入賞は連続3回目で光栄に思う。(最近は)見るだけでなく体験しようと思ってもらえるような作品を意識していて、これからも同じ思いで挑戦していきたい」と気持ち改まるところを語った。
入賞した作品17点は23日から30日(金)まで文化センターで、以降は道の駅くしもと橋杭岩で展示予定。諸事情で発表が例年より遅れたが、11月末までに来年の観光カレンダーの発行を始められるよう努めるとしている。
(2020年10月24日付紙面より)
なぎ看護学校で看護宣誓式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の和歌山県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)は22日、同校で看護宣誓式を開いた。今年4月に入学した1年生36人が看護師の道を歩む決意を新たにした。
宣誓式は専門的な知識や技術を学ぶ中、有能な看護師を志す自覚を深めてもらうことを目的に毎年実施している。
点火の儀では、厳粛な雰囲気の中、学生が1人ずつろうそくに火をともし、グループごとに舞台に整列。9グループに分かれて「私たちは患者さんのことを第一に考え、心の声に気付き、患者さん一人一人を思った看護ができる看護師になることを誓います」などと宣誓した。その後、学生はそれぞれの思いを胸にナイチンゲール誓詞を唱和した。
塩路校長は「繰り返し経験をすることで現場の実践力が身に付くと信じてください。今日誓った言葉とこの日の思いを忘れることなく、自分の目標にまい進してください」と式辞。続いて、新宮保健所の池田和功所長が仁坂吉伸知事の励ましの言葉を代読した。
来賓で紀南病院(御浜町)の廣畑靜(しづ)看護部長は「皆さんが看護師になることをご家族だけでなく、多くの人々が心待ちにしていることを忘れないでください」と祝辞を述べた。
在校生代表の羽山高史さんは「思いやりを持ち、患者さんの声に耳を傾け理解しようとすることで、信頼関係の構築や寄り添った看護につながる。困難は仲間と助け合い乗り越えてください。今日誓った自身の看護師像に一歩でも近づけるよう共に頑張っていきましょう」と祝いの言葉を贈った。
(2020年10月24日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦町総合体育大会バドミントン大会
新宮市民スポ祭弓道競技の部
塩竃神社の例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で11日、家内安全や豊漁を祈願する秋の例大祭が営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小し神事のみの斎行となった。
同例大祭は160年以上の歴史があるといわれる。毎年、勇義社の迫力ある獅子舞の奉納や地区の女性らで組織される「祭り盛り上げ隊」の屋台などに多くの人が集まり、盛大に行われている。
今回はコロナに加え、先日の台風14号の影響で1日延期してこの日の実施となり、宮総代や同地区の西・東区長、勇義社のメンバーら9人が出席した。
並川廣西区区長は「今年は神事のみとなり、勇義社の獅子舞も省くことになりつらい。来年はいつも通りの行事ができることを祈っています」。
東区区長でもある谷邦夫総区長は「主に漁師の祭りとして継続されてきた例大祭だが、コロナの影響で縮小する形となったので残念で仕方ない」。
同社宮総代の谷洋久代表は「来年こそは獅子舞もできるようになってほしいと願っている」と話した。
神事を終えた井谷宮司は「いつもはサカキを玉串に使用するが、今年は特別にナギを使ってご奉納した。コロナウイルスが凪(な)いで、鎮まり収まるように祈願しました。来年こそは通常のお祭りができれば」と語った。
なお、両区長によると、来年1月に営まれる「脊美(せみ)祭り」も今回と同様、規模を縮小して神事のみになることが決定したという。
(2020年10月13日付紙面より)
熊野学研究委員会自然部会、新宮市教育委員会は11日、新宮市高田で自然探訪スクール第1回講座を開催した。市内外から15人が参加し、高田小水力発電所周辺を散策しながら、秋の植物や昆虫観察を楽しんだ。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことを目的に毎年開いている講座で、本年度は全4回を予定している。
この日は内鹿野(うちがの)渓谷散策を予定していたが、前日の台風による増水のためコースを変更。熊野学研究委員会の高塚建さんらが案内役を務め、道中で山に自生するイワタバコやサンショウなどの植物、サツマニシキやハンミョウ(通称:ミチオシエ)といった美しい昆虫を解説した。ちょうど花期を迎えていた紀伊半島の固有種で和歌山県の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているキイジョウロウホトトギスにも注目が集まった。
那智勝浦町から参加した角拓利君(小学5年)は「昆虫や植物に興味があって参加した。ハンミョウを捕まえたのは初めて」と話し、一緒に参加した友達とアケビを持ち帰っていた。
(2020年10月13日付紙面より)
秋晴れの飛鳥神社例大祭 (太地町 )
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、獅子神楽や稚児行列、子ども神輿(みこし)の中止を決定していた太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭本宮が11日、営まれた。前日の宵宮は台風14号の影響で中止となり、秋晴れの本祭は行事を簡素化・縮小して斎行。樽(たる)神輿と参列者による行列が太地水産共同組合から同神社へと渡御した。
この日は、宵宮で実施予定だった頭屋祭が水産共同組合で執り行われた後に一行は同組合を出発。今年は神輿練りはなく、寄水青年同志会(寄水倶楽部・掛橋寿徳会長)と東新青年同志会(東新倶楽部・玉置功治会長)の会員が樽神輿を担ぎ神社を目指した。
到着後の本殿祭では髙橋宮司が豊漁やコロナ終息などを祈願して祝詞を奏上し、参列者らが玉串をささげた。
掛橋会長は「どこの町でも1年に1回の祭りができずに残念な思いを持っていると思う。皆さまの健康と来年は祭典行事が無事にできることを切に願い、玉串をささげさせていただいた」。
玉置会長は「昨年も台風で神輿ができなかった。倶楽部のメンバーのモチベーションが保っていけるようにしたい。来年こそは祭りや町を盛り上げていけるようにしたい」と語った。
髙橋宮司は「今年は宵宮と本宮をまとめることになったが、今日は天気も良く無事にお祭りができてよかった。総代の方々が朝早くから準備をしていただいたことに感謝している。来年はコロナも収まり、天気にも恵まれ、にぎやかに樽神輿も行いたい。それだけが願いです」と話した。
(2020年10月13日付紙面より)
秋まつりシーズン最盛に (串本町 )
串本町の秋まつりシーズンが最盛の時期を迎えた。今年は新型コロナウイルス感染症を鑑み、神事のみとする神社が大半。代表者参列で氏神への礼を尽くし、来年は例年通り営めることを期す状況が重なっている。
串本町の重心、串本地区を氏子区域とする潮﨑本之宮神社は11日午前10時に式典を執行した。7月26日付で式典以外の行事を中止することを発表し、宵宮の雄々しい宮上り道中をはじめとして本祭日とその前後の区域内をにぎやかす4氏子会の獅子舞奉納や道行きはなし。6月に着任した山本貞夫宮司が神事を担い、各区域の総代らが玉串をささげて今年の礼を神前にささげた。
出雲地区を氏子区域とする朝貴神社も8月初旬に神事のみとすることを申し合わせ。出雲獅子舞保存会の奉納や道行き、高張りちょうちんを伴っての宵宮夜半の宮上りといった行事は中止とした。式典は11日午前9時に執行。坂成正人神主が神事を担い、同地区の平澤正代表区長以下5区の区長と総代らが順次玉串をささげて礼を尽くした。
両神社とも祝詞では新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑みて諸行事を中止した旨を奉告。同感染症の早期収束と氏子区域内で感染がないことを大願の一つに盛り込み、一同で祈願していた。
平澤代表区長(66)は「朝貴神社のお祭りはみんなが楽しみにしていて、区外に出ている出身者も割と集まってくる。このような形になってしまったのはさみしいが、区民皆さんの健勝と繁栄、豊漁は変わらず祈願させていただいた」と話し、来年はまた例年のように営めることを期待した。
和深地区の八幡神社も獅子舞など諸行事を中止しこの日午前10時30分に式典のみ執行。須江区の旧雷公神社宵宮奉納は中止、樫野区の雷公神社も獅子舞や宵宮(例年10月8日)の参拝を中止し、13日(火)に式典のみ営む予定。潮岬地区の潮御崎神社も高張りちょうちんを掲げての宮上りや獅子舞などの行事は中止とし、18日(日)に式典のみ営む予定。
(2020年10月13日付紙面より)
東牟婁地方中体連新人大会
広報キャラバン隊が県内でPR活動 (紀の国わかやま文化祭・県実行委員会 )
「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」が来年10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される。1年後の開催に向け、キャラバン隊メンバーときいちゃんが県内各地でPR活動を実施。7日に紀南地方入りしたキャラバン隊は、新宮市井の沢の熊野新聞社本社を訪れ「県民一丸となって盛り上げましょう」と呼び掛けた。
国民文化祭は、文化活動への参加の意欲を喚起し、地方文化の発展に寄与するとともに国民生活のより一層の充実に資することを目的とする全国規模の文化の祭典。全国障害者芸術・文化祭は全ての障害者の芸術や文化活動への参加を通じて、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的に01(平成13)年から始まった。
わかやま文化祭のキャッチフレーズは「山青し 海青し 文化は輝く」。▽県民総参加で文化力のさらなる向上を目指す▽先人が育んできた文化を継承する▽交流の中で相互理解と新しい文化の創造を促す―を基本方針とし、地域文化の発展や新しい文化の創造へとつながる祭典を目指す。現在、県内で136の事業を予定している。
祭典に向け、実行委員会では県内文化団体や障害福祉関係団体、各市町文化協会により「盛り上げ隊」を発足。県民が作成した折り鶴を使用して「折り鶴アート作品」を制作する「折り鶴プロジェクト」や、盛り上げ隊が県内の学校などに出向き、文化体験を行う「出前体験プロジェクト」、公式ポスターを県内全域の企業や店舗などの協力のもと掲出し、会員制交流サイト(SNS)で発信する「ポスター2021プロジェクト」など、PRを重ね、県民意識の高揚を図るための取り組みを行っている。
地元和歌山を拠点に活動を行う兄弟お笑いコンビ「すみたに」を中心とするキャラバン隊は、きいちゃんと共にラッピングカーで県内各地を訪問。広く広報活動を行っている。21年の開催に合わせ、県内で2021枚のポスターの掲示を目標に8月6日から事業所などを回り、約2カ月で約600枚のポスターを配ってきた。この日は広報ポスターと出来上がったばかりの公式リーフレットを持参し周知を呼び掛けた。
実行委員会では現在、グッズを活用した広報や、文化祭SNS公式アカウントをフォロー・シェアするなどして祭典を盛り上げる広報ボランティアを募集している。
「すみたに」の角谷匡俊(まさとし)さんは「一人一人がサポーターとなって、祭典に向かって県民みんなで盛り上げていけたら」。弟の佳洋(よしひろ)さんは「県民の皆さんに多く知っていただき、共に広報をしていただけたら」と話していた。
広報ボランティアへの応募は11月21日(日)まで。氏名(団体名)、応募人数(団体のみ)、住所、年齢(個人のみ)、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどSNSのアカウントを記入し、FAX(073・423・7120)やメール(kinokunibunkasai2021@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。
(2020年10月11日付紙面より)
田岡市長が要望書を提出
和歌山県紀南地方の7市町村と県は7日、JR西日本(長谷川一明社長)に対して長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の誘致に向けた要望書を提出した。新宮市の田岡実千年市長が代表し、冨本直樹・和歌山支社長に要望書を手渡した。
同社は観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始した。
長距離列車について同市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町の7市町村と県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目。2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきたという。
要望書には、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、また、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れた上で「世界中に新型コロナウイルス感染症の猛威が吹き荒れ、本県の主要産業である観光関連事業は壊滅的な打撃を被り、地域は疲弊している」「地元自治体、観光関係団体・事業者、地域住民とともに地域の多種多様な観光資源を活用し『with コロナ』という新しい生活様式に沿った魅力ある観光メニューの開発や食、おもてなしを用意していく」と盛り込んだ。
田岡市長は提出に当たり「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意するのでぜひとも運行をお願いしたい」。
冨本支社長は「素晴らしい観光資源を持つ紀南地方へ誘致できるように取り組んでいきたい」と述べた。
(2020年10月11日付紙面より)
台風14号は10日午前8時現在、潮岬の南約180㌔にあり、暴風域を伴いながら時速20㌔で北東に進んでいる。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍、最大瞬間風速は40㍍。夜には東海道沖に達し、その後は勢力を弱めながら南へ移動する見込み。
串本町では9日夕方、50代女性が強風にあおられ転倒。左足を骨折する重傷を負った。
また、紀宝町浅里地区では9日夜、大規模な地滑りが発生したが、けが人はなかった。
和歌山、津両地方気象台によると、7日午後2時の降り始めから10日午前5時までの降水量は▽那智勝浦町色川433㍉▽新宮市371㍉▽熊野市新鹿339㍉―などとなっている。串本町潮岬では10日午前6時9分、30・1㍍の最大瞬間風速を観測した。和歌山県によると、新宮市で約30軒、那智勝浦町で約370軒、串本町で約90軒の停電が発生した。
また、9日には倒木に伴い、串本町潮岬の潮岬周遊線が片側通行規制となったが、現在は復旧。同町田原から津荷にかけての国道42号で全面通行止めとなっている。
台風の接近に伴い、JR西日本は10日、特急くろしお号と、きのくに線の運転を一部取りやめ。JR東海は同日の特急ワイドビュー南紀号を全区間、終日運休した。
(2020年10月11日付紙面より)
新宮市制施行記念日(10月1日)に伴う令和2年度市政功労者表彰式が1日、市役所別館であった。田岡実千年市長が社会福祉、消防水防、教育文化などで市に貢献した個人9人と1団体に表彰状と記念品を贈った。
この日をもって、旧新宮市が市制を施行して87年、旧熊野川町が町制を施行して64年、2005(平成17)年に旧新宮市と旧熊野川町が合併し、新しい新宮市が誕生してから15年を迎える。
この表彰は1977(昭和52)年度から始まり、本年度を含め個人988人と100団体を表彰。2011(平成23)年のみ、紀伊半島大水害の被害を考慮し中止となっている。
式典では田岡市長が一人一人に表彰状を贈呈し、「各分野で献身的な活動をいただき、地域社会の発展や住民福祉の向上、市の発展に多大なご貢献をいただき敬意を表します。皆さまの比類なき知恵と経験を今後もお貸しいただきますようお願いします」とあいさつ。
引き続き新型コロナウイルス感染症対策への協力を求めるとともに「これまで先人たちが営々として築いてくださった故郷を守り、愛する新宮市のさらなる飛躍を切に念願したい」と述べた。
久保智敬市議会議長は「今日の市政は、皆さま方の地道な活動の支えがあって築かれたものであり、今後ますます不可欠なものとなっていく。今後も豊富な経験を存分に生かしてください」。
県議会の濱口太史副議長は「皆さまがさまざまな活動をすることが多くの人のお手本になっており、地域の元気につながっていることを知ってもらいたい」と祝辞を述べた。
(2020年10月3日付紙面より)
伊藤忠志さんが講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(小畑博昭署長)は9月30日、元和歌山県少年補導員連絡協議会会長の伊藤忠志さんを招き署内講演会を開いた。同署職員約50人が聴講する中、伊藤さんは自身の少年補導員の経験を軸に、青少年の健全育成に係る心構えや取り組みなどを話した。
伊藤さんは1982(昭和57)年に警察本部長から少年補導員として委嘱を受け、以降30年にわたり少年の非行防止と健全育成に尽力してきた。
96(平成8)年には新宮警察署少年補導員連絡協議会会長に就任。2007(平成19)年からは4年間和歌山県警察少年補導員連絡協議会会長を務め、県内全体の少年の健全育成の発展に尽くした。その功績は社会にも広く認められ、04(平成16)年の和歌山県知事表彰をはじめ数多くの表彰を受賞。少年の健全育成を目的とした「植樹祭」の開催や各種祭礼における夜間補導活動、登下校時の声掛けあいさつ運動などに取り組んだ。
伊藤さんは「意見もなく事務局が作った資料をただ読み上げるだけ。なんとか組織を改革したいと思った」と会長に就任した当時の思いを語り「社会に貢献するという思いがボランティアには大事。会長として、多くの事業をして会員の参加意識を高めるか、もしくは慣例で経過していくのかを考えた時、参加意識を高めるという方法を選択した」。
串本分屯基地に自衛隊のヘリコプターが来るといった情報から「子どもたちに空からふるさとを見てもらいたい」と思い立った伊藤さんは「管内の子どもたちを集めて交流を深めたら情報の共有ができるのは」と立案。子どもたちをヘリコプターに搭乗させ、さらに地場産業である林業に触れてもらおうと間伐材で工作をするイベントを開催し「子どもたちの笑顔に達成感を感じた」と振り返った。
伊藤さんは「さまざまな事業を企画立案する中でいろいろなトラブルがあった。しかし、青少年のための事業をするとなるとどれだけでもアイデアが出てくる。やってあげているという感覚ではなく、事務局に手伝ってもらっているという意識で活動しないと組織は発展しない」と述べた。
質疑応答では青少年育成に係る多くの質問が上がった。伊藤さんは「点ではなく線の事業をするべき」「自分が自信を持って仕事をすれば必ず実りはある」「子どもに対してはできるだけ同じ目線で優しい言葉を掛けてあげると素直に聞いてくれるのでは」などと伝えた。
(2020年10月3日付紙面より)
罰則規定の適用始まる (新宮保健所 )
新宮保健所は2日、新宮市内の4カ所で「和歌山県ごみの散乱防止に関する条例」に係る街頭啓発を実施した。
条例は、環境破壊の一因でもあるプラスチックごみなどの海洋流出を防止するため、その発生源である陸上に散乱しているごみを削減することを目的に制定。ごみを捨てた人が回収命令に応じなかった場合、5万円以下の過料に処されるなどの罰則規定が10月1日から適用されている。
同保健所では、昨年から不法投棄の取り締まりを含め、環境監視員の清水道彦さんと職員がパトロールを実施。不法投棄を防止する監視カメラを設置しているという。
イオン新宮店での街頭啓発は、同保健所衛生環境課の大家秀仁課長と清水さんが取り組み、来店者に条例を周知するチラシを配布した。
清水さんは「ごみの散乱を『しない』『させない』『許さない』が大切。街頭に出て監視の目を光らせていきたい」。大家課長は「罰則が始まりましたが、まずはごみを捨てない意識を高めてもらいたい。一緒に町をきれいにしましょう」と呼び掛けていた。
(2020年10月3日付紙面より)
七川地区の協議会へ着任 (古座川町 )
古座川町が1日、地域おこし協力隊の隊員2人を委嘱。七川地区の振興に当たる団体「七川ふるさとづくり協議会」(下山隆正会長)の事務を支援する隊員として着任した。
この協力隊は人口減や高齢化が進む地域へ地域外の人材を誘致し、地域協力活動への従事を通して定着を図る目的で総務省が支援込みで推奨する制度。古座川町は2015年度から隊員の委嘱を始め、地域振興への協力を得ている。
今回委嘱をしたのは横溝秀文さん(42)と谷井麻美さん(34)の2人。横溝さんは神奈川県伊勢原市の出身で、営業職に従事しつつ地方移住を模索する中で同町に興味を持ち、下調べをした上で同町の募集に志願。谷井さんは同町平井出身で、ふるさとを離れ兵庫県神戸市で映像作家として活動する中で出身地にゆかりがある同協議会から発注を受け、その過程で出会う移住者など自分にない視点を持つ人々の熱情に引かれて同町の募集に志願したという。
この日は西前啓市町長から2人に委嘱状を交付。隊員は単年度起用となるため任期は来年3月31日までだが、制度上、双方の希望があれば最大3カ年まで更新して地域協力活動に従事できる。西前町長はまちの実態を把握して地域おこしのために頑張ることを2人に期待して、委嘱の御礼で後に表敬訪問した下山会長へ引き継いだ。
第一歩を踏み出すに当たり横溝さんは経験を生かした特産品振興と新規に有害駆除への協力、谷井さんは強みである映像製作を引き続き生かした貢献に意欲。下山会長は「昨年から協力隊の募集を続けていただき、2人を採用いただけたことをうれしく思う。(先んじて着任している太田浩二隊員を加え)隊員が3人となった七川ふるさとづくり協議会はこれからも各区長、各住民と一緒になって七川地区を盛り上げていく」と話した。
同町は同日現在、太田隊員、横溝隊員、谷井隊員に加え、同町観光協会事務協力として2人、古座川ふるさと振興公社調理協力として1人の計6人を隊員として委嘱する状況となっている。
(2020年10月3日付紙面より)
【第21回】遊び食べに良い器は?
小さなお子さんがいらっしゃるお宅には、必ずあるプラスチックのお皿。便利ですよね? わが家でも、子どもが小さいうちは割れない器を使っていました。特に遊び食べをする子どもは、うっかり器を落としてしまうこともしばしば。ただでさえ目が離せないのに、食器まで割れたら泣きたくなりますよね。私も同じような気持ちで、割れない食器を使ってました。だけど、食育のことをいろいろ学んだ今、あえて、割れる食器を使うことをお勧めしたいのです。
遊び食べに困るのは9カ月くらいから3歳くらいまでといわれています。離乳食の時期から陶器の食器を勧める人もいますが、私は、そこは無理に陶器にする必要はないと思います。私が割れる食器をお勧めするのは大体1歳半くらいからです。
遊び食べは、食べ物を手やスプーンでぐちゃぐちゃにしたり、わざと床に落としたり、スプーンでお皿をたたいたり…だからマナーとしてはいけないとか、しつけなくちゃと思ってしまいがちです。お母さんたちの悩みのタネですよね。ついつい「こら!」「だめ!」と叱ってしまいますよね。
でも、実は遊び食べは、学習行動なんです。遊んで食べている、というのは大人から見た感覚。子どもたちは、どんな音がするのか、どんな感触なのか、五感をフル稼働させてさまざまなことを試して学んでいるのです。そんな遊び食べの時期にこそ、食器を割っていただきたいんです(笑)。こんな言い方するとおかしいですが、食器がどんなことをすれば割れるのか、どんな風に割れるのか、を学ぶチャンスだと思うのです。割れた時は、叱らずにまず「なぜダメなのか」をきちんと説明してあげてください。「もう割れちゃったから使えなくなったね」「下に落とすとこんなふうに粉々になってしまうよ」「もう元に戻せないよ」と。この体験で「優しく使わないと割れるんだ」ということを学んでいくというわけです。
そしてもう一つ、割った食器をどう片付けるのかを見せてあげてほしいのです。まずは大きい破片を新聞紙に包むとか、細かい破片が残っていたら、けがをするかもしれないから掃除機をかけるとか。割れた陶器がとても危ないということや、片付けるのにも注意しないといけないということを教えてあげてほしいのです。もしかすると遊び食べも少し収まるかもしれません。
木でできた器や、プラスチックの食器はとても便利で安心ですが、100円のものでも良いので、ぜひ食器が割れるということを経験させてあげてください。ただ、遊び食べには個人差があるので、時間に余裕がある時とか、今なら良いなと思える時に陶器に変えるというのもアリだと思います。無理のない範囲で、試してみてください。
(2020年10月3日付紙面より)