態度軟化、「検討」発言 (新宮市 )
新宮市がこのほど、津波浸水域への避難タワー建設について「必要な場所は検討しようかとなっている」と発言した。以前は浸水域外に逃げる避難を進める方針で、タワー建設には否定的だった。実現すれば、より多くの場所で一時避難の「めど」が立つことになる。
和歌山県は、2014年に発表した「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」の中で、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地域として、新宮市の三輪崎と熊野地の2地区、16・5㌶の785人を対象に設定。うち三輪崎は、市と地域が協議し、防災マップの策定など「逃げる」対策を進め、対策済みの地域外となっている。
また市は、県の津波避難困難地域を「事前避難対象地域」として考えている。対象は▽熊野地2丁目▽あけぼの▽王子町2丁目・3丁目の一部―の181人。ただし、熊野地2丁目とあけぼのは、国による熊野川河口大橋の建設に際し、盛り土部分に階段を設け、一時避難ができるようにしてもらったため、緊急時の避難先は確保できたことになる。
さらに、熊野川河口大橋のあけぼの側の降り口から、盛り土の道路を海岸沿いに通し、国道42号の高森交差点に向かって延ばす計画も、国により事業化されている。こちらの盛り土部分にも階段を設けてもらうことで、一時避難が可能になると仮定すれば、王子町2丁目・3丁目でも安全性が向上する可能性がある。
他方で三輪崎では、県の津波避難困難地域こそ解消となったものの、高齢化が進んでいることもあり、「逃げる」避難には一抹の不安もあった。そこで地域で協議して昨年8月に、市に「避難タワー建設」を要望していた。市は以前と比べ態度を軟化、先月9日に佐野で行われた三佐木蜂伏の合同防災研修会で「検討」発言があった。
三輪崎区の仲西博光区長代行は「海岸方面の地域は高齢者が多い。近所に避難タワーがあればより安心できる」と実現に期待を寄せる。
(2024年3月13日付紙面より)
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佐野川沿いで短冊設置 (新宮市 )
新宮市の佐野区(垣下純三区長)は10日、佐野川沿いで三佐木地区の保育園や保育所、こども園に通う園児たちが描いた短冊の取り付けを実施した。佐野おやじの会(中村優会長)の会員やその家族、区代議員ら約15人が参加。花見シーズンに向けて設置作業に励んだ。
佐野川沿いは、20年ほど前からサクラが植樹されている。2011年から当時の佐野川堤防桜植栽委員会が取り付け作業を行っていたが、19年を最後に活動が休止。コロナ禍を経て、昨年から同区が引き継ぐ形で取り組んでいる。8、9の両日には赤や黄色のちょうちん139個を設置した。点灯は午後6時から10時に行われ、4月21日(日)までを予定している。
参加者は4グループに分かれて約300㍍の区間にあるサクラの木に設置したちょうちんの間に三輪崎、白梅の両保育園、佐野保育所、木の川認定こども園の園児が「警察官になりたい」「ディズニーランドで遊びたい」などの夢を書いた短冊160枚を針金で固定し、丁寧に取り付けた。
垣下区長は「おやじの会の皆さんが中心となって準備をしてくれ、大変ありがたい。サクラが開花した際にはたくさんの人に足を運んでもらい、季節感を味わってもらいたい」。
中村会長は「昨年には地域住民の人たちから喜びの声を頂き、継続しなければという思いが強くなった。各家族が子どもたちの短冊を見て会話が弾む場と、防犯にもつながる憩いの通りになってくれれば」と話していた。
(2024年3月13日付紙面より)
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町民音楽祭バンドの部 (串本町 )
第19回串本町民音楽祭(バンドの部)が10日に文化センターであり、6組が出演して町民らの鑑賞を集めた。
この音楽祭は町、町教育委員会、串本音楽協会が主催。音楽の発表や鑑賞を通して文化活動を盛んにし、ひいては地域文化の向上に資する目的で年1回、最近は3月の第1日曜日に器楽・合唱等の部、第2日曜日にバンドの部と2日間にわたって開き音楽に関係するさまざまなジャンルの参加を得ている。
先に実施した器楽・合唱等の部には今回、さまざまなジャンルから11組が出演した。バンドの部に出演したのは▽The JANK▽坊芳太(ぼう・よしたか)▽UH MOON▽HiRoUmi▽フォークソングキンプ▽M.Y.B―で、同センターホールが備えている多色表現ができる照明や大型スピーカー、スモークマシンなどを駆使してライブ独特の幻想的なステージ演出が尽くされる中、持ち時間25分の枠を得てそれぞれの音楽を響かせた。
バンドについては同音楽祭と串本まつりサマーBANDライブの年2回、このような発表の機会が町内で設けられていて、最終のM.Y.Bは「次は夏に」と呼びかけで観客とのつながりを深めつつ同部を締めくくった。
(2024年3月13日付紙面より)
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加寿地蔵尊「桜まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊で10日、「桜まつり」があった。加寿姫を祭るほこらを参拝したほか、クマノザクラの植樹、踊りや演奏の発表、飲食出店などを実施した。近隣住民などが多数訪れ、サクラの花が舞い散る中での各種催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)の主催。加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる加寿姫を祭っている。桜まつりは、それまで春まつりとしていたものを改名し、昨年から実施。各種の催しを行う広場にクマノザクラがあることにちなむ。
会場の広場のクマノザクラは、六分咲き程度だった。軽食ブースやキッチンカーの出店があったほか、全品無料でお心付けのみの「もらってください」コーナーもあった。中田代表が関係者や地域住民と共に加寿地蔵尊のほこらを参拝した後、広場で各種の催しを開始。協賛の日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)と共に、6本のクマノザクラの植樹を行った。
発表は、連なって咲くサクラの木のもとで行われた。さまざまな団体が、踊りや演奏などを披露した。観客は軽食を楽しむなどしながらゆったりと眺め、盛んな拍手で称賛していた。中田代表は「今日は天気にも恵まれ、キッチンカーも来て、いろんな団体が出演して、にぎわって良かった」と話した。
なお、会場となった広場は花見が楽しめるよう、3月末まで開放する。時間はおよそ午前9時から午後4時まで。クマノザクラの時期が終わってもソメイヨシノが楽しめるという。
(2024年3月13日付紙面より)
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地域子育て支援センター (那智勝浦町 )
昨年10月に那智勝浦町の体育文化会館に移転した同町地域子育て支援センター(森本幸美センター長)。「あそびの広場」の利用組数は、移転前1日当たり平均2・8組で推移していたが、昨年10月以降は10・2組と約3・5倍に。毎日多くの親子が利用し、好調な滑り出しを見せている。
同センターは2002年に勝浦保育所(現・勝浦こども園)内に開設。未就園の子どもとその親を対象に、育児相談や乳幼児の遊びの場・親の交流の場の提供などで子育てをサポートしてきた。
体育文化会館を多世代の交流拠点として整備し、利用者の利便性向上を図る目的で移転。会館では、多機能トイレのオムツ交換台や男女トイレへのベビーチェア設置、授乳室、屋外遊び場(砂場)などを整備した。
川口橙弥君(1)と利用している母親の明日香さんは「こちらへ引っ越してきて1年ほど。バイパスからのアクセスも良く、駐車場も近くなり、すごく来やすくなった。利用する子も増えて、同世代の子の成長を見られるのもいい」。前地琥陽君(1)と参加した母親の侑紀乃さんは「以前は月1回ほどの利用だったが、子どもも活発に動くようになり、よく来るようになった。4月から息子と同じ保育園に通う子もいる」と語る。
親子を対象としたミニ防災講話やSNS講座、ベビーマッサージなども企画。館内では福祉課による産後の母親らを対象としたママフィットネスのオンライン教室などもあり、子育てに関わる人や情報が集まる場になっている。同館周辺の散歩やどんぐり拾いも人気。
あそびの広場は、水曜日の午後を除く平日の午前9時~正午、午後1時~3時に開催しており、町外からの利用も可能。森本センター長は「ぜひ気軽に遊びに来てください」と呼びかけている。
(2024年3月7日付紙面より)
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4年ぶり天ぷら振る舞い (自然探訪スクール )
熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会は3日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで自然探訪スクールの第8回講座「春の野草の観察」を開いた。4年ぶりに天ぷらの振る舞いもあり、参加者22人が五感を使って春の野草を味わった。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことが目的の講座。講師は熊野学研究委員会委員の瀧野秀二さん。
参加者たちは地玉(じごく)の浜への周遊ルートを歩き、ハマカンゾウやツワブキの新芽、ハマアザミの茎など食べられる野草を採取。野生のミツバと、よく似たキツネノボタンの違いも学んだ。
散策後は待ちに待った天ぷらタイム。瀧野さんが事前に採取していたフキノトウやアシタバ、ハマアザミの根、ノビルなどと一緒に衣をつけて揚げ、岩塩で味わった。春の野草には苦みがあるものも多いが、子どもたちも興味津々で箸を伸ばしていた。
岩口桜來さん(8)は「フキノトウは名前を聞いたことがあったけれど、食べるのは初めて。おいしかった。ミツバを取ったから、家でも天ぷらにしてもらう」と話していた。
(2024年3月7日付紙面より)
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小中学生らに記念品託し (串本町 )
串本町が4日、町立小中学校へロケット「カイロス」初号機打ち上げ限定記念品を託し打ち上げ当日の見物と興味を促すよう求めた。
この記念品は、打ち上げを盛り上げるツールとしてこれまでに作成したグッズの一部。初号機の打ち上げに合わせて町内の小中学生へ配る前提のグッズも複数含んでいて、運用するスペースワン株式会社が9日(土)午前11時~正午ごろ打ち上げ予定と待望の発表をしたことを受けその直前で各校へ託すに至った。
ロケット「カイロス」の射場「スペースポート紀伊」にもっとも近い町立田原小学校(林宣行校長、児童18人)は翌5日の授業終了後に3~6年生を集め、林校長がカイロスという名前の意味などこれまで学んできた事柄を振り返りながら一人一人に記念品を配るなどした。先に下校した1、2年生や欠席者の分は後日配るという。
記念品の内訳は、漫画「宇宙兄弟」とコラボレーションした町長メッセージ付き記念切手シート、スペースタウン串本ロゴ(単色)をプリントした応援手旗、田嶋勝正町長発の保護者宛て趣意書の3点。
町は当初、樫野崎園地へ町立小中学校を招待しみんなで初号機の打ち上げを見届けることを考えていたが、打ち上げ日時が土曜日であることや交通混雑による移動困難が予想されるため断念した。町の子どもたちへの思いを伝えるために付した趣意書には「これらの記念グッズを手にすることでお子さん方に少しでも町発展の起爆剤となりうるロケット事業・宇宙産業に興味を持ってもらえれば」と書かれている。
町企画課によると、町内の生徒も通う古座川町立古座中学校を含め計14校の児童・生徒・教職員計1015人分を託したという。
(2024年3月7日付紙面より)
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鵜殿港で2日連続1000本超え (紀宝町 )
紀宝町の鵜殿港に5日、春のブリ約1600本が水揚げされた。4日は約2700本で2日連続の1000本超え、市場は漁業者や仲買人で活気にあふれた。
例年、3月上旬に1000本ほど揚がり、下旬まで続く。今季は少し早めのスタートとなった。平均7㌔を中心に水揚げされ、2日間で13㌔や15㌔を超える丸々としたブリもあったという。
阿田和大敷漁業生産組合が御浜町阿田和沖に仕掛けた定置網で取れたもので、第一三浜丸、第五三濱丸が水揚げした。
地元の仲買人は「競り落としたブリは良い形をしている。地元や県内、東京、大阪などの都市部に届けたい」と語っていた。
(2024年3月7日付紙面より)
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