4年ぶり「南の国の雪まつり」 (那智勝浦町 )
4年ぶりとなる第26回商工祭「南の国の雪まつり」(実行委員長=森川起安・南紀くろしお商工会長)が18日、那智勝浦町役場周辺であった。真っ白な雪山に子どもたちの歓声が響き、1万365人(主催者発表)の来場者でにぎわった。
人、物、地域との「ふれあい」をテーマにした地域の一大イベントで、太地町の姉妹都市である長野県白馬村から運んだ約100㌧の雪が目玉。
雪山に到着した子どもたちは目を輝かせ、早速雪合戦にそり滑り、雪だるま作りに駆け出した。雪で遊んだ後は、かじかんだ手足を温かい手湯・足湯に浸した。家族5人で来場した西拓己君(8)は「そりが楽しかった」。母親の裕子さんは「子どもたちが雪に触れられる機会はここぐらい。毎年楽しみにしており、久しぶりの開催で自分も楽しめた」と語った。
周辺一帯が歩行者天国となり、熊野朝市・楽市やフリーマーケットも盛況。メインステージでは地元ダンスチームのパフォーマンスもあった。南紀くろしお商工会青年部による「強運王決定戦」には小学生約100人が参加し、バナナの早食い1位を当てるステージでは会場も大いに盛り上がった。「強運王」の松下愛純さん(7)は賞品のニンテンドースイッチを手に「すごくうれしい」と笑顔で話した。
初実施の「防災チャンバラ」では、スポンジの刀と命(ボール)を身に着け、30対30で「合戦じゃ~!」。防災クイズを交えてぶつかり合い、バトルロイヤルを勝ち抜いた渡邉翔太君(11)が熊野最強の防災侍になった。
最後は「お菓子な餅まき」で締めくくり、森川実行委員長は「真っ白な雪で遊ぶ子どもたちの笑顔は何ものにも代えがたい。能登半島地震で大変な状況もあるが、今日一日は楽しく遊んでほしい」。南紀くろしお商工会青年部の浦賀英昭部長は「天候が回復して良かった。ぜひまた来年もご来場を」と話していた。
(2024年2月20日付紙面より)
鯨スタミナ丼の調理実習 (太地中学校 )
太地町立太地中学校(山本佳人校長)で14日、鯨肉を使った調理実習があった。食べ盛りの3年生5人が、鯨の竜田揚げにニンニクが効いた甘辛いタレを絡めた「鯨のスタミナ丼」と「鯨の本皮をつかったみそ汁」の2品を作り、笑顔で味わった。
小学1年生から多面的にクジラ学習を続けてきた生徒たちに、地域の食文化も知ってもらおうと実施。ゲストティーチャーは、町内のホテル「いさなの宿・白鯨」や「道の駅たいじ」のメニューにもある「鯨のスタミナ丼」のレシピ考案者・竹村直也さん(太地町開発公社)。
竹村さんは生徒たちに肉の切り方を指導し、肉の繊維に対して垂直に切ることで、同じ肉でも食感が柔らかくなることを教えた。生徒たちは鯨肉をカットし、片栗粉をまぶして180度の油でカラッと揚げていった。タレに絡めてキャベツの千切りと一緒に丼に盛ったら完成。竹村さん特製の梅酢につけ込んだ鯨肉の竜田揚げも作った。
使った鯨肉は約2㌔、米は13合も炊いたが、生徒たちは「余裕っす」ともりもり平らげていった。その食べっぷりに竹村さんも笑顔を見せ「太地の子どもでも、クジラの刺身は食べるが、火を通すと臭みが出るので苦手という子もいる。好みは人それぞれだが、いろいろな料理法があることを知ってほしい」と話していた。
竹田成さん(15)は「鯨のスタミナ丼は初めて食べるかも。おなかいっぱい。家で作ったら家族が喜ぶと思う」と話していた。
(2024年2月20日付紙面より)
有志が田原海水浴場を清掃 (串本町 )
「県外からも大勢訪れる見学場所をきれいに」。ロケット「カイロス」初号機の公式見学場となる串本町の田原海水浴場で16日、有志約70人による清掃活動があった。
この活動は、先月26日にスペースワン株式会社の遠藤守取締役が初号機の打ち上げ日時〈3月9日(土)午前11時~正午ごろ予定、予備期間3月末まで〉を発表して以降、有志の輪が広がり実現した奉仕。最終的に和歌山ロケット応援団、県立串本古座高校CGS部、串本ライオンズクラブ(LC)、町の4者共催、株式会社人見建設、株式会社小森組、有限会社柏木商店の3者協力という布陣で挙行となり、共催を代表して同部の部長候補・宮本和也さん(2年)が前述した趣旨を呼びかけて清掃を始めた。
人海戦術による砂浜の漂着ごみ回収が主な作業で、町指定ごみ袋(容量50㍑)に入るごみを軽トラック10台分、入らない流木などのごみを4㌧トラック1台分、砂浜から取り除いた。
串本LCは作業参加に加えてボトルドウオーター「串本の水」を有志に差し入れ。作業後は集めたごみや各種打ち上げ応援のぼり、「カイロス」実物大懸垂幕とともに記念撮影をし、打ち上げの成功を願う思いを分かち合った。
同部の呼びかけに応えて参加した同校生徒会執行部の副会長・松尾美空さん(2年)は「ロケットを見に来た人が少しでも浜辺にいやすいようにと思ってごみを拾った。ロケットもやっとの打ち上げなのですごく楽しみ」、会計・芦立心さん(2年)は「これだけ大きい浜辺なので最大限活用できるようにしようと思って活動した。延期されてからの打ち上げなので、その分楽しみも詰まっていると思う」とそれぞれコメント。
例会の延長で共催し有志の頑張りをねぎらった串本LCの小森正剛会長は「ロケットの打ち上げは県にとっても町にとっても素晴らしい事業なので大いに盛り上がってほしいし、われわれも少しでもそのお役に立てたらという思いで共催をさせていただいた。まずは初号機の打ち上げが成功することを願いたい」と思うところを語った。
(2024年2月20日付紙面より)
料理研究家、Mizukiさん迎え (新宮市 )
メディアなどでも活躍する料理研究家、Mizuki(みずき)さんを迎えての料理教室が16日、新宮市保健センターであった。参加者9人がフライパン一つでできる「ツナとトマトのワンポットパスタ」と「塩カラメルポテト」を教わった。
乳幼児や子どものいる家庭の防災意識向上を目指す、新宮市の子育て支援団体でつくる「乳幼児の命を守る会」(勢古啓子委員長)が主催した。
災害に備え、備蓄食料を普段の食事に使いながら備蓄する「ローリングストック」を活用した料理で、ツナ缶やトマト缶、パスタなど備蓄でき、普段食べている食材を使用した。
災害後、水と電気が使えるようになったと想定し、Mizukiさんは二つの料理を紹介。参加者とスタッフがレシピ通りに調理し、アドバイスを受けながら完成させた。
出来上がった後は試食し「おいしい」「簡単だった」「家でもすぐできそう」などと話していた。会場にはローリングストックの食料を展示した。
(2024年2月20日付紙面より)
30人が月例射会に参加
近畿スポ少剣道交流大会
特別列車の魅力を楽しむ
JR西日本が運行する観光長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の車両見学会が17日、JR新宮駅の構内であった。親子連れなど約300人が参加。特別列車の魅力を体感した。
「WEST EXPRESS 銀河受入協議会」とJR西日本の主催。銀河は、観光を中心とした西日本エリアの活性化を目指し、紀南の京都―新宮間のほか、山陰、山陽などの方面で運行している。
▽銀河の車内見学▽子ども制服着用体験▽車内での銀河グッズ、地元産品の販売▽新宮駅係員特製の銀河塗り絵▽9店舗参加のマルシェイベント―などの企画が用意されていた。車内見学では、参加者が興味深そうに、座席や客室などを眺めていた。制服体験では、子どもらが制服を着込んでポーズをとり、保護者が撮影して楽しんでいた。
市内から両親と共に訪れた、市川瑠菜さん(5)と進一郎君(3)は「列車は好き。塗り絵が楽しかった」と話した。
同協議会の津越紀宏事務局長は「多くの人に紀南にお越しいただきありがたい。見学会は、普段列車に乗らない人も来てもらい体験してもらえる機会。次は乗ってもらえると期待したい。世界遺産の登録20周年を迎えることもあるので、銀河には来年度も来てもらえるとありがたい」。
新宮駅の道本隆文駅長は「普段フェンス沿いで、子どもが銀河に手を振って見ている様子をよく見かける。今回のイベントで紀南を盛り上げ、楽しんでもらってありがたい。子どもらの笑顔が一番うれしい。来年度もぜひ、銀河に来てもらえたら」と語った。
(2024年2月18日付紙面より)
那智中学校で防災講話 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立那智中学校(寺地琢也校長)で16日、防災講話があった。リエゾン(情報連絡員)として石川県能登町災害対策本部に派遣されていた那智勝浦町防災対策室の柴田通仁さんが現地の状態を語り、3年生45人が今後の災害への備えについて考えた。
生徒たちの関心が高い能登半島地震について、具体的な被災地の状況を聞くことで災害を追体験し、家族と共に防災に生かしてもらおうと急きょ企画した。
柴田さんは石川県能登町について「本当に那智勝浦町の環境と重なるところが多い」と言及。「『防災』は現在から災害発生までに、自宅の耐震補強や家具固定、備蓄品の準備などをしておくこと。『減災』は災害発生から復旧・復興までの期間に、これ以上被害を広げないようにすること。石川県は『減災』の期間にある」と説明した。
現地の写真を見せつつ「学校の体育館は、避難所や救援物資の保管拠点、時には遺体安置所にもなる」とし、全国の自治体からの応援職員が避難所開設・運営などをサポートしている様子を見せた。
生徒たちに向け「救援物資がまだ十分に行き渡らない中、拠点に届いた物資の仕分け中に『3日何にも食べていないので、今すぐ渡して』と言う人が現れたら、あなたはどうする?」と質問。生徒たちからは議論の末「平等に行き渡るよう、仕分けが終わるまで待ってもらう」「3日食べていないのは周りの人も一緒だと思う」などの回答があった。
柴田さんは「発災後72時間、自衛隊などの救助機関は人命救助に専念するので、最低3日、できれば1週間は自助で生き抜かなければならない」と語り、生徒たちに備えを促した。
岡﨑陽彩さん(15)は「お正月にずっとテレビで被災地の様子が流れていた。この地域でも、もしかしたらもっと大きな災害が起きるかもしれない。備蓄などの備えをしたい」と話していた。
(2024年2月18日付紙面より)
フランス出身の3人招き講話会 (矢渕中 )
「ようこそ日本へ!」と題した人権講話会が15日、紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)であり、1年生78人がフランス出身の3人から日本の生活や魅力などを聞いた。来日32年のティエリ・ルガールさんは「みんなもいろんな国に出て、たくさんの文化や考え方に触れてほしい。本当の幸せは心の中にある。人生は1回だけ。好きなことを楽しんで幸せになって」と伝えた。
日本で暮らす外国人への理解を深め、相手の立場に立つ想像力と技能を身に付けることが狙い。ティエリさんと、来日10年目のジョラン・フェレリさん、8年目のセドリック・ルタールさんが訪問した。
骨董(こっとう)品が好きだというセドリックさんは「古いものは皆さんの歴史。捨てるのはもったいない。空き家は宝物」と語り「言葉が分からなくてつらかったけど、今は帰りたくない。皆さんも今学んでいる英語を頑張って」とエールを送った。
ジョランさんは山仕事が好きで、24歳で十津川村に移住。「山で遊べる場所を」との思いから「空中の村」をオープンした。「日本は驚きの連続。毎日、新しい発見がいっぱい。支えてくれた日本に恩返ししたい」と話した。
新宮で合気道と出合い、家族と共に生涯日本に住むと話したティエリさん。「日本が好きだけど、日本国籍の取得は難しい」と苦労を挙げた上で「フランス人もない、日本人もない。みんな地球人。自由に行き来できれば最高だね」と語った。ピアノ演奏も披露し、生徒たちが聞き入っていた。
生徒たちは2カ月半あるフランスの夏休みに驚き、「フランスの生徒は休みの日に何をしていますか?」などと質問。3人はサマーキャンプなどを紹介し「よく休んで自分の時間をつくってほしい」と呼びかけた。
(2024年2月18日付紙面より)
18日の「雪まつり」前に (那智勝浦町 )
4年ぶりの第26回商工祭「南の国の雪まつり」(18日)を前にした17日、メイン会場の那智勝浦町役場駐車場に約100㌧の雪が到着した=写真。長野県白馬村から大型トラック8台で運ばれ、重機で雪山が設営された。
南国の子どもたちに雪と触れ合う機会をつくろうと1986(昭和61)年に始まった企画。18日は午前8時30分から雪山を開放。歩行者天国となった役場周辺では「熊野朝市」や各種物産展が開かれ、9時30分からステージイベントが始まる。雨天決行。会場周辺に駐車場がないため、主催者は那智漁港からのシャトルバスや公共交通機関の利用を呼びかけている。
(2024年2月18日付紙面より)
市町村対抗ジュニア駅伝へ出発 (新宮市、那智勝浦町 )
「第23回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会」が11日(日・祝)午前11時から、和歌山市内で開催される。紀三井寺公園陸上競技場をスタートし、各チーム10人の選手が仲間との絆をたすきでつなぎ、和歌山県庁前までの10区間21・1㌔のコースで競う。新宮市選手団は10日に市役所別館で出発式、那智勝浦町選手団は9日に同町役場玄関前で壮行会を開いた。
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向井雅男副市長は選手たちに対し「自分たちにできる最高のパフォーマンスを会場の皆さんに見せてあげてください」と激励した。
選手を代表して男子の新家稟雄(しんか・りお)主将(光洋中3年)が「新宮市代表として堂々とたすきをつないでいきます」。女子の上野碧主将(緑丘中3年)が「大会では1秒でも早く、一つでも上の順位が取れるよう懸命に走ります」と誓った。
山下幸之助監督は「走る選手だけでチームが成り立っているわけではない。応援やサポートが絶対に必要。それぞれの役割をしっかり果たしてほしい」、団長を務める速水盛康教育長は「目標を一つにして物事に取り組むのは素晴らしいこと。自信を持って大会に臨んでください」と奮起を促した。
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全選手を前に堀順一郎町長は「本番では練習の成果を発揮し、好成績を目指してもらいたい」と激励。寺本尚史監督は「今まで励んだ練習にうそはありません。あいさつ、ベストを尽くす、休息も練習のうちを実践してきた。28人全員でレースに臨みましょう」と士気を高めた。
選手代表の下向奏介主将(下里中3年)は「歴代記録の更新を目指し、全力で走り抜くことを誓います」と決意を表明していた。
大会の模様は動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ放送され、テレビ和歌山でも午後7時54分から録画放映される。
(2024年2月11日付紙面より)
キャッシュレス納付も
新宮市医師会(谷地雅宏会長)と新宮納税貯蓄組合連合会(森川起安会長)の主催による「電子申告・キャッシュレス納付推進」宣言式が8日、新宮市井の沢の新宮商工会議所の会館であった。谷地会長が推進を宣言、出席した約30人も気持ちを新たにした。
同会と連合会のほか、新宮税務署(美馬本進署長)、公益社団法人新宮納税協会(横手章郎会長)などからの参加があった。
開会に当たり、森川会長があいさつ。情報通信技術(ICT)を活用した申告や納税について「利便性が良く、定着を図ることは経済社会のICT化を一層加速し、企業経営の健全な発展、健全な申告と納税の推進に貢献するもの」と語った。
「医師会が連合会の運動の趣旨に賛同いただき、多くの納税者に対して電子申告・キャッシュレス納付の推進をしていただくことは、私どもにとって喜び。連合会としても、医師会の宣言を背に、納税者に対し、推進を啓発していきたい」とまとめた。
続いて谷地会長が宣言した。新型コロナウイルス感染症の5類移行に言及。「(しかし)多くの人が確定申告で税務署を訪れ、密になることは防がなければ。電子申告を利用すれば回避できる。キャッシュレス納付も時代に適合している」と話した。
「医師会が率先して実践し呼びかけ、感染症の拡大を予防し、活力ある地域社会に貢献したい。よって新宮医師会は『電子申告・キャッシュレス納付推進』に取り組むことを宣言する」と力を込めた。
大阪国税局徴収部長、紀南県税事務所長、新宮市長のあいさつ(代読も含む)もあった。いずれも新宮医師会の宣言を歓迎し、運動の一層の推進に期待を寄せていた。
(2024年2月11日付紙面より)
スイートピー出荷最盛期 (御浜町 )
卒業や異動シーズンを前に、「門出」や「優しい思い出」の花言葉を持つスイートピーの出荷が御浜町阿田和で最盛期を迎えている。
30年以上生産している矢田又己さんのビニールハウス4棟計700平方㍍では、ピンク系統を中心に12色ほどを育てている。今シーズンは暖冬のため、暖房をあまり使わずに済んでいるという。
柔らかな日差しが降り注ぐビニールハウスでは、女性らが収穫時期になった花を丁寧に摘み取っていた。50本の束にして100本入りの箱詰めにし、伊勢市と奈良県の市場に出荷する。作業は4月初旬まで続く。
スイートピーは春を代表する切り花として知られ、卒業入学シーズンに最盛期を迎える。ひらひらとしたかれんな花びらが、飛び立つチョウのようで、新たな旅立ちを祝う花言葉が付いた。
(2024年2月11日付紙面より)
11日の「御弓祭」に向け (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)で11日(日・祝)に斎行される「御弓祭」に向け、射手を務める町立下里中学校の生徒4人の稽古が大詰めを迎えている。9日には直垂(ひたたれ)と烏帽子(えぼし)を着用し、的に向かって一心に矢を射た。
厄災を封じた的を射抜くことで邪気を払い、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願うもの。旧正月11日の年頭行事だったが、現在は毎年、建国記念の日に行っている。
今年の射手は上田颯涼さん、桃井勇起斗さん、川口慶次さん、曽我悠太さんの4人で、6日から稽古をスタート。弓と矢の扱いや姿勢、作法などを教わってきた。上田さんは「射手をするのは今年初めて。これまでの練習で5発当たった」。桃井さんは「難しいけれど、やっていると勉強になることも多くて興味が湧いてくる」と語る。
山本宮司は「本当によく頑張ってくれている」。指導役の神社総代の植地登喜雄さん(83)や植地賢さん(46)は「本番も大丈夫です」と背中を押していた。
祭り当日は午前10時30分から神事を執り行い、下里剣友会の剣士による形の奉納に続いて御弓神事がある。的を戸口に挿しておくと魔よけになることから、神事後には、参拝者が取り合うという。
(2024年2月11日付紙面より)
緑丘中の生徒が考案 (「おいの伝説」の蛇も )
新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)2年生の杉谷好美怜(すみれ)さんが考案した和菓子「抹茶蛇どら焼き」が、新宮市新町の和菓子店の福田屋(永用利一店主)で2月中旬に商品化される。販売は期間限定。新宮市の浮島の森と「おいの伝説」に着想を得ており、粘土を使って見本を作る校内コンテストでグランプリに輝いていた。
緑丘中の粘土で作る和菓子コンテストは、昨年度から実施。コロナ禍で職業体験が行えなかったことと、生徒の保護者が和菓子店を営んでいたことをきっかけに始まった。粘土で和菓子を模して楽しむキットが売られており、これを使用している。
制作には「紀南らしさ」を盛り込むというテーマが与えられていた。また単純に成形するだけでなく、味をイメージして材料も指定するようになっていた。本年度は、2年生の約60人が挑戦。昨年10月の文化祭で作品が展示され、生徒と保護者が投票、杉谷さんが最多票を集めていた。
「抹茶蛇どら焼き」は、抹茶で浮島の緑を表現。おいのをのみ込んだ蛇は餅で成形を考えた。粒あんにも古座川町の特産品であるユズを加え、爽やかな味わいとすることをイメージした。
杉谷さんは「バレンタインは毎年何か作っていて、ケーキなどのお菓子を作るのは楽しい。コンテストでは、新宮らしいものをと、浮島の森とおいの伝説を(題材に)選んだ。粒あんの粒をいっぱい作るのが大変だった」と話す。
すでに試作品を食べさせてもらったという。「生地がもちもちしておいしかった。ユズの香りもちゃんと再現してもらっていた。販売が楽しみ。みんなに食べてほしい」とほほ笑んだ。
永用店主は「抹茶蛇どら焼き」の試作品について「内容が結構盛りだくさんで、バランスに気を配った。ユズの香りが邪魔をしないよう、また蛇の見た目がどぎつくならないようにと考えた」と明かす。コンテストについても「和菓子を知ってもらう良い機会と思う。参加した生徒の中から、未来の和菓子職人が出てくれれば」と期待を寄せる。
(2024年2月9日付紙面より)
御燈祭りの翌日奉祝祭
御燈祭(おとうまつ)り翌日奉祝祭が7日午前、新宮市の神倉神社(宮司=上野顯・熊野速玉大社宮司)であった。祭典を取り仕切った神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)や神倉青年団などから12人が参列。無事に終えられたことを祝い、感謝をささげた。
麓の大鳥居前で営まれた。神職によるお払いの後、上野宮司が祝詞を奏上。巫女による鈴払いを経て、上野宮司や参列者が順次、玉串を奉てんした。各自が山頂にあるご神体のゴトビキ岩に向かい、目を閉じ静かに祈っていた。
上野宮司は4年ぶりの上がり子の参加について「事故なく、けがなく、全員が喜びの火をいただけるよう、一心に祈った」と回想。「山からの火がいつまでも続く、美しい火祭りだった」と満足を口にした。
タカクラジが霊剣をたずさえ、松明(たいまつ)を手に神倉山を駆け下り、後の神武天皇であるイワレビコのもとにはせ参じたという逸話を紹介。「御燈祭りはこの姿を現しているとも言われる。その火祭りに携わる一人一人が、時代の証明者」と強調した。
消防、警察、その他有志の協力にも言及。「祭りを無事に滞りなく終えられ、協力してくれた全ての人に感謝申し上げたい」と締めくくった。
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御燈祭り翌日祭として、神倉神社奉賛会による餅まきも、同日夕方に新宮市立神倉小学校のグラウンドで行われ、にぎわいを見せた。
猪飼会長は「4年ぶりに上がり子を迎えての祭りを終え、気分は最高。僕らは御燈祭りが大好き。だからこそ、大変なことも多いが続けられる。今後も続けていきたい」と語った。
神倉青年団で大松明も担当した中山忠吏さんは「大きなけがもなく、当日は天気も晴れて、良い祭りだった。大松明も、緊張より楽しみが強かった。スムーズに神事が行えて良かった」と話した。
(2024年2月9日付紙面より)
テックフォース隊員語る (那智勝浦町 )
「地震でも土砂災害は起きる」と警鐘を鳴らすのは、那智勝浦町市野々にある国土交通省近畿地方整備局の追鳥裕樹さん(紀伊山系砂防事務所那智勝浦監督官詰所)と小林正直さん(大規模土砂災害対策技術センター)。緊急災害対策派遣隊「テックフォース」の一員として、能登半島地震で土砂災害が発生した石川県輪島市と珠洲市で現場調査に当たった。
テックフォースとは、大規模自然災害が発生した際、国土交通省から地方公共団体に派遣され、道路や港湾の被災状況調査や、保有する災害対策機材による応急対応の技術支援を行う部隊。
2人は1月15~22日に砂防班第2陣として現地入り。積雪や悪天候に見舞われつつ、以前から砂防施設点検で活用してきたドローンを使い、人力では近づけない土砂災害発生地点の調査に従事した。
能登半島地震では、石川県を中心に計230件(1月31日現在)の土砂災害が発生。家屋や道路に甚大な被害をもたらし、河川閉塞(へいそく)による二次災害も危惧されている。
小林さんは現地の様子について「道路は至る所に亀裂や陥没があり、液状化によって下水管が浮き出ている状況。ほとんどの橋の付け根には大きな段差ができていた。渋滞も発生しており、宿泊地の白山市から現地に向かうだけでも大変。道路の重要性を再認識した」と振り返る。
地震、津波、土砂災害などが同時多発的に起こる複合災害に備え「近年では複数の災害の情報を一つにまとめたハザードマップなどもあり、活用していただきたい」と呼びかけた。
追鳥さんも「地震で崩れている場所のほとんどは、もともと土砂災害警戒区域に指定されていた場所」とハザードマップの重要性を強調。「津波から逃げなければならない中、道路沿いの土砂災害警戒区域が軒並み崩れて通れないということも考えられる」と危機感を強めた。
今後、和歌山県土砂災害啓発センターとも連携し、啓発に地震による土砂災害の内容を加えることを検討しており「われわれが経験したことを地域防災に役立てるため、いろいろな場でお話しできたら」と話していた。
海と山に囲まれた紀伊半島南部の沿岸では、津波避難場所の高台が同時に土砂災害警戒区域になっていることも珍しくない。発災時に地域で何が起こるのか、それらにどう対処するのかを考える機会としてもらいたい。
(2024年2月9日付紙面より)
文教厚生委対象に見学会 (串本町 )
串本町が7日、町議会文教厚生常任委員会を対象にしたロケットミュージアム(展示スペース)と星空ライブラリー(図書スペース)の見学会を開き委員に内容を伝えた。
これらスペースは西向にある旧役場古座分庁舎内で、3カ年計画のリノベーション事業に基づいて本年度に整備された。昨年末に大枠が仕上がり、町は先月11日に町議会の総務産業建設常任委員会を対象に見学会を実施。今回は文教厚生常任委員会を対象に実施したことで、議員13人全員が現時点での内容を把握する形となった。
同ミュージアムはロケット「カイロス」の実物大投影や透視紹介などのデジタルコンテンツと壁面パネルやパズルなどのアナログコンテンツを織り交ぜた体験主体の構成。今回も町企画課の名田倍也課長がデジタルコンテンツを動作させた状態で一連の内容を紹介し、質問に応じるなどした。
同ライブラリーはまだ書籍搬入が完了しておらず、本棚や閲覧席などの配置やロケットの先端部分・フェアリングを模した仕掛けなどを紹介した。同ミュージアムとスペースシアター(最大8K画質の臨場感シアター)は有料公開対象で委託先事業者との調整を経て夏ごろ、旧役場古座分庁舎を「宇宙ふれあいホールSora―Miru」と名称変更した上でオープン予定。同ライブラリーは無償の古座図書室をベースとしていて、名田課長は貸し出し可能な状況が整った時点で町管理により同ミュージアムなどより先にオープンさせるとし、ゆくゆくは委託先事業者へ運営を委ねられないかを模索する予定と説明した。
(2024年2月9日付紙面より)
サッカーU―8「池田仁彦杯」
太地町持久走大会