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2020年12月27日
1 各業務でドローン生かす
 職員が民間から技術学ぶ  (太地町 )

 株式会社POS(堀哲也代表取締役)が太地町役場の若手職員4人を対象に実施してきたドローンの操作訓練が25日、最終日を迎えた。職員は同町森浦にある旧グリーンピア南紀などで、操作技術などの確認や総仕上げを行った。

 同町では今年、防災や観光などの場面で活用するためにドローンを1機購入した。同機体には夜間操作を可能とするライトや災害時などに呼び掛けなどが行えるスピーカも設置できるほか、サーモカメラを内蔵。

 総務課、産業建設課、住民福祉課、太地町立くじらの博物館の20代から30代までの若手職員4人を選出し各課の業務に生かすべく、同社にトレーニングを依頼した。

 職員の訓練は今年11月から開始し、週1回のペースで実施。▽機体自体が自動的に角度や位置を修正し安定した状態が保てるGPS機能を使用したまま操作▽GPS機能を使用し、地面に設置したコーンをコースと仮定し、前後や左右、円を描く操作を身に付ける▽不意にGPS機能が働かなくなったことを想定し、機能を使わず、自力で角度などを補正し操作する―などの訓練に取り組んできたという。

 総務課副主査の野瀬智章さん(29)は「防災関連では人が行くには危険な場所での使用や、災害時に町民の方々へのお知らせや指示にも使用できると思う。各課、それぞれの使い道があるため、ドローンを活用していきたい」と語った。

 堀さんは「自治体が主体となってドローンの購入や職員の操作訓練を実施しているのは和歌山県内でも少ないはず。防災・防犯がメインの用途になると思うが、空撮による観光面でのPRなどにも使用していただけたら」と語った。

 その後、職員らは整備が進む駅舎防災複合施設(JR太地駅)に向かい、実際に対象物を前にしての操作にも取り組んだ。

(2020年12月27日付紙面より)

操作訓練を行う職員=25日、太地町森浦の旧グリーンピア南紀敷地内
2020年12月27日
2 画集「水墨画集成」を寄贈
 県立と串本町の両図書館へ  

 串本町出身の水墨画家・東野光生(とうの・こうせい)さんの画集「東野光生 水墨画集成」〈全2巻〉が24日、県立図書館(兒玉佳世子館長)と同町図書館(池田三明館長)へそれぞれ寄贈された。

 東野さんは1946年、田原生まれ。84年に小説「浅黄の帽子」で文壇デビュー後、水墨画家としての才覚も発揮し94年に初の水墨画集「涅槃(ねはん) 東野光生 寺院水墨画の世界」を発行。神奈川県横浜市に居を構え、水墨画家兼作家として現役を貫いている。

 本紙関係では90年に串本うしおコーラスグループ団歌を作詞、2004年に小説「補陀落幻影」を発行し世界遺産登録記念行事の一環で講師登壇、那智山青岸渡寺へ11年に水墨画「補陀落渡海出帆図」「補陀落渡海船中読経図」、12年に同「襖絵(ふすまえ)『歳月』」などの作品を寄進など、ふるさと熊野へも複数の作品や接点を宿している。

 両館への画集寄贈は08年の画集「世界遺産・仁和寺 高松宮記念書院 新作襖絵 四季曼荼羅」に続いて2回目。今回の「東野光生 水墨画集成」は上巻「悠久」と下巻「瞬刻」の2巻があり、水墨画家であり作家でもある自身の集大成を示す内容に仕上がっている。発行元は芸術新聞社で各巻8000円(税抜き)。

 この日は東野さんから代理寄贈を引き受けた知人・西野政和さんが同町図書館を訪問し、池田館長と来館中の兒玉館長に上・下巻各1冊をそれぞれ贈呈。池田館長は「勇名をはせる地元の先輩として多くの人に知ってもらう機会にしたい」、兒玉館長は同行する県立紀南図書館(=県立図書館分館)の鈴木浩館長と共に「県民の財産としてお預かりし、本館や分館で閲覧できる状況を目指す」と応えて受け取った。

 同町図書館は即日で蔵書登録を完了し、26日現在で郷土資料の扱いで閲覧できる状況とした。県立図書館は寄贈を機に追加購入を進めて永久保存用と閲覧用をそろえ、1カ月以内をめどにして県民が閲覧できる状況を整えるとしている。

(2020年12月27日付紙面より)

画集「東野光生 水墨画集成」の寄贈を受ける池田三明館長ら=25日、串本町串本
串本町田原出身の水墨画家・東野光生さん(西野政和さん提供)
2020年12月27日
3 観光機構役員らが幸先詣
 熊野那智大社で終息など祈願  (那智勝浦町 )

 那智勝浦観光機構(NACKT)は25日、那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で「幸先詣(さいさきもうで)」を行った。理事長の堀順一郎町長、理事の南紀くろしお商工会の森川起安会長、村井弘和事務局長、堀千寿子さんが参列し、新型コロナウイルスの終息などを祈願し一足早い参拝を済ませた。

 幸先詣とはコロナ禍の中、年始に集中する参拝や縁起物の授与を前倒して行うもので、分散型参拝と同様に各地の神社で実施されている。

 観光機構では、コロナ感染拡大防止の観点から、密を避けるために初詣をこの日に前倒するに至った。神職によると、同大社での幸先詣は初だという。神事では祝詞を奏上後に巫女が那智の滝舞を奉納。参列者を代表して堀町長が玉串をささげ、金幣の儀が行われた。

 男成宮司は「コロナの影響で皆さまもご苦労されていると思う。来年には事態が収まり、干支(えと)の丑(うし)のように牛歩のごとく一歩ずつ歩みを進められる年になってほしい。観光機構の発展と町の観光振興を祈っております」と語った。

 堀町長は感染防止対策として分散型参拝を呼び掛けるとともに「コロナの終息や、罹患者の早期の回復や亡くなられた方々の冥福をお祈りした。そしてより明るい那智勝浦町にしていくことを宣言しました」と抱負を述べた。

(2020年12月27日付紙面より)

幸先詣を行う那智勝浦観光機構=25日、那智勝浦町の熊野那智大社
2020年12月27日
4 演奏ですてきな時間を
 吹奏楽部がランチタイムコンサート  (新宮高校 )

 新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)吹奏楽部(亀谷覚史顧問・山本紗椰部長、部員18人)は25日、同校中庭でクリスマス・校内ランチタイムコンサートを開いた。部員たちは全3曲を披露し、生徒や教職員を楽しませた。

 昼休憩時にすてきな時間を過ごしてもらおうと年に数回実施している。当初は24日を予定していたが、雨天のためこの日に延期された。終業式後に行われたコンサートで部員たちは「髭男(ひげだん)メドレー」「恋人たちのクリスマス」を演奏。芝の上で弁当を食べながら耳を傾けたり、渡り廊下や窓から顔を出して聞き入る生徒たちの姿が見られた。アンコールでは「ウォーク・ザ・ダイナソー」を披露。手拍子で盛り上がる一幕もあり、にぎやかなひとときを過ごした。

 演奏を聴いた中村華奈子さん(2年)は「毎回楽しみにしています。寒かったけど、今回も吹奏楽部のすてきな音楽を聴くことができて良かった」。

 山本部長は「終業式後にコンサートを鑑賞してくれてありがたく思います。拍手や手拍子など、みんなが盛り上がってくれたので、私たちも楽しかった。これからも、みんなに喜んでもらえるような演奏ができるよう、練習に励んでいきます」と話していた。

(2020年12月27日付紙面より)

演奏を披露する吹奏楽部=25日、新宮市神倉の県立新宮高校
大勢の生徒たちが拍手や手拍子を送った
2020年12月27日
5 令和3年成人式を延期  コロナ感染拡大鑑みて  (串本町 )
2020年12月27日
6 子どもにプレゼント配る  クリスマス衣装着て社員  (芳流館互盟社 )
2020年12月27日
7 県大会の高評価など報告 清野健太郎君が町長表敬 (串本町)
2020年12月27日
8 子どもたちに夢と希望を  認定こども園にプレゼント贈呈  (公民館勝浦分館 )
2020年12月27日
9 サンタの登場に大興奮  木の川認定こども園でクリスマス会  (新宮市 )
2020年12月27日
10 マジックショーやコンサート  中央児童館・くろしお児童館  (新宮市 )
2020年12月27日
11 3市町で「成人式」延期に  新型コロナの感染状況踏まえ  (熊野市・南牟婁郡 )
2020年12月27日
12 警察活動協力に感謝  3団体と7個人を署長表彰  (熊野署 )
2020年12月27日
13 各団体らと地域の魅力学ぶ  「大辺路」活性協議会  (那智勝浦町 )
2020年12月25日
14 滞在型観光地への推進を 市観光協会特別委員会が提案 (新宮市)

 新宮市観光協会特別委員会(会長=里中陽互・市観光協会長)は24日、田岡実千年市長に「通過型観光地から地域主導の滞在型観光地への実践」を提案。委員会でまとめた市の観光振興の具現化案を報告した。

 観光客に占める宿泊客の割合が10・7%にとどまる市の観光を取り巻く現状を踏まえ、市観光協会では、昨年9月に特別委員会を設置。通過型から滞在型の観光地を目指すため6回にわたり協議を進め、「地元に眠る観光資源(素材)を発掘し、磨き上げにより観光客が聖地・熊野新宮へ行ってみたくなる回遊滞在型観光コンテンツを地元のわれわれが一体となってつくる」ための実践への取り組みをまとめた。

 この日は里中会長と隅地洋・特別委員会副会長、市観光協会の森本祐司専務理事、山本大輔事務局長らが市役所を訪れ、「癒やされます」をコンセプトに回遊性を高める滞在型観光コンテンツを提案した。

 新宮城・神倉神社・熊野古道を三つの柱に「新たな発見に感動する~しんぐう 魅力発見旅~」と題し▽新宮城跡と城下町食べ歩き・まち歩き▽熊野川舟下りと新宮三社巡り▽海の熊野古道と万葉歌人の吟行巡り―など七つのプラン案を提示し、多様なニーズに対応するため、テーマ別に地域の観光資源を生かしたミニツアーや体験などもまとめた。

 また、市に対して「観光コンテンツの情報発信と旅行エージェントへのプロモーション」「滞在型観光地を推進するための受け入れ態勢の整備」のための取り組みなどを要望として提案した。

 隅地副会長は「地元が中心になって行政と連携することが大事。市民を巻き込まないと本当のおもてなしはできない」。里中会長は「官民協力し合い、観光地として新宮をつくっていければ」と主張。

 提案を受け、田岡市長は「行政の役割も具体的に示していただいた。実現できればまちの活性化に結び付く。今すぐにはできないこともあるが、行政としても皆さんと一緒にできることからやっていきたい」と応じた。

(2020年12月25日付紙面より)

新宮市観光協会特別委員会の里中陽互会長(右)が田岡実千年市長に報告書を手渡した=24日、新宮市役所
2020年12月25日
15 協力への感謝と真心贈る
 「お食事処きく」が義援金  (新宮市 )

 新宮市井の沢の「お食事処おふくろの味きく」の店主・森下喜久(きく)さんは23日、市社会福祉協議会(田中信秀会長)に、今年7月に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した「令和2年7月豪雨」への義援金を託した。

 同店舗では郵便ポスト型の貯金箱を設置しており、売り上げの一部を寄付するなど募金活動を続けている。地域住民をはじめ森下さんの人柄を慕い、全国各地から訪れる出張者、観光や帰省客らが募金に協力。来店者たちの善意で、今回3万5876円の寄付が集まった。これまでも東日本大震災(2011年)や紀伊半島大水害(同年)、熊本地震(16年)、西日本豪雨(18年)、千葉県で発生した台風15、19号による大雨災害(19年)などの被災地にも義援金を送っている。

 森下さんは協力してくれた来店者らに感謝し「少額ではありますが、貯金箱には多くの人の温かい真心が詰まっています。復興を目指す中、今年は新型コロナウイルスの影響もあって大変な日々を過ごしていると思います。少しでも役に立てればうれしい」。

 義援金を受け取った大谷康央事務局長は「年末年始を迎える中、コロナ禍で思うように復旧が進んでいない話を耳にしているので、願いが込められた支援にありがたく思います。復興に向け有効に活用してもらえれば」と話していた。

(2020年12月25日付紙面より)

大谷康央事務局長(左)に義援金を手渡す森下喜久さん=23日、新宮市野田の市福祉センター
2020年12月25日
16 イルミ前で演奏響かせる
 吹奏楽部ミニコンサート  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校(左近晴久校長)の吹奏楽部(仁木愛里部長、部員7人)が23日、生徒有志が自主設置したイルミネーション前でミニクリスマスコンサートを開いて場を盛り上げた。

 体育祭や文化祭などの行事をコロナ禍の影響で失った生徒らの思い出づくりの場になればと願って設置したこのイルミネーション。本点灯を始めた直後に「ミニコンサートも開けないか」というアイデアが持ち上がり、提案を受けた同部は生徒有志と同様の思いで挑戦を決意した。

 部員は5日間というごく限られた時間の中で、雰囲気に合う楽曲を急ぎ習得。迎えた本番ではアンコール曲を含め3曲を演奏し、生徒やその家族、住民や教員が鑑賞し拍手でたたえるなどした。

 演奏を終えて仁木部長(2年)は「楽しかったけれど、練習時間が短くて完全な演奏で聴かせられなかったのは残念」と苦笑いしつつ、「コロナ禍で楽しいことがどんどん減っているけど、こんな風にできることもいろいろとある。みんなで協力してやっていきたいですね」と込めた思いを語った。

 このイルミネーションは来年1月15日(金)まで(12月29日~1月3日を除く)の平日午後5時~8時に点灯している。

(2020年12月25日付紙面より)

生徒有志設置のイルミネーション前で演奏に臨む吹奏楽部の部員ら=23日、県立串本古座高校
2020年12月25日
17 疫病退散願って奉仕を再開
 直見の妙見神社で区民有志  (古座川町 )

 古座川町直見(ぬくみ)にある妙見神社で22日、数十年ぶりとなる例祭が営まれた。区長の畦智邦男さんら区民有志7人がかねての思いにコロナ禍退散の願いを積んで奉仕の再開を決起。約40人が参列し、祭神に礼を尽くした。

 この神社は妙見橋の右岸側に位置。石垣の上部に宇津木石を組むなど重厚な境内に、明神~三尾川(みとがわ)を向く方向で祭神が祭られ地蔵尊が安置されている。主祭神は牛頭天皇。畦智さんによると例祭は旧暦11月8日に営まれていたが、幼少だった数十年前に餅まきを見た記憶を最後に途絶えている。他方、区外でこの神社を高く評価する声があることにも気付いていて、いつか奉仕を再開したいと思いを募らせているところで新型コロナウイルス流行という時代に直面。牛頭天皇には疫病退散を願い祭られる側面があり有志は今こそ再開と思い立ったという。

 旧暦11月8日に当たる新暦12月22日を期日とし、古座神社の石田保宮司に出仕を依頼して例祭の執行を触れ込み。当日は境内をのぼりで飾って神饌(しんせん)を献上し、石田宮司に続いて参列一同で玉串をささげて祈願した。神事後は餅まきや飴まきをし、神前に民の活気を誘って締めくくった。

 同橋の下は遊泳場として親しまれるが、今まで大きな事故があったことはなくこれも同神社のご加護だと感謝する有志ら。畦智さんは「コロナ感染はしないさせないの思いで何とか早く収束してほしい。全ての区民の安全と健康と繁栄と併せてそう願った」と語り、今後は区の役員の総意が得られれば区行事、得られずともできる限り例祭を続けて直見の氏神として忘れずに見守る意欲をにじませた。

(2020年12月25日付紙面より)

区民有志の決起で数十年ぶりに例祭が営まれた妙見神社=22日、古座川町直見
2020年12月25日
18 お茶を飲んで感染予防 カテキン効果で健康に 
2020年12月25日
19 クリスマスプレゼントに笑顔  はまゆう・こども園にお菓子贈呈  (第二なぎの木園 )
2020年12月25日
20 地域との関わりを知る  わかば保が「まちたんけん」  (那智勝浦町 )
2020年12月25日
21 2代目きのくにで初実施 本年度メタンハイドレート賦存状況調査 (和歌山県)
2020年12月25日
22 21チーム対戦し中辺路優勝  第16回少女バレー交流大会  (串本町 )
2020年12月25日
23 第4回定例会一般質問②  串本町議会  
2020年12月25日
24 親子でスキンシップ  子育てほっとサロン  (紀宝町 )
2020年12月25日
25 黄色一色に染まる菜の花畑  神内神社近くで咲き誇る  (紀宝町 )
2020年12月25日
26 クリスマス会楽しむ  保育所や学童保育などで  (紀宝町 )
2020年12月25日
27 体調に気を付け冬休みを  新翔高校で終業式  (新宮市 )
2020年12月25日
28 お悔やみ情報
  
2020年12月17日
29 迫力の能・狂言を鑑賞
 那智中学校で巡回公演  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長)で15日、公益財団法人鎌倉能舞台による巡回公演があり、全校生徒149人が迫力の能・狂言の舞台を鑑賞した。

 文化庁の令和2年度「文化芸術による子供育成総合事業」の一環。子どもたちに優れた舞台芸術を鑑賞する機会を提供することで、発想力やコミュニケーション能力の育成、将来の芸術家の育成につなげることを目的としている。能は、室町時代初期に観阿弥(かんあみ)・世阿弥(ぜあみ)によって大成された現存する世界最古の演劇。江戸時代には、支配階級である武家が共通の日本語や正しい発音、荘重な身のこなしを身に付けるための教科書の役割を与えられ、手厚く保護された。演出法や台本、装束道具類がほとんど草創当時のまま保存されており、2001年にはユネスコの世界無形文化遺産第1号に認定された。

 生徒たちは最初に能の歴史や用語について解説を受け、小学6年生の国語の教科書にも登場する狂言「柿山伏」を鑑賞。能「小鍛冶(こかじ)」では、みかどから剣を打てとの命令を受けたものの、相槌(あいづち)を務める者がおらず困り果てた刀鍛冶・三条宗近(さんじょう・むねちか)が稲荷明神に祈ると、使いのキツネが現れて相槌を務めるという物語を字幕付きで楽しんだ。

 狂言体験ワークショップもあり、能楽師2人から立ち方や作法、サルやトンビなどの動物の鳴き真似を教わり、全員で実践していた。

 岡校長は「誰でも観阿弥、世阿弥という名前は知っているが、本物の能の舞台を鑑賞できる機会はなかなかない。しっかりと目に焼き付けてほしい」と話していた。

(2020年12月17日付紙面より)

神の使いのキツネと剣を打つ三条宗近=15日、那智勝浦町立那智中学校
狂言「柿山伏」
2020年12月17日
30 飼育展示しながら生態調査
 新種・キイカギテシャコエビ  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)がこのほど、串本の海で見つかった新種・キイカギテシャコエビの飼育展示を始めた。

 このエビは2018年5月、同館の平林勲主任学芸員が同センター沖で展示動物を採集中に発見した。同定を試みたが該当する種名が見当たらず、十脚甲殻類に詳しい千葉県立中央博物館の駒井智幸・動物研究科長に精査を依頼したが同じ結果となり、今年7月に動物分類学の学術誌「Zootaxa(ズータクサ)」で公表。カギテシャコエビ属としては世界で16種目、国内で4種目、本州温帯域で2種目の新種発見となった。

 平林主任学芸員はこの経緯を発表した当時、駒井科長と連名で「今後新たな個体が採集できたときは飼育展示し、大勢の皆さんに知っていただきながら生態の調査をしていきたい」とコメント。その節目が10月28日に訪れ、1個体目と同じ水深14㍍の海底で2個体目を見つけて生体展示へと踏み出した。

 体長は1個体目より大きく約1・8㌢。今月13日までに2回の脱皮をしながら飼育環境で生き続けていて、「甲殻類は栄養状態が整っていないと脱皮をしない。この個体は1カ月スパンで脱皮をしていて、ある程度飼育できているのかなと思っている。最近になってエビと魚のミンチを食べる様子も観察できた」と最近1カ月の様子を語る。

 カギテシャコエビ属は巣穴を掘って身を隠すとされているが、キイカギテシャコエビは水槽に入れた砂に巣穴を作らず石の裏などに身を隠すことが大半。平林主任学芸員は「飼ってみないと分からないことはまだまだ多く、例えば鈎(かぎ)のような第一胸脚をどう使うのかもまだ観察できていない。できるだけ長く展示飼育しながら手探りで生態を調べていきたい」と意気込んでいる。

 展示場所は館内Aゾーンにある串本の海大水槽そば。キイカギテシャコエビが嫌がらない明るさで照らし、観察しやすくしている。

(2020年12月17日付紙面より)

飼育展示中の新種・キイカギテシャコエビ=13日、串本海中公園センター水族館
2020年12月17日
31 熊野地方で初雪観測
 新宮市、那智勝浦町など  

 熊野地方で16日、初雪が観測された。新宮市や那智勝浦町の市街地では雨交じりの雪がちらついたほか、那智山では一時ふぶく場面も見られた。

 全国的に冬型の気圧配置が続き、真冬並みの寒さとなった同日。太平洋側にも雪雲が流れ込み、広い範囲に雪を降らせた。

 那智山では午前8時ごろから雪が降り始めた。熊野那智大社によると同時間帯の温度計は2度を指していたという。

 和歌山地方気象台では、北部の山地を中心に17日未明から大雪となる見込みであるとし、積雪や路面凍結による交通障害などに注意を呼び掛けている。

(2020年12月17日付紙面より)

那智山では一時ふぶく様子も見られた=16日午前10時30分、那智勝浦町
2020年12月17日
32 「丑」の絵馬が登場
 一足早く迎春準備  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は15日、宝物殿で掲げられていた大絵馬を「子(ね)」から来年のえと「丑(うし)」へと掛け替えた。

 大絵馬は縦約3㍍、横約4㍍。しめ縄を装着した牛と那智の滝から昇る朝日が描かれている。男成宮司が11月下旬から描き始め、約20日間かけて完成させた。旅客の道中安全を願い作った小絵馬2枚(いずれも縦0・9㍍、横1・2㍍)はJR紀伊勝浦と新宮の両駅に掲げられる。

 ツアー旅行で参拝に訪れた廣瀬喜代子さんは「たまたま訪れた日に来年の絵馬を目にすることができてタイミング良くうれしいです。牛の勇ましさの中にも品や趣があって素晴らしい。新型コロナウイルスの収束が見えずに気持ちが暗くなりがちですが、来年は明るさを忘れないで強く元気で過ごせる一年にしたいです」。

 男成宮司は「牛は天神様のお使いといわれており、おっとりとしたイメージとともに我慢や忍耐強さを持ち合わせているものだと思います。コロナウイルス感染症の影響で大変な年となりましたが、来年は困難にめげずに穏やかな歩みを進めていけるものになってもらえれば」と語った。

(2020年12月17日付紙面より)

宝物殿前に掲げられた「丑」の大絵馬=15日、那智勝浦町の熊野那智大社
2020年12月17日
33 実物を展示し成因を解説  「ヘンな模様の石展」始まる  (南紀熊野GPC )
2020年12月17日
34 県紙芝居コンで最高位獲得  西向中・寺田裕紀君の作品  (串本町 )
2020年12月17日
35 公開抽選で当選番号決まる  歳末大売り出し幸運富くじ  (串本商店会・古座商店会 )
2020年12月17日
36 マルシェや映画上映にぎわう  イロドリ「KOKOPEPE DAY」盛況  (新宮市 )
2020年12月17日
37 3議員が登壇し議論展開  那智勝浦町議会一般質問②  
2020年12月17日
38 12月定例会が閉会  紀南環境衛生施設事務組合議会議員を選出  (那智勝浦町議会 )
2020年12月17日
39 全園児の演技が光る  きたやま保育所で発表会  (北山村 )
2020年12月17日
40 アンサンブル演奏披露  新翔高でミニコンサート  (新宮市 )
2020年12月17日
41 「あ!今光ったよ!」  各地でふたご座流星群観察  
2020年12月17日
42 「10年後の町」考えよう  提案集めふるさと活性化  (勝浦LC )
2020年12月17日
43 ケヤキ製の手水舎完成  ㈱河崎砂利が奉納  (猿田彦・三宝荒神社 )
2020年12月17日
44 能楽に理解深める  児童生徒がワークショップ  (相野谷小・中 )
2020年12月17日
45 用地取得率は97.9%  紀宝町議会一般質問①  
2020年12月17日
46 自費で「PCR検査」可能に  町民ら対象に独自施策  (紀宝町 )
2020年12月17日
47 お悔やみ情報
  
2020年12月13日
48 水害などから身を守ろう
 熊野川中で防災授業  (国交省 )

 国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所は11日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川中学校(吉田元紀校長、生徒29人)で公開防災授業を実施した。「大雨が降ったときの身を守る行動を考えよう!」をテーマに、生徒たちが大雨に伴う水害時に取るべき行動などについて討議し、災害に対する認識を深めた。

 防災授業は今年で4回目の取り組み。国内有数の台風常襲地である紀伊半島において、有事の際にどのようなタイミングでどのような行動を起こせばいいのかなどを考えるきっかけづくりとして実施している。

 同事務所調査課の玉木秀幸・地域防災調整官らが、2011(平成23)年の紀伊半島大水害や18(平成30)年の西日本豪雨などの様子を写真や資料を用いて過去の災害を振り返った。

 洪水浸水想定区域図や土砂災害警戒区域図、洪水ハザードマップなどの説明を行い▽在宅▽避難所▽ホテル▽青空▽縁故―のコロナ禍における避難方法を紹介。

 4班に分かれた生徒らは避難ルート、タイムラインなどのワークシート記入や意見交換、情報共有を通じて、地域や自宅の水害・土砂災害の危険性や避難時の注意点、避難ルートの確認、避難の際に行う準備や行動について考える機会とした。

 最後に、各ワークを通して確認した内容を班ごとに発表。「動きやすい服装で避難する」「状況を確認しながら周りの人を手伝う」「大切なものは2階に上げる」「ラジオやモバイルバッテリーを用意しておく」「普段から地域の人とコミュニケーションをとっておく」など、避難時の具体的行動について示した。

 発表を終え、玉木地域防災調整官が「自分の家のリスクの確認は重要。今日のことを持ち帰って、家族の人に教えてあげて」と呼び掛けた。生徒会長の中前なごみさん(2年)が「防災のことをたくさん教えていただき勉強になった。今日のことを今後にも生かしていきたい」と玉木地域防災調整官らに感謝を述べた。

(2020年12月13日付紙面より)

意見交換などを通して災害発生時の行動を考える生徒ら=11日、新宮市立熊野川中学校
班ごとにまとめた意見を発表した
2020年12月13日
49 4小学校でオンライン授業
 教育研究会ICT部会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町教育研究会ICT部会は10日、町立太田小学校(上地巳奈子校長)、市野々小学校(中西健校長)、色川小学校(寺地琢也校長)、宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の4校をつないでオンライン授業を実施した。

 同部会は本年度、オンラインツールを活用した遠隔授業をテーマに研究を進めている。国が推進するGIGAスクール構想への対応や、1人学級を抱えるへき地の小規模校同士の交流など、さまざまな視点から児童にとってより良い授業の在り方を模索することが目的。

 この日はオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を用い、宇久井小学校から平瀬公士教頭が国語科の授業を実施。遠隔で3校の5、6年生30人が、2、3人のグループに分かれて電子黒板やノートパソコンで授業を受けた。

 児童は「虫」「虹」「地」などのヘビが元になっている漢字の成り立ちを学び、「蛸(たこ)」「蚯蚓(みみず)」といった難読漢字クイズで盛り上がった。他校の友人と一緒に授業を受けられることを喜ぶ姿も見られ、児童からは「クイズで頭をたくさん使った」「いろんな人と交流できてうれしい」との声があった。

 教職員による研究協議では、「児童の感想は楽しかったという意見が多く、交流ツールとしては良い」という意見があった反面、「授業する側としては子どもたちの様子が把握しづらい」「ノートパソコンでは音量が小さく、外付けのスピーカーが必要。機材の接触不良で、電子黒板から音がでないトラブルもあった」といった課題も浮かび、今後の改善について議論が交わされた。

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■GIGAスクール構想

 GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略。義務教育を受ける児童・生徒に1人1台の学習者用タブレットと高速ネットワーク環境を整備することで、公正に個別最適化され、資質・能力を確実に育成できる教育ICT環境を実現する構想。

(2020年12月13日付紙面より)

電子黒板を使って遠隔授業=10日、那智勝浦町立太田小学校
2020年12月13日
50 創立100周年を記念して
 校庭に巨大ピクセルアート登場  (木本高 )

 創立100周年を迎える県立木本高校の校庭に9日、巨大なピクセルアートが登場した。この歴史と伝統を祝う事業の一環で、3年生188人による「100」の人文字とともにドローンによる記念写真撮影で祝った。

 同校は1920年、県立木本中学校として開校し、55年には現在の木本高等学校に校名を変更した。記念のピクセルアート作りは昨年夏に企画され、同高校、熊野林星会、三重大学地域拠点サテライト、東紀州サテライトが制作に携わってきた。このアートは約9㍍×14・4㍍の大きさ。同高校学校林のヒノキの間伐材を利用した4・5㌢角の木片チップ6万4000枚を使って80枚のパネルに仕上げ、制作を担当した3年生がこれを並べることで完成させた。

 図柄は100年の歴史を表現するため、開校当時の制服を着た男子生徒と現在の制服姿の女子生徒を並べ、後方には100年前から変わらぬ姿の獅子岩を描いている。図案は3年生で漫画研究部の松本奈々部長(17)が考案し、約1カ月かけて完成させた。これを節目とした新しい歴史の始まりには、「今の学校や地域の雰囲気を守り、変わらずにいってほしい」と願った。製材や乾燥を重ねて材料のチップを用意した熊野林星会の野地良成副会長(39)は「生徒たちと何かできないかと高校から相談があり、木育教育の一環として引き受けた。地元高校に少しでも恩返しできたかな」と述べた。

 作業を終えた仲川聖華さん(17)は「100周年記念事業に参加できたことを誇りに思う」、同じく川上かおるさん(18)も「伝統ある素晴らしい学校と改めて感じた」と話した。撮影会は当初9月16日の予定だったが、天候の都合で延期されていた。パネルは、パーティションなど活用法を検討中という。

(2020年12月13日付紙面より)

完成した巨大ピクセルアートと生徒たち=9日、熊野市の県立木本高校
制作に取り組む生徒や関係者
2020年12月13日
51 28年の歴史に幕下ろす
 移転準備のため26日に閉館  (鵜殿図書館 )

 紀宝町立鵜殿図書館が移転準備のため、26日(土)をもって閉館し、28年の歴史に幕を下ろすことになった。来春には同町神内の旧保健センターに移転し、「図書館・子育て支援センター複合施設」として再開する。

 鵜殿図書館は1992(平成4)年4月に建設され、施設の老朽化が進みバリアフリー対策も十分でないことや、小高い丘の中腹に位置し交通アクセス、駐車場が広くないなどの理由から移転が決まった。

 26日まで町内在住、在勤者に限り1人20冊まで本を借りることができる。返却期限は来年4月1日までで、図書館玄関横のブックポストに返す。入館の際はマスクの着用と手指消毒を求めている。開館時間は午前9時30分から午後6時までで、休館日は月曜日。

 移動図書館は来年1月まで予定通り実施する。日程は「広報きほう1月号」に掲載する。

 1月以降、移転準備により整理した本の「リサイクル本コーナー」を町生涯学習センターまなびの郷と、ふるさと資料館に設置する。

 今月16日(水)午後7時から、図書館2階研修室で児童書作家・杉山亮さんによる「ものがたりライブ」を開く。対象は小学生以上で、申し込み、問い合わせは同図書館(電話0735・32・4646)まで。

(2020年12月13日付紙面より)

26日に閉館する紀宝町立鵜殿図書館
2020年12月13日
52 部落差別の解消目指し  社協が職員人権研修  (新宮市 )
2020年12月13日
53 「人の心に平和のとりでを」  新翔高で中谷剛さん講話  (新宮ユネスコ協会 )
2020年12月13日
54 草花染めなど楽しむ  わかば保5歳児が園外保育  (那智勝浦町 )
2020年12月13日
55 夜回りで「火の用心」  各婦人防火クラブが啓発  (新宮市 )
2020年12月13日
56 下里小児童が道普請  守る会と清水峠を歩き学ぶ  (那智勝浦町 )
2020年12月13日
57 「すべり台めっちゃ楽しい」  5歳児12人が歩いて公園へ  (飯盛保 )
2020年12月13日
58 防犯対策など情報を共有  学校、教委、警察が合同会議  (紀宝町 )
2020年12月13日
59 食品衛生向上に顕著な功績  管内事業者などを表彰  (新宮・東牟婁 )
2020年12月13日
60 お悔やみ情報
  
2020年12月11日
61 児童が「川原家」組み立てる
 神倉小6年がふるさと学習  (新宮市 )

 新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長、児童436人)で10日、ふるさと学習が行われた。6年生83人が、県立新翔高校の野間清教諭、中岸速人教諭、建築技術部の山口裕大君(3年)、三宅悠夢君(2年)の協力の下、体育館に四畳半の川原家(かわらや)を建設した。

 同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに町の歴史や文化などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアが協力して授業を設けている。

 6年生は「熊野川と暮らし」をテーマに学習を進めており、11月24日には中瀬古友夫さんから川原家の歴史を学習した。川原家はくぎを1本も使わずに組み立てる簡易商店で、洪水時に短時間で解体・建設ができることが特徴。生活物資や木材、炭などの交易の舞台として市の発展を支えた権現河原に、明治~大正の最盛期には約300軒の宿屋や鍛冶屋、土産物屋、風呂屋が建ち並んでいた。

 川原家を組み立てる手順を学んだ児童は、安全に気を付けつつ木材を組み立てていった。土台に柱を立てて貫(ぬき)を通し、梁(はり)と桁(けた)を渡して、最後はシュロ縄で棟木と屋根板を固定させて完成させた。見学の児童も、徐々に家の姿に近づいていく川原家の様子を熱心にメモに取った。

 壁板張りやくさび打ちを担当した加子坂有晟君は「柱は重かったけれど、楽しかった。新宮の歴史を知るいい機会になった」と話していた。

(2020年12月11日付紙面より)

桁を組み立てる児童と生徒=10日、新宮市立神倉小学校
メモを取りながら学習する児童
2020年12月11日
62 認知症患者の気持ち想像
 宇久井中でサポーター講座  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長、生徒62人)で9日、認知症サポーターキャラバン養成講座「認知症って何だろう」が開かれた。株式会社下里福祉のつつじ園に勤める看護師の川口利恵さんが講話し、1年生29人が認知症の中核症状や地域の患者への接し方を学んだ。

 同校は本年度、人権学習の一環として車椅子・アイマスクの福祉体験やバリアフリー学習に取り組んでいる。同講座は認知症について正しい知識を身に付け、患者や家族の支援者となる「認知症サポーター」を育成することを目的に、全国の自治体で実施されている。

 川口さんは、アルツハイマー病や脳血管障害によって新しい出来事が記憶できなくなり、時間や場所などの認識が混乱して生活に支障が出てくる認知症の症状を解説。患者の内面で起きている世界や気持ちを想像することの大切さを語り、「認知症患者の背景には彩り豊かな生活や家族がある。自分らしく、一生懸命今を生きているその人を理解して」と呼び掛けた。

 生徒たちは認知症患者の手記を読んで、これまで普通にできていたことができなくなる患者の不安や困惑、失敗をとがめられることで生じる自責の念を想像。地域でいつもと様子が違う高齢者を見掛けたときの適切な声の掛け方や接し方を学んだ。

 講座を受けた生徒には認知症サポーターの証しであるオレンジのリストバンドが配られ、早速身に付ける姿も見られた。

(2020年12月11日付紙面より)

川口利恵さんが講話=9日、那智勝浦町立宇久井中学校
2020年12月11日
63 打ち上げに向け知識教わる 潮岬中がロケットWS参加 (串本町)

 串本町立潮岬中学校(水上茂秀校長、生徒65人)が9日、ロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加し、田原地区で建設中の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」における打ち上げ開始に向け基礎知識を教わるなどした。

 このWSは、町事業「誘客多客化等実証事業」の一環。町民のロケット事業に対する機運を高めるため、将来を担う世代が集まる町立の13小中学校と県立串本古座高校を必須とし、年度中に計30回開くことを目指している。

 すでに観光を含む商工業者を対象に部分実施、町民の代表で構成される議会を対象に初の全体実施をしていて、その成果を加味した内容を13小中学校の先陣を切る形で潮岬中が受けた形となっている。

 この日はWSを監修する株式会社USPジャパン代表取締役の新津研一さんが講師として登壇。そのノウハウを受け継ぎ次期講師となるため、南紀串本観光協会ガイド部会の会員も同席した。

 新津さんはロケット事業関係者のWSに向けたメッセージを紹介し、串本町の今の状況を生徒に感じさせた上で▽同発射場や小型ロケットの概要▽スペースワン株式会社が目指す事業の概要▽小型ロケットとさまざまなロケットの対比▽人工衛星が生活に果たす役割とその産業の将来展望▽串本に注がれる注目に対して自分たちができること―などを語った。

 終盤では田嶋勝正町長のビデオメッセージを視聴し、田嶋町長は「これからロケットが串本町を大きく変える。それがまさに君たちの時代。ぜひとも知恵を出し共に頑張ろう」と呼び掛けた。教わった事柄を後で振り返れるよう、WSの内容をまとめた冊子「スペースポート紀伊まるわかりブック」と小型ロケットの解説を印刷した下敷きも配布。生徒を代表して平賀令晃(れおう)君(2年)は「話を聞いてさらに興味を持ち、発射が楽しみになった」と感想を述べてWS実施に感謝した。

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WS実施は12月~1月となる見込み



 同日現在、潮岬中と出雲小と串本西小が2学期中の参加を希望。他の小中高校は未定で、年明けに参加する見込み。他方、町民向けには14日(月)に発射場がある田原地区(田原・上田原・佐部)で実施し、15日(火)の午前、午後(日中)、同(夜半)に定員30人の事前申し込み制で実施することが決まっている。

 15日の3回は10日締め切りだが、9日現在で定員まで余裕がある状況。その他の実施は未定。母体の町事業は成果報告会実施が必須となっているため同町ロケット推進室は1月末までに30回達成を目指すとしている。

 このWSの問い合わせは同町ロケット推進グループ(電話0735・67・7004)まで。

(2020年12月11日付紙面より)

打ち上げに向け基礎知識を教わる生徒=9日、串本町立潮岬中学校
2020年12月11日
64 日本土木とユウテックに感謝
 やまじ採れたて市で奉仕作業  (御浜町 )

 御浜町山地の無人市場「やまじ採れたて市」(尾崎英夫・管理者)と山地区(山本進部区長)は10日、ボランティアで無人市場駐車場の改修工事に取り組んだ日本土木工業㈱とユウテック㈱に記念品を贈呈した。

 市場は今年、開設10年を迎え、アスファルト舗装が傷んでいたことから、日本土木工業が11月17日に舗装、ユウテックが翌18日に白線ラインを引いた。

 奉仕作業に当たった両社に記念品を贈り、山本区長は「センターラインが消えかかっていたので、整備していただいてきれいになった。出品者の皆さんも喜んでいる」と感謝した。

 両社は山地地区企業会(上野公太郎事務局長)に所属し、同企業会を代表して椋野玲史・発起人が「この施設は補助金をもらっておらず、自助自立で運営している。企業会の中で協力していただきありがたい。心から感謝申し上げます。今後、ますますこの市場が長く続き、高齢者の方々の楽しみにつながれば」と述べた。

 やまじ採れたて市は、2010(平成22)年4月に開設。33のブースに生産者の写真プレートを設置し、顔が見える市場として人気を集めている。今の時季はミカンやマイヤーレモン、ハクサイ、ダイコン、イチゴなどが並び、朝からにぎわいを見せている。

(2020年12月11日付紙面より)

日本土木工業とユウテックに記念品を贈呈=10日、御浜町の無人市場「やまじ採れたて市」
アスファルトの改修工事に取り組む(山地地区企業会提供)
2020年12月11日
65 川村さん、木村さんが優勝
 新宮グラウンドゴルフ同好会  (新宮市 )
2020年12月11日
66 クリスマスなどイメージ  三輪崎公民分館がハーバリウム教室  (新宮市 )
2020年12月11日
67 いま一度ガイドライン徹底を  会館や集会所に呼び掛け  (新宮市 )
2020年12月11日
68 成績優秀者を表彰 全国そろばんコンクール (新宮商工会議所)
2020年12月11日
69 高校再編や事業者支援など  新宮市議会一般質問②  
2020年12月11日
70 文化に触れて参加して  広報キャラバン隊がPR  (新宮市 )
2020年12月11日
71 釣り客の安全・防犯意識促す  串本海保と串本警察が合同で  (串本町 )
2020年12月11日
72 作家15人が集い5日間実施  南紀クラフトフェア始まる  (串本町 )
2020年12月11日
73 家族らの応援受けて挑戦  西向小が持久走大会実施  (串本町 )
2020年12月11日
74 ウサギの人形と置物作る  寺子屋分校「楽しい手芸教室」  (紀宝町 )
2020年12月11日
75 マジックショー楽しむ  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2020年12月11日
76 差別のない社会をつくろう  人権週間に合わせ街頭啓発  (紀宝町 )
2020年12月11日
77 暖かい冬を過ごして  婦人団体連絡協が寿楽荘に寄贈  (新宮市 )
2020年12月09日
78 協力呼び掛け市内回る
 歳末助け合い托鉢  (新宮仏教会 )

 新宮仏教会(会長・後藤太道清閑院住職、11寺)は8日、新宮市大橋通の淨泉寺で成道会(じょうどうえ)の法要と「歳末助け合い托鉢(たくはつ)」を実施した。同会加盟寺院の僧侶13人が網代笠姿で市内を回った。

 成道会は釈迦(しゃか)が菩提樹(ぼだいじゅ)の下で悟りを開いたとされている12月8日を記念して行う法会。2月15日の涅槃会(ねはんえ)や4月8日の降誕会(こうたんえ=花まつり)と並んで三大法会の一つとなっている。托鉢は1922(大正11)年ごろから行われている。集まった寄金は市福祉協議会に寄付された。

 法要を営んだ後、僧侶たちは同寺を出発。国道42号沿いやJR新宮駅前、仲之町商店街などを回り、ずだ袋を掛けて「恵まれない子どもたちに温かなお正月を」と呼び掛ける声に、市民らは「ご苦労様です」と応えながら浄財を入れていった。

 後藤住職は「多くの方たちの温かい気持ちに大変感謝しています。人々は助け合いなどの思いでつながっていると感じています。今後も継続し、微力ではあるが役に立てれば」と話していた。

 新宮仏教会加盟寺院は▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺。

(2020年12月9日付紙面より)

市内を回り協力を呼び掛ける僧侶たち=8日、新宮市大橋通
歳末助け合い托鉢に参加した新宮仏教会の皆さん
2020年12月09日
79 U・Iターン者が魅力発掘
 ローカル情報発信Lab  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町で6日、「ローカル情報発信Lab.in和歌山2020」が開かれた。白浜町や上富田町、田辺市など県内在住のU・Iターン者14人が町内をフィールドワークし、各自の会員制交流サイト(SNS)に「魅力発信レポート(ハツレポ)」を投稿した。

 同Labは和歌山県移住定住推進課主催。「わかやま暮らしって最高だよね」という気持ちを持つU・Iターン者に地域の魅力を取材・発信するスキルを身に付けてもらい、若者の移住・定住につなげる狙いがある。

 東京を拠点にローカルの隠れた魅力を発掘発信する合同会社イーストタイムズの中野宏一代表が講師を務め、基本的な記事作成のノウハウを教えた他、県内6エリアを歩いて魅力を発掘した。

 この日は駅周辺のいざかた通りや漁港を散策し、オンライン宿泊で話題を集めているゲストハウス「WhyKumano」の後呂孝哉さん、今年3月にIターンで料理店「エルカミーノデルポエタ」をオープンした佐藤由明さん、さゆりさん夫妻にインタビューをした。はえ縄漁に使われていた瓶玉のツリーやマグロの無人販売を物珍しげに写真に収める姿も見られた。

 今年3月に白浜町へ移住した原田晃さん、織枝さん夫妻は「以前那智勝浦町に来たときは、ホテルや那智の滝などの『観光地』だけ見て満足しており、全然町歩きをしていなかった」と振り返り、「駅を下りたらすぐに土産屋や飲食店があり、散策できるスポットがたくさんあるのが魅力的だ」と語った。

 講師の中野代表は「とてもエネルギーのある町。地元の人がSNSに投稿した情報が直接誰かに届くソーシャルメディアの時代には、辺境にある地域こそチャンス」と話していた。

 参加者のハツレポは、イーストタイムズのニュースサイト「ローカリティ!」の他、フェイスブックの同Labのページでも読むことができる。

(2020年12月9日付紙面より)

いざかた通りを散策=6日、那智勝浦町
インタビューに答える「WhyKumano」の後呂孝哉さん(右)
2020年12月09日
80 エ号追悼式典動画を配信
 町の公式HPでも視聴可  (串本町 )

 串本町が4日、動画「日本トルコ友好130周年事業エルトゥールル号(以下エ号とする)追悼式典」の配信を始めた。同町公式ホームページ(HP)のお知らせ欄にリンクを貼るなどして視聴できるようにしている。

 この式典は9月16日、同町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で実施。コロナ禍の情勢を考慮し、現地参列を最小限に抑え、彬子女王殿下や駐日トルコ共和国大使館はインターネット経由でオンライン参列する形で営み、一般など参列できなかった人向けに動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」内でライブ中継もした。

 その内容を編集したのが、今回配信を始めた動画。▽エ号遭難救助の解説(約6分30秒)▽町長メッセージ(約1分40秒)▽式典の概要(約1時間5分)―で構成され、日本語版とトルコ語版の2種類がある。

 配信元はYouTubeの串本町総務課チャンネルで、課名でサイト内検索するとチャンネルや配信している動画が見つかる。利便を図るため、同町公式HPからも視聴できるようにしている。

 視聴は無料だが1時間超の動画となるため、スマートフォンやタブレットなどの通信端末で視聴する場合はWi―Fi(ワイファイ)環境の利用が望ましい。問い合わせは同課(電話0735・62・0555)まで。

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周年にちなむ楽曲演奏も 海自佐世保音楽隊の配信



 同町は動画配信開始のお知らせと合わせて、10日(木)午後7時からライブ配信される海上自衛隊佐世保音楽隊クリスマスコンサートも公式HPで告知している。

 日本トルコ友好130周年にちなんだ楽曲の演奏や串本とトルコの関係の紹介を内容の一部に含んでいて、佐世保地方総監部によると全体で約2時間(中休憩20分を含む)となるプログラムの第1部後半(午後7時28分ごろから9分程度)でこれら演奏や紹介を盛り込んでいるという。

 配信元は海上自衛隊YouTubeチャンネルで、同課のようにサイト内検索すると見つかる。視聴無料だが、スマートフォンやタブレットなどの通信端末で視聴する場合はWi―Fi環境の利用が望ましい。

(2020年12月9日付紙面より)

配信を始めた動画のサムネイル画像(串本町総務課提供)
2020年12月09日
81 対策取って10カ月ぶりに開催
 道の駅「たいじ」で朝市  (太地町 )

 太地町森浦の道の駅「たいじ」(〆谷(しめたに)和豊駅長)で6日、10カ月ぶりとなる朝市が開催された。「やつらが道の駅たいじの朝市に帰ってくるぅ~!」と銘打ち、12店舗が並び、多くの来場者が地元の海産物や鯨加工品などの買い物を楽しんだ。

 同駅含め、出店者らはマスクやフェースシールドを着用し、アルコール消毒やソーシャルディスタンスなど、新型コロナウイルス感染対策をじゅうぶんに取った上で朝市の運営を行った。

 また、この日は町民や町、南紀くろしお商工会などで組織される太地町特産品開発研究会(小出勝彦会長)が鯨肉の串焼きを試食として提供。試食後に感想などのアンケートを取った。

 同会は鯨の食文化を後世に残し、発信するために鯨料理のレシピを収集し、レシピ本を作成するという。完成後は町民に無料配布する予定。来場者はユズが入ったみそに漬け込んだ鯨肉の串焼きに「おいしい」「やわらかい」と舌鼓を打った。

 〆谷駅長は「朝市が開催できてありがたい。ないとさみしい。今後はコロナと共存する形になると思うので、そのたびに状況を見ながら実施していきたい」と話した。

(2020年12月9日付紙面より)

にぎわった10カ月ぶりの朝市=6日、道の駅「たいじ」
2020年12月09日
82 神倉少年野球クラブがV
 県軟連東牟婁支部学童部新人大会  
2020年12月09日
83 中辺路ジュニアが優勝
 地元勢は串本が2位  (熊野三山小学生バレーフェスタ )
2020年12月09日
84 労働災害防止を図る  フルハーネス型の特別教育  (那智勝浦町 )
2020年12月09日
85 需要増を前に技術学ぶ  岩見悠紀子さん招き講習会  (県美容業生活衛生同業組合新宮支部 )
2020年12月09日
86 「警察官ってすごい仕事」  神倉小3年が社会科見学  (新宮市 )
2020年12月09日
87 感染症予防しつつ再開へ  ふれ愛カフェ・よりみち  (古座川町 )
2020年12月09日
88 入賞作品を色紙で発表  本年度人権標語展示中  (古座川町 )
2020年12月09日
89 当局15案件を上程して審議  古座川町議会第4回定例会始まる  
2020年12月09日
90 小中学生7人が書評に挑戦  ビブリオバトル町大会  (古座川町教委 )
2020年12月09日
91 地域の清掃活動に取り組む  学校環境デーの一環として  (相野谷中 )
2020年12月09日
92 連携プレーで命救う  消防本部が救命処置の3人に感謝状  (熊野市 )
2020年12月09日
93 総合優勝は紀宝空手に  南郡・熊野スポ少大会「空手の部」  (紀宝町 )
2020年12月09日
94 「全国最優秀」の栄冠つかむ  合奏コンクール「金賞」を報告  (矢渕中吹奏楽部 )
2020年12月03日
95 ウオータージェット船休止へ
 異常気象増加やコロナ拡大に伴い  (熊野観光開発 )

 熊野観光開発株式会社(奥村夏男社長、新宮市熊野川町)は1日、紀伊半島の熊野川と支流の北山川で運航する瀞峡ウオータージェット船の事業を、来年1月1日から休止すると発表した。同社は「存続に向けて全社一丸で努力してきた。誠に遺憾」としている。

 同社は1943(昭和18)年に観光プロペラ船事業を開始。65(昭和40)年に和歌山、三重、奈良3県の境を流れる北山川にある「瀞八丁」を船上から見学する瀞峡ウオータージェット船を開始した。時速40㌔で水上を軽快に疾走し、瀞峡の断崖奇岩の絶景を楽しむことができる観光客に人気のアクティビティーで、2006(平成18)年には1年間で約10万人が乗船した。

 しかし、11(平成23)年の紀伊半島大水害以降、川に流入する土砂が増加して航路整備が困難になり、運休期間が増えていた。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で4月から運休に。7月からの再開を目指していたが天候の影響による航路悪化などが原因で運休が続いていた。

 同社では作業や運営方法の見直しを行い、事業存続に向けて取り組んでいたが、作業員の高齢化やコロナの影響による乗客の減少などの理由から休止の決定に至ったという。

 同社の塩﨑陽・船舶事業部長兼総務部長は「近年の異常気象や作業員の高齢化などに伴い、このたびの苦渋の決断に至った。本当に残念。長きにわたり、地域、行政、旅行会社の皆さまに支えていただき感謝しています」と話している。

(2020年12月3日付紙面より)

来年1月からの休止が決定したウオータージェット船(写真はイメージ)
2020年12月03日
96 冬を彩るイルミネーション
 「光の祭典in紀宝」始まる  

 紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館前広場で始まった。開催期間は来年1月5日(火)までで、点灯時間は午後6時から10時まで。12月31日(木)と1月1日(金)はオールナイト点灯する。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、密になりやすいドームや迷路、光のトンネルを取りやめたが、クリスマスコーナーなどを新たに設置した。

 かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリーなどが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーを見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。

 町ににぎわいを創出しようと、光の祭典in紀宝実行委員会(西村喜久男会長)が毎年点灯。西村会長は「密を避けるため、オブジェの間隔を空けるなど工夫した。祭典を開催することで来年に向けて希望と元気を届けたい。来場の際はマスク着用を」と話していた。

 なお、イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」は中止となった。

(2020年12月3日付紙面より)

イルミネーションで彩った会場=1日、紀宝町大里のふるさと資料館前広場
2020年12月03日
97 熊野川の課題解決に向け
 11回目の懇談会開催  (国交省近畿地方整備局 )

 国土交通省近畿地方整備局は1日、新宮市役所別館で「第11回熊野川懇談会」を開いた。学識経験者や地元関係者ら約30人が参加。過去の懇談会概要説明や意見交換などが行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から一部の委員・河川管理者はウェブでの参加となった。

 同懇談会は、新宮川水系直轄管理区間(猿谷ダム周辺、熊野川河口周辺)の河川整備計画を策定するに当たり、学識経験者から意見を聞くため2004(平成16)年10月に設置。熊野川らしさや、あるべき姿を踏まえつつ、「熊野川河川整備計画」の原案について意見を述べるとともに、関係住民の意見の聴取や反映方法について提言し、河川整備計画の策定に寄与する目的がある。

 河川整備計画は、今後20~30年間の具体的な河川整備の内容を示したもの。長期的な河川整備の基本となるべき方針を示したものが「河川整備基本方針」となる。河川整備計画については、1997(平成9)年に地域の意向を反映する手続きが法改正により導入された。

 2004(平成16)年の第1回から09(平成21)年の第9回の懇談会では、熊野川の治水などについて議論が行われ、最終的に「明日の熊野川整備のあり方」を取りまとめ公表。11(平成23)年の紀伊半島大水害により甚大な浸水被害が発生したことから河川整備基本方針を見直す必要が生じたため、今年7月13日、約10年ぶりに第10回懇談会を開催した。

 第11回の開催に当たり、委員長の藤田正治・京都大学防災研究所教授が「『明日の熊野川整備のあり方』を取りまとめてから10年が経ち、熊野川を取り巻く状況は変わってきている。今日の会議を機により良い熊野川になるように意見を整備していきたい」とあいさつ。事務局が前回までの懇談会の議論内容を振り返るとともに、今年9月15日から10月7日までに実施された現地視察会の概要を報告した。

 現地視察会では参加委員から▽内水対策として何をしているのか(市田川排水機場)▽掘削した土砂はどこに使うのか(北桧杖)▽事前放流はどのように行っているのか(池原ダム)―などの質問があったとし、事務局は「現在、国では市田川排水機場のポンプ増強工事を行っている」「砂利採取業者に引き取ってもらったり紀宝町や新宮市への避難地盛土などに活用している」「台風情報と降雨予測に基づきおおむね2、3日前に事前放流を開始している。基本的に発電放流で水位低下を図るが、間に合わない場合はゲート放流も実施する(電源開発㈱)」などと回答した旨を報告した。

 意見交換では委員から「利水ダムの治水運用の法的根拠を明確にしておく必要があるのではないか」「直轄区間と県の管理区間の整合性をどうやって取っていくのかも課題」「新型コロナの影響でインバウンドが減少する中、今後の熊野川流域における地域振興や観光のあり方を考えていくことも必要」「河道掘削の影響が環境に影響をおよぼしている」などの意見が上がった。

(2020年12月3日付紙面より)

熊野川懇談会の会議の様子=1日、新宮市役所別館
2020年12月03日
98 物資を配って意識を促す
 冬の交通安全運動始まる  (串本町 )

 わかやま冬の交通安全運動が1日から始まった。串本警察署管内ではこの日、串本町くじ野川にある橋杭海水浴場駐車場で街頭啓発があり、ドライバーに物資を配って安全運転や交通マナーの順守などを求めた。

 春と秋に全国規模で展開される交通安全運動に加え、独自に夏と冬の同運動を展開する和歌山県。県、交通事故をなくする県民運動推進協議会は1日から10日(木)までの10日間を運動期間とし、▽飲酒運転の根絶▽歩行者の安全と自転車の安全利用の確保▽高齢運転者等の安全運転の励行―の3点で意識を高める成果を目指している。

 同協議会串本地区連合会は3点に加え、日没が早い時期の反射材活用や横断歩道における歩行者優先も促す啓発物資を準備。同連合会事務局の東牟婁振興局串本建設部と同町の各職員、県交通安全協会串本支部や同町の交通指導員会と交通安全母の会の各会員、同署交通課の課員、計13人が啓発員となり、課員が国道42号を南進する大型車以外の車両の多くを同駐車場へ誘導して停車を求め、他の啓発員が手分けして物資を手渡し、交通安全意識を促した。

 期間中は管内3町の株式会社オークワ各店舗前でも啓発を実施する計画。同署の楠間慎也交通課長は11月に飲酒関係の事故が管内で相次いだことを受け、11月に引き続いて12月も取り締まりに努めて飲酒運転をしない状況を目指すとし「何より安易に飲酒運転をしないこと、そして横断歩道における歩行者優先も含めて交通マナーを守ることを求めていきたい」と思いを語った。

(2020年12月3日付紙面より)

物資を手渡しながら安全運転を呼び掛ける啓発員=1日、串本町くじ野川
2020年12月03日
99 飯田・藪組らが優勝
 古座町体バド競技を懐かしむ会  
2020年12月03日
100 横断歩道は歩行者優先  年末の交通安全県民運動  
2020年12月03日
101 新紀宝工場の完成祝う  井内工業団地で竣工式  (紀宝町 )
2020年12月03日
102 ミカンの苗木を学校畑に  今後は成長する様子を観察  (井田小 )
2020年12月03日
103 「心も体も大事にしてね」  神倉小で「命の授業」  (新宮市 )
2020年12月03日
104 晩秋の山でサクラと紅葉のコラボ  新宮市熊野川町  
2020年12月03日
105 夜の楼門幻想的に  徐福公園がライトアップ  (新宮市 )
2020年12月03日
106 人々の心の和みに  「はなはなきっさこ」がイルミ設置  (新宮市 )
2020年12月03日
107 ありがとう、また来てね  1年2カ月ぶりに「にっぽん丸」  (新宮市 )
2020年12月03日
108 フォトコン入賞作品を採用  2021年度版カレンダー  (古座川町観光協会 )
2020年12月03日
109 古座川町観光協会フォトコンテスト  令和2年度の入賞作品を紹介②  
2020年12月03日
110 飲酒運転の根絶訴え  「JAみくまの」がのぼり旗作成  (新宮署 )
2020年12月03日
111 お悔やみ情報
  
2020年12月02日
112 迎春に向け準備進む
 拝殿に来年の大絵馬掲揚  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で1日から迎春準備が始まった。拝殿の外に、来年のえと「辛丑(かのとうし)」の大絵馬が掲げられた。来年1月末ごろに拝殿内部に掛け替えを行う。

 大絵馬はヒノキ製で、縦1・5㍍、横2・1㍍。アクリル絵の具などを使用し、瑞光を背景に梛(なぎ)の御幣を立てた雄牛を描いた。「信じた道を歩み、希望を忘れずにいると神様がきっと道を照らしてくれる」と思いを込め、「神威照道(しんいしょうとう)」の文字が添えられている。

 例年は拝殿の内部に掲揚する大絵馬。今年は新年の参拝時の密を避けるため、初めて外に掲げた。同大社では新年、参拝所の石段手前にさい銭箱を配置し、要所要所に消毒液を設置するなどして参拝者の新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を講じる予定としている。

 上野宮司は「人は迷い、時として勇気を忘れる。新型コロナの影響で今年は多くの人がそれを経験したと思う。しかし、信じた道を一生懸命に歩いていくと神威は力強く道を照らしてくれるのでは」と掲げられた絵馬を見上げて話す。

 「こういう時だからこそ、いろんな思いを胸に参拝においでになる人がいらっしゃる。神社としてはその気持ちを受け止めたい。密を避け、スムーズに参拝いただけるように努めたい」と初詣参拝者に対する思いを語った。

(2020年12月2日付紙面より)

拝殿で大絵馬が掲揚された=1日、新宮市の熊野速玉大社
2020年12月02日
113 コロナ対策でシミュレーション 分散型参拝を呼び掛け (熊野本宮よみがえり委員会)

 新型コロナウイルス感染流行下での初詣客の受け入れ対策を進めている熊野本宮大社と本宮町商工会、熊野本宮観光協会で組織する「熊野本宮よみがえり委員会」(会長・名渕敬熊野本宮観光協会長)は11月30日、同大社や旧社地「大斎原(おおゆのはら)」分散型の参拝についてシミュレーションを行った。同委員会や工事事業者などを含め約50人が実際に現場を歩き、対策や動線を確認した。

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■大社での対策



 この日は瑞宝殿で4回目の会議を開き、年末年始の態勢などを再確認し、シミュレーションを実施した。

 大社での対策として、▽158段の石段中央に仕切りを設け、上り下りで一方通行にする▽参道沿いに2㍍の間隔を空けた手水設置▽階段上の地面には参拝客同士の距離を保つため1・5㍍間隔でテープで印を付ける▽祈とうや縁起物の授与は大斎原で行う▽通常のさい銭箱の代用に本殿前には幅54㍍、奥行き3・6㍍、高さ1・1㍍の足場用鉄筋にテント生地を張ったさい銭箱を設置▽さい銭のスペースが広いため、1回36人が横1列となり、参拝できる。それによって従来は4回参拝していたところが1回となる▽参拝後は設置されたスロープから社務所側に抜け、下り階段へ誘導する―など。

 委員からはスロープの段差を緩和するべきではなどの意見も挙がった。

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■大斎原では



 一行は大斎原へ移動。神職からは「大社と大斎原を合わせ、総合受付3、祈とう受付1、授与所が3、祈とう所1、祈とう控え所2の計10張りのテントを設置する」「縁起物の授与や金銭の受け渡しは直接手で行わず、全てトレーを使用する」「職員はビニール手袋やマスク、フェイスシールドも着用」などの対策をすると説明。対策の進捗具合は8割だと報告した。

 また、授与所のテントは大型なため、二つに区切り、計6カ所として対応するとした。

 なお、町商工会も地元大工による特設の絵馬掛けが完成したことやまちなかを巡る動線について説明した。

 名渕会長は「協議をした結果は年末年始に試されることになる。お越しいただいた方に安心安全な観光地をアピールできるように努めていきたい」。

 九鬼家隆宮司は「今日は一体感が深まったと思う。取り組みや対策で皆さまに安心してお参りいただけるように、万全を期して準備を進めていきたい」と話した。

 10日(木)は午後6時より夜間のシミュレーションを実施するという。

(2020年12月2日付紙面より)

新年に向けさまざまな対策に取り組む=11月30日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
巨大なさい銭箱
2020年12月02日
114 体制の万全や意識を促す
 金融機関対象に防犯診断  (串本警察署 )

 県警察本部の年末年始特別警戒が1日から始まった。串本警察署(﨑口忠署長)はその一環で、管内の各金融機関を対象にした防犯診断などに着手。その姿勢で管内の意識を高めることにより、犯罪抑止を目指している。

 この警戒は12月1日から翌年1月10日までを期間として毎年実施。同署は人、金、物が大きく動く時期を狙った強盗や特殊詐欺などの犯罪を未然に防ぐ目的で、生活安全刑事課(榎政雄課長)を軸に同診断後も巡回を密に重ねて取り組むとしている。

 串本町の指定金融機関となっている紀陽銀行串本支店(坂本充寿支店長)へは1日、﨑口署長と榎課長ら課員3人が訪問。過去の事例を踏まえて考えたチェックリストに沿って日頃の防犯体制に隙がないかを確かめるなどし、体制の万全や意識の高まりを促した。

 管内には33の金融機関店舗があり、課員は期間中に手分けして訪問し同診断や巡回などを重ねる。そのように姿を見せることで各金融機関はもとより、利用する住民の意識も喚起する。

 榎課長は「年末で人の動きも慌ただしくなる中、最近は少ないが強盗やひったくりといった犯罪は今も懸念されるところ。これらを未然に防いで皆さんが気持ちよく新年を迎えられるよう頑張りたい」と今季に懸ける思いをコメント。

 特殊詐欺関係では、「多額の引き落としなどをされるご高齢の方が来たら警察へ連絡するよう、銀行さんにもお願いしている。そのようにいっそうの協力をして被害の防止に努めたい」と話した。

(2020年12月2日付紙面より)

防犯診断で体制の万全や意識を促す榎政雄課長(中央)ら=1日、紀陽銀行串本支店
2020年12月02日
115 校内支援体制充実に向け
 久安教頭が「読売教育賞」受賞  (城南中 )

 意欲的な研究や実践を行い、優れた業績を上げている教育者や教育団体をたたえる読売新聞社の「第69回読売教育賞」がこのほど決定し、新宮市立城南中学校(中田善夫校長)の久安孝典教頭(42)が優秀賞を受賞した。

 読売教育賞は、同社が教育の発展の一助にと1952(昭和27)年に創設。教科別に部門を設けて現場で指導する人々の励みとし、多様で創造性に富む教育環境づくりを進めることを目的としており、毎年全国の教育関係者などを対象に募集している。

 今年は153件の応募があった。最優秀賞は9件、優秀賞には21件が選ばれ、久安教頭の実践論文「特別支援教育コーディネーターを中心とした『校内支援体制』の構築について」は特別支援教育部門での受賞となり、記念盾が同校に贈られた。

 受賞について久安教頭は大変うれしく、光栄なことと語り「募集要項が届いた際に一度、原点に立ち戻ってこれまで取り組んできたことを見直してみようと論文を作成しました。今後も体制の充実に向けて、当地方の特別支援教育推進に少しでも寄与できれば」と話していた。

(2020年12月2日付紙面より)

読売教育賞で優秀賞を受賞した久安孝典教頭=11月30日、新宮市立城南中学校
2020年12月02日
116 串本JFCが制す
 マクドナルドカップ2020  
2020年12月02日
117 来年3月14日まで延長  BLUE BEACH NACHI  (那智勝浦町 )
2020年12月02日
118 弁護士委任料などを可決  12月定例会で審議  (新宮市議会 )
2020年12月02日
119 交流図り、楽しくアレンジ  プリザーブドフラワー教室に10人  (新宮市 )
2020年12月02日
120 犬の気持ちや接し方学ぶ  三輪崎小で「わうくらす」  (新宮市 )
2020年12月02日
121 あつあつの郷土食味わう  熊野川中とチームくまのがわ  (新宮市 )
2020年12月02日
122 手縫いの力作が多数展示  布あそびの会が喫茶きよもんで  (那智勝浦町 )
2020年12月02日
123 町民ら撮影するなど注目  練習帆船「日本丸」仮泊  (串本町 )
2020年12月02日
124 子どもとの関わり方教わる  教委主催の子育て支援講座  (串本町 )
2020年12月02日
125 2次販売を実施中  紀の宝プレミアム商品券  (紀宝町 )
2020年12月02日
126 筏師の道で保全活動  守る会のメンバー6人が  
2020年12月02日
127 紀宝GGの女性3人国体へ  グラウンド・ゴルフ競技  (三重とこわか国体 )
2020年12月02日
128 自分の気持ちを大切に  矢渕中で人権講演会  (紀宝町 )
2020年12月02日
129 お悔やみ情報