診療所医師が奮闘 (北山村、7月に「お祭り」開催へ )
北山村にある唯一の医療機関「国保北山村診療所」の医師、内川宗大(むねひろ)さん(36)が「医療が溶け込んだお祭り」のようなイベントを企画し、7月の開催に向けて動いている。「地域医療っておもしろい」。それを体現しようと飛び地の村で奮闘している。
和歌山市出身の内川さんは自治医科大学を卒業し、医師として8年目となる2020年4月に村診療所に赴任した。医師不足解消のため設立された自治医大では、卒業後の一定期間を地域医療に従事させる仕組みがある。最後の2年間を村で勤務し、日赤和歌山医療センターに移ったが、「誰かがどこかで親身になっていれば重症化は防げるんじゃないか。もう一度、北山村で地域医療を実践したい」と感じ、23年4月に村へ戻った。
「その地域を好きになること」。地域医療に向き合う自分なりの姿勢もできた。「人材不足を根底とする問題が深刻化している。医師として育ててくれた地域に何か残し、貢献したい。『地域医療×おもしろい』を体現し、地域を支える医療福祉人材の確保につなげたい」と見据える。
イベント名は「わっしょ医‼北山村」で、7月6日(土)におくとろ公園で開催予定。「わくわくするお祭りに医療が溶け込んで、気付かない間にみんなの懐に入り込めたら」と思いを込めた。
インスタグラムには診療所アカウントとは別に専用のアカウントを開設。「分からないなりに一生懸命やってる」と悪戦苦闘しつつ、飾らない文面で発信している。
開催資金の足しにしようと投資家に出資を依頼するユーチューブの「令和の虎」にも出演。「虎」と呼ばれる投資家たちの厳しい意見を浴びながらも真っすぐな思いをぶつけ、希望の金額を得た。
飲食店の出店やステージイベントなどの盛り上がり要素を充実させつつ、医療体験ブースは縁のある医療介護福祉従事者に協力を求めながら準備を進めている。実行委員会が主催し、村、株式会社じゃばらいず北山が共催する。
内川さんは「医療に関心がある、ないにかかわらず、まずはイベントを楽しみに来てほしい。これを入り口として村や地域医療に関心を持ってもらえれば、つないでいく仕組みも考えている」と話していた。
(2024年3月31日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240331010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240331010102.jpg)
こども家庭センターに (新宮市 )
児童福祉法の一部改正により、市町村は児童福祉と母子保健の連携を図り、妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う「こども家庭センター」の設置に努めることが、2024度からの努力義務となった。新宮市はこれを受け、市保健センターの名称を4月1日(月)から「新宮市こども家庭センター」に名称変更し、より充実した支援体制の構築を目指す。
保健センターは子育て世代包括支援センターが母子保健の、子ども家庭総合支援拠点が児童福祉の相談窓口となっていた。新たなこども家庭センターでは、子どもや子育て世帯の課題に一体的に対応する総合窓口となる。「どなたでもお気軽にご相談ください」と呼びかけている。
開設時間は、祝日や年末年始を除く月曜日から金曜日の、午前8時30分から午後5時15分。問い合わせは、子ども家庭センター内の子育て推進課(電話0735・23・3344)。
なお、センター内には四つの係がある。▽妊娠、出産、乳幼児期の健康や発達に関することは「母子保健係」(電話0735・23・4511)▽未就園の子どもたちと保護者のための居場所の提供は「子育てひろば『つぼみ』」(電話0735・29・7246)▽子育ての問題に関することは「子育て支援係〈家庭児童相談室〉」(電話0735・23・3740)▽各種手当・助成や保育所に関することは「子ども未来係」(電話0735・23・3344)―まで。
(2024年3月31日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240331090101.jpg)
看護師の東一代さん講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町福祉健康センターで28日、4年ぶりの町主催の健康講演会「緩和ケアって何?~がん患者の痛みや不安に寄り添うケア~」があった。町立温泉病院・訪問看護ステーションちょうりつの緩和ケア認定看護師・東一代さんが講話し、約30人が、がん患者の苦痛を和らげるケアの世界に触れた。
東さんは緩和ケアについて「がんなどの重い病を抱える患者やその家族一人一人の、身体や心のさまざまなつらさを和らげ、より豊かな人生を送ることができるよう支えるケア」と紹介。
中世ヨーロッパで旅の巡礼者らの安息場所(ホスピス)から始まり、近代以後はハンセン病や結核、がん、エイズなど治療困難な末期患者を対象とするようになったと歴史を紹介。現代では医療の進歩でさまざまな病が治療できるようになった一方、「治療が長期化し、死が迫った時期だけでなく、治療中もよりよい生活を送れるよう支援することが必要になった」と述べた。
近代ホスピス運動の母と呼ばれるシシリー・ソンダースが提唱した「全人的苦痛」の概念に言及。がん患者は▽身体的苦痛(がんや治療によって感じる痛み)▽精神的苦痛(恐怖や怒りの感情)▽社会的苦痛(社会との隔たりから感じるつらさ)▽スピリチュアルペイン(痛みを運命として捉えてしまうつらさ)―が複合したつらさに直面しているとし「薬で痛みを取ることで、不安も減り、社会復帰もできるなど、良くも悪くもそれぞれの苦痛が影響し合っている」と述べた。
医師や家族と共に釣り好きの患者の外出を支援したエピソードから「病気ではなく『つらさ』『困っていること』に焦点を当て、その人らしさを支えることが緩和ケアの本質。現代では慢性心不全や神経難病、認知症にも広がっている」と語った。
役場福祉課から、那智勝浦町のがん検診の現状についての講話もあった。町内では2017~21年の全死亡者1337人中356人ががんで亡くなっている。町が実施する検診のうち、乳がん・子宮頸(けい)がんで受診率が低く、肺がん・大腸がんは要精密検査となった後の未受診率が高いとし「75歳以下の方には5月下旬に受診券を送付するので、必ず受診を」と呼びかけた。
(2024年3月31日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240331080101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240331080102.jpg)
20周年記念コースターも (那智勝浦町 )
豊かな水資源を全国に広報しようと那智勝浦町が製造を進めていたオリジナルラベルの「那智勝浦町ボトルドウオーター『熊野の水』」が完成し、29日に役場町長室でお披露目があった。
水や水源地、水源涵養(かんよう)林の保全啓発を目的に、那智原始林の水で約4万本を製造。ペットボトルよりもリサイクル率の高いアルミ缶を採用し、賞味期限5年の長期保存水で災害備蓄の側面もある。ラベルは「あらたまデザイン」が手がけた。
「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年のノベルティーとして熊野材を用いたヒノキのコースター1000個も製作。熊野三山、三筋の滝(那智の滝の別称で、三筋に分かれて流れ落ちることから)、那智原始林にある「二の滝」「三の滝」などから着想を得て、3本の木を革ひもで結ったデザインにした。
堀順一郎町長は「世界遺産を構成する町内の熊野那智大社、飛瀧神社、那智山青岸渡寺、補陀洛山寺を巡っていただくツアーなどを那智勝浦観光機構と企画しており、その記念品としたい。将来的には土産物としての販売も検討したい」と話していた。
(2024年3月31日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240331010201.jpg)
駅で苗木を育てて植林 (JR西とソマノベース )
JR西日本和歌山支社とソマノベース(田辺市・奥川季花社長)は、和歌山県内の特急くろしお停車駅で、紀州備長炭の原木であるウバメガシの苗木を育て、熊野古道近隣のエリアに植林する「戻り苗」プロジェクトを始めた。28日は新宮駅などに設置。脱炭素や災害防止などを目指す。
戻り苗は、ドングリから苗木を育て、山に植林する取り組み。ソマノベースはドングリが入った戻り苗キットを、環境問題などに関心のある個人や企業にいったん購入してもらい、2年間育てた後に戻してもらって植林している。土砂災害リスクの軽減も念頭に、場所は放置山林などを選んでいる。同支社は、カーボンニュートラルを目指していることもあり、取り組みに賛同。さらに減少しているウバメガシの保護も考えて樹木を選んだ。
場所は▽和歌山支社▽和歌山駅▽海南駅▽新宮駅▽紀伊勝浦駅▽串本駅▽白浜駅▽紀伊田辺駅▽御坊駅―の9カ所。紀州ヒノキで作られた、24本挿しのラダーシェルフを2台ずつ、合計で18台432本を設置する。各駅では駅員が水やりを行う。2年で30㌢前後になる予定という。新宮駅では、1年育てた苗木とドングリを半数ずつ、駅構内に設置した。
同支社地域共生室の御堂直樹課長(48)は「環境保全、森林づくり、ウバメガシ保護、熊野古道の保全など、いろんなストーリーを持たせた取り組み。駅利用者や地域も一緒に環境問題に向き合い取り組んでほしい。愛着ある木を見つけて2年間、成長を感じてもらえれば」と話した。
ソマノベースの奥川社長(28)は、那智勝浦町天満の出身で、新宮高校の卒業。戻り苗の発想の原点は、紀伊半島大水害の経験だった。「植林で防災につなげたいとの思いがあった。新宮駅は通学で毎日のように利用したし、勝浦も地元。そういう場所に置いてもらえるのはうれしい。これを通して大水害の教訓を思い出したり、経験していない子どもらが大水害を知ってくれることにつながれば」と語った。
(2024年3月30日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240330010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240330010102.jpg)
4~10月の三季運用に向け (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭園地で28日、防砂ネットの撤去作業があった。
南紀串本観光協会(島野利之会長)が4月1日(月)から始める三季運用(4~10月)に向けた準備の一環。この防砂ネットは冬に吹き抜ける風で舞い上がりやすい砂の飛散を抑える目的で設置していて、三季運用のシーズンオフとなる冬場に砂浜へ張っている。
直近では昨年12月に幅1㍍の農業用樹脂ネットを長さ17㍍で切り出したもの20枚を、マツの防風林が途切れて砂が国道一帯まで飛散しやすいビーチハウスラパン前の砂浜(海水浴場の遊泳区域と面する砂浜)へおおむね波打ち際に垂直方向となるよう約5㍍間隔で設置。この日は同協会の会員や職員と町産業課の職員8人が作業に参加し、半ば埋もれるほどに飛散を食い止めた防砂ネットを砂から引き出し支柱も引き抜いて砂浜を自然の状態へと戻した。
同協会は三季運用中、同ハウスを営業してシーカヤックなど各種マリンアクティビティーのレンタルやツアーの提供(その予約は通年で受け付け中)をし、7~8月に海水浴場を設置して活用を図っている。
来月21日(日)には機運醸成を目的としたイベント「橋杭ビーチオープンフェスタ」を初の試みで朝市企画と連動させた形で開くとし、現在内容を煮詰めている。次の三季運用に向け、島野会長(56)は「先日は少し残念だったがロケットの方もどんどん進んでいるし、打ち上げを心待ちにするたくさんの皆さんが串本へ来られると思う。橋杭ビーチでは4月にオープンフェスタがあり、その先も新たなイベントや既存のイベントをどんどんとやっていきたいと思うので、たくさんの皆さんにお越しいただければ」と思うところを語った。
同ビーチの問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)、各種マリンアクティビティーの予約はビーチハウス・ラパン(電話090・3356・8305)まで。
(2024年3月30日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240330100301.jpg)
民生児童委協が研修会 (新宮市 )
和歌山県社会福祉協議会地域福祉部副部長で、災害ボランティアセンター所長でもある南出考氏による「災害時における民生委員のやるべきこと」の講演が25日、新宮市福祉センターであった。約40人が参加。災害時の行動や備えについて考えた。
新宮市民生委員児童委員協議会(小内潤治会長)の研修会として実施した。南出氏は、自らも支援に出向いた能登半島地震に言及。「家屋倒壊の被害が多数発生している。被災者は、いまだに厳しい避難生活を余儀なくされている。断水の復旧は遅れており、まだまだ水が通っていない状況」などと話した。
被災地の家屋の写真を映し出し「家屋が50㌢以上沈下していた。液状化した地域もたくさんあった。印象的だったのは、門松やしめ縄が飾られたままの家が多かった。誰も悪くないのに日常が一変していた。生活の落差を思うと胸が締め付けられた」と語った。
「生かされた命の尊さ」に言及。「自分自身の役割は何か。被災によりつながりをなくした人もいる。そういう人とつながって励ますために動いている気がする。一人ではできないことを、仲間と協力してできるようにしていくことが役割かと」と力を込めた。
人間関係の構築の重要性も強調した。「被災地に入ると、絆やつながりが大事とよくいわれる。普段つながりを強める取り組みをしているだろうか。孤立や孤独を深めてしまわないように、お互いが気にかけ合い、励まし合い生きていく。災害時も同じ。コミュニケーションを取りつながることが大事」と訴えた。
発災後の関係構築は困難であることを説明。「だからこそ、日頃からつながりを築いておく必要がある。初めましてをできるだけなくしておくのが、備えの一つ。日頃から顔の見える、笑顔の見える関係づくりを」と呼びかけた。
「被災者はよく、防災のことを家族や友人、隣人ともっと話しておけばよかったと言う。災害はいつ起こるか分からない。備えができるうちはまだいい。誰もが防災の担い手。大切なものを守るため、失わないため」と伝えた。
(2024年3月30日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240330090101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240330090102.jpg)
那智勝浦町や串本町など
那智勝浦町や串本町をはじめ県内5カ所に、アニメ「ポケットモンスター」(ポケモン)のキャラクターがデザインされたマンホールのふた「ポケふた」が設置されることになり、そのお披露目式が25日、和歌山県庁であった。各町の名所を背景にした、色鮮やかなデザインが明らかになった。
ポケモンは、ゲームソフトを原作としたテレビアニメ。人気を博し映画化もされ、スマートフォン向け位置情報ゲーム「ポケモンGO」も登場している。そのキャラは森やUFOなどさまざまなものを象徴しており、各町に適したキャラが選ばれてポケふたにデザインされている。
那智勝浦町は那智の滝を背景に森のキャラとなっており、大門坂駐車場に4月中旬から4月下旬に設置を予定。串本町はロケットを背景に星、宇宙生物、磁力のキャラが配され、設置は4月下旬の予定となっている。設置されたポケふたは順次、「ポケモンGO」のゲームマップ上に登場する。
その他の設置場所は、和歌山市、高野町、白浜町。ポケふたは株式会社ポケモンが自治体へ無償で寄贈し、設置や管理は自治体が行う。3月19日現在で33都道府県に333枚が設置され、それぞれが専用デザインとなっている。
(2024年3月30日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240330010201.jpg)
丹鶴ホール活用で意見 (新宮市総合教育会議 )
新宮市総合教育会議が27日、市役所であった。田岡実千年市長と速水盛康教育長、教育委員4人が出席。丹鶴ホールの活用状況や、緑丘中と城南中の統合再編協議の経過について意見を交わした。丹鶴ホールでの興行に際して委員より「子ども席を設けては」との提案もあった。
丹鶴ホールについて事務局より、2023年度の実績が説明された。昨年4月から2月までの文化ホールの利用状況として、稼働率が全日は63・0%、平日が46・2%、土・日・祝日が83・8%だったこと。図書館の入館者数は合計で8万6284人、1日平均は329人だったことなどが明かされた。
ある委員が、有名劇団の公演で子どもの観覧が少なかったことを指摘。「こういうものこそ子どもに見せたい。子ども席の確保などをお願いできたら」と求めた。事務局は「いろいろな調整が必要。事業者とも相談してやっていこうかと思う」と答えた。
別の委員は、以前の市民ホールは音響設備の評判が良くなかったことに言及。「(これまでの興行で)何か指摘はあったか」と問うた。事務局は「音響や照明が悪いなどの指摘を受けたことはない」と応じた。
図書館の利用状況についても、委員より「例年と比べどうか」と確認があった。事務局は、旧図書館は詳細なデータを取っていなかったので、おおよその比較と前置きしつつ「1・5倍程度の入館者数を維持している」と話した。
緑丘中と城南中の統合再編協議についても事務局より、検討委員会が新校名として「新宮中学校」1本を推薦したことなどの説明があった。
委員からは「新校則(の検討)をきちんとしてほしい。部活動も、教師以外の指導者を取り入れている学校もあると聞く。力を入れてほしい」と要望があった。事務局は「校則は教職員や生徒の意見を聞き進めたい。部活動の地域移行は(いろいろな要素が)複雑に絡んでいる。解きほぐしながら進めたい」とした。
田岡市長は「(通学路で)交通量が多くて狭い道路も存在する。生徒の安全確保を」。「統合は成功事例を研究して、より良い取り組みに」などと求めた。
(2024年3月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329010101.jpg)
「くまっこ」で春休みイベント (新宮市熊野川町 )
「子ども広場くまっこ」は27日、新宮市熊野川町能城山本(のきやまもと)の曹洞宗金龍山泉蔵寺で5年ぶりに春休みイベント「棒パンづくり」を開いた。参加した子どもたち20人は、くまっこ指導員に教わりながらパン作りを楽しんだ。
催しは子どもたちの人気企画として毎年行われていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2019年を最後に中止となっていた。
この日は発酵させたホームベーカリー用の食パン生地10斤分を用意。アルミホイルで包んだ竹の棒に巻き付けて火であぶり、約40本を完成させた。子どもたちは「熱いけどおいしい」「初めて食べた」「いい匂い」などと会話をしながら笑顔を見せ、焼きたてを味わった。
初めて参加した塩﨑心結さん(8)は「思っていたより簡単で上手に焼くことができた。もちもちしていて、おいしかった」と話していた。
□ □
「くまっこ」は熊野川町の子どもたちを地域全体でたくましく心豊かに育てようとの思いから、2011年7月に同町保健センター内に開設。放課後の子どもの居場所づくりに取り組んでいる。利用日は平日の放課後から午後5時まで。夏休みなど長期休暇期間は午前8時30分から正午と午後1時から5時まで。
(2024年3月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329080201.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329080202.jpg)
料理と着物の学校2校 (新宮市 )
専修学校各種学校優秀卒業生市長表彰式が27日、新宮市役所であった。田岡実千年市長が、優秀な成績で市内の学校を卒業した3人に、表彰状を手渡した。
千穂の新宮料理学院(西嶋正彦学院長)の田中虎哲さんと、井の沢の萩原きもの総合学院(萩原眞理学院長)の淡中善子さん、坂根昭代さんが表彰を受けた。
田岡市長はあいさつで「学校で習得した技能は、これからの人生で必ず生かされ役立つでしょう。表彰おめでとうございます。これを契機にさらに研さんされ、素晴らしい人生を歩まれることを切望します」と語った。両校の専門教育や技術・技能教育の振興にも感謝を伝えた。
和歌山県専修学校各種学校協会の坂本順一・会長も来賓として祝辞。「おめでとうございます。今後も社会で頑張って、後進の教育に努めていただければ」と呼びかけた。
これらを受けて、相野谷中学校2年生の田中さんが、受賞者を代表して謝辞。「小5から料理を習い始め4年になった。たくさんの料理や調理方法を学ぶことができた。習得した技術や経験を、将来の仕事や生活に役立てていけたら」と話した。
(2024年3月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329080101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329080102.jpg)
古座川町相瀬、一枚岩一帯のソメイヨシノが町内で先駆けて咲き進んでいる。今年は木によってばらつきがあり、全体として三分~満開と幅がある状況。27日はほぼ雲がない好天に恵まれ、スマートフォンなどで咲き進む花を撮影する人々の姿も目立った。
クマノザクラやヤマザクラとともに町内では数多いソメイヨシノ。日本さくら名所100選の七川ダム湖畔や蔵土多目的広場、一枚岩一帯は主だった花見の名所として町内外に知られていて、中でも一枚岩一帯は他の場所に先駆けて咲き進む傾向にある。
比較的咲き進んでいるのが河川敷へ下る道周辺のソメイヨシノで、今年は観光協会のイベント「古座川ライトアップウイークエンド」が23、24日の2日間にわたってこの場所で行われ、その時点では三~五分咲きだった。一枚岩Monolithは「16日ごろからちらほらと花が見られるようになり、10日ほどで今の状態。今後の雨次第だけれど、この週末が一番の見頃になりそう」と予想し、咲き進みが遅れているソメイヨシノがその次の週末まで咲き続けることを期待している。道の駅一枚岩や古座川の対岸にあるどんどろの森へ出入りする道沿いにもソメイヨシノの並木があるが、これらが後を追うように咲き進んでいる状況だ。
桜まつり実行委員会のイベント「桜フェア」実施中の七川ダム湖畔も木によって差があるが、事務局の町地域振興課によると27日現在でまだちらほら咲きだそう。咲き進むときは一気に咲き進むが、期間の中盤と終盤の週末はともに花を楽しめそうだと期待している。このイベントに特定の期日の催事はないが、事前登録した7店舗が花盛りに合わせて桜の広場周囲に出店する予定。
(2024年3月29日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329060301.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240329060302.jpg)
初めての空手見学会 (和道流新宮道場松本塾 )
那智勝浦町立市野々小学校(中地直樹校長)を舞台に和歌山工業高等専門学校(御坊市)が行ったアイデア検証「ロボット先生をプログラミングで動かして学ぶ防災学習」が、2月29日に茨城県で開催された第2回高専防災減災コンテストで文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した。3月13日には、研究を指導した和高専の辻原治教授が学生からのビデオメッセージを市野々小へ届け、感謝を伝えた。
和高専は和歌山県土砂災害啓発センター(那智勝浦町)と共に、デジタル技術を活用した防災教育コンテンツを開発。2022年に同じく市野々小で実施した「防災学習砂場の開発」も、第1回コンテストで最優秀賞を受賞しており、2連覇の快挙となる。
今回のアイデア検証は、小学校でのプログラミングの必修化も踏まえ、ゲーム感覚で楽しみながら防災を学べるツールとして、谷口晃祥さん(環境都市工学科5年生)と片嶋将人さん(専攻科エコシステム工学専攻2年生)が企画した。
昨年12月の検証には、市野々小の5、6年生10人が協力。床に置いた36のマス目(各50㌢四方)のフィールドに川や橋、土砂災害(地滑り、土石流、崖崩れ)による障害物を配置し、安全なルートをパソコンに入力してロボットを避難させた。
学生2人からは「前もって災害発生をイメージし、避難の仕方をプログラミングのように順序立てて考えておくことを教える教材として評価していただいた。皆さんのおかげ。将来はぜひ高専に!」とのビデオメッセージがあり、辻原教授は「4月から社会人になる2人には、この経験を生かしてほしい」と語った。
市野々小の中地校長は「13年前の紀伊半島大水害で被災して以後、防災学習を続けている。楽しみながら自然に防災を学び、新しい考え方に触れられる機会をくださり、子どもたちも幸せだと思う」。土砂災害啓発センターの稲田健二所長は「和高専との共同研究は4年目で、全国的にも高い評価を得ている。今後は他の学校にも横展開できるよう努めていきたい」とコメントを寄せた。
(2024年3月15日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240315010101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240315010102.jpg)
動画づくりワークショップ (新宮市 )
丹鶴ホールプロモーションチーム「ICOLE(いこれ)」による「動画づくりワークショップ」が10日、新宮市の丹鶴ホールであった。高校生4人が参加し、丹鶴ホールのショートプロモーションムービー作りに挑戦した。
講師は、新宮市や那智勝浦町観光プロモーションムービー制作やデザインなどを手がける、同市仲之町のふくもとデザイン事務所の福本友樹さんが務めた。
2月10日に続く2回目。前回は、福本さんがカメラのセンサーサイズや動画のサイズ、カメラの動かし方などを教えた。参加者はスマートフォンを使い、背景をぼかして撮影する練習にも取り組んだ。
今回は、丹鶴ホールの良さを知ってもらうことをコンセプトに、外観やホールのロゴ、施設内を分担して動画撮影。20~30秒のムービーを作った。
新宮高校2年生の中浦心陽さんは「写真が好きで応募した。動画撮影は難しかったけど、いいムービーを作りたい」と話していた。
「ICOLE」は市の公募により立ち上がった市民主体の組織。今回のムービーは、昨年も実施したICOLE主催の高校生動画コンテストに出品する予定だという。
(2024年3月15日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240315110101.jpg)
田原海水浴場の見学者ら (串本町 )
民間小型ロケット「カイロス」初号機が13日午前11時1分12秒に打ち上げられたが、約5秒後に自律飛行安全システムの飛行中断処置により落下した。串本町の公式見学場・田原海水浴場では入場チケットを持つ685人が見守っていたが、状況を伝えるアナウンスを受け落胆。打ち上げまで頑張ったカイロスを拍手でたたえて見学を終えた。
このロケットはスペースワン株式会社が開発し製造。世界情勢に伴う部品調達難などによる5度の延期を乗り越え、社内外とも念願の打ち上げへとこぎ着けた。
同見学場ではこの日、早朝から地元の出店が始まり9日に続いて数は約4分の1となったが見学者が来場。宇宙飛行士を模した衣装を着た盛り上げ役の町職員と一緒にカウントダウンをしリフトオフの瞬間を迎えたが、届き始めたごう音は数秒で途絶え、ウェブ配信で射点の様子を確かめていた見学者からいち早く状況が広がった。落胆し尾根から立ち上る噴煙ではない煙をぼうぜんと見届けた後、打ち上げまで頑張った「カイロス」に次回へのエールとして拍手を送ろうというアナウンスに応えて見学を終了した。
見学者の一人として結果を見届けた田嶋勝正町長は、ロケットと一体になってまちづくりを進める決意を掲げ、同社に向け「この状況は打開できると思う」とエール。「まちは必ず全面バックアップし、これからの宇宙を開発する最初のまちになるという意気込みでやっていきたい。今回は残念だったが、みんなと力を合わせて『カイロス』の産声を上げさせたい」と思いを声にした。
主に那智勝浦町と串本町の有志が結成し「カイロス」の打ち上げに向け機運醸成に献身してきた和歌山ロケット応援団の青木圭団長は「残念な結果だけれど、いろんなところのロケットの打ち上げを見ていても(こういう結果が)あるので仕方のないことかなと思う。スペースワンやその技術者の方が自分たちよりもっとショックを受けていると思うので、応援団として何かの形で陰ながらにでも応援しているというのを伝えたい」と胸中を語った。
(2024年3月15日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240315080102.jpg)
人権擁護委員が矢渕中へ (紀宝町 )
熊野人権擁護委員協議会の南牟婁地区部会による人権教室が13日、紀宝町立矢渕中学校(立嶋信雄校長)であり、1年生78人に悩んだときは一人で抱え込まず、相談するよう呼びかけた。
人権擁護委員制度を理解し、社会問題となっているヤングケアラーについても知ってもらおうと昨年に続いて開催した。紀宝町と御浜町の委員でつくる南牟婁地区部会から部会長の萩野映児さんらが訪れ、1年生計3クラスで授業した。
人権擁護委員は、人権擁護委員法に基づき法務大臣が委嘱する無報酬のボランティアで、住民から人権相談を受けたり、人権啓発活動をしたりしている。紀宝では5人、御浜では4人が委嘱されている。
授業では人権擁護委員の活動内容を説明した上で、いじめなど人権に関する悩みがあれば、学校に置かれている「子どもの人権SOSミニレター」(津地方法務局などが実施)のほか、電話やメールでも相談できることを伝えた。
子どもが家族の介護などを行うヤングケアラーの問題については「中学生の17人に1人がヤングケアラーと言われており、学校に行きたくても、勉強したくても、遊びたくてもそれができない」と語り、「友達の変化に気付けるのは君たち。信頼できる大人に相談してほしい」と呼びかけた。
また、教育を受ける権利や心・体の成長に必要な生活を送る権利など九つの権利を挙げると、「自分が一番大事にしたい権利は?」と問いかけ。生徒は自分にとって大切なことを思い浮かべながら考えた。
(2024年3月15日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240315030101.jpg)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240315030102.jpg)
態度軟化、「検討」発言 (新宮市 )
新宮市がこのほど、津波浸水域への避難タワー建設について「必要な場所は検討しようかとなっている」と発言した。以前は浸水域外に逃げる避難を進める方針で、タワー建設には否定的だった。実現すれば、より多くの場所で一時避難の「めど」が立つことになる。
和歌山県は、2014年に発表した「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」の中で、南海トラフ巨大地震の津波避難困難地域として、新宮市の三輪崎と熊野地の2地区、16・5㌶の785人を対象に設定。うち三輪崎は、市と地域が協議し、防災マップの策定など「逃げる」対策を進め、対策済みの地域外となっている。
また市は、県の津波避難困難地域を「事前避難対象地域」として考えている。対象は▽熊野地2丁目▽あけぼの▽王子町2丁目・3丁目の一部―の181人。ただし、熊野地2丁目とあけぼのは、国による熊野川河口大橋の建設に際し、盛り土部分に階段を設け、一時避難ができるようにしてもらったため、緊急時の避難先は確保できたことになる。
さらに、熊野川河口大橋のあけぼの側の降り口から、盛り土の道路を海岸沿いに通し、国道42号の高森交差点に向かって延ばす計画も、国により事業化されている。こちらの盛り土部分にも階段を設けてもらうことで、一時避難が可能になると仮定すれば、王子町2丁目・3丁目でも安全性が向上する可能性がある。
他方で三輪崎では、県の津波避難困難地域こそ解消となったものの、高齢化が進んでいることもあり、「逃げる」避難には一抹の不安もあった。そこで地域で協議して昨年8月に、市に「避難タワー建設」を要望していた。市は以前と比べ態度を軟化、先月9日に佐野で行われた三佐木蜂伏の合同防災研修会で「検討」発言があった。
三輪崎区の仲西博光区長代行は「海岸方面の地域は高齢者が多い。近所に避難タワーがあればより安心できる」と実現に期待を寄せる。
(2024年3月13日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240313010101.jpg)
佐野川沿いで短冊設置 (新宮市 )
新宮市の佐野区(垣下純三区長)は10日、佐野川沿いで三佐木地区の保育園や保育所、こども園に通う園児たちが描いた短冊の取り付けを実施した。佐野おやじの会(中村優会長)の会員やその家族、区代議員ら約15人が参加。花見シーズンに向けて設置作業に励んだ。
佐野川沿いは、20年ほど前からサクラが植樹されている。2011年から当時の佐野川堤防桜植栽委員会が取り付け作業を行っていたが、19年を最後に活動が休止。コロナ禍を経て、昨年から同区が引き継ぐ形で取り組んでいる。8、9の両日には赤や黄色のちょうちん139個を設置した。点灯は午後6時から10時に行われ、4月21日(日)までを予定している。
参加者は4グループに分かれて約300㍍の区間にあるサクラの木に設置したちょうちんの間に三輪崎、白梅の両保育園、佐野保育所、木の川認定こども園の園児が「警察官になりたい」「ディズニーランドで遊びたい」などの夢を書いた短冊160枚を針金で固定し、丁寧に取り付けた。
垣下区長は「おやじの会の皆さんが中心となって準備をしてくれ、大変ありがたい。サクラが開花した際にはたくさんの人に足を運んでもらい、季節感を味わってもらいたい」。
中村会長は「昨年には地域住民の人たちから喜びの声を頂き、継続しなければという思いが強くなった。各家族が子どもたちの短冊を見て会話が弾む場と、防犯にもつながる憩いの通りになってくれれば」と話していた。
(2024年3月13日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240313080201.jpg)
町民音楽祭バンドの部 (串本町 )
第19回串本町民音楽祭(バンドの部)が10日に文化センターであり、6組が出演して町民らの鑑賞を集めた。
この音楽祭は町、町教育委員会、串本音楽協会が主催。音楽の発表や鑑賞を通して文化活動を盛んにし、ひいては地域文化の向上に資する目的で年1回、最近は3月の第1日曜日に器楽・合唱等の部、第2日曜日にバンドの部と2日間にわたって開き音楽に関係するさまざまなジャンルの参加を得ている。
先に実施した器楽・合唱等の部には今回、さまざまなジャンルから11組が出演した。バンドの部に出演したのは▽The JANK▽坊芳太(ぼう・よしたか)▽UH MOON▽HiRoUmi▽フォークソングキンプ▽M.Y.B―で、同センターホールが備えている多色表現ができる照明や大型スピーカー、スモークマシンなどを駆使してライブ独特の幻想的なステージ演出が尽くされる中、持ち時間25分の枠を得てそれぞれの音楽を響かせた。
バンドについては同音楽祭と串本まつりサマーBANDライブの年2回、このような発表の機会が町内で設けられていて、最終のM.Y.Bは「次は夏に」と呼びかけで観客とのつながりを深めつつ同部を締めくくった。
(2024年3月13日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240313070301.jpg)
加寿地蔵尊「桜まつり」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町湯川の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊で10日、「桜まつり」があった。加寿姫を祭るほこらを参拝したほか、クマノザクラの植樹、踊りや演奏の発表、飲食出店などを実施した。近隣住民などが多数訪れ、サクラの花が舞い散る中での各種催しを楽しんだ。
加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)の主催。加寿地蔵尊は、千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる加寿姫を祭っている。桜まつりは、それまで春まつりとしていたものを改名し、昨年から実施。各種の催しを行う広場にクマノザクラがあることにちなむ。
会場の広場のクマノザクラは、六分咲き程度だった。軽食ブースやキッチンカーの出店があったほか、全品無料でお心付けのみの「もらってください」コーナーもあった。中田代表が関係者や地域住民と共に加寿地蔵尊のほこらを参拝した後、広場で各種の催しを開始。協賛の日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)と共に、6本のクマノザクラの植樹を行った。
発表は、連なって咲くサクラの木のもとで行われた。さまざまな団体が、踊りや演奏などを披露した。観客は軽食を楽しむなどしながらゆったりと眺め、盛んな拍手で称賛していた。中田代表は「今日は天気にも恵まれ、キッチンカーも来て、いろんな団体が出演して、にぎわって良かった」と話した。
なお、会場となった広場は花見が楽しめるよう、3月末まで開放する。時間はおよそ午前9時から午後4時まで。クマノザクラの時期が終わってもソメイヨシノが楽しめるという。
(2024年3月13日付紙面より)
![](../../dbm/imgdb/img200/20240313010201.jpg)