近大附属中学校3年生が (新宮市 )
紀の国緑育推進事業を利用した林業教室が29日、近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の中学3年生47人を対象に実施された。生徒たちは間伐体験や原木市場・製材所見学、木工教室を通じて熊野材が製造される工程を追い、ふるさとの森林や産業への学びを深めた。
この事業は、県内の豊かな森林や林業、環境問題への関心を高め、森林を守り育てる意識を育むことを目的に行われており、同校では2年目となる。新宮・東牟婁地方で林業・製材業・運送業を営む若手経営者で構成する紀南木材新緑会の野中亮伸会長ら3人と、熊野川町森林組合(田中多喜夫代表理事組合長)が指導に当たった。
同校で行われた講義では野中会長が講話。「全国の市町村の中で、新宮市の森林率は90・6%で第2位」と話し、木材業の隆盛で経済的・文化的に発展した新宮市の歴史を写真で紹介。森林の持つ▽水を蓄える▽生物のすみかとなる▽空気をきれいにする―などの効果を発揮させるために森林の適切な管理・整備と伐採・利用が必要と述べ、林業の重要性を強調した。
間伐体験では直径15㌢のスギを伐採。熊野川町森林組合の職員から木の選び方や伐倒方向を決める受け口・追い口の入れ方を学び、使い慣れないのこぎりで切り倒した。
森本新奈さんは「のこぎりは思ったよりも力が必要だった。すんなりと切っていく森林組合の方々は職人技。さすがプロだなと思った」。谷口優依さんは「最初は真っすぐ切れなかったが、途中からすっとのこぎりが入るようになり、楽しかった」と笑顔で話していた。
午後からは新宮市あけぼので、木材の競りを行う㈱新宮原木市場や丸太を製材する板美商店、木材にホゾ・仕口などの加工をする新宮木造住宅協同組合の工場などを見学。木工教室では木のパズル制作や木組みをして木に親しんだ。
(2020年10月30日付紙面より)
ユズ果実の搾汁作業始まる (古座川ゆず平井の里 )
古座川町平井にある農事組合法人古座川ゆず平井の里(羽山勤代表理事)の出荷場で28日、ユズ果実の搾汁作業が始まった。今年は法人全体で約140㌧の収量を見込み、うち状態がいい果実約10㌧は生果として団体所属する紀ノ川農業協同組合へ出荷。残りを搾汁するという。
昭和30年ごろに始まり町内へ広まったユズ生産。同法人は生産者の共同体として平成16年に発足し、現在は95人が組合員となり果実を集荷している。
羽山代表理事によると、今年は70戸が集荷する予定。この日は初日とあって生果用と搾汁用合わせて約10㌧の集荷があり、搾汁用をさっそく地域おこし協力隊など若手の手伝いを得ながら順次洗浄、搾汁した。風味が異なる果汁を意図的に得るために最近は完全に色づく直前の果実も集荷。今は若干青みが残る果実の搾汁をしていて、後にほぼ色づいた果実の搾汁もするという。
搾汁後の果実のうち皮がきれいなものを加工用として取り分け、残りは堆肥化して畑に返すなど無駄を出さない工程で作業を重ね、11月末までに今年分を搾り切ると意気込んでいる。
果汁は大口への出荷もするが、同法人もさまざまな特産品に加工して販路に乗せている。集荷の時期を迎えて羽山代表理事は「全体的にやや小ぶりな印象だが量があり、平年並みの収量を見込んでいる。今年はコロナの影響で加工品の需要が少なく販売が厳しいが、ひるまずに少しでもいい香りを届けるという思いで頑張りたい」とコメントし、出荷先での愛好を願っていた。
(2020年10月30日付紙面より)
11月1日、フラなど動画配信 (ALOHANA くまの )
「ALOHANA くまの実行委員会」(向井里江実行委員長)は28日、熊野市役所で会見を開き、フラやタヒチアンダンス、ウクレレなどをYouTube(ユーチューブ)で配信すると発表した。時間は11月1日(日)午前11時から翌2日(月)午前11時まで。多くの視聴を呼び掛けた。
「ALOHANA くまの」は例年、御浜町のふれあいビーチやしの木広場で開催され、南国ムードいっぱいの踊りや演奏で親しまれてきた。今年は新型コロナの影響で中止。代わりに動画配信を決め、毎年出演してきた個人や団体に協力を呼び掛け、寄せられた動画を2時間に編集。出演は13団体で、熊野鬼城太鼓や那智勝浦町のギタリスト濱口祐自さんの名も。熊野市や那智勝浦町の自然も多く登場する。
向井実行委員長は「映像を通じて笑顔を届けたい」と話す。動画は「アロハナくまの」で検索すればよい。
(2020年10月30日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は29日、那智勝浦町宇久井の熊野古道「大狗子(おおくじ)峠」などの整備に取り組んだ。会員12人が参加。以前から補修作業に取り組んでいる道を補強したほか、周辺の清掃活動に汗を流した。
同会は古道の整備や景観美化のためにボランティアでさまざまな活動に従事している。
この日、会員は雨で道や土が流れてしまわないように溝を掘って周りを石で固めたり、ハンマーで木や竹を打ち込んで土留めを設置した。枯れ木を拾い、徒歩の邪魔になる石などを除くなど美化にも努めた。また、埋まっていた石を掘り起こすと広い石段が現れ、古道に花を添える形となった。
太田代表は「今日、整備した土や石がなじんで、落ち着いてくれたら道も良くなると思う」。
会員からは「これだけきれいになったのだから、大狗子峠も世界遺産になってもらえたら」と話した。
(2020年10月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
千歳連合会初のグラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
道の駅「たいじ」で物産展 (広域商工会東牟婁協議会 )
那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村の各商工会で構成する広域商工会東牟婁協議会(阪本洋幸センター長)が25日、太地町森浦にある道の駅「たいじ」(〆谷和豊駅長)で「熊野のいいもの集めました」と題した物産展を開いた。各地域の名物を目当てに、和歌山県内外から訪れた観光客など多くの来場者らでにぎわった。
催しは令和2年度伴走型小規模事業者支援推進事業の一環で、物産展は今回で4回目(太地町では2回目)。同協議会ではこれまでにも事業継続力強化計画策定講座や創業セミナーなどを開催し、事業者の学びや支援に努めている。
関係者らはマスクの着用や飛沫(ひまつ)防止シートの設置、アルコール消毒など新型コロナウイルス感染拡大防止対策を取り運営した。
各町村から7店舗が出店し「じゃばら梅酒」「ブルーベリージャム」「ゆずジャム」「ゆずぽん酢」「薄皮まんじゅう」「焼き菓子」「かつお節」「じゃばら加工品」「コーヒー」「ベーグル」「ココナッツカレー」などの豊富な商品が並んだ。多くの来場者が好みの品物を買い求めていた。
〆谷駅長は「屋外の物産展のおかげで駅屋内にも多くのお客さまが足を運んでくれている。どちらも大盛況となってありがたい」と話した。
阪本センター長は「昨年はねんりんピックに合わせて開催したが、今年はコロナで客足を心配していた。大勢のお客さまが来てくれたので本当に良かった」。
物産展の状況や今後については「熊野地域の良い物を集めているため、地元の方々や観光客の皆さまにも良い商品があることを知ってほしい。今後は地域外の方の出店も視野に入れるとともに、事業者の皆さまには物産展をきっかけに持続的な事業展開をしていただけたら」と語った。
(2020年10月27日付紙面より)
組合員らが感染予防講習会 (県美容業生活衛生同業組合新宮支部 )
和歌山県美容業生活衛生同業組合新宮支部(山本東弘支部長)は26日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で公衆衛生講習会を開いた。新宮保健所の池田和功所長が「新型コロナウイルス感染症を予防するために」を題目に講話。参加者らは感染症について知識を深めるとともに、感染予防に対する認識を新たにした。
毎年、組合員を対象に実施する公衆衛生講習会。今年は新型コロナ感染防止の観点から、3密を避けるために午前・午後の2回に分けて開催。内容を「コロナ感染予防」とした。
午前の部では新宮市内の組合員約20人が講習を受けた。参加者には受講後、「新型コロナウイルス感染予防対策取組店」と記された予防講習会受講済ステッカーが配布された。
池田所長は、現在の県内の感染状況や感染時の症状などについて説明。クラスター(感染者集団)の発生を防止することが重要とし、三つの密が重ならない工夫が必要と述べた。
「コロナは症状が出る前の方がうつりやすい」と説明。潜伏期における感染を防ぐためには症状がなくてもマスクを着用することが重要とした。また、必要な感染予防策や適切な感染防護を講じた場合には濃厚接触とならないとし、マスクやフェースシールド、手袋、エプロン(ガウン)の使用を促した。
丁寧な手洗い・手指消毒の効果にも触れ、感染対策として▽身体的距離の確保(密接するときは個人防護具着用)▽マスクの着用▽手洗い▽1時間に2回以上の換気▽よく触れるところの消毒―を求めた。
池田所長は、施設の清掃・消毒方法や従業員の感染予防のための管理、全日本美容業生活衛生組合連合会の感染拡大予防ガイドラインに基づく「施設内の各所における対応策」などについても説明し「普段から感染予防をして、自ら感染しない、感染を拡大させないようにしましょう」と呼び掛けた。
山本支部長は「仮に風評被害が出た場合、店舗が存続の危機にさらされてしまう。それを避けるためにも感染だけは避けなければならない。各店舗、対策を講じているが講習を通してさらに気を引き締める機会としたい」と話していた。
(2020年10月27日付紙面より)
明神小が海の教室に参加 (勝浦海事事務所 )
古座川町立明神小学校(速水和美校長)の児童10人が23日、国土交通省勝浦海事事務所などが展開する事業「海の教室」に参加し串本の海や日本とトルコの友好に触れて関心を培う機会を得た。
この教室は、同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年の海への関心を高めることを狙いとし、本年度は感染予防対策を講じつつ同事務所管内の学校に参加を呼び掛け3校が希望した。
明神小は3校目の実施で、前2校とは異なり串本海中公園センターと樫野崎を巡る内容。同センターで児童と合流した同事務所の堀川裕之次長は「今日は海に親しんでもらおうと思いこの教室を開いた。魚きれい、海きれいではなく水族館ではどんなお仕事をしているかなど違った面でも関心を持ってもらい、将来そういう仕事についてもらえたらと思う」と児童に期待を寄せつつ、参加を歓迎した。
同センターでは水族館の学芸員・平林勲さんの解説を受けながら串本の海をテーマにした館内の各展示やバックヤード、海中展望塔から串本の海そのものを見学。ウミガメパークで餌やりを体験するなどして内容や平林さんの姿に親しんだ。
昼食休憩を経て午後は樫野崎へと移動。国内最古の石造灯台・樫野埼灯台を見学し、トルコ記念館では1890年にあったトルコ軍艦エルトゥールル号の遭難と救助や1985年にあったトルコ航空による邦人(=日本人)救出の歴史や海中から引き揚げられた同号や乗組員の遺品を見て日本とトルコ共和国の間柄を考えるなどした。
(2020年10月27日付紙面より)
NACKTが候補DMOに登録 (那智勝浦町 )
那智勝浦観光機構(NACKT)は、16日付で申請を行っていた観光地域づくり法人(候補DMO)に登録されたことを発表した。NACKTは今後、「観光で稼ぎ、潤う町へ」を実現するため、那智勝浦町や町内観光事業者、町民や熊野エリアの関連団体らと共に観光振興を進めていく方針だ。
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観光庁によると、DMOは地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的なアプローチを取り入れた観光地域づくりを行うかじ取り役となる「観光地域づくり法人」とされている。
日本版DMOは地域の稼ぐ力を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地づくりの司令塔となる組織。
多様な関係者と協働しながら明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定し、その戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人だ。
候補DMOに登録されると、国から人材や情報提供などのさまざまな支援メニューを受けることができる。登録後は1年に1度、事業報告が必要となる。
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NACKTは今後、実績を積みながら関係者との合意形成や次年度の戦略の構築などに取り組み、国からの支援の幅が候補DMOよりさらに広がる「登録DMO」を目指すという。
登録DMOにステップアップするには、全ての登録要件を満たした上で、観光庁の審査が必要となる。審査を通過すれば、最短1年で登録DMOとなる。
村井弘和事務局長は今回の登録について「観光庁に認めていただき候補DMOとなれてほっとしている。これからは気を引き締めて活動を進めていく」。
今後については「町内の事業者や町民の皆さまにご協力をいただきながら、登録DMOを目指して懸命に努めていきたいです」と語った。
(2020年10月27日付紙面より)
高校ラグビー和歌山県大会
生涯現役スキルアップセミナー (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は22日、市役所別館で令和2年度第4回生涯現役スキルアップセミナー「御燈祭(おとうまつ)り『たいまつづくり体験』」を開催した。垣下正義さんが講師を務め、6人の参加者が「御燈祭り」に欠かすことのできない「たいまつ」作りに挑戦した。
セミナーは市在住55歳以上の中高年齢者が対象。和歌山労働局の受託事業として、就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、当日の2月6日には全国から大勢が「上(あ)がり子」として祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。
たいまつはヒノキの板を五角錐に組み合わせ、針金や竹ひもなどで固定。柱状部分の空洞に「バタ」と呼ばれる木切れを入れ、ヒノキを薄く削った「ハナ」を付ける。
垣下さんは新宮生まれ新宮育ち。同市相筋で垣下建築を営む。毎年、本業の傍らたいまつを制作しており、今年は約150本を作り上げた。制作に当たっては「簡単なように思えるが時間と手間がかかる」と紹介。
参加者らは垣下さんの指導の下、手縄の作成からスタート。5枚の板を組み合わせたいまつの形に。結束バンドで仮固定し、針金などを使って組んでいった。「バタ」を入れ、最後に80枚の「ハナ」を付けて完成させた。
セミナーに参加した尾﨑禅さんは「初めての経験で汗をかいたが満足しました。自分の作ったたいまつを持って祭りに参加できる日が楽しみ」と笑顔で話していた。
(2020年10月24日付紙面より)
串本町が22日、役場町長室で本年度観光フォトコンテストの表彰式を開き入賞作品17点を発表した。グランプリは作品「串本大橋夕景」で、撮影者の吉田正洋さん(73)は「この作品が選ばれるとは思っていなかったのでびっくりした」と話している。
このコンテストは、観光PRに活用する写真を広く募集する目的で例年実施。10回目の節目となる本年度は町内外の43人から221点の応募があり、先月25日に審査会を開き田嶋勝正町長ら審査員の選考で入賞作品候補17点を決めた。
各撮影者から原画(画像データ)の提出を受けて入賞を確定し、グランプリ・準グランプリ・審査員賞の各撮影者に表彰式への参加を呼び掛け。当日は吉田さんと審査員賞の長谷洋さん(54)が出席し、田嶋町長からじかに表彰を受けた。
吉田さんの作品は、9月にボランティアで草刈りなどの管理をしているポケットパーク下の磯場から夕暮れ時のくしもと大橋を捉えた内容。この光景は何年も通って挑戦していて、さらにいい瞬間があると気づいていてこの作品では選ばれないと思っていたという。
表彰するに当たり田嶋町長は「見慣れた景色が見る時間帯や角度によって素晴らしい物になるといつも感じている。これからも串本の再発見ができるような写真を応募いただけるとありがたい」とコメント。
表彰を受けて吉田さんは「年がいって『えらいなぁ』と思うこともあるが、まだまだ頑張らんといかんなという思いになった」、長谷さんは「このコンテストでの入賞は連続3回目で光栄に思う。(最近は)見るだけでなく体験しようと思ってもらえるような作品を意識していて、これからも同じ思いで挑戦していきたい」と気持ち改まるところを語った。
入賞した作品17点は23日から30日(金)まで文化センターで、以降は道の駅くしもと橋杭岩で展示予定。諸事情で発表が例年より遅れたが、11月末までに来年の観光カレンダーの発行を始められるよう努めるとしている。
(2020年10月24日付紙面より)
なぎ看護学校で看護宣誓式 (新宮市 )
新宮市蜂伏の和歌山県立なぎ看護学校(塩路喜英校長)は22日、同校で看護宣誓式を開いた。今年4月に入学した1年生36人が看護師の道を歩む決意を新たにした。
宣誓式は専門的な知識や技術を学ぶ中、有能な看護師を志す自覚を深めてもらうことを目的に毎年実施している。
点火の儀では、厳粛な雰囲気の中、学生が1人ずつろうそくに火をともし、グループごとに舞台に整列。9グループに分かれて「私たちは患者さんのことを第一に考え、心の声に気付き、患者さん一人一人を思った看護ができる看護師になることを誓います」などと宣誓した。その後、学生はそれぞれの思いを胸にナイチンゲール誓詞を唱和した。
塩路校長は「繰り返し経験をすることで現場の実践力が身に付くと信じてください。今日誓った言葉とこの日の思いを忘れることなく、自分の目標にまい進してください」と式辞。続いて、新宮保健所の池田和功所長が仁坂吉伸知事の励ましの言葉を代読した。
来賓で紀南病院(御浜町)の廣畑靜(しづ)看護部長は「皆さんが看護師になることをご家族だけでなく、多くの人々が心待ちにしていることを忘れないでください」と祝辞を述べた。
在校生代表の羽山高史さんは「思いやりを持ち、患者さんの声に耳を傾け理解しようとすることで、信頼関係の構築や寄り添った看護につながる。困難は仲間と助け合い乗り越えてください。今日誓った自身の看護師像に一歩でも近づけるよう共に頑張っていきましょう」と祝いの言葉を贈った。
(2020年10月24日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦町総合体育大会バドミントン大会
新宮市民スポ祭弓道競技の部
共同募金チャリティーコンサート (太地町 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)は17日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で「赤い羽根共同募金チャリティーコンサート(合同発表会)」を開いた。町内外で活躍する4団体とゲストの美しい合唱や迫力ある演奏で終始会場は盛り上がった。
コンサートは募金に加え、住民らがステージ出演を楽しむ人気の催しで4年目を迎える。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から出演者の家族や関係者のみの公開となり、検温、消毒、マスク着用後の入場となった。
集められた募金は和歌山県の共同募金会に送られた後、50%が配分金として同社協が受け取り、町内4カ所で行うふれあいサロン「いっぷく亭」の事業費やボランティア団体の育成補助、福祉教育推進指定校事業に充てられるという。
トップバッターはコーラスグループの「ピアニッシモ」が務め、誰もが知る童謡を熱唱。「赤とんぼ」などの曲では来場者と共に歌った。続いて、昨年の同コンサートでトリを務めた「笑音風(しょうおんぷ)」が登場。会場の笑いを誘うマイクパフォーマンスに加え、「いとしのエリー」「さらば恋人」などの名曲を披露した。
その後、チーム結成間もない「コスモス」がリコーダーやギターなどで「さんぽ」「さくら色のワルツ」を演奏。熊野地方で活躍するフォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんもゲストとして登場し、トークを織り交ぜながらライブを行った。
今年のトリはハリケーンが務め、「パプリカ」「カントリーロード」などを全力で披露。コンサートを締めくくった。
岡本会長は場所を提供した梛の指定管理者である山永サービスに感謝を述べ、「コロナの影響でイベントが少ない中ですが楽しんでいただけたようで良かった。障害を持つ方々の社会参加の場を設けることができてうれしい」と語った。
(2020年10月21日付紙面より)
地域支え合いフォーラムで堀田力さん (新宮市 )
新宮市役所別館で18日、地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう! わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」があった。新宮市と市社会福祉協議会が主宰。83人の来場者が(公財)さわやか福祉財団の堀田力会長のオンライン基調講演「みんなで支え合うあたたかいまちをつくろう~居場所から有償ボランティアまで~」に耳を傾けた。
さわやか福祉財団は弁護士で元検察官の堀田会長が1991(平成3)年に設立した公益財団法人。新しいふれあい社会づくりを目標に、ボランティア団体の設立や、勤労者や子どもも気軽に活動に参加できる仕組みづくりなど、地域で支え合う仕組みづくりを進めている。
堀田さんは「少子高齢化が厳しくなっても、われわれの生活がもっと楽しくなるような社会でないといけない」としながらも「今までは家族が高齢者を支えてきた。しかし少子化で子どもたちも自分たちの生活で精いっぱい」と問題提起。
高齢化について、「ただ生きている期間が延びたのではなく、元気で生きている期間が延びている」と述べ「元気な高齢者が元気を存分に生かして、家族のような気持ちで助けるしかない。財政や少子化が厳しい状況で楽しく生きていくためにはこの方法しかない」と提言。
「助けてもらう側も安心し、希望が持てる。助ける側も人の役に立つ力があると感じ、人に感謝してもらえる。労力を生かした喜びは人間の本質的な喜び」と話した。
調理や掃除、洗濯などの家事、買い物、外出支援、移動支援など、助け合いのレベルを上げていくためには、有償ボランティアのチームを立ち上げ、団体で取り組む活動が全国的に進んでいると紹介し「新宮市が今までつくってきたサロン活動など平素のつながりの中で困り事を話す機会を設け、話し合いの中で有償ボランティアをつくって広げていくことが重要」と述べた。
助け合いの仕組みづくりのためには生活支援コーディネーターと協議体の力が必要と話し「素晴らしい能力はまだまだこのまちに残っている。能力を存分に生かし、地域づくりに参加を。自分のため、地域のために能力を生かして、助け合いを深めていってほしい」と講演を締めくくった。
(2020年10月21日付紙面より)
国交省「海の教室」に参加 (古座小 )
串本町立古座小学校(貴志純子校長)の6年生13人が16日、国土交通省勝浦海事事務所などが展開する事業「海の教室」に参加し海と人の関わりの一端に触れて関心を培うきっかけを得た。
この教室は、同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年の海に対する関心を高める狙いで例年実施していて、本年度はコロナ禍の情勢を鑑みて感染予防対策を講じつつ管内の学校に参加を呼び掛け3校が希望しているという。
古座小は実施2校目で、和歌山県漁業組合連合会勝浦市場、紀の松島観光船、太地町立くじらの博物館を巡る内容。同事務所を代表して堀川裕之次長は「魚類や鯨類だけでなく、海に関わる人の姿にもしっかりと目を向け、鑑賞とは違う観点で勉強してほしい」とあいさつをして参加を歓迎し、児童を代表して森海咲さんは「今日はとても楽しみにして来ました。たくさん学んで帰りたいのでよろしくお願いします」と応えて教室を始めた。
同市場では県漁連の中村博行さんが水揚げが盛んなマグロについて紹介。水揚げされるマグロや混獲される魚の種類、それらの釣法であるはえ縄漁法の概要などを伝え、児童は同市場の見学フロア「展望スペースTUNAGOOD(つなぐ)」から水揚げされたマグロなどの出荷の様子を眺めつつ背景にある漁場環境や人の営みにまで考えを巡らせるなどした。
その後は紀の松島観光船で太地くじら浜公園へ移動。同博物館でイルカやクジラのショーを鑑賞し、館内見学や今川恵学芸員による講座を通して校区内にある旧古座浦に発展をもたらした鯨類や捕鯨について考えた。
実施1校目は新宮市立高田小学校〈全校〉で今月2日に参加。同3校目は古座川町立明神小学校〈2~6年生〉で23日(金)に参加する予定。
(2020年10月21日付紙面より)
8カ月ぶりに山歩き部会 (紀宝町 )
紀宝町山歩き部会は18日、同町浅里で「浅里の里山ウオーキング」を開催した。13人が参加し、飛雪の滝周辺の遊歩道を歩いた。
秋から春まで6~8回にわたり、登山初心者から上級者まで楽しめるコースメニューを検討しており、今年は「地元ガイドと歩こう!」をテーマに設定。新型コロナウイルスの影響で2月から休止してきたが、検温、手指消毒、マスク着用といった感染対策を取った上で8カ月ぶりに開催した。
今回は山歩きを始めた初心者を対象にしたコースで、同部会世話人の福田将志さんが案内。案内看板に載っていない知られざる名所なども紹介した。
遊歩道は飛雪の滝から浅里城跡、二の滝などを巡り、展望台までの約2㌔。参加者は飛雪の滝キャンプ場を出発し、渓流沿いの遊歩道を歩きながら、水の流れる音や鳥のさえずりを聞きながら、のんびりと約4時間の散策を楽しんだ。
次回は、11月8日(日)に熊野古道中辺路(牛馬王子~近露王子)の山歩きを計画しているという。
(2020年10月21日付紙面より)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日午前、秋晴れの空の下「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から一般参列を呼び掛けず、神職と神社関係者のみで斎行。検温や手指消毒、マスク着用などの対策を講じ、祭事に挑んだ。
上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。午後からは神馬渡御式(しんめとぎょしき)が営まれ、神馬と一行が阿須賀神社までの道のりを渡御した。
例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船で御船島を廻る「神輿渡御式」からなる。
大前ノ儀を終えた上野宮司は、参列者に対し「今年は世界にわたって災害が多く、また疫病のまん延に心を痛めている。しかし、この国には四季折々の祭りがあり、支えてくれる人がいる。昔からの思いを今に伝えてくれている」とあいさつ。
「過去にも苦しみや困難はあったが、乗り越えて今がある。今年も奉仕できる大きな喜びをかみしめている」と述べた。
16日(金)の神輿渡御式は午後1時30分から。同2時30分ごろから、朱塗りの神幸用船、諸手船(もろとぶね)、斎主船がゆかしく御船島を廻(まわ)る御船祭が行われる。新型コロナ感染拡大防止のため、早船競漕(きょうそう)は中止となっている。
(2020年10月16日付紙面より)
山林火災を想定し訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は14日、同町の那智高原公園で和歌山県防災航空隊(以下、航空隊)と連携訓練を実施した。同本部管内での山林火災事案を想定し、両機関は連携を深めながら訓練に汗を流した。
訓練は毎年行われており、山林内の活動困難な場所で発生した各事案に対し両機関合同で活動を展開。連携強化を図ることが目的。昨年は山林内の活動困難な場所での救助事案を想定し訓練した。
今回は那智高原での山林火災に対し、地上隊を組織する同本部が航空隊に出動を要請。地上隊は同公園内の池に小型ポンプを設置後、2班に分かれて航空隊所有のヘリ「きしゅう」のタンクへ給水を行い、別班は地上から火災箇所に向けてホースを用いて放水した。
一方、ヘリは離陸し、空中から500㍑の水を散水し消火訓練に励んだ。両機関は同様の内容の訓練を3回実施した。
航空隊の松下正副隊長は「同様の訓練は県内の消防とも実施している。普段から連携を取ることで実際に発生した際には地上隊と迅速な活動ができると思っている。航空隊も連携することで自分たちが不足している部分を補う材料になるので今後も継続していきたい」と話した。
関谷善文消防署長は「火災が増えるシーズンを前に航空隊との訓練できたことは有意義なものになった。大規模火災や山林火災の発生の際は航空隊との連携は不可欠となる。訓練を通じて町を守っていきたいと思います」。
今後の防火への取り組みとして「11月に子どもたちと共に防火パレードを行う。町内の放送でも啓発を行うので防火意識を高めていただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月16日付紙面より)
見守り隊と紀宝署が合同啓発 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は15日、町内4カ所で啓発活動を実施。同町鵜殿の主婦の店では紀宝警察署、紀宝地区防犯協会などと合同で行い、隊員と警察官ら計11人が来店者に啓発チラシを配布し、災害に便乗した詐欺や侵入犯罪に注意するよう呼び掛けた。
見守り隊は毎月1回、啓発活動を展開。今月は全国地域安全運動(11~20日)の一環として行った。運動は地域安全活動を強化することで、安心して暮らせる地域社会の実現を図ることが目的で、同署は「住宅侵入犯罪の被害防止」を重点に掲げた。
参加者は、詐欺の手口を載せたチラシや運動を周知するリーフレット、「ストップ!侵入犯罪」などと記した啓発物品を配布。台風や地震など自然災害に便乗した悪質業者に注意するよう求めた。
紀宝署によると今年に入り、管内で特殊詐欺はないものの、県内では101件、約2億6480万円の被害が発生し、昨年同期より34件、約1億5770万円増加した。
預貯金、キャッシュカード、架空請求の各詐欺が多く、架空請求詐欺(24件)は約1億4940万円に上るという。生活安全刑事課の一海孝治警部補は「不審な電話やメール、はがきが届いたときは一人で考えず、家族や警察などに相談してください」と話していた。
(2020年10月16日付紙面より)
清水建設の寄贈受け田原小 (串本町 )
串本町立田原小学校(野端則久校長、児童14人)が14日、自分のペットボトルロケットを作って飛ばす授業に取り組んだ。清水建設株式会社(井上和幸取締役社長)が寄贈した製作キットを使って全校児童がマイロケットを手作り。何度も飛ばし、みんなで上手に飛ばす方法を考えるなどした。
田原地内で小型ロケット射場の建設を担う同社の現場事務所が同校へ寄贈を申し出たのが、この授業実施のきっかけ。同事務所と同校の橋渡し役を担う同社の監理技術者・中島正暁さんによると、田原小との交流は昨年12月の現場招待以来2回目で「次はどのような交流をするか」を社員で話し合う中でペットボトルロケットを飛ばす体験を託すことを思いつき、さっそく会社に相談して許可をもらい同校へ寄贈を申し出たという。
同校は同町のロケット推進室に事前相談して申し出を受けることを決め、このほど同キット20個などを受け取った。中島さんから「授業の中で活用してほしい」と希望があり、5、6年生担任の西洋子教諭を軸にしてこの授業を計画したという。
当日は同事務所を代表して見学をしに訪れた中島さんに真っ先に感謝して授業を開始。児童はあらかじめ飾り付けたペットボトルに同キットを組み合わせてマイロケットを仕上げ、授業時間が許す範囲で何度も飛ばし続けた。
児童が手作りしたペットボトルロケットは、空気の圧力で噴き出す水のエネルギーを推進力にして飛ぶ仕組み。飛ばすのは4年生の時以来だという荒木野乃子さん(6年)は「最初は入れた水の量が多くてうまく飛ばず、少ない方がよく飛ぶと分かって勉強になった。また挑戦してみたい」と感想を語った。
(2020年10月16日付紙面より)
戦後75年戦没者・戦災死者追悼式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は13日、同町体育文化会館で戦後75年戦没者・戦災死者追悼式を開催した。5年に1度開かれる追悼式には町内の遺族や関係者ら約80人が参列。追悼の意を表し、永遠の平和を祈念した。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓や役場関係者の出席を縮小。出席者らは検温と消毒後、入場した。式典では飛沫(ひまつ)防止のために国歌、町歌は斉唱せず吹奏とし、黙とうがささげられた。
堀順一郎町長は「諸霊は先の大戦において故郷を離れ、祖国の繁栄を信じ、尊い命をささげられた。そしてご家族の方々の困難に耐えながら、職業や家業に精励されてこられたご努力に対し、敬意を表します。戦後75年を迎えたわが国は国際社会の中、国の再建と発展に努め、本町も発展してきた。諸霊とご家族の皆さまのご尽力のたまもの。このご尽力を次の世代に生かしていくことが私たちの責務。平和と全町民の幸福のために取り組んでいくことをここに誓います」と式辞。
荒尾典男同町議会議長は「戦後75年、那智勝浦町においても目覚ましい発展を遂げた。その繁栄や発展は戦争のために尊い命をささげられた方々の犠牲の上に成り立っている。この悲しみを再び繰り返さないように不断の努力を続けていかなくてはならない」と追悼の辞を述べた。
代表者らの献花後、参列者が諸霊をしのんで菊の花を供えた。
各地区の遺族会を代表し、下里・浦神地区の谷洋一さんが「日本の平和や繁栄は戦死された皆さま方の礎のもとに築かれた。和歌山県では戦死された方の妻は100人を切っているという。これからは子や孫の時代だが、平和を探求する心やふるさとの繁栄を願う気持ちは変わっていないはず。追悼式を機に町の発展に協力することをお誓いいたします」と謝辞を述べた。
同町の祭霊数は1072柱。戦没者遺族は798人。戦災死者遺族は40人。
(2020年10月14日付紙面より)
就職目指す3年生を壮行 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(左近晴久校長)が12日、就職を目指す3年生を対象にした壮行会を開いた。
面接指導などを通してその進路選択をする生徒を後押しする同校キャリア形成・支援部による試験直前恒例の激励の機会。本年度は3年生73人中20人が就職を希望し、早い生徒では15日(木)に前泊し16日(金)に試験本番を迎えるため12日午後に壮行することにしたという。
新型コロナウイルス感染症の情勢により、例年よりも1カ月ほど遅いタイミングでの実施。同校を代表して左近校長は「諸君らは(3年生の)進路決定の先陣。幸先の良いスタートを串本古座高校生として切ってほしい。本番で上がってしまった、思っていることをうまく伝えられなかったという話は諸君らの先輩からも聞くが、うまくしゃべるだけが面接の全てではない。その会社に入りたいという気持ちを伝えることが重要で、そのつもりで頑張ってほしい」、同部の菅井崇文部長は「思い切って、胸を張って頑張ってほしい。会社は面接以外の場面でも見ている。身だしなみにも気を付け(始終)緊張感を持って臨んでほしい」と激励を注いだ。以降は試験を迎えるに当たっての準備事項を最終確認し、不意の支障で落ち着きを失わないよう気持ちを引き締めた。
(2020年10月14日付紙面より)
鈴木知事が山腹崩壊現場を視察 (紀宝町浅里 )
鈴木英敬知事が12日、紀宝町浅里を訪れ、9日夜に地滑り地で発生した山腹崩壊現場を視察した。台風14号による大雨で土砂崩れが発生し、幅約140㍍、高さ約200㍍にわたって崩れ、県道小船紀宝線に土砂が流れ込んだ。鈴木知事は「大規模な崩落のため、専門家の皆さんに意見を聞いた上で早急に対策を取っていく。道路も抜本的な対策を講じていく」と述べ、早期復旧に当たるとした。
県熊野農林事務所の前橋善浩所長が、現場で2017(平成29)年から地滑り対策を行っている最中だったことを説明し「上から崩れて2方向に土砂が流れ、県道をふさいでいるので道路の復旧工事を最優先に対策したい。安全性を見極めて応急対策を考え、スピード感をもって対応する」と伝えた。
視察に同行した西田健町長は「知事に現場を見ていただき、対応を検討してもらえるとのことだった。町としても県と連携したい」、谷川孝栄県議は「来年は、紀伊半島大水害から10年になる。浅里の防災対策が復興のシンボルになる。国へ働き掛けをしながら地滑り対策をしたい」と述べた。
浅里区役員の聖谷定三さん、木下起査央さん、尾崎光男さん、尾鼻展央さんは「生活道路の県道を早く復旧してほしい」と知事に訴えた。
(2020年10月14日付紙面より)
宮井貴浩教頭が「近畿春日章」受章 (新宮高校 )
優れた陸上競技指導者をたたえる近畿陸上競技協会の「2019年度近畿春日章」がこのほど決定し、新宮市神倉の県立新宮高校(前田成穂校長)の宮井貴浩教頭(55)が受章した。
「近畿春日章」は日本陸上競技連盟を立ち上げた一人、故・春日弘氏(1885~1970年)の名前を冠した章で、近畿地区の陸上競技に功労のあった35歳以上の指導者に贈られ、近畿地方の各府県の中学、高校で毎年1人ずつ選ばれている。当初は9月に開催を予定していた「第88回近畿陸上競技選手権大会」で授与式が行われることになっていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で大会とともに式典も中止。記念品が同校に送付された。
宮井教頭は1993(平成5)年に教員生活をスタートさせ、インターハイ出場や県大会での100㍍、走り幅跳び、リレーで好成績を挙げる選手を輩出するなど約20年間、当地域の陸上普及に尽力した。
受章については、驚きの一言と語り「まさか、このような章を頂けるとは思っておらず、恐縮していますが大変光栄です。根本的なことですが、楽しさを知り、その中で人としての成長につなげていってほしいという思いで取り組んできた。今後も現在の顧問の先生方と共に当地方の陸上競技振興に少しでも貢献できれば」と話していた。
(2020年10月14日付紙面より)
サッカーU―12全日予選順位決定トーナメント大会
塩竃神社の例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で11日、家内安全や豊漁を祈願する秋の例大祭が営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小し神事のみの斎行となった。
同例大祭は160年以上の歴史があるといわれる。毎年、勇義社の迫力ある獅子舞の奉納や地区の女性らで組織される「祭り盛り上げ隊」の屋台などに多くの人が集まり、盛大に行われている。
今回はコロナに加え、先日の台風14号の影響で1日延期してこの日の実施となり、宮総代や同地区の西・東区長、勇義社のメンバーら9人が出席した。
並川廣西区区長は「今年は神事のみとなり、勇義社の獅子舞も省くことになりつらい。来年はいつも通りの行事ができることを祈っています」。
東区区長でもある谷邦夫総区長は「主に漁師の祭りとして継続されてきた例大祭だが、コロナの影響で縮小する形となったので残念で仕方ない」。
同社宮総代の谷洋久代表は「来年こそは獅子舞もできるようになってほしいと願っている」と話した。
神事を終えた井谷宮司は「いつもはサカキを玉串に使用するが、今年は特別にナギを使ってご奉納した。コロナウイルスが凪(な)いで、鎮まり収まるように祈願しました。来年こそは通常のお祭りができれば」と語った。
なお、両区長によると、来年1月に営まれる「脊美(せみ)祭り」も今回と同様、規模を縮小して神事のみになることが決定したという。
(2020年10月13日付紙面より)
熊野学研究委員会自然部会、新宮市教育委員会は11日、新宮市高田で自然探訪スクール第1回講座を開催した。市内外から15人が参加し、高田小水力発電所周辺を散策しながら、秋の植物や昆虫観察を楽しんだ。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことを目的に毎年開いている講座で、本年度は全4回を予定している。
この日は内鹿野(うちがの)渓谷散策を予定していたが、前日の台風による増水のためコースを変更。熊野学研究委員会の高塚建さんらが案内役を務め、道中で山に自生するイワタバコやサンショウなどの植物、サツマニシキやハンミョウ(通称:ミチオシエ)といった美しい昆虫を解説した。ちょうど花期を迎えていた紀伊半島の固有種で和歌山県の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているキイジョウロウホトトギスにも注目が集まった。
那智勝浦町から参加した角拓利君(小学5年)は「昆虫や植物に興味があって参加した。ハンミョウを捕まえたのは初めて」と話し、一緒に参加した友達とアケビを持ち帰っていた。
(2020年10月13日付紙面より)
秋晴れの飛鳥神社例大祭 (太地町 )
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、獅子神楽や稚児行列、子ども神輿(みこし)の中止を決定していた太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭本宮が11日、営まれた。前日の宵宮は台風14号の影響で中止となり、秋晴れの本祭は行事を簡素化・縮小して斎行。樽(たる)神輿と参列者による行列が太地水産共同組合から同神社へと渡御した。
この日は、宵宮で実施予定だった頭屋祭が水産共同組合で執り行われた後に一行は同組合を出発。今年は神輿練りはなく、寄水青年同志会(寄水倶楽部・掛橋寿徳会長)と東新青年同志会(東新倶楽部・玉置功治会長)の会員が樽神輿を担ぎ神社を目指した。
到着後の本殿祭では髙橋宮司が豊漁やコロナ終息などを祈願して祝詞を奏上し、参列者らが玉串をささげた。
掛橋会長は「どこの町でも1年に1回の祭りができずに残念な思いを持っていると思う。皆さまの健康と来年は祭典行事が無事にできることを切に願い、玉串をささげさせていただいた」。
玉置会長は「昨年も台風で神輿ができなかった。倶楽部のメンバーのモチベーションが保っていけるようにしたい。来年こそは祭りや町を盛り上げていけるようにしたい」と語った。
髙橋宮司は「今年は宵宮と本宮をまとめることになったが、今日は天気も良く無事にお祭りができてよかった。総代の方々が朝早くから準備をしていただいたことに感謝している。来年はコロナも収まり、天気にも恵まれ、にぎやかに樽神輿も行いたい。それだけが願いです」と話した。
(2020年10月13日付紙面より)
秋まつりシーズン最盛に (串本町 )
串本町の秋まつりシーズンが最盛の時期を迎えた。今年は新型コロナウイルス感染症を鑑み、神事のみとする神社が大半。代表者参列で氏神への礼を尽くし、来年は例年通り営めることを期す状況が重なっている。
串本町の重心、串本地区を氏子区域とする潮﨑本之宮神社は11日午前10時に式典を執行した。7月26日付で式典以外の行事を中止することを発表し、宵宮の雄々しい宮上り道中をはじめとして本祭日とその前後の区域内をにぎやかす4氏子会の獅子舞奉納や道行きはなし。6月に着任した山本貞夫宮司が神事を担い、各区域の総代らが玉串をささげて今年の礼を神前にささげた。
出雲地区を氏子区域とする朝貴神社も8月初旬に神事のみとすることを申し合わせ。出雲獅子舞保存会の奉納や道行き、高張りちょうちんを伴っての宵宮夜半の宮上りといった行事は中止とした。式典は11日午前9時に執行。坂成正人神主が神事を担い、同地区の平澤正代表区長以下5区の区長と総代らが順次玉串をささげて礼を尽くした。
両神社とも祝詞では新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑みて諸行事を中止した旨を奉告。同感染症の早期収束と氏子区域内で感染がないことを大願の一つに盛り込み、一同で祈願していた。
平澤代表区長(66)は「朝貴神社のお祭りはみんなが楽しみにしていて、区外に出ている出身者も割と集まってくる。このような形になってしまったのはさみしいが、区民皆さんの健勝と繁栄、豊漁は変わらず祈願させていただいた」と話し、来年はまた例年のように営めることを期待した。
和深地区の八幡神社も獅子舞など諸行事を中止しこの日午前10時30分に式典のみ執行。須江区の旧雷公神社宵宮奉納は中止、樫野区の雷公神社も獅子舞や宵宮(例年10月8日)の参拝を中止し、13日(火)に式典のみ営む予定。潮岬地区の潮御崎神社も高張りちょうちんを掲げての宮上りや獅子舞などの行事は中止とし、18日(日)に式典のみ営む予定。
(2020年10月13日付紙面より)
東牟婁地方中体連新人大会
広報キャラバン隊が県内でPR活動 (紀の国わかやま文化祭・県実行委員会 )
「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」が来年10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される。1年後の開催に向け、キャラバン隊メンバーときいちゃんが県内各地でPR活動を実施。7日に紀南地方入りしたキャラバン隊は、新宮市井の沢の熊野新聞社本社を訪れ「県民一丸となって盛り上げましょう」と呼び掛けた。
国民文化祭は、文化活動への参加の意欲を喚起し、地方文化の発展に寄与するとともに国民生活のより一層の充実に資することを目的とする全国規模の文化の祭典。全国障害者芸術・文化祭は全ての障害者の芸術や文化活動への参加を通じて、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的に01(平成13)年から始まった。
わかやま文化祭のキャッチフレーズは「山青し 海青し 文化は輝く」。▽県民総参加で文化力のさらなる向上を目指す▽先人が育んできた文化を継承する▽交流の中で相互理解と新しい文化の創造を促す―を基本方針とし、地域文化の発展や新しい文化の創造へとつながる祭典を目指す。現在、県内で136の事業を予定している。
祭典に向け、実行委員会では県内文化団体や障害福祉関係団体、各市町文化協会により「盛り上げ隊」を発足。県民が作成した折り鶴を使用して「折り鶴アート作品」を制作する「折り鶴プロジェクト」や、盛り上げ隊が県内の学校などに出向き、文化体験を行う「出前体験プロジェクト」、公式ポスターを県内全域の企業や店舗などの協力のもと掲出し、会員制交流サイト(SNS)で発信する「ポスター2021プロジェクト」など、PRを重ね、県民意識の高揚を図るための取り組みを行っている。
地元和歌山を拠点に活動を行う兄弟お笑いコンビ「すみたに」を中心とするキャラバン隊は、きいちゃんと共にラッピングカーで県内各地を訪問。広く広報活動を行っている。21年の開催に合わせ、県内で2021枚のポスターの掲示を目標に8月6日から事業所などを回り、約2カ月で約600枚のポスターを配ってきた。この日は広報ポスターと出来上がったばかりの公式リーフレットを持参し周知を呼び掛けた。
実行委員会では現在、グッズを活用した広報や、文化祭SNS公式アカウントをフォロー・シェアするなどして祭典を盛り上げる広報ボランティアを募集している。
「すみたに」の角谷匡俊(まさとし)さんは「一人一人がサポーターとなって、祭典に向かって県民みんなで盛り上げていけたら」。弟の佳洋(よしひろ)さんは「県民の皆さんに多く知っていただき、共に広報をしていただけたら」と話していた。
広報ボランティアへの応募は11月21日(日)まで。氏名(団体名)、応募人数(団体のみ)、住所、年齢(個人のみ)、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどSNSのアカウントを記入し、FAX(073・423・7120)やメール(kinokunibunkasai2021@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。
(2020年10月11日付紙面より)
田岡市長が要望書を提出
和歌山県紀南地方の7市町村と県は7日、JR西日本(長谷川一明社長)に対して長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の誘致に向けた要望書を提出した。新宮市の田岡実千年市長が代表し、冨本直樹・和歌山支社長に要望書を手渡した。
同社は観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始した。
長距離列車について同市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町の7市町村と県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目。2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきたという。
要望書には、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、また、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れた上で「世界中に新型コロナウイルス感染症の猛威が吹き荒れ、本県の主要産業である観光関連事業は壊滅的な打撃を被り、地域は疲弊している」「地元自治体、観光関係団体・事業者、地域住民とともに地域の多種多様な観光資源を活用し『with コロナ』という新しい生活様式に沿った魅力ある観光メニューの開発や食、おもてなしを用意していく」と盛り込んだ。
田岡市長は提出に当たり「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意するのでぜひとも運行をお願いしたい」。
冨本支社長は「素晴らしい観光資源を持つ紀南地方へ誘致できるように取り組んでいきたい」と述べた。
(2020年10月11日付紙面より)
台風14号は10日午前8時現在、潮岬の南約180㌔にあり、暴風域を伴いながら時速20㌔で北東に進んでいる。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍、最大瞬間風速は40㍍。夜には東海道沖に達し、その後は勢力を弱めながら南へ移動する見込み。
串本町では9日夕方、50代女性が強風にあおられ転倒。左足を骨折する重傷を負った。
また、紀宝町浅里地区では9日夜、大規模な地滑りが発生したが、けが人はなかった。
和歌山、津両地方気象台によると、7日午後2時の降り始めから10日午前5時までの降水量は▽那智勝浦町色川433㍉▽新宮市371㍉▽熊野市新鹿339㍉―などとなっている。串本町潮岬では10日午前6時9分、30・1㍍の最大瞬間風速を観測した。和歌山県によると、新宮市で約30軒、那智勝浦町で約370軒、串本町で約90軒の停電が発生した。
また、9日には倒木に伴い、串本町潮岬の潮岬周遊線が片側通行規制となったが、現在は復旧。同町田原から津荷にかけての国道42号で全面通行止めとなっている。
台風の接近に伴い、JR西日本は10日、特急くろしお号と、きのくに線の運転を一部取りやめ。JR東海は同日の特急ワイドビュー南紀号を全区間、終日運休した。
(2020年10月11日付紙面より)