共同募金チャリティーコンサート (太地町 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)は17日、那智勝浦町市屋の太地町地域福祉センター梛(なぎ)で「赤い羽根共同募金チャリティーコンサート(合同発表会)」を開いた。町内外で活躍する4団体とゲストの美しい合唱や迫力ある演奏で終始会場は盛り上がった。
コンサートは募金に加え、住民らがステージ出演を楽しむ人気の催しで4年目を迎える。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から出演者の家族や関係者のみの公開となり、検温、消毒、マスク着用後の入場となった。
集められた募金は和歌山県の共同募金会に送られた後、50%が配分金として同社協が受け取り、町内4カ所で行うふれあいサロン「いっぷく亭」の事業費やボランティア団体の育成補助、福祉教育推進指定校事業に充てられるという。
トップバッターはコーラスグループの「ピアニッシモ」が務め、誰もが知る童謡を熱唱。「赤とんぼ」などの曲では来場者と共に歌った。続いて、昨年の同コンサートでトリを務めた「笑音風(しょうおんぷ)」が登場。会場の笑いを誘うマイクパフォーマンスに加え、「いとしのエリー」「さらば恋人」などの名曲を披露した。
その後、チーム結成間もない「コスモス」がリコーダーやギターなどで「さんぽ」「さくら色のワルツ」を演奏。熊野地方で活躍するフォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんもゲストとして登場し、トークを織り交ぜながらライブを行った。
今年のトリはハリケーンが務め、「パプリカ」「カントリーロード」などを全力で披露。コンサートを締めくくった。
岡本会長は場所を提供した梛の指定管理者である山永サービスに感謝を述べ、「コロナの影響でイベントが少ない中ですが楽しんでいただけたようで良かった。障害を持つ方々の社会参加の場を設けることができてうれしい」と語った。
(2020年10月21日付紙面より)
地域支え合いフォーラムで堀田力さん (新宮市 )
新宮市役所別館で18日、地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう! わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」があった。新宮市と市社会福祉協議会が主宰。83人の来場者が(公財)さわやか福祉財団の堀田力会長のオンライン基調講演「みんなで支え合うあたたかいまちをつくろう~居場所から有償ボランティアまで~」に耳を傾けた。
さわやか福祉財団は弁護士で元検察官の堀田会長が1991(平成3)年に設立した公益財団法人。新しいふれあい社会づくりを目標に、ボランティア団体の設立や、勤労者や子どもも気軽に活動に参加できる仕組みづくりなど、地域で支え合う仕組みづくりを進めている。
堀田さんは「少子高齢化が厳しくなっても、われわれの生活がもっと楽しくなるような社会でないといけない」としながらも「今までは家族が高齢者を支えてきた。しかし少子化で子どもたちも自分たちの生活で精いっぱい」と問題提起。
高齢化について、「ただ生きている期間が延びたのではなく、元気で生きている期間が延びている」と述べ「元気な高齢者が元気を存分に生かして、家族のような気持ちで助けるしかない。財政や少子化が厳しい状況で楽しく生きていくためにはこの方法しかない」と提言。
「助けてもらう側も安心し、希望が持てる。助ける側も人の役に立つ力があると感じ、人に感謝してもらえる。労力を生かした喜びは人間の本質的な喜び」と話した。
調理や掃除、洗濯などの家事、買い物、外出支援、移動支援など、助け合いのレベルを上げていくためには、有償ボランティアのチームを立ち上げ、団体で取り組む活動が全国的に進んでいると紹介し「新宮市が今までつくってきたサロン活動など平素のつながりの中で困り事を話す機会を設け、話し合いの中で有償ボランティアをつくって広げていくことが重要」と述べた。
助け合いの仕組みづくりのためには生活支援コーディネーターと協議体の力が必要と話し「素晴らしい能力はまだまだこのまちに残っている。能力を存分に生かし、地域づくりに参加を。自分のため、地域のために能力を生かして、助け合いを深めていってほしい」と講演を締めくくった。
(2020年10月21日付紙面より)
国交省「海の教室」に参加 (古座小 )
串本町立古座小学校(貴志純子校長)の6年生13人が16日、国土交通省勝浦海事事務所などが展開する事業「海の教室」に参加し海と人の関わりの一端に触れて関心を培うきっかけを得た。
この教室は、同事務所と紀南海運協会、近畿海事広報協会が主催。青少年の海に対する関心を高める狙いで例年実施していて、本年度はコロナ禍の情勢を鑑みて感染予防対策を講じつつ管内の学校に参加を呼び掛け3校が希望しているという。
古座小は実施2校目で、和歌山県漁業組合連合会勝浦市場、紀の松島観光船、太地町立くじらの博物館を巡る内容。同事務所を代表して堀川裕之次長は「魚類や鯨類だけでなく、海に関わる人の姿にもしっかりと目を向け、鑑賞とは違う観点で勉強してほしい」とあいさつをして参加を歓迎し、児童を代表して森海咲さんは「今日はとても楽しみにして来ました。たくさん学んで帰りたいのでよろしくお願いします」と応えて教室を始めた。
同市場では県漁連の中村博行さんが水揚げが盛んなマグロについて紹介。水揚げされるマグロや混獲される魚の種類、それらの釣法であるはえ縄漁法の概要などを伝え、児童は同市場の見学フロア「展望スペースTUNAGOOD(つなぐ)」から水揚げされたマグロなどの出荷の様子を眺めつつ背景にある漁場環境や人の営みにまで考えを巡らせるなどした。
その後は紀の松島観光船で太地くじら浜公園へ移動。同博物館でイルカやクジラのショーを鑑賞し、館内見学や今川恵学芸員による講座を通して校区内にある旧古座浦に発展をもたらした鯨類や捕鯨について考えた。
実施1校目は新宮市立高田小学校〈全校〉で今月2日に参加。同3校目は古座川町立明神小学校〈2~6年生〉で23日(金)に参加する予定。
(2020年10月21日付紙面より)
8カ月ぶりに山歩き部会 (紀宝町 )
紀宝町山歩き部会は18日、同町浅里で「浅里の里山ウオーキング」を開催した。13人が参加し、飛雪の滝周辺の遊歩道を歩いた。
秋から春まで6~8回にわたり、登山初心者から上級者まで楽しめるコースメニューを検討しており、今年は「地元ガイドと歩こう!」をテーマに設定。新型コロナウイルスの影響で2月から休止してきたが、検温、手指消毒、マスク着用といった感染対策を取った上で8カ月ぶりに開催した。
今回は山歩きを始めた初心者を対象にしたコースで、同部会世話人の福田将志さんが案内。案内看板に載っていない知られざる名所なども紹介した。
遊歩道は飛雪の滝から浅里城跡、二の滝などを巡り、展望台までの約2㌔。参加者は飛雪の滝キャンプ場を出発し、渓流沿いの遊歩道を歩きながら、水の流れる音や鳥のさえずりを聞きながら、のんびりと約4時間の散策を楽しんだ。
次回は、11月8日(日)に熊野古道中辺路(牛馬王子~近露王子)の山歩きを計画しているという。
(2020年10月21日付紙面より)
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が15日午前、秋晴れの空の下「本殿大前ノ儀」で厳かに幕を開けた。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から一般参列を呼び掛けず、神職と神社関係者のみで斎行。検温や手指消毒、マスク着用などの対策を講じ、祭事に挑んだ。
上野宮司の祝詞奏上の後、2人の巫女(みこ)が世界遺産登録記念御神楽の「神なぎの舞」を奉奏。参列者が玉串を奉奠(ほうてん)した。午後からは神馬渡御式(しんめとぎょしき)が営まれ、神馬と一行が阿須賀神社までの道のりを渡御した。
例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船で御船島を廻る「神輿渡御式」からなる。
大前ノ儀を終えた上野宮司は、参列者に対し「今年は世界にわたって災害が多く、また疫病のまん延に心を痛めている。しかし、この国には四季折々の祭りがあり、支えてくれる人がいる。昔からの思いを今に伝えてくれている」とあいさつ。
「過去にも苦しみや困難はあったが、乗り越えて今がある。今年も奉仕できる大きな喜びをかみしめている」と述べた。
16日(金)の神輿渡御式は午後1時30分から。同2時30分ごろから、朱塗りの神幸用船、諸手船(もろとぶね)、斎主船がゆかしく御船島を廻(まわ)る御船祭が行われる。新型コロナ感染拡大防止のため、早船競漕(きょうそう)は中止となっている。
(2020年10月16日付紙面より)
山林火災を想定し訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は14日、同町の那智高原公園で和歌山県防災航空隊(以下、航空隊)と連携訓練を実施した。同本部管内での山林火災事案を想定し、両機関は連携を深めながら訓練に汗を流した。
訓練は毎年行われており、山林内の活動困難な場所で発生した各事案に対し両機関合同で活動を展開。連携強化を図ることが目的。昨年は山林内の活動困難な場所での救助事案を想定し訓練した。
今回は那智高原での山林火災に対し、地上隊を組織する同本部が航空隊に出動を要請。地上隊は同公園内の池に小型ポンプを設置後、2班に分かれて航空隊所有のヘリ「きしゅう」のタンクへ給水を行い、別班は地上から火災箇所に向けてホースを用いて放水した。
一方、ヘリは離陸し、空中から500㍑の水を散水し消火訓練に励んだ。両機関は同様の内容の訓練を3回実施した。
航空隊の松下正副隊長は「同様の訓練は県内の消防とも実施している。普段から連携を取ることで実際に発生した際には地上隊と迅速な活動ができると思っている。航空隊も連携することで自分たちが不足している部分を補う材料になるので今後も継続していきたい」と話した。
関谷善文消防署長は「火災が増えるシーズンを前に航空隊との訓練できたことは有意義なものになった。大規模火災や山林火災の発生の際は航空隊との連携は不可欠となる。訓練を通じて町を守っていきたいと思います」。
今後の防火への取り組みとして「11月に子どもたちと共に防火パレードを行う。町内の放送でも啓発を行うので防火意識を高めていただけたら幸いです」と語った。
(2020年10月16日付紙面より)
見守り隊と紀宝署が合同啓発 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は15日、町内4カ所で啓発活動を実施。同町鵜殿の主婦の店では紀宝警察署、紀宝地区防犯協会などと合同で行い、隊員と警察官ら計11人が来店者に啓発チラシを配布し、災害に便乗した詐欺や侵入犯罪に注意するよう呼び掛けた。
見守り隊は毎月1回、啓発活動を展開。今月は全国地域安全運動(11~20日)の一環として行った。運動は地域安全活動を強化することで、安心して暮らせる地域社会の実現を図ることが目的で、同署は「住宅侵入犯罪の被害防止」を重点に掲げた。
参加者は、詐欺の手口を載せたチラシや運動を周知するリーフレット、「ストップ!侵入犯罪」などと記した啓発物品を配布。台風や地震など自然災害に便乗した悪質業者に注意するよう求めた。
紀宝署によると今年に入り、管内で特殊詐欺はないものの、県内では101件、約2億6480万円の被害が発生し、昨年同期より34件、約1億5770万円増加した。
預貯金、キャッシュカード、架空請求の各詐欺が多く、架空請求詐欺(24件)は約1億4940万円に上るという。生活安全刑事課の一海孝治警部補は「不審な電話やメール、はがきが届いたときは一人で考えず、家族や警察などに相談してください」と話していた。
(2020年10月16日付紙面より)
清水建設の寄贈受け田原小 (串本町 )
串本町立田原小学校(野端則久校長、児童14人)が14日、自分のペットボトルロケットを作って飛ばす授業に取り組んだ。清水建設株式会社(井上和幸取締役社長)が寄贈した製作キットを使って全校児童がマイロケットを手作り。何度も飛ばし、みんなで上手に飛ばす方法を考えるなどした。
田原地内で小型ロケット射場の建設を担う同社の現場事務所が同校へ寄贈を申し出たのが、この授業実施のきっかけ。同事務所と同校の橋渡し役を担う同社の監理技術者・中島正暁さんによると、田原小との交流は昨年12月の現場招待以来2回目で「次はどのような交流をするか」を社員で話し合う中でペットボトルロケットを飛ばす体験を託すことを思いつき、さっそく会社に相談して許可をもらい同校へ寄贈を申し出たという。
同校は同町のロケット推進室に事前相談して申し出を受けることを決め、このほど同キット20個などを受け取った。中島さんから「授業の中で活用してほしい」と希望があり、5、6年生担任の西洋子教諭を軸にしてこの授業を計画したという。
当日は同事務所を代表して見学をしに訪れた中島さんに真っ先に感謝して授業を開始。児童はあらかじめ飾り付けたペットボトルに同キットを組み合わせてマイロケットを仕上げ、授業時間が許す範囲で何度も飛ばし続けた。
児童が手作りしたペットボトルロケットは、空気の圧力で噴き出す水のエネルギーを推進力にして飛ぶ仕組み。飛ばすのは4年生の時以来だという荒木野乃子さん(6年)は「最初は入れた水の量が多くてうまく飛ばず、少ない方がよく飛ぶと分かって勉強になった。また挑戦してみたい」と感想を語った。
(2020年10月16日付紙面より)
広報キャラバン隊が県内でPR活動 (紀の国わかやま文化祭・県実行委員会 )
「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」が来年10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される。1年後の開催に向け、キャラバン隊メンバーときいちゃんが県内各地でPR活動を実施。7日に紀南地方入りしたキャラバン隊は、新宮市井の沢の熊野新聞社本社を訪れ「県民一丸となって盛り上げましょう」と呼び掛けた。
国民文化祭は、文化活動への参加の意欲を喚起し、地方文化の発展に寄与するとともに国民生活のより一層の充実に資することを目的とする全国規模の文化の祭典。全国障害者芸術・文化祭は全ての障害者の芸術や文化活動への参加を通じて、障害者の自立と社会参加の促進に寄与することを目的に01(平成13)年から始まった。
わかやま文化祭のキャッチフレーズは「山青し 海青し 文化は輝く」。▽県民総参加で文化力のさらなる向上を目指す▽先人が育んできた文化を継承する▽交流の中で相互理解と新しい文化の創造を促す―を基本方針とし、地域文化の発展や新しい文化の創造へとつながる祭典を目指す。現在、県内で136の事業を予定している。
祭典に向け、実行委員会では県内文化団体や障害福祉関係団体、各市町文化協会により「盛り上げ隊」を発足。県民が作成した折り鶴を使用して「折り鶴アート作品」を制作する「折り鶴プロジェクト」や、盛り上げ隊が県内の学校などに出向き、文化体験を行う「出前体験プロジェクト」、公式ポスターを県内全域の企業や店舗などの協力のもと掲出し、会員制交流サイト(SNS)で発信する「ポスター2021プロジェクト」など、PRを重ね、県民意識の高揚を図るための取り組みを行っている。
地元和歌山を拠点に活動を行う兄弟お笑いコンビ「すみたに」を中心とするキャラバン隊は、きいちゃんと共にラッピングカーで県内各地を訪問。広く広報活動を行っている。21年の開催に合わせ、県内で2021枚のポスターの掲示を目標に8月6日から事業所などを回り、約2カ月で約600枚のポスターを配ってきた。この日は広報ポスターと出来上がったばかりの公式リーフレットを持参し周知を呼び掛けた。
実行委員会では現在、グッズを活用した広報や、文化祭SNS公式アカウントをフォロー・シェアするなどして祭典を盛り上げる広報ボランティアを募集している。
「すみたに」の角谷匡俊(まさとし)さんは「一人一人がサポーターとなって、祭典に向かって県民みんなで盛り上げていけたら」。弟の佳洋(よしひろ)さんは「県民の皆さんに多く知っていただき、共に広報をしていただけたら」と話していた。
広報ボランティアへの応募は11月21日(日)まで。氏名(団体名)、応募人数(団体のみ)、住所、年齢(個人のみ)、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどSNSのアカウントを記入し、FAX(073・423・7120)やメール(kinokunibunkasai2021@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。
(2020年10月11日付紙面より)
田岡市長が要望書を提出
和歌山県紀南地方の7市町村と県は7日、JR西日本(長谷川一明社長)に対して長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の誘致に向けた要望書を提出した。新宮市の田岡実千年市長が代表し、冨本直樹・和歌山支社長に要望書を手渡した。
同社は観光を中心とした西日本エリアの活性化のため、9月11日から山陰方面に長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運行を開始した。
長距離列車について同市、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、北山村、串本町の7市町村と県は「西日本地域の鉄道を利用した旅行として新たな観光の起爆剤になるのでは」と注目。2018年4月から意見交換会や勉強会を開催してきたという。
要望書には、南紀熊野ジオパークや熊野信仰、古式捕鯨、筏(いかだ)流し、世界遺産、また、串本町における国内初の民間ロケット発射場の建設などに触れた上で「世界中に新型コロナウイルス感染症の猛威が吹き荒れ、本県の主要産業である観光関連事業は壊滅的な打撃を被り、地域は疲弊している」「地元自治体、観光関係団体・事業者、地域住民とともに地域の多種多様な観光資源を活用し『with コロナ』という新しい生活様式に沿った魅力ある観光メニューの開発や食、おもてなしを用意していく」と盛り込んだ。
田岡市長は提出に当たり「当地域の観光資源を活用し、現在運行している山陰地方に負けないおもてなしを用意するのでぜひとも運行をお願いしたい」。
冨本支社長は「素晴らしい観光資源を持つ紀南地方へ誘致できるように取り組んでいきたい」と述べた。
(2020年10月11日付紙面より)
台風14号は10日午前8時現在、潮岬の南約180㌔にあり、暴風域を伴いながら時速20㌔で北東に進んでいる。中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍、最大瞬間風速は40㍍。夜には東海道沖に達し、その後は勢力を弱めながら南へ移動する見込み。
串本町では9日夕方、50代女性が強風にあおられ転倒。左足を骨折する重傷を負った。
また、紀宝町浅里地区では9日夜、大規模な地滑りが発生したが、けが人はなかった。
和歌山、津両地方気象台によると、7日午後2時の降り始めから10日午前5時までの降水量は▽那智勝浦町色川433㍉▽新宮市371㍉▽熊野市新鹿339㍉―などとなっている。串本町潮岬では10日午前6時9分、30・1㍍の最大瞬間風速を観測した。和歌山県によると、新宮市で約30軒、那智勝浦町で約370軒、串本町で約90軒の停電が発生した。
また、9日には倒木に伴い、串本町潮岬の潮岬周遊線が片側通行規制となったが、現在は復旧。同町田原から津荷にかけての国道42号で全面通行止めとなっている。
台風の接近に伴い、JR西日本は10日、特急くろしお号と、きのくに線の運転を一部取りやめ。JR東海は同日の特急ワイドビュー南紀号を全区間、終日運休した。
(2020年10月11日付紙面より)
熊野川町でデマンドタクシー出発式 (新宮市 )
新宮市熊野川町日足の熊野川行政局で9月30日、1日から運行を開始するデマンドタクシーの出発式があった。田岡実千年市長をはじめ同町区長連絡協議会の下阪殖保会長、タクシーを運行する熊野第一交通株式会社の麥田(むぎた)幹男取締役所長らが出席。テープカットを行い、町民の新しい交通手段の導入を祝った。
同町におけるデマンドタクシーの導入は、民間事業者の路線バスをはじめ行政バスの利用実績が少ないといった現状を鑑みたもの。高齢化が進み、エリアの広い同町において、日常生活における移動手段の確保が課題となっており、住民からは「便数が少ない」「バス停まで遠い」「運賃が高い」などの意見が上がっていた。
市では町民にヒアリングやアンケート、住民説明会などを重ね、事前予約制の乗り合いタクシーの導入を決定。運賃は1回(片道)100円均一で、同町内全域および一部町外(高津橋バス停、熊野市役所紀和庁舎)を1日最大8便運行する。デマンドタクシー導入に伴い、路線バス(玉置口線、篠尾線)、行政バス、熊野川診療所送迎(敷屋方面)は廃止となっている。
開式に当たり、田岡市長が「高齢化が進む中、日常生活における移動手段の確保は大変重要な課題。運行開始後も住民の皆さまのお声をお聞きし、より良いものとなるよう適宜改善していきたい」。
デマンドタクシー導入は新たな公共交通の幕開けとし「住民の皆さまが心豊かで元気に暮らせるよう、今後もまちづくりを進めていきたい」と述べた。
下阪会長は「住民が育てる形で、地域に密着したタクシーであってほしい。住民、市、社協が協力し合うことですばらしいタクシーになると思っている」と期待を込めた。
麥田取締役所長は「デマンドタクシー導入はコロナ禍の中において画期的な企画であり、地域の方々にとっても大きな喜びとなる」と述べ、地域住民に対し、新型コロナ対策としてマスク着用への協力と飲酒時の利用を控えるよう呼び掛けた。
テープカット後には走行デモンストレーションがあり、住民らを乗せたタクシーが行政局を出発。タクシーに乗車した同町椋井在住の森靜子さん(80)は「一人暮らしの高齢者が多い中、みんな喜んでいます。買い物にも行きやすく生活も便利になると思う」と話していた。
(2020年10月2日付紙面より)
新宮信金が熊野修験に浄財寄贈 (那智勝浦町 )
新宮信用金庫(浦木睦雄理事長)の有志役員や職員ら約100人で組織される「新宮しんきん世界遺産応援募金会」は9月30日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺の信徒会館で同会が集めた浄財の寄贈式を開いた。寄贈を受けた同寺の髙木亮英副住職は「後世に伝承していくために浄財を役立てたい」と感謝を述べた。
同会は世界遺産に登録された地元熊野の環境保全を目的に2004(平成16)年9月に設立された。メンバーは毎月募金を行い、年1回、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の維持や管理、広報、関連する団体などの支援を行っている。
各支店の管轄地域内から推薦団体などを挙げて決定するもので、今回は勝浦支店が推薦した「熊野修験」代表世話人の髙木副住職が選ばれた。
平安時代より、那智の滝や大峰を修行の場として、山伏が山や谷を越えて修行を行う熊野修験。1988(昭和63)年に熊野修験を再興させた髙木副住職は「今日、われわれがこうして生きていられるのも山伏のおかげ。途絶えさせてはならない」という思いで活動し、熊野信仰を全国や後世に広めるために毎年、修行に取り組んでいる。
寄贈式には和平幸勝常勤理事や地域サービス部の芝和樹さん、羽根洋一勝浦支店長と同店の大江和貴さんが出席。
羽根支店長は「役職員一人一人の思いのこもった支援金を、熊野修験のさらなるご発展、活動の広まり、後世への継承にお役立ていただきたい。『蟻(あり)の熊野詣で』のようなにぎわいが再び復活することを願いながら今後も世界遺産の保全などへの支援を継続してまいります」と話した。
髙木副住職は山岳信仰の始まりやこの地域が日本第一霊験所であること、明治時代の廃仏毀釈や神仏分離、修験道廃止令により熊野修験も途絶えたと説明し「熊野修験を復活させてから33周年を迎えた年に貴重な浄財を頂き、非常にありがたく、感謝しております」と語った。
(2020年10月2日付紙面より)
仮移転先で開館を再開 (串本町図書館 )
串本町図書館(池田三明館長)が1日、仮移転先の地域保健福祉センター(町立体育館そば)で開館を再開した。開館時間は午前9時~午後5時15分で、休館日は月曜日と祝祭日など。池田館長は仮移転を機により現代的に活用してもらえる形に近づけたいと意気込んでいる。
串本小学校そばの旧施設から仮移転するため、8月から休館していた同図書館。8月末の同センター内改修完了と同時に蔵書の移設を進め、当初目標とした期日通りに再開へこぎ着けた。
同センター1階のロビーと旧空き室(食堂や厨房)が図書館フロアとなっていて、ロビーに児童図書コーナーと事務所、空き室に一般図書・郷土資料コーナーを配置。書棚の一部は旧施設から引き継いだが、明るい色調の紀州材の書棚も新調して取り入れて雰囲気の演出も図っている。
同館の蔵書規模は約4万9000冊で、うち7割ほどを書棚へ。旧施設で試行していた蔵書検索システムも、再開に合わせて本稼働している。リニューアル記念で蔵書168冊を新規購入。10日(土)には月例のおはなし会も再開し、初動に弾みをつけるという。
同センター玄関も木材装飾で柔らかみがある雰囲気に。池田館長は「フロアの明るさ、交通利便、駐車場も含めて仮移転としてはベストな形に落ち着いたと思う。図書館は貸し出しだけでなく、親子で訪れて本に親しみ関係を深めるといった利用もできる。今後の本移転の弾みとすることも意識し、再開を機に多くの皆様にご活用いただけるよう今後も頑張りたい」と気持ち改まるところを語った。
問い合わせは同館(電話0735・62・4653)まで。
(2020年10月2日付紙面より)
老ク連200人が奉仕活動 (新宮市 )
新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)は「老人の日・老人週間」の全国一斉奉仕活動に合わせて9月30日朝、蓬莱テニスコート周辺や浮島の森駐車場など市内の26カ所を清掃した。連合会の26団体、約200人が参加した。
清掃奉仕は「花のある町、ゴミのない町」をテーマに実施。美しい環境で公共施設を利用してもらおうと、草引きやごみ拾いの活動を毎年行っている。
同市神倉の県立新宮高校旧校門前では西道楽天会(河上政方会長)のメンバー約20人が周辺の草を引き、手分けして紙くずや落ち葉、空き缶を拾うなどして汗を流した。
河上会長は「風が強かったため落ち葉の量は多かったですが、紙くずやたばこの吸い殻が格段に少なくなったと思います。今後も意識を持って、地域全体できれいな町を保っていければ」と話していた。
(2020年10月2日付紙面より)