初の地域公共交通フェス (那智勝浦町 )
「那智勝浦町地域公共交通フェス2024」が23日、同町の体育文化会館で初開催された。子どもから大人まで多くの町民が集まり、少子高齢化や人口減少、自家用車の普及などさまざまな課題に直面する地域公共交通の現状や、課題に対しての今後の取り組みを考える機会とした。
那智勝浦町、同町地域公共交通活性化協議会主催。同協議会は地域公共交通の維持・活性化を目的に、行政、民間交通事業者、地域住民らで2023年4月に設立。町内6地域との意見交換や観光客らへのアンケートで、今後の方向性を探ってきた。22日の第4回協議会で「町地域公共交通計画」を承認し、来年度より5カ年で着手する。
今後計画を進めるに当たり、町全体で現状認識を共有する場をつくろうと、フェスを企画。和歌山大学きのくに線活性
化プロジェクト(きの活)、きのくに活性化センター、熊野御坊南海バス株式会社、JR西日本和歌山支社、紀勢本線活性化促進協議会・新宮白浜区間部会などが協力した。
協議会副会長で和歌山大学の西川一弘教授による講演では、持続可能な交通の価値を再考。「移動なくして生活はなく、交通が衣食住を支えている。日本では、宅地やレジャーランド造成と合わせたビジネスで交通を考えてきた歴史があるが、海外では道路と同じ社会インフラとして捉える国もある」と言及。免許のない高校生や高齢者だけでなく、飲酒やけが、寝不足、車の故障などで、誰もが移動制約者になりうるとし、幅広い価値で公共交通を捉える必要があると力説した。
今後に向け「地区内の輸送は住民組織による『助け合い輸送』で担い、地区外や幹線へはバスやタクシー、鉄道が担うという役割分担が重要になるのでは。『2024年問題』で物流の担い手不足が深刻化する中、全国的にも面白い事例になる可能性がある」と語った。JR西日本和歌山支社の松田彰久副支社長による講演もあった。
会場では和歌山大学の学生によるプラレールで遊ぼうコーナーに子どもたちが集まり、軌陸車の展示や踏切の非常停止ボタン体験、バスの乗車体験も人気だった。
(2024年3月26日付紙面より)
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佐田で「桜フェア」始まる (古座川町 )
古座川町佐田で23日、イベント「桜フェア」が始まった。4月7日(日)までの実施で、期間中はちょうちんを飾り午後6時~9時に点灯。花盛りの多客に合わせて桜の広場一帯での出店も予定されている。
このイベントは桜まつり実行委員会主催。コロナ禍前まで開いていた「桜まつり」に代わる企画で、ちょうちん設置はそのまま継承し出店は期間内で複数日出していい内容となっている。
経年劣化で資材が年々減っているが、ちょうちんは今年も役場佐田出張所~桜の広場間に設置。19日に区民有志や古座川ゆず平井の里役員、役場や町観光協会の若手計11人が手分けして電線を張り、電球部分にちょうちんをつり飾った。
出店は事前登録制となっていて、今年は▽モノリスキッチンカー▽古座川ゆず平井の里▽YOCCO▽上田農園▽ご縁坐▽ふるさとキッチン福ちゃん▽梅乃家―が日取りを選んで出店する。期間中の水、木曜日以外は出店予定があり、休みで人が動きやすい土、日曜日は3~6店舗の予定が入っている。品目は軽飲食が主で、土産品や革小物も並ぶ。
七川ダム湖畔は日本さくら名所100選に選ばれている、紀伊半島南部を代表するソメイヨシノの観賞スポットの一つ。駐車場は桜の広場とおおじゃの森の2カ所が無料開放されている。23日現在、ソメイヨシノはおおむね開花前だが、下流の一枚岩周辺ではすでに咲き進んでいて、期間中盤から終盤が見頃となりそうな状況だ。
昼夜の花見は各自で自由にしてもらう形となっている。問い合わせは同実行委員会(電話0735・67・7901、町地域振興課内)まで。
(2024年3月26日付紙面より)
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小椋久美子さん バドで交流 (熊野市 )
三重県川越町出身で、北京五輪バドミントン女子ダブルス代表の小椋久美子さんを招いてのスポーツ講演会と交流会が23日、熊野市文化交流センターであった。交流会では、子どもたちと笑顔でラリーし、世界を舞台に戦った強烈なスマッシュも披露した。
小椋さんは、1983年生まれ。8歳でバドミントンを始め、2002年全日本総合バドミントン選手権シングルスで優勝。「オグシオペア」として活躍し、08年の北京五輪では5位入賞、全日本選手権5連覇を達成して10年に引退した。現在は、子どもたちへの指導を中心にバドミントンを通じスポーツの楽しさを伝える活動を行っている。
「失敗を成功に導く心の持ち方」をテーマにした講演会では、「技術力がない代わりに丁寧なプレーを心がけた。プレッシャーに弱くて、自信を持つために誰よりも練習した」と19年間のバドミントン人生を振り返り、「弱点を違う角度から見て、自分の武器を探すことが逆転の発想。自分が積み上げたものにうそはない。今の姿が全て。自分を認め、信じてほしい」と伝えた。
「周りの励ましや、視点を変えることで壁を乗り越えることができた。失敗から学んだことがたくさんある。失敗を失敗で終わらせないことが大切」と語った。小学校時代のスポーツ少年団でバドミントンの楽しさを知り、全国大会で、後にコンビを組む潮田玲子さんに完敗したことを明かした。
「中学時代は玲ちゃんに勝てなくて、全国3位を目標にした。達成してうれしかったが、目標以上の結果は出ないことに気付いた」と話し、自分が成長したと思える目標を立てることにしたという。
潮田さんとのコンビでスランプになった時「全く違う性格の2人が、相手のことを理解することで勝つ近道になることに気付いた」と語った。
「オリンピックは空気感が独特で、緊張で頭が真っ白になった。みんな、いろんなものを背負っていた」と体験を交え、「夢が目標になると行動も変わる」と説いた。
(2024年3月26日付紙面より)
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市役所別館で生涯学習演劇会 (新宮市 )
新宮市教育委員会は23日、市役所別館で生涯学習演劇会を開いた。岐阜県岐阜市を拠点に活動する「劇団風の子中部」が芝居「ぱらりっとせ」を上演。市内在住の子どもやその保護者など約70人を楽しませた。
劇団風の子は「日本の未来は子どものことを考えることから」との思いから1950年に東京都で創設した。同中部は2010年に誕生。東海地方をはじめ、国内外で新たな創造を発信している。
この日は、お手玉、竹馬、風車などの昔遊びや、わらべうたを織り交ぜた演劇「はなさかこぞう」を披露。来場者は物語の世界に夢中となり、テンポの良いせりふ運びや役者の力強い動きなどに笑顔を見せ大きな拍手を送った。
最後は劇団員に教わりながら、岐阜県郡上市八幡町の盆踊りで伝統的に受け継がれている郡上踊りを楽しんだ。
鑑賞した林里緒ちゃん(5)と玉井栞里さん(7)は「近くで劇を見たのが初めてだったので迫力があり、楽しかった。和傘の踊りがきれいでよかった。また来てほしい」と話していた。
(2024年3月26日付紙面より)
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第200回職場対抗ボウリング大会
太地町教委第3回大会
新宮道場で剣道体験会 (新宮剣友会 )
移動支援や免許返納促進 (新宮市 )
新宮市が自動車の運転免許を持っていない75歳以上の高齢者などにタクシー券を配布することが、市議会での予算の成立により決まった。金額は1人当たり1万2000円分。4月から対象者に申請書の送付を行う予定という。
移動手段のない高齢者などへの支援や、運転免許返納の促進を目的とした取り組み。新宮市は高齢化率が2月末の時点で38・87%に達した「超高齢化社会」となっており、安全面を考えればなるべく高齢者に運転免許を返納してもらうのが望ましい。
しかし都市部と比べ、列車やバスなどの公共交通網が未発達なため、高齢者も自動車がなければ生活が困難で、運転免許を返納しづらい実情がある。旧市外はなおさらで、山間部は買い物や通院も自動車なしでは不便極まる。これらの解決の一助になればと市は事業実施を決めた。
対象は具体的には、新宮市内に在住(施設入所者を除く)する75歳以上で、最初から運転免許を持っていない人。または全年齢で、すでに運転免許証を返納したことを示す書類がある人となる。さまざまな事情で運転免許を返納した若年者にも考慮し、年齢に下限は設けず書類があれば対象と認めるという。
ただ市は、市内在住の75歳以上は把握しているものの、返納済みも含めた運転免許の有無は把握していない。このため、申請書は75歳以上の市内在住者全員に送る予定という。6000人から7000人ほどいるため時間がかかるが、担当課は「6月までには送りたい」と考えている。75歳未満の免許返納者に関しては、基本的に窓口での申請となる。
タクシー券は来年3月末まで使える。市内で営業する全てのタクシー会社で利用できる。500円もぎりの24枚券となる。
(2024年3月24日付紙面より)
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三上幸夫教授が講演 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立温泉病院で19日、広島大学病院リハビリテーション科の三上幸夫教授による講演会「令和6年能登半島地震における災害リハビリテーション医療~広島JRATの活動と今後の課題~」があった。新宮・東牟婁の市町村と県から保健師ら約40人が出席し、被災地支援におけるリハビリ視点の重要性を学んだ。
温泉病院と、院内に設置されている和歌山県立医科大学のリハビリテーション・スポーツ・温泉医学研究所が主催。日本災害リハビリテーション支援協会(JRAT)は、リハビリの観点から避難所の環境アセスメントや、生活不活発病、災害関連死の予防を行うチーム。三上教授はその一員として、1月に能登半島地震の被災地で活動した。
三上教授はJRATの結成経緯について「阪神・淡路大震災後には拠点病院や広域搬送ネットワークの整備が進められたが、2011年の東日本大震災では、長引く避難所生活で精神的に病んだり、身体機能が衰えてしまったりする方が多く出た。体や心のケア、保健医療の重要性が見直されて発足した」と説明。「救命救急を担う災害派遣医療チーム(DMAT)とは逆に、JRATは被災者が地域社会に戻っていくのを支援する『出口戦略』を担う」と述べた。
能登半島地震の被災地について「医師や理学療法士、作業療法士などのチームで現地入りした。目立つけががなくても、身体の活動面に着目すると『避難中に膝を打って立てない』『片付けで腰が痛くて動けない』と圧迫骨折や腱板(けんばん)断裂が疑われる方、コルセットやつえが必要な方が多くいた」と言及した。
石川県輪島市門前町で実施した▽起き上がれるか▽立ち上がれるか▽片足立ちできるか―を基準としたリハビリ視点のトリアージ手法も紹介した。
課題面として、JRATの存在や意義が十分認知されていなかったことや、被災地における福祉用具・義肢装具の入手の困難を挙げ「逃げることも大切だが、逃げきった方々にいかに地域社会に戻っていただくのか、災害関連死をどう防ぐのか。今後のため、和歌山県のJRATのことも知っておいてほしい」と呼びかけた。
堀順一郎町長は「保健師だけでなく、多くの方に理解いただく必要がある話。その第一歩」と話していた。
(2024年3月24日付紙面より)
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観世流 武田友志さん (熊野速玉大社 )
観世流能楽師の武田友志さんの歌と舞の奉納が20日、熊野速玉大社(上野顯宮司)であった。約20人が見守る中、古来より伝わる歌と舞を披露した。
武田さんは、重要無形文化財総合指定保持者で、26世宗家観世清和、父武田志房に師事。3歳で鞍馬天狗(てんぐ)「花見」で初舞台、海外公演にも多数参加し、小中学校生や外国人、初心者のためのワークショップなど、能の普及活動にも努めている。同大社では7年ほど前に能を奉納したことがあるという。
今回は前日に熊野那智大社で奉納したほか、那智勝浦町下和田の大泰寺で能の体験教室を開いていた。熊野速玉大社ではまず、拝殿で参拝。上野宮司はあいさつで、「新宮」の由来や熊野三神の来臨、熊野速玉大社の創始などを説明し「神様の大きな力を頂きよみがえる、熊野信仰に思いをはせながら奉納をいただければ」と話した。
奉納は同大社の双鶴殿で行われた。武田さんは能の歴史や能楽の構成、能面などを解説。「能面をゆっくりと下や上に向けて表情をつける。世界で顔で演技をしない芸能はなかなかない」などと話した。
この後、能の「高砂」と「羽衣」の歌や舞を披露。武田さんは低い声を響かせ、また扇を手にゆっくりと力強く舞った。参加者は静かに観覧し、盛んな拍手で称賛していた。
市内から訪れた50代女性は「能は神社で奉納しているのを見たことがあったが、ちゃんとゆっくりと見たのは初めて。近くで見られて良い経験をさせてもらった。興味深い話もされていて、今後も見てみたいと思った」と話した。
(2024年3月24日付紙面より)
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鵜殿3組自主防災会が設置 (紀宝町 )
南海トラフ巨大地震に備えて、紀宝町鵜殿の鵜殿3組自主防災会(森倉賢一郎会長)は22日、地区内に地震・津波発生時の迅速な避難を呼びかける看板を設置した。
330世帯が所属する鵜殿3組自主防はこれまで、津波一時避難場所近くの高台に防災備蓄倉庫を建設、避難訓練の開催やチラシ配布などで、防災に努めてきた。
今回、多くの区民の目に付くよう、住宅地と道路沿いに看板を設置。「地震 津波 すぐ逃げろ」などとともに、家族が避難するイラストを添えた。
「1秒でも早く海抜20㍍を目指して避難してください」「家の耐震補強や家具の転倒防止を」「約1週間分の水・食料を自分で準備して」「避難場所や避難路を何度も確認して」などと記し、地震・津波への備えも呼びかけている。
看板は縦90㌢、横130㌢。鵜殿地区で新宮紀宝道路紀宝南ランプ他改良工事を請け負うユウテック株式会社(有城和哉代表取締役)が地域貢献の一環で協力し、4枚作成した。現在、2カ所に設置しており残り2枚も今後、取り付けるという。
ユウテックは防災備蓄倉庫の周辺整備にも協力しており、森倉会長(73)は「大変ありがたい」と感謝し「看板が地震・津波に対する防災意識向上につながれば」と期待を寄せていた。
(2024年3月24日付紙面より)
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クマノザクラの観察会
一般社団法人日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)の主催による「春の観察会」が16日、那智勝浦町天満の熊野古道駿田峠の加寿(かす)地蔵尊付近の広場であった。約30人が参加、クマノザクラの発見・発表者である勝木会長より、特徴や見分け方などを学んだ。
同所はクマノザクラが多数自生しており、これほど気軽に間近で観察できる場所はないという。開花のピークはすでに過ぎていたが、遅い個体はまだ咲いていた。
勝木会長はクマノザクラについて「ヤマザクラの変異かと思われていた。那智勝浦町湯川の民家の裏山で花が赤っぽいサクラがあるのを見つけ、今まで見たことがないと調査し、2018年に新種と発表した」と話した。
命名について「いろいろ案が出たが、クマノザクラが言葉として言いやすい」。分布について「熊野や奥吉野、主に熊野川流域に自生している」。開花期について「ソメイヨシノよりちょっと早い時期に咲く」などと伝えた。
他種との見分け方について「花序や花序柄の構造を見るのが大きなポイント」「一つの芽から二つの花が付くものが多い」「花序柄は比較的短いのが特徴」「苞(ほう)は幅広の三角形」などと紹介した。
この後、いずれも花が付いたヤマザクラ、ソメイヨシノ、オオシマザクラ、エドヒガン、クマノザクラの枝を並べ、それぞれの特徴を解説。「クマノザクラはつぼみが濃いピンク色。この色合いは他ではなかなか見ない。個人的には、この上品さは他にはないと思う」などと語った。
参加者は、目の前でそれぞれの特徴を聞き、手持ちのカメラやスマートフォンで写真を撮るなどしていた。質疑応答も盛んに行われた。
熊野市から参加した、地域おこし協力隊の矢島朱莉(あかり)さん(29)は「難しい講義かもと思っていたが、分かりやすくて楽しく勉強できた。ソメイヨシノしか身近になく、クマノザクラはこっちに来て初めて見た。きれいだなと思った。今後は今日聞いたことを意識しながら見てみたい」と述べた。
(2024年3月19日付紙面より)
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国際ワークショップ開催 (那智勝浦町 )
世界17カ国から掘削科学の研究者ら約150人が集う「国際科学掘削の次期国際計画に係る国際ワークショップ」が18日~20日(水・祝)、那智勝浦町の体育文化会館などで開催されている。17日には参加者の親睦のため、事前のガイド付き町歩きツアーや夕食会があった。
国際深海科学掘削計画(IODP)は、海底下の堆積物や岩石を掘削し、地球の歴史などを解明する多国間科学研究共同プログラム。2024年9月に計画が終了するため、後継プログラムの立ち上げ準備の一環で開催した。世界遺産や地球科学的に興味深いジオサイトが所在することから、当地方が開催地に選定された。
夕食会は勝浦漁港にぎわい市場で実施。堀順一郎町長は「本町は南海トラフ地震がいつ起こってもおかしくないが、その一方で豊かな自然の恩恵も受けている。開催趣旨に最も適した場所」と歓迎のあいさつ。「マグロはえ縄漁法」にも触れ、海洋資源の持続可能性への取り組みもアピールした。参加者らはマグロ料理を楽しみ、翌日からのワークショップに備えた。
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■20日に市民講演会
20日午後3時~5時、新宮市の丹鶴ホールで市民講演会「地球の恵みを知り、災いに備える―和歌山から始まる世界への挑戦―」が開催される。参加費無料。▽新たな国際深海科学掘削計画の発足と国際ワークショップin 和歌山▽海底を掘って手がかりをつかめ!地球深部探査船「ちきゅう」で挑む地震・津波調査の今!▽和歌山県の温泉と地震―プレートテクトニクスに起因する自然の恵みと災害―などを演題に、研究者らが講演する。
(2024年3月19日付紙面より)
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木本、紀南高校で合格発表
三重県立木本、紀南両高校で18日、入学試験の合格発表があった。11日の後期選抜と、すでに内定が通知されている前期選抜の合格者が発表され、両校合わせて202人が合格した。
木本高校では普通科と総合学科を合わせ、158人が喜びの春を迎えた。普通科は後期選抜のみ実施し、定員120人に119人(倍率0・99倍)が受験して、総合学科から1人回り120人が合格した。総合学科は定員40人。前期選抜で22人の合格が内定しており、18人を募集した後期選抜では17人(倍率0・94倍)が受験。16人が合格した。
紀南高校普通科(定員80人)は前期選抜で24人が合格。募集人数56人の後期選抜に20人(倍率0・36倍)が受験し、20人が合格した。
両校では午前9時30分に合格者の受験番号が掲示された。受験生は、自分の受験番号を見つけると「あった、あった」と喜んだ。
(2024年3月19日付紙面より)
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和歌山県立串本古座高校吹奏楽部(阿部夏実部長)の第12回定期演奏会が17日に同校第1体育館であり、生徒や教職員、家族や地域住民ら約80人に演奏を披露した。
本年度の部員の集大成であると同時に、3年生部員と最後の思い出をつくって送り出すという意味合いも込めて年度末の定例としている主催公演。コロナ禍で中止や入場制限を余儀なくされる状況が続いたが、本年度は久しぶりに制限なく地域にも公開するとして練習や準備をしてきた。
今回のプログラムは2部構成で、前半の第1部はOBOGなど賛助出演を得てのオープニングを経て、まずは3年生部員2人、現役部員7人、亀谷覚史顧問の10人組で5曲を披露。半ばでは全員が打楽器を手にして奏でるパフォーマンスも繰り広げた。
後半の第2部は再び賛助出演が加わり最大26人組で演奏。序盤は前年度まで指導をしていた漁﨑祐・前顧問(現・新翔高校吹奏楽部副顧問)の指揮で定番曲「Paradise Has No Border」など、中盤以降は亀谷顧問の指揮で定番曲「ディープ・パープル・メドレー」など3曲を奏でた。アニメの楽曲も好む同部。アンコールに応えて楽曲「ルパン三世のテーマ」を響かせて締めくくった。
披露した楽曲数は全12曲。部員が演奏に専念できるよう、同校放送部が舞台演出を一手に引き受けて支援した。本年度の定演を終えて阿部部長は「本番の盛り上がりやノリもあると思うんですけど、昨日や今朝の練習と比べても全然違うと感じるぐらいの演奏ができてすごく楽しかった。盛り上がる曲から静かな曲まで、今日はいろいろな曲を演奏できてどれかは気に入ってもらえたと思う。音楽を通して皆さんに元気になってもらえたらうれしい」と心境を語った。
(2024年3月19日付紙面より)
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スペースワン株式会社は、浦神半島にある射場「スペースポート紀伊」で9日に予定していた民間小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げの日程変更を発表した。次の打ち上げは13日以降になるという。岸本周平知事によると、警戒区域に船舶が進入したため打ち上げることができなかったという。
当初予定していた9日午前11時1分12秒を16分後に変更したが、直前で中止の判断がされ打ち上げには至らなかった。
公式見学場やその一帯では住民ら多くの見学者・見物者が待望の瞬間を心待ちにしていたが、延期の判断を受けにわかに落胆が広がった。
橋本市から訪れた森下幸夫さん(68)は「ようやくと楽しみにしていただけに残念です。次はいつになるか分からないが、機会が合えばまた足を運んで歴史的な瞬間を自分の目で見てみたい」と語った。
那智勝浦町浦神の公式見学場・旧浦神小学校で見届けた堀順一郎町長は、日程変更を受け「今回は非常に残念な結果になってしまったが、楽しみが先に延びたと気持ちを切り替えるしかない。地域との協力関係を築きながら、次回の打ち上げ成功に期待したい」と話していた。
(2024年3月10日付紙面より)
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キナンレーシングチームが表敬訪問 (新宮市 )
新宮市に本社のある株式会社キナン(角口賀敏会長)をメインスポンサーとし、国内外でレース活動を行う「KINAN Racing Team(キナンレーシングチーム)」の石田哲也監督兼代表取締役社長や選手ら10人は8日、新宮市役所を訪れ、向井雅男副市長に熊野地域で毎年開催されている国際自転車競技連合(UCI)公認国際自転車ロードレース「TOUR de 熊野」での躍進を誓った。
チームは「TOUR de 熊野」の総合優勝とレースイベントの成長を最大の目標とし、当地方への貢献や地域活性、スポーツ振興、自転車文化の発展に力を尽くしている。
今年は、新たに2人が加入。12人となった新体制で「Jプロツアー」(2月24、25日)、「富士クリテリウムチャンピオンシップ」(3月2、3日)に出場するなど、精力的に活動を展開している。
この日は角口会長も出席。選手らの自己紹介を受けた向井副市長は「新宮拠点のチームが国内外で活躍してくれている姿を見て、誇らしい。世界の舞台で、さらなる飛躍となるよう心から願っています」と選手たちの活躍を祈念した。
新城雄大主将は「昨年の前半はチームの方向性に迷うところがあったが、徐々にいい雰囲気となり維持できている。今年こそは『TOUR de 熊野』の総合優勝となれるように一丸となって頑張りたい」と意気込みを語った。
石田監督は「今年は設立10年目。メンバーも若手、中堅、ベテランとバランスのいいチームとなっている。創設から掲げ続けている総合優勝を勝ち取れるよう、みんなで士気を高めていければ」と話していた。
(2024年3月10日付紙面より)
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新年度の当初予算案発表 (太地町 )
太地町の三軒一高町長らが8日、町公民館で会見を開き、2024年度当初予算案を発表した。新年度の一般会計は29億7212万4000円で、前年度より1億3685万9000円(4・4%)減。12日(火)に開会する第1回町議会定例会に上程する。
漁野洋伸副町長は減少の要因について「昨年10月に国際鯨類施設が完成し、大型の公共事業が落ち着いたことによるもの」と説明。
新年度予算は「子育てから高齢者支援まで、幅広く当町独自のカラーが詰まった予算」とし、新事業として▽中学生の修学旅行費助成(1人につき4万円)▽夜間交通手段確保(夜間に大阪方面から帰町する住民のタクシー送迎)▽自動運転車両の暖海地区路線運行▽通院支援(高齢者の医療機関への送迎)▽帯状疱疹(ほうしん)ワクチン接種助成▽人間ドック―を行うと述べた。
これまで実施してきた▽じゅんかんバス無償化▽買い物支援▽出産祝い金▽入学祝い金▽就学児医療費助成―などは引き続き実施するとした。
ハード面では、町多目的センターへの機能訓練用トレーニング機器整備の他、清掃センター資源ごみ分別回収場整備(2026年度までの3カ年計画)、くじら浜公園の展示捕鯨船(第一京丸)の塗装修繕、救急車購入などを行うとした。
三軒町長は、自身が掲げる30年計画に触れ「現在ちょうど20年目。最初の10年間は高齢者のため、次の10年は子どもたちのため。残る10年はその総点検として、住民の方々に満足していただけるよう施策を充実させていきたい」。残るハード面整備で庁舎の高台移転を挙げ「財政バランスを崩さないよう10年後くらいにと考えているが、議会に諮りつつ慎重に進める」と見解を示した。
(2024年3月10日付紙面より)
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熊野修験の山伏らが出立 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山から奈良県吉野までの山岳地帯を踏破する大峰奥駈(おくがけ)修行が9日に始まった。「春の峯入り」と呼ばれる初日には、鈴懸の装束を身に着けた山伏に導かれ、一般参加者含む約50人が夜明けの那智山を出立。大雲取越・小雲取越を経て田辺市本宮町の熊野本宮大社まで約30㌔を歩き通す。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のルートで最も厳しい大峰奥駈道は、標高1200~1900㍍の山岳が連なる大峰山脈の主稜線(りょうせん)を通り、吉野と熊野の二大聖地を結ぶ約150㌔の修行の道。
大峰奥駈修行は約1300年前に修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が始めたとされ、日本固有の信仰である修験道の修行「山林抖擻(とそう)」の重要な位置付けとなっている。明治の神仏分離で途絶えていたが、1988年に熊野修験の髙木亮英大導師(那智山青岸渡寺住職)が再興した。
午前6時に那智山青岸渡寺本堂に集合した一行は、ほら貝を鳴らして勤行。熊野那智大社に参拝し、昨年150年ぶりに再建された熊野修験の根本道場「行者堂」でも勤行をした後、出立した。
髙木大導師は「世界を眺めれば、尊い人の命が失われている。世界平和と人々の幸せを願って出発した。世界遺産登録20周年の節目、行者堂が再興されて初めての峯入りでもあり、意義深いものになる。一般の方々にもご参加いただいており、熊野の霊験を肌で感じ、それを広く知らしめていただきたい」と話していた。
(2024年3月10日付紙面より)
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地域子育て支援センター (那智勝浦町 )
昨年10月に那智勝浦町の体育文化会館に移転した同町地域子育て支援センター(森本幸美センター長)。「あそびの広場」の利用組数は、移転前1日当たり平均2・8組で推移していたが、昨年10月以降は10・2組と約3・5倍に。毎日多くの親子が利用し、好調な滑り出しを見せている。
同センターは2002年に勝浦保育所(現・勝浦こども園)内に開設。未就園の子どもとその親を対象に、育児相談や乳幼児の遊びの場・親の交流の場の提供などで子育てをサポートしてきた。
体育文化会館を多世代の交流拠点として整備し、利用者の利便性向上を図る目的で移転。会館では、多機能トイレのオムツ交換台や男女トイレへのベビーチェア設置、授乳室、屋外遊び場(砂場)などを整備した。
川口橙弥君(1)と利用している母親の明日香さんは「こちらへ引っ越してきて1年ほど。バイパスからのアクセスも良く、駐車場も近くなり、すごく来やすくなった。利用する子も増えて、同世代の子の成長を見られるのもいい」。前地琥陽君(1)と参加した母親の侑紀乃さんは「以前は月1回ほどの利用だったが、子どもも活発に動くようになり、よく来るようになった。4月から息子と同じ保育園に通う子もいる」と語る。
親子を対象としたミニ防災講話やSNS講座、ベビーマッサージなども企画。館内では福祉課による産後の母親らを対象としたママフィットネスのオンライン教室などもあり、子育てに関わる人や情報が集まる場になっている。同館周辺の散歩やどんぐり拾いも人気。
あそびの広場は、水曜日の午後を除く平日の午前9時~正午、午後1時~3時に開催しており、町外からの利用も可能。森本センター長は「ぜひ気軽に遊びに来てください」と呼びかけている。
(2024年3月7日付紙面より)
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4年ぶり天ぷら振る舞い (自然探訪スクール )
熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会は3日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで自然探訪スクールの第8回講座「春の野草の観察」を開いた。4年ぶりに天ぷらの振る舞いもあり、参加者22人が五感を使って春の野草を味わった。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことが目的の講座。講師は熊野学研究委員会委員の瀧野秀二さん。
参加者たちは地玉(じごく)の浜への周遊ルートを歩き、ハマカンゾウやツワブキの新芽、ハマアザミの茎など食べられる野草を採取。野生のミツバと、よく似たキツネノボタンの違いも学んだ。
散策後は待ちに待った天ぷらタイム。瀧野さんが事前に採取していたフキノトウやアシタバ、ハマアザミの根、ノビルなどと一緒に衣をつけて揚げ、岩塩で味わった。春の野草には苦みがあるものも多いが、子どもたちも興味津々で箸を伸ばしていた。
岩口桜來さん(8)は「フキノトウは名前を聞いたことがあったけれど、食べるのは初めて。おいしかった。ミツバを取ったから、家でも天ぷらにしてもらう」と話していた。
(2024年3月7日付紙面より)
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小中学生らに記念品託し (串本町 )
串本町が4日、町立小中学校へロケット「カイロス」初号機打ち上げ限定記念品を託し打ち上げ当日の見物と興味を促すよう求めた。
この記念品は、打ち上げを盛り上げるツールとしてこれまでに作成したグッズの一部。初号機の打ち上げに合わせて町内の小中学生へ配る前提のグッズも複数含んでいて、運用するスペースワン株式会社が9日(土)午前11時~正午ごろ打ち上げ予定と待望の発表をしたことを受けその直前で各校へ託すに至った。
ロケット「カイロス」の射場「スペースポート紀伊」にもっとも近い町立田原小学校(林宣行校長、児童18人)は翌5日の授業終了後に3~6年生を集め、林校長がカイロスという名前の意味などこれまで学んできた事柄を振り返りながら一人一人に記念品を配るなどした。先に下校した1、2年生や欠席者の分は後日配るという。
記念品の内訳は、漫画「宇宙兄弟」とコラボレーションした町長メッセージ付き記念切手シート、スペースタウン串本ロゴ(単色)をプリントした応援手旗、田嶋勝正町長発の保護者宛て趣意書の3点。
町は当初、樫野崎園地へ町立小中学校を招待しみんなで初号機の打ち上げを見届けることを考えていたが、打ち上げ日時が土曜日であることや交通混雑による移動困難が予想されるため断念した。町の子どもたちへの思いを伝えるために付した趣意書には「これらの記念グッズを手にすることでお子さん方に少しでも町発展の起爆剤となりうるロケット事業・宇宙産業に興味を持ってもらえれば」と書かれている。
町企画課によると、町内の生徒も通う古座川町立古座中学校を含め計14校の児童・生徒・教職員計1015人分を託したという。
(2024年3月7日付紙面より)
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鵜殿港で2日連続1000本超え (紀宝町 )
紀宝町の鵜殿港に5日、春のブリ約1600本が水揚げされた。4日は約2700本で2日連続の1000本超え、市場は漁業者や仲買人で活気にあふれた。
例年、3月上旬に1000本ほど揚がり、下旬まで続く。今季は少し早めのスタートとなった。平均7㌔を中心に水揚げされ、2日間で13㌔や15㌔を超える丸々としたブリもあったという。
阿田和大敷漁業生産組合が御浜町阿田和沖に仕掛けた定置網で取れたもので、第一三浜丸、第五三濱丸が水揚げした。
地元の仲買人は「競り落としたブリは良い形をしている。地元や県内、東京、大阪などの都市部に届けたい」と語っていた。
(2024年3月7日付紙面より)
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ヨッシーさんが啓発講演 (新宮市 )
新宮市の主催による手話啓発講演会「これまでと、これから~いのちのメッセージ~」が1日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」であった。MOVIC performer(ムービックパフォーマー)のyossy(ヨッシー)さん(34)が講師を務めた。市内外から約150人(主催者発表)が参加、手話の必要性を考え直した。
ヨッシーさんは5歳で失聴。大学時代に、耳が聞こえなくてもダンスができることを知った。その後、手話が分からなくても伝わる表現を模索し、体全体で歌の世界観を表現するムービックを立ち上げた。昨年4月に敗血症・脳梗塞を発症し、現在は後遺症のリハビリ中という。
ヨッシーさんは、難聴学級のある中学校に進んだが、手話ができずコミュニケーションが取れなかったことを明かした。「思いが伝わらない悔しさを味わい、手話を教えてと頼んだ。会話の中で覚えていき、コミュニケーションの楽しさを知った」と述べた。
高校時代に「分からないに2種類があると気付いた」と話した。「意味が分からないではなく、聞こえない、情報が入ってこないという意味の分からないがあった」と振り返った。大学時代にダンスを知り、その後にムービックへと発展していく過程も紹介した。
敗血症・脳梗塞で入院した際の出来事も紹介。「目がはっきり見えず、聞こえず、声も出せず、手が震えて文字も書けない。ジェスチャーで頑張ったが伝わらず諦めた」と語った。その後に手話ができる看護師と出会ったが「病院に意思疎通ができない患者と思われていた」と話した。
「改めて、手話が必要と気付いた。皆さんの身にも、いつ何が起こるか分からない。コミュニケーションの手段をいくつか持っておきませんか。日本語と英語みたいな感じで手話があっても良いのでは。未来の自分を救うかもしれません。何度でも言う、手話は必要です」とまとめた。
舞台上でムービックを披露し、拍手喝采を浴びた。参加者をステージに上げての質疑応答もあった。市内から訪れた、近大新宮高校1年の榎本悠紀さんは「複数の言葉を持つという意味で、手話を知っておくことも大事と気付いた。手話を習ってみたいと思った」と述べた。
(2024年3月3日付紙面より)
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報道機関向け説明会開き (スペースワン株式会社 )
民間小型ロケット「カイロス」の運用を目指すスペースワン株式会社(豊田正和代表取締役社長)が1日、報道機関向けの説明会を開いた。
「カイロス」は串本町田原~那智勝浦町浦神にある射場「スペースポート紀伊(SPK)」から打ち上げるロケットで、全長約18㍍、外径約1・4㍍(機体部分)~1・5㍍(フェアリング部分)、重量約23㌧。日本が70年来培う固体燃料ロケット技術に小型化相応の独自技術を上積みし、固体3段+液体エンジンで軌道へ到達し人工衛星を投入する設計がされている。
その初号機の打ち上げ日時予定は9日(土)午前11時~正午。説明会では豊田社長が思いを述べ、以降は阿部耕三執行役員が同社の現在のミッション段階、関野展弘代表取締役副社長(開発担当)が「カイロス」と射場の概要を改めて伝え、ゲストの東京大学大学院工学系研究科の中須賀真一教授が世界需要に対する「カイロス」の位置付けと展望、その他初号機の打ち上げ当日までの過程などを示した。
過程によると同社は2日前から当日朝まで天候判断(GOかNG)を重ね、それら全てがGOとなればその日の打ち上げに臨む。この判断上の打ち上げ時刻は現状、分刻みの時間帯で示す予定となっている。
当初の計画から2年越しで示した打ち上げ日時予定が着々と迫る状況。豊田社長は自社事業を「宇宙宅配便」と名付けたいと考えを掲げ、「カイロス」が日本の宇宙事業が官主導から民主導へ変わるきっかけとなること、宇宙産業を発展させる地上と宇宙をつなぐ使い勝手の良いインフラとなること、日本の優れた宇宙産業とりわけ利用産業が発展することを願い、最大限全力で初号機の成功(積載した人工衛星の軌道投入)に臨むと意気込んでいる。
(2024年3月3日付紙面より)
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包括連携協定を締結 (北山村と和歌山大学 )
北山村と和歌山大学(和大)の包括連携協定の締結式が2月29日、同村村民会館であった。地域の発展と学術の振興を目指し連携協力していくことを約束した。当面は地域課題解決の取り組みを進める予定でいる。
北山村と和大はこれまでも、じゃばら収穫体験や筏(いかだ)下りの参加者調査などで、連携協力を行っていた。北山村としては、大学が保有する知的・人的資源との連携が力を発揮すること。和大としても地域と大学が共に価値を創る活動に力点を置いていることを背景に、協定の締結に至った。
締結式では、山口賢二村長と本山貢学長が互いに協定書に署名した。山口村長は「連携協定により、大学全体と村全体がより緊密、一体となった事業展開を進めたい。少子高齢化の村にとって、大学やその学生と関わりを持てることは重要。発展のきっかけを与えると確信している」と話した。
本山学長は「協定は大学にとっても有意義で、両者の発展のきっかけとなればと思う。学生が地域で学ぶ環境はいくつもあるわけではない。教育と研究、さまざまなところでご支援いただければ。教育、産業振興、地域課題などについては、われわれとしても支援のしがいがあるし、研究のレベルアップにもつながる」と期待を寄せた。
今後の具体的な事業展開として、学生がじゃばら収穫体験や筏下りなど、担い手不足が進む場所で働き収入を得ながら一定期間滞在することで、地域課題の解決に貢献する計画を考えている。
新宮・東牟婁地域での和大と地方自治体との同様の協定は、昨年1月の串本町に続き2例目となる。
(2024年3月3日付紙面より)
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下里こども園でサッカー教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里こども園(上安みか園長)で2月29日、一般社団法人和歌山県サッカー協会による巡回指導があった。5歳児12人が夢中になってボールを追いかけて楽しんだ。
県内の保育所やこども園にインストラクターを派遣して教室を開くとともに、サッカーゴールやボールを寄贈して競技の普及に取り組んでいる。キッズ委員の吉田佳弘委員長、森一郎さん、岡村環樹さんが来園した。
園児たちはコーンで作った敵をボールで倒すゲームをした後、ボールを2個使った6対6の試合にチャレンジ。ゴールを決めると「よっしゃー!」と大歓声が上がる一方、本気で悔し泣きする姿も。短時間ながら、サッカーの面白さを味わっていた。
ゴールキーパーで活躍した室野日菜ちゃん(6)は「前にもサッカーをしたことがあって、練習したら上手になった。勝つのがうれしかった」と笑顔で話していた。
(2024年3月3日付紙面より)
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