作品は無料閲覧が可能 (新宮市出身の木下充矢さん )
新宮市出身の木下充矢(みつや)さん(59)がこのほど、公募文学賞である第11回日経「星新一賞」の一般部門の優秀賞(アマダ賞)に輝いた。タイトルは「彼方には輝く星々」。「思い残すことはないぐらいの喜びがある」と話している。作品は日経電子版などで無料で読むことができる。
日経(日本経済新聞)の星新一賞は、ショートショート作品で知られた作家の星新一の名を冠した賞で、SF(空想科学小説)のような理系的発想に基づいた短編小説などを対象としている。木下さんは、千穂小、緑丘中、新宮高校を卒業し、大学進学を経て現在は兵庫県に在住。昔からSFが好きで乱読してきたという。
小説を書き始めたのは2013年ごろ。「いろいろな賞に応募したが入賞できず、今回が10年目にして初めて」と語る。創作には苦労もあり「仕事が忙しく、でもぎりぎりまで原稿がまとまらず、締め切り5分前にトイレの中で立ったままスマホで投稿(して応募)した」と明かす。
星新一についても思い入れがある。「この人がいなければ、日本のSFが今のような幅と奥行きを持つことはなかったのではないか。その名を冠した賞を頂き、夢なら覚めてほしくないぐらいうれしい」と伝える。
同賞受賞者の座談会で7月には、長野県で行われる日本SF大会「やねこんR」に出席を予定している。「長年のSFファンなので、この種のイベントには何度も参加したが、壇上に上がるのは初めてで緊張している」と述べる。
SFファンとして当然のごとく、串本町のロケット打ち上げは観覧会場で参加していた。「次の挑戦に期待している。ぜひ成功してほしい」と話す。
(2024年4月26日付紙面より)
4年目の運行決定受け (銀河受入協議会 )
JR西日本が運行する観光長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コースの4年目の運行が決まったことを受け、その受入協議会(田岡実千年会長=新宮市長)の総会が24日、新宮市役所別館であった。10人が参加。本年度事業として▽地域内周遊▽誘客促進▽受け入れ環境構築▽地域内活性化―などの事業に取り組んでいくことなどを決めた。
紀南コースは京都―新宮間で運行。4年目は7月1日(月)から9月25日(水)まで、週2回の往復21運行を予定している。同協議会は、継続運行や地域振興などを目指し、沿線市町村や県などで構成している。
開会に当たり、田岡会長があいさつ。昨年度は紀南コースに約4500人が乗車したこと、本年度の運行決定などに言及し「皆さんの協力のおかげ」と感謝。「今年は『紀伊山地の霊場と参詣道』の世界遺産登録20周年の節目の年。盛大なおもてなしをさせていただければ」と話した。
富澤五月JR西日本近畿統括本部和歌山支社長もあいさつ。昨年の紀南コースで前年度比の約1・5倍が利用したことなどを紹介。7月から9月には県とJR西、グループ会社で「和歌山キャンペーン」を実施することを説明し「一層ブラッシュアップして楽しんでもらい、相乗効果を発揮できるようにしたい。ご協力を」と呼びかけた。なお、昨年度の乗車率は74%だった。
本年度は新規事業として、沿線7市町村を舞台にした「紀南地方クイズラリー」を行うほか、2号車の洗面台・女性用更衣室に「和歌山産アメニティ」を設置。車内で「イセエビふれあい体験」や「和歌山アロマ体験」を計画している。
田嶋勝正副会長(=串本町長)より「(銀河の乗客に)スマホで絶景や笑顔の写真をSNS(交流サイト)で送ってもらい、良いものに商品(を贈る)など考えてみては」との提案があった。事務局は「中身を精査して、やる方向で検討したい」と応じた。富澤支社長は「コンテストか、いろいろなすてきな写真をあげるか、どんなことができるか考えたい」と述べた。
(2024年4月26日付紙面より)
こどもまんなか児童福祉週間 (新宮市 )
「こどもの日」(5月5日)から1週間は、こども家庭庁が定める「こどもまんなか児童福祉週間」。24日には、新宮市の児童養護施設紀南学園(鳥居祐起生学園長)に東牟婁振興局健康福祉部の木戸上克久部長が訪問し、激励品として園からリクエストのあった5冊の絵本を贈った。
社会の宝である子どもたちが家庭や地域において、豊かな愛情に包まれながら育っていけるよう、国民全体で考えることを目的としている。今年の標語は「すきなこと どんどんふやして おおきくなあれ」。和歌山県でもさまざまな行事が行われている。
絵本を受け取った子どもたちは、元気いっぱいに「ありがとうございます!」。鳥居学園長は「子どもたちもとても喜んでいる」と感謝した。
木戸上部長は「たくさんの本を読んで興味関心を広げ、いろいろなことにチャレンジしてほしい。何より元気で健康に育ってくれることを願っている」と話していた。
(2024年4月26日付紙面より)
第201回職場対抗ボウリング大会
令和6年度第1回クラブ大会 (なちかつGGC )
奥熊野いだ天ウルトラマラソン
田辺市本宮町で20、21日、同市出身で合気道の創始者・植芝盛平の偉業と功績を国内外に発信する「合気道国際奉納演武」が開かれた。コロナ禍で途絶えていた海外の参加が回復し、スイス、イタリア、フランスの道場の門下生の出場もあり、約60人が参加した。熊野本宮大社と同市の植芝盛平翁顕彰会、熊野本宮合気塾が主催。
合気道本部道場(東京)から植芝充央道場長(42)を迎えて開催した。20日は熊野本宮大社の旧社地「大斎原(おおゆのはら)」で特別講習会が開かれ、21日は雨天のため本宮体育館で奉納演武を実施。大社の九鬼家隆宮司は開会のあいさつで、春の例大祭で世界遺産登録20周年を記念し、8カ国の外国人に神輿を担いでもらったことに触れ「世界平和につながる合気道の和合の精神をぜひ発信してほしい」と呼びかけた。新宮市の合気道熊野塾を皮切りに、9団体が次々に日頃の稽古の成果を披露し、植芝道場長が奉納演武を納めた。
スイスから訪れ、東京の日本語学校で学ぶテオ・ワルティさん(19)は「熊野という合気道にとって特別な場所で演武できたのは素晴らしい。とてもうれしい」と喜んでいた。
植芝盛平のひ孫の充央道場長は「皆さんの協力のおかげで無事終えられた。本宮を訪れるたび、開祖を大切に思ってくれていることを強く感じる」と感謝し、「真の武道はいたずらに強さを競うものではないというのが開祖の教え。鍛錬が自分自身を成長させる糧となるのが合気道の魅力の一つ。世界140の国と地域に広がる合気道の輪がさらに広がっていくことを願っている」と話した。
(2024年4月24日付紙面より)
中央児で「こいのぼりを作ろう」 (新宮市 )
新宮市野田の中央児童館で20日、「こいのぼりを作ろう」があった。子どもたち12人が協力しながら手形やスタンプで模様を付けた「うろこ」を貼り、同館に飾るこいのぼりを作った。
土台となるこいのぼりは、事前に職員が大きなポリ袋をつないで作り、2体用意した。
子どもたちは職員から説明を受けると早速、作業を開始。ピンクや赤、青、緑の中から好みの絵の具を選んで手のひらに塗り、アーチ状にかたどったうろこに押し当てて両面テープで貼り付けていった。
この日はミニこいのぼりも製作。「先生、こう?」「できた!」などと会話をしながら職員が用意した手作りのスタンプを押し、フェルトペンで目を描くと思い思いの作品を完成させた。
(2024年4月24日付紙面より)
「子ども読書の日」の23日、熊野地方の読書活動に取り組む小中学校でも、子どもたちがドキドキわくわく、本の世界を楽しむ姿が見られた。
子どもの読書活動についての関心と理解を深め、積極的に読書活動を行う意欲を高めるために、2001年に制定。「ロミオとジュリエット」や「ハムレット」の著者シェークスピアの命日や、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界図書・著作権デー」にちなんだ記念日。5月12日(日)までの3週間は「こどもの読書週間」でもある。
毎朝8時10分から10分間の読書の時間を設けている那智勝浦町立宇久井小学校では、全校児童179人が教室で思い思いの本を開いた。図書スペースでは、1年生たちも仲良く絵本を選んでいた。
角川まんが超科学シリーズ「どっちが強い!? X」を読んだ西拓己君(3年)は「恐竜が闘う本。図鑑が好きで、いろいろな生き物のを読んでいる」。桝本和佳さん(同)は怖い話の「人喰いグルール」を読み「文字が多い本を読むことが多い。続きが気になる」と話していた。
(2024年4月24日付紙面より)
シーズン終盤に活気 (勝浦地方卸売市場 )
はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量日本一を誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場に19日朝、最大251㌔を含むクロマグロ28本が水揚げされた。シーズン終盤、巨大なクロマグロがずらりと並ぶ光景に市場が活気づいた。
うち21本は、高知県のマグロ漁船「益丸」が釣り上げたもので、漁港関係者に「マグロ漁師で知らない者はいない」と言わしめる。松島基晴船頭(53)は「今年は2、3月がさっぱりで、やっとという感じ。3本釣った時点で一度戻ろうかとも思ったが、もう1回ねばったらいっぺんに18本。こんなことは初めて」と喜びを語る。
前日に最大233㌔を含む7本のクロマグロを揚げた日の出丸(宮崎県)の島田実船頭(52)は「でかいマグロが泳いでいるのを見るのはやっぱりうれしい。益丸が釣ってくれたことで、次の楽しみが増えた」と話していた。
和歌山県漁連勝浦市場の太田直久市場長はマグロの計測に追われながら「魚体もいい大きさで、うれしい限り。150~200㌔台は高値が付きやすい。マグロ船に感謝しています」と語った。シーズンは5月のゴールデンウイークあたりまで。
(2024年4月20日付紙面より)
設置を記念してセレモニー (太地町 )
太地町は18日、町公民館でご当地ポスト設置セレモニーを開いた。漁野洋伸副町長や日本郵便株式会社近畿支社郵便・物流オペレーション部の松本光功集配担当部長、紀南地区連絡会の南方慎一朗統括局長らが出席し、ザトウクジラをモチーフにした青色のポストの除幕を行った。
町は地域を支え、寄り添って地方創生に取り組む郵便局の活動に賛同。連携して地域振興や観光資源化、町おこしを目的に寄付をする形で設置している。2021年には「包括的連携に関する協定」を締結している。今年は平見公園横に取り付けられ、町内では町立くじらの博物館、道の駅「たいじ」、JR太地駅、役場庁舎に次いで5基目となった。
制作は、1基目から手がけている地元メンバーで組織するグループ「ホエールアートミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが担当。鯨類の中でも最も優雅で人気の高いザトウクジラをキャラクターに、「クジラの町、太地町」にふさわしく、「クジラと海」をイメージした。完成には約2カ月を要した。
セレモニーでは、松本集配担当部長が「ご当地ポストが町民の皆さんが手紙を出すきっかけになってくれれば」。南方統括局長が「地域の価値を高めるため、積極的に今後も引き続き取り組んでいきたい」とあいさつ。
漁野副町長は日本郵便近畿支社や太地郵便局などの尽力に感謝し「今後とも強力なタッグを組んで、地域活性化つなげていきたい」と述べた。
式典後は平見公園横に移動し、設置作業を開始。旧ポストは長年の役目を終え、撤去された。
(2024年4月20日付紙面より)
新宮・新翔の統合高校 (9月の決定を目指す )
ともに和歌山県立の新宮高校(下村史郎校長)と新翔高校(宮井貴浩校長)の再編整備(統合)後の新校名について協議する作業部会「再編整備に係る校名等検討部会」が18日、新宮高校であった。委員18人が出席、6月に両校のホームページ内とはがきで公募を行うことなどを決めた。9月末までの最終決定を目指す。
2026年度に予定する両校の統合に向けて検討が必要となる、新たな校名や校章、校歌、制服などは、六つの作業部会で協議することになっており、新校名の作業部会はその一つとなる。両校の学校運営協議会や教職員、地域代表者の18人で組織している。
新校名の最終決定権者は県教育委員会となる。両校の合同の学校運営協議会「両校学校運営協議会委員による再編整備協議会」が新校名の候補を絞り込み、県教委に提案する。この日の作業部会は、同協議会に候補としてもらう新校名案をどのように募るかを話し合った。
新校名が決まらないと校章や校歌など、多くの協議が進まないことから、9月末をめどに最終決定してもらうとの方針が示された。これを念頭に公募は6月となった。1人1票が原則で、「新宮」「新翔」のどちらかを選べるほか、「それ以外の新校名」を望む場合は記入でき、いずれの場合も選んだ理由と氏名を記入するとした。
はがきの場合も条件は同じで、両校のどちらか宛てに送付となった。公募に居住地の制限は設けず、また統合後の同校に進学することが予想される小中学校生にも事前周知すると決めた。
集まった案は7月に、新校名の作業部会で整理し、合同の学校運営協議会に絞り込みを託す予定となった。同協議会が県教委に提案する候補数は定まっておらず、複数の可能性もある。
(2024年4月20日付紙面より)
2024年度スクラッチ杯 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
新宮信金理事長杯 (ソフトテニス )
【第71回】春野菜でデトックス
すっかり春の気候になりました。桜も散り始めて、どんどん暖かくなりますね。春といえば、「ふきのとう」「つくし」「たけのこ」「うど」「せり」などあくが強くて、苦味のある野菜が多いです。「春の皿には苦味を盛れ」といわれますが、この苦味やあくは、とても体にいいんです。
春野菜は、寒さが厳しい時期に、じっと栄養を蓄え続けて、苦味成分をじっくりとため込んでいきます。やっと暖かくなり芽を出した時に、動物や害虫に食べられるのを防ぐために苦くなるといわれています。この苦味成分は「植物性アルカロイド」や「ポリフェノール」に由来するもので、新陳代謝を促し、強い抗酸化作用があります。さらに、活性酸素を抑えるので、細胞の若返りも促進し、精神的なストレス改善にも効果が期待できます。熊が「ふきのとう」を食べてデトックスしているという説もあるくらい、春の苦味は体にいいんです。
私はこの苦味やあくが多い、クセの強い野菜が大好きですが、やっぱり娘には人気がありません。子どもたちの味覚は、とても敏感なので、なかなか食べてくれないということもありますよね。幼少期のお子さんであれば、「一口だけ食べてみて」と促して、一口食べて「苦い!」となって吐き出してしまっても、それも立派な食育です。春の食べ物は苦いんだと知ることや、それを大人はおいしそうに食べるのを見るだけでも、将来の食意識は変わってきます。でも、少し大きくなると、食べてもらいたいですよね。
苦味を軽減する調理法は、いくつかあるのですが、私のお勧めを三つご紹介します。一つ目は豚肉と合わせることです。豚肉の脂は、春野菜の独特の苦味を軽減してくれます。豚肉は、脂が多いバラ肉を使うのがお勧めです。一緒に炒めるのもいいと思いますし、薄切りのバラ肉で巻いて、照り焼きにしたりするのもお勧めです。二つ目は、チーズと合わせることです。フライパンにオリーブオイルなどをしき、軽くソテーした春野菜に、ピザ用チーズをかけてふたをして溶けたら完成。とっても簡単ですよね。たっぷりのチーズと一緒になら子どもも食べてくれることが多いです。クリームソースと合わせてグラタンにするのも良いと思います。三つ目は、油で揚げることです! 春野菜は天ぷらにするのが定番ですよね。油で揚げることで苦味は軽減されます。天ぷらもいいですが、フライもお勧めです。フライにしてマヨネーズやソースをつけて食べれば、子どもたちも喜ぶごちそうになります。
苦味の強い春野菜ですが、デトックス作用があり、とても体には良いので、いろいろ工夫して、今しか味わえない春の味覚を楽しんでみてください!
(2024年4月20日付紙面より)
高田地区が新宮市に要望 (200人分の署名も添えて )
新宮市の高田地区の区長3人は18日、「高田相賀線~佐野・蜂伏地区の林道の早期開通を求める要望書」の提出のため、新宮市役所を訪れた。要望書と約200人の署名を手渡し、早期実現を求めた。田岡実千年市長は調査検討する予定を伝えたほか、実現に前向きな姿勢を示し「共に頑張りたい」と応じた。
提出は谷下孝志・総区長(=里地区長)、中道活好・西地区長、輪野利明・口地区長が訪れた。地域おこし協力隊の松露将典さん、新宮市議会の百村匡洋議員、𠮷良康利議員も同行した。
要望では、紀伊半島大水害で高田地区が孤立したことに言及。「県道高田相賀線と佐野・蜂伏地区への林道を直結することで災害時の孤立解消につながる」と訴えた。▽緊急物資の搬送や救急ルート確保▽スポーツ合宿誘致に寄与▽大型商業施設への交通の利便性が向上▽林業の発展に寄与▽医療センターへの緊急搬送時間が短縮―などをもたらす「命の道になる」と結んだ。
高田と佐野・蜂伏地区をつなぐ林道については20年以上前に、市が調査したが地盤がもろく、断念した経緯があった。しかし3月の新宮市議会の一般質問で当局は再び「調査検討に着手する」と答弁していた。要望の場で担当課は「県とも協力してルートの検討や所有者の確認などをやっていきたい。(調査に)2年ほどかかる予定。迂回(うかい)しつつ12~13㌔(の距離)になるかな」と明かした。
𠮷良議員は「20年前と違い、今はAIやドローンがある。もっと良いルートを見つけられる可能性がある」と指摘。田岡市長は「林道整備の県の補助が10%から25%に増え、やりやすくなった」と明るい材料を提供した。谷下総区長は「一日も早い開通を願っている。よろしくお願いします」と呼びかけた。
□ □
市による林道の計画とは別に、県による高田相賀線の道路改良工事も進んでいる。高田へと続く県道が通る相賀地区の浸水(道路冠水)解消を目指したもので、約2㌔にわたる道路を三つの工区に分けてかさ上げするほか、トンネルで一部をつなぐ。完成時期は未定となっている。
(2024年4月19日付紙面より)
ダイブポイント3カ所へ (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(谷口勝政会長、23店舗)が17日、串本沖のダイブポイント3カ所にアオリイカの産卵床を設置した。
ダイビング客に好評のアオリイカの姿やその産卵のシーンを着実に観察してもらいやすくするための取り組み。この産卵誘発はアオリイカの資源増強につながるとして今年も日本釣振興会が協賛し、その実施を後押ししている。
環境への負荷を抑えるため、人工物ではなく自然へ戻りやすい天然木で床を仕立てる点が同組合のこだわるところ。今年も前日に長さ3㍍前後で切り出した枝葉複数本を準備し、当日はダイバーら15人が手分けして同ポイント「備前」「イスズミ礁」「グラスワールド」の各海底へ沈めて束にし固定したという。
この取り組みを主導した中井嘉昭さん(50)によると、串本沿岸海域におけるアオリイカの産卵のピークは例年5月下旬~6月上旬ごろだが昨年は設置翌日にはさっそくアオリイカが寄って産卵を始めたそうで、「今年も(ハイシーズンの)ゴールデンウイーク前に産卵を始めてくれることを祈るばかり。この話題が多くのダイバーに認知され、串本の海へ潜りに来ていただけること、串本を知り地域内外が盛り上がることにつながれば」と今後の反響を期待して語った。
産卵床は付いた卵のふ化が全て終わるまで設置予定。その見極めをした上で、残った枝や固定するためのロープ、土のうなどを回収するという。
(2024年4月19日付紙面より)
自動運転車両が暖海地区に (太地町 )
太地町は15日から、自動運転車両による移動支援サービスを暖海地区方面にも拡大した。新ルートは町多目的センターを発着点としており、施設内の歩行プールやトレーニングマシンを気軽に利用できるようにすることで、高齢者の移動手段確保のみならず、健康増進や介護予防への波及効果も狙う。
「全町公園化」のビジョンを掲げる同町では、2022年に大東地区方面で自動運転サービスをスタート。車両はゴルフ場向けのゴルフカートに自動運転システムを搭載したもので、道路に埋め込まれた誘導線を感知して決められたルートを走る。5人乗り。
誰もが無料で乗車でき、昨年度の利用者は1万479人。台風などの荒天時以外は365日運行。運転補助員が同乗しており、手を上げればルート上のどこでも乗降できる。
新ルートの熱海地区は昭和40年代に埋め立てられた町内の人口密集地にあり、人口355人、高齢化率54・6%。暖海地区内を縫って多目的センターや役場、漁協スーパー、坂野医院などをつなぐ。
1周約30分で、始発の午前8時22分から午後5時35分まで、2台体制で22便を運行。町役場は「誰でも無料なので、気軽に乗ってみてほしい」と呼びかけている。
ルート拡大で利用者増が見込まれる多目的センターには町社会福祉協議会や町包括支援センターが入っており、社協の岡本研会長は「自動販売機もあるので、コーヒーなどを飲めるサロンスペースを設けるなどしていきたい。施設内にはケアマネジャーや理学療法士、社会福祉士などもおり、健康相談もしてもらえたら」と語る。
16日に利用した60代男声は「今からスーパーに夕飯を買いに行く。以前買い物帰りに雨が降ってきて、帰りに乗ったこともある。一応車もあるが、公共交通があると便利」と話していた。
(2024年4月19日付紙面より)
花まつりの平和祈念祭 (新宮仏教会 )
新宮仏教会(佐々木実結会長=専光寺住職)は8日、新宮市福祉センターで、毎年恒例の花まつり記念行事「平和祈念祭法要」を営んだ。戦没者遺族の約30人が参列。手を合わせ諸霊の冥福を祈った。
来賓の田岡実千年市長が追悼の辞を述べた。「祖国を思い、家族を案じ、皆さんが大戦で散華されたことは、私らにとって深い悲しみ。享受している平和と繁栄は、命を落とした皆さんの犠牲の上に築かれていることを私らは忘れず、明日の新宮市のために力を合わせ努力することを誓う。遺族と共に諸霊の冥福を祈り、感謝の誠をささげる」と語った。
続いて、新宮市遺族連合会の池上順一会長が祭辞。「先の大戦より79年を迎えるが、世界で今なお戦火が絶えない。その中でわが国が平和でいるのは、祖国の繁栄と将来を案じ、命をささげた諸霊の思いが導いてくださったたまもの。郷土の発展と遺族の身の上にも、より一層のご加護をお願いします。われわれ遺族は、あの戦争を後世に伝え、世界平和の道を進むことを誓う」と力を込めた。
この後、新宮仏教会の佐々木会長など12人の僧侶の読経に合わせ、参列者が焼香した。各自が目を閉じて静かに、平和の祈りをささげていた。佐々木会長は「多くの方々の協力の下、今年も花まつり記念行事を開催することができ、ありがたく思う。戦没者の英霊を前に、『兵戈無用(ひょうがむよう)』(軍隊も武器も必要がなくなる)の世界が少しでも実現できるように願い手を合わせた」と話した。
□ □
白浜町の聖福寺の関守研悟住職による音楽法話「祈り~いのちの歌を響かせて」もあった。関守住職がギターを弾きながら、ゆったりとした曲調の童謡や歌謡曲を歌った。参列者以外の参加者も増え、曲に耳を傾け、拍手を送った。
(2024年4月10日付紙面より)
計207人が新たな門出迎える
県立木本高校と紀南高校で8日、最後の入学式が開かれた。2校は来年度に統合し、県立熊野青藍(くまのせいらん)高校に生まれ変わる。木本高校は木本校舎、紀南高校は紀南校舎として、それぞれの伝統を受け継いでいく。
新入生は木本高校の普通科123人、総合学科40人、紀南高校44人の計207人。3年後には両校最後の卒業生となる。
□ □
木本高校では163人が期待を抱きながら初登校した。式辞で福田英成校長は高校生活の目標をしっかりと持つこと、自分と他人のことを大切にすること、身に付けた力を世のため人のために生かすこと―を呼びかけ、「地域の方から木高生として親しみを込めて呼ばれる存在となり、先輩たちに続く活躍が期待される。自覚と誇りを持って行動してほしい」と伝えた。
新入生を代表して前川陽城さんが「本校生徒としての自覚を持ち、努力を怠ることなく、勉学にスポーツに励み、有意義な高校生活を送ることを誓います」と決意を述べた。式の最後には吹奏楽部が校歌を紹介するように演奏した。
木本高校は1948年5月、県立木本中学校と県立南牟婁郡高等女学校を統合して創立。総合学科は94年に設置された。
□ □
紀南高校では、教職員、保護者が見守る中、校旗が掲げられ、第63期の入学生を迎えた。
入学許可を受けた新入生を代表して、仮屋悠斗さんが「私たち44人は、紀南高校の規則、指導に従い、進路実現に向けて勉学や部活動に一生懸命励むことを誓います」と宣誓した。
辻孝明校長は式辞で「コミュニティ・スクールとして地域に根差した伝統ある高校」と紹介。「紀南高校として入学生を迎え入れるのは君たちが最後となります。これまでの紀南高校の良さを十分受け継いでもらい、それを新校である熊野青藍高校に引き継ぎ、地域を支える人材となってほしいと願っています」と述べた。
3年間の活躍を期待し「自分自身の成長を感じ、さまざまな行事を通じて一体感をぜひ経験してください」などと呼びかけた。
(2024年4月10日付紙面より)
桂文三さんが延命寺で (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井の曹洞宗鳳凰山延命寺(西昭嘉住職)で7日、創建千年を記念して落語家・桂文三さんの新春寄席があった。町内外から約60人が集まり、気持ちよく笑って春の一日を楽しんだ。
延命寺は平安時代末期の1024年、海に流れ着いた地蔵菩薩(ぼさつ)の仏像をまつったのが始まりと伝わる。当時は天台宗の寺院で、現在の宇久井駅周辺に五重塔や宿坊のある大寺院があったとされるが、1500年ごろに大津波などによって崩壊。その後曹洞宗の僧侶が現在の地に移転して再興した。
前座に弟子の桂小文三さんが登場。入門前に文三さんの追っかけで延命寺の寄席に来ていたエピソードを語り、「はなし家になったのも延命寺と皆さんのおかげ」。古典落語の「河豚鍋(ふぐなべ)」を披露した。
文三さんは「皆さん、自分の『癖』は人に指摘されてないと分かりませんよね」と話し、古典落語「四人癖」で、目をこする男、鼻の下をこする男、袖を引っ張る男、手を打つ男の4人を演じ分けた。後半は「時うどん」で会場を笑いの渦に巻き込んだ。
創建千年を記念し、今年の10月23、24日には同寺で大般若法要と晋山式(しんさんしき)、檀信徒総回向を執り行う予定だという。
(2024年4月10日付紙面より)
企業版ふるさと納税として (株式会社大塚商会 )
東京都千代田区に本社を置く株式会社大塚商会(大塚裕司代表取締役社長)が8日、串本町へ企業版ふるさと納税の目録を贈呈した。昨年12月に物納した防災備品に係る目録で、田嶋勝正町長は感謝状を贈って相互連携の歩み寄りを深めた。
この物納は、同社が創業60周年記念事業の一環で取り組み始めた自治体との防災に関する官民連携の一環。南海トラフ地震が予測されるなど防災面で厳しい状況に置かれている自治体を対象にし、企業版ふるさと納税制度を活用した物的支援を重ねている。
和歌山県内での支援は同町が初で、高知県黒潮町と並んで同地震に伴う津波の到達が早くさらに台風の影響を受ける機会も多い点で厳しい状況と捉え選定。昨年9月に地方創生の推進に向けた連携に関する協定を締結して縁を築き、連携事項「防災に強いまちづくりのための地域防災整備事業の推進に関すること」に基づいて同町の物納希望を探り、その備品をそろえて託した。
この日は同社の齋藤廣伸・取締役専務執行役員や渡邊賢司執行役員らが役場を訪問し、齋藤取締役専務執行役員が「大きな地震はいつどこで起きるかわからない。防災品はあまり使っていただきたくはないが、いざ起きたときには十分に活用し町民を守るということで使っていただきたい」と伝えて目録を、田嶋町長は「災害は忘れる前にやってくる時代。串本町の行政運営は常に防災や災害を頭に入れて進めている。災害が起こるであろう所と情報を共有し助け合うことは本当に大事だと思うところで、そういうシステムを作る。ぜひとも参加させていただき皆さん方と災害に対応していければと思う」と応えて感謝状を贈呈し合った。
備品の内訳は①水循環システムシャワー1セット②86㌅電子ボード2基③赤ちゃん用段ボールベッド15セット(45人分)④ポータブル電源+折りたたみ式ポータブルソーラーパネル55セット⑤100㌾対応スポットエアコン10基⑥自動ラップ式簡易トイレ50セット―で、いずれも自社取り扱い製品。①についてはこの日メーカーによる取り扱い実演も行われ、防災担当職員らがその習熟に努めた。
同社は開始年の2021年度に14自治体、23年度に20自治体(うち5自治体は21年度と重複)へ物納をしていて、同町は23年度の新規で物納を受けた。24年度も取り組むが25年度以降は未定で、齋藤取締役専務執行役員は全国で相次ぐ被災やその現場で取り扱う備品が安全・安心につながっている状況を見据え「気持ちとしては25年度以降も継続していきたい」と話した。
(2024年4月10日付紙面より)
和道流新宮道場松本塾
第49回又新杯ソフトテニス大会
マクドナルド・トーナメント (学童軟式野球 )
4月から3市町でスタート (新宮・東牟婁 )
がん患者へのアピアランス(外見)ケア支援事業が1日から、新宮市、那智勝浦町、串本町で一斉にスタートした。治療に伴う外見の変化を補完する医療用補整具の購入を助成し、苦痛やストレスを軽減することで、社会参加を促進することが目的だ。
がん治療では、抗がん剤をはじめとする薬物療法の副作用で脱毛や肌の変色、爪の変形、外科手術による傷などの外見の変化が起こることがある。医療の進歩により、通院治療しながら仕事や子育てなどの社会生活を送る患者が増加していることを背景に、ケアへのニーズが高まっている。政府が昨年3月に策定した第4期がん対策推進基本計画にもアピアランスケアが盛り込まれ、拠点病院を中心とした相談支援・情報提供体制の整備などが求められている。
これを受け、和歌山県では昨年4月から、ウィッグなどの一部の医療用補整具の購入費を助成する市町村に、助成額の一部または全額を負担する「県がん患者アピアランスケア支援事業」を開始。当地方でも3市町が加わった。太地町や古座川町、北山村も「今後検討する」としている。
3市町の助成内容はおおむね県の基準と同じ。▽医療用ウィッグ〈全頭用〉(上限2万円)▽乳房補整下着(同1万円)▽人工乳房・人工乳頭(左右各2万円)―の対象経費の2分の1または上限額のいずれか低い額を助成する。
新宮市の窓口は地域保健課(電話0735・23・3358)、那智勝浦町は福祉課(電話0735・52・2934)、串本町は保健センター(電話0735・62・6206)。
日本人の2人に1人が生涯のうちにがんにかかり、3人に1人が亡くなっている現在、和歌山県の死亡原因も1979年以降、がんが1位となっている。新宮・東牟婁地方の各市町村では、早期発見・早期治療のためがん検診を実施しており、活用を呼びかけている。
(2024年4月9日付紙面より)
新宮仏教会「花まつり」
新宮仏教会(佐々木実結会長=専光寺住職)は8日午前、新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)で、釈迦(しゃか)の誕生を祝う降誕会(こうたんえ・ごうたんえ=花まつり)法要を営んだ。会に加盟する住職や副住職、12人が参加。読経した後、釈迦立像に甘茶をかけた。
「花まつり」は「降誕会」「灌仏会(かんぶつえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」などと呼ばれ、涅槃会(ねはんえ)(2月15日)、成道会(じょうどうえ)(12月8日)とともに三大法会の一つとして重んじられている。ルンビニーの花園で釈迦が生まれ、天は誕生を祝って甘露の雨を降らせたとされていることにちなみ、花まつりでは花御堂(はなみどう)の釈迦立像に甘茶をかける。
佐々木会長は「お釈迦様がご誕生されてから約2500年。たくさんの人の手によってつながれてきた仏教が今、自分のもとに届けられていることをありがたく感じます」と話した。
同会は、市内にある▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽長徳寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺▽名体寺―の13カ寺、14人で構成している。
(2024年4月9日付紙面より)
串本文化セで入学式を挙行 (串本古座高校 )
和歌山県立串本古座高校(中西浩子校長)が8日、串本町文化センターで入学式を挙行し、本年度開設する未来創造学科の1期生となる1年生72人の入学を許可して迎えた。
1年生はクラスごとに一人ずつ点呼を受け、その入学を認めた中西校長は「人生の選択決定権は自らにある」という視点で3年間で積極的に身に付けてほしい素養を意識付け。「うまくいかないときはまず自分の気持ちや考えを整理し、周囲のアドバイスに耳を傾ける。その上で自分はどうすべきなのかを自分で決めていく。そうした経験を重ねることで、自身の未来を切り開くことができる」と諭して高校生活をその次の一歩への充実したものとすることを求めた。
来賓を代表して岸本周平知事と育友会の西野真会長が祝辞を述べ、岸本知事は自身の経験やカイロスロケット初号機などを話題にしてチャレンジする気持ちの大切さを伝えて意義のある3年間とするよう後押しした。それら歓迎を受け、1年生を代表して西悠斗さんが「学業に専念し、進取創造、質実剛健の校訓を大切にし、自覚を持って新たな伝統を作り上げていくよう努力する」と宣誓した。
同校は本年度から普通科に代わり同学科の生徒の受け入れを開始。1年生は▽文理探究29人▽地域探究36人▽宇宙探究7人―とコース選択をして学業などに打ち込む。他方、2、3年生は入学時の普通科のカリキュラムに沿って卒業を目指す。むこう2年は両学科の生徒209人がそれぞれに励む形となる。
(2024年4月9日付紙面より)
串古など合同は初戦敗退
熊野塾道場
21日、奥熊野いだ天ウルトラマラソン
開館55周年記念企画始まる (太地町立くじらの博物館 )
太地町立くじらの博物館(稲森大樹館長)が2日、開館55周年を迎え、記念企画展「一挙蔵出し!寄贈品展―くじらの博物館を支える資料たち―」が始まった。会期は来年4月1日(火)まで。
博物館1階に、町内外から寄贈された貴重な品々84点を展示。第31次南氷洋捕鯨で撮影されたとされる8㍉フィルム映像や、解体用包丁、鯨類雄性生殖器の剝製など、うち26点が初出しだ。
中江環副館長は「『故人が大切にしていたものだから』『思い出の博物館だから』など、一つ一つに寄贈された方の思いや博物館にたどり着くまでの物語がある。収蔵品を充実させるため、ウエートが大きいのが寄贈品であり、『チームくじらの博物館』の一員として当館を支えていただき、本当にありがたい」と感謝。貴重な資料がオークションやフリマサイトに流出している現状を受け「価値ある資料を適切に保存し、後世に残すため、手放す際には博物館への寄贈や寄託も考えてほしい」と呼びかけていた。
□ □
この日、飼育員ら30人が、飼育中に死んだ動物たちの供養祭を営み、命を預かる者としての自覚を新たにした。
同館では現在、コビレゴンドウやオキゴンドウ、ハナゴンドウなどの鯨類9種類31頭の他、魚類52種225匹、無脊椎動物36種435匹を飼育。
供養祭では、順心寺の関雄峰住職の読経の中、飼育員や職員たちが焼香し、静かに手を合わせた。
稲森館長は「この日を迎えられたのも、飼育動物あってのこと。その命と向き合う時間となった」。開館55周年に際し「4月1日には国際鯨類施設がオープン。『くじらの学術研究都市』を目指す中で博物館にも多様な社会的役割が求められている。研究者たちと協力して調査研究を行い、飼育動物たちが長生きし、新しい命を育んでいけるよう努めたい」と語った。
(2024年4月3日付紙面より)
熊野三山など観光満喫
バハマ船籍の外国客船シルバー・ムーン(総トン数4万700㌧、全長212・8㍍、シルバーシー・クルーズ)が3月31日朝、新宮港を訪れた。初寄港となる。多数が下船してバスやタクシーに分乗、当地方の観光を満喫した。同日夕方には出港した。
ジャパネットたかたが行うジャパネットクルーズが企画した「シルバームーンで優雅に巡る 陽春の日本絶景ツアー」で訪れた。東京を出発し、新宮、徳島、釜山(韓国)、長崎、鹿児島、奄美大島、伊勢志摩を巡って戻るツアーで、約250人が乗船、うち約9割が日本人という。
新宮港の岸壁では、平安衣装と雅楽演奏による出迎えや、地元特産品の販売、新宮市による歓迎セレモニーが行われた。バス7台とタクシー約20台が待機しており、乗船客らは分乗して熊野三山や鬼ヶ城(熊野市)などを巡った。
歓迎セレモニーでは、田岡実千年市長があいさつ。「熊野は、大自然を背景に神道と仏教が融合した熊野信仰の聖地として繁栄し、今なお多くの人々を魅了しています。本日は世界遺産である熊野を楽しんでいただければ」と語った。
同船のチャブダル・ゲオルギエフ船長もあいさつ。「日本ではいろいろな港に寄港し、日本人からのおもてなしをいろいろと受けています。新宮でも温かいおもてなしをありがとうございます」と述べた。
(2024年4月3日付紙面より)
開校準備の思いを乗せて (串本町教委 )
串本町教育委員会が3月29日、2026年4月開校予定の統合小学校名候補を「くしもと小学校」としたことを町公式ホームページ上で発表した。町議会で開校に伴う条例改正が承認された時点で正式決定になるという。
目下、串本小と橋杭小の後継校として開校を目指す統合校。建設用地は町立くしもとこども園の道向かいに確保済みで、現在は実施計画がほぼ完成した段階だという。
文部科学省「新しい時代の学びの環境整備先導的開発事業」の適用を受け、22年度に学校、家庭、地域の意見を取り入れつつ「つながる」をテーマにし地域との共用や防災機能も意識した基本構想を策定。校舎は木造平屋建ての分棟とし学童保育所や体育館が付帯するフラットな構成とするなど大枠が定まり、以降基本設計、次いで実施設計の策定が進んだ。
昨年9月には関係2校の保護者らを対象にして統合小学校建設説明会を実施。校名や校歌・校章を定める上で最良の成果を得るため、基本設計の情報を共有した。先行して12月1日から今年1月15日までの間で校名案を公募。応募84件、重複分を整理し43案が集まり、以降は統合小学校建設検討委員会で▽くしもと▽串本▽なんたん▽さんごの杜―の4案、保護者ら地域代表も参加する小学校統合準備委員会でくしもとの1案まで絞り込まれ、2月21日の町教委定例会で校名候補として承認した。
この承認は3月5日、町議会第1回定例会本会議で田嶋勝正町長が施政方針の一端として先行報告し、「子どもたちが親しみを持ち、地域からも愛される場所になってほしいという思いが込められた校名」と伝えた。追って町教委が「皆様からの新しい学校への期待と願いをしっかり受け止め、開校への準備を進める」と思いを乗せ、発表した。
校名案募集に当たり「子どもたちと地域住民、教職員がともに育つ新しい時代の学校にふさわしい学校名」とテーマを付した町教委。坂本善光教育長は現在の2校に縛られず幅広い世代になじむ学校名、と定まった校名候補を受け止めている。
校歌・校章についてはこれから作成手法の検討を始める段階。着工は町議会が工事請負契約案を承認した後で、第2回(6月)定例会への上程を見据えて進めるという。
(2024年4月3日付紙面より)