和大観光学部LIPとオンライン交流 (新宮市立高田中 )
新宮市立高田中学校(大家淳志校長)の生徒5人と和歌山大学観光学部の学生12人は29日、ウェブ会議システム「Microsoft Teams」を用いてオンライン交流会を実施。生徒と学生らはお互いの地域や学校の紹介などを通じて学びを深め、交流を図る機会とした。
同大学観光学部では、地域でのさまざまな活動を通して実践的な学びを行い、現地の人との交流を通して地域課題の解決に取り組むことを目的に「地域インターンシッププログラム(LIP)」を実施している。
一方、同市高田区では、魅力ある観光資源が存在しているにもかかわらず、若年層を中心に十分な誘客ができていない状況を鑑み、市は昨年4月に学生主体での新鮮な観光モデルコース造成を目的に同大学に対しLIP提案書を提出。採択された。
このたびのオンライン交流会は、新型コロナウイルスの影響で現地研修の開催が困難な中において、少しでも親睦を深めることを目的に実施。同大学観光学部卒業生である市商工観光課の坂本直斗さんと、串本町出身で同大学3年生の谷口真弘さんが進行役を務めた。
同大学は、観光学部や大学生の生活、和歌山市の観光などについて紹介。観光学部には▽観光経営▽地域再生▽観光文化―の三つのコースがあることや卒業後の進路などについて説明し、1年生の学生は、新型コロナの影響で7回しか大学に通えていないこと、前期授業はほとんどオンラインだったことなどを伝えた。
緊張気味だった高田中の生徒らも、学生らと会話を重ねるうちにリラックスした表情に。「桑の木の滝」をおすすめスポットとして挙げたほか、同校では生徒数と教員数がほとんど同じであることや将来の夢、趣味などについて笑顔で説明。生徒全員で進めた、手作りマスク着用を推進する「一斉マスクの日」の取り組みも紹介した。
学生は生徒らに対し「進学や就職など、これからどんどん自分の世界は広がっていきます。今しかできないことに力を注いで、悔いのない中学生活を送ってください」と呼び掛けた。
(2021年1月31日付紙面より)
いきいきサロン浦神 (那智勝浦町 )
いきいきサロン浦神(並川廣代表)は28日、那智勝浦町浦神の西区民会館で今年1回目のサロンを新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を講じた上で実施した。スタッフを含む24人が参加し、町立下里小学校の3年(現4年)生児童の浦神地区に関する劇や発表をまとめたDVDなどを鑑賞した。
同サロンは一人住まいなどの高齢者が引きこもらず、集まって催しを楽しみ交流を深める居場所づくりを目的に2016年にスタート。毎年11月には豊富な出演者を招いたステージ披露や、多くの催しでにぎわう「浦神西福祉まつり」を開催している。
DVDは児童が社会科の課外授業で浦神について探索し、その成果をまとめたもの。劇では児童が同地区にある防空壕(ごう)跡の洞穴から1890年にタイムスリップしてしまい、現在と過去の同地区を行き来するストーリーだった。
劇後は児童が▽浦神の地名の由来▽寺子屋について▽脊美(せみ)祭り▽真珠養殖▽近畿大学水産研究所浦神実験所の養殖▽浦神の名字▽山口・熊野▽葬式の形と昔の遊び―などの発表があった。最後は児童が旧浦神小学校の校歌を歌い、共に口ずさむ参加者の姿もあった。
続いて、浦神東区の勇義社による獅子舞の動画では「神明讃」「玉獅子」「扇喰い」「とび天狗(てんぐ)」の迫力ある4演目を鑑賞。最後はぜんざいや漬物が出され、歓談を楽しんだ。
並川代表は「浦神地区のことを勉強してくれた児童の発表は直接、区民に見てもらう予定だったが、コロナのためかなわなかった。成果をDVDで見ることができて良かった。参加者の皆さんには一生懸命な児童の発表で感動していただき、獅子舞で気分的にも明るくなってほしい」と語った。
(2021年1月31日付紙面より)
第10次長期総合計画素案を答申 (那智勝浦町 )
那智勝浦町長期総合計画審議会(会長=森川起安・南紀くろしお商工会長)は29日、同町役場で第5回審議会を開き、第10次那智勝浦町長期総合計画素案を堀順一郎町長に答申した。堀町長は「事業を進め、より良いまちづくりに努めていきたい」と計画実施に向け決意を新たにした。
同審議会は、堀町長の諮問を受け、2019年12月から議論を重ね、第10次那智勝浦町長期総合計画の素案(計画年度:令和3~7年度)の策定を行ってきた。
素案では「着実にわがらで創る笑顔のまち 那智勝浦」を将来像に据え、「住んでよかった・住み続けたい・住んでみたいまちの実現」に向け「災害に強い」「快適で安心して暮らせる」「活気ある産業で雇用が生まれる」「福祉が充実している」「豊かな心と地域文化を大切にする」「みんなの知恵と力が結集された」まちづくりを進めていくとしている。
森川会長は答申に当たり関係者や町民への感謝を示し、堀町長に対し計画の達成に向け▽町民、各種団体、民間事業者および行政などのまちづくりを担うさまざまな主体が一体となった協働のまちづくりの推進▽新型コロナウイルスの発生などによる時代の変化に対応しつつ、町民ニーズを的確に把握し計画を推進するとともに、あらゆる機会・手段を通じて計画の周知に努める▽中長期的な財政シミュレーションや各種施策の優先度、有効性を総合的に判断し健全で持続可能な財政運営を図る▽重点事業については、那智勝浦町まち・ひと・しごと創生総合戦略として定期的かつ継続的に実施状況を把握し、適切なPDCAサイクルの構築に努める―を要望した。
堀町長は素案策定に当たり50件を超える町民からのパブリックコメントを受けたと紹介。「町民からは前向きな意見も頂いている。審議会の皆さんに1年以上かけて議論いただいた素晴らしい計画」と感謝を伝えた。
素案は3月議会に上程され、議決を経て計画策定となる。
(2021年1月31日付紙面より)
嘱託警察犬に感謝状 (和歌山県警察 )
和歌山県警察はこのほど、嘱託警察犬パンドラ号(パンドラ・フォン・クランツ・K.Y.)とダンス号(ダンス・オブ・ウエスト・アシダ)の長年の功績をたたえ、指導者である新宮市の榎本義清さん(58)=NPO法人和歌山災害救助犬協会理事長=と太地町の瀧本美鈴さん(57)=同協会副理事長=に感謝状を贈った。
感謝状は、生前の活動実績や功績をたたえるもの。パンドラ号(シェパード・雌)は昨年11月にその生涯を終えるまでの11年間、そして今年1月2日に急死したダンス号(シェパード・雄)は9年間、県警察嘱託警察犬として捜索救助や足跡追跡、爆発物捜索などの職務に従事してきた。
また、2頭とも榎本さん、瀧本さんと共に、紀伊半島大水害や熊本地震、西日本豪雨の被災現場で捜索活動にも参加している。
勇敢な性格だったというパンドラ号は2019(平成31)年4月、新宮市内で行方不明となっていた女性を生存発見したとして新宮警察署から感謝状を受けた経歴も。一方、ダンス号は人にも犬にも優しく温厚。「指導の際も反抗することなく覚えも良かった。素直な性格だった」(瀧本さん談)という。
感謝状を受け、榎本さんは「人間のために厳しい訓練にも頑張ってくれた。(パンドラ号には)使役犬として接してきた。相棒がいなくなったという気持ちが大きい」。
瀧本さんはダンス号に対し「急に調子が悪くなり、心の準備ができていなかったが、苦しまずに最期を迎えたので良かった。最後まで現役でいてくれた」と述べ、「『本当に今までお疲れさま』と伝えたい」と声をそろえた。
県内では現在、14人の指導員と28頭の警察犬が嘱託されている。
(2021年1月28日付紙面より)
知事と町長から駐日大使へ (和歌山県と串本町 )
2020トルコ西部イズミル県地震災害義援金を呼び掛けた仁坂吉伸知事と串本町の田嶋勝正町長が26日、駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使の県庁訪問に合わせて同義援金の目録を贈った。
この地震は昨年10月30日にエーゲ海を震源として発生し、至近のイズミル県を中心とする発災につながった。その状況を知った呼び掛け2人はすみやかに県トルコ震災を支援する会を立ち上げ、県内30市町村に協力を求めつつ昨年11月5日付で同義援金の窓口を開設した。
同会は口座振り込み、各市町村は義援金箱を設置して県民からの善意を受け付け。同大使館経由で被災者に届ける流れとなっている。コロナ禍の情勢により面会の機会を得られずにいたが、メルジャン大使が公務の延長で県庁を訪問することになり、呼び掛け2人がそろって目録を託すに至った。
田嶋町長によると、メルジャン大使は間もなくアメリカ合衆国へ転任となるそうで、今回はあいさつ回りで県庁へ訪問。任期中最終となる同町からの交流記念品としてトルコ軍艦遭難慰霊碑のレリーフと大使の実名を入れたポロシャツと大島小への民族衣装の贈呈や串本町トルコ文化協会のトルコ文化センター設置への協力など交流の数々を記録した写真アルバム、併せて同協会から預かった交流記念品を贈って感謝したという。
同義援金の受付期間は今月末までで、締め切り後に一括して同大使館へ託す。田嶋町長は「メルジャン大使は涙ながらに感謝し、県や同町に同様の災害があったときはトルコ人が助けに行くと言ってくれた。呼び掛け人として多くの町民や県民の皆さまから多額の義援金を頂けてうれしかったし、これからも共に友好を続けていくことにつながれば」と今後を願いながら、寄せられた善意に感謝した。
(2021年1月28日付紙面より)
井田小学校の4、6年生が (紀宝町 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長、児童115人)の4年生24人と6年生21人が26日、和紙作りの紙すき作業を体験した。今後、6年生と16日にすでに体験した5年生は和紙でランプシェードを作る。4年生は詩と絵を描くという。
4年生は国語の授業で「和紙」について学び、実際に作ってみようと町立ふるさと資料館の栗須高洋館長の協力を得て体験した。
体験を前に講義した栗須館長は「皆さんが今使っているノートは洋紙で、100年ももたないが、和紙は虫が嫌いな養分が入っているので1000年以上長持ちする。約1300年前の和紙に書かれた文書も残っている」と説明した。
和紙の原料となる天然の雁皮(ガンピ)はとても貴重で、材料をそろえるだけでも苦労すると伝え、ガンピの皮をはぎ、2週間水に漬けた後、2日間釜で煮て紙料にすると紹介した。
児童たちは行程などを学んだ後、紙すきを体験。水に溶けた雁皮をはがきサイズのすき枠で一枚一枚すくい、1人3枚の和紙を作った。
完成後、児童たちは「失敗もしたけど、成功したときはうれしかった」「初めて作業して楽しかった」と話していた。
(2021年1月28日付紙面より)
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」
今夏の完成に向け、新宮市下本町で建設工事が進む市文化複合施設「丹鶴ホール」のシンボルマークおよびロゴデザインが決定した。今後、施設のPRを含めた活用を展開していく。
デザイン制作者は山下・金嶋共同企業体。制作者によると、施設を上から見た形状をモチーフにしつつ、中央のホール部分を示す矩形(くけい)と併せて、愛称である丹鶴ホールの「丹」の字を表現した。
新宮の歴史・風景との呼応から生まれた変化のある施設形状と、「丹鶴」という言葉との重ね合わせにより、ここから新たな活動が生まれ、動き出す躍動感を表したという。
テーマカラーには、「丹(に)」をイメージさせる赤色が採用されている。
(2021年1月28日付紙面より)
那智大社、青岸渡寺で訓練 (那智勝浦町 )
「第67回文化財防火デー」の26日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)と那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で消防訓練が行われた。職員や那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)が参加し、防火の重要性を再認識するとともに国の宝を守る意識を高めた。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に奈良県の法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年から、この日を中心に消防と地域が連携し、全国的に防火活動が展開されている。
熊野那智大社では宝物殿裏の山林からの出火を想定。自衛消防隊が火災の報知後、宝物などを運び出し、消火ホースで放水した。続いて、消防職員が神職らに消火器の取り扱い方法を指導し、実際に使用した。
男成宮司は「ご本殿は重要な建造物、火を出してはいけない。訓練を通じて防火意識を高め、火気の管理を徹底し、万が一の際に行動が取れるように心掛けてほしい」と話した。
那智山青岸渡寺では訓練前に職員が集合し、髙木亮英副住職が同寺は西国三十三所の第一番札所であり、観音信仰の布教にとっても重要な建造物であると説明。訓練について「重要なお寺を後世に伝え残していくことが大きな使命。火を出さないことを再認識して訓練に取り組んでほしい」とあいさつした。
同寺では本堂床下から出火した想定で訓練を実施。髙木副住職の指示の下、初期消火や避難誘導、宝物運搬、消火器による消火訓練などに取り組んだ。
湯川消防長は両社寺に対して課題の検証や訓練の積み重ねを継続してほしいとし、「火災の報知や的確な放水が行われており不備はなかった。世界遺産を守るために消防も一致協力していきたい」と講評した。
(2021年1月27日付紙面より)
田原小と絵本作家協力し (串本町 )
串本町立田原小学校(野端則久校長、児童14人)が25日、同町コミュニティバスにラッピングする絵の着色に取り組んだ。絵本作家・やのともこさんとの共同作業の一環で、やのさんは14人の絵を組み合わせて必要な原画を仕上げるという。
同町は同バス4路線のうち、潮岬線と佐部・上田原線の車両について新旧入れ替えを目指している。新車は初導入となる29人乗りのノンステップ仕様。当初は潮岬線で先行導入し高齢化が進む町域になじむかを確かめるとしていたが、後に町民から受けた寄付を生かすため関係する佐部・上田原線も先行導入の対象に加えた。
同バスは路線にちなんだラッピングが特色で、佐部・上田原線の新車にはロケット関係の原画採用を想定。写真がまだ存在しないためイラストを採用する方向で検討し、町民寄付の思いに子どもの夢を上乗せする方向性を持った。他方でプロの手も借りたいという思いから、くしもと町立病院にホスピタルアートを飾る縁をたどりやのさんに相談。最地元の田原小児童との共同制作を前提にして具体化するに至った。
必要な原画は新車の側面と後面に用いる3枚。この日はやのさんが来校し、ロケットと灯台や橋杭岩、キャラクターなどを描いた下絵と塗り方の雰囲気を伝えるため着色済みの見本を児童に配り、着色を求めた。画材は色鉛筆とソフトパステルで、後者は温かいタッチにするため指に付けて塗るよう指示し後は自由とした。
今後は14人全員の絵を部分的に切り出し、やのさんが良い感じに組み合わさるよう手を加えて原画を仕上げるという。
児童の荒木野乃子さん(6年)は「全体的にふんわりとしたイメージになるよう、細かなところもできるだけ色鉛筆を使わないようにした。これから(中学校への通学で)コミュニティバスに乗る機会が増えるので、その時が今から楽しみです」とコメント。やのさんは「指で色を塗ることで思い通りのものができるという新感覚を感じてもらえたらうれしい。このロケットの絵がバスのラッピングになるということで、今日は私も含めみんなで貴重な経験ができたと思う」とこの機会を喜んだ。
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役場企画課によると、新車は2月末に納車予定。現行のマイクロバスと車両感覚が異なるため、運転手の馴致期間を若干取り4月中にの入れ替えを目指している。潮岬線は従来通り路線にちなんだ写真をラッピングするという。
(2021年1月27日付紙面より)
橘、丹羽教諭が表彰受ける (新宮高校 )
県立新宮高校(前田成穂校長)の橘恭子・国語科教諭(46)がこのほど、和歌山県教育委員会の「きのくに教育の匠(たくみ)」を受賞した。
県の教育振興や発展に功績があった個人、団体をたたえる「和歌山県教育表彰式」で表彰された。橘教諭は1996(平成8)年に教員生活をスタートさせて以来、25年にわたり同校に勤務。18(平成30)年度には、優れた教育実践が評価され「きのくに教育賞」を受賞した。
その後も継続的な実践で成果を上げつつ、他の教員の指導力向上に寄与したとして「きのくに教育の匠」に選ばれた。令和2年度文部科学大臣優秀教職員の表彰も受けた。
橘教諭は「恐縮しているが、大変ありがたい。生徒たち自身が物事を感じ、活動する中で意見や考えを交換して学びを深めるサポートになればとの思いを意識している。賞を頂いたことを励みに今後も授業はもちろん、さまざまな学びの場で指導に生かしていきたい」と述べた。
また、同校保健体育科の丹羽泰一郎教諭(40)が、県学校体育研究協議会から「和歌山県学校体育授業優秀教員」の表彰を受けた。
この表彰は県を代表する研究実践を行った教員が対象で、丹羽さんは「主体的に取り組み、生涯にわたって運動に親しめる健康で安全な体育授業」をテーマに授業を実践し、研究発表に取り組んできたことが評価された。
丹羽教諭は「受賞することができて大変うれしいとともに、自分自身の勉強にもつながったと思っています。時代に合った教育を目指して多くの先生方と情報共有しながら、さらに向上させていければ」と話していた。
(2021年1月27日付紙面より)
図書館・子育て支援セ複合施設 (紀宝町 )
紀宝町立図書館の開館に向け、同町神内の旧保健センターで改修工事が進んでいる。今春の開設を前に外観が完成し、看板も設置された。
3月下旬には新図書館と子育て支援センター複合施設の竣工(しゅんこう)式を実施する予定。新型コロナウイルスの状況を確認しつつ、プレオープニングイベントを計画している。イベントはワークショップで紋切り作品を作ってもらい、地区住民や施設利用者に飾り付けを呼び掛ける。
町では、まちづくり構想の基本理念「海・山・川の恵みに抱かれ、ともに輝き創造するまち」の拠点として、より多くの人に親しみを持ってもらえるよう、新たな「図書館・子育て支援センター複合施設」の愛称を募集したところ、町内から62点の応募があった。
今後、教育委員や神内地区区長、子育て支援センター・子育てサークル代表、鵜殿図書館・絵本よみきかせボランティアなどで組織する「愛称選定委員会」で審査し、最終候補案の中から町長が愛称を決定する。
昨年12月に閉館した町立鵜殿図書館では、蔵書整理を行っており、役目を終えた本や雑誌は2月から移動図書館でも配布する。3月中旬から新図書館開館準備として利用者カードの修正作業に取り掛かる。
(2021年1月27日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
自転車道年度内に再舗装 (和歌山県 )
「サイクリング王国わかやま」をPRする和歌山県が整備を進め、2019(令和元)年7月に供用開始となった太地新宮自転車道線。完成後間もない同サイクリングロードでは亀裂や段差が生じており、町民や利用者からは不安の声が上がっている。
県は、県内800㌔を超えるサイクリングの道しるべ「ブルーライン」を引き、観光や健康づくりの促進に向け、利便性や安全性を備えたサイクリングロードの整備を進めてきた。
1989(平成元)年から工事に着工していた太地新宮自転車道線は、98(平成10)年に一時休止となったが、2017(平成29)年から旧グリーンピア南紀周辺コース(那智勝浦町寄りの744㍍)の整備を再開し、19年7月に供用開始に至った。
問題とされている現場は、大浦トンネル手前の約80㍍間。舗装された道に大小の亀裂が入っているほか、沈んでいる箇所もあり、雨水などを排水するU字溝との間に段差や隙間が生じている。
利用者や町民からは「歩く人もいる。多額の費用もかかっているため適正な管理をしてほしい」「地震や大雨の際に危険ではないか」「このような状況では他府県から自転車で訪れた人たちに恥ずかしい」などの意見が本紙に寄せられた。
東牟婁振興局新宮建設部によると、軟らかな粘性土層が盛土などの荷重を受けることで、土と土の間の水が排水され体積が減少して起きる「圧密沈下」が原因だという。施工時に約11㍍の盛土をした箇所と地山の境目部分で圧密沈下が発生し、ひび割れなどに至ったと見解を示した。
供用開始後、数カ月で亀裂が生じており、同建設部では大きな危険はないとしながらも、液状のアスファルトによる補修作業を実施。大きな亀裂や沈下箇所にはカラーコーンを設置して自転車利用者や歩行者が進入しないように対策を施した。
本年度中に亀裂箇所などの約80㍍区間のアスファルト部分を撤去し、再度舗装を行うとしており、工期は1週間程度を見込んでいるという。
同建設部では自転車利用者や歩行者が安全に利用できるようにしっかりと施工作業に努めると話している。
(2021年1月23日付紙面より)
那智中学校で防災学習
那智勝浦町立那智中学校(岡史博校長、生徒149人)で19日、1年生49人を対象とした防災学習があった。和歌山大学紀伊半島価値共創基幹Kii―Plus災害科学・レジリエンス共創センターの今西武客員教授が講義し、被災の厳しさや災害に備えることの重要性を伝えた。
和歌山県教育委員会の学校安全総合支援事業の一環。那智勝浦町は同事業のモデル地域となっており、町内の小中学校ではそれぞれの地理環境を反映して地震や津波、土砂災害などさまざまな防災学習が行われている。
生徒たちは最初に、2011年の東日本大震災発生当時の報道写真を集めた「3・11メッセージ」を視聴。がれきの山と化した町や津波に流された遺体を確認して泣き崩れる家族、避難所での生活の様子を知り、涙を見せる姿もあった。続いて、明日災害が起きることを想定し、今日一日どのような行動を取るのかを考えた
今西教授は「災害時は上下水道、電気、ガス、道路、情報などのライフラインが使えなくなる。那智勝浦町内で使われているプロパンガスが漏れた場合、低い場所にたまって爆発を起こす可能性もある」と話し、「病気や事故により、本人の努力では生きられない人もいる。一方で災害は、事前に備えておけば、自分や大切な家族、愛する人たちの命を守ることができる。皆さんの将来の夢をかなえるためにも、災害から生き延びなければ」と語り掛けた。
谷川優衣さんは「地震や津波でたくさんの人が亡くなったり、行方不明になったりして苦しい思いをする中、みんなで助け合って元の生活に戻そうとしている姿が印象に残った。明日災害が起きるとしたら、今日中に家族と避難所の確認や、避難後にできることを話し合うと思う」と話していた。
(2021年1月23日付紙面より)
古座中がロケットWS参加 (古座川町 )
古座川町立古座中学校(濵地久夫校長、生徒80人)が21日、串本町のロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加して2021年度以降の打ち上げに向け基本情報を教わる機会を持った。
このWSは、観光庁「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成」実証事業の一環で町民を対象にして実施。古座中はその枠外にあるが、旧組合立の名残で古座地区在住の生徒が通っているため、共に通う古座川町在住の生徒も含めて参加する機会を届けた。
講師は南紀串本観光協会付けで養成を受けた仲江孝丸さんが担当。同校は5時間目に2、3年生、6時間目に1年生と教職員全員が参加し、5時間目は後口幸宏君(3年)が代表してあいさつを述べて歓迎した。
仲江さんは串本町田原で建設が進む小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」を運用するスペースワン株式会社は、21年度中に初打ち上げ、将来的に年20基の打ち上げを目指していると説明。ロケットは全長18㍍あり、高度500㌔まで飛んで人工衛星を軌道に乗せる時には東京―大阪間を約1分で移動できる速度に達する。他方、人工衛星には衛星放送など通信、気象観測など撮影とさまざまな役割があり、今は重量100㌔前後でも機能を果たせるほどに進歩。これをロケットで上げたい時に上げたい場所へ運ぶのが同社のビジネスだとした。
ロケット事業はその様子を見学する以外にロケット産業や取り巻く産業への従事、打ち上げ時の来町者のもてなしやインターネットを使ったアピールなど、さまざまな関わり方ができることも紹介。説明の合間にクイズや実験、他地域での打ち上げ時の動画や最前線で活躍する人らのビデオメッセージなども交えて興味を誘い、ロケット事業を自分事とするための頑張ろうコールで締めくくった。
工学系の進路に関心があるという浅利大雅君(3年)は「動画やクイズなどもあり、興味を持って学ぶことができた。スペースポート紀伊でロケットを発射する時は、今日学んだことを思い出しながら観察したい」と話し、進路の一選択肢としても興味を示しつつ打ち上げへの期待を強めていた。
(2021年1月23日付紙面より)
丹鶴幼稚園で消防訓練 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)で21日、職員室からの出火を想定した自衛消防訓練があった。市消防本部協力の下、教職員たちは園児56人を素早く園庭に避難させた。
「令和2年版消防白書」によれば、元年中は全国で3万7683件の火災が発生。空気が乾燥し、ストーブやこたつなどの火気を使用する機会が多い冬季~春季の出火は、全体の59・5%を占めている。
火災を知らせる放送がかかると、園児たちは口元を押さえ、火元から離れた出入り口から園庭に出た。教職員は園児の誘導、消防本部への通報、消火器による一次消火、取り残された園児がいないかの確認をし、出火元のドアを閉めて避難した。
消防士は園児たちが3分で避難できたことを褒め、▽押さない▽走らない▽しゃべらない▽戻らない―の頭文字を取った「おはしも」の約束を確認。教職員に向け「連携が取れていて良かった。通報する電話が出火元から近い場合は、携帯電話の使用も視野に入れて。一次消火の際は火元に近づきすぎないよう注意を」と講評した。
訓練後には消防士による防火服着装や、火災現場で有毒な煙やガスを吸わないよう着ける「空気呼吸器」の説明があった。初めて消防車に乗った園児たちは歓声を上げ、消防士を質問攻めにしていた。
(2021年1月23日付紙面より)
ヒカンザクラが危機に (那智勝浦町 )
早咲きで知られるJR那智駅前のヒカンザクラ(緋寒桜)が枯れ始めている。この地方で一番早く、1月初旬から咲き始め、併設する道の駅を訪れる人を和ませてきたこのヒカンザクラが危機的な状態になっている。
那智駅周辺にはホームなどに数本のヒカンザクラがあるが、枯れ始めているのは駅前広場中心にある、シンボルとしてすっかり定着しているサクラ。例年ならメジロやミツバチが訪れて大変にぎやかになり、カメラやスマートフォンで撮影するカメラマンや観光客の姿が多く見られる。
数年前から勢いがなくなり、枯れた部分を剪定(せんてい)などしてきたが、樹勢は弱るばかり。勝浦側(西側)の幹は現在花が咲いているが、同所農産物直売所側(東側)の幹はほとんど枯れた状態になっている。
管理する那智勝浦町農林水産課では、東牟婁振興局林務課に相談し現在対策を整えている。東側の幹に関しては、落下などの危険性があるため切除することも検討しており、西側の幹は、2月に寒肥をするための準備を進めているという。
また、県の林業試験所の助言で、生きている幹から出た枝を数本採取して山桜を台木に接ぎ木をして育てており、枯れてしまったときのために備えている。
町担当者は「地域のシンボルである大切なサクラなので、なんとか復活させられるように努力したい」と話している。
(2021年1月22日付紙面より)
工業系高校6校をつなぎ (和歌山県 )
和歌山県内6校の工業系高校をオンラインでつないで20日、第37回工業教育研究発表大会が開かれた。新宮市の県立新翔高校(東啓史校長、生徒326人)でも建設技術系列の2年生6人が参加し、映像を通じて県内の工業高校生による研究成果発表に耳を傾けた。
和歌山県高等学校教育研究会工業部会(西村文宏部会長)とわかやま産業を支える人づくりネットワーク会議による恒例の大会。和歌山工業高校を発表会場とし、紀北工業高校、箕島高校、紀央館高校、田辺工業高校、新翔高校、県内企業をつないで約1000人が参加した。オンラインでの開催は今回が初めて。
西村部会長は「新型コロナウイルスによる臨時休校や就活日程の変更など厳しい環境の中で、工業を生かして研究を行い、一定の成果を出してくれて非常にうれしい。そこまで導いてくださった教職員や関係機関の方々に感謝いたします」とあいさつ。
作文部門では、4人が3年間の高校生活について発表。実習やコンテスト出場を通じた技術の習得、危険物取扱者や機械加工技能士といった国家資格の取得、部活動の経験を通じた自らの成長を語った。
Webプレゼン大会では「水準測量を用いた校舎各階の標高測定と津波防災への活用について」「紀の国わかやま総文、および文化祭2021のカウントダウンボードの製作」「ミストシャワーの製作」など社会貢献を見据えた個性豊かな発表がなされ、審査委員による質疑も行われていた。
(2021年1月22日付紙面より)
ころころ教室第2期始まる (串本町 )
串本町地域包括支援センター主催の介護予防教室「ころころ教室」の第2期が20日、町立体育館を拠点にして始まった。今期は寒さやコロナ禍が増す中での事前募集となったが、9人が2期生として受講登録。期間中は継続参加を希望する1期生と共に健康づくりに欠かせない知識を学び、家庭における実践の定着を目指す。
国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した「在宅高齢者運動指導支援員雇用促進事業」の一環で昨年9月から始まった同教室。外出自粛などで過ごす機会が増えている家庭内での健康づくりを促して介護予防を図ることを目的とし、そのために欠かせない運動、栄養、口腔(こうくう)の各知識を一連のものとして伝える内容で帯開講している。
1期当たりの開講数は9回。昨年9~12月に第1期を実施し、14人が受講登録をして取り組んだ。第2期もコロナ禍の情勢を鑑みて定員を先着15人に抑え、同日から3月31日(水)までの間で2月の3日(水)と24日(水)を除いた水曜午後定例で全9回帯開講することを広報くしもとで告知。1期生による誘いの協力も得ながら、2期生を募集した。
第2期は、継続受講を希望する1期生が2期生のサポート役を兼ねて自由参加。初回は2期生9人と1期生5人が出席し、同センターを代表して保健師の中まどかさんがこの教室の趣旨や目指すところ、理学療法士や保健師、栄養士など専門職が運営を支えていることなどを伝えて歓迎した。
以降は同支援員の理学療法士・原井祐弥さんが推奨する準備体操や転倒の不安解消を意識しながらの運動指導をし、体力テストや体成分分析装置「InBody」による測定を実施した。
この教室は受講前に感染症予防対策として手指消毒と検温をし、併せて血圧の確認を実施。前述した測定は期間終盤にも再度行い、それら結果の変化を見て受講の成果を実感し家庭での健康づくりの意欲を高める材料とする仕組みも取り入れている。
(2021年1月22日付紙面より)
木の川認定こども園 (新宮市 )
新宮市木ノ川の幼保連携型認定こども園「木の川認定こども園」(丸本知加子園長)で20日、新宮市消防本部(越水薫消防長)と合同で、火災を想定した自衛消防訓練を実施した。0~5歳までの園児48人は職員の誘導に従い、駆け足で施設上にある白龍山宝珠寺(西昭嘉住職)へ避難した。
同園によると、消防と共に園児も参加しての取り組みは初だという。訓練は調理員の休憩室から出火した想定で行われた。避難を促す放送直後には職員が連携して園児を屋外へ安全に避難させた。
同寺境内では消防隊員が職員に対して消火器の種類や使用方法を説明。水消火器による実践訓練では「先生頑張って」と職員を応援する園児の姿も見られた。
その後、園児は同園駐車場で防火服の紹介を受け装備を約40秒で整えるもようを見学。子ども用の防火服に着替えたり、消防車両に乗車するなどさまざまな体験を通し、火災予防を学んだ。
市消防本部の中西淳消防係長は「熱心に取り組んでいただき感謝しています。子どもの頃から火災予防に触れることは重要。職員の皆さまには火災予防の大切さを広めてもらえたら。園児の皆さんには将来、消防士になりたいという夢を持っていただけたらうれしい」と話した。
丸本園長は「指導いただきました内容を職員で話し合い、毎月の訓練に生かしていきたいです」と語った。
訓練後、園児は隊員に対して元気いっぱい「ありがとうございました」と感謝を伝えた。
(2021年1月22日付紙面より)
節分前に「吉兆」作り (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、縁起物の「吉兆(きっちょう)」作りが大詰めを迎えている。同大社職員や巫女(みこ)、敬神婦人会のメンバーらが先月10日ごろから制作に取り掛かっていた。大(約90㌢)約100本、小(約50㌢)約600本を20日から同社で販売しており、希望者には郵送する(送料別)。
「吉兆」は「良いことの兆し」の意味があり、古い信仰では、「お正月様(年神)」が「今年は豊年、凶事・疫病の起こらぬ良い年」と祝福したことから、この福神を迎えた木のことを「吉兆」という。
大社境内の山林で採ったヤナギの枝を上野宮司が剪定(せんてい)して束ね、大福帳、小判、お守り、タイなどの小物をくくり付け、仕上げに直径約2~3㌢の赤、白、青、紫などの「もち花」を付けた縁起物。
ヤナギはその生命力の強さ、力強さなどから福神が宿るとされている。節分に飾ると商売繁盛、家内安全などの幸福が訪れると信じられている。
今年の節分は立春が2月3日(水)になるため、1897(明治30)年以来124年ぶりに2日(火)となる。吉兆は同日の節分祭でも販売するが、人気があり午前中で売り切れてしまうことも。値段は大が3000円、小が1800円。郵送希望者は同大社に電話(0735・22・2533)で問い合わせを。
同大社では「本年も家内安全、商売繁盛、福徳招来の御祈願を込めて奉製いたしております。皆さまにとって実り多き年となりますようお祈り申し上げます」と話している。
今年の節分祭は、新型コロナウイルス感染予防の観点から「お焚(た)き上げ」を午前10時から開始。時間を短縮し午後8時までとする。午後7時からは「追儺(ついな)式」が営まれるが、鬼の登場はなし。福豆やお菓子まきも実施しない。厄よけ祈とうは午前9時から午後8時まで。同大社では各所に消毒液を設置し感染防止に努めるとともに、参拝者に対してマスクの着用などを呼び掛けている。
(2021年1月21日付紙面より)
漁協職員らが認知症学ぶ (太地町 )
太地町社会福祉協議会(岡本研会長)と同町地域包括支援センターは19日、同町漁業協同組合横の漁村環境改善総合センターで同漁協関係者を対象とした認知症サポーター養成講座を初開催した。那智勝浦町下里の株式会社下里福祉グループホームつつじ園の看護師で和歌山県の認知症介護指導者である川口利恵さんが講師を務め、参加者は認知症患者との接し方などを学んだ。
1日現在で43・3%と高齢化率が高い同町。講座は町漁協が経営する漁協スーパーや道の駅たいじなどの従業員が町民と接する機会が多いことから、認知症への理解を深め、各業務で生かすことで町の課題解決につなげることが目的だという。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からこの日は7人が参加。残りの職員らは来月に数回に分けて講座を実施する予定。
岡本会長は同漁協からの情報提供や対応、見守り活動への参加について感謝を述べ、今後の協力を呼び掛けた。
川口さんは自身が勤務する施設の認知症利用者の生活の様子を紹介し、「認知症になっても人生は終わりではない。今日は認知症の方が私たちと何も変わらない生活をしていることを伝えたい」と話した。
加齢による物忘れと認知症の違いや認知症の一番の症状が記憶障害であると説明。認知症を患っていない人にとっての生活は「時間の連続性」の中にあるが、認知症患者にとってはあいまいなイメージのみが残り、不安を抱えていると述べた。
認知症患者の気持ちと接し方について、内面で起きている世界(本人の気持ち)を見ることが重要とし、急がせないことやシンプルに伝えることを例に挙げ、不安のない安心できる人間関係が一番大切だと主張した。
川口さんは「無関心にならず、『いずれはわが(自分)こと』と考えてほしい。認知症で困っている方にお会いした際は少しの気遣いや関心を寄せてほしい。安心に暮らせる町づくりに生かしてもらえたら」。
同漁協の〆谷(しめたに)和豊参事は「皆さんが自分のことと捉えてくれたら対応も変わってくるはず。講座を通して従業員の皆さんの気づきや行動のきっかけになればうれしい」と語った。
(2021年1月21日付紙面より)
まなびの郷、ふるさと資料館に (鵜殿図書館 )
紀宝町立鵜殿図書館は、町生涯学習センターまなびの郷ふれあいゾーンと、田代公園内のふるさと資料館「みどりの里」にリサイクル本コーナーを設置した。気に入った本があれば持ち帰りできる。
同図書館では現在、移転準備のため本などの整理を行っており、役目を終えた本を有効活用するため、2施設にリサイクルコーナーを設けた。期間は2月末ごろまでを予定しているという。
現在、両施設に並ぶリサイクル本は料理本、雑誌、文庫本などで今後さまざまなジャンルの本を追加するという。
利用対象は紀宝町内在住、在勤の人に限る。来館の際は本を入れる袋などを持参し、マスク着用、検温、手指消毒などに協力すること。
開館時間は、まなびの郷が平日の午前9時から午後5時まで、ふるさと資料館は水曜日から日曜日までの午前9時30分から午後2時30分まで。
問い合わせは、同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2021年1月21日付紙面より)
わかば保が「まちたんけん」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町のわかば保育園(山田眞理子園長、園児81人)の5歳児17人が19日、「まちたんけん」で町立図書館や町消防本部を訪れた。
地元を探検することを通じて、園児たちに町の自然や人々、社会、公共物などに興味を持ってもらうことが目的。
町立図書館では絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあり、園児たちは節分にちなんだ「だいくとおにろく」や「のりまき」を楽しんだ。自分で選んだ絵本を読む時間もあり、夢中で絵や文字を追った。
町消防本部では、消防士による引揚救助訓練を見学。園児は大喜びで拍手を送った。消防士たちは「どうやって消防士になるの?」という質問に、「今からいっぱい食べて、運動して体力をつくり、勉強して試験に合格したら消防士になれる」と答えた。
橋本ちひろちゃんは「図書館には面白い本がいっぱい。救急車にはベッドなどいろんな物があった。消防士さんたちの訓練はかっこよかった」と話した。
晴天の下、園児と保育士たちは役場近くの公園でお弁当を広げ、町を満喫していた。
(2021年1月21日付紙面より)
熊野灘水難救済会を表彰 (第五管区海上保安部 )
串本海上保安署は18日、太地町の太地町漁業協同組合で、昨年11月に発生した帆船(ヨット)座礁事故の乗員救助に尽力した熊野灘水難救済会太地町支所(脊古輝人支所長=同町漁協組合長)に対し、第五管区海上保安本部長表彰の伝達を行った。
漁業関係者を中心に組織される同救済会は、海で遭難した人々の救助を行う民間のボランティア団体で、同町と串本町に支所がある。
同署によると、事故は神奈川県船籍の50~60代の男女3人が乗る全長9・8㍍の帆船が太地町沖で座礁し、118番通報を受けた同署が巡視艇むろづきで救助に向かったもの。当初はヘリコプターによる救助も検討していたが、夜間に加えてこの日は磯波もあったことから断念したという。
救助協力の要請を受けた脊古支所長と救助員の貝良文さん(同町漁協専務理事)、〆谷(しめたに)和豊さん(同町漁協参事)が漁船で駆け付けたが浅瀬のため、一度引き返し小型船に乗り換えて現場に到着。「明るくなるまで船で待機する」と話す乗員を同署の職員と共に救助し、小型船に乗せて港まで連れ帰った。その数時間後には帆船の船体はバラバラになったという。
内海浩一署長は「水難救済会は明治22年から全国で設立されている歴史ある組織。むろづきは串本町から新宮市までをカバーすることになるため、熊野灘水難救済会の皆さまは非常に心強い存在。感謝しています」と話した。
貝さんは「磯を知らないと危険。二次災害が発生する危険性がある。バラバラになった船体は3日間かけて漁協の組合員が有志で片付けてくれた。漁協も休業補償や漁業補償も要求しなかった。こういうときはお互いさま」と語った。
脊古支所長は「朝、現場に行ってみてびっくりした。船体がバラバラになっていた。助けることができてわれわれもうれしいです」と話した。
(2021年1月20日付紙面より)
熊野那智大社で節分準備進む (那智勝浦町 )
2月2日(火)の節分を前に那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では「鬼面札」や福升の準備が行われている。18日は神職や巫女(みこ)が鬼面札作りの作業を進めていた。
災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福桝(ふくます)」を作っている。鬼面札はしめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で昭和44年に3代前となる篠原四郎元宮司が作成した木版画で翌45年から授与。独特の絵柄が人気で昨年末から予約が入るという。
神職が縦35㌢、横45㌢の画仙紙に那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け1枚ずつ刷り出し、巫女が「那智宮印」を押して、2000枚を仕上げる。モミの木製の福升は5合升せ1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれ350個作るという。
𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は猛威を振るう新型コロナウイルスの現状に触れ、「今年は特に厄災の象徴とされる鬼を閉じ込めた鬼面札には感慨深いものがあると思う。終息の願いも込めて作成しているのでおまつりいただき、少しでも安心感を持っていただければ」と話した。
鬼面札はこの日の午後から社頭で授与が開始。鬼面札は1枚800円、福升は1500円、福豆が300円。郵送授与希望時は別に送料が必要で、申し込みはFAX(0735・55・0643)かメール(nachi@kumanonachitaisha.or.jp)で受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
同社によると、124年ぶりとなる来月2日の節分行事はコロナ対策を万全に施し、午前10時と午後1時から実施するという。
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■那智山青岸渡寺では
西国三十三所第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)では例年多くの参拝者が訪れる「節分会豆まき会式」を新型コロナの感染拡大防止の観点から中止する。
同寺によると、節分で使用する祝升の作成や豆まき行事は実施せず、節分のご祈とうのみ執り行うという。
(2021年1月20日付紙面より)
町WSを挑戦の第一歩に (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長、部員20人)が18日、串本町のロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加した。同部は打ち上げ時の地域貢献を今後の活動の中に思い描いていて、その挑戦の第一歩として同事業に対する意見をまとめつつ自分たちにできることを探った。
このWSは、同町が本年度誘客多角化等実証事業の一環で実施。住民がロケット事業を自分事と意識できるよう基本情報を託して意見を聴取する目的で、学校や町民を対象にして開いている。
その割り当てを得た同校は、第2回宇宙シンポジウムin串本に参加するなど関心が高い同部が受けることとした。事前の調整で部員はこのWSの序~中盤のロケットや人工衛星の基本情報をすでに得ていると判断し、教材「スペースポート紀伊まるわかりブック」を配って説明に代える形にして省略。終盤の内容「ロケット打ち上げを楽しもう」の解説を足掛かりにして同事業への意見をまとめる流れでこのWSに取り組むこととした。
講師は南紀串本観光協会付けで要請を受けた坂本直弥さんが担当。打ち上げにはさまざまな関わり方が考えられることや、地域が迎える見学者にはコアな人(=ロケット好きで通う人)とライトな人(=興味が湧いて見に来る人)がいるなどの特色を伝えた。
その内容を踏まえて部員は四つの班に分かれ、▽食▽土産▽リピートのこつ―の3項目で個々のアイデアを集約。項目内区分をしながら考えを深め、班の意見として全体発表した。
食の面では見学時の軽飲食は不可避でその前後で地元の名物も味わってもらうことも含めてロケットと絡め楽しんでもらう、土産の面でもロケットにちなんだ文具や小物、菓子など身近なグッズでロケットを感じられるような商材開発を進める、といった傾向を帯びたアイデアが複数挙がった。
リピートのこつでは▽スタンプラリー(=見学回数に応じて非売品を贈呈)▽フォトコンテスト(得た秀作を商材開発に生かす)▽専門家による講演会(見学の付加価値を増す)▽マグロ解体ショーなど地元ならではの企画との連動(見どころを増す)―などのアイデアがあり、オブザーバーとして出席した同町企画課ロケット推進グループの宮本宏保さんや平井治司さん、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長が印象や質問を寄せた。
最後に講師とオブザーバーが講評をして、部員の今後の挑戦を期待。宮本さんはいつもとは違うWSとなったが意見聴取の点ではとても勉強になったとして、部員の意見に感謝した。
このWSをコーディネートした清野祐介顧問は「CGS部としてできることを具体化する道のりは遠いがそれでも考えて具体化を進め、初打ち上げの時にここにいるみんなで何かができるよう行動していこう」と部員を鼓舞してWSを締めくくった。
(2021年1月20日付紙面より)
御燈祭りに向け事故防止協議会 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で18日、御燈祭(おとうまつ)り事故防止協議会があった。上野顯宮司をはじめ、新宮警察署や市消防本部など関係者ら約15人が出席し、2月6日(土)の祭り当日に向け、連携して取り組むことを確認した。
冒頭で上野宮司は「新型コロナウイルス感染予防の観点から、今年は健康を考慮して上(あ)がり子および報道関係者、一般撮影者の入山を禁止することとしました」とあいさつ。「毎年、約2000人の上がり子が神倉山の山門内に密集するため、クラスター感染が発生する可能性が非常に高いと憂慮し、今回の結論に至った」と経緯を説明した。
会議では▽一般の参拝者は神倉神社の太鼓橋にロープを張り、当日の正午に入山を止める▽新宮消防署・消防団において山内に防火体制が取られる▽翌日7日(日)の餅まきを中止する―などを確認した。
上野宮司は「コロナ禍で大変な時期ではあるが、祭りの本義を考える良い機会を与えてくれていると感じています。寂しい祭りと捉えられるかもしれないが、決して『縮小』ではなく本来の姿が現れるのではないかと思っている。気を抜くことなく、例年と同じように進めていきたい」と話していた。
(2021年1月20日付紙面より)
トヨタカップ県小学生サッカー東牟婁予選
神倉神社の石段検分 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で18日、石段検分が行われた。2月6日(土)の「御燈祭(おとうまつ)り」に向けて関係者が石段の安全を点検。ひび割れなどが70カ所見つかり、祭り当日までに修繕する。
「御燈祭り」は1400年以上前から続くとされており、熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。白装束に荒縄を巻いた「上(あ)がり子」と称する参拝者が神倉山上でたいまつに御神火を受け、山門の開閉とともに急峻(きゅうしゅん)な石段を一気に駆け下りる勇壮な祭りとして毎年、全国から大勢の人が訪れている。
今年は新型コロナウイルス感染症の影響から、山門内に大勢の上がり子が集結することによって長時間の3密が避けられない状況にあることを考慮。上がり子の安全や健康を最重要視し、神職と介釈(かいしゃく)約20人のみで営まれる。当日は報道関係者や一般撮影者の入山も禁止。翌7日の餅まきなども中止となった。
点検には同大社、神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)、神倉青年団(中山忠吏団長)の6人が参加。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147~99年)が寄進したと伝わる自然石を積み上げた538段の石段を一段ずつチェックし、石が動くなどの問題箇所にチョークで印を付けていった。
中山団長は「コロナ禍で、これまでに経験したことがない状況。楽しみにしている人も多かったと思いますが、上がり子の安全や健康面を第一に規模縮小に至りました。終息を信じ、来年こそは通常の祭りができることを願っています」。
猪飼会長は「奉賛会としては準備など、行うことは同じです。大勢の人たちからも声を掛けられますが、状況的に仕方がない。今年は残念ですが、再び勇壮な祭りができることを信じています」と話していた。
(2021年1月19日付紙面より)
望楼の芝で野焼き作業実施 (串本町 )
串本町潮岬にある望楼の芝で15日、野焼き作業があった。本年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点で、イベント「本州最南端の火祭り」は中止。この日は約8万平方㍍の芝地に火を入れ、枯れ芝などを焼き払った。
この作業は、枯れ芝に火を入れることで冬越しする害虫を駆除しその熱気で芝の芽吹きを促す目的で取り入れている管理手法。導入初期は日中に実施していたがその光景に対する好評を受け、後に日没後の実施へと変更して観光資源化。近年は1月最終土曜日に前述したイベントを実施し、多くの見物客を集めるところとなっている。
期日前の野焼き作業は延焼抑止を目的とし、中央の盛り土を境としてイベント会場となる東半分の外周と西半分全体をあらかじめ焼き払う内容で実施している。本年度はそのイベントがないため、東半分も全体を焼き払う形とした。
当初は13日に実施する予定だったが前日の雨で枯れ芝が湿ったため延期。15日は南紀串本観光協会関係者と同町消防本部や同町消防団合わせて約40人が参加し、同関係者が風上の南東側から手分けして火を入れ、消防職員や団員が想定外の延焼を警戒し時には消火をしながら野焼きを進めた。
火の広がりはまずまずで、約8万平方㍍を焼き尽くすのに要した時間は約1時間30分。残り火の確認を同本部に要請して作業を終了した。同協会の島野利之会長(53)は「コロナ感染が増えている中で開催するのは難しいということで、非常に残念だがイベントを中止とした。来年、コロナが落ち着いたら盛大に執り行ってたくさんの方に来ていただければと思う」と話し今回の判断への理解を求めた。
(2021年1月19日付紙面より)
めぐるみらい会議vol.2 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は16日、同町の教育センター(旧三川小学校)で「地域資源が循環する持続可能な未来づくり会議(めぐるみらい会議)vol.2 未来づくり会議」を開催した。町内外から17人が集まり、シュタットベルケ事業で生まれた収益を元にどのようなまちを目指し、課題解決を行うのかを話し合った。
シュタットベルケとは、ドイツ語でエネルギーをはじめとする幅広い分野の公共事業などを担う公益企業を指す。
同町では地域資源を生かし、地域内で資源を循環させることで自立した町づくりを目指す「地域循環共生圏づくり」に取り組んでおり、今後は官民出資型の事業体を設立し、電力小売や太陽光発電などの電力事業を行っていく予定。
その収益を活用して地域課題の解決に取り組むことで「熊野信仰に基づいた環境負荷の少ない暮らしで住民幸福度の高い『環幸』のまち」の実現を目指し、町版のシュタットベルケの準備を進めているという。
同会議は昨年12月に1回目を開き、カードゲームでSDGs(持続可能な開発目標)について学びを深めた。2回目となったこの日は「同事業への理解者・応援者を増やす」「参加者の課題意識や意見をビジョンに反映させる」ことを目標として実施された。
今回、企画運営を行うissue+designの白木彩智さんらが、新型コロナウイルスの影響で来町できずオンラインで参加。同町観光企画課の佐古成生課長や同課の職員が会議運営に協力した。
参加者は「社会福祉」「環境」「経済」の三つのチームに分かれ、地域が抱える課題を付箋に書き出し、各個人で原因や結果の洗い出し作業を実施した。
続いて、チームで話し合い重要な課題に投票し、取り組むべき課題を選択した。選ばれたいくつかの課題から自身が取り組みたい課題を選び、解決のためのアイデアを個人で捻出。その後、チームや全体で共有を図った。
最後は環境省の事業可能性調査などを受諾し進めている南紀自然エネルギーの代表理事・仁木佳男さんがオンラインでシュタットベルケ事業について説明した。
SDGsに精通する同課の赤岡誠さんは「参加者の皆さまから『対話の大切さが分かった。今日の会は町の希望では』とのお声をいただきありがたい。皆さまの意見を反映させながら町の発展や活性化に向けて次年度以降、進めていきたい」と語った。
なお、最終となる3回目の会議はコロナの様子を鑑みながら2月20日(土)午後1時からの開催を予定している。
(2021年1月19日付紙面より)
スギやヒノキ次々と落札
新宮原木市場(谷口泰仁社長)は18日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に買い方が集まり、開始の合図とともにスギやヒノキが次々と競り落とされた。
同市で木材の市売(いちうり)販売が始まったのは1956(昭和31)年。当地の有力原木生産業者が共同事業体として「新宮電柱木材協同組合木材市売部」を創設した。その後、利用度の増大に伴い公共性が重視され、新宮木材協同組合が中核となり66(昭和41)年、現在の原木市場が設立した。
77(昭和52)年には全国植樹祭の一環行事として「第1回熊野木まつり」展示即売会を開催。以降、毎年4月の恒例記念行事となっており、熊野材のPRや需要開拓などに取り組むきっかけとしている。
今年の初市は、新宮紀宝道路事業に伴う道路拡幅工事のため、上貯木場で開催。熊野川町や古座川町などから直径24~30㌢、樹齢70~100年のスギやヒノキ約930立方㍍(約5400本)が出荷された。
初市の開催に当たり、谷口社長は「材価が下がり続ける中、よくこれだけ集めてくれた。山元の高齢化や住宅様式の変化などで市場を取り巻く状況は依然として厳しい」と現状を述べ「地場産業である木材の活性化を担うのは新宮原木市場。生き残りを懸けて頑張っていきたい」と抱負を語った。
(2021年1月19日付紙面より)
和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)は13日、那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で「防災RPG(ロールプレイングゲーム)土砂災害が発生したとき」を用いた県内初の防災学習を実施した。オンラインで参加した開発者である和歌山工業高等専門学校専攻科エコシステム工学専攻(辻原研究室)1年の西萩一喜さん(21)=串本町出身=のアドバイスの下、5・6年生9人はゲームという新たな形で防災への学びを深めた。
同センターによると、地震の避難に関する防災RPGを制作・研究していた辻原研究室の辻原治教授に同センターが土砂災害用ゲームについて提案したところ、防災に興味を持っていた西萩さんの紹介を受けたという。
西萩さんはゲーム開発のためにオンラインでの会議を実施し、同センターを数度訪れるなどして内容を精査。同センターも土砂災害に関する資料や情報を提供し、昨年12月に完成した。
ゲームは大雨警報や避難勧告が発令された中、主人公が自宅から避難所までたどり着けばゴール。さまざまな場面で災害に関する知識や正しい行動についての選択が問われる内容となっている。正解に応じて点数が獲得でき、実際の土砂災害の動画なども映し出される。
児童は2人一組でパソコンに向かい、相談しながらゲームを進めた。参加した中村幸幹くん(6年)は「いつもやっているゲームは学ぶことが少ない。このゲームは分かりやすくて楽しく学ぶことができた」。
中西校長は「受け身の教育ではなく、ゲームを通して主体的に学ぶことができたため、新たな可能性が広がっていくと感じた」と話した。
西萩さんは「今後はゲームをきっかけに家族と土砂災害について話し合い、知識を共有してほしい」と述べ、坂口所長は「楽しく学んでくれて良かった。児童や先生にもアンケートを行い、課題解決につなげていく。今後は県内各地でゲームを活用していきたい」と今後の展望を語った。
なお、ゲームは同センターでもプレーすることができる。問い合わせは和歌山県土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。
(2021年1月15日付紙面より)
人権擁護委員委嘱状伝達式 (和歌山地方法務局 )
新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)で13日、人権擁護委員の委嘱状伝達式が行われ、山田支局長が村田美織さん(64)=那智勝浦町下里=に委嘱状を手渡した。任期は今月1日から3年間となる。
人権擁護委員は、地域住民の中から人権問題に理解や熱意のある人が市町村長の推薦を受けて法務大臣から委嘱される。さまざまな分野の人が地域の中で人権思想を広め、住民の人権が侵害されないよう配慮する活動を続けている。1日現在で同市では9人、那智勝浦町は6人、全国で約1万4000人が委嘱されている。
委嘱状を受け取った村田さんは「人権は、全ての人が守られ、平等であるべきもの。コロナの収束を迎えれば保育士として勤めていた経験を生かし、絵本などを通じて子どもたちに人権の大切さを少しでも伝えていければとも思っています。初めての活動で分からないことも多いですが、先輩委員の方々から学び任期を全うしていきたい」と決意を述べていた。
全国人権擁護委員連合会では昨年、新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大し緊急事態宣言が発令される中、5月に「差別をなくして新型コロナウイルス感染症のまん延を乗り越えよう」と緊急宣言。「このような時期だからこそ、個々の自覚した行動が求められている。一人一人は弱い人間でもみんなで助け合って支え合えば、この危機を乗り越えることができるのでは」と提唱した。
(2021年1月15日付紙面より)
飯田高校と最終の遠隔授業 (串本古座高校 )
県立串本古座高校普通科グローカルコース3年生が13日、石川県立飯田高校総合学科3年生と最終の遠隔交流授業に取り組んだ。
飯田高校は石川県の能登半島の先端に位置する学校。他地域に関わることで取り組む地域学への刺激が得たいという思いで紀伊半島の先端にある串本古座高校に交流を申し入れ、同校も生徒の取り組みに対する客観評価を得て学びを深められると意義を見いだして承諾し、実交流としてウェブ会議システムを使ったこの授業に取り組み始めた。
昨年6月に初実施し、以降も回を重ねて互いが取り組んでいる地域学の内容を伝え合い、時には相手の地域学を深めることに協力し合うなどしてきた。最終となったこの日は前後半の2部構成で実施。前半は同席した外部講師のために互いの地域の特色と地域学の経緯や学んだ事柄などを発表し、後半は飯田高校側の外部講師・圓山晃歩(えんやま・あきほ)さんと串本古座高校側の外部講師・宇井晋介さんが最終講義をしこの交流を締めくくる生徒に期待する事柄を託すなどした。
圓山さんは副業として半島同盟を運営するメンバーの一人。その活動内容や取り組む意味を紹介し、両校生徒がこの授業で追い求めたように半島同盟も他地域との違いを知って自分の価値を知り、それが今後の可能性につながるから取り組んでいるとして両校生徒の取り組みに共感した。
宇井さんは元・串本海中公園センター水族館館長で現・南紀串本観光協会事務局長。串本の海の特色と生物多様性を生かす観光業の成り立ちを体験型観光の主流化という時代変遷も踏まえながら説明し、その領域の一先駆者として▽「何もないところ」はない▽物事をいろんな方向から見てみる▽考えるだけでは考えていないのと同じで例え小さくても形にすることが大事▽継続が最も大切―などの発想を生徒に託した。
最後に両校代表を1人立ててこの交流の印象を発表。飯田高校側は「自分から進んで調べようとしなかったことをこの交流で知ることができ、それによって自分たちの地域をより深く知ることができて良かった」、串本古座高校側は「(交流を通じて)串本ではしていないまちづくりなどを勉強でき、今後自分たちの地元を盛り上げていくために活用できたらいいなと思った」と伝え合って交流を締めくくった。
(2021年1月15日付紙面より)
大泰寺で大般若祈祷会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の9人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の餅まきは中止となったが、境内や本堂には約130人が訪れ参拝した。
法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底し、住職の出仕も2町にとどめた。
住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。
西山住職は「早期のコロナ終息と多くの方々が元通りの生活に戻れるように心に念じながらご祈とうさせていただいた。今年は皆さまが幸せをかみしめることのできる一年になることを願っています」と語った。
なお、昨年末から無料で授与されていた疫病封じの床浦大明神のお札を持ち帰る参拝者の姿も多く見られた。
同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。
この日もご開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年のご開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。
(2021年1月15日付紙面より)
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熊野速玉大社の「熊野神宝館」 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の「熊野神宝館」で、屋根のふき替えと下地の修繕工事が進んでいる。工事に伴い、同館は昨年10月から休館しており、3月末の工事完了を予定している(工事延期の可能性あり)。
このたびの工事は老朽化に伴うもので、同大社は第1弾として屋根および下地、天井の修繕に着手した。
同大社が発行する「国宝古神宝類」によると、1950(昭和25)年の文化財保護法施行以降、彩絵(さいえ)檜扇(ひおうぎ)5握をはじめとする多数の古神宝670(内容品、付属品を計上すると1204)点が55(昭和30)年に新国宝として指定を受けた。
同館はそれを記念し57(昭和32)年に新築工事に着工したもので、敷地面積373平方㍍、鉄筋コンクリート造り彩色仕上げ、瓦ぶき屋根の建物は同年12月31日に竣工(しゅんこう)した。以来、60年以上にわたり国宝神宝類の一部、金銅装神輿(みこし)、朱塗り神幸船(しんこうせん)、糸巻太刀など、数々の重要文化財や県・市の指定文化財および古文書などを保存・展示してきた。
同書によると、神宝(神の調度として皇室から献納された宝物)の全国的に現存する遺品は極めて数が少なく、わずかに熱田神宮、春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮と同大社(阿須賀神社含む)とに限られており、また、同大社古神宝の調進年代など、各社殿別に品目を記した「熊野新宮御神宝目録」の写しが佐藤春夫の父・豊太郎によって21(大正10)年に奉納されている。
(2021年1月10日付紙面より)
天御中主神社で例大祭など (新宮市 )
新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除(よ)け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事や新型コロナウイルスの終息を祈った。
例大祭では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の北道篤志さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。新型コロナ感染防止の観点から、毎年大勢の地域住民でにぎわう餅まきは中止となった。
同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は中地地区が当家を務めた。
神事後、北道さんは「当主を務めることができて光栄。今年は新型コロナが収まり、皆さまにとって幸多い年となるようお祈りします」とあいさつ。
石垣総代長は「皆さまのご健勝やご活躍、郷土繁栄、新型コロナの終息などを祈願しました」と話していた。
(2021年1月10日付紙面より)
初薬師の法要営む (紀宝町 )
新年最初の薬師の縁日に当たる8日、薬師如来をまつる各寺院で初薬師の法要が営まれた。紀宝町では鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺や、平尾井の平尾井薬師堂でも祭典が執り行われた。
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紀宝町鵜殿の醫王山東正寺(片野晴友住職)では、本尊の薬師瑠璃光如来を開帳し、初薬師大般若会(だいはんにゃえ)を営んだ。寺の役員らが訪れ、家内安全、心願成就、疫病退散、新型コロナウイルス感染症の早期終息などを祈願した。
普同三拝、心経読誦(どくじゅ)に続き、600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読が行われ、参拝者らが順に焼香した。
片野住職による法話では「続けることは根気がいるが、やるべきことを真面目に行えば、人は輝いてくる。まねを続ければ、やがてそれが本物になる」と話し、「普通の生活を送れることに感謝し、一日一日を大切にしてほしい。今日やるべきことはやって、明日目覚めなくても悔いが残らないよう努めて」と語りかけていた。
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平尾井薬師堂では毎年1月8日に営まれている「冬の大祭」が執り行われた。円通寺の山田耕治住職が読経し、一年の平穏、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願した。
今年は新型コロナウイルス対策として、密にならないよう参列者を制限した。また、「薬師の庭」と呼ばれる境内で行っている餅ほりも中止とし、餅俵のみを供えた。
参拝者は石段を登った先にあるお堂で鐘を突き、薬師堂に手を合わせた。参列した老人クラブ「平和クラブ」の林杜谷会長)は「新型コロナウイルスの終息と今年一年の平穏を願いました」と話していた。
白河法皇が熊野三山に御幸した際、逢野細谷(相野谷)の地に薬師堂の建立を勅願し許されたのが熊野三仏平尾井薬師だという。
薬師堂上の巨岩には、仏足跡と呼ばれる足跡の形が彫られ、高貴な方の参詣の証しとして刻まれたものといわれている。
(2021年1月10日付紙面より)
井関保育所に「よむよむ」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立井関保育所(桝本千惠美所長)で6日、絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあった。全園児15人が正月にちなんだ絵本に笑顔を見せ、楽しい時間を過ごした。
町立図書館や保育所などで20年以上活動を続ける同会には町内在住の6人が所属しており、この日は中村起代子さんと伊藤松枝さんが来所した。
園児は2グループに分かれて読み聞かせに耳を傾けた。大型絵本「おめんです」では、面の下に誰がいるのか予想し、面白おかしい回答に初笑い。おせち料理や年賀状、たこ揚げ、福笑いなどの正月の過ごし方を描いた「あけましておめでとう」や餅が大好きなお殿様が登場する「おもちぶとん」の世界に引き込まれていた。
読み聞かせの後は、「たこのうた」と「カレンダーマーチ」を歌ってお礼をした。1月中は、保育所で羽子板やたこ揚げ、かるた、こま回しなどの正月遊びをする予定だという。
(2021年1月10日付紙面より)
紀の松島観光船プラン作り (武者修行(R)プログラム )
大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は、昨年12月24日から始まった「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」の最終プレゼンテーションを4日、那智勝浦町役場で実施した。
同町の体験型観光の代表である「紀の松島観光船」のプランについて、3チームが熱のこもったプレゼンを行い投票の結果、澤田龍輝さん(産業能率大学4年)と松下昇大朗・ウィリアムさん(名古屋大学2年)のチーム「マイアミホテイソン」による「びん玉×映え=びん映えプロジェクト」が条件付き採用となった。
武者修行(R)プログラムとは、同社のベトナム法人が運営する店舗で大学生がチームとなり、新商品・サービス開発やプロモーション企画を考え、形にして顧客に届けるビジネス体験学習プログラム。自身の成長課題に向き合い、自己変革(変態)することで、人生を切り開く力「自走式エンジン(R)」を積むことが目的・ゴールだという。昨年からは国内でも実施されている。
参加した学生7人はチームに分かれ、同観光船の満足度向上や集客増を目指して町内を巡り、町民らと交流しながら情報収集などを行い、企画を進めていった。
12月27日の中間プレゼンを経て、課題解決に向け自身らのプランを磨き直し、2日と3日に効果検証を行い、最終プレゼンを迎えた。
(2021年1月7日付紙面より)
文化財保護分野で高評価 (串本町 )
本年度地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)の被表彰者がこのほど発表され、本紙関係では串本町の古座川河内祭(こうちまつり)保存会(杉本喜秋会長)が表彰を受ける事が決まった。
この表彰は、芸術文化振興や文化財保護などを通して地域文化の振興に功績があった個人や団体をたたえる目的で年次実施。本年度は芸術文化分野で46件(個人41、団体5)、文化財保護分野で45件(個人33、団体12)がそれぞれ選ばれている。
同保存会は文化財保護分野の被表彰者。現・国指定重要無形民俗文化財「河内祭の御舟行事」を50余年にわたって保護し続け、河内神社例祭「河内祭」の主軸となる奉仕を担う団体として例祭に関係する5カ区(古座・古田・下部・宇津木・月野瀬の各区)や他の奉仕継承諸団体のまとめ役も果たして祭礼の継承に努めている。
そのような活動の成果として同文化財は1965(昭和40)年に県指定、99(平成11)年には国指定へと昇格。日本遺産「鯨とともに生きる」にあっては、鯨船に屋形を組んで装飾した御舟が往事の文化を物語る点で認定時に大きな役割を果たした経緯もある。同保存会が積み重ねてきた地域文化振興への貢献は多大と評価され、今回の表彰を受けるに至った。
表彰式は24日(日)、京都府立府民ホールで実施。杉本会長は同町教育委員会教育課職員とともに出席するそうで、「このような賞を頂けることになり、ますます祭りをやめられないという気持ちになった。(会員が)だんだん年を取ってきて御舟の飾り付けなどいろいろと大変になってくる中、どうすれば維持していけるかをみんなで話し合いながらこれからも続けていけるよう頑張りたい」と気持ちを新たにしながら喜んでいる。
(2021年1月7日付紙面より)
新宮市立図書館
新宮市井の沢の市立図書館では、1階に特設コーナーを設け、今年のえと・牛に関する絵本や、2021年に関する本を展示している=写真。30日(土)まで。
児童閲覧コーナーでは、「希望の牧場」「めうしのジャスミン」などの牛に関係した絵本を展示。
一般向けには、今年没後50年を迎える山下清とファッションデザイナーのココ・シャネル、連載が始まって70周年を迎えた、スヌーピーでおなじみの漫画「ピーナッツ」関連本、今年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一の関連本、その他今年に映画化・ドラマ化される原作本などを紹介している。
また、一般向け新刊コーナー横には、「赤毛証明」(光丘真理)「なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと」(池上彰)など、成人式、卒業式の時期に合わせて読書推進運動協議会が発行する冊子に掲載された24冊を展示・貸し出ししている。展示は2月27日(土)まで。
また、今月のおはなし会「ぷちぷち」(先着5組、要事前申し込み)は22日(金)午前10時30分からの約15分、「にこにこ」(先着10人、申し込み不要)は23日(土)午後2時30分からの約15分を予定している。申し込み・問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284、FAX0735・22・2312)まで。
(2021年1月7日付紙面より)
追い出し作業が困難 (太地町 )
和歌山県資源管理課は5日、太地町沖に設置されている大型定置網に昨年12月24日から体長4~5㍍(推定)のミンククジラ1頭が入り込み、追い出し作業が困難となっていることを報告した。
同課によると、定置網の全長は約400㍍。現場の潮流が早く危険が伴うため、逃がすことが難しいとし現在も網内にとどまっている状況だという。
ミンククジラが網内で長期間遊泳することで漁具の破損被害も想定され、定置網内の魚の水揚げができないことから網を設置する太地水産共同組合の経営にも大きな打撃が生じることが懸念されている。
県と同組合は追い出すための努力を続けているが、長期に至る場合は捕獲も視野に入れているという。
同課担当職員は「クジラが定置網に掛かる事例は全国でも100頭前後確認されており、和歌山県内では3例目になる。それらの情報やノウハウを元に関係法令に基づき、適切な対処ができるよう必要に応じて助言などをしていきたい」と話している。
(2021年1月7日付紙面より)