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2020年09月29日
1 県立高校の存続の行方は
 新宮・東牟婁対象に地方懇談会  (和歌山県教育委員会 )

 和歌山県教育委員会は27日、新宮市神倉の県立新宮高校体育館で「県立高等学校の今後の在り方」についての地方懇談会を開いた。新宮市教育委員会、東牟婁地方教育委員会連絡協議会が共催。新宮・東牟婁地方の約150人が参加し今後の県立高校の方向性や在り方について説明を受けた。

 県立高校の在り方などについて審議を重ねてきた「きのくに教育審議会」(にえ川恒弘会長)は8月7日、県教委に「現在29ある県立高校(全日制)の数を、今後15年で3分の2の20校程度とするのが適正」などといった内容の答申を提出。県教委は答申を基に再編整備実施プログラム(仮称)の策定に着手し、県民からの意見を募集していくとしている。

 懇談会はこの日の新宮・東牟婁地方を皮切りに県内5カ所で実施。今後の県立高校の在り方などについて広く説明するとともに、県民の意見を聞く機会としていく。

 開会に当たり、宮﨑泉・県教育長は「答申ではそれぞれの地域において高校生一人一人が夢とビジョンを持って伸び伸びと勉強できるシステムを構築する必要があるとしている。今まで以上に地域の核となるような学校をつくっていかなければならない」。

 年度内に具体的な再編整備実施プログラムをつくっていくことを目標とし「子どもたちの未来のために一生懸命取り組んでいきたい」とあいさつした。

 速水盛康・市教育長は「われわれも少子高齢化の影響に直面しながら教育活動を実施している。いかにして子どもたちに教育を保障していけるのか、誰のための、どういった目的の再編案なのか。懇談会が学校の在り方を模索していく上で問題について共有できる一助となれば」と述べた。

 県教委は現状の課題や今後の展望、各地域の状況に応じた高等学校の在り方などを答申に沿って説明。▽県の公務・教育・医療などを支える人材、教養豊かで責任ある県民の育成▽大学進学・スポーツ・文化芸術で核となる高校生の育成▽次世代の地域産業を担う人材の育成―を重点課題とし、学校の活力や環境、条件の観点で望ましい学校規模(1学年6学級程度)を想定した再編整備を行っていくとした。

(2020年9月29日付紙面より)

※ にえ川恒弘会長の「にえ」は、「執」の下に「灬」

新宮・東牟婁地方の約150人が参加した=27日、県立新宮高校
2020年09月29日
2 ニンニクの種割りに励む
 生産農家から授産し支援  (エコ工房四季 )

 串本町古座にある社会福祉法人つばさ福祉会(北野好美理事長)の事業所「エコ工房四季」(平原正雄施設長)でニンニクの種割り作業が活発さを見せている。

 この作業は、みくまの農業協同組合西向営農センターと共に取り組む農福連携の一環。「エコ工房四季」は2年前からニンニク栽培の挑戦をしているが、先んじて取り組み始めたのが授産となるこの作業で、おととしは試験的に640㌔、昨年は軌道に乗り2700㌔、今年も2600㌔を生産農家から請け負っている。

 ニンニクは収穫から出荷や次の栽培までの作業が多い一方、機械化がまだまだ進んでいない点で作業代行の需要が生じているそう。同センターによると管内では「エコ工房四季」に加えて「ひまわり作業所」「第2なぎの木園」「どんぐりの家」と請け負う事業所の数も増えていて、種割りを授産に委ねることで生産農家は次の栽培のための畑作りに専念しやすくなる点がこの形の大きな利点だという。

 先駆的存在の「エコ工房四季」は栽培したニンニクの出荷を目指しつつ、そのために身に付けた技術を生かして生産農家から積極的に授産する支援にも力を入れている状況。日々平均30人ほどの利用者が作業分担をする中で種割りにも取り組んでいて、25日は8人組で複数個の塊となっている鱗片(りんぺん)を1個ずつに崩し、傷んでいないものを種球として選別した。

 栽培はおととしに3㌃の畑で始め、昨年は20㌃、今年は30㌃と年々規模を増している。今年は古座川町潤野で40㌃分の水稲栽培も始め、隣接する畑でナスやカボチャも育てるなどして福祉農園を立ち上げ。今後はニンニク栽培も同農園へ移すという。

 並行して事業所と生産農家と同センターの3者で制度化間もないノウフクJASのグループ取得を目指し、収穫したニンニクのプレミア和歌山認証も検討している。そのように付加価値を高めて、将来的には飲食店や体験型観光農園の運営、生産出荷の仕組みを確立。授産と同様に独立した収益源として地域経済に結びつけ、さらに安定化させることを最終の成果として見据えている。

(2020年9月29日付紙面より)

種割り作業に取り組む利用者ら=25日、串本町のエコ工房四季
2020年09月29日
3 キャンドルともしオープン
 BLUE BEACH NACHI  (那智勝浦町 )

 那智勝浦観光機構(NACKT)は26日夜、那智勝浦町のブルービーチ那智で「BLUE BEACH NACHI」のグランドオープンセレモニー「キャンドルナイト」を開催した。地域住民など約100人が集まり、新型コロナウイルス終息と平和への祈りを込めて、キャンドルへの点灯を行った。

  □     □

■「BLUE BEACH NACHI」とは



 環境省が推進する国立公園の有効活用の考えに基づき、国立公園である同ビーチの活用方法として、「優雅な」などの意味を持つ「glamorous(グラマラス)」と「camping(キャンピング)」を合わせた新しいアウトドアのスタイルである「グランピング」を取り入れたプロジェクト「BLUE BEACH NACHI」を観光機構が立ち上げた。

 運営はアウトドアウエディングや空間プロデュースなどを行う京都市の株式会社ジンジャーが委託を受けて行う。

 8日には南国風の雰囲気を演出したカフェ「BLUE BEACH NACHI(Cafe)」が、11日にはグランピング施設の「BLUE BEACH NACHI(STAY)」がオープン。周辺には子どもや大人が遊べる電気を使用しない遊具やボードゲームが設置されている。

  □     □

■キャンドルナイトでは



 同社の代表取締役の磯石裕子さんが事業内容や施設について説明、参加者がトーチを用いてキャンドルに明かりをともした。その後は全員で乾杯し、歓談を楽しんだ。

 磯石さんは「グランピングは遠方のお客さまがターゲットだが、地元の方々にも愛される憩いの場にしたいという思いから、カフェとキッズエリアをご用意させていただきました」と語った。

 同機構の理事長を務める堀順一郎町長は「現在はアウトドアが人気。今までにない新しいお客さまを迎えるための実証実験をしたいという思いから今回のグランピングの実施となった」。

 今後については「観光機構は観光によってこの地域を活性化させることを目指している。町の観光のキャパを増やし、新しい顧客を開拓していきたい」と話した。

(2020年9月29日付紙面より)

グランドオープンを祝すとともにコロナ終息を願い明かりをともす=26日、那智勝浦町のブルービーチ那智
全員で乾杯が行われた
グランピング施設を見学するセレモニー参加者
2020年09月29日
4 ハロウィーン気分感じて
 タウンガーデンに季節の飾り  (新宮市 )

 新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は28日、同所でハロウィーンの飾り付けを行った。会員ら約10人による趣向を凝らした季節の飾りは10月末まで楽しむことができる。

 ハロウィーンの飾り付けは今年で7回目。会員らが布や100円均一の商品などを使用し毎年飾りを手作りしている。今年は植木鉢やバスケットを材料にしたNHK総合番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんとキョエちゃんも飾りの仲間入り。新型コロナウイルス感染症の終息を願い、アマビエの飾りも現在制作中とのこと。

 昨年の飾り付けでは、会員が手作りした「カボチャの家族」の手や頭がもがれるといった事態に。今年は破損しにくいように工夫を施したという。

 平田代表は「コロナ禍ですが楽しみもないと。お散歩がてら寄っていただき、少しでもハロウィーン気分を感じていただければ」と話している。

 同所では現在、キキョウやコリウス、白いヒガンバナなど、秋の草花が見頃を迎えている。

(2020年9月29日付紙面より)

ハロウィーンに向けて飾り付けを実施した=28日、新宮市のタウンガーデン
2020年09月29日
5 入賞作品候補17点決める  本年度観光フォトコン審査  (串本町 )
2020年09月29日
6 縦割り3ブロックで対抗戦  古座中が本年度体育祭挙行  (古座川町 )
2020年09月29日
7 動物駆遂用煙火で鳥獣害対策  熊野川町で追い払い花火講習会  (新宮市 )
2020年09月29日
8 野中誠一さんが1位  写連紀南支部9月度例会  
2020年09月29日
9 5ブロック対抗で熱戦  スポーツフェス2020  (新宮高校 )
2020年09月29日
10 丸山千枚田でヒガンバナ見頃に  熊野市紀和町  
2020年09月29日
11 讃寿会が草刈り作業  「社会奉仕の日」に合わせて  (紀宝町 )
2020年09月29日
12 躍動する姿に歓声  神内小と相野谷地区で運動会  (紀宝町 )
2020年09月29日
13 お悔やみ情報
  
2020年09月27日
14 コロナ終息と温泉郷繁栄祈る 熊野本宮大社で「献湯祭」 

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で26日、献湯祭が営まれた。熊野本宮温泉郷(川湯、湯の峰、渡瀬)の18軒の旅館・民宿などの代表者たちが一番湯をささげ、自然の恵みに感謝するとともに温泉郷の繁栄を祈った。

 熊野本宮観光協会(名渕敬会長)が主催。今年で42回を数える。朱塗りのたるを手にした旅館のおかみらが、新型コロナウイルスの終息や温泉郷の繁栄などの願いを込めて、本殿前に置かれた大たるに一番湯を注ぎ込んだ。今年はコロナ感染拡大防止の観点から、毎年恒例の温泉コーヒーの振る舞いは中止となった。

 本宮町の観光客数は、2011年は紀伊半島大水害の影響で100万人を割ったものの翌年以降回復。18年には台風20号により川湯地区の大塔川が氾濫し川湯温泉街では甚大な被害を受けたが、昨年3月に復興を遂げた。昨年は宿泊客14万5778人(前年比2万6019人増)、日帰り客173万4100人(同23万4900人増)の計187万9878人(同26万919人増)だった。

 九鬼宮司は「コロナの影響で多くの人が四苦八苦しながら観光客を迎える対策を講じていると思う。あと数カ月で新たな年を迎える中、同大社でも多くの人に安心安全に本宮町にお越しいただくために対策を考えている。三つの温泉郷含め、まちのつながりが強くなると信じている」。

 同大社は未来へ向かいスタートする場所であるとし「いろいろなことがあると思うが神様に手を合わせ、スタートを切っていただく機会としてほしい」とあいさつした。

 名渕会長は献湯祭の斎行に感謝を述べ「ありがたいことに少しずつ観光客が戻ってきている。温泉郷では安心安全対策を万全に整えている。熊野本宮大社でよみがえり・再生を願い、温泉郷で体を清めてゆっくりしていただければ」と思いを語った。

(2020年9月27日付紙面より)

一番湯を大たるに注いだ=26日、熊野本宮大社
2020年09月27日
15 大雨で町道破損
 一時的に断水する世帯も  (那智勝浦町 )

 1時間当たりの最大雨量が109㍉を記録した那智勝浦町市野々地区で25日、水かさの増えた天女(あまめ)川支流の水勢により町道の一部が破損した。その際に道下を通っていた水道管も壊れたため、一時的に断水となった。

 近所に住む70代男性は「これだけまとまった雨が降ったのは紀伊半島大水害以来だと思う。すごい量の雨だったので、水が越えて流れ出しそうな予感はあった」と話した。

 同町水道課によると、同日午前10時30分ごろに道幅約1㍍の町道が、直径7㍍、高さ4㍍にわたり水によって崩れ、近隣の約10世帯が断水したという。11時ごろに破損箇所を発見し、水道業者が応急的な修理を行い、午後2時に復旧した。

 建設課は、25日時点では破損した町道の工事や道の復旧見込みは未定だと見解を示した。

 また、この雨で同町井鹿、湯川、宇久井、天満地区などが冠水した。同課が安全のためにバリケードを設置したが、水が引いたため夕方には全てを撤去した。

 県の発表によると、この日の累積雨量は同日午後3時30分現在、市野々地区で209㍉、新宮市高田で296㍉を記録したという。

 また、住家被害は床上浸水が新宮市田鶴原地区で1件、串本町田子地区で1件が報告されている。

(2020年9月27日付紙面より)

水の勢いで破損したとみられる町道=25日、那智勝浦町市野々
大量の水が流れ込んだ市野々地区(読者提供)
2020年09月27日
16 初の全校行事で青春謳歌 新宮市・那智勝浦町で体育祭 

 那智勝浦町立那智中学校、宇久井中学校、下里中学校、新宮市立城南中学校、光洋中学校の5校で26日、体育祭が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大や前日の大雨により開催が危ぶまれていたが、当日は天候も回復し、生徒たちは本年度初の全校行事で青春を謳歌(おうか)した。

 那智中学校(岡史博校長、生徒149人)のスローガンは「必笑(ひっしょう)」。新型コロナに負けず、勝っても負けてもみんな笑顔で体育祭を終えようという思いを込めた。

 岡校長は「思うように練習できず、もどかしい思いをしたこともあると思う。今日は昨日の自分を乗り越え、120%の力を出して頑張ってください。君たちにはできます」と激励。生徒を代表して山本光優さんが宣誓し、4ブロックに分かれて熱戦を繰り広げた。保護者らもたくさんの声援を送り、子どもたちの姿をカメラに収めていた。

 各校開催時間を半日に短縮し、開会式でのマスク着用や休憩テントの分散、保護者の人数制限などさまざまな感染防止策を取った。なお、新宮市立緑丘中学校は大雨によるグラウンド状態悪化のため、翌27日に延期した。

(2020年9月27日付紙面より)

山本光優さんが宣誓=26日、那智勝浦町立那智中学校
2020年09月27日
17 全力で競技に取り組む
 第34回新人陸上競技大会  
2020年09月27日
18 行政相談の仕組み学ぶ  福祉センターでリモート研修会  (新宮市 )
2020年09月27日
19 マルバチシャノキの実  阿須賀神社で鮮やかに色づく  
2020年09月27日
20 彩雲祭で並んだ力作展示  26、27日、新宮市福祉センターで「新高展」  
2020年09月27日
21 子どもたちの力作並ぶ  27日まで、熊野を描こう絵画展  (新宮市 )
2020年09月27日
22 土砂崩れ、冠水など発生  大雨による被害明らかに  
2020年09月27日
23 紹介状がない場合内科などで定額負担金を徴収  紀南病院で10月1日から  
2020年09月27日
24 クルマギクの花  新宮市熊野川町  
2020年09月27日
25 お悔やみ情報
  
2020年09月18日
26 「SHINKO2020」開幕
 新宮高校で第27回彩雲祭  

 和歌山県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)の文化祭「第27回彩雲祭」(戸石蓮実行委員長)が17日、同校で開幕し、文化部によるステージやクラスの制作展示が行われた。

 今年のテーマは「SHINKO2020」。延期になった東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために使うはずだった熱意を、彩雲祭にぶつけてほしいという思いを込めた。

 開会式で前田校長は「本校の校是は『文武両道』、言い換えれば『よく遊びよく学べ』です。新しい生活様式を守りつつ、2日間しっかり遊んで思い出に残る彩雲祭にしてほしい」。戸石実行委員長は「新型コロナウイルスの大騒動の中ですが、開催することができた。今までにない新しい形の彩雲祭にしましょう。手洗いなどの感染対策をしながら、全力で楽しみましょう」とあいさつした。

 オープニングを飾ったのは吹奏楽部。「Dear this moment~チーム亀サウンドを届ける~」をテーマに、「千と千尋の神隠しハイライト」や「Uptown Funk」「君の瞳に恋してる」で会場を盛り上げた。

 18日には映像による各クラスの発表や生徒会による「ロミオとジュリエット」、琴部によるミニコンサート、制作展示などが行われる。

 今年は新型コロナ拡大防止のため、25日(金)開催のスポーツフェスティバルと合わせて生徒のみの参加とした。保護者や地域の人が生徒の取り組みや作品を見ることができるよう、26日(土)午後0時30分~翌27日(日)午後3時、新宮市福祉センターで「新高展」の開催を予定している。

(2020年9月18日付紙面より)

会場を盛り上げる吹奏楽部=17日、新宮市の県立新宮高校
戸石蓮実行委員長
2020年09月18日
27 水野忠央収集の史料群
 丹鶴城旧蔵幕府史料が入荷  (新宮市立図書館 )

 新宮市井の沢の市立図書館にこのほど、紀州徳川家付家老・9代新宮城主水野忠央(ただなか)が収集した史料群の一部である「丹鶴城旧蔵幕府史料」が入荷した=写真。同図書館では現在、2009年に入荷した第1巻を含めた全35巻が郷土資料室で閲覧可能となっている。

 学習院大学図書館が所蔵する「旧丹鶴城蔵書幕府書類」を影印複製したもので、「御老中留書類」のうちの日常政務や儀礼関係が中心となっている。学習院女子大学の元教授・松尾美惠子氏が監修した。

 忠央は江戸三大国書の一つ「丹鶴叢書(そうしょ)」の刊行でも有名。忠央が収集し所蔵していた膨大な書籍や記録の多くは散逸したが、一部が学習院大学図書館に伝存していた。

 同史料では、奏者番による幕府日記や代官・領主からの問い合わせに対する幕府の回答をまとめたもの、寺社・信仰・祭祀(さいし)に係る事例を書き留めたもの、大名の上・下屋敷、抱屋敷から発生した火事の記録、江戸城中において大規模な儀礼や人事情報、城内全体に日々伝達された御沙汰書の記録、江戸幕府代官の地方支配における勤務のマニュアルなどが収録されており、国立公文書館内閣文庫や国立国会図書館にもない極めて貴重な史料群となっている。

 第35巻には「公紀私録」「進達談済写」が収録されており、新宮の風聞探索書をはじめ付家老同士の書状の記録などから、忠央の幕閣や藩政との関わりや動向を見ることができる。

 貸し出しは基本的に不可だが、34巻「珍説見聞集」と35巻に関しては同図書館1階カウンター横の「熊野の本あれこれ」コーナーに一定期間設置している。問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284)まで。

(2020年9月18日付紙面より)


2020年09月18日
28 5年に1度の国勢調査始まる
 インターネット回答も可能  

 日本に住む全ての人を対象にした5年に1度の「国勢調査」が始まった。回答期日は10月7日(水)までで、郵送などでも可能だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、総務省はインターネット回答の利用を呼び掛けている。

 調査は1920(大正9)年から始まり、今年で100年目を迎える。調査で得られたさまざまな統計は、政治・行政、民間企業や研究機関でも広く利用され、国民生活に役立てられる。

 紀宝町では国から任命を受けた調査員71人が全世帯を訪問し、調査票の配布、回収などを行う。調査員は写真付きの調査員証、腕章を身に着け、国勢調査員であることを確認できるようにしている。

 今回は新型コロナの影響で原則、インターホン越しで説明し、郵送、インターネットでの回答を求めるなど非接触式の調査方法を導入した。

 町では「事情などにより必ずしも非接触方法で行えない場合もあると思いますので、その際は調査員による感染拡大防止対策を徹底した上で調査に当たっていただく。ご理解とご協力を」と求めている。

(2020年9月18日付紙面より)


2020年09月18日
29 絆とその深化の思い新たに
 日ト友好130周年追悼式典  (串本町 )

 串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑で16日に追悼式典があり、日本国とトルコ共和国の各代表者が殉難将士への敬意をささげ両国友好の絆とその深化への思いを新たにする節目とした。

 この式典は、同町と駐日トルコ共和国大使館が主催する日本トルコ友好130周年事業の一環。この周年はトルコの前身・旧オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号(以下エ号とする)が樫野沖で遭難した年(1890年)を起点にして数えていて、両主催は5年ごとに同事業を計画し同碑に眠る殉難将士を追悼し両国友好の深化を重ねている。

 今年は130周年の節目に当たり、現在の同碑が建立された期日(6月3日)に合わせてさまざまな行事をする計画だったが世界的なコロナ禍の収束が見られず延期。同町がエ号遭難期日の9月16日に営んでいる月命日の大祭を同事業の陸上追悼式典へ昇格させ、町内の各代表者の数を最小限に絞り町外の各代表者はインターネット経由で参列する形で営む方向で再度調整を進めてきた。

 式中の音楽は参列する予定だった海上自衛隊呉音楽隊が収録した音源を使用。黙とうや国歌斉唱、東京ジャーミィ・イマームによる礼拝に続き、日本・トルコ協会総裁を務める三笠宮家の彬子(あきこ)さまは「両国をオンラインでつなぎ、同じ時を共有し共に祈る機会を持てたことは友好の歴史に刻まれる特別な出来事になるでしょう。この大切なひとときを胸に深くとどめ、両国の友好の歴史が途切れることなく紡ぎ続けられることを祈る」とおことば、一時帰国で列席ができなかったハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使は同碑に眠る将士の礎が世界で類を見ない友情を生むきっかけになっていることを振り返って「同じ場所に集うことがかなわずとも先人たちから引き継いだ友情を胸に心と気持ちはともにある」「真心と義理人情の上に育まれたトルコと日本の友情が人間社会の最も価値ある宝物として輝き続ける事を確信する」とビデオレターをそれぞれ寄せた。

 町内各代表者が碑前に献花し同碑に根付いている追悼歌(演奏)をささげた後、田嶋勝正町長は「この地で殉難将士のみ霊をお守りし史実と助け合う心の大切さを語り継ぎ、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きるわれわれの使命。両国の絆が今以上に発展していくことを心より祈念する」と式辞を述べて締めくくった。

 感染症予防の一環で一般参列の自粛を求める一方、式典はテレビ和歌山に依頼し動画サイト経由でライブ配信。両国を含め参列できなかった人々に様子を伝えた。

 町内から代表参列した各代表者は田嶋町長夫妻、同町議会の結城力議長、樫野区の高山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長、同町トルコ文化協会の伊藤アイシェギュル代表の計7人。

(2020年9月18日付紙面より)

トルコ軍艦遭難慰霊碑に花をたむける田嶋勝正町長と直子夫人=16日、串本町樫野
2020年09月18日
30 山口酒店が優勝 第158回職場対抗ボウリング大会 
2020年09月18日
31 架空請求の郵便物に注意  串本警察署  
2020年09月18日
32 真の自己を尋ねて  横田南嶺老師が本出版  
2020年09月18日
33 癒やしと祈りの背景を  映像作家の西川昇さんが故郷で初上映会  (熊野市 )
2020年09月18日
34 一般会計歳入歳出決算認定など議論  9月定例会の全議案可決  (太地町議会 )
2020年09月18日
35 鮮やかなベニトンボ  新宮市・浮島の森で発見  
2020年09月18日
36 体操実施し健康保つ  ふれあいいきいきサロン  (新宮市熊野川町 )
2020年09月18日
37 流通の仕組みを学ぶ  相野谷小3年が「主婦の店」で  (紀宝町 )
2020年09月18日
38 賞味期限近い商品の交換会を  紀宝町議会一般質問②  
2020年09月18日
39 友好を意識する機会得る  トルコの菓子などを配布  (串本町 )
2020年09月18日
40 9月定例会一般質問⑤  串本町議会  
2020年09月18日
41 お悔やみ情報
  
2020年09月17日
42 御影石の参拝所、まぶしく
 清原造園が石張り施工奉納  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で先月20日から施工が進んでいた参拝所の石張り工事が完了した。16日に奉納奉告祭が営まれ、上野宮司が石張りを施工した清原造園(新宮市王子町)の清原利一代表に感謝状を手渡した。

 同大社は1883(明治16)年、花火火災により社殿が焼失し、その後仮殿が再建。戦後、1952(昭和27)年から67(昭和42)年にかけて社殿が再建されている。

 参拝所はモルタルで施工されており、当時は群青色だったが、施工から約50年が経過していることから経年劣化により変色やひび割れがあったという。

 このたびの施工奉納は、今年7月に同大社境内にさざれ石と顕彰碑、および拝殿補強柱施工を奉納した株式会社R.LinkCorporationの椋野玲史・代表取締役会長の提案を受けたもの。

 清原造園3代目である清原代表は、21(大正10)年の創業以来、今年で100年を迎えることや日頃の感謝を伝える機会にと工事を快諾。奉納に至った。

 完成した参拝所は、拝殿と合わせて白い御影石を使用。これまで木製だったスロープも滑らないよう石に加工を施し新調した。清原代表と息子の勇一(はやかず)さんも自ら施工に当たった。

 奉納奉告祭を終え、清原代表は「当社にとって創業100年の記念の年に奉納させていただき感謝しています」。

 上野宮司は「立派な石張りに感謝しています。また、3代目である代表と4代目を担うご子息が自ら施工する姿に感動しました」と感謝。

 鎌倉時代に制定された「御成敗式目」の第一条より「神は人の敬によりて威を増し 人は神の徳によりて運を添ふ」を引用し「一生懸命ご奉仕いただいた。私たちもこれからも一生懸命祈りをささげたい」と話していた。

(2020年9月17日付紙面より)

(左から)清原勇一さん、由美さん、利一代表と上野顯宮司=16日、熊野速玉大社
奉納奉告祭の様子
2020年09月17日
43 PCR検査所の開設を計画
 ドライブスルー方式で検討  

 新型コロナウイルスに対応するため、新たに「紀南地域検査センター」を設けてドライブスルー方式でPCR検査を実施する計画が発表された。詳細は検討中だが紀南医師会が医師、紀南病院が職員を派遣して月~金曜の午後1時から3時まで運営する。かかりつけ医の紹介が必要で、1日12人が限度という。

 県の委託事業として計画され、14日に開催された紀南病院組合議会(下克彦議長、議員11人)の全員協議会で説明があった。

 協議会では10月1日(木)開会予定の同院組合議会定例会の議案などを話し合った。定例会議案は手数料条例、補正予算、令和元年度病院事業会計決算の3議案。病院管理者の大畑覚御浜町長は「コロナの終結が見通せず、新たな対応を検討している。病院の経営健全化にも意見を賜りたい」と述べ、議員各位の協力を要請した。紀南病院ではコロナ患者専用として4床を用意している。

 また、事務局が病院経営の7月までの現況を説明。それによると事業収益は12億3081万円で昨年比13・3%(1億8900万円)の減。うち入院収益は6億6212万円で同17・1%(1億4330万円)、外来収益は2億8176万円で同12%(3860万円)の減となった。

 コロナ感染症の影響で、患者自身が不要不急の診察を自粛する傾向が見られるという。きなん苑は1545万円で51%(522万円)の増だが、全体で前年度に3億7000万円の赤字があり、依然として厳しい経営が続いている。

(2020年9月17日付紙面より)

全員協議会で議案など話し合う=14日、御浜町の紀南病院
2020年09月17日
44 大柳の水田で稲刈りに挑戦
 機会提供受け明神小児童ら  (古座川町 )

 古座川町立明神小学校(速水和美校長)の5、6年生らが14日、大柳区内にある水田で稲刈りに挑戦した。同区の北裏説朗区長(64)が提供した機会で、児童は鎌で刈った稲をさがりに掛けるまでの流れを体験した。

 北裏区長は明神地区区長会長として同校の学校運営協議会委員に着任。母校の今に触れる中で児童が稲作の経験をしていないことを知り、半ばからの経験となるが自分の水田で稲刈りを体験することを2カ月ほど前に提案した。

 町内の他2小学校は地域の協力を得て長年稲作に取り組んでいて、自然豊かな環境にありながら唯一できずにいた同校は喜んで体験を希望。初となるため児童を代表して5、6年生が代表して北裏さんの水田を訪ね時間が許す範囲で挑戦した。

 切れ味はそれなりだが刃のかかりがいいのこぎり鎌の使い方を教わった児童は前半、先生の応援を得ながら0・5㌃ほどを刈り取り。水分補給と休憩を挟んで後半は天日干しに適した向きを自分たちで考えてさがりを組み、刈った稲をわらで縛ってさがりに掛ける流れをこなした。

 草刈りを手伝ったことはあるが稲刈りは初めてという小柳怜生君(6年)は「刈る時の足の置き方や刃の向きを変えてみるとかを教えてもらい、それが分かってみんなで楽しくできたのでよかった」とコメント。北裏さんは「まずは稲刈りの楽しさを持ち帰ってもらったらと思う。その楽しさの一方にはイノシシやサルの食害もあったりする。どうしてそうなるのかなど、稲作をさらに考えるきっかけにしてもらえれば」など学びの発展を児童の今後に期待した。

 北裏さんは刈り取った稲を精米し、学校給食米として同校に送るそう。品種はもち米「もちみのり」だそうで、速水校長は「赤飯にして味わえればと考えています。稲刈りといっても、その作業には農家の皆さんのいろいろな知恵が詰まっていて、今日は児童はとてもいい経験をさせていただけた」と話し、今年は半ばからとなったが来年は田植えからと北裏さんに願いつつ提供に感謝していた。

(2020年9月17日付紙面より)

稲刈りに挑戦する明神小学校の5、6年生ら=14日、古座川町大柳
刈った稲を自分たちで組んださがりに掛けて天日干し
2020年09月17日
45 水に飛び込み笑顔はじける
 ウオータースライダー  (太地こども園 )

 太地町立太地こども園(森尾扶佐子園長、園児68人)の芝生で15日、今夏最後のウオータースライダーごっこがあった。4、5歳児35人が豪快に坂を滑って水に飛び込み、笑顔をはじけさせた。

 新型コロナウイルス感染症による自粛生活の中で子どもたちにストレスがたまっているのではと案じた教職員たちが、大好きな水遊びで思いっきり発散してもらいたいと企画。普段は芝滑りをしている坂にブルーシートを敷き、水を流して自作のウオータースライダーを完成させた。

 水着姿の園児たちは、最初に専用絵の具でボディーペインティングをし、頬や額、腹などにハートやリンゴの模様を描いて楽しんだ。ウオータースライダーが始まると、「キャー」と歓声を上げながら、寝そべったり友達と数珠つなぎになったりして何回も坂を滑った。

 森尾園長は「この夏、晴れた日はほとんど毎日ウオータースライダーで遊んだ。思った以上に喜んでくれてうれしい。坂を何十回も登って滑るので、降園時のバスの中や夕飯前に寝てしまう子もいる。体も鍛えられ、プールで顔を水につけられるようになった子もいた。新型コロナさえなければ、学童の子どもたちも呼んで一緒に遊ばせてあげたい」と話していた。

(2020年9月17日付紙面より)

芝生の坂を滑る園児たち=15日、太地町立太地こども園
絵の具で体にお絵描き
2020年09月17日
46 介護サービス事業者対象に助成  新宮市  
2020年09月17日
47 図書消毒機を設置  新宮市立図書館  
2020年09月17日
48 一般会計補正予算など可決  9月定例会が開会  (太地町議会 )
2020年09月17日
49 森に珍しい生き物  希少種オオダイガハラサンショウウオ  
2020年09月17日
50 親子サロンと育児相談  スキップひろばを開催  (新宮市 )
2020年09月17日
51 「手品は世界共通語」  簡単マジック教室始まる  (新宮市 )
2020年09月17日
52 感染者状況は県が公表  紀宝町議会一般質問①  
2020年09月17日
53 9月定例会一般質問④  串本町議会  
2020年09月17日
54 お悔やみ情報
  
2020年09月15日
55 コロナ終息願い式典斎行
 勝浦八幡神社例大祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭の宵宮が12日、本宮が13日に営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から神輿(みこし)渡御を取りやめ、式典のみが厳かに行われた。

 7月に開かれた祭典委員会で協議し、関係者や参加者の安全などを考慮して今回の内容を決定。神輿渡御に付随する各行事も取りやめとなった。

  □     □

■宵宮では



 12日午後5時から同社で宵宮の式典が営まれた。神社の役員や総代、近隣の区長、各奉仕団体の代表らが参列した。髙橋宮司が町の発展やコロナ終息などを祈願し、祝詞を奏上した。

  □     □

■本宮では



 翌13日は午前10時から本宮の式典が斎行された。前日と同じく、来賓は招待せず、役員や各奉仕団体の代表らが出席し、玉串をささげ祈った。

 祭典後、髙橋宮司は「コロナのため、神輿の渡御もできない状況だったが、獅子舞と舟謡(ふなうた)の奉納をいただいた。来年は氏子や町の発展のために通常通りの祭典にしたい。今日から準備していきたい」と語った。

  □     □

■両日とも神楽と舟謡を奉納



 宵宮と本宮の両日とも勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)と舟謡勝謡会(中村誓会長)が獅子神楽と舟謡を奉納した。

 両団体とも7月の祭典委員会の際に奉納したい旨を各委員に伝え、今回に至ったという。

 沖会長は「盛大に行えないのは残念だが、神事に参加できたのはありがたい。来年は例年以上ににぎやかなお祭りにできれば」。

 中村会長は「こういうご時世の中、少しでもにぎやかにできればと思い奉納させていただいた。コロナの終息を願いました」と語った。

 なお、今年初めから櫂伝馬保存会、愛友会、商工会の有志が舟謡の練習に取り組んでおり、今回初めて舟謡勝謡会と共に舟謡を歌った。

(2020年9月15日付紙面より)

コロナ終息を願い獅子神楽が奉納された=13日、那智勝浦町の勝浦八幡神社
例大祭の様子
2020年09月15日
56 小さな気付きから学ぶ
 王子分館が人権学習  (新宮市 )

 新宮市公民館王子分館(野尻和則分館長)は13日、市立王子ヶ浜小学校で人権学習会を開いた。約40人が参加し、DVDを視聴するなどして人権問題に対する学びを深めた。

 この日、同分館は同校運動場を利用したグラウンドゴルフ大会を予定していたが天候不良のため中止に。地区住民が集まる機会を利用し、学習会に切り替え実施した。

 野尻分館長は、長引くコロナ禍中における公民館活動の現状に触れ「新宮市では新型コロナの感染者は出ていないが、さまざまな活動に制限がかかっている。今は辛抱の時」。

 DVDの視聴に当たり「お互いに気を使いながら仲良く。差別をなくしていきましょう」とあいさつした。

 同校の山本眞也校長は、日頃の見守り活動などに対する感謝を述べ「コロナの影響で、半日だけの運動会を予定している。例年なら成長を見ていただける機会としているが今年はお返しすることが難しい。しかしいろんなことを模索しながら、できることをやっていければ」。同町出身の濵田雅美市議会議員が今年の4月に供用開始となった同校前の避難路について説明し「地域の皆さんが諦めることなく声を上げ続けたおかげ」と感謝を伝えた。

 参加者らは、会員制交流サイト(SNS)を使ったいじめ問題や、子ども、障害者、女性、高齢者などの人権を扱ったDVD「身近な人権問題~人権は小さな気づきから~」を視聴し、知見を広げた。

(2020年9月15日付紙面より)

地区住民約40人が人権について学んだ=13日、新宮市立王子ヶ浜小学校
2020年09月15日
57 新型コロナへの対応考える
 避難所開設・運営訓練  (紀宝町 )

 新型コロナウイルスに対応した避難所開設・運営訓練が11日、紀宝町井田の井田公民館であった。井田、神内両地区の自主防災会の代表者らが参加し、避難者の受け入れ方法を考えた。

 はじめに、町民防災会議第1ブロックの田中正吾会長が「新型コロナ感染拡大が続き、安心できない状況だが、安心・安全は自分で守るもの。災害は待ってくれない。自主防災の活動を止めるわけにいかず、今日は避難所の開設を考えていきたい」とあいさつした。

 町総務課防災対策室の職員は、両地区避難所のレイアウトを基にコロナ対応の避難所開設・運営を説明。避難所では玄関で検温、受付で消毒し、問診票に記入して避難スペースに移動することや、受付要員はフェースガード、マスクを着用するなどと伝えた。

 熱がある場合は専用スペースへ誘導し、スペースがない場所では自家用車などで待機することも考えているという。

 この後、訓練に取り組み、マスクや体温計などの備品を確認し、パイプとビニールシートを組み合わせてパーティションを設置。受付での検温や問診確認も行った。

 参加者からは「インフルエンザが流行した際も同じ対応を取るべきでは」などの意見があった。

(2020年9月15日付紙面より)

パーティションを組み立てる=11日、紀宝町の井田公民館
2020年09月15日
58 地域の夜空に大輪咲く
 井関・八反田地区で花火大会  (那智勝浦町 )

 2011年9月の紀伊半島大水害で大きな被害を受けた那智勝浦町の井関区(石井康夫区長)・八反田区(三隅玄也区長)合同の夏祭り花火大会が12日、井関区の駐車場で開催された。両区の若者有志で組織する井関・八反田地区夏祭り実行委員会が主催。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の盆踊りや露店などは中止となったが、多くの住民らが夜空に咲く大輪を楽しんだ。

 地域の盆踊りは地区内の妙法鉱山が閉鉱した1972(昭和47)年ごろから中断していたが、実行委員会が中心となり同水害で犠牲になった人たちの霊を慰め、地域の結束を固めようと復活させた。例年は住民が準備や露店の運営を行い、カラオケや福引抽選も実施され、にぎわっている。

 石井区長は「亡くなった方のみ霊を弔うということで9年間続けてこられた。現在では両地区の恒例行事となっている。若い方々が花火を打ち上げることで元気づけになると実施してくれた。最後の夏を花火で盛り上げたいと思うので楽しんでください」と語った。

 午後8時に花火師による4部構成の花火が打ち上げられ、見物する住民からは歓声が上がり、拍手が送られた。

 同実行委員会花火担当の樫尾佳彦さんは「今年はコロナで各地域の祭りが中止となった。町の花火も中止になったので、せめてこの地区だけでも実施して、慰霊の思いと地域の方々にも喜んでもらいたいという思いで花火を実施しました」と語った。

(2020年9月15日付紙面より)

規模縮小となった祭りを彩る花火=12日、那智勝浦町井関区
多くの住民が花火を楽しんだ
2020年09月15日
59 縦割り3ブロックで競う  串本中第74回体育祭挙行  (串本町 )
2020年09月15日
60 コロナ鑑みた形で実施  16日夕方、エ号追悼式典  (串本町 )
2020年09月15日
61 5期連続で「下降」超  和歌山県の経済動向  
2020年09月15日
62 西地委員長の功績たたえ  全国市区選管連合会が特別表彰  (熊野市 )
2020年09月15日
63 持てる力を伸ばすために  東紀州くろしお学園で公開講座  (熊野市 )
2020年09月15日
64 お悔やみ情報
  
2020年09月10日
65 「ナラ枯れ」発生か
 熊野地方の山で拡大の兆候  

 熊野地方の万緑の山々に枯れ木が目立ち始めた。赤茶色に見える木々は秋に向けて紅葉しているわけではなく、害虫による伝染病「ナラ枯れ(ブナ科樹木萎凋(いちょう)病)」が発生している可能性が高い。東牟婁振興局農林水産振興部の加藤俊哉主任によると、今年は被害について問い合わせも多く寄せられていることから、現在調査を進めているという。

 「ナラ枯れ」は、ナラやシイ、カシなどブナ科樹木が枯れる森林被害。「ラファエレア菌(通称ナラ菌)」と呼ばれるカビの仲間をカシノナガキクイムシ(以下カシナガ)という虫が媒介することにより伝染していく。カシナガの雌は「菌のう」という器官にナラ菌を入れて被害木から健全木へと移る。夏場にもかかわらず葉が赤褐色や茶色に変化していたり、幹に小さな穴がたくさん開いていたりする木は被害木の疑いが強い。

 放置しても自然に被害終息には至らず、「ナラ枯れ」を引き起こすカシナガは「森林病害虫等防除法」で駆除すべき害虫として指定されている。「ナラ枯れ」が森林全体に広がる(集団枯死)と災害防止など森林が有する公益的機能が発揮できないほか、危険木となることから生活環境に悪影響を及ぼし、観光地においては景観を損なう恐れもある。地域のシンボル木や文化的価値のある樹木が被害を受ける可能性も考えられる。

 「ナラ枯れ」は1980(昭和55)年代後半から日本全国で被害が拡大。99(平成11)年には新宮市熊野川町で大発生しその後北上、県中央部まで被害を及ぼした。現在、広島県や徳島県などで被害拡大の兆候が見られており、行政による調査や被害木の処理に向けた動きが活発化している。

 特に被害を受けやすいのが外的ストレスに敏感な高齢木で、枯死する可能性が高いとされる。NPO法人「熊野の森をつくる会」の大槻国彦事務局長は「(山においては)高齢木が病気になるのは自然の摂理としてある程度仕方がないこと。森林の若返り化を図ることが大切」と話す。

 しかしながら「個人的な体感だが、県内で大発生した20年前よりも被害が多いように感じる。ナラ枯れ発生のメカニズムは解明されていないが、気候変動も影響しているのではと気味が悪く感じている」と話していた。

 県によると、県内広域で発生報告があり、本紙エリアでは熊野川、北山川周辺での被害報告があるものの串本町、古座川町周辺では目立った被害は確認されていないという。

(2020年9月10日付紙面より)

新宮市高田周辺=8月30日撮影
那智勝浦町井関周辺=8月29日撮影
2020年09月10日
66 町の名物などを開発
 大学生がイノベーション研修  (武者修行(R)プログラム )

 大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は1日から15日(火)まで、那智勝浦町で「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」を実施している。全国各地から集まった大学生14人がプログラムに参加。2日には参加者が顔合わせし、新型コロナウイルス感染対策を講じながら、リスクマネジメントを学び、フィールドワークに取り組んだ。

 一行は企画したビジネスプランを現地で調査・検証し、11日(金)、12日(土)に、開発した商品を同町築地のにぎわい市場で販売する。

  □     □

■旅武者とは



 同社のベトナム法人が運営する店舗で、全国から集まる大学生がチームを組み、新規ビジネス担当者として新商品・サービス開発やプロモーション企画を自らで考え、行動し形にして顧客に届けるリアルなビジネス体験学習プログラム。今年から日本国内でも実施することとなり、地域や地域住民と関わる関係人口の増加や、武者修行修了生を中心とした関係人口ネットワークの構築を目指しているという。

 同プログラムではさまざまな困難に直面する中、自分自身の成長課題に向き合い、自己変革(変態)などをしていくことで、主体的に自らの置かれた状況と向き合い、人生を切り開く力「自走式エンジン(R)」を積むことを目的・ゴールとしている。

 同社は大学生向けの研修以外にも企業の若手向けグローバル研修や戦力人事・組織開発コンサルティング、採用支援などを行っている。

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■那智勝浦町で実践



 「生まぐろ日本一! 大自然のパワー溢(あふ)れる熊野の恵みを活かした新商品開発」をタイトルとし、同町の目玉商品となる名産品や生まぐろを利用した新商品、有効活用されていない素材や商材をつかった新商品(土産物、飲食メニュー、加工食品)を開発する。その後、実際に商品を販売する「効果測定」に取り組み、最終プレゼンを行う。

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■新型コロナ対策



 参加者らは事前に厚生労働省が提供する新型コロナ接触確認アプリを各自のスマートフォンにインストールしているほか、滞在中の2週間分のマスクやアルコール消毒液を持参。

 さらに期間中は毎朝、検温を行い、酸素濃度検査や体調管理シートによる記録も行っている。

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■キックオフでは



 キックオフとなった2日は同社人財紹介事業部の東条智子さんと同社から委託を受けているファシリテーターの髙野康さん、平川徳好さんがプログラムの説明などを行った。参加者は自己紹介を行い、参加理由や意気込みを述べた。

 オンライン中継で同社の遠藤代表取締役が「自分の仕事をするに当たり、スキルは重要だが人のつながりを大事にしてください。体調管理に注意し、コロナ禍の中で受け入れてくれた那智勝浦町の人々にリスペクトしてほしい」とエール。

 堀順一郎町長が参加者の元を訪れ、「名物やまちなか周遊などの提案をいただけるのはありがたい。町の課題解決のヒントになることを期待しています」と激励した。

 参加した水谷海人さん(慶應義塾大2年)は「ゼロからビジネスを学べ、企画から販売まで体験できるので参加した。やるからには全力でコミットしてこれまでとは違うこの町ならではの名物をつくりたい」と語った。

 その後は各チームに分かれてリスクマネジメントについて協議し発表。チームごとに町内を散策するフィールドワークを実施し、さまざまな気付きから企画の見直しを行い、5日には中間プレゼンに取り組んだ。

(2020年9月10日付紙面より)

プログラムに取り組む学生ら=2日、那智勝浦町体育文化会館
自己紹介を行った
2020年09月10日
67 健康管理や適正利用を促す
 救急医療週間迎え巡回広報  (串本町消防本部 )

 救急医療週間は救急の日(9月9日)を含む1週間(日~土曜日)を指し、この間は全国規模で救急車の正しい認識、一般が行える応急手当(自動体外式除細動器の使用を含む)、家庭内の危険把握や備えなどで啓発が展開されている。

 同町消防本部は例年、職員発起のイベント「救急フェア」を人流が見込める大型小売店舗の協力を得て実施して同週間の趣旨普及を図っているが、本年度は新型コロナウイルス感染予防対策として人対人の接触を避けるため自粛。代替として2日がかりで救急車両による管内巡回をし広報することを計画した。

 同本部によると、初日は古座川町域と旧古座町域、2日目は旧串本町域が対象。予備として所持している救急車両に「救急の日」のマグネットステッカーを貼り、サイレンの代わりに独自作成したアナウンスを流して現在同週間中であることやコロナ対策や熱中症予防などの健康管理、救急車の適正利用を促した。

 同本部は現在、4台(串本消防署2台、古座消防署1台、七川分駐署1台)の救急車両を運用し、令和元年消防統計における出動件数は管内全体で1404件、搬送人員は1293人だった。2年連続微減となる実績で、最近10年間の平均1506件1419人を下回る傾向にある。今月8日現在の出動件数は906件で、昨年8月末時点の941件より4%ほど少ない数で推移している。

(2020年9月10日付紙面より)

独自アナウンスを流しながら巡回広報する串本町消防本部の救急車両=8日、串本町上野山
2020年09月10日
68 楽しい夏のひととき
 丹鶴幼で「なつまつり」  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児57人)で8日、「なつまつり」があった。園児はさまざまなゲームに挑戦し、楽しいひとときを過ごした。

 同園では毎年、夕涼み会を開き、保護者も訪れているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止。子どもたちに夏の思い出などをつくってもらいたいとの思いから企画し実施した。

 会場には▽くじ引き▽的当て▽お楽しみ▽スイカ割り▽金魚すくい▽ヨーヨー釣り―が並び、法被を身に着けた5歳児が各コーナーを担当した。園児は友達と一緒にそれぞれのゲームに取り組み「やったー!!釣れたよ」「シャボン玉当たった」などとにぎわった。

 出店を回った後は園庭に移動し、大きな輪を作って「エビカニクス音頭」「ワッショイワッショイ」の盆踊りで盛り上がった。

 下岡園長は「子どもたちのにぎわう姿が見られて良かった。コロナの影響で夕涼み会が中止となり、保護者の方々を招待できず残念です。例年とは違う夏ですが、季節を感じて楽しい思い出をつくってもらえれば」と話していた。

(2020年9月10日付紙面より)

盆踊りを楽しむ園児ら=8日、新宮市立丹鶴幼稚園
2020年09月10日
69 ツルツルになるまで磨こう  神内小で歯磨き指導  (紀宝町 )
2020年09月10日
70 男女とも矢渕が優勝、県大会へ  ソフトテニス南牟婁地区予選  
2020年09月10日
71 外国語のペットボトルも多数  台風後に漂着ごみを調査、回収  (紀宝町 )
2020年09月10日
72 初日に3人が登壇  新宮市議会一般質問①  
2020年09月10日
73 流域治水プロジェクト策定に向け  熊野川流域治水協議会を開催  (国土交通省 )
2020年09月10日
74 ぼくが私ができること  神倉小学校で認知症学習  (新宮市 )
2020年09月10日
75 賛成多数で再任  仲本耕士副町長2期目へ  (古座川町 )
2020年09月10日
76 お悔やみ情報