駅で苗木を育てて植林 (JR西とソマノベース )
JR西日本和歌山支社とソマノベース(田辺市・奥川季花社長)は、和歌山県内の特急くろしお停車駅で、紀州備長炭の原木であるウバメガシの苗木を育て、熊野古道近隣のエリアに植林する「戻り苗」プロジェクトを始めた。28日は新宮駅などに設置。脱炭素や災害防止などを目指す。
戻り苗は、ドングリから苗木を育て、山に植林する取り組み。ソマノベースはドングリが入った戻り苗キットを、環境問題などに関心のある個人や企業にいったん購入してもらい、2年間育てた後に戻してもらって植林している。土砂災害リスクの軽減も念頭に、場所は放置山林などを選んでいる。同支社は、カーボンニュートラルを目指していることもあり、取り組みに賛同。さらに減少しているウバメガシの保護も考えて樹木を選んだ。
場所は▽和歌山支社▽和歌山駅▽海南駅▽新宮駅▽紀伊勝浦駅▽串本駅▽白浜駅▽紀伊田辺駅▽御坊駅―の9カ所。紀州ヒノキで作られた、24本挿しのラダーシェルフを2台ずつ、合計で18台432本を設置する。各駅では駅員が水やりを行う。2年で30㌢前後になる予定という。新宮駅では、1年育てた苗木とドングリを半数ずつ、駅構内に設置した。
同支社地域共生室の御堂直樹課長(48)は「環境保全、森林づくり、ウバメガシ保護、熊野古道の保全など、いろんなストーリーを持たせた取り組み。駅利用者や地域も一緒に環境問題に向き合い取り組んでほしい。愛着ある木を見つけて2年間、成長を感じてもらえれば」と話した。
ソマノベースの奥川社長(28)は、那智勝浦町天満の出身で、新宮高校の卒業。戻り苗の発想の原点は、紀伊半島大水害の経験だった。「植林で防災につなげたいとの思いがあった。新宮駅は通学で毎日のように利用したし、勝浦も地元。そういう場所に置いてもらえるのはうれしい。これを通して大水害の教訓を思い出したり、経験していない子どもらが大水害を知ってくれることにつながれば」と語った。
(2024年3月30日付紙面より)
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4~10月の三季運用に向け (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭園地で28日、防砂ネットの撤去作業があった。
南紀串本観光協会(島野利之会長)が4月1日(月)から始める三季運用(4~10月)に向けた準備の一環。この防砂ネットは冬に吹き抜ける風で舞い上がりやすい砂の飛散を抑える目的で設置していて、三季運用のシーズンオフとなる冬場に砂浜へ張っている。
直近では昨年12月に幅1㍍の農業用樹脂ネットを長さ17㍍で切り出したもの20枚を、マツの防風林が途切れて砂が国道一帯まで飛散しやすいビーチハウスラパン前の砂浜(海水浴場の遊泳区域と面する砂浜)へおおむね波打ち際に垂直方向となるよう約5㍍間隔で設置。この日は同協会の会員や職員と町産業課の職員8人が作業に参加し、半ば埋もれるほどに飛散を食い止めた防砂ネットを砂から引き出し支柱も引き抜いて砂浜を自然の状態へと戻した。
同協会は三季運用中、同ハウスを営業してシーカヤックなど各種マリンアクティビティーのレンタルやツアーの提供(その予約は通年で受け付け中)をし、7~8月に海水浴場を設置して活用を図っている。
来月21日(日)には機運醸成を目的としたイベント「橋杭ビーチオープンフェスタ」を初の試みで朝市企画と連動させた形で開くとし、現在内容を煮詰めている。次の三季運用に向け、島野会長(56)は「先日は少し残念だったがロケットの方もどんどん進んでいるし、打ち上げを心待ちにするたくさんの皆さんが串本へ来られると思う。橋杭ビーチでは4月にオープンフェスタがあり、その先も新たなイベントや既存のイベントをどんどんとやっていきたいと思うので、たくさんの皆さんにお越しいただければ」と思うところを語った。
同ビーチの問い合わせは同協会(電話0735・62・3171)、各種マリンアクティビティーの予約はビーチハウス・ラパン(電話090・3356・8305)まで。
(2024年3月30日付紙面より)
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民生児童委協が研修会 (新宮市 )
和歌山県社会福祉協議会地域福祉部副部長で、災害ボランティアセンター所長でもある南出考氏による「災害時における民生委員のやるべきこと」の講演が25日、新宮市福祉センターであった。約40人が参加。災害時の行動や備えについて考えた。
新宮市民生委員児童委員協議会(小内潤治会長)の研修会として実施した。南出氏は、自らも支援に出向いた能登半島地震に言及。「家屋倒壊の被害が多数発生している。被災者は、いまだに厳しい避難生活を余儀なくされている。断水の復旧は遅れており、まだまだ水が通っていない状況」などと話した。
被災地の家屋の写真を映し出し「家屋が50㌢以上沈下していた。液状化した地域もたくさんあった。印象的だったのは、門松やしめ縄が飾られたままの家が多かった。誰も悪くないのに日常が一変していた。生活の落差を思うと胸が締め付けられた」と語った。
「生かされた命の尊さ」に言及。「自分自身の役割は何か。被災によりつながりをなくした人もいる。そういう人とつながって励ますために動いている気がする。一人ではできないことを、仲間と協力してできるようにしていくことが役割かと」と力を込めた。
人間関係の構築の重要性も強調した。「被災地に入ると、絆やつながりが大事とよくいわれる。普段つながりを強める取り組みをしているだろうか。孤立や孤独を深めてしまわないように、お互いが気にかけ合い、励まし合い生きていく。災害時も同じ。コミュニケーションを取りつながることが大事」と訴えた。
発災後の関係構築は困難であることを説明。「だからこそ、日頃からつながりを築いておく必要がある。初めましてをできるだけなくしておくのが、備えの一つ。日頃から顔の見える、笑顔の見える関係づくりを」と呼びかけた。
「被災者はよく、防災のことを家族や友人、隣人ともっと話しておけばよかったと言う。災害はいつ起こるか分からない。備えができるうちはまだいい。誰もが防災の担い手。大切なものを守るため、失わないため」と伝えた。
(2024年3月30日付紙面より)
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那智勝浦町や串本町など
那智勝浦町や串本町をはじめ県内5カ所に、アニメ「ポケットモンスター」(ポケモン)のキャラクターがデザインされたマンホールのふた「ポケふた」が設置されることになり、そのお披露目式が25日、和歌山県庁であった。各町の名所を背景にした、色鮮やかなデザインが明らかになった。
ポケモンは、ゲームソフトを原作としたテレビアニメ。人気を博し映画化もされ、スマートフォン向け位置情報ゲーム「ポケモンGO」も登場している。そのキャラは森やUFOなどさまざまなものを象徴しており、各町に適したキャラが選ばれてポケふたにデザインされている。
那智勝浦町は那智の滝を背景に森のキャラとなっており、大門坂駐車場に4月中旬から4月下旬に設置を予定。串本町はロケットを背景に星、宇宙生物、磁力のキャラが配され、設置は4月下旬の予定となっている。設置されたポケふたは順次、「ポケモンGO」のゲームマップ上に登場する。
その他の設置場所は、和歌山市、高野町、白浜町。ポケふたは株式会社ポケモンが自治体へ無償で寄贈し、設置や管理は自治体が行う。3月19日現在で33都道府県に333枚が設置され、それぞれが専用デザインとなっている。
(2024年3月30日付紙面より)
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丹鶴ホール活用で意見 (新宮市総合教育会議 )
新宮市総合教育会議が27日、市役所であった。田岡実千年市長と速水盛康教育長、教育委員4人が出席。丹鶴ホールの活用状況や、緑丘中と城南中の統合再編協議の経過について意見を交わした。丹鶴ホールでの興行に際して委員より「子ども席を設けては」との提案もあった。
丹鶴ホールについて事務局より、2023年度の実績が説明された。昨年4月から2月までの文化ホールの利用状況として、稼働率が全日は63・0%、平日が46・2%、土・日・祝日が83・8%だったこと。図書館の入館者数は合計で8万6284人、1日平均は329人だったことなどが明かされた。
ある委員が、有名劇団の公演で子どもの観覧が少なかったことを指摘。「こういうものこそ子どもに見せたい。子ども席の確保などをお願いできたら」と求めた。事務局は「いろいろな調整が必要。事業者とも相談してやっていこうかと思う」と答えた。
別の委員は、以前の市民ホールは音響設備の評判が良くなかったことに言及。「(これまでの興行で)何か指摘はあったか」と問うた。事務局は「音響や照明が悪いなどの指摘を受けたことはない」と応じた。
図書館の利用状況についても、委員より「例年と比べどうか」と確認があった。事務局は、旧図書館は詳細なデータを取っていなかったので、おおよその比較と前置きしつつ「1・5倍程度の入館者数を維持している」と話した。
緑丘中と城南中の統合再編協議についても事務局より、検討委員会が新校名として「新宮中学校」1本を推薦したことなどの説明があった。
委員からは「新校則(の検討)をきちんとしてほしい。部活動も、教師以外の指導者を取り入れている学校もあると聞く。力を入れてほしい」と要望があった。事務局は「校則は教職員や生徒の意見を聞き進めたい。部活動の地域移行は(いろいろな要素が)複雑に絡んでいる。解きほぐしながら進めたい」とした。
田岡市長は「(通学路で)交通量が多くて狭い道路も存在する。生徒の安全確保を」。「統合は成功事例を研究して、より良い取り組みに」などと求めた。
(2024年3月29日付紙面より)
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「くまっこ」で春休みイベント (新宮市熊野川町 )
「子ども広場くまっこ」は27日、新宮市熊野川町能城山本(のきやまもと)の曹洞宗金龍山泉蔵寺で5年ぶりに春休みイベント「棒パンづくり」を開いた。参加した子どもたち20人は、くまっこ指導員に教わりながらパン作りを楽しんだ。
催しは子どもたちの人気企画として毎年行われていたが、新型コロナウイルス感染症の影響で2019年を最後に中止となっていた。
この日は発酵させたホームベーカリー用の食パン生地10斤分を用意。アルミホイルで包んだ竹の棒に巻き付けて火であぶり、約40本を完成させた。子どもたちは「熱いけどおいしい」「初めて食べた」「いい匂い」などと会話をしながら笑顔を見せ、焼きたてを味わった。
初めて参加した塩﨑心結さん(8)は「思っていたより簡単で上手に焼くことができた。もちもちしていて、おいしかった」と話していた。
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「くまっこ」は熊野川町の子どもたちを地域全体でたくましく心豊かに育てようとの思いから、2011年7月に同町保健センター内に開設。放課後の子どもの居場所づくりに取り組んでいる。利用日は平日の放課後から午後5時まで。夏休みなど長期休暇期間は午前8時30分から正午と午後1時から5時まで。
(2024年3月29日付紙面より)
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料理と着物の学校2校 (新宮市 )
専修学校各種学校優秀卒業生市長表彰式が27日、新宮市役所であった。田岡実千年市長が、優秀な成績で市内の学校を卒業した3人に、表彰状を手渡した。
千穂の新宮料理学院(西嶋正彦学院長)の田中虎哲さんと、井の沢の萩原きもの総合学院(萩原眞理学院長)の淡中善子さん、坂根昭代さんが表彰を受けた。
田岡市長はあいさつで「学校で習得した技能は、これからの人生で必ず生かされ役立つでしょう。表彰おめでとうございます。これを契機にさらに研さんされ、素晴らしい人生を歩まれることを切望します」と語った。両校の専門教育や技術・技能教育の振興にも感謝を伝えた。
和歌山県専修学校各種学校協会の坂本順一・会長も来賓として祝辞。「おめでとうございます。今後も社会で頑張って、後進の教育に努めていただければ」と呼びかけた。
これらを受けて、相野谷中学校2年生の田中さんが、受賞者を代表して謝辞。「小5から料理を習い始め4年になった。たくさんの料理や調理方法を学ぶことができた。習得した技術や経験を、将来の仕事や生活に役立てていけたら」と話した。
(2024年3月29日付紙面より)
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古座川町相瀬、一枚岩一帯のソメイヨシノが町内で先駆けて咲き進んでいる。今年は木によってばらつきがあり、全体として三分~満開と幅がある状況。27日はほぼ雲がない好天に恵まれ、スマートフォンなどで咲き進む花を撮影する人々の姿も目立った。
クマノザクラやヤマザクラとともに町内では数多いソメイヨシノ。日本さくら名所100選の七川ダム湖畔や蔵土多目的広場、一枚岩一帯は主だった花見の名所として町内外に知られていて、中でも一枚岩一帯は他の場所に先駆けて咲き進む傾向にある。
比較的咲き進んでいるのが河川敷へ下る道周辺のソメイヨシノで、今年は観光協会のイベント「古座川ライトアップウイークエンド」が23、24日の2日間にわたってこの場所で行われ、その時点では三~五分咲きだった。一枚岩Monolithは「16日ごろからちらほらと花が見られるようになり、10日ほどで今の状態。今後の雨次第だけれど、この週末が一番の見頃になりそう」と予想し、咲き進みが遅れているソメイヨシノがその次の週末まで咲き続けることを期待している。道の駅一枚岩や古座川の対岸にあるどんどろの森へ出入りする道沿いにもソメイヨシノの並木があるが、これらが後を追うように咲き進んでいる状況だ。
桜まつり実行委員会のイベント「桜フェア」実施中の七川ダム湖畔も木によって差があるが、事務局の町地域振興課によると27日現在でまだちらほら咲きだそう。咲き進むときは一気に咲き進むが、期間の中盤と終盤の週末はともに花を楽しめそうだと期待している。このイベントに特定の期日の催事はないが、事前登録した7店舗が花盛りに合わせて桜の広場周囲に出店する予定。
(2024年3月29日付紙面より)
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初めての空手見学会 (和道流新宮道場松本塾 )
民間小型ロケット「カイロス」
民間小型ロケット「カイロス」初号機が13日午前11時1分12秒、浦神半島にある射場「スペースポート紀伊」から打ち上がったが、直後に爆発した。約52分後に衛星を所定の軌道へ投入する予定だったが、飛行中断する措置が取られた。運用するスペースワン株式会社が調査を進めている。
機体の全長は約18㍍。世界情勢に伴う部品調達難を乗り越え、当初予定から2年越しで9日に打ち上げを試みたが海上警戒区域の安全確保が図りきれず断念。スペースワンは機体自体に問題はないとし、13日の同時刻を再設定して打ち上げに臨んだ。
カウントダウンが進み、定刻通り打ち上がったが、数秒後に機体が爆発。大きな煙を上げ、ばらばらになった破片が落下した。
串本町の公式見学場では、山の尾根から白い煙が上がった。和歌山市から訪れた男性は、残念な様子で見守ったものの「新しいことには失敗がつきもの。これから上がるようになったら、また見に来たい。くじけずに頑張ってほしい」とエールを送った。
ロケットと一体になって町づくりを進めてきた串本町の田嶋勝正町長は「今日の日を楽しみにしていたので、本当に残念。町としても必ずバックアップしながら、一日も早く打ち上がるよう協力していきたい。スペースワン、ロケットに関係した皆さんに、ご苦労さまと申し上げたい。結果は残念な流れになったが、必ずやこの状況は打開できると思う」とコメントした。
(2024年3月14日付紙面より)
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かいてきライフハピネス (那智勝浦町 )
那智勝浦町朝日の地域密着型通所介護施設「かいてきライフハピネス」で11日、マグロの解体ショーがあった。元料理人の引本操さん(74)と勘代英和さん(66)が見事な包丁さばきで利用者や一般参加者らを魅了した。
同施設は民家を改修して昨年9月にオープン。「笑顔が多いデイサービス」をモットーに、利用者が住み慣れた地域で過ごせるよう入浴や外出支援の他、さまざまなイベントを催している。
マグロ解体ショーも利用者たちに喜んでもらおうと企画。施設管理者の橘哲司さんが知人2人に依頼し実現した。勝浦地方卸売市場に水揚げされた全長1・2㍍、重さ23・6㌔の新鮮なビンチョウマグロを、同町天満の片原魚店から購入した。
引本さんと勘代さんは利用者らを前に、鮮やかな包丁さばきで部位ごとに下ろしていった。橘さんがマグロの種類や特徴をクイズ形式で解説した。
すしと刺し身が振る舞われ「おいしいね」「新鮮な魚は違うわ」などと会話しながら味わった。
利用者の和田裕夫さん(84)は「おいしかったです。普段、マグロを口にすることはあっても、解体の様子を見ることがないので楽しい時間だった」と笑顔を見せた。
橘さんは「利用者の皆さんに喜んでもらってよかった。解体してくれた2人をはじめ、多くの人たちの協力に感謝している。今後もいろんな催しを企画し、穏やかな日々を過ごしていければ」と話していた。
(2024年3月14日付紙面より)
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丹鶴地区ふれあい交流会 (新宮市 )
新宮市の「丹鶴ホール」で10日、「丹鶴地区ふれあい交流会」があり、来場した地区住民らがステージ発表を楽しみ、住民同士の交流を深めた。
丹鶴地区福祉委員会と丹鶴地区民生委員児童委員協議会、丹鶴公民分館が主催。1人暮らしの高齢者をはじめ、支援を必要とする人の日頃の見守り活動や地域のつながりを強めようと開催しており、今回で8回目。
ステージでは、熊野地方を中心に活動するフラグループ「Hula HAPUNA(フラ・ハプナ)」がフラダンスを披露。ハワイアン衣装を身に着けて踊り、会場を盛り上げた。
沖縄空手舞踊&エイサー太鼓愛好会「シャルレモリモトファミリーズ」は、エイサー太鼓などを繰り広げた。
(2024年3月14日付紙面より)
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紀宝町学校支援本部「元気キッズ」による「点字体験教室」が9日、町生涯学習センターまなびの郷であった。町内の小学生と保護者が参加し、点字で文字の打ち方を学んだ。
点字は視覚障害者が、指で文字を読んだり、書いたりするために使う文字。盛り上がった点の組み合わせで文字や記号を表すもの。
元気キッズが講師を募集したところ、町内在住の竹内良子さん(78)が「自分でできることをボラティアでしたい」と応募した。
和歌山盲学校の点字図書館に寄付する本の点訳ボランティアに携わっていたという竹内さんは、点字盤と点筆の使い方を教えた。参加者は練習をした後、紙に五十音のあ行、か行、自分の好きな名前などを打っていった。
視覚に障害のある土井敏孝さん(70)も参加。「津市の県立盲学校に小学校から20歳ごろまで通った。点字を学び、御浜町志原でマッサージの仕事をしていた」と話し、最近は音声や点字で操作できる「ブレイルメモ」で読書を楽しんでいるという。
子どもたちが作った点字を読み、こつを教えるなどして交流も図った。元気キッズの辻至本部長は「皆さん、楽しんで点字を学んでくれた。今後、機会があれば再度開いてみたい」と話していた。
(2024年3月14日付紙面より)
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佛教大学卓球部が合宿開始 (那智勝浦町 )
第38回勝浦バドミントン大会
新宮、熊野両ラグビーの「卒業試合」
スペースワン株式会社は、浦神半島にある射場「スペースポート紀伊」で9日に予定していた民間小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げの日程変更を発表した。次の打ち上げは13日以降になるという。岸本周平知事によると、警戒区域に船舶が進入したため打ち上げることができなかったという。
当初予定していた9日午前11時1分12秒を16分後に変更したが、直前で中止の判断がされ打ち上げには至らなかった。
公式見学場やその一帯では住民ら多くの見学者・見物者が待望の瞬間を心待ちにしていたが、延期の判断を受けにわかに落胆が広がった。
橋本市から訪れた森下幸夫さん(68)は「ようやくと楽しみにしていただけに残念です。次はいつになるか分からないが、機会が合えばまた足を運んで歴史的な瞬間を自分の目で見てみたい」と語った。
那智勝浦町浦神の公式見学場・旧浦神小学校で見届けた堀順一郎町長は、日程変更を受け「今回は非常に残念な結果になってしまったが、楽しみが先に延びたと気持ちを切り替えるしかない。地域との協力関係を築きながら、次回の打ち上げ成功に期待したい」と話していた。
(2024年3月10日付紙面より)
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キナンレーシングチームが表敬訪問 (新宮市 )
新宮市に本社のある株式会社キナン(角口賀敏会長)をメインスポンサーとし、国内外でレース活動を行う「KINAN Racing Team(キナンレーシングチーム)」の石田哲也監督兼代表取締役社長や選手ら10人は8日、新宮市役所を訪れ、向井雅男副市長に熊野地域で毎年開催されている国際自転車競技連合(UCI)公認国際自転車ロードレース「TOUR de 熊野」での躍進を誓った。
チームは「TOUR de 熊野」の総合優勝とレースイベントの成長を最大の目標とし、当地方への貢献や地域活性、スポーツ振興、自転車文化の発展に力を尽くしている。
今年は、新たに2人が加入。12人となった新体制で「Jプロツアー」(2月24、25日)、「富士クリテリウムチャンピオンシップ」(3月2、3日)に出場するなど、精力的に活動を展開している。
この日は角口会長も出席。選手らの自己紹介を受けた向井副市長は「新宮拠点のチームが国内外で活躍してくれている姿を見て、誇らしい。世界の舞台で、さらなる飛躍となるよう心から願っています」と選手たちの活躍を祈念した。
新城雄大主将は「昨年の前半はチームの方向性に迷うところがあったが、徐々にいい雰囲気となり維持できている。今年こそは『TOUR de 熊野』の総合優勝となれるように一丸となって頑張りたい」と意気込みを語った。
石田監督は「今年は設立10年目。メンバーも若手、中堅、ベテランとバランスのいいチームとなっている。創設から掲げ続けている総合優勝を勝ち取れるよう、みんなで士気を高めていければ」と話していた。
(2024年3月10日付紙面より)
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新年度の当初予算案発表 (太地町 )
太地町の三軒一高町長らが8日、町公民館で会見を開き、2024年度当初予算案を発表した。新年度の一般会計は29億7212万4000円で、前年度より1億3685万9000円(4・4%)減。12日(火)に開会する第1回町議会定例会に上程する。
漁野洋伸副町長は減少の要因について「昨年10月に国際鯨類施設が完成し、大型の公共事業が落ち着いたことによるもの」と説明。
新年度予算は「子育てから高齢者支援まで、幅広く当町独自のカラーが詰まった予算」とし、新事業として▽中学生の修学旅行費助成(1人につき4万円)▽夜間交通手段確保(夜間に大阪方面から帰町する住民のタクシー送迎)▽自動運転車両の暖海地区路線運行▽通院支援(高齢者の医療機関への送迎)▽帯状疱疹(ほうしん)ワクチン接種助成▽人間ドック―を行うと述べた。
これまで実施してきた▽じゅんかんバス無償化▽買い物支援▽出産祝い金▽入学祝い金▽就学児医療費助成―などは引き続き実施するとした。
ハード面では、町多目的センターへの機能訓練用トレーニング機器整備の他、清掃センター資源ごみ分別回収場整備(2026年度までの3カ年計画)、くじら浜公園の展示捕鯨船(第一京丸)の塗装修繕、救急車購入などを行うとした。
三軒町長は、自身が掲げる30年計画に触れ「現在ちょうど20年目。最初の10年間は高齢者のため、次の10年は子どもたちのため。残る10年はその総点検として、住民の方々に満足していただけるよう施策を充実させていきたい」。残るハード面整備で庁舎の高台移転を挙げ「財政バランスを崩さないよう10年後くらいにと考えているが、議会に諮りつつ慎重に進める」と見解を示した。
(2024年3月10日付紙面より)
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熊野修験の山伏らが出立 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山から奈良県吉野までの山岳地帯を踏破する大峰奥駈(おくがけ)修行が9日に始まった。「春の峯入り」と呼ばれる初日には、鈴懸の装束を身に着けた山伏に導かれ、一般参加者含む約50人が夜明けの那智山を出立。大雲取越・小雲取越を経て田辺市本宮町の熊野本宮大社まで約30㌔を歩き通す。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」のルートで最も厳しい大峰奥駈道は、標高1200~1900㍍の山岳が連なる大峰山脈の主稜線(りょうせん)を通り、吉野と熊野の二大聖地を結ぶ約150㌔の修行の道。
大峰奥駈修行は約1300年前に修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が始めたとされ、日本固有の信仰である修験道の修行「山林抖擻(とそう)」の重要な位置付けとなっている。明治の神仏分離で途絶えていたが、1988年に熊野修験の髙木亮英大導師(那智山青岸渡寺住職)が再興した。
午前6時に那智山青岸渡寺本堂に集合した一行は、ほら貝を鳴らして勤行。熊野那智大社に参拝し、昨年150年ぶりに再建された熊野修験の根本道場「行者堂」でも勤行をした後、出立した。
髙木大導師は「世界を眺めれば、尊い人の命が失われている。世界平和と人々の幸せを願って出発した。世界遺産登録20周年の節目、行者堂が再興されて初めての峯入りでもあり、意義深いものになる。一般の方々にもご参加いただいており、熊野の霊験を肌で感じ、それを広く知らしめていただきたい」と話していた。
(2024年3月10日付紙面より)
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公立中学校で卒業式 (新宮市・那智勝浦町 )
新宮市と那智勝浦町の公立中学校で7日、卒業式が挙行された。生徒たちは校長から卒業証書を受け取り、3年間の思い出を胸に母校を巣立った。
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新宮市内では緑丘72人、城南52人、光洋58人、高田1人、熊野川2人の計185人が卒業した。
緑丘中学校では保護者や教職員らが見守る中、生徒たちに証書を手渡した宮本雅史校長は「学び続ける」「夢を持って努力していく」「人とのつながりを大切に」の言葉を贈り「みんなは何事にも積極的に取り組み、この3年間で本当にたくましくなりました。社会は人と人とのつながりでできている。学校生活で学んだことを生かし、成長していってください」と式辞。
在校生を代表して平井寧月さん(2年)が「行事などを通して、皆さんは私たちの憧れの存在でした。これからは先輩方から学んだことを引き継ぎ、より良い学校にしていけるよう頑張ります」と語った。
卒業生代表の永田眞太郎さんは中学校生活を振り返り「この先、たくさんの出会いと別れがある。高い壁にぶつかることもあると思いますが、緑丘中学校で学んだ思い出を胸に前向きに乗り越えていきます」と答辞を述べた。
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那智勝浦町では、那智45人、下里30人、色川5人が卒業した。宇久井は13日(水)に開かれる予定で24人が母校を巣立つ。
下里中学校では中西健校長が一人一人に卒業証書を手渡し、式辞の中で体育祭や文化祭を成功に導いた3年生の活躍をたたえた。中西校長は「無駄が大切、自分で決めることが大切、自分自身を大切に、この三つをお願いしたい」と卒業生に語りかけ、「悩んだり、心が不安定になったりするかもしれないが、みなさんは私たちにとって希望の固まり。それを忘れないで思い切り青春時代を楽しんで」とエールを送った。
在校生代表の曽我悠太さんの送辞を受け、卒業生代表の小野優さん、尾鷲俊人さん、中村安祐美さんが答辞を述べた。3人は先生の指導、部活動、修学旅行などの思い出を語り、卒業生全員が立ち上がってそろって先生、保護者らに頭を下げて感謝の気持ちを表した。3人は、さらに大きく成長することを誓って答辞を結んだ。卒業生らは温かな拍手に送られ、会場を後にした。
(2024年3月8日付紙面より)
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見学場などへのぼり掲げて (和歌山ロケット応援団 )
和歌山ロケット応援団(青木圭団長)が6日、同団設置分のロケット打ち上げ応援のぼりの掲出作業を完了した。
「応援の思いは共通」という観点で在住地域にこだわらず有志が集まって結成する同団。こののぼりはロケット「カイロス」の打ち上げを盛り上げるシティーラッピング素材として、射場「スペースポート紀伊」公式エンブレムを取り入れて作成し、同団掲出と協力事業者掲出の2系統で設置の裾野を広げている。
現在行われている掲出は、9日(土)午前11時~正午に打ち上げ予定の初号機を見据えた機運醸成。まちなかは協力事業者が店頭などへそれぞれ掲出しているため、同団設置分は初号機の公式見学場の出入り口を分かりやすくする掲出を考え田原海水浴場そばに40本、旧浦神小学校一帯に50本を順次設置。残りはJR古座駅駐車場のフェンスに掲げているという。
この取り組みが初号機の打ち上げに向けた最終の機運醸成で、青木団長は「打ち上げ日時は晴れの予報で、あとはもう無事に打ち上がることだけを期待するばかり。皆さんもきっと同じ気持ちだと思うので、その瞬間は大きな感動が広がると思う。私たちは応援団なので、そのように盛り上がるよう打ち上げを応援していきたい」と心境を語った。
田原海水浴場そばには後にスペースポート紀伊周辺地域協議会も応援のぼりを追加で設置。その相乗で、並ぶのぼりが一段と主張力を増している。
(2024年3月8日付紙面より)
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シダックスから子どもらへ (串本町 )
串本町学校給食センターの調理運営業務を受託するシダックス大新東ヒューマンサービス株式会社が6日、配食先の子どもらへ民間ロケット打ち上げ記念クッキーを提供した。
田原にある民間ロケット射場「スペースポート紀伊」のロケット「カイロス」初号機が打ち上げ予定となったことを受け、子どもたちにその瞬間を心に残る記念にしてほしいという願いを込めて計画。クッキーは同社学校給食事業の調理スタッフがアレルギーフリーを意識してレシピを考案し、同センターで5日に焼き上げスペースタウン串本ロゴとシダックスグループ公式食育キャラクター「モグちゃん(記念仕様)」、社名などをあしらった宇宙食風パッケージに詰めて仕上げた。配食先の全員に加え、自校方式で配食する田原小、町外だが配食先の古座川町立古座中学校も対象にし約1300個を6日に一斉提供した。
串本町立西向小学校(河田恵美校長、児童42人)へは同社和歌山営業所の塩路浩一営業所長ら社員が給食の時間に合わせて訪問し、提供の趣旨を伝えて一人一人に同クッキーを手渡した。児童の多くが給食を食べ終えた後に宇宙飛行士気分でパッケージを開封して味わった。
クッキーはアレルギーフリーを意識し白くなってしまった生地にほどよい色味をつけてくれるカボチャを練り込み、ロケットの形をした枠の中に「くしもと」と記したデザインを型押しした内容。型押しは子どもが「くしもと」というなじみ深い響きからすぐにロケットが連想できるようにと考えた工夫だそうで、児童は何が書いてあるのかを興味津々に確かめ何の味かを探りながら味わった。
河田校長は「これをきっかけにして9日にいよいよ上がることとなったロケットへの関心を今まで以上に持てるようになれば」と効果を期待して提供に感謝。塩路営業所長は「まずは注目される事業が立ち上がるというところを大いに感じ、地元に誇りを持っていただければ。これがいい思い出になり将来、この地域を発展させる人になってもらえれば」と提供に込めた思いを語った。
(2024年3月8日付紙面より)
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JR駅員が串本駅改札内に (串本町 )
JR串本駅改札内の待合室に6日、ロケット「カイロス」をテーマにしたペットボトルキャップアート作品が設置された。
JR新宮駅に勤務する小原和記係長(40)主導による趣向。駅員にとどまらず保線、電気、乗務の各社員や関係する事業者の協力も得てデザインや設計を練りに練り、必要な材料を集め1年越しでこの作品を作り上げたという。
縦横とも180㌢の正方形パネルに2500個のキャップを並べ、橋杭岩越しに飛ぶロケットとその前を走る特急くろしおを描き出した内容。民間ロケット射場「スペースポート紀伊」から何時に打ち上がるのかが分からず、「宇宙=星空」の印象でロケットの背景は星空になっているという。
同室に収まる目いっぱいの大きさで作ったため、この日は数人がかりで角をぶつけないよう慎重に搬入。頑強な足がついているが万全を期してワイヤーで壁とつないで安全を確保し、大勢にこの前で記念撮影をしてほしいという思いがあり極力その妨げにならない配置で木製ベンチを入れ直した。
道本隆文・新宮駅長(60)は「新宮駅に飾っている『WEST EXPRESS 銀河』をテーマにしたアートの第2弾となる作品。ロケットの打ち上げをきっかけにして多くの方に紀南へ来てほしいし、われわれもできる限り地元の皆さんと一緒にその対応をしていきたい」とコメント。
設置を終えて小原係長は「主導したものとしては感動の一言に尽きます。地域に愛されるためにみんなでこのアートを作ったので、たくさんの人に見に来てほしい。ロケットが起爆剤となり地域が発展することに少しでも寄与できたら」と主導に込めた思いを語った。
(2024年3月8日付紙面より)
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