近大附属中学校3年生が (新宮市 )
紀の国緑育推進事業を利用した林業教室が29日、近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の中学3年生47人を対象に実施された。生徒たちは間伐体験や原木市場・製材所見学、木工教室を通じて熊野材が製造される工程を追い、ふるさとの森林や産業への学びを深めた。
この事業は、県内の豊かな森林や林業、環境問題への関心を高め、森林を守り育てる意識を育むことを目的に行われており、同校では2年目となる。新宮・東牟婁地方で林業・製材業・運送業を営む若手経営者で構成する紀南木材新緑会の野中亮伸会長ら3人と、熊野川町森林組合(田中多喜夫代表理事組合長)が指導に当たった。
同校で行われた講義では野中会長が講話。「全国の市町村の中で、新宮市の森林率は90・6%で第2位」と話し、木材業の隆盛で経済的・文化的に発展した新宮市の歴史を写真で紹介。森林の持つ▽水を蓄える▽生物のすみかとなる▽空気をきれいにする―などの効果を発揮させるために森林の適切な管理・整備と伐採・利用が必要と述べ、林業の重要性を強調した。
間伐体験では直径15㌢のスギを伐採。熊野川町森林組合の職員から木の選び方や伐倒方向を決める受け口・追い口の入れ方を学び、使い慣れないのこぎりで切り倒した。
森本新奈さんは「のこぎりは思ったよりも力が必要だった。すんなりと切っていく森林組合の方々は職人技。さすがプロだなと思った」。谷口優依さんは「最初は真っすぐ切れなかったが、途中からすっとのこぎりが入るようになり、楽しかった」と笑顔で話していた。
午後からは新宮市あけぼので、木材の競りを行う㈱新宮原木市場や丸太を製材する板美商店、木材にホゾ・仕口などの加工をする新宮木造住宅協同組合の工場などを見学。木工教室では木のパズル制作や木組みをして木に親しんだ。
(2020年10月30日付紙面より)
ユズ果実の搾汁作業始まる (古座川ゆず平井の里 )
古座川町平井にある農事組合法人古座川ゆず平井の里(羽山勤代表理事)の出荷場で28日、ユズ果実の搾汁作業が始まった。今年は法人全体で約140㌧の収量を見込み、うち状態がいい果実約10㌧は生果として団体所属する紀ノ川農業協同組合へ出荷。残りを搾汁するという。
昭和30年ごろに始まり町内へ広まったユズ生産。同法人は生産者の共同体として平成16年に発足し、現在は95人が組合員となり果実を集荷している。
羽山代表理事によると、今年は70戸が集荷する予定。この日は初日とあって生果用と搾汁用合わせて約10㌧の集荷があり、搾汁用をさっそく地域おこし協力隊など若手の手伝いを得ながら順次洗浄、搾汁した。風味が異なる果汁を意図的に得るために最近は完全に色づく直前の果実も集荷。今は若干青みが残る果実の搾汁をしていて、後にほぼ色づいた果実の搾汁もするという。
搾汁後の果実のうち皮がきれいなものを加工用として取り分け、残りは堆肥化して畑に返すなど無駄を出さない工程で作業を重ね、11月末までに今年分を搾り切ると意気込んでいる。
果汁は大口への出荷もするが、同法人もさまざまな特産品に加工して販路に乗せている。集荷の時期を迎えて羽山代表理事は「全体的にやや小ぶりな印象だが量があり、平年並みの収量を見込んでいる。今年はコロナの影響で加工品の需要が少なく販売が厳しいが、ひるまずに少しでもいい香りを届けるという思いで頑張りたい」とコメントし、出荷先での愛好を願っていた。
(2020年10月30日付紙面より)
11月1日、フラなど動画配信 (ALOHANA くまの )
「ALOHANA くまの実行委員会」(向井里江実行委員長)は28日、熊野市役所で会見を開き、フラやタヒチアンダンス、ウクレレなどをYouTube(ユーチューブ)で配信すると発表した。時間は11月1日(日)午前11時から翌2日(月)午前11時まで。多くの視聴を呼び掛けた。
「ALOHANA くまの」は例年、御浜町のふれあいビーチやしの木広場で開催され、南国ムードいっぱいの踊りや演奏で親しまれてきた。今年は新型コロナの影響で中止。代わりに動画配信を決め、毎年出演してきた個人や団体に協力を呼び掛け、寄せられた動画を2時間に編集。出演は13団体で、熊野鬼城太鼓や那智勝浦町のギタリスト濱口祐自さんの名も。熊野市や那智勝浦町の自然も多く登場する。
向井実行委員長は「映像を通じて笑顔を届けたい」と話す。動画は「アロハナくまの」で検索すればよい。
(2020年10月30日付紙面より)
なちかつ古道を守る会 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は29日、那智勝浦町宇久井の熊野古道「大狗子(おおくじ)峠」などの整備に取り組んだ。会員12人が参加。以前から補修作業に取り組んでいる道を補強したほか、周辺の清掃活動に汗を流した。
同会は古道の整備や景観美化のためにボランティアでさまざまな活動に従事している。
この日、会員は雨で道や土が流れてしまわないように溝を掘って周りを石で固めたり、ハンマーで木や竹を打ち込んで土留めを設置した。枯れ木を拾い、徒歩の邪魔になる石などを除くなど美化にも努めた。また、埋まっていた石を掘り起こすと広い石段が現れ、古道に花を添える形となった。
太田代表は「今日、整備した土や石がなじんで、落ち着いてくれたら道も良くなると思う」。
会員からは「これだけきれいになったのだから、大狗子峠も世界遺産になってもらえたら」と話した。
(2020年10月30日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
千歳連合会初のグラウンドゴルフ大会 (那智勝浦町 )
守る会がウミガメを放流 (新宮市王子ヶ浜 )
新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は18日、同市の王子ヶ浜でウミガメの放流を行った。同会員や市職員ら約40人が参加。489匹の子ガメを放流した。
王子ヶ浜は絶滅危惧種・アカウミガメが訪れる世界でも数少ない海岸の一つ。同会では、波浪流失や小動物の捕食被害から守るため、卵を海岸に隣接するふ化場に移して安全に保護する活動をしている。
同会が今シーズンの初産卵を確認したのは7月16日。以降、同浜には7頭が上陸し、うち5頭が計650個を産卵。489匹がふ化した。今年のふ化率は93%にも上ったという。
例年では地域住民や子どもらを招き放流会を実施しているが、今年は悪天候を考慮しイベントは中止に。同会員が中心となり、三つの水槽に分けた子ガメを海に戻した。
放流に先立ち、速水会長があいさつ。「大変な努力によってボランティアとして放流を続けて15年。続けていくには行政からの何らかの援助も必要となる」と訴えた。
公務のため参加がかなわなかった田岡実千年市長に代わり、福嶋律文・秘書課長が「今年も多くのウミガメを放流することができ、市としてもうれしい限り。これも関係者の日頃からの鋭意のたまもの」と感謝を述べた。
子ガメを手に乗せて放流を手伝った田辺市本宮町の石原菜々美ちゃん(5)は「楽しかった。(子ガメは)小さくてかわいかった。大きくなって帰ってきたらいいな」と笑顔。
速水会長は「今年は天候の関係で放流会はかなわなかったが、『子ガメを見たい、子ガメに触れたい』といった子どもらの声も多い。来年は広く参加を呼び掛け、ふるさとには貴重な浜辺があるということをアピールしたい」と話していた。
(2020年10月20日付紙面より)
串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本で18日、大会「宇宙シンポジウムin串本」があった。会場では定員いっぱいの200人が聴講。今回は動画サイトを利用したライブ配信も実施し、インターネット経由で所在地から世界へ先端情報発信をする機会ともなった。
「ロケットといえば串本」という印象を根付かせるため、前年度に県と同町が両輪で立ち上げた大会。本年度は新型コロナウイルス感染症の予防対応が求められる中、県が立案を進め同町は受け入れなどで協力する形で計画。定員を前回の約3分の1に抑えて座席の間隔を取るなどの対策を取り、併せてライブ配信により視聴できる態勢を整えるなどして実施する形となった。
会場では田嶋勝正・串本町長や佐藤武治県議会議員、堀順一郎・那智勝浦町長ら要職に加え県立串本古座高校や串本西中学校の生徒教職員など地元からも多数参加。開会に当たり仁坂吉伸知事は「新世界の幕開けがまさにここ串本からも始まる。世の中を変えていくシンポジウムを世界に向けて串本で開けることを誇りにしたいと思う」とあいさつして開会に弾みをつけた。
プログラムは基調講演とパネルディスカッションの2部構成。基調講演は後のパネルディスカッションでモデレーターを務めた東京大学大学院の中須賀真一教授、パネリストとして登壇したSPACETIDEの石田真康CEO、株式会社アクセルスペースの宮下直己取締役・CTO、オーシャンソリューションテクノロジー株式会社の水上陽介代表取締役、スペースワン株式会社の遠藤守最高顧問、県産業技術政策課の柴田和也課長が登壇〈石田氏のみリモート登壇〉し、宇宙活用の世界観や現在展開されている民間宇宙ビジネスの実像、同町田原で建設中の民間小型ロケット発射場や地元の受け入れ体制で先端情報を発信。
パネルディスカッションで中須賀教授は大きく▽小型ロケットの打ち上げに伴う地域の展望▽打ち上げた人工衛星から得られるデータ活用と恩恵を受ける地域の協力の必要性▽文理両面の連携で成り立つ宇宙産業の教育活用―で議論を進めて内容を掘り下げたほか、人工衛星による気象観測向上、打ち上げ開始時の公開、関係事業者の地域交流、人工衛星から得られるデータの教育活用などの見通しや、パネラーの宇宙観などの質疑応答もあった。
田嶋町長は串本古座高校における教育展開への期待を寄せ、中須賀教授は相談の協力をすると応えみんなで民間ロケット発射場を盛り上げようと弾みをつけてパネルディスカッションを締めくくった。
(2020年10月20日付紙面より)
蛭子神社の例大祭 (太地町 )
太地町森浦の蛭子(えびす)神社(髙橋正樹宮司)で18日、例大祭が営まれた。頭屋(とうや)が引き継がれる独特の儀礼「トウモリの儀」は新型コロナウイルスの影響から実施されず、地域の繁栄とコロナ終息が祈願された。三軒一高町長や塩崎伸一町議会議長、同町漁業協同組合の脊古輝人組合長、森浦区の由谷唯吉区長ら12人が出席し、玉串をささげた。
同神社では神事後の直会(なおらい)で参加した氏子らが食べ明かすことから「食い祭り」の名で親しまれている。町史によると、蛭子神社は格式高く、古くから漁業の神として信仰を集めているという。
例年のトウモリの儀では境内の若宮神社前にござを敷き、大小の飯びつと9枚の板の杯、半分に割ったしゃもじ2枚が用意される。続いて、前頭屋が飯びつからしゃもじで杯にご飯をよそい、1枚ずつ次の頭屋に渡し、頭屋はそのご飯を飯びつに移し入れるというもの。昨年、頭屋を引き継いだ佐藤賢次さんによると、コロナの影響で今年は次の頭屋が決まっていないことから引き続き頭屋を務めるという。
佐藤さんは「来年のコロナの終息具合にもよるが、次の頭屋は森浦区の住民総会で決まる予定」と話した。
髙橋宮司は「トウモリの儀は頭屋が交代するための儀式。今年はコロナの影響で異例な形となったが、天下太平、五穀豊穣(ほうじょう)、子孫繁栄に加え、コロナの終息も祈願させていただきました」と語った。
(2020年10月20日付紙面より)
伴い、市内小中学校臨時休業など
16日未明、新宮市に対し、市役所や学校を狙った襲撃予告のメールが届いた。犯行予告を受け、市では予告日の20日、子どもたちの安全確保のため市内小中学校を臨時休業とするほか、同日午前10時30分から正午までの間を臨時閉庁とすると決めた。
予告内容は「突然ですが10月20日火曜日の11時30分に新宮市役所に突撃し、散弾銃を乱射し血の海を作ります。その後12時30分頃に市内の高校2校、小中学校計10校にはドローンを使ってメチルアルコールを散布した後、火炎弾を放って火の海を作ります」といったもの。
市では、臨時休業・閉庁の対応に加え「安全確保のため、可能な限り20日の来庁は控えていただきますようお願いします」と呼び掛けている。
犯行予告に対し、田岡実千年市長は「新宮市では、今回の犯行予告を受け、万が一に備え、対象となった小中学校を臨時休業とし、市役所本庁舎を一時的に閉鎖する対応をとらせていただきます。市民の皆さまには多大なご心配やご迷惑、ご不便をお掛けしますが、今回の対応は市民の皆さまの安全が最優先と判断したものでございます。新型コロナウイルス感染症対策などさまざまな対応が求められている中、市政を停滞させるこのような行為は絶対に許されるものではありません。新宮警察署の協力を得て、不審者の警戒などを行い、安全安心な学校運営や庁舎管理に努めてまいりますので、何とぞご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます」とコメントを寄せている。
(2020年10月20日付紙面より)
熊野速玉大社「新宮の速玉祭」
国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が執り行われ、16日には神輿渡御式(みこしとぎょしき)と御船祭(みふねまつり)が営まれた。
例年なら「わっしょい」の掛け声とともに市内を巡行する神輿渡御。今年は新型コロナウイルス感染症拡大予防のため小神輿を使用。神馬(しんめ)に乗った「一ツ物」に先導され、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神遷(うつ)し場に。
熊野大橋上流の「神遷し場」で朱塗神幸用船に遷され、諸手船(もろとぶね)、供奉船とともに御船島に向け出発。漕手の密集密接を避けるため早船競漕(きょうそう)が中止となる中、古式ゆかしく御船島を廻(まわ)った。
その後、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)では、「神輿所」に設けられた杉ノ仮宮で、前日同様に御旅所神事が営まれた。
祭りを終え、上野宮司は「コロナ禍での神事となったが昔と変わることなく伝えていくことをわれわれも真剣に考え、いろいろな方々の協力の下、無事に斎行することができた」と感謝。
「早船競漕もなく、遠方から参列していただくこともかなわなかったが、連綿と続く神様の渡御を滞りなく行うことができた」と話していた。
(2020年10月18日付紙面より)
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会 (那智勝浦町 )
世界遺産・熊野古道「大辺路」活性協議会(会長=堀順一郎・那智勝浦町長)は16日、同町勝浦の海のホテル一の滝で、初となる「大辺路観光マップ制作検討会」を開催した。町内のJR各駅を拠点とした「駅近お散歩マップ(絵地図)」と熊野古道大辺路の「各駅発着ルート案内マップ」の制作などに向け関係者らが集まり、議論を重ねた。
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世界遺産・熊野古道「大辺路」の観光客受け入れのための基盤整備と機能強化に取り組み、都市と地域の交流活性を行うことを目的に先月25日に発足した。
▽大辺路の歩行環境、自然景観づくり▽大辺路歩行ルート、観光資源などの情報発信▽大辺路の観光拠点であるJR駅の有効活用▽大辺路の魅力を体感・PRできる催事実行▽その他協議会の目的の達成に必要な活動―などに関する事業を行う。
メンバーは「一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)」「串本町産業課」「那智勝浦町観光企画課」「南紀串本観光協会」「なちかつ古道を守る会」「熊野古道大辺路刈り開き隊」「熊野那智ガイドの会」で構成。西日本旅客鉄道株式会社、KNT―CTホールディングス株式会社、株式会社和歌山リビング新聞社、有限会社マインド、株式会社新宮看板広告、株式会社ノットワールド、インター・セッション有限会社と協力連携し、事業目的の達成を目指す。なお、事業費は2000万円で、協議会自体は単年度間の活動となる。
同協議会のプロジェクトマネージャーを務め、NACKTの観光資源の磨き上げを担当する齊藤滋さんは「1年後、結果によっては継続していく可能性もある。串本、勝浦の連携に太地も加わるような取り組みの下地になれば」と話した。
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齊藤さんは那智勝浦町と串本町の駅には世界遺産や大辺路の紹介が見受けられないと指摘。観光情報発信に含め、Wi―Fi(ワイファイ)サービスなども充実しているすさみ町の駅を例に挙げ「勝浦にもできる。見どころも多いので駅から駅を歩いてもらいたい」と述べた。
また、那智勝浦町と串本町が連携して取り組むことが要と主張。両町の熊野古道には付近に国道42号やJRきのくに線があることから「駅からウオークができることがみそ。今事業では駅を拠点とします」と述べた。さらに両町間の駅のうち14駅にはトイレがあることも大きいと続けた。
観光客などが駅周辺の観光案内や大辺路が楽しめるようにルートを記した「駅近お散歩マップ」と、JRの各駅に大辺路までのルートなどを示した「各駅発着ルート案内マップ」の設置をするとした。駅近お散歩マップは絵地図作家として活躍する植野めぐみさんが会員らの地域の情報を基に制作する。
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同協議会では最終的にこの地域が滞在型観光地となることを目指しており、公共交通機関の利用促進を促すことで地域においての交通基盤の整備にもつながることを視野に置いている。
齊藤さんは誘客多角化・滞在促進事業として外国人や報道陣を招待して魅力を発信するファムトリップや浦神地区の伊勢エビをテーマとしたオンラインツアー、30人ほどの規模の参加者で来年2月に予定している大辺路ウオークモニターツアーなどの事業により、誘客多角化の実証実験を行うと説明した。
世界遺産の熊野古道が通っていない太地駅についてルートに組み込むべきかの議題が挙がった。出席者からは「太地の道の駅もあり、太地駅には特急も止まる。国交省としては拒むことはないはず」「ここはこだわるところではない。観光機構(地域を巻き込むことが定義)なので」と回答があった。
また、各地域の情報収集を進めるとともに交通安全の簡易看板設置についても検討が必要であるとした。
(2020年10月18日付紙面より)
生徒会役員らが啓発活動 (紀南高校 )
紀南高校生徒会と紀宝警察署、紀宝地区防犯協会は16日、御浜町阿田和のパーク七里御浜で合同の広報啓発活動を実施。買い物客に生徒たちが特殊詐欺や住宅対象犯罪の被害防止を呼び掛けた。
生徒会は2010(平成22)年から防犯ボランティア団体として活動を続けており、この日は平山歩夢会長ら役員4人が参加した。
活動は全国地域安全運動の一環。同署は「住宅侵入犯罪の被害防止」を重点に掲げている。防犯ボランティアのベストを着用した生徒たちは、侵入犯罪の手口や対策をまとめたチラシと啓発物品を買い物客に配布。一人一人に「鍵掛けをお願いします」と伝えた。
住宅への侵入は▽ドアのこじ破り▽ピッキング▽サムターン回し―など多種多様な手口がある。一方で、窃盗犯は侵入に5分以上かかると7割が諦めるというデータがあり、自宅の防犯は施錠が重要だという。
同署管内では今年に入り、空き巣など8件の被害が発生しており、生活安全刑事課の一海孝治警部補は「空き巣被害は無施錠がほとんど。外出時の施錠を習慣付けてもらいたい」と話していた。
(2020年10月18日付紙面より)
塩竃神社の例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で11日、家内安全や豊漁を祈願する秋の例大祭が営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小し神事のみの斎行となった。
同例大祭は160年以上の歴史があるといわれる。毎年、勇義社の迫力ある獅子舞の奉納や地区の女性らで組織される「祭り盛り上げ隊」の屋台などに多くの人が集まり、盛大に行われている。
今回はコロナに加え、先日の台風14号の影響で1日延期してこの日の実施となり、宮総代や同地区の西・東区長、勇義社のメンバーら9人が出席した。
並川廣西区区長は「今年は神事のみとなり、勇義社の獅子舞も省くことになりつらい。来年はいつも通りの行事ができることを祈っています」。
東区区長でもある谷邦夫総区長は「主に漁師の祭りとして継続されてきた例大祭だが、コロナの影響で縮小する形となったので残念で仕方ない」。
同社宮総代の谷洋久代表は「来年こそは獅子舞もできるようになってほしいと願っている」と話した。
神事を終えた井谷宮司は「いつもはサカキを玉串に使用するが、今年は特別にナギを使ってご奉納した。コロナウイルスが凪(な)いで、鎮まり収まるように祈願しました。来年こそは通常のお祭りができれば」と語った。
なお、両区長によると、来年1月に営まれる「脊美(せみ)祭り」も今回と同様、規模を縮小して神事のみになることが決定したという。
(2020年10月13日付紙面より)
熊野学研究委員会自然部会、新宮市教育委員会は11日、新宮市高田で自然探訪スクール第1回講座を開催した。市内外から15人が参加し、高田小水力発電所周辺を散策しながら、秋の植物や昆虫観察を楽しんだ。
熊野地方の大自然に親しむ中でその営みを学び、愛護する精神を培うことを目的に毎年開いている講座で、本年度は全4回を予定している。
この日は内鹿野(うちがの)渓谷散策を予定していたが、前日の台風による増水のためコースを変更。熊野学研究委員会の高塚建さんらが案内役を務め、道中で山に自生するイワタバコやサンショウなどの植物、サツマニシキやハンミョウ(通称:ミチオシエ)といった美しい昆虫を解説した。ちょうど花期を迎えていた紀伊半島の固有種で和歌山県の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に分類されているキイジョウロウホトトギスにも注目が集まった。
那智勝浦町から参加した角拓利君(小学5年)は「昆虫や植物に興味があって参加した。ハンミョウを捕まえたのは初めて」と話し、一緒に参加した友達とアケビを持ち帰っていた。
(2020年10月13日付紙面より)
秋晴れの飛鳥神社例大祭 (太地町 )
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、獅子神楽や稚児行列、子ども神輿(みこし)の中止を決定していた太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)の例大祭本宮が11日、営まれた。前日の宵宮は台風14号の影響で中止となり、秋晴れの本祭は行事を簡素化・縮小して斎行。樽(たる)神輿と参列者による行列が太地水産共同組合から同神社へと渡御した。
この日は、宵宮で実施予定だった頭屋祭が水産共同組合で執り行われた後に一行は同組合を出発。今年は神輿練りはなく、寄水青年同志会(寄水倶楽部・掛橋寿徳会長)と東新青年同志会(東新倶楽部・玉置功治会長)の会員が樽神輿を担ぎ神社を目指した。
到着後の本殿祭では髙橋宮司が豊漁やコロナ終息などを祈願して祝詞を奏上し、参列者らが玉串をささげた。
掛橋会長は「どこの町でも1年に1回の祭りができずに残念な思いを持っていると思う。皆さまの健康と来年は祭典行事が無事にできることを切に願い、玉串をささげさせていただいた」。
玉置会長は「昨年も台風で神輿ができなかった。倶楽部のメンバーのモチベーションが保っていけるようにしたい。来年こそは祭りや町を盛り上げていけるようにしたい」と語った。
髙橋宮司は「今年は宵宮と本宮をまとめることになったが、今日は天気も良く無事にお祭りができてよかった。総代の方々が朝早くから準備をしていただいたことに感謝している。来年はコロナも収まり、天気にも恵まれ、にぎやかに樽神輿も行いたい。それだけが願いです」と話した。
(2020年10月13日付紙面より)
秋まつりシーズン最盛に (串本町 )
串本町の秋まつりシーズンが最盛の時期を迎えた。今年は新型コロナウイルス感染症を鑑み、神事のみとする神社が大半。代表者参列で氏神への礼を尽くし、来年は例年通り営めることを期す状況が重なっている。
串本町の重心、串本地区を氏子区域とする潮﨑本之宮神社は11日午前10時に式典を執行した。7月26日付で式典以外の行事を中止することを発表し、宵宮の雄々しい宮上り道中をはじめとして本祭日とその前後の区域内をにぎやかす4氏子会の獅子舞奉納や道行きはなし。6月に着任した山本貞夫宮司が神事を担い、各区域の総代らが玉串をささげて今年の礼を神前にささげた。
出雲地区を氏子区域とする朝貴神社も8月初旬に神事のみとすることを申し合わせ。出雲獅子舞保存会の奉納や道行き、高張りちょうちんを伴っての宵宮夜半の宮上りといった行事は中止とした。式典は11日午前9時に執行。坂成正人神主が神事を担い、同地区の平澤正代表区長以下5区の区長と総代らが順次玉串をささげて礼を尽くした。
両神社とも祝詞では新型コロナウイルス感染症の情勢を鑑みて諸行事を中止した旨を奉告。同感染症の早期収束と氏子区域内で感染がないことを大願の一つに盛り込み、一同で祈願していた。
平澤代表区長(66)は「朝貴神社のお祭りはみんなが楽しみにしていて、区外に出ている出身者も割と集まってくる。このような形になってしまったのはさみしいが、区民皆さんの健勝と繁栄、豊漁は変わらず祈願させていただいた」と話し、来年はまた例年のように営めることを期待した。
和深地区の八幡神社も獅子舞など諸行事を中止しこの日午前10時30分に式典のみ執行。須江区の旧雷公神社宵宮奉納は中止、樫野区の雷公神社も獅子舞や宵宮(例年10月8日)の参拝を中止し、13日(火)に式典のみ営む予定。潮岬地区の潮御崎神社も高張りちょうちんを掲げての宮上りや獅子舞などの行事は中止とし、18日(日)に式典のみ営む予定。
(2020年10月13日付紙面より)
東牟婁地方中体連新人大会
市内3会場に市長から感謝状も (ラジオ体操優良団体等表彰 )
新宮市はこのほど、ラジオ体操の普及奨励に寄与したとして、㈱かんぽ生命保険、日本放送協会、NPO法人全国ラジオ体操連盟から2020年度ラジオ体操優良団体等表彰(近畿地方表彰)を受けた。8日に市役所を訪れたかんぽ生命保険の木村浩之・和歌山支店長から田岡実千年市長が表彰状と記念品を受け取った。また、それぞれおおむね20人が参加している市内3会場に対し田岡市長が感謝状を手渡した。
ラジオ体操は国民の体力向上と健康の保持・増進を目的に1928(昭和3)年に制定された。同表彰は、かつての郵政省簡易保険局が、簡易保険創業40年、郵便年金創業30周年の記念事業の一環として、56(昭和31)年から府県別表彰を実施したのが始まり。62(昭和37)年に全国、地方表彰が加わり現在に至っている。
同市は昨年(府県等表彰)に続き2年連続の受賞となった。表彰の基準は▽当該年度4月1日現在で、ラジオ体操を始めてから満5年以上継続しており、ラジオ体操の普及向上に寄与した功績が著しい▽おおむね20人以上参加者がある▽年間ラジオ体操の実施日数が100日以上▽過去に府県等表彰を受賞した―団体。
同市では2014(平成26)年5月から市生涯学習課が中心となりラジオ体操の普及活動に取り組んでいる。現在、市内11カ所の会場で合計約150人が健康増進のためにラジオ体操を実施している。
市長から感謝状を受けたのは王子ヶ浜見晴台会場(向井和子代表)、駅前広場会場(滝川勝弘代表)、神倉小学校会場(辻原幹佳代表)。
王子ヶ浜見晴台会場では県道あけぼの広角線が開通した12(平成24)年3月からラジオ体操を開始し今年で9年目を迎える。駅前広場・神倉小学校会場は市の「健康寿命を延ばそう」を合い言葉に14(平成26)年にラジオ体操を開始した。
田岡市長に表彰状を手渡した木村支店長は「表彰は皆さま方の日頃からの積み重ね。今後も引き続きラジオ体操普及への取り組みを」。
自身も王子ヶ浜見晴台会場でラジオ体操に参加する田岡市長は「皆さんとても元気で、ラジオ体操が人間の体にとって素晴らしいことであると感じている」とあいさつ。
健康だけではなく地域住民のコミュニケーションの場にもなっていると述べ「近所の方々に声を掛けるなど、これからもこの素晴らしい輪を広げていただきたい。市も普及のために皆さんと共に頑張っていきたい」と呼び掛けた。
(2020年10月10日付紙面より)
生涯現役セミナーに山口克司さん (新宮市 )
新宮市生涯現役促進地域連携協議会は8日、市役所別館で第2回生涯現役セミナー「シニアのためのキャリアデザインセミナー」を開催した。(公財)産業雇用安定センターインストラクターの山口克司さんが講師を務め、キャリアデザインの必要性について話した。
同協議会は、55歳以上の中高年齢者を対象に就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進や生きがいづくりの場への参加などの支援を行う事業を和歌山労働局の受託事業として展開している。
この日は、定年退職やキャリアチェンジを迎える人に対し、ライフビジョンやキャリアプランを考え、今後の新たな就業への不安などを和らげながら意欲を高め、自信を持って仕事や人生に対してチャレンジしてもらうことを目的に実施した。
山口さんは▽「私」を振り返る▽60歳からの生き方を考える▽充実した13万時間(90歳まで生きたとして、65歳以降の使える時間)に備える―をポイントに挙げ「自分の強みを知ってもらえれば」と呼び掛けた。
キャリアデザインとは将来のなりたい姿やありたい自分を実現するために、自分の職業人生を主体的に設計し実現していくことであるとし、キャリア形成やライフスタイルを会社に委ねるのではなく、自分で実現する「自律型人材」が求められていると説明。
「自立」は「一人で生きていく術(すべ)を持つこと」であり、「自律」を「自分の生き方を自ら決め自ら責任を持って自らの力で生きていくこと」と定義付けた。
どこでも、どの時でも継続して雇用されうる魅力的な仕事能力である「エンプロイアビリティー」の向上のためには▽変化への対応力▽問題発見・解決能力▽創造的能力―などが重要視されるとし、目標を持ち自己成長することが大切とした。
山口さんは「シニア社員として働く心構え」「豊かなシニアライフのために」についても講話。参加者らは自己理解のための「スキルの棚卸表」や「シニアライフビジョン&プラン」を作成するなどの演習を行いながら、プランを実行に移すことの大切さなどを学んだ。
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■登録(無料)を呼び掛け
同協議会では、55歳以上の市内在住者に対し、「あと2、3年働きたい」「午前中2、3時間だけ働きたい」「週に2、3日だけ働きたい」「ボランティア、サークルを探したい」などといった希望の登録を呼び掛けている。
登録は市役所別館1階の総合相談窓口へ。電話(0735・29・7384)でも相談や登録を受け付けている。
(2020年10月10日付紙面より)
古座川町月野瀬にある南紀月の瀬温泉ぼたん荘いろり館で7日、熊野地域の観光事業活性化のための研修会〈リアル講座〉があり関係市町の観光事業等従事者らが講義や現地の把握に臨んだ。
この研修会は、和歌山リビング新聞社が環境省「国立・国定公園への誘客の推進事業」の採択を受けて展開する地域ウェブメディア「ロカルわかやま」による吉野熊野国立公園への誘客推進事業の一環。現地把握を含めたリアル講座3回とオンライン講座5回を経て事業報告会実施を目指していて、この日はリアル講座の2回目に当たる。
前半はノットワールドの河野有取締役が「成功するガイドツアー」、大阪観光大学の小野田金司教授が「観光マーケティング」と題して講義。後半は小野田教授進行によるパネルディスカッションで、当初予定した太地町からの参加はかなわなかったが古座川町の仲本耕士副町長らをパネラーに迎えて観光資源やその捉え方などを探った。
仲本副町長は清流古座川と共にある人々の暮らしや奇岩を地域の魅力と位置付け、同荘設置で目標とした年間入り込み10万人を達成したが以降14万人前後で推移している状況を報告。宿泊の受け皿の弱さ、体験型観光の人材不足、お金を落としてもらう仕組みの弱さを課題として見据え、同荘を軸に何とかしていきたいと思いを掲げた。
続く議論では体験型観光の展望や観光協会の方向性、古座街道を生かしたガイド展開、古座川ジビエ誕生の経緯と現状、その他産物・産品の商品化が際立たない事情やキャンプ受け入れに伴う課題回避の考え、町民の3次産業への不慣れの背景などで意見交換。河野さんは同町に触れての印象、小野田さんはロカルわかやまを通してまずは県内から魅力を知ってもらう方向性を提言し、仲本副町長は若い力による振興を今後に期待しつつ今できることとして受け皿や人材づくりに行政も含めたみんなで頑張っていきたいと応えた。
リアル講座の3回目は13日(火)に和歌山東漁業協同組合串本本所で開き、講義とすさみ町や串本町の現地把握に臨む予定。
(2020年10月10日付紙面より)
熊野市特産の香酸かんきつ (10日から店頭に )
梅干しやみそなど農林産物の加工販売や都市との交流などを推進する「熊野市ふるさと振興公社」(理事長・河上敢二熊野市長)=紀和町板屋=は7日、同市特産の香酸かんきつ「新姫(にいひめ)」の収穫を、町内の「長野ほ場」で開始した。公社が経営する栽培農地は3カ所で2・7㌶。作業は11月末までを予定し、前年16・4㌧を大きく上回る26㌧の収量を見込んでいる。
作業は公社職員らが担当。3㌢大に成長した果実を枝から切り取る作業を丁寧に続けた。新姫は1997年に熊野市が品種登録した果実で、高血圧抑制作用があるといわれる「ノビレチン」や、がん予防や血糖値上昇抑制効果があるといわれる「ヘスピリジン」などが含まれる。2007年から栽培を始め、09年から収穫と販売が始まった。公社の今西孝典さん(48)によると「今年は少し成長が遅いかな。これから大きく育つのでは」と期待しながらも、近づく台風14号で果実が傷付き、枝が折れるなどの被害を懸念した。
収穫した新姫が店頭に並ぶのは10日(土)から。8割がドレッシングやドリンクなどさまざまに加工されるため、果汁を味わえるのはこの時季だけ。今西さんは「ドリンクや焼き肉、焼き魚、揚げ物によく合う。ぜひどうぞ」と勧めた。同公社のほか鬼ヶ城センター、熊野市駅前特産品館、道の駅など各店で販売する。このうち、鬼ヶ城センターでは贈答用に500㌘箱入りを限定販売する。価格は税込み1000円。
問い合わせは同公社(電話0597・97・0640)まで。
(2020年10月10日付紙面より)