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2024年02月29日
1 早期の停電発見と復旧
 配電自動化システム見学  (県と町村の担当者 )

 新宮市野田の関西電力送配電株式会社新宮配電営業所の配電自動化システム見学会が27日、同営業所であった。和歌山県東牟婁振興局と管内町村の防災担当者13人が参加。早期の停電発見と復旧に向けたシステムについて説明を受けた。

 電力の安全・安定供給に向けた取り組みを理解してもらい、災害時の連携を強化することを目的とする。県のほか那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村から参加があった。

 参加者に対し、配電自動化システムについて同営業所の従業員から「停電の原因区間を自動的に検出し、原因区間以外へ短時間で自動的に電気を送る仕組み」との説明があった。イラストも示して紹介。変電所から配電線でつながった複数の電柱の区間があるとし、その1区間で一時的に木の枝の接触などがあると、スイッチが自動的に切れて全区間で停電、1分後に自動的にスイッチが入り再送電が開始されることを話した。

 一時的ではなく、倒木による切断などで1区間が送電できない場合、元の変電所と連携する別の変電所から送電され、他の健全な区間は復旧することも語った。これらの状態はモニターで目視できるため、原因区間に作業員が向かい、復旧作業を行うことが明かされた。

 参加者はこの後、管内の配電状況が表示された、同営業所内にある配電自動化システムのモニターを見学した。停電と再送電のシミュレーションも行われた。管内のある場所で一時的な配電線への接触があり、自動スイッチで停電したが、1分後に再送電が開始されたこと。1区間で配電線の切断があったが、それ以外の健全区間は自動復旧したことを目視で確認した。

 質疑応答もあった。「しばらく復旧しない時の原因は」「例えば木の枝がくっついたり離れたりしている時は、自動で停電したり復旧したりで、原因の場所が分からないので、現場に出向き1区間ずつ調べることになる」などのやりとりがあった。

 太地町総務課の野瀬智章さんは「台風の時は(停電で)役場に問い合わせがあったりするが、関西送配電がこういうシステムで状況を把握しているのが分かり、今後はもっとスムーズに連携できるかと思った」と話した。

 なお、配電自動化システム見学に先立ち、配電営業所の役割や業務の内容についての説明もあった。

(2024年2月29日付紙面より)

配電自動化システムについて説明を受ける参加者=27日、新宮市野田の関西電力送配電株式会社新宮配電営業所
2024年02月29日
2 一般会計総額は32億2000万円
 次年度の当初予算案発表  (古座川町 )

 古座川町が27日、2024年度の一般会計当初予算案を報道発表した。歳入歳出の総額は32億2000万円で前年度比4・6%増。構成比は別図の通り。

 6月2日(日)執行予定の町長選挙・町議会議員一般選挙を見据えて骨格編成を基本としているが、自治体として進めるべき事業は盛り込んでいる。予算規模が大きなところではぼたん荘改修事業1億8741万4千円を23年度一般会計からの繰り越し見込み額として、デジタル防災行政無線整備事業(3カ年)の2年目に係る予算1億4619万3千円、高速道路関連まちづくり事業(設計業務2カ年)の2年目に係る予算8461万8千円を計上。他に▽浄化槽設置補助事業(合併浄化槽設置を前提にした便槽撤去や宅内配管工事への補助の導入)▽町内診療所電子カルテ導入事業(七川、明神、三尾川〈みとがわ〉、小川の各診療所に電子カルテを導入して業務の効率化と診療所間での情報共有を図る)―といった新規事業を含んでいるという。

 併せて国民健康保険、同保険七川診療所、同保険明神診療所、へき地診療所、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計当初予算案の額も発表。その合計額は約12億37万6千円で、24年度の予算規模は44億2037万6千円(前年度比2・7%増)という。簡易水道事業については同年度から公営企業会計「簡易水道事業会計」へ移行するため、同規模には含んでいない。

 同案は町議会第1回定例会へ上程して審議、承認を求める。

(2024年2月29日付紙面より)


2024年02月29日
3 食べて歩いて町を満喫
 ウオークイベントに139人  (那智勝浦町 )

 一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は24日、那智勝浦町内で第2回「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin那智勝浦」を開催した。全国から139人が参加し、数々の振る舞いを楽しみながら町内約9㌔を歩いた。

 ガストロノミーは「美食学」を意味するフランス語。その土地の気候風土が生んだ食材・習慣・伝統・歴史などによって育まれた食文化に触れ、さらに日本の「温泉」も楽しんでもらう旅行体験が「ONSEN・ガストロノミーツーリズム」とされている。町内では、観光客の消費額を高め、特産品や地域の魅力を発信することを目的に昨年初実施した。

 参加者はブルービーチ那智からスタート。自分のペースで歩きつつ、勝浦八幡神社や熊野古道・大辺地の駿田峠、補陀洛山寺などを巡った。遊覧船で紀の松島めぐりもあった。食では、道中各所で「熊野水もうで」や色川茶、生マグロのすしやアラ汁、かぶと焼き、太田産の野菜、まりひめいちご大福などを楽しんだ。

 宿泊ありの参加者も多く、島根県から友人と2人で参加したという50代女性は「歩くのが好きで、ネットの広告を見て参加した。昨日は那智山の神秘ウオーク、今日は町歩きと楽しめています」と語る。美食のお目当ては「やっぱり伊勢エビの炭火焼きですね」と話していた。

(2024年2月29日付紙面より)

まぐろのアラ汁に行列=24日、那智勝浦町築地
勝浦八幡神社で「熊野水もうで」など振る舞う
2024年02月29日
4 「太田」をイメージして
 新施設げた箱にペンキ塗り  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で26日、新施設オープンに向けたげた箱のペンキ塗りがあった。同町立太田小学校の1~4年生14人と中里地区の高齢者ら8人が協力し、「太田」をイメージして太田川やクマノザクラ、イチゴなどを描いた。

 新施設は旧太田中学校の講堂を改装したもので、発酵食商品の加工フロアや水洗トイレ、シャワールームなどを整備。地域内外の人々の交流拠点を目指し、地元住民の手で改装に取り組んできた。使用開始は3月下旬予定。オープンまで間近となる中、地域の高齢者を対象とした「福祉プログラム」と小学生との交流を兼ねて企画した。

 旧講堂に集まった一行は「太田には何がある?」とアイデアを出し合い、板張りの床に水で下絵を練習。三つのげた箱に協力してふるさとを描いた。乾いていないペンキに木の枝で模様をつけたり、ティッシュで縁をぼかしたりと、高齢者たちの「すご技」を発見する児童の姿もあった。

 山根康誠君(1年)はペンキだらけの手で「太田川にナマズを描いたよ」と笑顔で話していた。

(2024年2月29日付紙面より)

児童と高齢者らが協力し=26日、那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」
太田川に魚を描く
2024年02月29日
5 遠泳で心身と連携を強化  消防本部潜水隊の隊員ら  (串本町 )
2024年02月29日
6 配置と業務の考え下ろす  対応する職員へ事前説明  (串本町 )
2024年02月29日
7 本の魅力を見つめ直す  生徒に向けた読書講座  (光洋中 )
2024年02月29日
8 総務大臣表彰を受賞  山岳奉仕活動が評価  (新宮山彦ぐるーぷ )
2024年02月29日
9 能登半島地震の教訓生かせ  リエゾン派遣の柴田通仁さん  (那智勝浦町 )
2024年02月29日
10 警察官の仕事を学ぶ  新宮署が児童に出前授業  (三輪崎小 )
2024年02月29日
11 皆さんの大切な一票を  王子ヶ浜小で前期児童会選挙  (新宮市 )
2024年02月29日
12 会場全体が盛り上がる  城南中でダンス発表会  (新宮市 )
2024年02月29日
13 大漁と地域の発展祈る  宇久井稲荷神社例大祭  (那智勝浦町 )
2024年02月29日
14 地域の安寧を願う  天満天神社の例大祭  (那智勝浦町 )
2024年02月29日
15 世界遺産登録20周年を契機に  藤根正典県議らが報告会  
2024年02月29日
16 一流選手から技術教わる  4年ぶり、杉井杯争奪卓球大会  
2024年02月29日
17 健診受診率向上目指し  商品券当たる初の抽選会  (紀宝町 )
2024年02月29日
18 艶やかに、11団体が共演  第13回新宮市伝統芸能大会  
2024年02月29日
19 さまざまなゲーム楽しむ  中央児童館で「あそび大作戦」  (新宮市 )
2024年02月29日
20 お悔やみ情報
  
2024年02月25日
21 邪気払い安泰願う 横綱が奉納土俵入り (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で24日、横綱照ノ富士の奉納土俵入りがあった。多数の観覧者が見守る中、横綱が本殿前で土俵入り。邪気を払い安泰や平和を願う意味を込め、力強い四股を踏みせり上がった。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念して行われた。照ノ富士は、伊勢ケ濱部屋に所属する第73代の横綱で、モンゴル出身の32歳。熊野本宮大社での横綱の奉納土俵入りは初となる。同部屋の和歌山後援会長の協力で実現した。

 境内では、本殿正面の位置に土俵が設置されていた。来賓や一般の観客は、開始前から会場で待機していた。照ノ富士は、紙垂(しで)の下がった純白の綱を腰に締め、露払いと太刀持ちを従えて土俵入り。土俵の中央に進み本殿の方角を向き、かしわ手を打ち、四股を踏んだ。「攻め」の姿勢を表すといわれる、両手を左右に広げる「不知火(しらぬい)型」でのせり上がりを見せて土俵入りを終え、退場。観客から拍手が湧き起こった。

 九鬼宮司は、奉納土俵入りに先立つあいさつで、能登半島地震に言及。「横綱の奉納土俵入りは、邪気を払い正気を招く意味がある。天変地異を収め、国民の安泰や世界の平和(が実現すること)を願い、(今日の姿を)目に焼き付け、心に刻んでほしい」と呼びかけた。

 照ノ富士は土俵入りを終え「よみがえりの地で土俵入りしたことをうれしく思う」と感想。能登半島地震などを念頭に「二度と起きないようにとの思いで取り組んだ」と明かした。

  □     □

■立見券を求め行列

 観客は200枚しかない立見券を求め、当日の早朝から行列を作っていた。先頭の70代女性は「みなべ町から来た。近くの民宿に泊まり、朝の1時半から並んだ」と話していた。また、大社へと上がる階段の途中の広場にモニター2基が設置され、立見券を入手できなかった観客はここで観覧した。

(2024年2月25日付紙面より)

「不知火型」のせり上がりを見せる横綱の照ノ富士=24日、熊野本宮大社
立見券を求め早朝から行列ができた
2024年02月25日
22 パンや水の備蓄入れ替え
 那智勝浦町内の防災倉庫で  

 那智勝浦町は21、22の両日、町内の防災倉庫で、備蓄食料のパン4800食、水(500㍉㍑のボトル9840本)の入れ替えをした。賞味期限が近づいたことによるもので、雨の中、町職員が運搬作業をした。

 同町では残りの賞味期限が1年を切ったものから順次入れ替えており、今回、パンは町内9カ所、水は7カ所で実施した。

 パンは5年保存で、アレルギー対応のため、卵使用・不使用のものが半分ずつある。水はこれまで2㍑ボトルで備蓄していたが、被災者への配布のしやすさや飲み切りやすさ、衛生面を考慮し、今年から500㍉㍑ボトルに。備蓄物資の積み増しなども見据え、5年保存から10年保存のものへ変更した。本年度中に、追加でアルファ米1000食分を勝浦小学校の防災倉庫へ導入する予定だ。

 賞味期限が近づいた備蓄食料は、イベント等で町民へ配布する他、フードバンクにも寄贈する予定となっている。

(2024年2月25日付紙面より)

備蓄パンの搬入を行う町職員=21日、那智勝浦町立勝浦小学校内の倉庫
2024年02月25日
23 第三の場所で話そう 食堂が協力、3月から開催 (紀宝町)

 家や学校、職場でもない第三の場所「サードプレイス」をつくろうと、紀宝町井内の食堂で「kokoro(こころ)カフェ~地域のサードプレイス~」が3月から始まる。同町地域おこし協力隊の看護師2人が出迎え、誰でも気軽に立ち寄って話せる場を目指す。

 協力隊の沼澤幸子さんと米中京子さんは昨年8月に着任し、死生観を深めるワークショップを開くなど町民の心のケアを担う看護師として活動。沼澤さんはがん患者やその家族をケアする一般社団法人がんサポートナースを運営している。

 3月2日(土)から始まる「kokoroカフェ」は、地元食材を使った定食などを提供している「kokoro食堂」店主・尾﨑亜紀さんの協力で営業時間後の食堂を会場に。がん患者やその家族、子育て中の人、自宅で介護している人などを対象としているものの、申し込み不要で誰でも参加できる。参加費は100円。

 毎月第1土曜日の午後2時~4時にオープンし、時間中は食堂のドリンクも有料でオーダーできる。また、事前に連絡すれば個別に話す時間も設ける。

 沼澤さんは「町内には『カフェいっぷく亭』(認知症の人やその家族など対象)や『みどりのやね』(専門職が迎える認知症カフェ)などがあり、選択肢が増えればうれしい。肩の力を抜いて一緒におしゃべりしませんか」。

 食堂はおもちゃをたくさん置いたり、座敷の個室を設けたりと子育て中の客に気兼ねなく利用してもらえるよう配慮していて、尾﨑さんは「ここでそんなことができたらいいな、そんな場所が増えていったらいいなという思い。活動を応援したい」と話していた。

 食堂の住所は同町井内575の1。

(2024年2月25日付紙面より)

「kokoroカフェ」が開かれる「kokoro食堂」=紀宝町井内
2024年02月25日
24 近大新宮、初の準優勝
 近畿高校サッカー選手権大会  

 第76回近畿高校サッカー選手権大会の準決勝と決勝戦が23日、紀三井寺公園陸上競技場と同公園球技場で開かれ、12年ぶりに出場した近畿大学附属新宮高校(和歌山3位)が初めての準優勝を飾った。フェアプレー賞も受賞した。

 近大新宮は、球技場で行われた準決勝で、同じ和歌山県勢の初芝橋本(和歌山2位)と熱戦を展開。両チームとも得点を与えない緊迫したプレーを繰り広げ、0―0でPK戦へ。3―2でPKを制した近大新宮が初芝橋本に初めて勝利した。

 決勝戦では東山(京都1位)と対戦。前後半で3点ずつを奪われる厳しい状況でも諦めることなく、前を向き、輝きを失うことはなかった。試合終了間際、大谷侑誠君(1年)がシュートを決め意地を見せた。1―6で敗れたものの、強豪ひしめく近畿で堂々の2位となった。

 大会を振り返り、塩﨑統夫監督は「強豪ばかりがそろう中、1回戦の履正社に勝利したことがいい流れとなった。選手たちも試合ごとに自信を持ってプレーしており、想像以上の力を見せていました。何より、このような結果を残すことができたのは保護者の方々や学校、多くの人たちからの応援や支えがあったからこそ。これからも向上心を忘れず、さらなる高みを目指していければ」と喜びを語っていた。

(2024年2月25日付紙面より)

近畿大会で初めて準優勝した近大新宮の選手たち=23日、紀三井寺公園陸上競技場(同校提供)
2024年02月25日
25 1位に小阪享志さん  写連新宮支部2月例会  
2024年02月25日
26 無理ない筋トレを学ぶ  太地町社協主催で教室  
2024年02月25日
27 効果的な情報発信は  SNS活用の講座で学ぶ  
2024年02月25日
28 地元3校とも定員割れ  県立高校入試出願状況  (和歌山県教委 )
2024年02月25日
29 佐藤春夫の好物「バリコ」 書簡調査で新たに判明 
2024年02月25日
30 安全競技で爽やかな汗  18人がタスポニー体験  (那智勝浦町 )
2024年02月25日
31 ゲームを通じ意識高める  くろしお児童館で防災学習会  (新宮市 )
2024年02月25日
32 入学したら一緒に勉強しよう  南大居保と太田小が交流  (那智勝浦町 )
2024年02月25日
33 交流を図る安らぎの場に  「蒟竹笑」がモーニングカフェ  (新宮市 )
2024年02月25日
34 ひな人形の飾りを工作  すくすくワークショップ  (那智勝浦町 )
2024年02月25日
35 会員から募った義援金託す  町老連「新春のつどい」  (御浜町 )
2024年02月25日
36 交流深め、和気あいあいと  親睦グラウンドゴルフ大会  (紀宝町シルバー人材セ )
2024年02月25日
37 手話で懐メロ、楽しむ  和やか「いっぷく亭」  (紀宝町 )
2024年02月25日
38 桃の節句、祝うように  鮮やかハナモモが見頃  (御浜町 )
2024年02月25日
39 お悔やみ情報
  
2024年02月10日
40 駐車場の適正利用求める
 障害者らのスペース確保を  (那智勝浦町立温泉病院 )

 那智勝浦町や町立温泉病院は現在、「障害者等用駐車区画」の適正利用を呼びかけている。同院では今年1月に青色に塗装した車いす使用者用の駐車スペースを2台から5台に増やしたばかりだが、外来が混み合う午前中などは全てが埋まる状態が続いているという。

 障害者等用駐車区画は、障害のある人や難病患者、高齢者、妊産婦、けが人など、移動に配慮が必要な人々のための駐車場。白色の車いすのマークが塗装された幅広の「車いす使用者用駐車区画」と、施設出入り口近くに設置される通常幅の「ゆずりあい駐車区画」がある。特に車いすから車への乗り降りには広いスペースが必要で、通常幅の駐車場では対応が難しい現状がある。

 和歌山県では不適正な駐車の抑止を目的に、利用対象者を限定して利用証を交付する「パーキング・パーミット制度」を設けている。区画の使用には県が発行する「障害者等用駐車区画利用証」もしくは公安委員会が発行する「駐車禁止除外指定車標章」の提示が必要。しかしながら、1月31日に温泉病院駐車場を訪れたところ、利用証を掲示していない車も散見された。

 このような状況を受け、同町身体障害者連盟(鈴木怜子会長)は1月26日、堀順一郎町長に要望書を提出。「一人一人のマナーの問題ではあるが、障害者が困っていることを周知していただきたい」と訴えた。町では福祉課窓口やエバグリーン前での啓発チラシ配布などに取り組んでいる。

 温泉病院にもこうした声は届いており、事務局の脇地健さんは「駐車区画を増やしても、適正利用が進まなければ状況は変わらない。当院としても患者さんの目に触れる場所にポスターやチラシを設置するなどを検討している。本当に必要な人のため、スペース確保に協力を」と呼びかけている。

 利用証の発行に関する問い合わせは、東牟婁振興局健康福祉部(電話0735・21・9610)で受け付けている。

(2024年2月10日付紙面より)

車いす使用者用駐車区画=1月31日、那智勝浦町立温泉病院
和歌山県発行の利用証
2024年02月10日
41 新校名で意見を交換
 緑丘中・城南中統合委員会  (新宮市 )

 緑丘中学校・城南中学校統合検討委員会(委員長=板谷貴史・元城南中学校育友会長)の第7回会議が8日、新宮市役所別館であった。委員11人が参加、応募された新校名について意見を交わした。今後は委員が20日(火)までに五つ以内を選び、その結果を基に次回の会議で再協議する。決定時期は未定で流動的となる。

 同委員会は、両中学校の校長や育友会など、関係者で組織。緑丘中と城南中は2027年4月の統合を目指して協議が進んでいる。統合後の新校名の応募は、昨年の11月に実施。対象は▽市内外を問わず一般▽両中学校と神倉小学校、王子ヶ浜小学校の児童生徒の保護者▽両中学校の全校生徒▽両小学校の3年生以上の児童―だった。新校名だけでなく、その理由も記入となっていた。

 応募総数は1011件で、うち有効応募数は992件だった。同じものも多く、校名数は313件となった。委員には、この313件の校名と校名ごとの応募者数、その校名を選んだ理由などが示された。

 校名選定に当たり、委員が新たに考えた校名を加えて良いのか、または応募の複数をつなげた校名ではどうかなどの議論があった。意見はさまざまだったが、広く公平に応募を行った上に、委員の応募を禁じる規定もなかったことから、応募された校名の中から選ぶべきとの結論に至った。

 次回の会議は3月中旬で検討している。そこで事務局より、委員による校名の選定結果が示され、再度協議する。そこでいくつかの候補に絞られることが予想されるが、候補数がいくつになるかは分からない。最終的には新宮市議会での議決を経て決定となる。

  □     □

■広報紙の発行も



 統合に向けて広報紙「統合検討委員会だより」も発行することが決まった。事務局より原案が示され承認した。関係小中学校の保護者への配布、市ホームページへの掲載、報道機関への提供などを考えている。回覧板での周知も検討となった。

 ▽27年4月の開校予定▽緑丘中校舎を大規模改修して使用―などの予定のほか、これまでの経過などが伝えられる予定となっている。

(2024年2月10日付紙面より)

統合後の新校名について意見を交わした=8日、新宮市役所別館
2024年02月10日
42 雨天経て咲き進み始める
 鶴川公園のカワヅザクラ  (古座川町 )

 古座川町鶴川にある鶴川公園のカワヅザクラが5日の雨天を経て咲き進み始めた。木によってばらつきはあるが8日現在、全体として開花前~三分咲きの段階。開花直前のつぼみも数多く、にわかに咲きそろいそうな勢いを見せている。

 この公園は、国道371号鶴川橋西詰から高富方向へ約1㌔進んだ集落南端に位置。芝生広場を囲むようにカワヅザクラが植えられていて町内屈指の名所として人気を集めているが、昨年8月に台風7号が紀伊半島へ上陸した影響で入り口そばの3本が倒れてしまい、その数は現在13本となっている。

 樹高は総じて5㍍前後。今年は1月下旬ごろから点々と花が見られるようになったが咲き進みは緩慢で、5日の雨天を経てようやく花が増え始め開花直前の色づいたつぼみも一気に数を増した。目前の連休は冷え込むが連休明けには春らしい陽気になる予報が気象庁から出されていて、その暖かさが今後の開花の追い風となりそうだ。

 開花間もない花にはミツバチなどの昆虫も飛来し、せわしく採蜜。徐々に花盛りのにぎやかさも増し始めている。同公園は芝生広場の道向かいに駐車場と公衆トイレがあり、訪れやすい花見場所の一つとなっている。

(2024年2月10日付紙面より)

雨天を経て咲き進み始めた鶴川公園のカワヅザクラ=8日、古座川町鶴川

2024年02月10日
43 舞楽の稽古の成果を披露
 大同会が獅子舞衣装付け  (水門祭に向け )

 串本町大島の青年会「大同会」(冨田和成会長)が8日夜、紀伊大島開発総合センターで獅子舞の衣装付けに臨んだ。

 水門(みなと)神社春季例大祭「水門祭」奉仕に向け、先月15日の獅子だし以降重ねてきた稽古の総仕上げとなる行事。獅子だし同様に寺町忠区長や同神社祭典保存会の木下正己会長、山下昭祭典委員長や区内4区の氏子総代ら年長者を招き、奉仕同様に衣装を着て舞楽「神明賛」「乱獅子」などの稽古の成果を披露した。

 今年の天狗(てんぐ)役は吉田穂高君(12)、小川珀空君(12)、鈴木寛大君(12)の3人で、衣装付けの舞楽「天狗」は吉田君が担当。「今日は祭りの始まり。みんなの見本になれたら」と思いを込めて獅子との掛け合いを繰り広げた。

 衣装付けを終えて同保存会と「大同会」の中継ぎとして努めてきた山下祭典委員長(54)は「裏方も含めていろんなことをしてもらったので、あとはやるだけ。伝統のある祭りなので、思いっきり盛り上がっていきたい。若い子も力を合わせて頑張ってくれているのでありがたい限り」と語った。

 今年の春季例大祭は10日(土)が本祭日で、獅子舞は境内で午前10時30分ごろ、大島港のお山跡で午後3時ごろから見物できる。お山跡での披露直前には、大島郵便局前で獅子屋台の大練りも繰り広げる。その他諸行事の詳細は5面参照。

(2024年2月10日付紙面より)

稽古の総仕上げ「衣装付け」に臨む大同会の会員ら=8日、紀伊大島開発総合センター
舞楽「天狗」の披露
2024年02月10日
44 被災地に義援金届ける  姉妹町の石川県中能登町に  (紀宝町議会 )
2024年02月10日
45 3年間の成果、力作を紹介  ピネで「卒業発表会」開催中  (紀南高校 )
2024年02月10日
46 ネコ型ロボットを操作  プログラミング教室  (成川小 )
2024年02月10日
47 しんぐう元気フェスタ'24  届けようメッセージ! つなげよう心を!  
2024年02月10日
48 シダレウメが満開に  二河の和泉さん宅で  (那智勝浦町 )
2024年02月10日
49 祖父、健次が愛した「御燈祭り」  中上海さん、初上がり  
2024年02月10日
50 4年ぶり「お山」そびえる  大島港の中央で区民奉仕  (水門祭を前に )
2024年02月10日
51 支えてくれてありがとう  生徒会が感謝の気持ち伝える  (光洋中 )
2024年02月10日
52 お悔やみ情報
  
2024年02月09日
53 浮島の森が和菓子に
 緑丘中の生徒が考案  (「おいの伝説」の蛇も )

 新宮市立緑丘中学校(宮本雅史校長)2年生の杉谷好美怜(すみれ)さんが考案した和菓子「抹茶蛇どら焼き」が、新宮市新町の和菓子店の福田屋(永用利一店主)で2月中旬に商品化される。販売は期間限定。新宮市の浮島の森と「おいの伝説」に着想を得ており、粘土を使って見本を作る校内コンテストでグランプリに輝いていた。

 緑丘中の粘土で作る和菓子コンテストは、昨年度から実施。コロナ禍で職業体験が行えなかったことと、生徒の保護者が和菓子店を営んでいたことをきっかけに始まった。粘土で和菓子を模して楽しむキットが売られており、これを使用している。

 制作には「紀南らしさ」を盛り込むというテーマが与えられていた。また単純に成形するだけでなく、味をイメージして材料も指定するようになっていた。本年度は、2年生の約60人が挑戦。昨年10月の文化祭で作品が展示され、生徒と保護者が投票、杉谷さんが最多票を集めていた。

 「抹茶蛇どら焼き」は、抹茶で浮島の緑を表現。おいのをのみ込んだ蛇は餅で成形を考えた。粒あんにも古座川町の特産品であるユズを加え、爽やかな味わいとすることをイメージした。

 杉谷さんは「バレンタインは毎年何か作っていて、ケーキなどのお菓子を作るのは楽しい。コンテストでは、新宮らしいものをと、浮島の森とおいの伝説を(題材に)選んだ。粒あんの粒をいっぱい作るのが大変だった」と話す。

 すでに試作品を食べさせてもらったという。「生地がもちもちしておいしかった。ユズの香りもちゃんと再現してもらっていた。販売が楽しみ。みんなに食べてほしい」とほほ笑んだ。

 永用店主は「抹茶蛇どら焼き」の試作品について「内容が結構盛りだくさんで、バランスに気を配った。ユズの香りが邪魔をしないよう、また蛇の見た目がどぎつくならないようにと考えた」と明かす。コンテストについても「和菓子を知ってもらう良い機会と思う。参加した生徒の中から、未来の和菓子職人が出てくれれば」と期待を寄せる。

(2024年2月9日付紙面より)

杉谷好美怜さんが考案した和菓子「抹茶蛇どら焼き」
「抹茶蛇どら焼き」を持つ杉谷さん=2日、新宮市立緑丘中学校
生徒らが制作した和菓子コンテストの作品群
2024年02月09日
54 無事祭典を終え感謝
 御燈祭りの翌日奉祝祭  

 御燈祭(おとうまつ)り翌日奉祝祭が7日午前、新宮市の神倉神社(宮司=上野顯・熊野速玉大社宮司)であった。祭典を取り仕切った神倉神社奉賛会(猪飼三雄会長)や神倉青年団などから12人が参列。無事に終えられたことを祝い、感謝をささげた。

 麓の大鳥居前で営まれた。神職によるお払いの後、上野宮司が祝詞を奏上。巫女による鈴払いを経て、上野宮司や参列者が順次、玉串を奉てんした。各自が山頂にあるご神体のゴトビキ岩に向かい、目を閉じ静かに祈っていた。

 上野宮司は4年ぶりの上がり子の参加について「事故なく、けがなく、全員が喜びの火をいただけるよう、一心に祈った」と回想。「山からの火がいつまでも続く、美しい火祭りだった」と満足を口にした。

 タカクラジが霊剣をたずさえ、松明(たいまつ)を手に神倉山を駆け下り、後の神武天皇であるイワレビコのもとにはせ参じたという逸話を紹介。「御燈祭りはこの姿を現しているとも言われる。その火祭りに携わる一人一人が、時代の証明者」と強調した。

 消防、警察、その他有志の協力にも言及。「祭りを無事に滞りなく終えられ、協力してくれた全ての人に感謝申し上げたい」と締めくくった。

  □     □

■盛大な餅まきも



 御燈祭り翌日祭として、神倉神社奉賛会による餅まきも、同日夕方に新宮市立神倉小学校のグラウンドで行われ、にぎわいを見せた。

 猪飼会長は「4年ぶりに上がり子を迎えての祭りを終え、気分は最高。僕らは御燈祭りが大好き。だからこそ、大変なことも多いが続けられる。今後も続けていきたい」と語った。

 神倉青年団で大松明も担当した中山忠吏さんは「大きなけがもなく、当日は天気も晴れて、良い祭りだった。大松明も、緊張より楽しみが強かった。スムーズに神事が行えて良かった」と話した。

(2024年2月9日付紙面より)

感謝の玉串をささげる上野顯宮司=7日、新宮市の神倉神社
集まった地域住民に向けて盛大に餅がまかれた=同日、新宮市立神倉小学校のグラウンド
2024年02月09日
55 地震による土砂災害警戒
 テックフォース隊員語る  (那智勝浦町 )

 「地震でも土砂災害は起きる」と警鐘を鳴らすのは、那智勝浦町市野々にある国土交通省近畿地方整備局の追鳥裕樹さん(紀伊山系砂防事務所那智勝浦監督官詰所)と小林正直さん(大規模土砂災害対策技術センター)。緊急災害対策派遣隊「テックフォース」の一員として、能登半島地震で土砂災害が発生した石川県輪島市と珠洲市で現場調査に当たった。

 テックフォースとは、大規模自然災害が発生した際、国土交通省から地方公共団体に派遣され、道路や港湾の被災状況調査や、保有する災害対策機材による応急対応の技術支援を行う部隊。

 2人は1月15~22日に砂防班第2陣として現地入り。積雪や悪天候に見舞われつつ、以前から砂防施設点検で活用してきたドローンを使い、人力では近づけない土砂災害発生地点の調査に従事した。

 能登半島地震では、石川県を中心に計230件(1月31日現在)の土砂災害が発生。家屋や道路に甚大な被害をもたらし、河川閉塞(へいそく)による二次災害も危惧されている。

 小林さんは現地の様子について「道路は至る所に亀裂や陥没があり、液状化によって下水管が浮き出ている状況。ほとんどの橋の付け根には大きな段差ができていた。渋滞も発生しており、宿泊地の白山市から現地に向かうだけでも大変。道路の重要性を再認識した」と振り返る。

 地震、津波、土砂災害などが同時多発的に起こる複合災害に備え「近年では複数の災害の情報を一つにまとめたハザードマップなどもあり、活用していただきたい」と呼びかけた。

 追鳥さんも「地震で崩れている場所のほとんどは、もともと土砂災害警戒区域に指定されていた場所」とハザードマップの重要性を強調。「津波から逃げなければならない中、道路沿いの土砂災害警戒区域が軒並み崩れて通れないということも考えられる」と危機感を強めた。

 今後、和歌山県土砂災害啓発センターとも連携し、啓発に地震による土砂災害の内容を加えることを検討しており「われわれが経験したことを地域防災に役立てるため、いろいろな場でお話しできたら」と話していた。

 海と山に囲まれた紀伊半島南部の沿岸では、津波避難場所の高台が同時に土砂災害警戒区域になっていることも珍しくない。発災時に地域で何が起こるのか、それらにどう対処するのかを考える機会としてもらいたい。

(2024年2月9日付紙面より)

追鳥裕樹さん(左)と小林正直さん=那智勝浦町の国土交通省近畿地方整備局大規模土砂災害対策技術センター
現地でドローンを飛ばす様子(国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所提供)
2024年02月09日
56 展示・図書スペース紹介
 文教厚生委対象に見学会  (串本町 )

 串本町が7日、町議会文教厚生常任委員会を対象にしたロケットミュージアム(展示スペース)と星空ライブラリー(図書スペース)の見学会を開き委員に内容を伝えた。

 これらスペースは西向にある旧役場古座分庁舎内で、3カ年計画のリノベーション事業に基づいて本年度に整備された。昨年末に大枠が仕上がり、町は先月11日に町議会の総務産業建設常任委員会を対象に見学会を実施。今回は文教厚生常任委員会を対象に実施したことで、議員13人全員が現時点での内容を把握する形となった。

 同ミュージアムはロケット「カイロス」の実物大投影や透視紹介などのデジタルコンテンツと壁面パネルやパズルなどのアナログコンテンツを織り交ぜた体験主体の構成。今回も町企画課の名田倍也課長がデジタルコンテンツを動作させた状態で一連の内容を紹介し、質問に応じるなどした。

 同ライブラリーはまだ書籍搬入が完了しておらず、本棚や閲覧席などの配置やロケットの先端部分・フェアリングを模した仕掛けなどを紹介した。同ミュージアムとスペースシアター(最大8K画質の臨場感シアター)は有料公開対象で委託先事業者との調整を経て夏ごろ、旧役場古座分庁舎を「宇宙ふれあいホールSora―Miru」と名称変更した上でオープン予定。同ライブラリーは無償の古座図書室をベースとしていて、名田課長は貸し出し可能な状況が整った時点で町管理により同ミュージアムなどより先にオープンさせるとし、ゆくゆくは委託先事業者へ運営を委ねられないかを模索する予定と説明した。

(2024年2月9日付紙面より)

ロケットミュージアムの内容を確かめる町議会文教厚生常任委員会の委員ら=7日、串本町西向
2024年02月09日
57 トルベリーノが優勝飾る
 サッカーU―8「池田仁彦杯」  
2024年02月09日
58 優勝目指し健脚競う
 太地町持久走大会  
2024年02月09日
59 人権の知識を深める  外部講師招き特別授業  (新翔高校 )
2024年02月09日
60 ヘゴやリュウビンタイ観察  日だまり観察会に15人  (太地町 )
2024年02月09日
61 「建学の精神を学ぶ」  創設者の足跡たどる学習  (近大新宮中 )
2024年02月09日
62 一日でも早く穏やかに  能登半島地震被災地に義援金  (新宮赤十字奉仕団 )
2024年02月09日
63 区長連合会対象に報告会  活動状況を伝え意見交換  (串本町議会 )
2024年02月09日
64 ネットの使う時間決めよう  6年生対象の情報モラル教育  (鵜殿小 )
2024年02月09日
65 地元から小2ペア入賞  県選抜室内ソフトテニス選手権  
2024年02月09日
66 各関係省庁に要望活動  タイムライン防災・全国国民会議  
2024年02月09日
67 創作への思い聞く  児童文学作家・富安さん迎え  (紀宝町立図書館 )
2024年02月09日
68 お悔やみ情報
  
2024年02月07日
69 心身清め御燈祭りへ
 上がり子有志が波受ける  (王子ヶ浜で「海中みそぎ」 )

 新宮市の神倉神社で6日夜に営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」に向け、上(あ)がり子有志5人が同日午前7時ごろ、市内の王子ヶ浜で古式にのっとった「海中みそぎ」に臨んだ。コロナ禍に伴う中断を経ての再開となる。上がり子らは水平線から昇る朝日に向かって一心に祈り、心身を清めた。

 海中みそぎは同市下本町の自営業、水野晴夫さん(73)らが中心となって始めて30年以上になる。同日正午ごろにも行われている。

 白ふんどしに着替えた上がり子たちは、砂利浜に設けられた祭壇を前に、神倉神社に向かって遥拝(ようはい)。準備運動を兼ねた神事「鳥船(とりふね)」の後、海に入り、神職の福井鉄(まかね)さん(64)の祝詞の下、水平線に向かって手を合わせた。

 水野さんはみそぎを始めたきっかけを「かつて御燈祭りが、酒を飲み暴れるけんか祭りのイメージで語られていた。もっと大切にしようと、昔の人々が個人でやっていたみそぎを復活し、ただのけんか祭りではないことを知ってもらおうと始めた」と明かす。

 4年ぶりに上がり子が参加できることに歓喜する。一方で「コロナ禍に伴う中断の間にみそぎに来られなくなった人もいる」と肩を落とす。

 昨今のロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの衝突、能登半島地震など、不幸続きに心を痛めていると説明。「今日は世界の平和と平穏無事を祈願したい。自分のことは浮かんでこなかった」と心境を語った。

 新宮市千穂の西浦昭好さん(56)は「みそぎには毎回参加している。今日は上がり子としては4年ぶりということもあり、すがすがしく気持ち良かった。風もなく、海水温も高い日だった。今日は自分の健康と、家族の健康を祈願したい。健康が第一」と述べた。

(2024年2月7日付紙面より)

心身を清め朝日に祈る上がり子ら=6日、新宮市の王子ヶ浜
2024年02月07日
70 英語音声で津波警報など
 防災行政無線で体制整備  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は、防災行政無線で津波に関する緊急情報(大津波警報、津波警報、津波注意報)を発出する際に、日本語に続けて、英語の音声放送を行うよう体制を整備した。新宮・東牟婁郡内では初の試み。

 外国人観光客や宿泊客が多い同町では、かねて緊急情報を多言語化する必要性を認識していたが、全国瞬時警報システム(Jアラート)による音声放送は日本語のみ。緊急性の高い津波災害を対象に始めた。

 町内放送を行う際には、Jアラートのサイレン・日本語放送直後に、町が手動で英語音声(録音)を流す。町役場に設置される防災対策本部や、2022年に高台移転した町消防・防災センターが放送の役目を担う。

 堀順一郎町長は「現状は英語のみだが、TSUNAMI(ツナミ)は世界共通語のため、多くの外国人の方に認識していただけるのでは」と話す。

 同町では観光庁監修の訪日外国人旅行者向け災害時情報提供アプリ「Safety tips」の普及にも取り組んでいる。緊急地震速報、津波警報、気象特別警報、避難勧告などをプッシュ型で通知でき、14カ国語に対応。町の観光案内所で外国人観光客にチラシを配布している他、観光事業者向けの防災研修でも周知。引き続き外国人観光客や町内在住の海外出身者の安全確保へ積極的に取り組んでいく姿勢を見せている。

  □     □

■英語の放送

【大津波警報・津波警報】

Tsunami Warning! Tsunami Warning!

Evacuate immediately to High place.

(津波警報!津波警報!直ちに高台に避難してください。)

【津波注意報】

Tsunami Advisory issued. Leave coastal regions.

(津波注意報が出されました。沿岸地域を離れてください。)

(2024年2月7日付紙面より)

(写真はイメージ)
2024年02月07日
71 警察と共に治安向上を図る
 串本けいさつ友の会フェス  (串本町 )

 串本町文化センターで3日、イベント「串本けいさつ友の会フェス」があり約400人(主催者発表)が演奏会や講演、寸劇や体験などを通して警察と共に地域の治安向上を図る機会を得た。

 このイベントは、新宮警察署(井田昌樹署長)と串本地区警察官友の会(小森正剛会長)が主催。防犯や防災の意識を高め、ひいては地域の治安向上を図りつつ、住民と共に努める警察への理解を深める機会として計画し、来場者数把握のため事前予約制で来場を呼びかけた。

 内容の主軸は大ホールでのステージ企画で、主催者を代表して小森会長が同友の会の活動趣旨を伝え「われわれ住民が警察活動に対する理解を深めれば、治安や地域の発展、福祉の向上に貢献できる」と思いを掲げて来場を歓迎し、県警察音楽隊と県立串本古座高校吹奏楽部が合同演奏で開演を飾った。

 続く講演会では接遇講師として著名な平林都さんが「社会人としてのマナーとは」と題して登壇し、相手への気遣いの大切さを伝えた。寸劇では同校演劇部と同署署員が交流サイト(SNS)の危険な側面(ストーカー被害)、キャッシュカードのすり替え(預貯金詐欺)やパソコンのウイルス感染を装い電子マネーによる支払いを迫る(架空料金請求詐欺)など実際に発生している特殊詐欺事例を実演。部員の迫真の演技と署員のユーモアを交えた演技で緩急をつけながら、これら犯罪の被害に遭わないための発想を促した。

 終盤では県警察音楽隊が単独演奏を響かせ、井田署長があいさつを述べて締めくくった。ステージと並行して1階ロビーでは警察活動越しに見た被災を伝える災害写真パネル展があり、ステージ開演前などで鑑賞を集めた。駐車場では白バイやパトカーの乗車体験や県の地震体験車「ごりょう君」による大きな揺れの体験といった機会の提供もあった。

(2024年2月7日付紙面より)

ステージの開演を飾った県警察音楽隊と県立串本古座高校吹奏楽部の合同演奏=3日、串本町文化センター
新宮警察署(上)や県立串本古座高校演劇部による寸劇
2024年02月07日
72 「かがり御供」作る
 神事で供える特殊な餅  (御燈祭り )

 新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で6日午前、4年ぶりに一般参加の上(あ)がり子を迎え斎行される夜の御燈祭(おとうまつ)りで神倉神社神殿に供える特別な餅「かがり御供(ごく)」作りが行われた。祭りで介釈(かいしゃく)を務める神倉青年団員らが、祭りで使用するヒノキの介釈棒で回りながら餅をついた。

 この日は団員をはじめ上野顯宮司、猪飼三雄・神倉神社奉賛会長ら約15人が参加。ふかしたもち米を石臼の中に入れ、8升分をついた。出来上がった餅は細長く伸ばしてはさみで約3㌢の正方形に切り、3枚に合わせてわらひもで十文字に縛り、男結びにしていった。

 神倉青年団の中山忠吏さんは「前日に降った雨の影響が心配でしたが、いい天気に恵まれて安心しています。御神火を頂く大松明(おおたいまつ)を持たせていただく立場として、しっかりと上がり子に火を届けていければ。みんながけがのないよう、祭りに奉仕していきたい」。

 上野宮司は「昨日は清めの雨をしっかり頂き、春を思わせる天候で当日を迎えることができてすがすがしい気持ち。うれしさと同時に緊張の面持ちで斎行していきたい」と話していた。

(2024年2月7日付紙面より)

介釈たちが力強く餅をついた=6日、新宮市の熊野速玉大社
「かがり御供」を作る関係者たち
2024年02月07日
73 第23回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝
 11日、午前11時スタート  
2024年02月07日
74 新宮市や串本町から入賞  熊野大花火写真コンテスト  (13日まで展示 )
2024年02月07日
75 豆まきに笑顔広がる  かわりない会が節分行事  (紀宝町 )
2024年02月07日
76 今年一年の無病息災を祈願  各神社で「どんど焼き」  (紀宝町 )
2024年02月07日
77 初入賞目指して練習に励む  美し国三重市町対抗駅伝  (紀宝町チーム )
2024年02月07日
78 市職員4人が能登町へ  応急給水支援のため  (新宮市 )
2024年02月07日
79 当選者を抽選で選出  銀河の車両見学会  
2024年02月07日
80 企業コラボで商品開発  地域イベントで販売も  (新翔高校 )
2024年02月07日
81 親子参観でリズム運動  園児が元気な姿を披露  (わかば保育園 )
2024年02月07日
82 生け花展でノミネート  珠蒼の会に学んだ4人  
2024年02月07日
83 鹽竃神社で初午神事  浦神地区各所で餅まきも  (那智勝浦町 )
2024年02月07日
84 がんばろう。能登のみなさん  被災地に思いを寄せる  (しんぐう元気フェスタ'24 )
2024年02月07日
85 境内の的場で通し練習  弓頭2人の稽古大詰め  (水門祭に向け )
2024年02月07日
86 石畳覆う土砂崩しのける  和深雨島の古道再興着手  (熊野古道大辺路刈り開き隊 )
2024年02月03日
87 NHKってどんなとこ?
 出前授業で児童が学ぶ  (神倉小学校 )

 NHK和歌山放送局による出前授業が1日、新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)であった。5年生72人が、NHKの仕事を学んだり、中継車を見学したり、カメラを触ってみたりした。

 NHK和歌山は、総合テレビで毎週月曜から金曜の午後6時30分から放送している「ギュギュっと和歌山」内で、5日(月)から9日(金)まで「新宮市ウイーク」を実施する。6日(火)の御燈祭(おとうまつ)りの生中継などを予定している。神倉小での出前授業の様子も、このウイーク内の7日(水)に放送する予定となっている。

 出前授業は組ごとで行われた。NHKのスタッフが児童らに、仕事の概要を説明。「公共メディアのNHKの重要な役割は、緊急時、例えば災害があった時に、いち早く避難などの情報を届けること。皆さんの命や暮らしを守る役割がある」と話した。「ギュギュっと和歌山」も紹介。「この学校の3年生の草鞋(わらじ)作りの様子も放送された」と明かした。

 児童らは中継車も見学した。スタッフが、内部の機器類や屋根に付くアンテナについて説明。「中継車の中で作った映像を、放送局に届けるのに使うのが屋根のアンテナ。通信衛星に電波を飛ばして放送局に届ける」などと伝えた。

 カメラについても説明を受けた。スタッフが「緑の幕の前であれば、自分以外の映像を合成できる」と語った。実際に児童が緑の幕の前に立ち、背景が合成した海の中の映像になることをモニターで確認した。カメラの取り扱いも体験した。

 田中咲伍君は「中継車をはじめ、いろいろな機械を見られてよかった。カメラの操作は難しかった。中継車の中で背景を変えたりできるのはすごいと思った」と話した。

(2024年2月3日付紙面より)

NHKの仕事について教わった=1日、新宮市立神倉小学校
カメラの取り扱いに興味津々
2024年02月03日
88 高芝区の防災マップ発表
 下里防災隊が住民招き  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(堺高行校長)は1月31日、同校に高芝区民や保護者らを招き「下里防災隊」の発表会を開いた。6年生19人が制作した高芝区の防災マップを配布し、学んできたことを発信した。

 6年生は本年度、学校裏の大丸山の避難路清掃やフィールドワーク、和歌山県土砂災害啓発センターや町役場防災対策室による授業、各区の区長らとの意見交換などで、防災に関して総合的に学んできた。

 学習のまとめとして完成させた高芝区のマップには、ブロック塀や崩れそうな崖、空き家などの危険箇所だけでなく、避難の際に安全に通行できそうな広い道や災害時に活用できるトイレ・自動販売機なども記載されている。発表会では、地震・津波発生のメカニズムや過去の大規模災害の教訓、防災バッグの中身など幅広い内容を伝えた。

 児童の学習にも協力してきた国土交通省国土技術政策総合研究所道路地震防災研究室(茨城県)の長屋和宏・主任研究官は、1月1日に発生した能登半島地震の現状を伝え「『自分たちの地域でも同じことが起きるんじゃないか』という視点で見ると、いろいろなことが見えてくる」と語った。開発した防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」のワークショップもあった。

 高芝区の伊藤善之区長(67)は「地域をよく見て勉強してくれたと感じる。子どもたちが遊ぶ場所の近くはブロック塀を撤去するなどしているが、対策ができていない場所もある。区としても防災に取り組んでいきたい」と話していた。

 この日は高芝区と連携して登校時避難訓練も実施する予定だったが、雨天で中止した。

(2024年2月3日付紙面より)

防災について発表する6年生=1月31日、那智勝浦町立下里小学校
高芝区の防災マップ
2024年02月03日
89 串本海域の価値など紹介
 西向小6年生らを招いて  (串本町 )

 「世界湿地の日」の2日、串本町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターでサンゴ骨格標本観察会があり、町立西向小学校(河田恵美校長)の6年生が招きを受け専門家から教わる機会を得た。

 世界湿地の日(2月2日)は、湿地に関心を持ちその大切さを知ってもらうため国際条約「ラムサール条約」採択日(1971年2月2日)にちなんで国連が制定した記念日。串本町には世界最北限のサンゴ群落と伴う生物多様性を誇る串本沿岸海域が2005年に同条約湿地として登録された経緯があり、その価値を伝える趣旨で町、南紀熊野ジオパークセンター、株式会社串本海中公園センターが共催でこの日から16日(金)まで、南紀熊野ジオパークセンターを会場にして企画展「ラムサール条約湿地パネル展」を開いている。

 観察会はこの企画展に連動して計画。西向小6年生は串本海中公園センター水族館の森美枝館長から同条約の概要と湿地が自然や人間の生活に果たす役割、登録湿地の一つである串本沿岸海域がなぜ大切なのかの理由など、南紀熊野ジオパークセンターの本郷宙軌研究員から火成岩で浸食に強い潮岬台地があることで同じ町内でも西と東で海の環境が違い西にはサンゴ群落が発達していることなどを教わり、終盤で複数種類の同標本を間近に観察してその印象を深めるなどした。

 児童の岩本柚咲さんは「湿地が自分たちの生活にも関わっていて、温暖化を防いでくれていると聞いて驚いた。これからも大切にしていくためにごみを出してはいけないし、道の溝も(串本の)海とつながっているのでそこへごみを捨てようとする人を見かけたら声をかけないといけないと思った」と参加して思ったことを語った。

 同パネル展はこの条約の趣旨や串本沿岸海域の登録湿地としての特色などを8枚の解説パネルで紹介する内容で、開館中の午前9時~午後5時に随時鑑賞できる。

(2024年2月3日付紙面より)

標本を間近に観察しながら学びを深める西向小6年生ら=2日、南紀熊野ジオパークセンター
16日まで実施するラムサール条約湿地パネル展
2024年02月03日
90 歌やゲームで盛り上がる
 保育所やこども園などで節分行事  (新宮市、那智勝浦町 )

 新宮市と那智勝浦町内の保育園、保育所、こども園で2日、節分行事が行われた。園児らは歌やゲームなどで楽しいひとときを過ごした。

 那智勝浦町立宇久井こども園(荘司千保園長、園児62人)は節分集会を開いた。各クラスの代表園児が自分たちの作ったお面を紹介した後、全員で節分にちなんだクイズに挑戦。「節分には何をまく?」「鬼がはいているのは何?」などの問題に答えた。

 パネルシアターでは、物語を通して職員から節分の由来の説明に耳を傾けた。後半には、赤と青の鬼が登場。突然の出来事に泣き出す園児もいたが、すぐに盛り上がり、歌「まめまき」を一緒に合唱した。

 最後は、2カ所に分かれてボールを籠に入れて競う「豆入れゲーム」に元気いっぱい取り組み、笑顔を見せながらにぎわっていた。

(2024年2月3日付紙面より)

「豆入れゲーム」で盛り上がる園児=2日、那智勝浦町立宇久井こども園
2024年02月03日
91 5商品が上位入賞  お弁当・お惣菜大賞2024  (株式会社ハイマート )
2024年02月03日
92 身体健全や無病息災祈願  加寿地蔵尊で初地蔵まつり  (那智勝浦町 )
2024年02月03日
93 「被災された方の役に立てば」  やまけん会ゴルフクラブが義援金  (新宮市 )
2024年02月03日
94 迅速な行動や経路を確認  新宮市庁舎で消防訓練  
2024年02月03日
95 地域一体で面的DXを  GBP推進セミナー  (那智勝浦町 )
2024年02月03日
96 画家・植野禎さん作品展  Gきのくにで3月末まで  (串本町 )
2024年02月03日
97 神前抽選で役者を決める  水門神社で「おみくじ祭」  (串本町 )
2024年02月03日
98 地震想像して地区内歩く  「校区人権・防災学習」始動  (相野谷小・中 )
2024年02月03日
99 横断歩道は「よく見てね」  うどの幼稚園で交通安全教室  (紀宝町 )
2024年02月03日
100 歯磨き絵本などを寄贈  保育所、幼稚園、小学校に  (紀宝町 )
2024年02月03日
101 お悔やみ情報
  
2024年02月02日
102 手話を話せることの喜び 太地町が初のイベント開催 

 太地町は1月31日、初の音楽療法&手話イベントを町公民館で開催した。2022年に町で制定された「手話言語条例」(※)に基づき、町民の手話への理解と普及を促進しようと企画。町民約80人が参加し、手話を話せることの喜びを分かち合った。

 イベントは、太地町立太地小学校の4年生15人による手話歌「愛の花」「大きな古時計」で開幕した。同町在住のろう者・畑見建三さん(75)に歌を伝えようと練習してきたという。

 「手話や聞こえない人のことを知ろう!」と題した講演では、東牟婁・新宮聴覚障害者協会の辻山尚美さん(58)が手話通訳を交えて会場に語りかけた。「私たちが手話を話すことは当たり前に感じられるかもしれないが、かつて手話は言語として認められていなかった。『口話法』といって、聞こえない人も声を出し、相手の口の動きを読み取って会話するよう指導されていた。手話は私たちにとっての命。ようやく自由に手話で会話できるようになった」と話した。

 畑見さんが「今では決して許されないことだが、手話を使っているのを教師に見つかり、手をたたかれたり、廊下に立たされたりしたことがある」と苦しいろう学校での経験を明かすと、会場に驚きが広がった。

 美熊野福祉会の音楽隊による音楽療法では「春がきた」「春の小川」「ふるさと」などの楽曲を、会場が一体となって手話と声で歌った。

 参加した70代女性は「手話を話してたたかれていた時代があったなんて知らず、自分がいかに無知だったか気付いた。手話言語条例のことは耳にしていたが、改めて手話を話せることを喜ぶ気持ちが伝わり、涙が出た」と話していた。

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※手話言語条例=手話とは、手話を必要とする人が知的で豊かな日常生活を営むために受け継いできた独自の言語体系を有する文化であるとの認識の下、手話による意思疎通を行う権利を尊重し、手話を必要とする人とそうでない人が互いに尊重し合いながら共生することを基本理念とする。

(2024年2月2日付紙面より)

辻山尚美さん(右)が講話=1月31日、太地町公民館
手話で「上を向いて歩こう」を歌う会場
2024年02月02日
103 本州初記録のドクウツボ
 須江崎沖合で漁中に捕獲  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)で本州初記録となるドクウツボが展示飼育されている。熱帯~亜熱帯に生息するウツボで、分布北限記録ともなることから今年1月上旬には論文発表も実施。飼育担当の大西遼さん(26)は「仕入れて展示されることが多いウツボだが、記録個体はここ(=同館)だけ」と希少さをアピールし、来館時の鑑賞を呼びかけている。

 ドクウツボはウツボ類の中では大型の種で、最大2㍍ほどの大きさになることから迫力重視で仕入れて展示飼育する施設も多いそう。生息域はサンゴ礁がある浅い海域で、国内では小笠原諸島、薩摩半島、大隅諸島、琉球列島の沖合で生息が記録されているが、本州の沖合では同館の個体が初記録になるという。

 その体長は約90㌢で、成魚だが性別は不明。昨年11月26日、大島在住の福島勝司さんが須江崎の沖合(水深約30㍍)でウツボ籠漁をしている折に捕獲した。長い経験の中で見かけたことがなく、直感で「毒のあるウツボでは」と感じて同館へ連絡。対応した大西さんもドクウツボではと感じながら引き取り、ウツボ類を展示飼育している館内Aゾーンの掃除をするエビ水槽へ搬入した。

 南方の魚種に詳しい鹿児島大学大学院の院生・是枝伶旺さんに同定を求め、ドクウツボだと確認。大西さんと是枝さんの連名で分布北限記録、本州初記録として今年1月上旬に論文誌「Nature of Kagoshima」において発表したという。

 体の表面に独特の暗色斑模様を帯びえら穴が黒いなどの特徴で、串本の海にいる他のウツボと区別できる。毒は生物濃縮型のシガテラ毒で、食用すると中毒を起こす場合がある。経験のある漁師は取るべきウツボが分かっているので、誤って市場流通する状況はまずあり得ないという。

 同水槽内では岩陰に潜んでいることが多いが、8種類十数匹いるウツボ類の1匹として良好になじんでいる。2014年にダイビング中の目撃情報が存在しているが、他に情報がないため同館の個体が流れ着いたのか串本の海で繁殖したのかは現状では判断できないとしている。

(2024年2月2日付紙面より)

本州初記録として論文発表したドクウツボ=1月31日、串本海中公園センター水族館
2024年02月02日
104 災害から生き延びねば…
 共育ミニ集会に16人  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町教育委員会は1月30日、町福祉健康センターで共育ミニ集会の第2回講座を開催した。和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの教育研究アドバイザー・今西武さんを講師に、16人が改めて過去の災害を振り返り、防災を考える機会とした。

 町教委は本年度より「『命』や『生き方』を考える教育の推進」を重点目標に追加。▽命▽防災▽交流サイト(SNS)―の三つについて、子ども・大人双方で考える時間・空間として集会を企画した。

 今西さんは「人間は『心』が動かないと行動しない。だからこそ、行動心理学を基に、心が動き、実際に行動するための防災プログラムをつくってきた」と講話。報道写真を基に東日本大震災(2011年3月11日)の被災地や遺族らの姿を克明に捉えた「3・11メッセージ」を上映した。

 「1月1日の能登半島地震が発生するまで、正直『また防災か…』と思っていた人もいるのでは。ご自身の足元を振り返りながら、自分のため、愛する人のために防災を」と呼びかけた。

 同年に発生した紀伊半島大水害からも13年が経過する中、災害の記憶をどう子どもたちに伝えていくべきか葛藤する町内教育現場の映像も上映。町教委の草下博昭課長は「能登半島地震の被災地の状況を見るたび、町内小中学校で行われている防災の取り組みと重なる。今後も各校で頑張っていくので、見守ってほしい」と伝えた。

 参加した海野実加さん(31)は「東日本大震災で親を亡くした子どもの姿にショックを受けた。1歳の子どもがいるので、何としてでも災害から生き延びなければと感じた」と話していた。

(2024年2月2日付紙面より)

講話に耳を傾ける参加者=1月30日、那智勝浦町福祉健康センター
今西武さん
2024年02月02日
105 境内にデジタル案内板
 表示灯株式会社が奉納  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)の境内に1月26日、デジタル案内板が奉納された。日本語・英語で大社の由緒やお参りの作法などを伝え、観光客の利便性向上につなげるものだ。

 表示灯株式会社から大社へ申し出があり、地域の27社から広告協賛を得て設置。案内板は宝物殿横にあり、境内の雰囲気に合うよう朱塗りになっている。清祓(きよめはら)い式の後に使用が開始された。

 タッチパネル式モニターでは▽神道とは?▽境内案内▽ご祈祷(きとう)▽参拝方法▽授与品▽催事情報▽御由緒―の7項目を見ることができ、一部を除いて英語にも対応している。側面には日本の長さの単位である寸と尺の目盛りがあり、七五三などで参拝した人々の記念撮影にも使える工夫が施されている。絵馬型の協賛企業広告や周辺地図もある。

 同社開発本部長の浅野正臣さんは「小さい子どもや外国人でも分かるよう、お参りやちょうずの作法はアニメーションになっている」。男成宮司は「神道についての解説もあり、神社の教化にもつながるのでは。世界遺産登録20周年の年でタイミングも合い、外国人の方々にも利用していただきたい」と期待を寄せていた。

(2024年2月2日付紙面より)

宝物殿横に設置=1月26日、那智勝浦町の熊野那智大社
2024年02月02日
106 1月度月例杯の結果
 那智勝浦ゴルフ倶楽部  
2024年02月02日
107 JUNTOSが優勝飾る
 第22回新宮ニューイヤーサッカー  
2024年02月02日
108 串本が栄冠つかむ
 那智勝浦町総体スポ少バレーボール大会  
2024年02月02日
109 技家や理科の発想が集う  古座川町で作品展示会  (東牟婁地方 )
2024年02月02日
110 園地ににぎやかさ醸す  樫野崎の早咲きサクラ  (串本町 )
2024年02月02日
111 「やわらかくておいしい」  わがら広角が「もちつきサロン」  (新宮市 )
2024年02月02日
112 早春の浦神峠越える  NPO法人熊野が古道体験  
2024年02月02日
113 下里小4年生が道普請  守る会と清水峠を歩き学ぶ  (那智勝浦町 )
2024年02月02日
114 小6にワイヤロック錠  自転車盗難防止目指し  (新宮警察署 )
2024年02月02日
115 フォークリフト操作を確認  災害時物資輸送に備え研修  
2024年02月02日
116 リーグ連覇と連続日本一を  定期総会で応援ツアー決める  (熊虎会 )
2024年02月02日
117 真剣な表情で企業の説明聞く  初の合同就職説明会  (紀宝町 )
2024年02月02日
118 地震、津波に備え設備確認  飯盛自主防、炊き出し訓練  (紀宝町 )
2024年02月02日
119 「感謝」掲げてまい進  宮本睦美理事長が就任  (新宮青年会議所 )