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2021年01月29日
1 樹齢約90年の木、倒れる
 「丹鶴姫のサクラ」保存を検討  (新宮市 )

 新宮市伊佐田町登坂(とさか)のポケットパークで27日早朝、登坂橋の架け替え工事に伴い現在地に移植された推定樹齢約90年のサクラ(ソメイヨシノ)の木が倒れているのが見つかった。同所とサクラの木を管理する市では今後、木の保存に向けた取り組みを検討していくという。

 サクラの木は、上本町磐盾線整備事業に伴う登坂拡幅工事(1999~2014年)の際に、元々あった登坂橋付近から移植されたもの。高さ約12㍍、推定樹齢約70年(2004年当時)のサクラの木は、地域住民から「丹鶴姫のサクラ」などと呼ばれ親しまれてきた。

 市は「サクラを残してほしい」といった地域住民の声に応える形で、11(平成23)年に約200㍍離れた現在地に木を移植。一般的にソメイヨシノの寿命は70~80年とされる中、移植後の木の状態を危惧する声もあったが、移してから約10年が経過し推定樹齢約90年となった現在でも春になると力強く花を咲かせ、地域住民や通行人の目を楽しませている。

 市は、このたびの倒木について一部の幹が腐っており、枝の重みなどに耐えられなかったのではと推測。同日には倒れた部分の撤去作業が終了しており、今後は腐食した部分の処理や支えを新しくするかなど木の保存に向けて専門家らと協議を進めていくという。

 市都市建設課では「地元の方々の愛着あるサクラ。できる限り残せる形で検討していきたい」と話している。

(2021年1月29日付紙面より)

倒れた登坂のシンボルツリー=27日、新宮市伊佐田町
2021年01月29日
2 キテンハタ標本など展示
 串本町二色で採取の個体  (県立自然博物館 )

 海南市にある県立自然博物館が27日、串本町二色で採取されたキテンハタ標本などの展示を始めた。期間は2月28日(日)まで。同館はこの機会にキテンハタを多くの皆さんに知っていただければとしている。

 同館の國島大河学芸員によると、キテンハタはインド洋~西大平洋に分布するハタの仲間。日本でも2015(平成27)年以降に発見の報告が相次いでいる。

 本州域では黒潮の流路にあたる相模湾~八重山諸島付近で写真などによる記録があるが標本に基づく記録は鹿児島以南で採取したものしかなく、今回展示している標本が本州初になるという。

 このキテンハタは昨年10月24日、県立向陽中学校=和歌山市=に通う脇本総志君(2年)が二色付近の堤防で釣りをしている時に採取。魚好きで新聞などでも名をはせている脇本君はキテンハタではないかと思って同館へ持ち込み、同館もその通りと確認した。体長約7㌢の幼魚で、國島学芸員は本州での標本に基づく初記録になるとし論文執筆を脇本君に推奨。論文は2人の連名で仕上げ、今月19日付で鹿児島大学総合研究博物館のウェブ学術誌「ICHTHY」に掲載された。

 展示はその液浸標本と論文、解説パネルなどをセットにし、目立つ同館玄関ホールで実施している。國島学芸員は「県内で確認しているのはこの一個体だけ。もっと調べないと分からないが、今のところは黒潮に流されてきたと見ている。あるいは分布域が広がっているのか。この個体はその手掛かりになると思う」と話し、展示後の標本は同館所蔵として保管し学術活用の依頼があれば対応するとしている。

 同館は期間中、月曜(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)を除く毎日午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)に開館。高校生以下と65歳以上は入館無料(高校生は学生証、65歳以上は運転免許証など年齢が分かるものの提示が適用条件)、その他一般は1人480円の入館料(障害者の無料化制度あり)が必要となる。3月まで実施中の第2水曜日入館料無料は2月も適用するという。問い合わせは同館(電話073・483・1777)まで。

(2021年1月29日付紙面より)

今回の展示対象魚・キテンハタ(県立自然博物館提供)
2021年01月29日
3 地区の平穏など願い
 浅里神社で例大祭  (紀宝町 )

 紀宝町浅里の浅里神社(宮地秀直宮司)で24日、例大祭が営まれた。大森晴雄・氏子総代、厄年の男女3人、区の役員らが参列し、地区の平穏や無病息災、家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。

 神事では、宮地宮司が神饌(しんせん)を供え、祝詞を奏上。区民らは感謝と願いを込めて玉串をささげた。どんど焼きでは各家のしめ飾りや古神札を持ち寄り、忌火(いみび)にくべた。

 宮地宮司は「新型コロナウイルスで大変な思いをしている中だが、一日も早い終息と、里人の健康を祈らせていただいた。神様から心を離さず、健康に過ごしてほしい」。大森総代は「浅里は災害の多い場所だが、一年間土砂災害や洪水などがなく、平穏に過ごせたら」と話していた。

 浅里神社の創始は不明だが、「紀伊続風土記」には「八幡宮 境内山周240間 村中にあり、境内飛雪瀧の側なれば末社に瀧御前といふを祭る、当村及相賀村の少名瀬原の産土神なり」とあり、江戸期から崇敬を集めていたことがうかがえる。

(2021年1月29日付紙面より)

宮地秀直宮司が神事を執り行った=24日、紀宝町の浅里神社
2021年01月29日
4 一足早い節分で終息願う
 補陀洛山寺で立春大護摩祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で27日、立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)があった。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木亮英副住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。

 同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳し、髙木住職らが法要を営んだ。

 続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛などを祈願。その後、僧侶3人が本堂の回廊から境内に向けて豆をまいた。

 例年は多くの参拝者が集まる中、髙木住職とかみしも姿の厄年の人たちが境内に設置したやぐらから豆まきや餅まきを実施している。

 髙木副住職は「コロナウイルスの撲滅退散や世界の平穏無事を願った。一日も早い終息と人々の幸せが来ることをお祈りしています。そして熊野地方にも早く春が訪れてくれたら」と語った。

 なお、毎年多くの人々が参拝に訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、中止を発表している。

(2021年1月29日付紙面より)

商売繁盛や終息などを願い護摩木をたき上げた=27日、那智勝浦町の補陀洛山寺
僧侶のみで一足早い豆まきを行った
2021年01月29日
5 市職員を地公法違反で懲戒処分  新宮市  
2021年01月29日
6 英会話で親交深める  台湾女子高級中學とオンライン交流  (新宮高校 )
2021年01月29日
7 熊野地方の未来の気候学ぶ  近大新宮で出前講座  
2021年01月29日
8 健康な歯を保つために  太地中でブラッシング指導  
2021年01月29日
9 38事業所で仕事を体験  1年生がインターンシップ  (新翔高校 )
2021年01月29日
10 住民らでぶつぶつ川守る  維持や美化に尽くし感謝状  (那智勝浦町 )
2021年01月29日
11 医療、次いで町民一般へ  新型コロナワクチン接種  (串本町 )
2021年01月29日
12 5歳児の視機能の支障探る  機器用いてスクリーニング  (串本町 )
2021年01月29日
13 園児にイチゴをプレゼント  古川園芸が認定こども園に  (御浜町 )
2021年01月29日
14 スイセンの花、愛らしく  ふるさと資料館前で咲き誇る  (紀宝町 )
2021年01月29日
15 「いじめ反対」の意思表示  相野谷小でピンクシャツデー  (紀宝町 )
2021年01月29日
16 お悔やみ情報
  
2021年01月20日
17 海難救助に尽力
 熊野灘水難救済会を表彰  (第五管区海上保安部 )

 串本海上保安署は18日、太地町の太地町漁業協同組合で、昨年11月に発生した帆船(ヨット)座礁事故の乗員救助に尽力した熊野灘水難救済会太地町支所(脊古輝人支所長=同町漁協組合長)に対し、第五管区海上保安本部長表彰の伝達を行った。

 漁業関係者を中心に組織される同救済会は、海で遭難した人々の救助を行う民間のボランティア団体で、同町と串本町に支所がある。

 同署によると、事故は神奈川県船籍の50~60代の男女3人が乗る全長9・8㍍の帆船が太地町沖で座礁し、118番通報を受けた同署が巡視艇むろづきで救助に向かったもの。当初はヘリコプターによる救助も検討していたが、夜間に加えてこの日は磯波もあったことから断念したという。

 救助協力の要請を受けた脊古支所長と救助員の貝良文さん(同町漁協専務理事)、〆谷(しめたに)和豊さん(同町漁協参事)が漁船で駆け付けたが浅瀬のため、一度引き返し小型船に乗り換えて現場に到着。「明るくなるまで船で待機する」と話す乗員を同署の職員と共に救助し、小型船に乗せて港まで連れ帰った。その数時間後には帆船の船体はバラバラになったという。

 内海浩一署長は「水難救済会は明治22年から全国で設立されている歴史ある組織。むろづきは串本町から新宮市までをカバーすることになるため、熊野灘水難救済会の皆さまは非常に心強い存在。感謝しています」と話した。

 貝さんは「磯を知らないと危険。二次災害が発生する危険性がある。バラバラになった船体は3日間かけて漁協の組合員が有志で片付けてくれた。漁協も休業補償や漁業補償も要求しなかった。こういうときはお互いさま」と語った。

 脊古支所長は「朝、現場に行ってみてびっくりした。船体がバラバラになっていた。助けることができてわれわれもうれしいです」と話した。

(2021年1月20日付紙面より)

救助作業に尽力した皆さん=18日、太地町漁業協同組合
2021年01月20日
18 終息願い鬼面札づくり
 熊野那智大社で節分準備進む  (那智勝浦町 )

 2月2日(火)の節分を前に那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では「鬼面札」や福升の準備が行われている。18日は神職や巫女(みこ)が鬼面札作りの作業を進めていた。

 災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福桝(ふくます)」を作っている。鬼面札はしめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で昭和44年に3代前となる篠原四郎元宮司が作成した木版画で翌45年から授与。独特の絵柄が人気で昨年末から予約が入るという。

 神職が縦35㌢、横45㌢の画仙紙に那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け1枚ずつ刷り出し、巫女が「那智宮印」を押して、2000枚を仕上げる。モミの木製の福升は5合升せ1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれ350個作るという。

 𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は猛威を振るう新型コロナウイルスの現状に触れ、「今年は特に厄災の象徴とされる鬼を閉じ込めた鬼面札には感慨深いものがあると思う。終息の願いも込めて作成しているのでおまつりいただき、少しでも安心感を持っていただければ」と話した。

 鬼面札はこの日の午後から社頭で授与が開始。鬼面札は1枚800円、福升は1500円、福豆が300円。郵送授与希望時は別に送料が必要で、申し込みはFAX(0735・55・0643)かメール(nachi@kumanonachitaisha.or.jp)で受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。

 同社によると、124年ぶりとなる来月2日の節分行事はコロナ対策を万全に施し、午前10時と午後1時から実施するという。

  □     □

■那智山青岸渡寺では

 西国三十三所第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)では例年多くの参拝者が訪れる「節分会豆まき会式」を新型コロナの感染拡大防止の観点から中止する。

 同寺によると、節分で使用する祝升の作成や豆まき行事は実施せず、節分のご祈とうのみ執り行うという。

(2021年1月20日付紙面より)

新型コロナウイルス終息の願いを込めながら節分準備が進められた=18日、那智勝浦町の熊野那智大社
2021年01月20日
19 打ち上げ時にできること探る
 町WSを挑戦の第一歩に  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長、部員20人)が18日、串本町のロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加した。同部は打ち上げ時の地域貢献を今後の活動の中に思い描いていて、その挑戦の第一歩として同事業に対する意見をまとめつつ自分たちにできることを探った。

 このWSは、同町が本年度誘客多角化等実証事業の一環で実施。住民がロケット事業を自分事と意識できるよう基本情報を託して意見を聴取する目的で、学校や町民を対象にして開いている。

 その割り当てを得た同校は、第2回宇宙シンポジウムin串本に参加するなど関心が高い同部が受けることとした。事前の調整で部員はこのWSの序~中盤のロケットや人工衛星の基本情報をすでに得ていると判断し、教材「スペースポート紀伊まるわかりブック」を配って説明に代える形にして省略。終盤の内容「ロケット打ち上げを楽しもう」の解説を足掛かりにして同事業への意見をまとめる流れでこのWSに取り組むこととした。

 講師は南紀串本観光協会付けで要請を受けた坂本直弥さんが担当。打ち上げにはさまざまな関わり方が考えられることや、地域が迎える見学者にはコアな人(=ロケット好きで通う人)とライトな人(=興味が湧いて見に来る人)がいるなどの特色を伝えた。

 その内容を踏まえて部員は四つの班に分かれ、▽食▽土産▽リピートのこつ―の3項目で個々のアイデアを集約。項目内区分をしながら考えを深め、班の意見として全体発表した。

 食の面では見学時の軽飲食は不可避でその前後で地元の名物も味わってもらうことも含めてロケットと絡め楽しんでもらう、土産の面でもロケットにちなんだ文具や小物、菓子など身近なグッズでロケットを感じられるような商材開発を進める、といった傾向を帯びたアイデアが複数挙がった。

 リピートのこつでは▽スタンプラリー(=見学回数に応じて非売品を贈呈)▽フォトコンテスト(得た秀作を商材開発に生かす)▽専門家による講演会(見学の付加価値を増す)▽マグロ解体ショーなど地元ならではの企画との連動(見どころを増す)―などのアイデアがあり、オブザーバーとして出席した同町企画課ロケット推進グループの宮本宏保さんや平井治司さん、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長が印象や質問を寄せた。

 最後に講師とオブザーバーが講評をして、部員の今後の挑戦を期待。宮本さんはいつもとは違うWSとなったが意見聴取の点ではとても勉強になったとして、部員の意見に感謝した。

 このWSをコーディネートした清野祐介顧問は「CGS部としてできることを具体化する道のりは遠いがそれでも考えて具体化を進め、初打ち上げの時にここにいるみんなで何かができるよう行動していこう」と部員を鼓舞してWSを締めくくった。

(2021年1月20日付紙面より)

グループワークでロケット事業への意見をまとめるCGS部の部員ら=18日、県立串本古座高校
2021年01月20日
20 警察、消防と連携を確認
 御燈祭りに向け事故防止協議会  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で18日、御燈祭(おとうまつ)り事故防止協議会があった。上野顯宮司をはじめ、新宮警察署や市消防本部など関係者ら約15人が出席し、2月6日(土)の祭り当日に向け、連携して取り組むことを確認した。

 冒頭で上野宮司は「新型コロナウイルス感染予防の観点から、今年は健康を考慮して上(あ)がり子および報道関係者、一般撮影者の入山を禁止することとしました」とあいさつ。「毎年、約2000人の上がり子が神倉山の山門内に密集するため、クラスター感染が発生する可能性が非常に高いと憂慮し、今回の結論に至った」と経緯を説明した。

 会議では▽一般の参拝者は神倉神社の太鼓橋にロープを張り、当日の正午に入山を止める▽新宮消防署・消防団において山内に防火体制が取られる▽翌日7日(日)の餅まきを中止する―などを確認した。

 上野宮司は「コロナ禍で大変な時期ではあるが、祭りの本義を考える良い機会を与えてくれていると感じています。寂しい祭りと捉えられるかもしれないが、決して『縮小』ではなく本来の姿が現れるのではないかと思っている。気を抜くことなく、例年と同じように進めていきたい」と話していた。

(2021年1月20日付紙面より)

御燈祭り事故防止協議会=18日、新宮市の熊野速玉大社双鶴殿
上野顯宮司
2021年01月20日
21 新宮、宇久井らが県大会へ
 トヨタカップ県小学生サッカー東牟婁予選  
2021年01月20日
22 新聞で「懐かしさ」感じて  宮城県の図書館で「ふるさと新聞展」  
2021年01月20日
23 ワクチン接種対策室の設置など  堀町長が町民にメッセージ  (那智勝浦町 )
2021年01月20日
24 花で明るい気持ちに  「生花教室」に8人  (新宮市 )
2021年01月20日
25 未来の職人になろう  神倉小でわらじ作りの授業  (新宮市 )
2021年01月20日
26 木本普通科8人オーバー  県立高校進学希望状況  
2021年01月20日
27 徹底した感染防止対策を  大畑御浜町長がメッセージ  
2021年01月20日
28 豊作とコロナ終結を願う  林松寺で伝統の「試粥会」  (御浜町 )
2021年01月20日
29 役場庁舎で3回目の分散勤務  新型コロナ感染防止対策  (紀宝町 )
2021年01月20日
30 コロナ拡大鑑み当面休診  くしもとおもちゃ病院  (串本町 )
2021年01月20日
31 特賞など当選491本決める  お年玉プレゼント抽選実施  (串本リリースタンプ会 )
2021年01月20日
32 お悔やみ情報
  
2021年01月15日
33 ゲームで新たな防災学習 市野々小で県内初の実施 (和歌山県)

 和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)は13日、那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で「防災RPG(ロールプレイングゲーム)土砂災害が発生したとき」を用いた県内初の防災学習を実施した。オンラインで参加した開発者である和歌山工業高等専門学校専攻科エコシステム工学専攻(辻原研究室)1年の西萩一喜さん(21)=串本町出身=のアドバイスの下、5・6年生9人はゲームという新たな形で防災への学びを深めた。

 同センターによると、地震の避難に関する防災RPGを制作・研究していた辻原研究室の辻原治教授に同センターが土砂災害用ゲームについて提案したところ、防災に興味を持っていた西萩さんの紹介を受けたという。

 西萩さんはゲーム開発のためにオンラインでの会議を実施し、同センターを数度訪れるなどして内容を精査。同センターも土砂災害に関する資料や情報を提供し、昨年12月に完成した。

 ゲームは大雨警報や避難勧告が発令された中、主人公が自宅から避難所までたどり着けばゴール。さまざまな場面で災害に関する知識や正しい行動についての選択が問われる内容となっている。正解に応じて点数が獲得でき、実際の土砂災害の動画なども映し出される。

 児童は2人一組でパソコンに向かい、相談しながらゲームを進めた。参加した中村幸幹くん(6年)は「いつもやっているゲームは学ぶことが少ない。このゲームは分かりやすくて楽しく学ぶことができた」。

 中西校長は「受け身の教育ではなく、ゲームを通して主体的に学ぶことができたため、新たな可能性が広がっていくと感じた」と話した。

 西萩さんは「今後はゲームをきっかけに家族と土砂災害について話し合い、知識を共有してほしい」と述べ、坂口所長は「楽しく学んでくれて良かった。児童や先生にもアンケートを行い、課題解決につなげていく。今後は県内各地でゲームを活用していきたい」と今後の展望を語った。

 なお、ゲームは同センターでもプレーすることができる。問い合わせは和歌山県土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。

(2021年1月15日付紙面より)

ゲームで防災を学ぶ児童=13日、那智勝浦町立市野々小学校
開発された防災RPG
2021年01月15日
34 守られ平等であるべき
 人権擁護委員委嘱状伝達式  (和歌山地方法務局 )

 新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)で13日、人権擁護委員の委嘱状伝達式が行われ、山田支局長が村田美織さん(64)=那智勝浦町下里=に委嘱状を手渡した。任期は今月1日から3年間となる。

 人権擁護委員は、地域住民の中から人権問題に理解や熱意のある人が市町村長の推薦を受けて法務大臣から委嘱される。さまざまな分野の人が地域の中で人権思想を広め、住民の人権が侵害されないよう配慮する活動を続けている。1日現在で同市では9人、那智勝浦町は6人、全国で約1万4000人が委嘱されている。

 委嘱状を受け取った村田さんは「人権は、全ての人が守られ、平等であるべきもの。コロナの収束を迎えれば保育士として勤めていた経験を生かし、絵本などを通じて子どもたちに人権の大切さを少しでも伝えていければとも思っています。初めての活動で分からないことも多いですが、先輩委員の方々から学び任期を全うしていきたい」と決意を述べていた。

 全国人権擁護委員連合会では昨年、新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大し緊急事態宣言が発令される中、5月に「差別をなくして新型コロナウイルス感染症のまん延を乗り越えよう」と緊急宣言。「このような時期だからこそ、個々の自覚した行動が求められている。一人一人は弱い人間でもみんなで助け合って支え合えば、この危機を乗り越えることができるのでは」と提唱した。

(2021年1月15日付紙面より)

山田勝久支局長(左)から委嘱状を受け取る村田美織さん=13日、新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局
2021年01月15日
35 交流の印象伝え締めくくる
 飯田高校と最終の遠隔授業  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校普通科グローカルコース3年生が13日、石川県立飯田高校総合学科3年生と最終の遠隔交流授業に取り組んだ。

 飯田高校は石川県の能登半島の先端に位置する学校。他地域に関わることで取り組む地域学への刺激が得たいという思いで紀伊半島の先端にある串本古座高校に交流を申し入れ、同校も生徒の取り組みに対する客観評価を得て学びを深められると意義を見いだして承諾し、実交流としてウェブ会議システムを使ったこの授業に取り組み始めた。

 昨年6月に初実施し、以降も回を重ねて互いが取り組んでいる地域学の内容を伝え合い、時には相手の地域学を深めることに協力し合うなどしてきた。最終となったこの日は前後半の2部構成で実施。前半は同席した外部講師のために互いの地域の特色と地域学の経緯や学んだ事柄などを発表し、後半は飯田高校側の外部講師・圓山晃歩(えんやま・あきほ)さんと串本古座高校側の外部講師・宇井晋介さんが最終講義をしこの交流を締めくくる生徒に期待する事柄を託すなどした。

 圓山さんは副業として半島同盟を運営するメンバーの一人。その活動内容や取り組む意味を紹介し、両校生徒がこの授業で追い求めたように半島同盟も他地域との違いを知って自分の価値を知り、それが今後の可能性につながるから取り組んでいるとして両校生徒の取り組みに共感した。

 宇井さんは元・串本海中公園センター水族館館長で現・南紀串本観光協会事務局長。串本の海の特色と生物多様性を生かす観光業の成り立ちを体験型観光の主流化という時代変遷も踏まえながら説明し、その領域の一先駆者として▽「何もないところ」はない▽物事をいろんな方向から見てみる▽考えるだけでは考えていないのと同じで例え小さくても形にすることが大事▽継続が最も大切―などの発想を生徒に託した。

 最後に両校代表を1人立ててこの交流の印象を発表。飯田高校側は「自分から進んで調べようとしなかったことをこの交流で知ることができ、それによって自分たちの地域をより深く知ることができて良かった」、串本古座高校側は「(交流を通じて)串本ではしていないまちづくりなどを勉強でき、今後自分たちの地元を盛り上げていくために活用できたらいいなと思った」と伝え合って交流を締めくくった。

(2021年1月15日付紙面より)

両校生徒の発表を経て最終講義に臨む=13日、県立串本古座高校
2021年01月15日
36 終息や商売繁盛など祈願
 大泰寺で大般若祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の9人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の餅まきは中止となったが、境内や本堂には約130人が訪れ参拝した。

 法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底し、住職の出仕も2町にとどめた。

 住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。

 西山住職は「早期のコロナ終息と多くの方々が元通りの生活に戻れるように心に念じながらご祈とうさせていただいた。今年は皆さまが幸せをかみしめることのできる一年になることを願っています」と語った。

 なお、昨年末から無料で授与されていた疫病封じの床浦大明神のお札を持ち帰る参拝者の姿も多く見られた。

 同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。

 この日もご開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年のご開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。

(2021年1月15日付紙面より)

大般若経典を転読し商売繁盛などを祈願した=13日、那智勝浦町の定光山大泰寺
2021年01月15日
37 串本JFCが県大会へ
 チビリンピック東牟婁予選  
2021年01月15日
38 大規模災害に備えるため  災害備蓄保存用パンを販売  
2021年01月15日
39 山頂からの絶景を堪能  山歩き部会で「鮒田富士」へ  (紀宝町 )
2021年01月15日
40 野外焼却行為などに注意  消防本部が呼び掛け  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
41 報告数、昨年の千分の1以下  インフルエンザ発生状況  (厚生労働省 )
2021年01月15日
42 入会者にオリジナルマスク配布  日本ヤタガラス協会  
2021年01月15日
43 紀州まぐろ節で町を元気に  歌手の南順子さんが披露  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
44 税の使い道はどう決める?  勝浦小学校で租税教室  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
45 グラウンドゴルフ愛好者170人競い合う 潮岬で新年初打ち大会 (串本町)
2021年01月15日
46 お悔やみ情報
  
2021年01月14日
47 授業開始に向け教職員研修
 GIGAスクール構想  (新宮・東牟婁 )

 黒板と教科書、ノート、鉛筆。そんな子どもたちの学習風景が大きく変ろうとしている。新型コロナウイルス感染拡大が追い風となる形で政府が推進する「GIGAスクール構想」では、義務教育段階の児童生徒に1人1台の学習用パソコン(PC)端末と高速大容量ネットワーク環境(校内LAN)を整備し、個人に最適化された教育環境の実現を目指す。

 新宮・東牟婁地方の各自治体や教育現場でも本年度、タブレットPC導入や校内LAN整備工事、教職員研修、オンライン授業研究などが進んでいる。早ければ年度内にも、児童生徒が学習用端末に触れる授業が開始される。

 太地町立太地中学校では12日、「1人1台パソコンの導入に係る操作研修」が行われた。町内小中学校の教職員25人が参加し、実際にタブレットPCを使いながら操作方法を学んだ。

 講師の赤井俊哉さんは、共有ドライブに保存した作文の添削やコメント、協働編集によるスライド作りの手順などを教えた。教職員からは「使いこなすにはもっと実践が必要だが、端末の立ち上がりも早く、授業で使えそうな便利な機能もたくさんあった。特にグループでのスライド作りは操作も簡単で、資料作りと発表が一つの端末でできる」との声があった。

 新型コロナ第3波により首都圏1都3県に緊急事態宣言が発出され、関西や東海など7府県の追加も見込まれる中、遠隔授業の環境整備を含む情報通信技術(ICT)活用は喫緊の課題だ。それに加え、山間部のへき地学校や複式学級を多く抱える当地方では、ICTが子どもたちの学習を支え、人々との交流の輪を広げる手段となる可能性を秘めている。今後の各自治体の取り組みに注視が必要だ。

(2021年1月14日付紙面より)

学習用端末の使用方法を学ぶ教職員=12日、太地町立太地中学校
2021年01月14日
48 新年の事業に意欲
 三役が市長ら表敬  (新宮青年会議所 )

 一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の梅村英義理事長、和田祐幸副理事長、竹内知恵利専務理事の三役は12日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長と速水盛康教育長を表敬訪問した。新年のスタートに当たっての意欲を伝えるとともに事業への協力などを呼び掛け、新年のあいさつとした。

 「温故知新~変化のとき~」をテーマに掲げる今年の新宮JC。梅村理事長は「去年は新型コロナウイルスの影響でほとんど事業ができなかった。今年は『コロナだからできない』のではなく『コロナでもできる』ように事業を模索していきたい」と、会員拡大に向けた取り組みや青少年育成事業、新宮JC杯中学新人サッカー大会の開催などへの意欲を示した。行政や学校ができない役割を担っていきたいと抱負を語り「自分たちだけでできないことも多いと思う。そのときは行政とタッグを組ませていただければ」と協力を求めた。

 新宮JC第32代理事長を務めた経緯のある田岡市長は「地域と学校の関係が希薄となる中、JC会員が小中学校を訪問し自分の仕事について講話した事業は楽しかった」などと当時を振り返り会員らにアドバイス。

 また、新宮JCで7年間取り組んだこと、理事長を務めた経験は自身の人生のターニングポイントだったと語り「一生懸命頑張るということは多くを学べるということ。仕事と活動の両立は大変だと思うが頑張りは自分の成長につながる。(JCの活動は)短い期間だが一生のうちでも貴重な時間になると思う」と激励した。

(2021年1月14日付紙面より)

新宮JCの竹内知恵利専務理事(左)、梅村英義理事長(右から2人目)、和田祐幸副理事長(右)が田岡実千年市長を表敬訪問=12日、新宮市役所
2021年01月14日
49 来年こそ活気ある祭りに
 塩竃神社で「脊美祭り」神事斎行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で10日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者約10人が参列し、商売繁盛や船の安全などを願った。

 脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承しており、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016(平成28)年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。

 例年は井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取って西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(鈴木伸社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などが披露され、にぎわいを見せているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小し神事のみの斎行となった。

 厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上。参列者が順番に玉串をささげていき、一日も早いコロナウイルスの終息を祈念した。脊美祭り前には豊漁などを祈願する弁天祭りも行われた。

 並川区長は「昨年秋の例大祭に続き、獅子舞などができずつらくて寂しい。終息を願い、平常通りの行事ができることを祈っています」。神事を終えた井谷宮司は規模縮小について残念の一言と述べ「脊美祭りは地域の伝統ある特別の祭り。若い人たちも継承しようと頑張ってくれています。来年こそは活気ある通常の祭りができれば」と話していた。

(2021年1月14日付紙面より)

さまざまな思いを祈願し神事を執り行う井谷正守宮司=10日、那智勝浦町浦神の塩竃神社
祭り関係者が玉串をささげた
2021年01月14日
50 全患者対象に機器貸し出しも
 オンライン面会環境整う  (くしもと町立病院 )

 くしもと町立病院がこのほど全病室にWi―Fi(ワイファイ)環境を整え、今月4日から全患者を対象にオンライン面会のための通信機器貸し出しも始めた。

 入院患者にとって面会に訪れる家族の存在は加療の励みとなるところ。他方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う面会制限は少なからずその機会を奪っている。この状況下でどうすれば入院患者が相応の励みを得られるかを考えた竹村司病院事業管理者は、オンライン面会の手法を導入できないかを昨夏に着想。以降同病院を挙げて実現を目指してきた。

 院内は旧来、1階待合室と3、4階のデイルーム限定でWi―Fi環境があり、持ち込みの通信機器で独自にオンライン面会をする患者もいた。しかし病室から動けない患者や通信機器の操作が苦手な患者、通信機器を持っていない患者にとっては縁遠い利便。そこで通信機器が患者に与える影響を確かめた上で▽Wi―Fi環境を全病室へ拡大▽貸し出し用通信機器(タブレット)を確保▽医療スタッフによる通信支援―の3項目を県の新型コロナウイルス関係補助金を活用して整え、全患者が家族とオンライン面会できる状況を形にした。

 同病院が貸し出す通信機器の利用対象は患者の家族で、オンライン面会できるのは祝日を除く月~金曜日の午後2時~4時。▽面会時間は最大5分▽1週間につき1回まで―といった条件をつけ、数に限りがある通信機器を多くの患者で活用できる状況を目指している。

 LINE(ライン)通話を使った面会となるため、家族側の通信機器にも相応の設定が必要。患者側の通話にはスタッフが対応する(病院側から家族側へ通話を発信する)ため利用は事前予約制とし、前述した曜日時間帯中に同病院(初回のみ電話0735・62・7111、2回目以降はLINEトークを使用)へ希望する日時の前日までに家族側から申し出てほしいという。以降は担当するスタッフとの調整となる。

 同病院は今月7日に新宮保健所管内で陽性患者が出たという発表を受け、翌8日から患者の付き添い人と病院が来院を求めた人以外は面会禁止とする対応を取っている。名田倍也事務長は「今は患者と直接面会できないが、代わりにオンライン面会で入院する家族を支えてほしい」とし、それが可能となったことの周知と活用の促進に努めている。問い合わせは同病院まで。

(2021年1月14日付紙面より)

入院患者にオンライン面会可能となったことを伝えるスタッフ=12日、くしもと町立病院
2021年01月14日
51 スポーツウエルネス吹矢大会
 那智勝浦町体育協会  
2021年01月14日
52 礼儀礼節の大切さ知って
 軟式野球体験練習会  (新宮黒潮ベースボールクラブ )
2021年01月14日
53 チーム一体で力を合わす
 ジュニア駅伝チームが本番に向け練習  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
54 販売終了まで1カ月切る  新宮市プレミアム付共通商品券  
2021年01月14日
55 地域の防災活動に尽力  消防関係者表彰  (新宮市消防本部 )
2021年01月14日
56 区民の安全と健康願い  青彦神社で春の例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
57 規模縮小し神事のみ斎行  市野々王子神社例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
58 小雨降る中参拝集める  峯の薬師堂で厨子開帳  (古座川町 )
2021年01月14日
59 初動や連携の練度を高める  代替指揮所で災害警備訓練  (串本警察署 )
2021年01月14日
60 手作りたこを大空に  元気いっぱい走り回る  (鵜殿保育所 )
2021年01月14日
61 新年会で笑顔あふれる  ふれあいサロン牡丹  (紀宝町 )
2021年01月14日
62 初入賞目指して練習に励む  美し国三重市町対抗駅伝  (紀宝町チーム )
2021年01月14日
63 お悔やみ情報
  
2021年01月10日
64 老朽化に伴い工事進む
 熊野速玉大社の「熊野神宝館」  (新宮市 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の「熊野神宝館」で、屋根のふき替えと下地の修繕工事が進んでいる。工事に伴い、同館は昨年10月から休館しており、3月末の工事完了を予定している(工事延期の可能性あり)。

 このたびの工事は老朽化に伴うもので、同大社は第1弾として屋根および下地、天井の修繕に着手した。

 同大社が発行する「国宝古神宝類」によると、1950(昭和25)年の文化財保護法施行以降、彩絵(さいえ)檜扇(ひおうぎ)5握をはじめとする多数の古神宝670(内容品、付属品を計上すると1204)点が55(昭和30)年に新国宝として指定を受けた。

 同館はそれを記念し57(昭和32)年に新築工事に着工したもので、敷地面積373平方㍍、鉄筋コンクリート造り彩色仕上げ、瓦ぶき屋根の建物は同年12月31日に竣工(しゅんこう)した。以来、60年以上にわたり国宝神宝類の一部、金銅装神輿(みこし)、朱塗り神幸船(しんこうせん)、糸巻太刀など、数々の重要文化財や県・市の指定文化財および古文書などを保存・展示してきた。

 同書によると、神宝(神の調度として皇室から献納された宝物)の全国的に現存する遺品は極めて数が少なく、わずかに熱田神宮、春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮と同大社(阿須賀神社含む)とに限られており、また、同大社古神宝の調進年代など、各社殿別に品目を記した「熊野新宮御神宝目録」の写しが佐藤春夫の父・豊太郎によって21(大正10)年に奉納されている。

(2021年1月10日付紙面より)

今年3月末の完了目指して工事が進む「熊野神宝館」=6日、熊野速玉大社
2021年01月10日
65 「幸多き一年に」
 天御中主神社で例大祭など  (新宮市 )

 新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除(よ)け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事や新型コロナウイルスの終息を祈った。

 例大祭では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の北道篤志さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。新型コロナ感染防止の観点から、毎年大勢の地域住民でにぎわう餅まきは中止となった。

 同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は中地地区が当家を務めた。

 神事後、北道さんは「当主を務めることができて光栄。今年は新型コロナが収まり、皆さまにとって幸多い年となるようお祈りします」とあいさつ。

 石垣総代長は「皆さまのご健勝やご活躍、郷土繁栄、新型コロナの終息などを祈願しました」と話していた。

(2021年1月10日付紙面より)

一年の無事などを祈り玉串を供えた=9日、新宮市佐野の天御中主神社
2021年01月10日
66 今年一年の平穏など祈願
 初薬師の法要営む  (紀宝町 )

 新年最初の薬師の縁日に当たる8日、薬師如来をまつる各寺院で初薬師の法要が営まれた。紀宝町では鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺や、平尾井の平尾井薬師堂でも祭典が執り行われた。

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■東正寺



 紀宝町鵜殿の醫王山東正寺(片野晴友住職)では、本尊の薬師瑠璃光如来を開帳し、初薬師大般若会(だいはんにゃえ)を営んだ。寺の役員らが訪れ、家内安全、心願成就、疫病退散、新型コロナウイルス感染症の早期終息などを祈願した。

 普同三拝、心経読誦(どくじゅ)に続き、600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読が行われ、参拝者らが順に焼香した。

 片野住職による法話では「続けることは根気がいるが、やるべきことを真面目に行えば、人は輝いてくる。まねを続ければ、やがてそれが本物になる」と話し、「普通の生活を送れることに感謝し、一日一日を大切にしてほしい。今日やるべきことはやって、明日目覚めなくても悔いが残らないよう努めて」と語りかけていた。

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■平尾井薬師堂



 平尾井薬師堂では毎年1月8日に営まれている「冬の大祭」が執り行われた。円通寺の山田耕治住職が読経し、一年の平穏、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願した。

 今年は新型コロナウイルス対策として、密にならないよう参列者を制限した。また、「薬師の庭」と呼ばれる境内で行っている餅ほりも中止とし、餅俵のみを供えた。

 参拝者は石段を登った先にあるお堂で鐘を突き、薬師堂に手を合わせた。参列した老人クラブ「平和クラブ」の林杜谷会長)は「新型コロナウイルスの終息と今年一年の平穏を願いました」と話していた。

 白河法皇が熊野三山に御幸した際、逢野細谷(相野谷)の地に薬師堂の建立を勅願し許されたのが熊野三仏平尾井薬師だという。

 薬師堂上の巨岩には、仏足跡と呼ばれる足跡の形が彫られ、高貴な方の参詣の証しとして刻まれたものといわれている。

(2021年1月10日付紙面より)

大般若経典を転読=8日、紀宝町の東正寺
平穏、豊作など願い冬の大祭を営む=同日、紀宝町の平尾井薬師堂
2021年01月10日
67 絵本で新年初笑い
 井関保育所に「よむよむ」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立井関保育所(桝本千惠美所長)で6日、絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあった。全園児15人が正月にちなんだ絵本に笑顔を見せ、楽しい時間を過ごした。

 町立図書館や保育所などで20年以上活動を続ける同会には町内在住の6人が所属しており、この日は中村起代子さんと伊藤松枝さんが来所した。

 園児は2グループに分かれて読み聞かせに耳を傾けた。大型絵本「おめんです」では、面の下に誰がいるのか予想し、面白おかしい回答に初笑い。おせち料理や年賀状、たこ揚げ、福笑いなどの正月の過ごし方を描いた「あけましておめでとう」や餅が大好きなお殿様が登場する「おもちぶとん」の世界に引き込まれていた。

 読み聞かせの後は、「たこのうた」と「カレンダーマーチ」を歌ってお礼をした。1月中は、保育所で羽子板やたこ揚げ、かるた、こま回しなどの正月遊びをする予定だという。

(2021年1月10日付紙面より)

「これはまる」を読み聞かせ=6日、那智勝浦町立井関保育所
2021年01月10日
68 市民の皆さまへお願い  田岡市長がメッセージ  (新宮市 )
2021年01月10日
69 ダウンロード数2300万件突破  接触確認アプリ「COCOA」  (厚生労働省 )
2021年01月10日
70 誰もがなる可能性のある病  那智中学校で認知症講座  (那智勝浦町 )
2021年01月10日
71 「浮島の森」の池も凍る  新宮市  
2021年01月10日
72 歯科口腔外科の診療を変更  職員不足で通常体制困難に  (紀南病院 )
2021年01月10日
73 自身と大切な人の命守るため  西田町長がメッセージ  (紀宝町 )
2021年01月10日
74 これで君も指文字マスター  やさしい初級手話教室  (紀宝町 )
2021年01月10日
75 お悔やみ情報
  
2021年01月06日
76 子どもたちに夢と希望を
 森浦大輔投手が表敬訪問  (新宮市 )

 プロ野球ドラフト会議で広島東洋カープから2位指名を受け入団が決まった新宮市出身の森浦大輔投手(22)が4日、市役所を訪れ田岡実千年市長を表敬訪問した。田岡市長は「地元の子どもたちに夢と希望を与えてくれた。心よりありがとうとおめでとうを言いたい」と歓迎した。

 森浦投手は最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器とする左腕。緑丘中学校では野球部に所属し3年生の時に和歌山県大会で優勝。近畿大会に出場した。

 名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞している。

 森浦投手が同市に帰省したのは昨年12月28日。秋のリーグ戦が終わってから自主トレを開始した。年末年始は家族とゆっくり過ごし、2月から沖縄県と宮崎県で始まるキャンプに向け英気を養ったという。

 横浜DeNAベイスターズの東克樹投手を目標に掲げ「まずは1軍の舞台で投げるのが目標」。

 「カープはファンの人が熱い。たくさんの応援を力に変えたい。キャンプでは、ストレート、スライダー、チェンジアップのキレを出していきたい」と目下の課題を語り、地域や子どもらに対し「たくさんの応援に応えられるように頑張りたい。(子どもたちには)しっかり練習して頑張ってほしい」とコメントを寄せた。

 田岡市長は「野球ができる環境をつくってくれたご両親に感謝と敬意を表するとともに、森浦投手にはけがをせずに息の長い選手になってほしい。一日でも早く1軍で活躍し、テレビで投げる姿を楽しみにしています」と背番号13を激励した。

(2021年1月6日付紙面より)

森浦大輔投手(左)が田岡実千年市長を表敬訪問した=4日、新宮市役所
「夢と希望をありがとう」談笑する森浦投手と田岡市長
2021年01月06日
77 大漁や操業の安全を祈願
 熊野那智大社にマグロ奉納  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で初市が開かれた4日、和歌山県漁業協同組合連合会の片谷匡副会長ら6人が同町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)を参拝した。この日揚がったマグロを1本奉納し、大漁と漁業者の安全な操業を祈願した。

 約15㌔のメバチマグロが神前に供えられ、神事では神職が祝詞を奏上。巫女(みこ)が神楽「那智の滝舞」を舞い、金幣(きんぺい)の儀が行われた。一同を代表し片谷副会長が玉串をささげた。

 男成宮司は奉納に感謝を述べ、「昨年は新型コロナウイルスに始まりコロナに終わった。一日も早い終息と勝浦市場や県漁連の発展をお祈りしています」と語った。

 参列した県漁連の額田浩事務局長は「コロナ禍の中、和歌山県の漁業者の安全と大漁をお祈りした。漁獲量も増え、価格も上がってほしい。そして皆さまにおいしく食べていただきたい」と話した。

(2021年1月6日付紙面より)

初市のマグロを奉納した片谷匡副会長(前列左から2人目)らと男成洋三宮司=4日、那智勝浦町の熊野那智大社
2021年01月06日
78 拠点化目指して挑戦中
 南紀串本観光協会古座  (串本町 )

 アウトドア拠点化を目指して昨秋にリニューアルした南紀串本観光協会古座事業所(通称・同協会古座)―。同町と株式会社モンベルの包括連携協定を追い風にして挑戦を重ねている。

 串本町とアウトドアメーカーのモンベルは2018年1月末、過去の寄贈や商材採用の縁をさらに発展させるため同協定を締結。以降町域では同社のフレンドエリア化が進み、モンベル会員対象サービスの導入など具体化策を取り入れて誘客を図る事業所が増えている。

 同事業所は対象に縛られない形で同協定の追い風を受けつつ、地域密着型アウトドアショップをコンセプトにしてリニューアル。モンベルショップの一店舗に加わり、コロナ禍の影響で若干出足が遅れたが物販事業の中でモンベル商材の取り扱いを始めた。アウトドアメーカーならではの多彩な構成で、各種ウエアやアウトドアを楽しくするグッズがそろい、昨年のクリスマス前には冬物を入荷するなど季節展開も交えて弾みをつける状況となっている。

 カタログ販売にも対応していて、注文して取り寄せてからの販売となるが送料がかからない点はこの仕組みの強みと自負している。アウトドア関係ではモンベル以外にストリートトレイルなどの商材もあり、他方ではウツボやユズ、姫ひじきや観光カレンダーなどの地元産品はもちろん、リニューアル前のイメージを強化継承してアートやハンドメイドの各商材も取りそろえている。

 リニューアル後の同事業所内は木製棚と暖色系の照明で温かみのある内装に。同事業所は「店頭で取り扱うモンベルのウエアは家族の需要にも応える取りそろえ。住民、観光客を問わず、まずは気軽に立ち寄っていただければ」という。

 同事業所はJR古座駅の駅舎内に位置。物販と双翼で提供するカヌーレンタルやカヌー体験との兼ね合いで一時的に閉める場合があるが、基本無休で午前8時30分~午後5時30分に開いている。両事業の問い合わせは同事業所(電話0735・72・0645)まで。

(2021年1月6日付紙面より)

アウトドア拠点化を目指して挑戦する南紀串本観光協会古座事業所=4日、JR古座駅駅舎
2021年01月06日
79 地域経済循環の一端を担う
 新宮公設市場で初市  

 新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で5日、同市場協力会(小田三郎会長)主催の「令和3年初市」があった。午前7時過ぎから初競りが始まり、威勢のいい掛け声が市場内に響く中、ダイコン、イチゴ、白菜などが次々と競り落とされた。

 生鮮食料品の円滑な流通と安定供給を図り、周辺広域住民の食生活の安定に貢献することを目的に、1985年5月に県内の公設市場第1号として設置された市場。

 初競り前の式典で小田会長は、新型コロナウイルス感染症が及ぼす経済的な影響に言及し「ワクチンの接種開始が間もなくとの報道もあり、一刻も早くこのコロナ禍の状況が収束し、元の普通の日常が戻ってくることを願うばかり」とあいさつ。

 市場を取り巻く現状について、人口減少や高齢化、小売店の後継者難、ネット通販など流通の多様化などによるマーケットの縮小で厳しい状況にあるとしながらも「このような時こそ地域との密着性、距離感の近さという強みをこれまで以上に生かしてきめ細やかなご商売を続けることで、この地域の経済の循環の一端を担っていただくことが地元の活性化にもつながっていくのでは」。

 「公設市場も地元小売業者の皆さまのご商売を下支えし、生鮮食料品の安定供給という使命を果たすことで地域の活性化に貢献したい」と誓いを新たにした。

 市場管理者の田岡実千年市長は関係者たちの日頃の協力や新型コロナ感染症予防対策の実施などに感謝を述べ「コロナ禍中ではあるが、今後とも関係各位のなお一層のご協力を賜り、市場機能の充実・活性化のために努めていく」と呼び掛けた。

(2021年1月6日付紙面より)

威勢のいい掛け声が響いた=5日、新宮広域圏公設地方卸売市場
小田三郎会長
2021年01月06日
80 身体健全、武芸上達を願い  毎年恒例の安全祈願祭  (紀宝剣道 )
2021年01月06日
81 OB会で現役選手にエール  勇退した小西監督に感謝  (成川ソフトテニス )
2021年01月06日
82 大水害から10年、防災意識誓う 感染症対策講じて消防出初め式 (紀宝町)
2021年01月06日
83 目標を胸に刻み前へ  新宮高校で始業式  
2021年01月06日
84 日本はこうしてつくられた  安部龍太郎氏、新著を出版  
2021年01月06日
85 大人の自覚と郷土愛を  飛鳥神社で「新成人のご祈祷」  (太地町 )
2021年01月06日
86 最高賞目指し207人挑戦  認定コースチャレンジ大会  (潮岬青少年の家 )