和大観光学部LIPとオンライン交流 (新宮市立高田中 )
新宮市立高田中学校(大家淳志校長)の生徒5人と和歌山大学観光学部の学生12人は29日、ウェブ会議システム「Microsoft Teams」を用いてオンライン交流会を実施。生徒と学生らはお互いの地域や学校の紹介などを通じて学びを深め、交流を図る機会とした。
同大学観光学部では、地域でのさまざまな活動を通して実践的な学びを行い、現地の人との交流を通して地域課題の解決に取り組むことを目的に「地域インターンシッププログラム(LIP)」を実施している。
一方、同市高田区では、魅力ある観光資源が存在しているにもかかわらず、若年層を中心に十分な誘客ができていない状況を鑑み、市は昨年4月に学生主体での新鮮な観光モデルコース造成を目的に同大学に対しLIP提案書を提出。採択された。
このたびのオンライン交流会は、新型コロナウイルスの影響で現地研修の開催が困難な中において、少しでも親睦を深めることを目的に実施。同大学観光学部卒業生である市商工観光課の坂本直斗さんと、串本町出身で同大学3年生の谷口真弘さんが進行役を務めた。
同大学は、観光学部や大学生の生活、和歌山市の観光などについて紹介。観光学部には▽観光経営▽地域再生▽観光文化―の三つのコースがあることや卒業後の進路などについて説明し、1年生の学生は、新型コロナの影響で7回しか大学に通えていないこと、前期授業はほとんどオンラインだったことなどを伝えた。
緊張気味だった高田中の生徒らも、学生らと会話を重ねるうちにリラックスした表情に。「桑の木の滝」をおすすめスポットとして挙げたほか、同校では生徒数と教員数がほとんど同じであることや将来の夢、趣味などについて笑顔で説明。生徒全員で進めた、手作りマスク着用を推進する「一斉マスクの日」の取り組みも紹介した。
学生は生徒らに対し「進学や就職など、これからどんどん自分の世界は広がっていきます。今しかできないことに力を注いで、悔いのない中学生活を送ってください」と呼び掛けた。
(2021年1月31日付紙面より)
いきいきサロン浦神 (那智勝浦町 )
いきいきサロン浦神(並川廣代表)は28日、那智勝浦町浦神の西区民会館で今年1回目のサロンを新型コロナウイルス感染拡大防止の対策を講じた上で実施した。スタッフを含む24人が参加し、町立下里小学校の3年(現4年)生児童の浦神地区に関する劇や発表をまとめたDVDなどを鑑賞した。
同サロンは一人住まいなどの高齢者が引きこもらず、集まって催しを楽しみ交流を深める居場所づくりを目的に2016年にスタート。毎年11月には豊富な出演者を招いたステージ披露や、多くの催しでにぎわう「浦神西福祉まつり」を開催している。
DVDは児童が社会科の課外授業で浦神について探索し、その成果をまとめたもの。劇では児童が同地区にある防空壕(ごう)跡の洞穴から1890年にタイムスリップしてしまい、現在と過去の同地区を行き来するストーリーだった。
劇後は児童が▽浦神の地名の由来▽寺子屋について▽脊美(せみ)祭り▽真珠養殖▽近畿大学水産研究所浦神実験所の養殖▽浦神の名字▽山口・熊野▽葬式の形と昔の遊び―などの発表があった。最後は児童が旧浦神小学校の校歌を歌い、共に口ずさむ参加者の姿もあった。
続いて、浦神東区の勇義社による獅子舞の動画では「神明讃」「玉獅子」「扇喰い」「とび天狗(てんぐ)」の迫力ある4演目を鑑賞。最後はぜんざいや漬物が出され、歓談を楽しんだ。
並川代表は「浦神地区のことを勉強してくれた児童の発表は直接、区民に見てもらう予定だったが、コロナのためかなわなかった。成果をDVDで見ることができて良かった。参加者の皆さんには一生懸命な児童の発表で感動していただき、獅子舞で気分的にも明るくなってほしい」と語った。
(2021年1月31日付紙面より)
第10次長期総合計画素案を答申 (那智勝浦町 )
那智勝浦町長期総合計画審議会(会長=森川起安・南紀くろしお商工会長)は29日、同町役場で第5回審議会を開き、第10次那智勝浦町長期総合計画素案を堀順一郎町長に答申した。堀町長は「事業を進め、より良いまちづくりに努めていきたい」と計画実施に向け決意を新たにした。
同審議会は、堀町長の諮問を受け、2019年12月から議論を重ね、第10次那智勝浦町長期総合計画の素案(計画年度:令和3~7年度)の策定を行ってきた。
素案では「着実にわがらで創る笑顔のまち 那智勝浦」を将来像に据え、「住んでよかった・住み続けたい・住んでみたいまちの実現」に向け「災害に強い」「快適で安心して暮らせる」「活気ある産業で雇用が生まれる」「福祉が充実している」「豊かな心と地域文化を大切にする」「みんなの知恵と力が結集された」まちづくりを進めていくとしている。
森川会長は答申に当たり関係者や町民への感謝を示し、堀町長に対し計画の達成に向け▽町民、各種団体、民間事業者および行政などのまちづくりを担うさまざまな主体が一体となった協働のまちづくりの推進▽新型コロナウイルスの発生などによる時代の変化に対応しつつ、町民ニーズを的確に把握し計画を推進するとともに、あらゆる機会・手段を通じて計画の周知に努める▽中長期的な財政シミュレーションや各種施策の優先度、有効性を総合的に判断し健全で持続可能な財政運営を図る▽重点事業については、那智勝浦町まち・ひと・しごと創生総合戦略として定期的かつ継続的に実施状況を把握し、適切なPDCAサイクルの構築に努める―を要望した。
堀町長は素案策定に当たり50件を超える町民からのパブリックコメントを受けたと紹介。「町民からは前向きな意見も頂いている。審議会の皆さんに1年以上かけて議論いただいた素晴らしい計画」と感謝を伝えた。
素案は3月議会に上程され、議決を経て計画策定となる。
(2021年1月31日付紙面より)
嘱託警察犬に感謝状 (和歌山県警察 )
和歌山県警察はこのほど、嘱託警察犬パンドラ号(パンドラ・フォン・クランツ・K.Y.)とダンス号(ダンス・オブ・ウエスト・アシダ)の長年の功績をたたえ、指導者である新宮市の榎本義清さん(58)=NPO法人和歌山災害救助犬協会理事長=と太地町の瀧本美鈴さん(57)=同協会副理事長=に感謝状を贈った。
感謝状は、生前の活動実績や功績をたたえるもの。パンドラ号(シェパード・雌)は昨年11月にその生涯を終えるまでの11年間、そして今年1月2日に急死したダンス号(シェパード・雄)は9年間、県警察嘱託警察犬として捜索救助や足跡追跡、爆発物捜索などの職務に従事してきた。
また、2頭とも榎本さん、瀧本さんと共に、紀伊半島大水害や熊本地震、西日本豪雨の被災現場で捜索活動にも参加している。
勇敢な性格だったというパンドラ号は2019(平成31)年4月、新宮市内で行方不明となっていた女性を生存発見したとして新宮警察署から感謝状を受けた経歴も。一方、ダンス号は人にも犬にも優しく温厚。「指導の際も反抗することなく覚えも良かった。素直な性格だった」(瀧本さん談)という。
感謝状を受け、榎本さんは「人間のために厳しい訓練にも頑張ってくれた。(パンドラ号には)使役犬として接してきた。相棒がいなくなったという気持ちが大きい」。
瀧本さんはダンス号に対し「急に調子が悪くなり、心の準備ができていなかったが、苦しまずに最期を迎えたので良かった。最後まで現役でいてくれた」と述べ、「『本当に今までお疲れさま』と伝えたい」と声をそろえた。
県内では現在、14人の指導員と28頭の警察犬が嘱託されている。
(2021年1月28日付紙面より)
知事と町長から駐日大使へ (和歌山県と串本町 )
2020トルコ西部イズミル県地震災害義援金を呼び掛けた仁坂吉伸知事と串本町の田嶋勝正町長が26日、駐日トルコ共和国大使館のハサン・ムラット・メルジャン特命全権大使の県庁訪問に合わせて同義援金の目録を贈った。
この地震は昨年10月30日にエーゲ海を震源として発生し、至近のイズミル県を中心とする発災につながった。その状況を知った呼び掛け2人はすみやかに県トルコ震災を支援する会を立ち上げ、県内30市町村に協力を求めつつ昨年11月5日付で同義援金の窓口を開設した。
同会は口座振り込み、各市町村は義援金箱を設置して県民からの善意を受け付け。同大使館経由で被災者に届ける流れとなっている。コロナ禍の情勢により面会の機会を得られずにいたが、メルジャン大使が公務の延長で県庁を訪問することになり、呼び掛け2人がそろって目録を託すに至った。
田嶋町長によると、メルジャン大使は間もなくアメリカ合衆国へ転任となるそうで、今回はあいさつ回りで県庁へ訪問。任期中最終となる同町からの交流記念品としてトルコ軍艦遭難慰霊碑のレリーフと大使の実名を入れたポロシャツと大島小への民族衣装の贈呈や串本町トルコ文化協会のトルコ文化センター設置への協力など交流の数々を記録した写真アルバム、併せて同協会から預かった交流記念品を贈って感謝したという。
同義援金の受付期間は今月末までで、締め切り後に一括して同大使館へ託す。田嶋町長は「メルジャン大使は涙ながらに感謝し、県や同町に同様の災害があったときはトルコ人が助けに行くと言ってくれた。呼び掛け人として多くの町民や県民の皆さまから多額の義援金を頂けてうれしかったし、これからも共に友好を続けていくことにつながれば」と今後を願いながら、寄せられた善意に感謝した。
(2021年1月28日付紙面より)
井田小学校の4、6年生が (紀宝町 )
紀宝町立井田小学校(石谷正秀校長、児童115人)の4年生24人と6年生21人が26日、和紙作りの紙すき作業を体験した。今後、6年生と16日にすでに体験した5年生は和紙でランプシェードを作る。4年生は詩と絵を描くという。
4年生は国語の授業で「和紙」について学び、実際に作ってみようと町立ふるさと資料館の栗須高洋館長の協力を得て体験した。
体験を前に講義した栗須館長は「皆さんが今使っているノートは洋紙で、100年ももたないが、和紙は虫が嫌いな養分が入っているので1000年以上長持ちする。約1300年前の和紙に書かれた文書も残っている」と説明した。
和紙の原料となる天然の雁皮(ガンピ)はとても貴重で、材料をそろえるだけでも苦労すると伝え、ガンピの皮をはぎ、2週間水に漬けた後、2日間釜で煮て紙料にすると紹介した。
児童たちは行程などを学んだ後、紙すきを体験。水に溶けた雁皮をはがきサイズのすき枠で一枚一枚すくい、1人3枚の和紙を作った。
完成後、児童たちは「失敗もしたけど、成功したときはうれしかった」「初めて作業して楽しかった」と話していた。
(2021年1月28日付紙面より)
新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」
今夏の完成に向け、新宮市下本町で建設工事が進む市文化複合施設「丹鶴ホール」のシンボルマークおよびロゴデザインが決定した。今後、施設のPRを含めた活用を展開していく。
デザイン制作者は山下・金嶋共同企業体。制作者によると、施設を上から見た形状をモチーフにしつつ、中央のホール部分を示す矩形(くけい)と併せて、愛称である丹鶴ホールの「丹」の字を表現した。
新宮の歴史・風景との呼応から生まれた変化のある施設形状と、「丹鶴」という言葉との重ね合わせにより、ここから新たな活動が生まれ、動き出す躍動感を表したという。
テーマカラーには、「丹(に)」をイメージさせる赤色が採用されている。
(2021年1月28日付紙面より)
ヒカンザクラが危機に (那智勝浦町 )
早咲きで知られるJR那智駅前のヒカンザクラ(緋寒桜)が枯れ始めている。この地方で一番早く、1月初旬から咲き始め、併設する道の駅を訪れる人を和ませてきたこのヒカンザクラが危機的な状態になっている。
那智駅周辺にはホームなどに数本のヒカンザクラがあるが、枯れ始めているのは駅前広場中心にある、シンボルとしてすっかり定着しているサクラ。例年ならメジロやミツバチが訪れて大変にぎやかになり、カメラやスマートフォンで撮影するカメラマンや観光客の姿が多く見られる。
数年前から勢いがなくなり、枯れた部分を剪定(せんてい)などしてきたが、樹勢は弱るばかり。勝浦側(西側)の幹は現在花が咲いているが、同所農産物直売所側(東側)の幹はほとんど枯れた状態になっている。
管理する那智勝浦町農林水産課では、東牟婁振興局林務課に相談し現在対策を整えている。東側の幹に関しては、落下などの危険性があるため切除することも検討しており、西側の幹は、2月に寒肥をするための準備を進めているという。
また、県の林業試験所の助言で、生きている幹から出た枝を数本採取して山桜を台木に接ぎ木をして育てており、枯れてしまったときのために備えている。
町担当者は「地域のシンボルである大切なサクラなので、なんとか復活させられるように努力したい」と話している。
(2021年1月22日付紙面より)
工業系高校6校をつなぎ (和歌山県 )
和歌山県内6校の工業系高校をオンラインでつないで20日、第37回工業教育研究発表大会が開かれた。新宮市の県立新翔高校(東啓史校長、生徒326人)でも建設技術系列の2年生6人が参加し、映像を通じて県内の工業高校生による研究成果発表に耳を傾けた。
和歌山県高等学校教育研究会工業部会(西村文宏部会長)とわかやま産業を支える人づくりネットワーク会議による恒例の大会。和歌山工業高校を発表会場とし、紀北工業高校、箕島高校、紀央館高校、田辺工業高校、新翔高校、県内企業をつないで約1000人が参加した。オンラインでの開催は今回が初めて。
西村部会長は「新型コロナウイルスによる臨時休校や就活日程の変更など厳しい環境の中で、工業を生かして研究を行い、一定の成果を出してくれて非常にうれしい。そこまで導いてくださった教職員や関係機関の方々に感謝いたします」とあいさつ。
作文部門では、4人が3年間の高校生活について発表。実習やコンテスト出場を通じた技術の習得、危険物取扱者や機械加工技能士といった国家資格の取得、部活動の経験を通じた自らの成長を語った。
Webプレゼン大会では「水準測量を用いた校舎各階の標高測定と津波防災への活用について」「紀の国わかやま総文、および文化祭2021のカウントダウンボードの製作」「ミストシャワーの製作」など社会貢献を見据えた個性豊かな発表がなされ、審査委員による質疑も行われていた。
(2021年1月22日付紙面より)
ころころ教室第2期始まる (串本町 )
串本町地域包括支援センター主催の介護予防教室「ころころ教室」の第2期が20日、町立体育館を拠点にして始まった。今期は寒さやコロナ禍が増す中での事前募集となったが、9人が2期生として受講登録。期間中は継続参加を希望する1期生と共に健康づくりに欠かせない知識を学び、家庭における実践の定着を目指す。
国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用した「在宅高齢者運動指導支援員雇用促進事業」の一環で昨年9月から始まった同教室。外出自粛などで過ごす機会が増えている家庭内での健康づくりを促して介護予防を図ることを目的とし、そのために欠かせない運動、栄養、口腔(こうくう)の各知識を一連のものとして伝える内容で帯開講している。
1期当たりの開講数は9回。昨年9~12月に第1期を実施し、14人が受講登録をして取り組んだ。第2期もコロナ禍の情勢を鑑みて定員を先着15人に抑え、同日から3月31日(水)までの間で2月の3日(水)と24日(水)を除いた水曜午後定例で全9回帯開講することを広報くしもとで告知。1期生による誘いの協力も得ながら、2期生を募集した。
第2期は、継続受講を希望する1期生が2期生のサポート役を兼ねて自由参加。初回は2期生9人と1期生5人が出席し、同センターを代表して保健師の中まどかさんがこの教室の趣旨や目指すところ、理学療法士や保健師、栄養士など専門職が運営を支えていることなどを伝えて歓迎した。
以降は同支援員の理学療法士・原井祐弥さんが推奨する準備体操や転倒の不安解消を意識しながらの運動指導をし、体力テストや体成分分析装置「InBody」による測定を実施した。
この教室は受講前に感染症予防対策として手指消毒と検温をし、併せて血圧の確認を実施。前述した測定は期間終盤にも再度行い、それら結果の変化を見て受講の成果を実感し家庭での健康づくりの意欲を高める材料とする仕組みも取り入れている。
(2021年1月22日付紙面より)
木の川認定こども園 (新宮市 )
新宮市木ノ川の幼保連携型認定こども園「木の川認定こども園」(丸本知加子園長)で20日、新宮市消防本部(越水薫消防長)と合同で、火災を想定した自衛消防訓練を実施した。0~5歳までの園児48人は職員の誘導に従い、駆け足で施設上にある白龍山宝珠寺(西昭嘉住職)へ避難した。
同園によると、消防と共に園児も参加しての取り組みは初だという。訓練は調理員の休憩室から出火した想定で行われた。避難を促す放送直後には職員が連携して園児を屋外へ安全に避難させた。
同寺境内では消防隊員が職員に対して消火器の種類や使用方法を説明。水消火器による実践訓練では「先生頑張って」と職員を応援する園児の姿も見られた。
その後、園児は同園駐車場で防火服の紹介を受け装備を約40秒で整えるもようを見学。子ども用の防火服に着替えたり、消防車両に乗車するなどさまざまな体験を通し、火災予防を学んだ。
市消防本部の中西淳消防係長は「熱心に取り組んでいただき感謝しています。子どもの頃から火災予防に触れることは重要。職員の皆さまには火災予防の大切さを広めてもらえたら。園児の皆さんには将来、消防士になりたいという夢を持っていただけたらうれしい」と話した。
丸本園長は「指導いただきました内容を職員で話し合い、毎月の訓練に生かしていきたいです」と語った。
訓練後、園児は隊員に対して元気いっぱい「ありがとうございました」と感謝を伝えた。
(2021年1月22日付紙面より)
熊野灘水難救済会を表彰 (第五管区海上保安部 )
串本海上保安署は18日、太地町の太地町漁業協同組合で、昨年11月に発生した帆船(ヨット)座礁事故の乗員救助に尽力した熊野灘水難救済会太地町支所(脊古輝人支所長=同町漁協組合長)に対し、第五管区海上保安本部長表彰の伝達を行った。
漁業関係者を中心に組織される同救済会は、海で遭難した人々の救助を行う民間のボランティア団体で、同町と串本町に支所がある。
同署によると、事故は神奈川県船籍の50~60代の男女3人が乗る全長9・8㍍の帆船が太地町沖で座礁し、118番通報を受けた同署が巡視艇むろづきで救助に向かったもの。当初はヘリコプターによる救助も検討していたが、夜間に加えてこの日は磯波もあったことから断念したという。
救助協力の要請を受けた脊古支所長と救助員の貝良文さん(同町漁協専務理事)、〆谷(しめたに)和豊さん(同町漁協参事)が漁船で駆け付けたが浅瀬のため、一度引き返し小型船に乗り換えて現場に到着。「明るくなるまで船で待機する」と話す乗員を同署の職員と共に救助し、小型船に乗せて港まで連れ帰った。その数時間後には帆船の船体はバラバラになったという。
内海浩一署長は「水難救済会は明治22年から全国で設立されている歴史ある組織。むろづきは串本町から新宮市までをカバーすることになるため、熊野灘水難救済会の皆さまは非常に心強い存在。感謝しています」と話した。
貝さんは「磯を知らないと危険。二次災害が発生する危険性がある。バラバラになった船体は3日間かけて漁協の組合員が有志で片付けてくれた。漁協も休業補償や漁業補償も要求しなかった。こういうときはお互いさま」と語った。
脊古支所長は「朝、現場に行ってみてびっくりした。船体がバラバラになっていた。助けることができてわれわれもうれしいです」と話した。
(2021年1月20日付紙面より)
熊野那智大社で節分準備進む (那智勝浦町 )
2月2日(火)の節分を前に那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では「鬼面札」や福升の準備が行われている。18日は神職や巫女(みこ)が鬼面札作りの作業を進めていた。
災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福桝(ふくます)」を作っている。鬼面札はしめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で昭和44年に3代前となる篠原四郎元宮司が作成した木版画で翌45年から授与。独特の絵柄が人気で昨年末から予約が入るという。
神職が縦35㌢、横45㌢の画仙紙に那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け1枚ずつ刷り出し、巫女が「那智宮印」を押して、2000枚を仕上げる。モミの木製の福升は5合升せ1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれ350個作るという。
𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は猛威を振るう新型コロナウイルスの現状に触れ、「今年は特に厄災の象徴とされる鬼を閉じ込めた鬼面札には感慨深いものがあると思う。終息の願いも込めて作成しているのでおまつりいただき、少しでも安心感を持っていただければ」と話した。
鬼面札はこの日の午後から社頭で授与が開始。鬼面札は1枚800円、福升は1500円、福豆が300円。郵送授与希望時は別に送料が必要で、申し込みはFAX(0735・55・0643)かメール(nachi@kumanonachitaisha.or.jp)で受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。
同社によると、124年ぶりとなる来月2日の節分行事はコロナ対策を万全に施し、午前10時と午後1時から実施するという。
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■那智山青岸渡寺では
西国三十三所第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)では例年多くの参拝者が訪れる「節分会豆まき会式」を新型コロナの感染拡大防止の観点から中止する。
同寺によると、節分で使用する祝升の作成や豆まき行事は実施せず、節分のご祈とうのみ執り行うという。
(2021年1月20日付紙面より)
町WSを挑戦の第一歩に (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部(森陽翔部長、部員20人)が18日、串本町のロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加した。同部は打ち上げ時の地域貢献を今後の活動の中に思い描いていて、その挑戦の第一歩として同事業に対する意見をまとめつつ自分たちにできることを探った。
このWSは、同町が本年度誘客多角化等実証事業の一環で実施。住民がロケット事業を自分事と意識できるよう基本情報を託して意見を聴取する目的で、学校や町民を対象にして開いている。
その割り当てを得た同校は、第2回宇宙シンポジウムin串本に参加するなど関心が高い同部が受けることとした。事前の調整で部員はこのWSの序~中盤のロケットや人工衛星の基本情報をすでに得ていると判断し、教材「スペースポート紀伊まるわかりブック」を配って説明に代える形にして省略。終盤の内容「ロケット打ち上げを楽しもう」の解説を足掛かりにして同事業への意見をまとめる流れでこのWSに取り組むこととした。
講師は南紀串本観光協会付けで要請を受けた坂本直弥さんが担当。打ち上げにはさまざまな関わり方が考えられることや、地域が迎える見学者にはコアな人(=ロケット好きで通う人)とライトな人(=興味が湧いて見に来る人)がいるなどの特色を伝えた。
その内容を踏まえて部員は四つの班に分かれ、▽食▽土産▽リピートのこつ―の3項目で個々のアイデアを集約。項目内区分をしながら考えを深め、班の意見として全体発表した。
食の面では見学時の軽飲食は不可避でその前後で地元の名物も味わってもらうことも含めてロケットと絡め楽しんでもらう、土産の面でもロケットにちなんだ文具や小物、菓子など身近なグッズでロケットを感じられるような商材開発を進める、といった傾向を帯びたアイデアが複数挙がった。
リピートのこつでは▽スタンプラリー(=見学回数に応じて非売品を贈呈)▽フォトコンテスト(得た秀作を商材開発に生かす)▽専門家による講演会(見学の付加価値を増す)▽マグロ解体ショーなど地元ならではの企画との連動(見どころを増す)―などのアイデアがあり、オブザーバーとして出席した同町企画課ロケット推進グループの宮本宏保さんや平井治司さん、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長が印象や質問を寄せた。
最後に講師とオブザーバーが講評をして、部員の今後の挑戦を期待。宮本さんはいつもとは違うWSとなったが意見聴取の点ではとても勉強になったとして、部員の意見に感謝した。
このWSをコーディネートした清野祐介顧問は「CGS部としてできることを具体化する道のりは遠いがそれでも考えて具体化を進め、初打ち上げの時にここにいるみんなで何かができるよう行動していこう」と部員を鼓舞してWSを締めくくった。
(2021年1月20日付紙面より)
御燈祭りに向け事故防止協議会 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社双鶴殿で18日、御燈祭(おとうまつ)り事故防止協議会があった。上野顯宮司をはじめ、新宮警察署や市消防本部など関係者ら約15人が出席し、2月6日(土)の祭り当日に向け、連携して取り組むことを確認した。
冒頭で上野宮司は「新型コロナウイルス感染予防の観点から、今年は健康を考慮して上(あ)がり子および報道関係者、一般撮影者の入山を禁止することとしました」とあいさつ。「毎年、約2000人の上がり子が神倉山の山門内に密集するため、クラスター感染が発生する可能性が非常に高いと憂慮し、今回の結論に至った」と経緯を説明した。
会議では▽一般の参拝者は神倉神社の太鼓橋にロープを張り、当日の正午に入山を止める▽新宮消防署・消防団において山内に防火体制が取られる▽翌日7日(日)の餅まきを中止する―などを確認した。
上野宮司は「コロナ禍で大変な時期ではあるが、祭りの本義を考える良い機会を与えてくれていると感じています。寂しい祭りと捉えられるかもしれないが、決して『縮小』ではなく本来の姿が現れるのではないかと思っている。気を抜くことなく、例年と同じように進めていきたい」と話していた。
(2021年1月20日付紙面より)
トヨタカップ県小学生サッカー東牟婁予選
新宮高、近大新宮高生らが出発
これまでの大学入試センター試験に代わって初めての「大学入学共通テスト」(第1日程)が16日、17日(日)、いよいよ実施される。15日には、新宮市内の県立新宮高校、近畿大学附属新宮高校生らが、和歌山市の試験会場へと出発した。
大学入学共通テストは、政府が推進する「大学入試改革」の一環。目玉であった英語民間試験や国語・数学の記述式問題の導入見送り、新型コロナウイルス感染拡大による長期の臨時休校、直前の緊急事態宣言発出など、波乱の幕開けとなった。
会場では新型コロナに対応した試験実施のガイドラインに沿い▽席間距離の確保▽マスク着用の義務付け▽手指消毒▽換気▽試験室の机・椅子の消毒―などの対策が取られる。試験当日は自主検温などの健康観察を行い、その結果を記録して試験会場へ持参。体調が万全でない場合は、追試験の受験申請ができる。
近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)からは3年生127人中88人が受験。JR新宮駅前に集合した生徒たちに池上校長は「コロナ禍の中、教職員や保護者など大勢の協力があり、チャレンジの機会が与えられている。良い結果が出せるよう、教職員一同切に願っている」と激励した。
松田頼義進路指導部長は「3年間の集大成となる共通テスト。現地では密になって会話しないよう注意を」と呼び掛けた。3台の貸し切りバスで出発する受験生たちに、教職員や保護者が手を振って見送った。
県立新宮高校(前田成穂校長)は3年生198人中64人が試験に挑む。同校会議室であった出発式では、前田校長が「『人事を尽くして天命を待つ』の姿勢で、目の前にある試験に対し、今までやってきたことを出し切って」とあいさつ。「絶対に自分に負けないという強い気持ちを持って乗り切ってください」と激励した。
会議室の黒板には「頑張れ新高生!!希望の天地を開かんともに」と校歌の一節を引用した教職員からのメッセージを掲示。生徒たちは3台のバスに分かれて乗車し、教職員らに見送られ同校を出発した。
全国の志願者数は第1・2日程合計で53万5245人と、前年のセンター試験よりも2万2454人減少。和歌山県の試験会場では3397人が受験する。第1日程の初日は地理・歴史・公民、国語、外国語、2日目は理科と数学の試験が行われる。第2日程は30日(土)、31日(日)の予定となっている。
(2021年1月16日付紙面より)
不当要求防止責任者講習 (新宮市 )
(公財)和歌山県暴力追放県民センター(以下、暴追センター)は14日、新宮市の福祉センターで「令和2年度不当要求防止責任者講習」を開いた。公務員や法人、個人事業者など新宮警察署管内の43人が参加。DVD鑑賞や講義を通して反社会的勢力の不当な要求に対処する必要性を学んだ。
県公安委員会の委託を受けて暴追センターが主催する講習会で、事業所ごとに選任された不当要求防止責任者が対象。講習を終えると受講修了書
が交付される。
県内では年間35回ほど実施しており、県内の受講対象者は約2800人で、本年度は約1600人が研修を受ける見込みとなっている。
不当要求防止責任者とは「不当要求による事業者および使用人等の被害を防止するために必要な業務を行う者」と位置付けされ▽不当要求に対応する事業所の対応体制の整備に関する業務▽使用人等に対する指導教養の実施に関する業務▽不当要求による被害が発生した場合の被害状況などの調査および警察への連絡などに関する業務▽暴力団排除組織との連携、その他被害を防止するための業務―を行う。
講習会では、暴追センターの谷口政行専務理事らが、暴力団に対する基礎知識や不当要求行為などの実態、暴力的要求行為の規制などについて講話。
▽口止め料を要求する▽不当贈与要求行為▽みかじめ料要求行為▽不当下請等要求行為―など、暴力団対策法で禁止されている27の行為などについても説明した。
現在の全国の暴力団勢力は約2万8200人(準構成員1万3800人)、指定団体は24団体。県内では指定暴力団7組織、約100人の暴力団勢力を把握しているという。
(2021年1月16日付紙面より)
関係者らが熊野那智大社へ (那智勝浦町 )
那智勝浦町産のイチゴの振興と豊作を願い、那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近(くわの・としちか)組合長)とJAみくまの農業協同組合(漆畑繁生組合長)が14日、熊野那智大社(男成洋三宮司)に和歌山県のオリジナル品種のイチゴ「まりひめ」約8㌔を奉納した。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、生産農家や町立市野々小学校児童、同生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」、同町イメージキャラクターの「なっちー」らの参列をやめ、恒例の平安衣装によるイチゴの振る舞いも中止した。
奉納神事には、桒野組合長やJAみくまのの村上勝俊経済担当常務を含む関係者ら6人が参列。祝詞奏上後に巫女(みこ)が「那智の滝舞」を奉納し、桒野組合長が代表して玉串をささげ、金幣(きんぺい)の儀が行われた。
JAみくまのによると最盛期、同組合のイチゴ農家は45人、栽培面積は4・5㌶に達するほどの勢いだったが、生産者の高齢化などで栽培が減少傾向となっていた。
現在は若者を中心に再建され、8軒の農家が約60㌃の農地で栽培している。昨年9月からIターン者が1人、イチゴの新規就農者として研修に取り組んでいるという。
奉納されたまりひめは紀州の伝統工芸品「紀州手まり」にちなみ、命名された東牟婁地方を代表する特産品。同町太田地区が主要産地で、果実は大きめで甘みが強く酸味もほどよいのが特徴。
奉納を受けた男成宮司は「コロナによる厳しい状況の中、自然の恵みに感謝をささげます。豊作と組合の発展、農家の皆さまのご健勝をお祈りしております」と話した。
今年のイチゴの出来は順調で、出荷のピークは先週だったという桒野組合長は「まりひめはほとんどが地元消費。コロナで帰省客も少なくイチゴの価格も少し落ちた」。
今年の抱負については「早期のコロナ終息を願っている。イチゴや農業にも関係してくるため、観光業が豊かになってほしい」と語った。
(2021年1月16日付紙面より)
観光関係2施設休業発表 (串本町 )
東京など1都3県に続き13日は大阪や愛知など7府県にも発令された緊急事態宣言。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は串本町域へも強く及び始め、14日現在で観光関係2施設が休業を発表する状況となっている。
本州最南端のランドマーク・ドライブイン「潮岬観光タワー」を運営する熊野観光開発株式会社は14日付で、翌15日以降当面の間臨時休業とすることを発表。最近の新型コロナウイルスの情勢を鑑みての判断で、展望機能を有する同タワーと付帯する売店およびレストラン、無料休憩所「エルトゥールル館」の全体を休業の対象としている。
再開時期は決まり次第公式ホームページで知らせるとしていて、同社ドライブイン事業部は近畿・東海圏の緊急事態宣言や近隣の感染拡大の状況を見てその判断をするとして理解を求めている。
今回は那智山観光センター(那智の滝前売店含む)と瀞峡めぐりの里熊野川も臨時休業の対象。道の駅くしもと橋杭岩は引き続き午前9時~午後5時に営業する。
元日の初日の出観望をピークとし、以降急減衰している町域の観光動態。今年最初の連休に潮岬望楼の芝キャンプ場の有料期間対応があったが、寒波とコロナ禍で期間中の利用者数が延べ55人(泊)にとどまるなど、その一端をうかがわせたところでもある。
観光客の宿泊拠点の一つ、大江戸温泉物語南紀串本も13日付で、新型コロナウイルスの感染拡大を背景にし19日(火)から国の緊急事態宣言の期限とされている2月7日(日)まで一時休館する旨を公式ホームページで発表。南紀串本観光協会によると14日現在で休業を発表しているのは1施設だけだが、減衰はどの施設も直面する状況で波及が懸念されるところとなっている。
役場産業課によると、町営の4施設(トルコ記念館、樫野埼灯台旧官舎、日米修交記念館、潮風の休憩所)は14日現在で休館の考えはなし。南紀熊野ジオパークセンターも同様だが、停留所としている施設の二つが休業へ入る影響を受ける観光周遊バス「まぐトル号」の運行は継続しているものの当面は厳しい乗車状況になると不安視している。
(2021年1月16日付紙面より)
GIGAスクール構想 (新宮・東牟婁 )
黒板と教科書、ノート、鉛筆。そんな子どもたちの学習風景が大きく変ろうとしている。新型コロナウイルス感染拡大が追い風となる形で政府が推進する「GIGAスクール構想」では、義務教育段階の児童生徒に1人1台の学習用パソコン(PC)端末と高速大容量ネットワーク環境(校内LAN)を整備し、個人に最適化された教育環境の実現を目指す。
新宮・東牟婁地方の各自治体や教育現場でも本年度、タブレットPC導入や校内LAN整備工事、教職員研修、オンライン授業研究などが進んでいる。早ければ年度内にも、児童生徒が学習用端末に触れる授業が開始される。
太地町立太地中学校では12日、「1人1台パソコンの導入に係る操作研修」が行われた。町内小中学校の教職員25人が参加し、実際にタブレットPCを使いながら操作方法を学んだ。
講師の赤井俊哉さんは、共有ドライブに保存した作文の添削やコメント、協働編集によるスライド作りの手順などを教えた。教職員からは「使いこなすにはもっと実践が必要だが、端末の立ち上がりも早く、授業で使えそうな便利な機能もたくさんあった。特にグループでのスライド作りは操作も簡単で、資料作りと発表が一つの端末でできる」との声があった。
新型コロナ第3波により首都圏1都3県に緊急事態宣言が発出され、関西や東海など7府県の追加も見込まれる中、遠隔授業の環境整備を含む情報通信技術(ICT)活用は喫緊の課題だ。それに加え、山間部のへき地学校や複式学級を多く抱える当地方では、ICTが子どもたちの学習を支え、人々との交流の輪を広げる手段となる可能性を秘めている。今後の各自治体の取り組みに注視が必要だ。
(2021年1月14日付紙面より)
三役が市長ら表敬 (新宮青年会議所 )
一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の梅村英義理事長、和田祐幸副理事長、竹内知恵利専務理事の三役は12日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長と速水盛康教育長を表敬訪問した。新年のスタートに当たっての意欲を伝えるとともに事業への協力などを呼び掛け、新年のあいさつとした。
「温故知新~変化のとき~」をテーマに掲げる今年の新宮JC。梅村理事長は「去年は新型コロナウイルスの影響でほとんど事業ができなかった。今年は『コロナだからできない』のではなく『コロナでもできる』ように事業を模索していきたい」と、会員拡大に向けた取り組みや青少年育成事業、新宮JC杯中学新人サッカー大会の開催などへの意欲を示した。行政や学校ができない役割を担っていきたいと抱負を語り「自分たちだけでできないことも多いと思う。そのときは行政とタッグを組ませていただければ」と協力を求めた。
新宮JC第32代理事長を務めた経緯のある田岡市長は「地域と学校の関係が希薄となる中、JC会員が小中学校を訪問し自分の仕事について講話した事業は楽しかった」などと当時を振り返り会員らにアドバイス。
また、新宮JCで7年間取り組んだこと、理事長を務めた経験は自身の人生のターニングポイントだったと語り「一生懸命頑張るということは多くを学べるということ。仕事と活動の両立は大変だと思うが頑張りは自分の成長につながる。(JCの活動は)短い期間だが一生のうちでも貴重な時間になると思う」と激励した。
(2021年1月14日付紙面より)
塩竃神社で「脊美祭り」神事斎行 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で10日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者約10人が参列し、商売繁盛や船の安全などを願った。
脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承しており、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016(平成28)年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。
例年は井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取って西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(鈴木伸社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などが披露され、にぎわいを見せているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小し神事のみの斎行となった。
厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上。参列者が順番に玉串をささげていき、一日も早いコロナウイルスの終息を祈念した。脊美祭り前には豊漁などを祈願する弁天祭りも行われた。
並川区長は「昨年秋の例大祭に続き、獅子舞などができずつらくて寂しい。終息を願い、平常通りの行事ができることを祈っています」。神事を終えた井谷宮司は規模縮小について残念の一言と述べ「脊美祭りは地域の伝統ある特別の祭り。若い人たちも継承しようと頑張ってくれています。来年こそは活気ある通常の祭りができれば」と話していた。
(2021年1月14日付紙面より)
オンライン面会環境整う (くしもと町立病院 )
くしもと町立病院がこのほど全病室にWi―Fi(ワイファイ)環境を整え、今月4日から全患者を対象にオンライン面会のための通信機器貸し出しも始めた。
入院患者にとって面会に訪れる家族の存在は加療の励みとなるところ。他方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う面会制限は少なからずその機会を奪っている。この状況下でどうすれば入院患者が相応の励みを得られるかを考えた竹村司病院事業管理者は、オンライン面会の手法を導入できないかを昨夏に着想。以降同病院を挙げて実現を目指してきた。
院内は旧来、1階待合室と3、4階のデイルーム限定でWi―Fi環境があり、持ち込みの通信機器で独自にオンライン面会をする患者もいた。しかし病室から動けない患者や通信機器の操作が苦手な患者、通信機器を持っていない患者にとっては縁遠い利便。そこで通信機器が患者に与える影響を確かめた上で▽Wi―Fi環境を全病室へ拡大▽貸し出し用通信機器(タブレット)を確保▽医療スタッフによる通信支援―の3項目を県の新型コロナウイルス関係補助金を活用して整え、全患者が家族とオンライン面会できる状況を形にした。
同病院が貸し出す通信機器の利用対象は患者の家族で、オンライン面会できるのは祝日を除く月~金曜日の午後2時~4時。▽面会時間は最大5分▽1週間につき1回まで―といった条件をつけ、数に限りがある通信機器を多くの患者で活用できる状況を目指している。
LINE(ライン)通話を使った面会となるため、家族側の通信機器にも相応の設定が必要。患者側の通話にはスタッフが対応する(病院側から家族側へ通話を発信する)ため利用は事前予約制とし、前述した曜日時間帯中に同病院(初回のみ電話0735・62・7111、2回目以降はLINEトークを使用)へ希望する日時の前日までに家族側から申し出てほしいという。以降は担当するスタッフとの調整となる。
同病院は今月7日に新宮保健所管内で陽性患者が出たという発表を受け、翌8日から患者の付き添い人と病院が来院を求めた人以外は面会禁止とする対応を取っている。名田倍也事務長は「今は患者と直接面会できないが、代わりにオンライン面会で入院する家族を支えてほしい」とし、それが可能となったことの周知と活用の促進に努めている。問い合わせは同病院まで。
(2021年1月14日付紙面より)
那智勝浦町体育協会
軟式野球体験練習会 (新宮黒潮ベースボールクラブ )
ジュニア駅伝チームが本番に向け練習 (那智勝浦町 )
熊野速玉大社の「熊野神宝館」 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の「熊野神宝館」で、屋根のふき替えと下地の修繕工事が進んでいる。工事に伴い、同館は昨年10月から休館しており、3月末の工事完了を予定している(工事延期の可能性あり)。
このたびの工事は老朽化に伴うもので、同大社は第1弾として屋根および下地、天井の修繕に着手した。
同大社が発行する「国宝古神宝類」によると、1950(昭和25)年の文化財保護法施行以降、彩絵(さいえ)檜扇(ひおうぎ)5握をはじめとする多数の古神宝670(内容品、付属品を計上すると1204)点が55(昭和30)年に新国宝として指定を受けた。
同館はそれを記念し57(昭和32)年に新築工事に着工したもので、敷地面積373平方㍍、鉄筋コンクリート造り彩色仕上げ、瓦ぶき屋根の建物は同年12月31日に竣工(しゅんこう)した。以来、60年以上にわたり国宝神宝類の一部、金銅装神輿(みこし)、朱塗り神幸船(しんこうせん)、糸巻太刀など、数々の重要文化財や県・市の指定文化財および古文書などを保存・展示してきた。
同書によると、神宝(神の調度として皇室から献納された宝物)の全国的に現存する遺品は極めて数が少なく、わずかに熱田神宮、春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮と同大社(阿須賀神社含む)とに限られており、また、同大社古神宝の調進年代など、各社殿別に品目を記した「熊野新宮御神宝目録」の写しが佐藤春夫の父・豊太郎によって21(大正10)年に奉納されている。
(2021年1月10日付紙面より)
天御中主神社で例大祭など (新宮市 )
新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で9日、例大祭と厄除(よ)け祈願祭、寿祭が営まれた。今年厄年に当たる人などが参列し、今年一年の無事や新型コロナウイルスの終息を祈った。
例大祭では、髙橋宮司の祝詞奏上に続き、同神社氏子会の石垣倍生総代長、当家(とうや)当主の北道篤志さん、前田道春佐野区長らが玉串を供えた。新型コロナ感染防止の観点から、毎年大勢の地域住民でにぎわう餅まきは中止となった。
同神社の例大祭は佐野区の上地、中地、下地、永田の4地区の持ち回りでしめ縄付け、餅作りなどの準備をする当家を務めている。今年は中地地区が当家を務めた。
神事後、北道さんは「当主を務めることができて光栄。今年は新型コロナが収まり、皆さまにとって幸多い年となるようお祈りします」とあいさつ。
石垣総代長は「皆さまのご健勝やご活躍、郷土繁栄、新型コロナの終息などを祈願しました」と話していた。
(2021年1月10日付紙面より)
初薬師の法要営む (紀宝町 )
新年最初の薬師の縁日に当たる8日、薬師如来をまつる各寺院で初薬師の法要が営まれた。紀宝町では鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺や、平尾井の平尾井薬師堂でも祭典が執り行われた。
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紀宝町鵜殿の醫王山東正寺(片野晴友住職)では、本尊の薬師瑠璃光如来を開帳し、初薬師大般若会(だいはんにゃえ)を営んだ。寺の役員らが訪れ、家内安全、心願成就、疫病退散、新型コロナウイルス感染症の早期終息などを祈願した。
普同三拝、心経読誦(どくじゅ)に続き、600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読が行われ、参拝者らが順に焼香した。
片野住職による法話では「続けることは根気がいるが、やるべきことを真面目に行えば、人は輝いてくる。まねを続ければ、やがてそれが本物になる」と話し、「普通の生活を送れることに感謝し、一日一日を大切にしてほしい。今日やるべきことはやって、明日目覚めなくても悔いが残らないよう努めて」と語りかけていた。
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平尾井薬師堂では毎年1月8日に営まれている「冬の大祭」が執り行われた。円通寺の山田耕治住職が読経し、一年の平穏、五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈願した。
今年は新型コロナウイルス対策として、密にならないよう参列者を制限した。また、「薬師の庭」と呼ばれる境内で行っている餅ほりも中止とし、餅俵のみを供えた。
参拝者は石段を登った先にあるお堂で鐘を突き、薬師堂に手を合わせた。参列した老人クラブ「平和クラブ」の林杜谷会長)は「新型コロナウイルスの終息と今年一年の平穏を願いました」と話していた。
白河法皇が熊野三山に御幸した際、逢野細谷(相野谷)の地に薬師堂の建立を勅願し許されたのが熊野三仏平尾井薬師だという。
薬師堂上の巨岩には、仏足跡と呼ばれる足跡の形が彫られ、高貴な方の参詣の証しとして刻まれたものといわれている。
(2021年1月10日付紙面より)
井関保育所に「よむよむ」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立井関保育所(桝本千惠美所長)で6日、絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあった。全園児15人が正月にちなんだ絵本に笑顔を見せ、楽しい時間を過ごした。
町立図書館や保育所などで20年以上活動を続ける同会には町内在住の6人が所属しており、この日は中村起代子さんと伊藤松枝さんが来所した。
園児は2グループに分かれて読み聞かせに耳を傾けた。大型絵本「おめんです」では、面の下に誰がいるのか予想し、面白おかしい回答に初笑い。おせち料理や年賀状、たこ揚げ、福笑いなどの正月の過ごし方を描いた「あけましておめでとう」や餅が大好きなお殿様が登場する「おもちぶとん」の世界に引き込まれていた。
読み聞かせの後は、「たこのうた」と「カレンダーマーチ」を歌ってお礼をした。1月中は、保育所で羽子板やたこ揚げ、かるた、こま回しなどの正月遊びをする予定だという。
(2021年1月10日付紙面より)