子ども団体の列車移動 (条件合致なら無料 )
紀勢本線活性化促進協議会新宮白浜区間部会の会合が19日、新宮市役所別館であった。20人が出席。主に同区間沿線の子どもの列車での団体移動に際し、同区間内の料金の一部を補助することを決めた。条件によっては実質無料となる。5月1日からの実施を目指す。
同協議会は、紀勢本線の活性化を目的に、県内24市町村で組織。その新宮白浜区間部会は、同区間の厳しい収支状況を受け設置した。白浜町以南の8市町村と県、JR西日本和歌山支社、和歌山大学で組織している。補助事業は行政とJR西より負担金を集めて行う。
補助の正式名称は「校外学習等支援事業」。同区間の沿線自治体と古座川町、北山村にある幼保小中高の子どもと引率者で構成する8人以上の団体が対象となる。
補助要件は、乗降に同区間内の駅が含まれていること。校外学習などで列車移動する際、同区間内の運賃および特急料金の一部を補助する。
具体的には、同区間内で特急を利用しない場合は普通運賃の全額、利用する場合は団体割引以外の全額が補助となる。例えば新宮・東牟婁の学校の団体が列車で白浜町に移動する場合、実質無料で行けることになる。同区間外まで移動する場合は、区間外は通常料金となる。
この他、「教育旅行誘致事業」として、教育旅行やスポーツ合宿で同区間内に来訪する団体に対し、料金の一部を補助することも決めた。これも同区間内での乗降が条件となる。
□ □
同支社による新宮―白浜間の現状説明もあった。平均通過人員(輸送密度)は同社単独運営の目安の1日当たり2000人を大きく下回り、2022年は793人。20~22年の3カ年平均で、必要な費用の11・9%しか収入で補えていないなど、厳しい状況が明かされた。
(2024年4月21日付紙面より)
民児協委員が防災拠点を見学 (紀宝町 )
紀宝町民生委員児童委員協議会(西村喜久男会長)に所属する委員20人が19日、3月に完成した道の駅「紀宝町ウミガメ公園」防災拠点施設を見学した。
円筒形鉄筋コンクリート造り2階建ての一時避難場所で、町が建設した防災タワー。高さ6・5㍍、床面積165平方㍍。海抜14・4㍍地点にあり、屋上(海抜20・5㍍)には地域住民や道の駅の利用者など最大200人が避難できる。
1階に避難場所、備蓄倉庫、トイレ、湯沸室を完備、2階、屋上は避難スペースとなっている。
町防災対策課の職員が施設を案内。「南海トラフ地震で予想されているウミガメ公園付近の最大津波高は11㍍となっており、看板により高い所を目指して避難してくださいと記載しています」などと説明した。
委員は屋上から高さを実感。整備されている倉庫など確認した。西村会長は「地震は人ごとではない。防災への意識が高まっており、施設を知る良い機会になった。今後も各所で見学会を開きたい」と話していた。
(2024年4月21日付紙面より)
世界遺産登録20周年記念 (那智勝浦町花火大会 )
第15回那智勝浦町花火大会の第1回実行委員会(串俊男実行委員長)が19日、同町役場で開かれた。今年も8月11日(日・祝)午後8時から約1時間、那智湾で開催することを決めた。
町民の手作りを基本理念に、追善供養を目的とする花火大会で、昨年コロナ禍を経て4年ぶりに再開した。今年は世界遺産登録20周年記念事業としても位置付ける。
実行委員会には南紀くろしお商工会、和歌山東漁業協同組合那智支所、那智勝浦観光機構、勝浦金融協会などから21人が出席。大会長の堀順一郎町長は「第14回大会には約2万8000人が参加し1300万円超の寄付が集まった。世界遺産登録20周年の節目の年。海外からの観光客もずいぶん増えており、今後を見据えた話し合いができれば」とあいさつした。
花火業者の選定について、事務局から従来通り複数事業者によるプレゼンテーションを実施する提案があったが「準備に携わる漁協関係者の準備・片付けの時間短縮や負担軽減の観点から、慣れた業者へ依頼することはできないか」との意見が出た。採決の結果、賛成多数で昨年と同じ高木煙火株式会社(岐阜県)に依頼することとした。
串実行委員長は「追善供養、納涼、そして世界遺産20周年を融合させ、町全体で満足してもらえる大会にしたい。どう花火で表現するのか、業者の感性にも期待している」と話していた。
(2024年4月21日付紙面より)
シーズン終盤に活気 (勝浦地方卸売市場 )
はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量日本一を誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場に19日朝、最大251㌔を含むクロマグロ28本が水揚げされた。シーズン終盤、巨大なクロマグロがずらりと並ぶ光景に市場が活気づいた。
うち21本は、高知県のマグロ漁船「益丸」が釣り上げたもので、漁港関係者に「マグロ漁師で知らない者はいない」と言わしめる。松島基晴船頭(53)は「今年は2、3月がさっぱりで、やっとという感じ。3本釣った時点で一度戻ろうかとも思ったが、もう1回ねばったらいっぺんに18本。こんなことは初めて」と喜びを語る。
前日に最大233㌔を含む7本のクロマグロを揚げた日の出丸(宮崎県)の島田実船頭(52)は「でかいマグロが泳いでいるのを見るのはやっぱりうれしい。益丸が釣ってくれたことで、次の楽しみが増えた」と話していた。
和歌山県漁連勝浦市場の太田直久市場長はマグロの計測に追われながら「魚体もいい大きさで、うれしい限り。150~200㌔台は高値が付きやすい。マグロ船に感謝しています」と語った。シーズンは5月のゴールデンウイークあたりまで。
(2024年4月20日付紙面より)
設置を記念してセレモニー (太地町 )
太地町は18日、町公民館でご当地ポスト設置セレモニーを開いた。漁野洋伸副町長や日本郵便株式会社近畿支社郵便・物流オペレーション部の松本光功集配担当部長、紀南地区連絡会の南方慎一朗統括局長らが出席し、ザトウクジラをモチーフにした青色のポストの除幕を行った。
町は地域を支え、寄り添って地方創生に取り組む郵便局の活動に賛同。連携して地域振興や観光資源化、町おこしを目的に寄付をする形で設置している。2021年には「包括的連携に関する協定」を締結している。今年は平見公園横に取り付けられ、町内では町立くじらの博物館、道の駅「たいじ」、JR太地駅、役場庁舎に次いで5基目となった。
制作は、1基目から手がけている地元メンバーで組織するグループ「ホエールアートミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが担当。鯨類の中でも最も優雅で人気の高いザトウクジラをキャラクターに、「クジラの町、太地町」にふさわしく、「クジラと海」をイメージした。完成には約2カ月を要した。
セレモニーでは、松本集配担当部長が「ご当地ポストが町民の皆さんが手紙を出すきっかけになってくれれば」。南方統括局長が「地域の価値を高めるため、積極的に今後も引き続き取り組んでいきたい」とあいさつ。
漁野副町長は日本郵便近畿支社や太地郵便局などの尽力に感謝し「今後とも強力なタッグを組んで、地域活性化つなげていきたい」と述べた。
式典後は平見公園横に移動し、設置作業を開始。旧ポストは長年の役目を終え、撤去された。
(2024年4月20日付紙面より)
新宮・新翔の統合高校 (9月の決定を目指す )
ともに和歌山県立の新宮高校(下村史郎校長)と新翔高校(宮井貴浩校長)の再編整備(統合)後の新校名について協議する作業部会「再編整備に係る校名等検討部会」が18日、新宮高校であった。委員18人が出席、6月に両校のホームページ内とはがきで公募を行うことなどを決めた。9月末までの最終決定を目指す。
2026年度に予定する両校の統合に向けて検討が必要となる、新たな校名や校章、校歌、制服などは、六つの作業部会で協議することになっており、新校名の作業部会はその一つとなる。両校の学校運営協議会や教職員、地域代表者の18人で組織している。
新校名の最終決定権者は県教育委員会となる。両校の合同の学校運営協議会「両校学校運営協議会委員による再編整備協議会」が新校名の候補を絞り込み、県教委に提案する。この日の作業部会は、同協議会に候補としてもらう新校名案をどのように募るかを話し合った。
新校名が決まらないと校章や校歌など、多くの協議が進まないことから、9月末をめどに最終決定してもらうとの方針が示された。これを念頭に公募は6月となった。1人1票が原則で、「新宮」「新翔」のどちらかを選べるほか、「それ以外の新校名」を望む場合は記入でき、いずれの場合も選んだ理由と氏名を記入するとした。
はがきの場合も条件は同じで、両校のどちらか宛てに送付となった。公募に居住地の制限は設けず、また統合後の同校に進学することが予想される小中学校生にも事前周知すると決めた。
集まった案は7月に、新校名の作業部会で整理し、合同の学校運営協議会に絞り込みを託す予定となった。同協議会が県教委に提案する候補数は定まっておらず、複数の可能性もある。
(2024年4月20日付紙面より)
2024年度スクラッチ杯 (那智勝浦ゴルフ倶楽部 )
新宮信金理事長杯 (ソフトテニス )
【第71回】春野菜でデトックス
すっかり春の気候になりました。桜も散り始めて、どんどん暖かくなりますね。春といえば、「ふきのとう」「つくし」「たけのこ」「うど」「せり」などあくが強くて、苦味のある野菜が多いです。「春の皿には苦味を盛れ」といわれますが、この苦味やあくは、とても体にいいんです。
春野菜は、寒さが厳しい時期に、じっと栄養を蓄え続けて、苦味成分をじっくりとため込んでいきます。やっと暖かくなり芽を出した時に、動物や害虫に食べられるのを防ぐために苦くなるといわれています。この苦味成分は「植物性アルカロイド」や「ポリフェノール」に由来するもので、新陳代謝を促し、強い抗酸化作用があります。さらに、活性酸素を抑えるので、細胞の若返りも促進し、精神的なストレス改善にも効果が期待できます。熊が「ふきのとう」を食べてデトックスしているという説もあるくらい、春の苦味は体にいいんです。
私はこの苦味やあくが多い、クセの強い野菜が大好きですが、やっぱり娘には人気がありません。子どもたちの味覚は、とても敏感なので、なかなか食べてくれないということもありますよね。幼少期のお子さんであれば、「一口だけ食べてみて」と促して、一口食べて「苦い!」となって吐き出してしまっても、それも立派な食育です。春の食べ物は苦いんだと知ることや、それを大人はおいしそうに食べるのを見るだけでも、将来の食意識は変わってきます。でも、少し大きくなると、食べてもらいたいですよね。
苦味を軽減する調理法は、いくつかあるのですが、私のお勧めを三つご紹介します。一つ目は豚肉と合わせることです。豚肉の脂は、春野菜の独特の苦味を軽減してくれます。豚肉は、脂が多いバラ肉を使うのがお勧めです。一緒に炒めるのもいいと思いますし、薄切りのバラ肉で巻いて、照り焼きにしたりするのもお勧めです。二つ目は、チーズと合わせることです。フライパンにオリーブオイルなどをしき、軽くソテーした春野菜に、ピザ用チーズをかけてふたをして溶けたら完成。とっても簡単ですよね。たっぷりのチーズと一緒になら子どもも食べてくれることが多いです。クリームソースと合わせてグラタンにするのも良いと思います。三つ目は、油で揚げることです! 春野菜は天ぷらにするのが定番ですよね。油で揚げることで苦味は軽減されます。天ぷらもいいですが、フライもお勧めです。フライにしてマヨネーズやソースをつけて食べれば、子どもたちも喜ぶごちそうになります。
苦味の強い春野菜ですが、デトックス作用があり、とても体には良いので、いろいろ工夫して、今しか味わえない春の味覚を楽しんでみてください!
(2024年4月20日付紙面より)
高田地区が新宮市に要望 (200人分の署名も添えて )
新宮市の高田地区の区長3人は18日、「高田相賀線~佐野・蜂伏地区の林道の早期開通を求める要望書」の提出のため、新宮市役所を訪れた。要望書と約200人の署名を手渡し、早期実現を求めた。田岡実千年市長は調査検討する予定を伝えたほか、実現に前向きな姿勢を示し「共に頑張りたい」と応じた。
提出は谷下孝志・総区長(=里地区長)、中道活好・西地区長、輪野利明・口地区長が訪れた。地域おこし協力隊の松露将典さん、新宮市議会の百村匡洋議員、𠮷良康利議員も同行した。
要望では、紀伊半島大水害で高田地区が孤立したことに言及。「県道高田相賀線と佐野・蜂伏地区への林道を直結することで災害時の孤立解消につながる」と訴えた。▽緊急物資の搬送や救急ルート確保▽スポーツ合宿誘致に寄与▽大型商業施設への交通の利便性が向上▽林業の発展に寄与▽医療センターへの緊急搬送時間が短縮―などをもたらす「命の道になる」と結んだ。
高田と佐野・蜂伏地区をつなぐ林道については20年以上前に、市が調査したが地盤がもろく、断念した経緯があった。しかし3月の新宮市議会の一般質問で当局は再び「調査検討に着手する」と答弁していた。要望の場で担当課は「県とも協力してルートの検討や所有者の確認などをやっていきたい。(調査に)2年ほどかかる予定。迂回(うかい)しつつ12~13㌔(の距離)になるかな」と明かした。
𠮷良議員は「20年前と違い、今はAIやドローンがある。もっと良いルートを見つけられる可能性がある」と指摘。田岡市長は「林道整備の県の補助が10%から25%に増え、やりやすくなった」と明るい材料を提供した。谷下総区長は「一日も早い開通を願っている。よろしくお願いします」と呼びかけた。
□ □
市による林道の計画とは別に、県による高田相賀線の道路改良工事も進んでいる。高田へと続く県道が通る相賀地区の浸水(道路冠水)解消を目指したもので、約2㌔にわたる道路を三つの工区に分けてかさ上げするほか、トンネルで一部をつなぐ。完成時期は未定となっている。
(2024年4月19日付紙面より)
ダイブポイント3カ所へ (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(谷口勝政会長、23店舗)が17日、串本沖のダイブポイント3カ所にアオリイカの産卵床を設置した。
ダイビング客に好評のアオリイカの姿やその産卵のシーンを着実に観察してもらいやすくするための取り組み。この産卵誘発はアオリイカの資源増強につながるとして今年も日本釣振興会が協賛し、その実施を後押ししている。
環境への負荷を抑えるため、人工物ではなく自然へ戻りやすい天然木で床を仕立てる点が同組合のこだわるところ。今年も前日に長さ3㍍前後で切り出した枝葉複数本を準備し、当日はダイバーら15人が手分けして同ポイント「備前」「イスズミ礁」「グラスワールド」の各海底へ沈めて束にし固定したという。
この取り組みを主導した中井嘉昭さん(50)によると、串本沿岸海域におけるアオリイカの産卵のピークは例年5月下旬~6月上旬ごろだが昨年は設置翌日にはさっそくアオリイカが寄って産卵を始めたそうで、「今年も(ハイシーズンの)ゴールデンウイーク前に産卵を始めてくれることを祈るばかり。この話題が多くのダイバーに認知され、串本の海へ潜りに来ていただけること、串本を知り地域内外が盛り上がることにつながれば」と今後の反響を期待して語った。
産卵床は付いた卵のふ化が全て終わるまで設置予定。その見極めをした上で、残った枝や固定するためのロープ、土のうなどを回収するという。
(2024年4月19日付紙面より)
自動運転車両が暖海地区に (太地町 )
太地町は15日から、自動運転車両による移動支援サービスを暖海地区方面にも拡大した。新ルートは町多目的センターを発着点としており、施設内の歩行プールやトレーニングマシンを気軽に利用できるようにすることで、高齢者の移動手段確保のみならず、健康増進や介護予防への波及効果も狙う。
「全町公園化」のビジョンを掲げる同町では、2022年に大東地区方面で自動運転サービスをスタート。車両はゴルフ場向けのゴルフカートに自動運転システムを搭載したもので、道路に埋め込まれた誘導線を感知して決められたルートを走る。5人乗り。
誰もが無料で乗車でき、昨年度の利用者は1万479人。台風などの荒天時以外は365日運行。運転補助員が同乗しており、手を上げればルート上のどこでも乗降できる。
新ルートの熱海地区は昭和40年代に埋め立てられた町内の人口密集地にあり、人口355人、高齢化率54・6%。暖海地区内を縫って多目的センターや役場、漁協スーパー、坂野医院などをつなぐ。
1周約30分で、始発の午前8時22分から午後5時35分まで、2台体制で22便を運行。町役場は「誰でも無料なので、気軽に乗ってみてほしい」と呼びかけている。
ルート拡大で利用者増が見込まれる多目的センターには町社会福祉協議会や町包括支援センターが入っており、社協の岡本研会長は「自動販売機もあるので、コーヒーなどを飲めるサロンスペースを設けるなどしていきたい。施設内にはケアマネジャーや理学療法士、社会福祉士などもおり、健康相談もしてもらえたら」と語る。
16日に利用した60代男声は「今からスーパーに夕飯を買いに行く。以前買い物帰りに雨が降ってきて、帰りに乗ったこともある。一応車もあるが、公共交通があると便利」と話していた。
(2024年4月19日付紙面より)
市婦連と赤十字団が総会 (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会と市新宮赤十字奉仕団の総会が16日、同市野田の市福祉センターであり、昨年4年ぶりに再開した「愛の日バザー」を11月に開催するなど本年度の事業計画を確認した。
両団体は所属する会員、団員が同じため総会は同時に開会している。市婦連は家庭や社会の福祉増進を図り、明るく平和な地域社会の実現を目的に、赤十字団は赤十字の思いを通して、明るく住みやすい社会を築くことを目的に活動している。
総会には会員・団員約30人が出席し、両団体の昨年度の事業報告、決算報告、本年度の事業計画案と予算案の各4議案を承認した。本年度は11月に「愛の日バザー」を行うほか、「人の和フェスティバル」への協力(7月)、人権学習会(11月)、「新宮元気フェスタ」への参加・協力(来年2月)、福祉施設への慰問などを予定している。
あいさつした市婦連の劔持幸代会長は「昨年はコロナも落ち着き、4年ぶりに愛の日バザーを開催することができた。少子高齢化だが、助け合い、楽しい日が過ごせるよう今年も頑張りましょう」。赤十字団の仲富美子委員長は昨年度の活動を振り返った上で、「一人一人の善意が多くの人を救うことができる。今年も皆さんのご協力をお願いいたします」と呼びかけた。
来賓の市健康福祉部の中上清之部長と市社会福祉協議会の大谷康央事務局長もあいさつし、日頃の活動に感謝を伝えた。
(2024年4月18日付紙面より)
小口自然の家 (新宮市 )
新宮市熊野川町の小口自然の家で、こいのぼりが掲げられた。施設前の広場の上空に黒、赤、青の大中小3匹が、風になびいている。
同所では12日に掲げられた。今のところは3匹だが今後は数を19匹まで増やす予定という。丸石輝三支配人は「施設やキャンプ場への来客に歓迎の意味を込めて飾る。喜んでもらえたら」と話していた。
こいのぼりの風習は、江戸時代に武家で始まった。コイは滝を登って竜になるとされていることから、立身出世の象徴と見なされており、これにあやかって男児が健やかに成長することを願って5月に掲げられる。
(2024年4月18日付紙面より)
那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長)の全校児童21人が17日、いちご狩りで学校近くの太田農園を訪れ、大きくて甘い「まりひめ」をおなかいっぱい堪能した。
和歌山県オリジナル品種「まりひめ」の生産地である太田地域。毎年新1年生の歓迎も兼ね、同農園の太田美保さんが子どもたちを招いている。
ミニバケツとハサミを持った児童たちは、次々にいちごを収穫。中には子どものこぶし大のものもあり、その場でパクッとかぶりついた。家族への土産も持ち帰った。田んぼの水路でアカハライモリやカエルを捕まえて観察する姿もあった。
西紗代さん(1年)は「おなかいっぱい。学校は楽しい」。松下元気君(同)は「いちご狩りは初めて。甘いのやちょっとすっぱいのがあった。他のクラスの子の名前を覚えているところ」語った。学校では1年生の歓迎会もあり、全校児童で一緒に遊んだ。
太田さんは「子どもたちが喜ぶ姿が見られてうれしい」。今年の収穫状況については「気候もあってか、シーズン序盤は花が咲きそろわなかったが、現在は回復して順調」と話していた。
(2024年4月18日付紙面より)
那智山両社寺で営む (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山で14日、熊野那智大社(男成洋三宮司)の桜花祭と、那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)の開山祭献茶式が営まれた。世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」登録20周年を機に訪れた観光客らが、那智山の信仰や歴史に触れる機会とした。
□ □
熊野那智大社は、御神体の「那智の滝」の前に桜の枝と桜餅などを供えて自然の恵みに感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る「桜花祭」を開いた。
桜の花のかんざしを挿した2人の巫女(みこ)が、滝の前で神職が鳴らす笛と太鼓の音に合わせ舞を披露。大勢の観光客が優雅な姿に見入っていた。
大社によると、平安時代に花山法皇が那智山で千日間の山ごもりをした際、桜の美しさに感銘を受けて和歌を詠んだと伝わる故事にちなんだ祭典。
北海道千歳市から夫婦で訪れた長谷奈美さん(61)は「すてきな舞に見とれてしまった。1年に1度のお祭りに立ち会えてうれしい」と話した。
□ □
那智山青岸渡寺の開山祭献茶式では、本尊の如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)を開帳。髙木住職らの読経の中、茶道表千家流音無会の桝田宗結さんが茶をたてて奉じた。
インドから渡来し、那智の滝で修行したと伝わる開祖・裸形上人の遺徳をしのぶ法要。表千家と裏千家が1年交代で奉仕している。
髙木住職は「新緑の季節に、無事に式を執り行うことができた。何事にも感謝の心を持って、日々精進していきたい」。音無会の築紫充代会長は「世界で戦争が起きている今、平和を祈ってご奉仕させていただいた」と語った。信徒会館の副席では、観光客らもゆったりとお茶を楽しんでいた。
(2024年4月16日付紙面より)
紀南交通事故被害者の会らが啓発活動
「春の全国交通安全運動」最終日の15日、新宮市のイオン新宮店前で交通安全を呼びかける街頭啓発活動があった。
紀南交通事故被害者の会(中岡貴恵代表)と、第一生命保険和歌山支社新宮営業オフィス(星谷広一オフィス長)の計11人参加した。
運動終了後も引き続き、交通安全を心がけてもらいたいとの思いから、継続して取り組んでいる。今回は2カ所の店舗入り口に「交通事故0(ゼロ)」「交通事故防止運動」などののぼりを掲げ、啓発物品を配布するとともに安全運転を求める声かけをした。
店舗近くにある、信号機のない横断歩道でも見守り活動を実施し、ドライバーに歩行者優先を呼びかけた。
中岡代表は、イオン新宮店の協力に感謝し「意識することで防げる事故がある。ドライバーの方々には常に安全運転を心がけてもらいたい」と語った。
新宮営業オフィスは、おととしから活動に参加しており、星谷オフィス長は「一人でも多くの人が交通安全への高い意識を持ってくれたら幸いです。活動に参加することで社員も交通安全の意識が高まっています」と話していた。
(2024年4月16日付紙面より)
姉妹都市ブルームの学生 (太地町 )
太地町に現在、姉妹都市のオーストラリア・ブルームから、セント・メアリーズ・カレッジの学生や教師、議員ら20人が滞在している。15日には太地こども園、小学校、中学校を巡り、文化交流を楽しんだ。
太地からの移民がブルームでシロチョウガイの採貝などに従事した歴史を基に、1981年に姉妹都市提携を結び、2008年から青少年交流がスタート。コロナ禍を経て、昨年太地町からブルームへの訪問が再開し、ブルームからも5年ぶりに来町がかなった。
ブルームの一行は9日、日本に到着し、大阪、奈良、広島、京都の4府県を巡って太地町へ。太地小学校では4~6年生と一緒に鬼ごっこやフルーツバスケット、書道体験をした。書道体験では、「絆」「力」「友」「翔」などそれぞれの目標を一つの漢字に。「上から下へ」「左から右へ」と書き順や意味を教えた他、ジェシーさんには「自江海」、テイラーさんには「平」と漢字の名前を考える一幕もあった。
ブルームの学生は「鬼ごっこをしたけれど、みんな足が速いね」「漢字を教えてくれてありがとう」と歓迎に感謝を伝えた。
同日午後6時からは、太地町公民館で歓迎のレセプションパーティーが開かれる。
(2024年4月16日付紙面より)
新宮・新翔、近大新宮が敗れる (春季高校野球和歌山県予選 )
宮戸伸之8段、全日本選抜へ (新宮剣友会 )
第111回連盟杯春季大会 (紀南バレーボール連盟 )
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭「本宮祭」が13日、始まった。神を宿すとされる稚児が主人公の神事「湯登(ゆのぼり)神事」(県無形民俗文化財)では、稚児の神聖な体が地面に着かないよう父親らが肩車をして練り歩き、温泉で身を清めるなどして子どもの健やかな成長を願った。
熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭は、主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)(スサノオノミコト)の故事に倣う、一年の豊穣(ほうじょう)を願う祭典。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。15日(月)までの3日間をかけて行われる。
今年は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年記念も兼ねる。コロナ禍以前の規模で行うのはもちろん、15日の渡御祭での本神輿(みこし)(一般神輿)、桜神輿(女性神輿)には、男女で計6人の外国人も参加するなど、国際色豊かに。また台風被害で昨年は通行できなかった潜水橋も復旧しており、渡御の順路も従来通りに戻り行われる。
湯登神事に参加した子どもは1~4歳の8人。斎行に当たり九鬼宮司は「子どもらは湯の峯で潔斎し、額に大の字を書く。これは熊野大神の申し子であることを表し、神の扱いを受ける」などと説明した。
好天の下、神の依代である稚児たちは、ウマ役の父親などと共に本殿前で拝礼。九鬼宮司らを先頭に参道を下った。
湯の峯温泉では温泉につかり身を清めた後、温泉粥(かゆ)などを食べた。狩衣(かりぎぬ)や烏帽子(えぼし)で正装し、稚児の額に神の証しとして朱色の口紅で大の字を書き入れて準備を整えた。
地元の本宮町から賀久君(2)と参加した鈴木悠太さん(34)は「自分も昔、稚児で参加したが、温泉に入ったなぐらいしか覚えてないな」と回想。賀久君について「今のところすくすくと育っている。今後も元気に育つことを願いたい」と話した。
なお、前日祭として12日には本殿前広場で、水森かおりさんによる歌唱奉納も行われた。
(2024年4月14日付紙面より)
大勝浦で「弁天祭」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の大勝浦地区にある弁天島で11日、例大祭「弁天祭」が営まれた。勝浦弁天島保存会(猪飼伸、猪飼宏両代表)の他、地域の崇敬者らが磯を渡って参列し、商売繁盛や航海安全、芸能上達などを祈願。餅まきなどで大いににぎわった。
弁天島はお蛇浦にある離れ小島で、赤い鳥居と祠(ほこら)の美しい景観から、古くから「勝浦三景」の一つに数えられている。一年で最も潮が引く旧暦3月3日に毎年祭りを斎行している。
勝浦八幡神社の髙橋正樹宮司が斎主を務め、祝詞を奏上。同保存会役員らが玉串をささげた。餅まきでは大きな歓声が上がり、国内外の観光客らが足を止め「これも何かのご縁」と参拝に訪れる姿もあった。
猪飼宏代表は「多くの方に集まっていただきありがたい。祭り前には鳥居を塗り直した。今後もできる限りの整備をし、継承していきたい」と語った。
髙橋宮司によれば、弁天島はかつて宇賀弁財天をまつる神仏習合の地だったが、いつからかその使いである白蛇をまつるようになった。現在では「白蛇弁天」の名で親しまれている。
(2024年4月14日付紙面より)
韓国総領事が表敬訪問 (新宮市 )
駐大阪大韓民国総領事館の金亨駿(キム・ヒョンジュン)総領事などが12日、田岡実千年市長への表敬訪問で新宮市役所を訪れた。懇談の中で互いに観光交流に言及、明るい夢を思い描いた。
金総領事と知り合った新宮市選出の濱口太史・和歌山県議会議長が「ぜひ県南部にも一度、足を運んでほしい」と呼びかけ実現した。濱口議長の案内で、表敬訪問の前に新宮城跡(丹鶴城公園)を見学したほか、めはりずしの昼食を取ったという。
表敬訪問は金総領事のほか、任京勳(イム・ギョンフン)副総領事、南炫汀(ナム・ヒョンジョン)専門官などが参加した。中本浩精・県議会副議長も同行した。田岡市長は、今年は「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産登録20周年であること、徐福の研究の関係で韓国の済州島などともつながりがあること、新宮港に入港するクルーズ船が韓国の釜山にも寄港したりしていることなどを説明。「機会があれば熊野古道も歩いていただければ」と語った。
金総領事は、韓国と熊野白浜リゾート空港をつなぐ国際チャーター便が運航していることに言及。「これが早く定期便になれば。観光客が来るよう、できるだけ協力したい」と述べた。釜山の出身であることも明かした。「太平洋も見られたし、来てよかった」とほほ笑んだ。
田岡市長は「韓国と白浜をつなぐ定期便があれば(観光振興にとって)ありがたい」と期待を寄せた。「釜山とも交流できることを願っています」と伝えた。
領事館の一行はこの後、徐福公園や太地町の国際鯨類施設を見学するほか、13日は那智山も訪れる予定と話していた。
(2024年4月14日付紙面より)
地域に根差した番組に (新宮市、6月の放送開始目指す )
新宮市に初のコミュニティーFM放送局「FM新宮」が開局されることになった。地域密着型の生放送番組を企画しており、6月ごろの放送開始を目指している。
長く地域の話題を伝えてきた和歌山放送新宮支局の単独放送が昨年3月に終了。リスナーの一人だった有限会社フリーク(新宮市神倉)代表取締役の床浦勝昭さんが「地元から発信でき、災害時にも役立つラジオ放送が必要」と考え、開局を目指すことになった。
コミュニティーFMは総務省の免許が必要で、電波が届く放送対象区域は半径5~15㌔となる。一般社団法人日本コミュニティ放送協会によると、コミュニティー放送局は昨年12月1日現在で、全国に341事業者があり、和歌山県内には和歌山市と田辺市、白浜町、橋本市に四つの会員局がある。フリークによると、新宮市内での開局は初めて。
国道42号沿いにある同社店舗の一部を改修し、スタジオを開設。今は必要な機材をそろえており、今後はアンテナ整備などを行う。
番組は毎週月~金曜日の午後1時~3時に生放送を予定。「地域の情報や話題をより細かく、分かりやすい放送を心がけ、聞いていて元気になれるような番組」を目指すという。
ラジオ担当の社員・北道江利さんは、社の研修として3月に宮城県名取市を訪れた。東日本大震災時にラジオが重宝したという被災者の生の声を聞き、「新宮にもラジオは絶対に必要」と実感した。「市の防災と連携して、災害時にも役立つラジオ放送をしたい」と見据える。
たくさんの市民に「しゃべりに来てほしい」と考えており、「今はスマートフォンでも手軽にラジオが聞けるし、若い世代にも近くなった。地域を元気にできるような番組を届けたい」と話していた。
放送開始時には改めて詳しい内容を発表する予定にしている。
(2024年4月11日付紙面より)
みさき陸上スポ少がマラソン大会 (新宮市 )
みさき陸上競技スポーツ少年団(加藤清代代表)は6日、新宮市の佐野川沿いで「佐野さくらマラソン」を開いた。同少年団に所属する選手や地域の子どもたち約30人が、見頃の桜並木の川沿いコースを走り、楽しいひとときを過ごした。
マラソンを通して爽快感を味わってもらおうと昨年から実施。佐野おやじの会(中村優会長)が協力し、近畿大学附属新宮高校・中学校の吹奏楽部がゲスト出演した。
コースは川を挟んだ対面道路を使用した1周約600㍍。子どもたちは吹奏楽部の演奏に励まされながら、それぞれの体力に合わせて元気よく周回した。
マラソン後には、吹奏楽部によるミニコンサートが開演し「アイドル」「シング・シング・シング」を演奏。アンコールでは「情熱の薔薇(ばら)」を披露し、会場は盛り上がった。
走り終えた要律樹君(7)は「少し疲れたけど、楽しかった。音楽の演奏も上手で、聞き入っていた。また参加したい」と笑顔を見せた。
加藤代表は「昨年に続いて、大勢の人が積極的に参加してくれてよかったです。吹奏楽部の皆さんや先生方の協力もあり、感謝している。子どもたちの健康を願い、今後も継続して催していければ」と話していた。
(2024年4月11日付紙面より)
熊野那智大社の境内で
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)境内にある県天然記念物の「秀衡桜(ひでひらざくら)」が現在、五分咲きを迎えている=写真。9日には、国内外から訪れた多くの参詣者が、春空に映える真っ白な花に目を細めていた。
高さ約15㍍、幹の周囲2㍍。奥州藤原氏第3代当主・藤原秀衡が夫人と共に熊野詣でをした折、奥州から持ってきたと伝わるヤマザクラの名木。春がすみを思わせる真っ白な花から「白山桜」の別名もある。ヤマザクラの中でも遅咲きで、満開は今週末ごろ。
熊野那智大社は14日(日)、桜花祭を営む。桜に自然の恵みへの感謝を託し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る祭事。午前9時から大社、午前10時からは別宮・飛瀧(ひろう)神社で祭典があり、桜花のかんざしを挿した巫女が浦安の舞を奉納する。
(2024年4月11日付紙面より)
花まつりの平和祈念祭 (新宮仏教会 )
新宮仏教会(佐々木実結会長=専光寺住職)は8日、新宮市福祉センターで、毎年恒例の花まつり記念行事「平和祈念祭法要」を営んだ。戦没者遺族の約30人が参列。手を合わせ諸霊の冥福を祈った。
来賓の田岡実千年市長が追悼の辞を述べた。「祖国を思い、家族を案じ、皆さんが大戦で散華されたことは、私らにとって深い悲しみ。享受している平和と繁栄は、命を落とした皆さんの犠牲の上に築かれていることを私らは忘れず、明日の新宮市のために力を合わせ努力することを誓う。遺族と共に諸霊の冥福を祈り、感謝の誠をささげる」と語った。
続いて、新宮市遺族連合会の池上順一会長が祭辞。「先の大戦より79年を迎えるが、世界で今なお戦火が絶えない。その中でわが国が平和でいるのは、祖国の繁栄と将来を案じ、命をささげた諸霊の思いが導いてくださったたまもの。郷土の発展と遺族の身の上にも、より一層のご加護をお願いします。われわれ遺族は、あの戦争を後世に伝え、世界平和の道を進むことを誓う」と力を込めた。
この後、新宮仏教会の佐々木会長など12人の僧侶の読経に合わせ、参列者が焼香した。各自が目を閉じて静かに、平和の祈りをささげていた。佐々木会長は「多くの方々の協力の下、今年も花まつり記念行事を開催することができ、ありがたく思う。戦没者の英霊を前に、『兵戈無用(ひょうがむよう)』(軍隊も武器も必要がなくなる)の世界が少しでも実現できるように願い手を合わせた」と話した。
□ □
白浜町の聖福寺の関守研悟住職による音楽法話「祈り~いのちの歌を響かせて」もあった。関守住職がギターを弾きながら、ゆったりとした曲調の童謡や歌謡曲を歌った。参列者以外の参加者も増え、曲に耳を傾け、拍手を送った。
(2024年4月10日付紙面より)
計207人が新たな門出迎える
県立木本高校と紀南高校で8日、最後の入学式が開かれた。2校は来年度に統合し、県立熊野青藍(くまのせいらん)高校に生まれ変わる。木本高校は木本校舎、紀南高校は紀南校舎として、それぞれの伝統を受け継いでいく。
新入生は木本高校の普通科123人、総合学科40人、紀南高校44人の計207人。3年後には両校最後の卒業生となる。
□ □
木本高校では163人が期待を抱きながら初登校した。式辞で福田英成校長は高校生活の目標をしっかりと持つこと、自分と他人のことを大切にすること、身に付けた力を世のため人のために生かすこと―を呼びかけ、「地域の方から木高生として親しみを込めて呼ばれる存在となり、先輩たちに続く活躍が期待される。自覚と誇りを持って行動してほしい」と伝えた。
新入生を代表して前川陽城さんが「本校生徒としての自覚を持ち、努力を怠ることなく、勉学にスポーツに励み、有意義な高校生活を送ることを誓います」と決意を述べた。式の最後には吹奏楽部が校歌を紹介するように演奏した。
木本高校は1948年5月、県立木本中学校と県立南牟婁郡高等女学校を統合して創立。総合学科は94年に設置された。
□ □
紀南高校では、教職員、保護者が見守る中、校旗が掲げられ、第63期の入学生を迎えた。
入学許可を受けた新入生を代表して、仮屋悠斗さんが「私たち44人は、紀南高校の規則、指導に従い、進路実現に向けて勉学や部活動に一生懸命励むことを誓います」と宣誓した。
辻孝明校長は式辞で「コミュニティ・スクールとして地域に根差した伝統ある高校」と紹介。「紀南高校として入学生を迎え入れるのは君たちが最後となります。これまでの紀南高校の良さを十分受け継いでもらい、それを新校である熊野青藍高校に引き継ぎ、地域を支える人材となってほしいと願っています」と述べた。
3年間の活躍を期待し「自分自身の成長を感じ、さまざまな行事を通じて一体感をぜひ経験してください」などと呼びかけた。
(2024年4月10日付紙面より)
桂文三さんが延命寺で (那智勝浦町 )
那智勝浦町宇久井の曹洞宗鳳凰山延命寺(西昭嘉住職)で7日、創建千年を記念して落語家・桂文三さんの新春寄席があった。町内外から約60人が集まり、気持ちよく笑って春の一日を楽しんだ。
延命寺は平安時代末期の1024年、海に流れ着いた地蔵菩薩(ぼさつ)の仏像をまつったのが始まりと伝わる。当時は天台宗の寺院で、現在の宇久井駅周辺に五重塔や宿坊のある大寺院があったとされるが、1500年ごろに大津波などによって崩壊。その後曹洞宗の僧侶が現在の地に移転して再興した。
前座に弟子の桂小文三さんが登場。入門前に文三さんの追っかけで延命寺の寄席に来ていたエピソードを語り、「はなし家になったのも延命寺と皆さんのおかげ」。古典落語の「河豚鍋(ふぐなべ)」を披露した。
文三さんは「皆さん、自分の『癖』は人に指摘されてないと分かりませんよね」と話し、古典落語「四人癖」で、目をこする男、鼻の下をこする男、袖を引っ張る男、手を打つ男の4人を演じ分けた。後半は「時うどん」で会場を笑いの渦に巻き込んだ。
創建千年を記念し、今年の10月23、24日には同寺で大般若法要と晋山式(しんさんしき)、檀信徒総回向を執り行う予定だという。
(2024年4月10日付紙面より)
企業版ふるさと納税として (株式会社大塚商会 )
東京都千代田区に本社を置く株式会社大塚商会(大塚裕司代表取締役社長)が8日、串本町へ企業版ふるさと納税の目録を贈呈した。昨年12月に物納した防災備品に係る目録で、田嶋勝正町長は感謝状を贈って相互連携の歩み寄りを深めた。
この物納は、同社が創業60周年記念事業の一環で取り組み始めた自治体との防災に関する官民連携の一環。南海トラフ地震が予測されるなど防災面で厳しい状況に置かれている自治体を対象にし、企業版ふるさと納税制度を活用した物的支援を重ねている。
和歌山県内での支援は同町が初で、高知県黒潮町と並んで同地震に伴う津波の到達が早くさらに台風の影響を受ける機会も多い点で厳しい状況と捉え選定。昨年9月に地方創生の推進に向けた連携に関する協定を締結して縁を築き、連携事項「防災に強いまちづくりのための地域防災整備事業の推進に関すること」に基づいて同町の物納希望を探り、その備品をそろえて託した。
この日は同社の齋藤廣伸・取締役専務執行役員や渡邊賢司執行役員らが役場を訪問し、齋藤取締役専務執行役員が「大きな地震はいつどこで起きるかわからない。防災品はあまり使っていただきたくはないが、いざ起きたときには十分に活用し町民を守るということで使っていただきたい」と伝えて目録を、田嶋町長は「災害は忘れる前にやってくる時代。串本町の行政運営は常に防災や災害を頭に入れて進めている。災害が起こるであろう所と情報を共有し助け合うことは本当に大事だと思うところで、そういうシステムを作る。ぜひとも参加させていただき皆さん方と災害に対応していければと思う」と応えて感謝状を贈呈し合った。
備品の内訳は①水循環システムシャワー1セット②86㌅電子ボード2基③赤ちゃん用段ボールベッド15セット(45人分)④ポータブル電源+折りたたみ式ポータブルソーラーパネル55セット⑤100㌾対応スポットエアコン10基⑥自動ラップ式簡易トイレ50セット―で、いずれも自社取り扱い製品。①についてはこの日メーカーによる取り扱い実演も行われ、防災担当職員らがその習熟に努めた。
同社は開始年の2021年度に14自治体、23年度に20自治体(うち5自治体は21年度と重複)へ物納をしていて、同町は23年度の新規で物納を受けた。24年度も取り組むが25年度以降は未定で、齋藤取締役専務執行役員は全国で相次ぐ被災やその現場で取り扱う備品が安全・安心につながっている状況を見据え「気持ちとしては25年度以降も継続していきたい」と話した。
(2024年4月10日付紙面より)
和道流新宮道場松本塾
第49回又新杯ソフトテニス大会
マクドナルド・トーナメント (学童軟式野球 )
能登半島地震で枠拡大 (新宮市 )
能登半島地震の発生を受けて募集枠を拡大した、新宮市の木造住宅耐震診断の2024年度の受け付けが10日(水)から始まる。費用は無料。石川県では多数の家屋倒壊が発生したこともあり、担当する防災対策課は「まずは診断を」と呼びかけている。
新宮市では23年度、木造住宅耐震診断事業の募集枠を100件で設定。23年12月末で約80件の申請を受け付けていた。そこへ元日の能登半島地震が発生。問い合わせが急増し、残っていた約20件の枠も、受け付け終了の24年1月末までに全て埋まった。
さらに受け付けの終了後も複数件の問い合わせがあり、必要性を感じて枠を50件拡大し、24年度は150件とすることを決めた。
さらに、耐震診断の後で行われる改修工事に対しても、新宮市は住宅耐震改修事業補助金を用意していた。これも23年度は50件としていたが、24年度は10件を拡大して60件とした。
防災対策課の上田紘大・防災係長は「できるだけ皆さんに(耐震診断を)受けていただきたい。無料なのでまずは診断を。改修工事も、今は費用が安く済む工法などができてきているし、補助金を使って自己負担が少なく改修できるようにもなってきている。診断で家の強さを確認していただけたら」と話した。
木造住宅耐震診断は、2000年5月31日以前に建築(着工)した木造住宅について、無料で木造住宅耐震診断士を派
遣して行う。一戸建て住宅、長屋および共同住宅を診断する。受付期間は25年1月31日(金)まで。
住宅耐震改修事業補助金は、耐震診断の結果を受けての検討となる。問い合わせは、新宮市防災対策課(電話0735・23・3333)まで。
(2024年4月5日付紙面より)
世界遺産登録20周年 (新宮市 )
新宮市は1日、JR新宮駅の北西側の踏切手前にある大型観光看板の上部に、新たに「世界遺産登録20周年記念看板」を設置した。縦は0・5㍍、横は4・8㍍で、「祝 紀伊山地の霊場と参詣道 世界遺産登録20周年」とデザインされている。機運向上や市への来訪のPRにつなげたいとしている。
(2024年4月5日付紙面より)
市内小学校に防災頭巾寄贈 (新宮市土建協同組合 )
新宮市土建協同組合(松根康隆理事長)による防災頭巾の贈呈式が3日、新宮市役所で行われた。松根理事長、松原重充副理事長が速水盛康教育長を訪問し、市内小学校の新1年生への防災頭巾を贈った。
同組合は2010年から市内の小学校に通う児童に向けて毎年贈呈。組合創立60周年記念の取り組みがきっかけで始まり、今年で15回目を迎えた。
頭巾は中綿入りで緊急時は頭にかぶり、落下物から守れるようになっている。普段は学校のいすの背もたれや、集会時に体育館へと持ち込みクッションにできるなど、多種多様の使用が可能。
贈呈された防災頭巾は、市内小学校5校の新1年生185人に配布。転入児や破損分を考慮し、児童数より多めの200個を贈った。
松根理事長は「日頃から、工事などの関係により住民の皆さんには迷惑をかけている。子どもは国の宝。大切な命を守るため、これからも継続したい」。
速水教育長は「長年にわたり寄贈していただき、大変ありがたい。子どもだけでなく、私たちも危機管理と徹底に改めて身が引き締まる思い。頭巾を通して防災教育の充実を図り、意識を高めていければ」と感謝していた。
(2024年4月5日付紙面より)