長井古座道路改良工事安全祈願祭 (那智勝浦町 )
今年3月から着工となった那智勝浦町と串本町を結ぶ長井古座線(仮称八郎山トンネル)の道路改良工事の完成を目指して「淺川・堀特定建設工事共同企業体」は25日、同町中里の工事現場付近で安全祈願祭を営んだ。和歌山県や湯川・田原間道路建設促進協議会の関係者、堀順一郎町長ら約30人が出席し、道路の無事完成を祈った。
工事は掘削後、じん性や耐力の向上を図るコンクリート巻き立て工法を行い、側溝設置や舗装が主な工程。トンネルの延長は711㍍で、工期は来年5月22日(日)まで。
また、トンネルの名称は完成するまでに地元住民らと協議し決定するという。
祈願祭では下里神社の山本貞夫宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上した。玉串を奉てん後は工事関係者が加わり、清祓(きよめはらい)の儀が行われた。
山本宮司は「新型コロナウイルスの終息と安全に工事が完了することを祈願させていただきました」。
工事を行う「淺川・堀特定建設工事共同企業体」の作業所長を務める青木正和さんは「地元区長はじめ皆さまに事務所を設置する時からお世話になっている。無事故で竣工できるように寄与したい」と話した。
上田原区長で同協議会の杉本百生副会長は「道路建設のために近隣市町が要望してくれた。東牟婁郡内においても中心地に近い場所になる。完成すれば便利になる」。
串俊男副会長は「長年にわたり多くの皆さまにご尽力いただいた結果が現れてきた。感謝している」と喜びの表情を浮かべた。
中里区長も務める大江清一会長は「平成16年から協議会が発足され、歴代のメンバーの方々が要望してきた待望の道路。県にも感謝している。本当にありがたいこと」と語った。
(2021年5月27日付紙面より)
生活支援コーディネーター実践研修会 (新宮市 )
新宮市福祉センターで25日、第1回生活支援コーディネーター実践研修会が開かれた。NPO法人全国コミュニティライフサポートセンターの池田昌弘理事長がオンラインで講話し、福祉委員や民生委員、地域活動のリーダー、市社会福祉協議会の職員ら17人が全国の地域支え合い活動の事例を学んだ。
和歌山県主催で、各市町村をオンラインでつないで実施。例年は市社協職員のみで参加しているが、本年度は地域活動の中心となっている人々も招いて開催した。
池田さんは高齢者の生活支援・介護予防の基盤整備を目的とした2015年の生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)の配置経緯を振り返り、「介護施設への入所を機に人間関係を断捨離してしまうという話を聞く。介護保険サービスを含む個別支援の強化は、日々互いに気に掛け合う友人や知人とのつながりを切る孤立化支援になってしまう可能性があるのでは」と問題提起。
「気心の知れた友人との小さなお茶会や畑作業の休憩中のおしゃべり、ご飯のお裾分け、ごみ出しの手伝いなどの住民同士のつながりは地域の『お宝』。登録されたサロンの数や参加人数だけに目を向けるのではなく、生活の中に無数にある『通いの場』を生かしてほしい」と述べた。
今後の地域活動について「コロナ禍中、感染症対策をしながら自主的に始まっていたご近所さん同士の気に掛け合いを切ってしまうのではなく、それを継続してもらうような働き掛けをすることが大事なのでは」と呼び掛けていた。
(2021年5月27日付紙面より)
竹村司管理者の応援を得て (串本福祉会 )
串本町二色に本部を置く社会福祉法人串本福祉会(和田利文理事長)が24日、入所高齢者への新型コロナワクチン接種を始めた。同町の考慮により翌25日から接種済みの医療職以外の職員への同接種も開始。実施に当たってはくしもと町立病院の竹村司・病院事業管理者の応援を得ていて、施設長を務める和田𠮷男理事は「本当に助かる」と感謝している。
これら接種は、同法人医療職を軸にして町から新型コロナワクチンの配分を受け実施。入所高齢者は接種チームが各施設へ赴き職員は法人本部に設けた会場へ集まってそれぞれ接種する体制を取っていて、いずれもグループ分けし段階的に進めるとしている。
職員対象の接種は竹村管理者、入所高齢者対象の接種は法人嘱託医の東芳史院長(潮岬病院)と鎌田俊彦医師、辻内和司医師、矢本秀樹医師が接種前の問診を担当し、法人看護師が接種をするという。応援を申し出た竹村管理者は「集団免疫をつける意味で接種は短期間で一気に進めることが大事。町内は医療従事者が少なくこの状況に対し病院の管理者だからといって何もしないのは絶対にあり得ないので、(協力を)やろうかと思った」と思いを語り、問診を一手に引き受けている。
和田理事は「うちの先生(=医師)は全員非常勤の嘱託医で、限られた時間の中で普段の診察をしてもらいながらなのでそんなに(接種の)数はこなせない。スピード感が大事な中で(対象となる)この大人数をどうしようかと悩み、町長に相談し竹村先生に医師の応援をお願いさせていただいた」と応援を得るに至った経緯を語る。
この応援で入所高齢者の後と位置づけていた職員対象の接種を同発でできる体制が整った。職員対象の接種が進む状況については「ワクチンは高い予防効果があると言われているが、打ったからと言って100%(感染しない)ではない。職員には気を緩めることなくこれまでしてきた感染防止策を守っていただきたいと思う」と話した。
(2021年5月27日付紙面より)
120周年記念事業へ寄付 (新宮高校 )
新宮高校硬式野球部OB会の井上信也会長、ラグビー部OB会の横田敏郎顧問、サッカー部OB有志を代表して伊藤算志さんが25日、新宮市神倉の同校を訪れ、母校の創立120周年記念事業への寄付金を西哉素史・新宮高校創立120周年記念事業実行委員長へ託した。
井上会長は「これまでの歴史を振り返ると、諸先輩方や在校生、そして地域の皆さんと共に創立120周年を迎えることを大変うれしく思う」。横田顧問は「新宮高校でラグビー部OBが大勢お世話になってきた。今後もますます発展されることを願っている」。伊藤さんは「創立120周年、誠におめでとうございます。サッカー部も来年で創立100周年。OBも一丸となって頑張っていく」とそれぞれ言葉を贈った。
西実行委員長は「大変ありがたい。在校生のため、今後の生徒たちのために生かしていく」。東啓史校長は「本校で培った縦のつながり、横のつながりを生かし、母校への熱い気持ちを示してくれることは、在校生にとっても大変励みになる」と感謝を述べた。
寄付金は生徒ホール(食堂)や同窓会室のリフォーム、11月に予定している記念式典の費用に充てられる。実行委員会は現在、記念事業に関わる寄付を募っており、問い合わせは新宮高校(電話0735・22・8101)まで。
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生徒有志による「生徒ホールリニューアルプロジェクト」の進藤友華代表(3年)、竹中萌唯さん(同)、加藤迅君(同)は、同日夜に同校で行われた120周年記念事業実行委員会の会合で、4月から取り組んできた生徒ホールのリフォームデザインのプレゼンテーションをした。
熊野の自然や校訓「質実剛健」を着想の基盤に、山と海、ナギの木のデザインを取り入れ、素朴でたくましい新宮高校生を表現するために既存の柱をシンボルツリーに改装することなど提案。
進藤代表は「在校生のニーズを大切に、新宮高校の歴史と文化への考察に取り組んできた。少しでも私たちのデザインが実現されればうれしいです」と話していた。
(2021年5月27日付紙面より)
和歌山県空手道選手権大会 (剛柔流空手道志彰会 )
変更に向け説明会開催 (新宮市 )
新宮市は21日夜、市役所別館で「新宮都市計画道路(下本町下田線)の変更に伴う説明会」を開いた。周辺住民ら約30人が出席。市建設農林部都市建設課の職員が変更案や事業の流れなどについて説明した。
都市計画は、地方公共団体が地域の実情によって指定していく。道路、公園、下水などの都市施設は円滑な都市活動を支え、都市生活者の利便性の向上や良好な都市環境を確保する上で必要な施設として位置付けられている。
都市計画道路は、都市の骨格を形成し、安心で安全な市民生活と機能的な都市活動を確保する、都市交通における最も基幹的な都市施設として都市計画法に基づいて決定される。県との事前協議や地元説明会、素案・原案の作成、同審議会での審議などを経て計画が決定、事業化となる。
市ではこれまで、都市計画法に基づく都市施設の一つである都市計画道路について、計画の見直しを行ってきた。このたびの変更は未整備区間である下本町下田線(緑丘会館辺り~新宮信用金庫緑ヶ丘支店辺り)の道路線形と道路幅員計画を見直すもの。
都市計画では新宮信用金庫緑ヶ丘支店の裏側辺りに向けて大きくカーブを描く線形となっているが、変更案では現道を利用した上で総幅員16㍍計画を12㍍とする。現在総幅員(6㍍)が6㍍東側に拡幅する計画となる。なお、計画決定後には建築制限がかかるという。
市からの説明を受け、参加者からは「あの道路は水はけが悪い。道の広さばかりで高さの話が出ていない」「計画が行き当たりばったり。東側の土地所有者の意見ももっと聞いてから計画を立ててほしい」などの意見が上がった。「東側の住民は増改築の計画も立てられない。所有権の侵害に等しい。やるならやる、やらないならやらないをはっきり示してほしい」といった声もあった。
今後、計画案は素案の修正・原案作成などを経て、7月ごろから縦覧を実施し意見を募る予定。
(2021年5月23日付紙面より)
王子ヶ浜小で租税教室 (新宮市 )
新宮市立王子ヶ浜小学校(谷口幸生校長)で20日、租税教室が開かれた。6年生60人が株式会社秀英社代表取締役社長で新宮納税協会青年部の平美貴將さんから税金の役割や使われ方を学んだ。
新宮・東牟婁租税教育推進協議会主催。次代を担う児童・生徒に税の意義や役割を正しく理解してもらうことが目的。
平美さんははじめに、国民の三大義務である「勤労、納税、教育」に触れ、日本には約50種類の税金があり、所得税、たばこ税、酒税、自動車税、法人税で約80%を占めると説明。日本よりも消費税率が高いスウェーデンなどでは、医療費などの福祉がより充実していると述べた。
児童はクイズを通して、税金が弥生時代の邪馬台国の時代からあることや、小学生が教育を受けるために1人当たり年間88万5000円の費用がかかっていることを学んだ。1億円のレプリカが入ったジュラルミンケースを持ち上げる体験では、あまりの重さに驚いていた。
加藤彩羽(いろは)さんは「改めて税金について知ることができ、身近に感じることができた。1億円は持てなかったけど、すごく重そうだった」と話していた。
(2021年5月23日付紙面より)
太地中で火災避難訓練 (太地町 )
太地町立太地中学校(山田貴也校長)で21日、火災避難訓練があった。同町役場消防係の職員4人が見守る中、生徒32人は避難経路をたどり、落ち着いて訓練に取り組んだ。
同校では火災発生時に対する危機意識を持ち、備えを行うとともに的確な判断の下に行動できる力などを養おうと毎年この時期に実施。訓練は保健室から出火したと想定し、校内放送でアナウンスが流れると、生徒は教職員の指示に従って避難行動を開始した。
この日は雨天のため体育館へと逃げ、訓練後には消火器の使い方や搬送法を学び、代表生徒が役場職員に教わりながら実践した。
役場消防係の飯田拓夢さんは「昨年よりも落ち着いて迅速にできていたと思います。避難時に重要な『押さない、走らない、しゃべらない、戻らない』を略した『おはしも』を忘れず、必ず実行してほしい」と講評した。
上久保弘子教頭は「皆さんの速やかに避難する姿が見られて良い訓練になったと思います。実際の場面では、煙が充満しているため体を低くし、手やタオルなどで鼻と口を押さえて吸い込まないなどの対処を忘れないでほしい。いつ、どこで火災が発生するか分かりません。もしものときのために避難経路や消火器の位置を確認するといった意識を持ってください」と呼び掛けていた。
(2021年5月23日付紙面より)
高田小中に花が届く (新宮市 )
新宮市立高田小・中学校(大家淳志校長)に17日、市立図書館職員によって泰山木(たいさんぼく)の花14輪が届けられた。花の贈り主は市内在住の同図書館利用者。花の寄贈は、中学道徳の教科書(光村図書)に掲載されている「さよならの学校」(今江祥智著)に起因するものだ。
「毎年五月の半ば頃になると、決まって見事な花を付けるその木を見ると、恭(やすし)はおじいちゃんのことをありありと思い起こした。~略~その木はおじいちゃんが七つのときにもらってきて自分で植えたもので、それから七十年以上も、おじいちゃんといっしょに育ってきたものだ」。
そんな書き出しで始まる「さよならの学校」は、「木」を少年に託して亡くなった「おじいちゃん」の思いを引き継ごうとする家族愛にスポットを当てたストーリー。祖父の死に直面した少年の物語を通して、脈々と受け継がれていく生命の大切さや、愛情を受けて育てられてきたことに対する気付きの醸成を学びのテーマとしている。
物語の核を成す「木」こそが泰山木で、「泰山木の花のもつ、包み込むような優しい香りにはかなわなかった」「葉の大きなところも、おじいちゃんの大きな手と似ていた」とあるように、「木」は「おじいちゃん」の象徴として少年の心の成長に寄り添い続ける。
同小中学校に泰山木の花が贈られたのは昨年に続き2度目。この時季に毎年のように同図書館に花を寄贈していた贈り主が、道徳の教材として登場する泰山木の花に興味を示した教職員と図書館職員とのやりとりを耳にしたことがきっかけとなり寄贈につながったという。泰山木は北米原産のモクレン科の常緑高木で、日本には明治初年に渡来した。
贈られた花14輪は、小学生(6人)、中学生(6人)に1輪ずつ配られたほか、小・中学校の各教室に飾り付けられた。
学習指導要領の改訂により本年度から教科書は変更となったが、大輪の花とレモンのような芳香を放つ泰山木を前に大家校長は「(贈り主の)子どもたちを思ってくれる気持ちがありがたい。子どもたちも各家庭に持ち帰って喜んでくれると思う」と笑顔で話した。
(2021年5月19日付紙面より)
日本釣振興会事業で1200匹 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭ビーチで17日、公益財団法人日本釣振興会によるヒラメの稚魚放流があった。釣り資源としての定着を目指す取り組みで、同会和歌山県支部の岸裕之事務長は「データを得るため、3~4年は続けたい」と意気込んでいる。
同振興会は、放流事業に対する募金や会費を原資にして自然資源の回復や釣り場の育成を目的とした事業を全国各地で実施。日本釣用品工業会との連携事業「つり環境ビジョン」関係で串本ダイビング事業組合と連携して4月にアオリイカ産卵床を設置する取り組みを数年来続けるなど、町内でも適時その会名を耳にするところとなっている。
今回のヒラメ稚魚放流は、同振興会独自事業の一環で実施。フィッシングタウン振興を目指す南紀串本観光協会(島野利之会長)が前年度から同振興会の団体会員となり、その縁で両者協力し取り組むことになった。県南部栽培漁業センターから体長8~9㌢の稚魚1200匹を仕入れ、会員や職員が手分けして浜から放った。同協会の誘いを受け、西向出身で帰省中のアングラーズアイドル・そらなさゆりさん=フライドライス所属=も応援参加。宇井晋介事務局長らと共に波打ち際に稚魚が入った籠を沈め、自力で泳ぎ出るまで待つ形で海へ送り出した。
岸事務長はこの放流を「釣りを楽しむ環境づくり」と位置付け、放流した稚魚の追跡調査をしたい考え。元串本海中公園水族館長で串本の魚にくわしい宇井事務局長によると、橋杭ビーチ周辺にはヒラメがごく少ないため今後の釣果や目撃情報から放流の効果が見えるといい、育つ環境次第だが放流した稚魚が釣りに適した大きさになるまで3、4年かかるという。岸事務長は必要であればデータ収集を目的とした釣り大会を開ければと思い描きつつ、まずは無事の定着と成長を今後に願った。
同支部によるとこの日は串本町内のほか、那智勝浦町内でも会員の紀南釣具センター=新宮市=と協力しヒラメの稚魚放流に取り組んだという。
(2021年5月19日付紙面より)
近大新宮で教育ゼミ
近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長、生徒470人)で17日、教育ゼミがあった。小学校教諭や保育士など教育関係の進路を目指す高校1~3年生14人が教育実習生6人との座談会を通して、自分の進路について考えを深めた。
目指す進路についての見識を深め、日々の学習のモチベーションとするため、昨年度から放課後に医療、水産、教育、地域活性化の四つのゼミナールを開いてきた。
座談会で高校生たちは、教師を目指したきっかけや生徒と仲良くなる方法などの他、学部選択や大学受験に向けた勉強方法についても質問。実習生たちは「小学校教諭を目指すなら教育学部がいいと思うけれど、他の学部に通いながら教師を目指す方法もある」「総合大学の方が、いろんな人に出会えるからいいと思う」など自分の経験を交えて答えた。
音楽を教える実習生の石垣花音さん(大阪音楽大学4年生)は「中高生の頃、学校に通うのが大好きだったことから教師を目指した。教育実習は大変と聞いていたが、初日から生徒が仲良くしてくれ、思っていたよりずっと充実している」。
榎本コウさん(高1)は「中1の時の英語の先生に憧れ、英語を勉強するのも楽しいので教師になりたいと思った。実習生の先生の話を聞き、大学生になるのが楽しみになった」と話していた。
(2021年5月19日付紙面より)
補陀洛山寺で春まつり (那智勝浦町 )
補陀落渡海の信仰で知られる那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)は17日、年中行事の一つ「春まつり」を営んだ。例年40人ほどの信者が集まるが、昨年に引き続いて新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、僧侶のみで法要を行った。
補陀落渡海は、平安時代から江戸時代まで行われた宗教儀礼。観音の浄土、補陀落山に往生しようと多くの行者が渡海した。渡海上人が一度乗り込むと出入り口には板が打たれ、外に出られないようにした状態で、海のかなたへ出航したという。
この日、世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」を開帳。髙木亮英副住職らが読経し、コロナ終息の願いも込めて護摩壇で祈とうした。
その後、同寺裏山にある渡海上人の供養塔と歴代住職の墓地で追善供養も営まれた。
髙木副住職は「飢餓や疫病で苦しまれた人々のために渡海された上人のためのご供養をさせていただいた。現在はコロナで厳しい時代。人に対する思いやりや優しさ、慈しみのみ心を持って、心の中で海を渡っていただきたい。一日も早い終息を願い、乗り越えていければ」と語った。
(2021年5月19日付紙面より)
「WEST EXPRESS 銀河」 (JR西日本 )
今夏から秋にかけて、当地方へ運行するJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」の運転日や運転時刻などが決定した。運行は7月16日(金)からで、当地方においては新宮・紀伊勝浦・太地・古座・串本の各駅に停車する。
「銀河」は、観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJRが運行する長距離列車。車両は117系6両1編成で定員は90人程度で全車指定席。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。車窓からは沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
運転日は、下り(京都午後9時15分発、新宮午前9時37分着)は7月16日を皮切りに、12月20日(月)までの月・金曜日、上り(新宮正午発、京都午後10時24分着)は7月18日(日)から12月22日(水)までの水・日曜日(上り・下りともにお盆時期除く)。
各停車駅などにおいて特産品販売や乗降者らへのお出迎えも実施。▽ジオガイドが案内する橋杭岩鑑賞(串本駅)▽物販・「那智の扇祭り」大松明(たいまつ)特別展示(紀伊勝浦駅)▽物販・地酒のふるまい、熊野曼荼羅(まんだら)絵解き(新宮駅)▽くじらの竜田揚げふるまい(太地駅)―など、昼行・夜行共に駅ごとに地域色を持たせた「おもてなし」を予定している。
また、運行特典として乗客全員に新宮~周参見駅エリア7市町村の各種施設(50カ所以上)でさまざまな特典や割引サービスが受けられる「紀南×銀河パスポート」も進呈される。乗客対象に「紀南周遊レンタカー特別プラン」などの2次アクセスプランの販売も行っていく。
「銀河」の乗車については、旅行会社が企画・実施する旅行商品に限定して販売する。5月14日以降に「WEST EXPRESS 銀河」特設サイトからリンクする専用ホームページにて告知される。なお、新型コロナウイルス感染症の今後の状況により、計画が変更となる場合がある。
(2021年5月15日付紙面より)
6、8分団が合同で実施 (那智勝浦町消防団 )
那智勝浦町消防団(下地将仁団長)の第6分団(𠮷田創分団長)と第8分団(和田司分団長)は9日、同町南大居の太田の郷グラウンドやその周辺で合同訓練に取り組んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から団活動を自粛していたこともあり、参加した35人の団員は数カ月ぶりの訓練に汗を流した。
色川地域を守る第6分団と太田地域を管轄する第8分団は、どちらかの地域で火災が発生した際には両分団が連携し消火に当たっている。
合同訓練は昨年、コロナ禍で中止となったため、数年ぶりの実施となった。
団員らは太田の郷で各個訓練(訓練礼式)に取り組み、太田川河川沿いの堤防に移動。両分団は互いの消防設備や資機材を確認し合い、ポンプ車や可変式ポンプを使用して放水訓練を行った。
訓練を終え、和田第8分団長は「互いの資機材や放水時の水量の確認、人的交流ができたので有意義だった。コロナ禍だが災害はいつ起こるか分からないため、連携を深めることが重要。次回は第6分団の色川地域で実施したいと思う」。
定期巡回に訪れていた同団本部の山路弘副団長は「このような機会を通じてさらなる連携を図ってほしい」とあいさつした。
(2021年5月15日付紙面より)
高齢者地域見守り隊ら合同啓発 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は14日、同町鵜殿の主婦の店で紀宝警察署、紀宝地区防犯協会と合同啓発活動を展開。隊員と警察官らが来店者に啓発チラシを配布し、新型コロナワクチンに便乗した詐欺に遭わないよう呼び掛けた。
消費者庁によると、コロナ禍における詐欺・トラブルに遭った人のうち約80%が「自分は大丈夫」と思っていたという。
「○万円払えば優先的に接種でき、お金は後で返金される」「ワクチン接種に必要なので講座情報を教えてください」などの不審な電話やメールが届く事案が全国で起きており、紀宝署では「管内でこういった不審電話などの相談はありませんが、今後、発生する恐れがあります。ご注意ください」と求めている。
見守り隊が配布したチラシでは「電話で『お金が返ってくる』などと言い現金自動預払機(ATM)に誘導された場合は詐欺です」など注意喚起した。
(2021年5月15日付紙面より)
新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン
一般国道42号那智勝浦新宮道路を舞台に開催される新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン第9回大会が、新型コロナウイルスの影響で昨年に引き続き中止となることが発表された。
当地方に甚大な被害をもたらした「紀伊半島大水害」(2011年)の復興イベントとして、官民協働で翌12年に始まった。自動車専用道路をコースに使用して行われる、全国的にも珍しい大会。「世界遺産・熊野古道のまち」である新宮市、那智勝浦町の魅力を体感するとともに、地域の振興につなげる目的がある。
毎年、全国各地から多くのマラソンファンが当地方を訪れる人気の催しで、3㌔、10㌔、ハーフの3部で実施される。おととしの第8回大会には3㌔769人(男子416、女子353)、10㌔649人(男子469、女子180)、ハーフ693人(男子591、女子102)、都道府県別では県内から1202人(新宮市548人、那智勝浦町205人含む)、県外から909人が参加した。
中止の判断は新型コロナが今なお拡大し、従来型と比べ感染力が強いとされる変異株による感染者が増加している状況を鑑みたもの。11日に開かれた同大会実行委員会で決定した。
(2021年5月15日付紙面より)
和歌山県空手道選手権大会 (拳武館新宮 )
【第34回】食育は女性の仕事?
食育は国が推進しているものだ、ということはもう皆さんご存知ですよね。私も、食育の資格を取って、その意義や食卓の重要性を感じて、推進に一役買いたいと思っています。でも、食育のことを調べれば調べるほど、大きくなっていく違和感があるんです。それは、「食育=女性の仕事」とされていることです。「私作る人、僕食べる人」というCMが女性蔑視だと大炎上したことがあるのをご存知ですか? なんと、私も生まれる前の1975年のお話です。このCMは2カ月ほどで放送中止になったそうです。でも、このCMから40年以上たっても、この概念は変わってない!と私は思います。
食育基本法が施行されたのが、2005年。結局家庭での食育は、女性が担っているのが現状です。一方、仕事をしながら子育てをしている方はどんどん増えて、ワーキングマザー人口は7割を超えています。そんな中、国を挙げて食育の推進が進められているわけです。私は食と子どもに関する論文を読んでいますが、家庭での食育としてされている研究のほとんどが、母親を対象としたものです。それくらい、今はまだ主体が断然、母親です。一方で食育推進組織では女性比率が低いというデータがあります。食育とジェンダーを研究した論文にもこんな記述があります。「日本における『食育推進』の体制は、専門家集団のところでは男性が多く、実施レベルのところでは女性が多いという構図が伺える」(學苑「男女共生食教育の推進―日本における『食育』推進のジェンダー視点からの分析」、2006年)。つまり、食の専門家としてやることを決めるのは男性で、それを実践するのは女性ということです。これではいつまでたっても、「食育=女性の仕事」という構図から抜け出せません。とはいっても、70年代から続くこのイメージを、今すぐ払拭(ふっしょく)するなんてできそうにありません。
では、私たちがこのジェンダー問題を解決するために、何ができるのか。私はたった一つだと思っています。夫を教育することでも、料理をしないことでもなく、女の子にも男の子にも食育をすることだ!と思うのです。私たちは次世代を育てています。だから、私たちは不満を声に出しながら次世代の子どもたちを正しく育てていかなければならないと思うんです。娘にも息子にも、家事や育児をする力や生き生きと仕事をする力を授けることこそ、この状況の打破につながるのではないかなと。
今の男性たちも悪気があるわけではありません。おそらくは彼らの母親が当たり前のように、家事や育児を一手に担い父親は仕事に没頭していたんだと思います。その様子を見て育ったことで、「料理や家事は女の仕事なんだ」と思ってしまっているだけなんです。だけどそれは当たり前ではないということを私たちは教育していかなければならない。私は「食と子ども」に関して調べれば調べるほどそんな気持ちでいっぱいになっています。
(2021年5月15日付紙面より)
熊野川中で畑作りスタート (新宮市 )
新宮市立熊野川中学校(松本潤校長)の畑で11日、2年生14人がサツマイモの苗植えに向けた畝作りと雑草対策のマルチ(黒のビニールシート)掛けをした。地域住民で組織する「チームくまのがわ」のメンバー5人も協力し、農作業を通じて交流した。
畑作りは南地恭太教諭の発案で昨年4月に始まり、チームくまのがわの協力を得ながら4㍍×10㍍の区画を開墾。サツマイモを育てていたが、イノシシの被害に遭って収穫はかなわなかった。
今年は獣害対策を強化するため、チームメンバーが新たに電気柵を設置。生徒と教職員も「今年こそは自分たちの手でさつまいも交流会を開き、普段お世話になっている地域の方々を招いて感謝を伝えたい」と意気込んでいる。
生徒たちが慣れない様子でくわを振るい、手も使いながら4本の畝を作った。初めて農作業を体験する生徒もおり「畝って何?」「なぜビニールシートを掛けるの?」とそれぞれに学びを深めた。
松本友惺君は「チームくまのがわの皆さんは、いつもこんなに大変な作業を手伝ってくれているんだと分かり、ありがたいなと思った。さつまいも交流会では、おいしい芋を食べてもらいたい」。
チームメンバーの木村康史さんは「子どもたちと交流すると、地域住民側にとっても若さをもらえていいこと。今年は生徒も多く、楽しそうに作業をしていた。いい畝ができたのでは」と収穫に期待を寄せた。
(2021年5月13日付紙面より)
2年生が職業観学ぶ (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)の2年生73人は11日、職業学習の事前授業に取り組み、同町井田で洋菓子店「パティスリーアフレイル」を営むパティシエの橋本優さんから職業観について学んだ。
これまで2年生は3日間の日程で「職場体験学習」に取り組んできたが、昨年度からは新型コロナウイルスの影響で、職業観を聞く職業学習に切り替えた。
橋本さんは兵庫県神戸市出身。神戸のレーブドゥシェフで17年間勤め、ケーキの本場フランスでの研修やコンテストにも参加し、2015年8月にアフレイルを開業した。
「小学生の頃から趣味でケーキを作っていた。21歳からケーキ店で働き、39歳で起業した。最初の3~4年頑張ったおかげで今がある」と振り返った。
「働くことは誰かの役に立つこと。自分は何が好きか、何が得意か、それでお金が得られるのか考えることが重要になる」と自身の職業観を伝えた。
「現在(いま)の延長線上に未来がある」「情熱は不可能を可能にする」。ケーキ職人から教わった言葉を紹介し「中学生の夢は無限に広がっている。未来をつぶさないよう、今自分が何をすべきか考え、社会で戦える力を身に付けて」と呼び掛けた。
2年生は6月上旬に職業学習に取り組み、地域で働く人に仕事のやりがいや苦労などをインタビューする予定だという。
(2021年5月13日付紙面より)
新型コロナウイルスワクチン (那智勝浦町 )
那智勝浦町はこのほど、65~74歳までの町民の新型コロナウイルスワクチンの接種券送付を6月以降に延期することを発表した。国からのワクチン配分に遅れが生じ、接種回数の確保が難しくなったことが要因だという。町によると、「広報なちかつうら5月号」で65~74歳までの接種券送付を5月初旬としていたが、前述の理由から延期することとなったという。
町ではすでに75歳以上の高齢者の集団接種を先月から始めており、2回目の集団接種は10日から実施している。
榎本直子福祉課長は「65~74歳までの皆さまへの接種券配布が遅れてしまい申し訳ございません。できるだけ早く送付せていただきます。また、75歳以上の方の病院による個別接種もスムーズに進めていきたい」。
堀順一郎町長は「ワクチン接種が日常生活を取り戻すための第一歩。届き次第すぐに対応できるよう態勢を整えている。町内で現在、感染者が出ていないのも町民の皆さまのおかげ。感謝しています」と話した。
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同町は町民が抱えるワクチンへの疑問や不安の解消などを目的に「新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口」を3月、役場内に設置した。
福祉課によると、「ワクチンはいつ打てるのか」「ワクチン接種によるアレルギーや副反応は大丈夫なのか」などの問い合わせが多いという。
担当職員は「ワクチン接種について不安や疑問があれば電話やご来庁の際にお気軽にご相談ください」と話している。ワクチン接種相談窓口は(電話0735・29・6137)。
なお、個別接種に対応する町内の医療機関への予約方法は各医院へ直接、電話で行う。個別接種による町内の医療機関は別表の通り。
(2021年5月13日付紙面より)
食事会に参加した10人が感染
熊野市内で11日、8人が新型コロナウイルスに感染したことが確認された。県は、このうちの7人を含む20~50代の男女10人の陽性をクラスター(感染者集団)と発表した。
県によると、熊野市内で3日に開かれた飲酒を伴う食事会に男女18人が参加。数人が6日にのどの痛みなどを訴え、検査したところ陽性が判明した。18人のうち16人の検査が済み、県外2人と熊野市、御浜町8人の計10人の感染が確認された。現在の症状はいずれも無症状や軽症~中等症だという。
県は県外感染者を除く8人の濃厚接触者計43人と接触者計30人について調査を進めている。県外感染者の濃厚接触者で50代男性の陽性も確認された。
これを受け、熊野市の河上敢二市長は11日、市民に向けて次のメッセージを発した。
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感染者の皆さま方には、心からお見舞い申し上げますとともに一日も早い回復をお祈りいたしております。市といたしましては、三重県や関係機関と協力・連携しながら感染拡大を防ぐための対策に努めてまいります。
感染は誰にでも起こり得るもので、どれだけ気を付けても完全に防げるものではないものだとご理解ください。ご自身やご家族が感染したと思って行動を考え、感染された方やそのご家族などへの差別や偏見につながる行為、誹謗(ひぼう)中傷は絶対に行わないでください。また、根拠が不明な情報やうわさに惑わされることのない冷静な対応をお願いします。
市民の皆さまには、市内での感染拡大を防ぐためにも、生活の維持に必要な場合を除き、日中を含め、外出や移動を避けていただくとともに、屋外であっても身体的距離を確保し、マスクの着用、手洗い、定期的な換気を行うなど、これまでも繰り返しお願いしてきた一人一人ができる基本的な感染症対策のさらなる徹底をお願いします。
(2021年5月13日付紙面より)
人口約430人の北山村で10日、村内の希望者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。希望者全員に2回接種して余ったワクチンは、近隣自治体の対象者に接種するなどの対応が取られる予定。
同村にワクチンが届いたのは今月2日。和歌山県から1箱(195バイアル、975回分)が配分された。総人口432人(4月1日現在)の村内における16歳以上の接種対象者は382人で、うち約8割となる318人が接種を希望した。
希望者全員に2回接種しても約170人分のワクチンが余る計算で、県内では希望者全員にワクチンが行き渡ったレアケースとなった。村役場住民福祉課の川辺美和課長は「余剰分は新宮保健所の指示の下、有効活用していただきたい」と話している。
1回目は15日(土)にかけて、2回目の接種は31日(月)~6月2日(水)を予定しており、初日となったこの日、国保北山村診療所では山口賢二村長を皮切りに70~80代を中心とした57人が接種を受けた。
「村民の不安解消につながれば」と接種第一号を買って出た山口村長。接種後、「個人差もあると思うが痛みは感じなかった」と感想を口にし、「人口が少ないことは日常の悩みだが、ワクチン接種に関しては利点につながった。希望者全員に行き渡るのはありがたいこと」。
接種希望者が対象者の約8割にとどまったことについては「少し気になる」とし、「引き続きコロナ予防対策に力を注ぎたい」と話していた。
(2021年5月11日付紙面より)
和歌山FB―神戸三田Bs戦 (さわかみ関西独立リーグ )
串本町サンゴ台にある総合運動公園(サン・ナンタンランド)野球場で9日、さわかみ関西独立リーグ2021公式戦「和歌山ファイティングバーズ(FB)―神戸三田ブレイバーズ戦(Bs)」があった。今回は和歌山FBがファン感謝デーに位置付けて入場無料とし、感染症予防対策を経て集まった観客の注目を浴びながら熱戦を繰り広げた。
同リーグは、メジャー12球団が属する日本野球連盟とは別系統のプロ野球団体の一つで、今季は田辺市を拠点にして活動する和歌山FBなど4球団が参画し4月から公式戦を積み重ねている。
この日は和歌山FBがサテライト的に捉えている同球場を公式戦の舞台とし、田所洋二球団代表によると観戦を通してコロナ禍に直面する地域を元気づけたいという思いも込めてファン感謝デーに位置付け、通常1000円の入場料を無料にして観戦を呼び掛けた。同球場での同リーグ公式戦実施は2019年5月以来2年ぶりだという。
当日は同町出身の演歌歌手・小芝陽子さんを迎えて国歌独唱、同町スポーツ少年団本部長の瀧野智惠子さんと和歌山FB公認応援団長を務めるタレント・リトル清原さんを迎えて始球式など、地域との接点も培いながら神戸三田Bsの先攻で試合を始めた。
和歌山FBは現在首位、神戸三田Bsは同2位で今季内を推移中。2強の対戦は一回裏で和歌山FBが1点を先制し、以降は両者得点を重ねて追いつ追われつとなり九回裏で和歌山FBが1点を追加してスコア3―3となり延長戦へもつれこんだ。規定の十一回裏まで延長したが両者得点は得られず、3時間20分にわたる攻防の末に引き分ける結果となった。
両チームの対戦成績は1勝1敗1引き分けとなっている。和歌山FBの次の公式戦(第11戦・対06BULLS戦)は20日(木)正午に実施予定。試合情報は和歌山FB公式ホームページを参照。
(2021年5月11日付紙面より)
10日から個別接種予約も開始 (新宮市 )
新宮市佐野の佐野体育館で9日、高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの集団接種があった。市内2会場目となる同所での接種には、定員360人に対し1374人の申し込みがあり、接種ボーダーラインは81歳以上となった。
10日からは3会場目となる熊野川総合開発センター〈1回目5月23日(日)〉での集団接種の申し込み予約が開始されたが、定員を超えた場合は交通事情などの地域性を考慮し、熊野川・高田地域住民が優先となる。
当初予定では定員を180人としていたが、ワクチン供給の見通しが立ってきたことから定員を240人に変更。4回目の会場となる市役所別館〈1回目6月6日(日)〉も360人から420人に変更された。高齢者施設の入所者(希望者数約600人)については先月26日から接種が始まっており、6月半ばに2回の接種が完了する見込み。
市ではこれまで4回線だったコールセンターを6回線に増線。引き続き市新型コロナワクチン接種推進室(電話0735・22・5070)でも予約を受け付けている。
同推進室の山下泰司室長は「市の高齢者全員分のワクチンが国から供給されることが確定している。接種後も引き続き、マスク着用や手指消毒、ソーシャルディスタンスの確保など、感染防止対策にご協力をお願いします」と呼び掛けている。
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新宮市は、▽市役所別館〈1回目6月5日(土)〉▽佐野体育館〈1回目6月20日(日)〉―の2会場を新たに追加した。定員はいずれも420人で、予約申し込みは今月24日(月)から。定員を超えた場合は年齢の高い順から予約を決定する。
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高齢者対象の個別接種の予約も10日から始まった。接種開始は31日(月)から。順次開始となるため、日程は医療機関により異なる。予約は各医療機関に直接申し込む。接種が受けられる医療機関は別表の通り。
なお、市立医療センターは新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ医療機関となっており、医療崩壊につながる院内感染の拡大を防止するため入院患者への面会禁止措置を講じており、かかりつけ患者の個別接種の実施はできない状況となっている。
(2021年5月11日付紙面より)
猿田彦・三宝荒神社で例祭 (新宮市 )
新宮市の神倉神社境内にある猿田彦神社・神倉三宝荒(さんぼうこう)神社で8日、例祭が営まれた。昨年に引き続き今年も新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、餅まきは中止となった。
神事には同社敬仰会の松本良さんと榎本友子さん、熊野速玉大社の上野顯宮司ら15人ほどが参列した。同大社の西村圭市権禰宜(ごんねぎ)が祝詞を奏上し、巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納。参列者たちが玉串をささげた。
西村権禰宜が例祭の斎行について同会や関係者らに感謝を述べ、「コロナ禍になってからは、これまでの当たり前の生活がどれほどありがたいものだったかと感じる。先が見えない状況だが、一日も早くマスクを着けずにお祭りできる日を祈っております」と話した。
上野宮司は参列者らに神社の歴史を説明し、「敬仰会の役員が少ない中、松本さまと榎本さまには一生懸命に尽力を頂いている。皆さまにもご協力をお願いしたい」とあいさつ。
松本さんは「コロナ禍において人や神様とのつながりの大切さに改めて気付いた。来年こそは通常通りの例祭が実施できることを願っている。皆さまどうぞ、お健やかに過ごしてください」と語った。
その後、配布された整理券を持った参拝者や地域住民に餅が配られた。
神倉山には明治時代まで「天狗(てんぐ)様」として親しまれた猿田彦命(さるたひこのみこと)の神社があった。火産霊神(ほむすびのかみ)と誉田別命(ほんだわけのみこと)を祭る三宝荒神社は立里(高野山)にあり、願望成就・商売繁盛の御神徳が高い。速玉大社は、氏子有志の協力で1981(昭和56)年に両社の社殿、鳥居、参道などを整備した。毎年5月8日に例祭を営んでいる。
(2021年5月11日付紙面より)
智弁和歌山が優勝 (春季近畿高校野球和歌山県予選 )
小中学生らがじゃばら植樹 (北山村 )
北山村立北山小・中学校(松本広明校長)の児童・生徒ら26人は4月27日、同校校庭の一角にじゃばらの木2本を植樹した。子どもらは今後、じゃばらの木の成長を通して地域研究に取り組んでいく。
毎年、シーズンにはじゃばらの収穫体験を行うなど、地域産品「じゃばら」を通したふるさと学習に取り組む同小中学校。
このたびの植樹は(公財)みずほ教育福祉財団の「令和3年度へき地教育研究助成(自由研究)」を受け、北山振興㈱の全面協力を得て実施。研究テーマを「北山をもっと知り、北山をもっと知ってもらおう~『じゃばら』から始めるふるさと学習の発信~」とし、「子どもたちが登下校時に観察できるように」と校庭の入り口付近に植樹場所を設置した。
じゃばらの歴史や成分、効能について調べ、地域が大切にしてきた食文化を学ぶことによって、子どもたちが地域を知り、より良い郷土にするためにできることを探求・発信していければという思いが込められている。
この日は、同社の北山振興・じゃばら農園管理責任者であり筏(いかだ)師の宇城公揮さんが植樹や管理方法を指導。子どもらは「おいしくなぁれ」と声を掛けながら、スコップや手で木の根に次々を土をかけていった。
児童会副会長の市村亜莉朱さん(6年)は「じゃばらは好き。給食でも出てくるじゃばらを使った竜田揚げがおいしい」。会長の岡こころさん(同)は「おいしいじゃばらの実がなりますようにと思いを込めて植樹しました」とじゃばらの成長を願った。
松本校長は子どもらに対し「北山村といえばじゃばら。じゃばらは村にとって大事な産業。毎日観察したり研究したり、実がなったらおいしい料理を考えたりしたいと思う。今日は北山小中にとって『じゃばらの記念日』です」と呼び掛けた。
(2021年5月2日付紙面より)
規模縮小し慰霊祭営む (那智護国神社 )
那智勝浦町天満の天神社に合祀されている那智護国神社(髙橋正樹宮司)で4月29日、「第66回慰霊祭」が営まれ、那智地区の英霊292柱と消防殉職者の安らかな眠りを祈念した。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小しての斎行となり、また、雨天のため社務所で行われた。
慰霊祭は例年、遺族や消防関係者、各地区の区長、住民など多くの人々が参列するほか、天満交友会の獅子舞奉納や餅まきも盛大に行われている。昨年も新型コロナの影響で規模を縮小して実施している。
この日は同神社奉賛会や遺族会、同神社責任役員など6人のみが参列。髙橋宮司が神事を執り行い、先人の犠牲の上に築かれた平和をかみしめ、現在の繁栄に感謝した。
奉賛会の山本年昭会長は「あなた方の尊い犠牲は新しい日本の復興に大きく貢献し、日本は世界に誇れる国となりました。私たちはあなた方の思いを引き継ぎ、平和な世の中を構築することに精進することを改めてお誓いします」と祭文を読み上げた。
式典後、遺族会の石井康夫会長は全国でも遺族会が高齢化し消滅や解散が進んでいることに触れ、「幸い、那智地区では奉賛会の方々のおかげで毎年、慰霊祭が行えているため感謝しております。来年、コロナが終息していれば盛大に実施したい」と話した。
(2021年5月2日付紙面より)
孔島嚴島神社・鈴島蛭子神社 (新宮市 )
新宮市三輪崎の孔島(くしま)嚴島(いつくしま)神社と鈴島蛭子(えびす)神社の例大祭が4月29日に営まれた。悪天候のため、三輪崎漁業協同組合の事務所2階から両神社に向いて神事を執り行い、関係団体の代表者たちが豊漁と航海安全を願って玉串をささげた。
孔島嚴島神社の主祭神は海路を守護する神として信仰を集める市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。鈴島蛭子神社の祭神は漁港を見守る大漁の神である蛭子命(ひるこのみこと)とされている。
神事には孔島・鈴島保護委員会の井上元和委員長や海野義尊・三輪崎漁業協同組合長、中村武・三輪崎八幡神社氏子総代会長、大石能央・農業実行組合長、濱口仁史・三輪崎区長代理らが出席し、熊野速玉大社の佐藤仁迪(ひとふみ)権禰宜(ごんねぎ)を斎主に迎えた。例年は両神社での神事後、参拝者らに盛大に餅まきを行うが、本年度は新型コロナウイルス感染拡大予防のため中止。神事への参列者に護符や餅を配った。
井上委員長は「世の中では新型コロナのこともあるが、漁業に関係が深い神様ですから、豊漁と航海安全を祈願した」。同会は大雨や台風後に島内に漂着した海洋プラスチックごみなどを清掃する美化活動に取り組んでおり、「紀伊半島大水害後、毎年各地で災害が起こっており、危惧している。今後も孔島と鈴島を守るため、奉仕活動をしていきたい」と話していた。
(2021年5月2日付紙面より)
梶取崎でクジラの供養 (太地町 )
太地町は4月29日、過去に古式捕鯨の見張り台であった同町の梶取崎(かんどりざき)公園でクジラの供養を行った。町漁業協同組合(脊古輝人組合長)、太地いさな組合(田中清仁組合長)、地域捕鯨を守る太地町連絡協議会(塩崎伸一会長)、町職員など11人が参列し、古くから町民の生活の糧としてきたクジラへの感謝をささげ冥福を祈った。
例年は100人ほどが参列する「鯨供養祭」が営まれているが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から昨年に引き続き今年も中止となった。しかし、関係者の中で「供養だけでもやろう」との声もあり、今回に至ったという。
この日は各団体の役員や町幹部のみという最小限の参列にとどめたため、住職の読経も行わずそれぞれが「くじら供養碑」に手を合わせた。
参列した〆谷(しめたに)和豊町漁協参事は「命あるものをいただいている。恵みに感謝するとともに冥福を祈ります」。
漁野洋伸副町長は「太地町は400年以上クジラと共に歩み発展してきた。三軒一高町長は『クジラの恵みを町民に』といつも話している。感謝の気持ちを持って今後も供養を続けていきたい」と語った。
(2021年5月2日付紙面より)
春季近畿高校野球和歌山県予選