下里神社で迎春準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の下里神社(山本貞夫宮司)は28日、初詣や歳旦祭に向けた迎春準備を実施した。神社役員や総代ら7人が鳥居のしめ縄の作成や張り替え、のぼりの設置などに取り組んだ。
この日は新型コロナウイルス感染拡大防止に努めながら、総代らが駐車場や境内を清掃。同神社の鳥居用に3反のサラシで長さ2㍍、直径6㌢のしめ縄や護国神社用の一回り小さいしめ縄などを作成した。
境内の樹齢400年と推定されるクスノキ用のわら製のしめ縄の準備が整うと協力して鳥居や拝殿など10カ所で張り替えをし、門松や奉納旗も設置した。
同神社によると、コロナ対策として、7年ほど前から実施してきたぜんざいの振る舞いや恒例のお神酒も取りやめるという。さらに手水(ちょうず)舎には消毒液を置き、参拝の際はマスク着用を呼び掛けている。
山本宮司は「コロナの関係で歳旦祭への招待もできずに残念。皆さんが元気にならないとさみしい。来年は早期に終息し、例年通りの行事ができることを祈っている」と話した。
なお、初詣は1月1日(金・祝)午前0時に開門し、歳旦祭は同日午前9時から同神社本殿で山本宮司や総代らで神事を執り行う。
(2020年12月31日付紙面より)
水族館で正月展示始まる (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館のトピックス水槽で27日、正月期間限定展示が始まった。期間は来年1月11日(月・祝)まで。
この水槽は館内Aゾーンにあり、常設ではなく串本の海の旬の話題を伝える目的で適時飼育展示対象の生き物を入れ替えながら紹介する形で活用。ただし年に2期、クリスマスと正月は時期に合わせた展示を飼育スタッフが創意工夫をして行う形が慣例になっている。
今回の展示は中村公一さんと佐久間夢実さんが担当。水槽内を「海中神社」の鳥居やさい銭箱、門松や七福神の置物などで飾り付け、串本の海からハコフグの仲間・ウミスズメとシマウミスズメを迎え入れている。
ウミスズメの仲間は目の上に角のような突起があるのが特長で、英名では「Cow Fish」(牛魚)と呼ばれている。ここに来年のえと「丑(うし)」とのつながりを求めて選んだという。
28日現在、ウミスズメ1匹、シマウミスズメ4匹を飼育展示している。日々の状況を見て内容を変える場合があるので了承してほしいという。
来館者の反応は上々で、28日は来館者の大半が一足早い迎春ムードに興味を示し、手にしたカメラで撮影する姿も多々。佐久間さんは「ウミスズメは目の印象がとても強く愛嬌(あいきょう)のある魚。水槽も映えるよう華やかに飾っているし、参拝をするような様子も時折見せてくれるので、写真を撮りながらゆっくりと親しんでもらえれば」と多数鑑賞を期待した。
この水槽を見るときは入館料が必要となる。同センターは年末年始も無休で、開館時間は午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)。感染症予防の一環で、正月三が日恒例の餅まきは中止としている。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2020年12月31日付紙面より)
さい銭箱設置など準備進む (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)は29日、初詣の参拝者を迎えるに当たり、拝殿手前に幅約8㍍のさい銭箱を設置した=写真。同大社では他にも、要所要所に消毒液を配置するなどの新型コロナウイルス感染防止対策を講じ、年末年始の参拝者を受け入れる準備を進めている。
新年の参拝者を迎えるに当たり、上野宮司は「信仰心でおいでになる人も多い。イラスト入りのポスターで注意事項を呼び掛けるなど、神社としてスムーズにお参りできるように誘導したい」と話しており、混雑時には普段閉門している東門を開門するなどの対策を講じる予定。東門を開門し参拝者の動線を確保するため、同大社ではこのほど、門付近の段差の整備なども実施した。
また、大みそかの混雑を避けるため、今年は初太鼓開門はなし。31日の午後11時30分ごろに開門し、随時参拝者を受け入れていく。
(2020年12月31日付紙面より)
中央児童館で大掃除 (新宮市 )
新宮市野田の中央児童館で28日、大掃除があった。5歳児から中学生までの20人が参加し、一年間にたまった館内のほこりを払い、窓拭きや本の整理に汗を流した。
新型コロナウイルス感染症の影響で利用人数や利用時間の制限を余儀なくされた中央児童館だが、3密防止や換気・消毒などの感染対策を取りつつ、本年度もクリスマス会や夏休みのチャレラン大会など、さまざまな行事を開催した。
同館職員は最初に、「いっぱい遊ばせてくれてありがとうの気持ちを込め、一年間でたまったほこりを掃除しましょう」とあいさつ。子どもたちは「幼児室」や「わんぱくルーム」「ゲーム室」「図書室」などを分担して掃除に励んだ。図書室では重たい畳を運び出し、本を全て取り出して棚を拭いた。雑巾を洗うと、バケツの水が真っ黒になっていた。
来年の開館は1月4日(月)から。引き続き年齢ごとに利用時間を制限しており、同館は理解を呼び掛けている。
(2020年12月31日付紙面より)
6日間の休業に入る
官公庁は28日、仕事納めだった。仕事納め式では各首長らが職員たちの一年の労をねぎらい、新年からのさらなる飛躍に期待の言葉を掛けた。ほとんどの官公庁は1月3日(日)まで6日間の休業となっている。
新宮市役所別館で行われた式には、久保智敬市議会議長、東原伸也副議長をはじめ職員約40人が出席。田岡実千年市長は「今年は新型コロナ対策に始まり、コロナ対策に終わった一年だった」と職員のコロナ対策への対応や市民の協力に対し感謝を述べた。
また、来年は今年以上に厳しい状況が予想されるとし「コロナの影響で冷え込んだ地域経済再生など、市としても真価が問われる一年となる。今まで以上に熱意を持って、市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現に向けてしっかりと取り組んでほしい」と訓示した。
尾﨑正幸総務部長が、市が講じた新型コロナ支援や姉妹都市・宮城県名取市の「名取市復興達成宣言」など、今年の出来事や主な事業などを振り返り紹介。
向井雅男副市長が「ゆっくり英気を養い、自分が感染していることに気付かないうちに誰かにうつしてしまうという危険性があることも認識しユニバーサルマスク(無症状の人も含めたマスクの着用)の徹底を」と呼び掛けた。
(2020年12月30日付紙面より)
消防本部と消防団が年末警戒 (新宮市 )
市民らが安心して新年を迎えることができるようにと、新宮市消防本部(越水薫消防長)と同市消防団(竹内由定団長)は28日から消防年末警戒に当たっている。
火を使用する機会の多い年末の火災予防啓発と警戒を行うことにより地域住民の防火意識の高揚を図ることを目的に、この時季に毎年実施している。市消防本部は市全域、消防団は各分団の担当地区の巡視や防火広報に取り組む。
同日夜にあった出陣式は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため参加団員の人数を制限して実施。市消防本部では旧市内七つの消防団から29人が出席した。
整列した団員らを前に、田岡実千年市長は日頃の活動に対し感謝を述べ「健康に留意し、市民の皆さまが安心して年末をお過ごしいただけるよう尽力を」と呼び掛けた。
久保智敬市議会議長は「新年に向かって火を使うことが多くなり油断できない状況になるが皆さま方のご尽力に期待する」。濱口太史・県議会副議長は「コロナ禍で自宅で過ごす人も多い。市民のためにも火の取り扱いに対する注意喚起を」。
小畑博昭・新宮警察署長は「年末年始に当たり警察でも特別警戒を行っている。今後も連携を密に、市民の安全を守っていければ」と協力を求めた。
式後、団員らは消防車両に乗り込み、市長らに見送られる中担当地域へ出発。30日までの3日間、午後8時から11時まで市内を巡視し、地域住民の防火意識の高揚を図る。
那智勝浦町消防団では29、30日の2日間にわたり年末特別警戒を実施する。新型コロナ感染拡大防止のため、町長巡回を中止し、各団3密を避けるため出動人員を減らして取り組む。
(2020年12月30日付紙面より)
くまの里山と交流図る (那智勝浦町 )
休耕地の再生や地域活性化などに取り組む「くまの里山」(西美恵子代表)が活動する那智勝浦町高津気地区にこのほど、上富田町の一瀬里山会が視察に訪れた。西代表が自身の団体の取り組みを紹介し、交流を図った。
「くまの里山」は2007(平成19)年に組織された「高津気竹灯りの会」が母体で数年前に「くまの里山」に改称。農業を身近なものとし、里山に残る食文化や先人の教えを次世代につなぐとともに、耕作放棄地の再生やしし垣の保全、里山の保存のために活動している。
一瀬里山会は16(平成28)年度に結成され、17(平成29)年度から農業農村活性化支援モデル事業に参画。「地域資源を活用した”おどろきと感動”の地域つくり」と「実践活動を通じて遊休農地の有効活用と地域の活性化」に取り組んでいる。
主な活動として、休耕田にヒマワリや菜の花を植え、アサギマダラ飛翔のために遊休地を利用し、フジバカマを植栽。棚田米と市ノ瀬産の棚田ゴマを使ったゴマセンベイづくりなど多岐にわたる。
今回の視察は西牟婁振興局を通じて行われた。オーナー制をピーマンやナスの畑で検討する同会は、すでに制度を取り入れているくまの里山の取り組みを学びにきたという。
高津気地区の清源寺で作成した資料を基に西代表が活動内容を説明。その後、タマネギ畑も案内した。西代表は「一瀬里山会さんのほうが先進地であり、活動も幅広く勉強させていただいた。『ぜひこちらにも来てください』とお話もいただいている。これを機会に交流を続けていきたい」と語った。
(2020年12月30日付紙面より)
蓬莱の畑地製菓舗 (新宮市 )
蒸した餅米の湯気が工場内に立ちこめる―。新宮市蓬莱の畑地製菓舗(畑地泰明店主)は27日から、正月用の鏡餅作りを始めた。店員、アルバイトを増員し、朝からつきたての餅を丸めて店頭に並べている。
作業は31日(木)の午前中まで続き、7~16㌢の8種類の鏡餅を作る。鏡餅の他、ヨモギなどの棒餅やエビ入り、トチの実を使った餅など多様な種類を用意している。
畑地さんは「鏡餅は硬めにしないと形が崩れてしまう。今年は新型コロナの終息を一心に願い製作に当たっています」と正月用の餅作りに込めた思いを話した。
日本の伝統・鏡餅は丸く平たい形をした正月用の床飾りで、穀物神「年(歳)神」への供え物であり依(よ)り代(しろ)。その形は「三種の神器」の鏡、玉、剣を表しているといわれる。地方によって異なるが、一般的に1月11日が鏡開き。刃物を使わず木づちなどでたたいて割って食べる。
正月に餅を食べる習慣は平安時代、宮中で健康と長寿を祈願して行われた行事「歯固めの儀」に由来する。家に床の間が作られるようになった室町時代以降、現在のように供えられるようになった。
(2020年12月30日付紙面より)
新宮弓友会納射会
たまたまトルベリーノカップ
新年を前に煤払い (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、恒例の「煤(すす)払い式」が営まれた。上野宮司や神職、同大社敬神婦人会の久保あや子代表ら総勢約30人が境内のほこりを落とし、迎春準備を進めた。
煤払い式は神事の一つ。麻ひものたすきを巻いた神職が、長さ約5㍍のささ竹で各殿の壁面や屋根にたまったほこりを払い、拭き掃除を行った。婦人会はバケツや雑巾を手に境内各所を水拭きした。
久保代表は「今年は新型コロナウイルスの影響で敬神婦人会の活動が思うようにできなかったが、最後に大掃除をしてすっきりした気持ちで新年を迎えられることができた」と一年を振り返り、新型コロナの一日も早い終息を願った。
上野宮司は「煤払い式は一年の区切り。掃除だけではなく、境内の傷んだ所などを点検する機会でもある。掃除、点検をもって気持ちよく参拝者をお迎えしたい」。
新年の参拝者を迎えるに当たり「お正月は信仰心でおいでになる人も多い。今年も株式会社川合組さんに臨時駐車場の整備奉仕を頂いた。イラスト入りのポスターで注意事項を呼び掛けるなど、神社としてはスムーズにお参りできるように誘導したい」と話していた。
同大社では初詣に向けて幅約8㍍のさい銭箱を準備。拝殿手前に設置し、要所要所に消毒液を設置するなどして新型コロナウイルス感染拡大防止対策を講じる構え。また、今年は大みそかの初太鼓開門はなし。31日(木)午後11時30分に開門し、随時参拝者を受け入れる。混雑時には東門を開門するなどしてスムーズな動線確保に努める予定。
(2020年12月26日付紙面より)
大学生がグローバル研修 (武者修行(R)プログラム )
大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は24日、那智勝浦町内で「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」を開始した。参加2週間前から厳重に体調チェックを行い、厚生労働省公式の新型コロナウイルス接触確認アプリを導入するなどした東京都や愛知、和歌山県内など各地から集まった大学生7人が参加。来年1月5日(火)までの期間、同町の体験型観光の代表である「紀の松島観光船」のプラン作りなどに取り組む。
今年9月に実施したプログラムでは町の目玉商品となる名産品や生マグロを利用した新商品などを開発。採用された商品は同町築地のにぎわい市場で販売されることとなった。
同社によると、学生やスタッフらはアルコール消毒やマスク着用はもちろん、日々の検温や酸素濃度検査、体調管理シートの記録など、新型コロナ感染拡大防止対策を講じているという。
今回は「紀の松島」乗船中の満足度向上や集客増を目指すプランなどを作成する。キックオフとなったこの日、学生は「途上国で教育支援のビジネスをやりたい」「人の成長や変化に関わりたい」など、自己紹介や参加の動機など発表。
同社人財紹介事業部の東条智子さんや経営企画室所属でファシリテーターの松田宇弘さん、同じくファシリテーターの髙野康さん、加藤大吾さんがプログラムの説明などを行った。
ビジネスマナーやリスクマネジメントを学んだ学生は、三つのチームに分かれて素材探しや町民とのコミュニケーションを取るために町内のフィールドワークを実施した。
地元の高校生など3人も合流し、参加者との交流を図った。同町在住で和歌山県立南紀高校2年の貝岐好香さんは「地元が大好き。町にとっても大切な紀の松島のプランを考えてもらえるのはうれしい」と語った。
その後、学生は紀の松島観光株式会社専務取締役の加藤康高さんや堀順一郎町長、那智勝浦観光機構(NACKT)の村井弘和事務局長、堀千寿子さんらと対面した。
加藤専務取締役は「当町においての体験型観光は紀の松島しかないが、マンネリ化もある。若い人たちの新しい視点で見つめていただきたい。勝浦を盛り上げる一つの形になれば」と語った。
なお、一行は27日(日)に中間プレゼンを行い、来年1月2日(土)、3日(日)の効果検証を経て、4日(月)の最終プレゼンに挑む。
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■武者修行(R)プログラムとは
株式会社旅武者のベトナム法人が運営する店舗で、全国から集まる大学生がチームを組み、新規ビジネス担当者として新商品・サービス開発やプロモーション企画を自らで考え、行動し形にして顧客に届けるリアルなビジネス体験学習プログラム。
今年から日本国内でも実施し、地域や地域住民と関わる関係人口の増加や、武者修行修了生を中心とした関係人口ネットワークの構築を目指しているという。
さまざまな困難に直面する中、自分自身の成長課題に向き合い、自己変革(変態)などをしていくことで、主体的に自らの置かれた状況と向き合い、人生を切り開く力「自走式エンジン(R)」を積むことを目的・ゴールとしている。
同社は大学生向けの研修以外にも企業の若手向けグローバル研修や戦力人事・組織開発コンサルティング、採用支援などを行っている。
(2020年12月26日付紙面より)
職員向け男女共同参画研修会 (紀宝町 )
紀宝町の職員を対象とした男女共同参画研修会が23日、同町役場であり、職員49人が性の多様性について理解を深めた。
町では、昨年12月の「広報きほう」で「性の多様性」を13㌻にわたり特集。全国広報コンクール広報紙部門(町村の部)で全国1位となる特選(総務大臣賞)に輝いた。
研修会は午前、午後の2部に分けて実施。県男女共同参画センター「フレンテみえ」の安川真由美さんと武藤祐太さんが講師を務めた。
安川さんは、性的マイノリティーのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)について「性的少数者とも言い、同性を好きになる人や、心と体の性別が一致していない人など多様な性を生きる人たちの総称。性の在り方は人の数だけあり、一人一人が違う」と説明した。
「『男は、女はこうあるべき』と言われてきたが、『らしさ』に合わないことで生きづらさを抱えている。根強い偏見がまだまだ残っているため、公表できない」とし「性的マイノリティーの当事者は確実に周囲にいます。誰もが性的指向があり、偏見をなくして社会全体で考えることが必要」と示した。
また、▽職員の差別意識解消▽多様な性に関して対応可能であることを明示する▽当事者がいる・いないにかかわらず取り組みを続ける―といった行政機関として考えることの一例を紹介した。
(2020年12月26日付紙面より)
校内塾「和大オンライン塾」 (串本古座高校地域協議会 )
串本古座高校地域協議会の校内塾「和大オンラインくろしお塾」が23日に閉講を迎え、受講する同校生徒は大学生講師2人との対面授業に臨み監修者・豊田充崇教授から大学生活に向けたアドバイスをもらうなどして学びを締めくくった。
大学を身近に感じる機会として前年度に「出張!和大くろしお塾」を実施した同協議会。本年度はコロナ禍に伴い急速に進む各学校への通信端末(タブレット)導入を追い風にし、ウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用して機会を増やした同塾を企画。手法に強い和歌山大学教育学部の豊田教授に監修を求め、学生の畑尾蓮さんと栗生菜名さんがオンライン授業を行う内容で生徒に受講を呼び掛けた。
結果、1、2年生8人が受講を希望し、10月28日に開講。初回は講師2人が来校して生徒と顔合わせをし、同システム経由で豊田教授がこの塾の趣旨を伝えた。以降は学生2人が基本週1回の頻度でオンライン授業を実施し、生徒は英語や数学の問題演習を受ける形で学習に励み、現役の大学生との情報交換にも取り組んだ。
当初は今月16日に閉講する予定だったが、諸事情で23日に変更。講師2人が豊田教授と共に来校し、前半は講師2人が対面式での授業、後半は豊田教授が進路指導を繰り広げた。
豊田教授は小、中、高校と違って大学は学ぶ道筋を自ら決めて専門性を目指す場で、将来を見据えて通わないと無駄に過ごすことになると説明。学部ごとに入試が行われることも踏まえ、高校生のうちから将来を考えておいてほしいと促した。
その上で和歌山大学の学生主体の学びの環境を伝えて生徒の進学のイメージを強化し、塾内で織り交ぜたオンラインと対面の授業の違いも振り返って同塾での経験を今後の学びに役立てることを期待するなどした。
活動を終えて聖谷優大君(1年)は「授業が勝手に進むと感じた時もあったけど、先生が分かるまでつきあってくれるので質問はしやすかった。オンライン授業でもしっかりと勉強する自信がついた」。
問山裕海さん(2年)は「先生がとてもフレンドリーで、リラックスして理解できた。大学生の自由さも分かり、その姿に憧れを感じて大学生になりたいという気持ちが高まった」と取り組んだ成果をコメント。
豊田教授は「対面ほどではないがオンラインでも授業はできるという実証が得られた」と監修の成果を振り返り、地理的距離を解消して大学との身近さを得る手法として引き続き活用することを今後に期待した。
(2020年12月26日付紙面より)
【第27回】お正月はおせちで食育
お正月は親もお仕事がお休みの方も多く、日頃教えない伝統食について子どもに教えてあげるチャンスです。
おせち料理の由来は、「御節供(おせちく)」というお祝いのお料理から来ています。「御節供」は季節の変わり目、いわゆる節句の時に、神様に感謝し、不老長寿や五穀豊穣(ほうじょう)を願うお料理でした。それが、江戸時代ごろからお正月のお料理として定着し、「おせち料理」となったといわれています。新年を迎えられることに感謝し、また一年健やかに過ごせるようにと願いを込める料理へと変わっていったのです。
おせち料理には、たくさんの願いが込められています。まずはそのことを伝えてほしいと思います。多くの人の願いがお料理と共に、古くからずっと受け継がれているということを。でもその意味を全て、しっかりと伝えるにはあまりにも数が多すぎるのです。多くのものの中からいくつかをピックアップして伝えるのはいかがでしょうか?
私のオススメ一つ目は、黒豆です。黒豆をおせちに入れる意味は、「まめに働く」「まめに暮らす」などといわれていますよね。私たちは普段、「あの人はまめやね~」というように、「こまめ」とか「細やか」みたいなイメージで使っていますよね。でも、「まめ」には苦労をいとわずに物事に励むとか勤勉にという意味があるんです。まめに、誠実に、一生懸命頑張れますようにという願いが込められているんだと教えてあげてください。
また、ゴボウの意味を教えてあげるのもすてきです。ゴボウは土の中に真っすぐ伸びて根を力強く張ることから「不老長寿」や「一家繁栄」を意味するといわれていますが、「真っすぐにぐんぐん育つ」というイメージを与えてあげてほしいのです。「ちゃんと根を張って真っすぐに伸びていきますように」という願いだと伝えてください。
三つ目はエビ。エビは腰が曲がっていることから、腰が曲がるまで健康で長生きできますようにという願いが込められています。普段の生活で忘れがちなことですが、私たちの願いは全て「健康」の上に成り立つものです。家族の健康が最も大切だということも一緒に伝えてあげてください。
もちろん、他のお料理にも「五穀豊穣」「一家繁栄」「将来の見通し」などいろんな願いが込められています。私が、この上記三つを推すのは「家族への優しさ」が詰まっているからです。食育をいろいろな側面から学んでいてつくづく思うのは、食べるものや、知識はそう重要ではないということです。親が子どものことを思っているんだよ、あなたの居場所はここなんだよと食を通して伝えることが大切なんです。そして、そのことをとってもストレートに伝える絶好のチャンスがおせち料理だと思います。ぜひ一年の始まりに、食育としておせちのお話をしてみてください。
(2020年12月26日付紙面より)
那智勝浦町出身 (レスリング )
那智勝浦町出身で日本体育大学3年の山口海輝(かいき)選手(21)が、17~20日に東京都の駒沢オリンピック公園体育館で開催されたレスリングの「2020年天皇杯全日本選手権」の男子フリースタイル65㌔級で優勝を果たした。
山口選手は新宮ジュニアレスリングクラブで練習に励んで中学校を卒業後、高校レスリングの強豪である日体大柏高校(千葉県)へと進学。2015(平成27)年の紀の国わかやま国体や高校総体、JOC(日本オリンピック委員会)杯、ブバイサ・サイキエフ国際大会を制すなど、国内外で活躍している。同大学進学後もさまざまな大会で結果を残し、11月には57㌔から65㌔に階級を上げて挑んだ内閣総理大臣杯でも優勝した。
天皇杯では相手選手の棄権により1回戦を突破すると、準決勝は上野裕次郎選手(栃木県スポーツ協会)に快勝した。決勝戦では自他ともに認めるライバルである安楽龍馬選手(早稲田大学)と対戦。白熱した試合を展開し、ポイント2―1で接戦をものにして見事勝利を収めた。
優勝の報告を受けた父・哲也さん(45)は「新型コロナウイルス感染症の影響で練習ができない中、一生懸命自主トレに励んでいました。本人は優勝はうれしい反面、積極的な攻めができなかった、目標である『世界』に向けて課題にしっかりと取り組んでいかないといけないと振り返っていました」と語る。
「総理大臣杯、天皇杯ともに一番の成績を残してくれたことは喜ばしく、優勝を信じていた。これからも支えてくれた多くの方々に感謝しつつ、謙虚さを忘れず突き進んでほしいですね」と話していた。
(2020年12月22日付紙面より)
フィンランドのお菓子作り教室 (紀宝町 )
フィンランド在住のサウナ文化研究家、こばやしあやなさんを招いてのお菓子作り教室が18、19日の2日間、紀宝町浅里の飛雪の滝キャンプ場で開かれた。2日間で計18人が参加し、フィンランドのクリスマスのお菓子「ヨウルトルットゥ」を作った。
18日の教室には子ども6人を含む8人が参加。こばやしさんは世界地図を基に「フィンランドは北欧にあり、湖が多い国。日本からは飛行機で9時間くらい。夏は白夜で太陽が沈まず、冬は太陽が出ずに寒い国」と紹介した。サンタの国、フィンランドではクリスマスを「ヨウル」と呼び、「ヨウルトルットゥ」とホットドリンク「グロギ」がクリスマスの定番だという。
ヨウルトルットゥ作りに挑戦した子どもたちは、正方形の生地に切り込みを入れて、折り紙のように折っていった。天使や花、かわいい風車のような形に折り、伝統的なプルーンとリンゴのジャムをたっぷり塗ってオーブンで焼いた。
焼き上がるまで、こばやしさんはフィンランドの景色を写し出し、「10月に初雪が降り、11月には湖が岸辺から凍り始める。冬のフィンランドはオーロラがきれいで、秋には湖に映ることがある」と話した。
クリスマスにはイルミネーションやツリーを飾り、日本と違いフィンランドのサンタは昼間に来てくれるという。
クッキーで家を作るフィンランド文化などを映像で楽しみ、15分後にはオーブンから甘い香りが漂った。お菓子が焼き上がると、子どもたちは熱々のまま頬張り「上手にできた」「おいしい」と笑顔を見せていた。
(2020年12月22日付紙面より)
大みそかに向け試験点灯 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)別宮、飛瀧(ひろう)神社の御神体である那智の滝と、那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)の三重塔で19日、大みそかのライトアップに備えた試験点灯があった=写真。
1989(平成元)年から始まったライトアップ。発光機の清掃の後、午後5時に点灯され、水銀灯3基と、5基のライトに照らされた三重塔と那智の滝が夕闇迫る那智山中に浮かび上がった。
見守った青岸渡寺の髙木亮英副住職は「新型コロナで大変な世の中、一日も早い終息と、世の平和を願いたい」と話していた。
ライトアップは31日(木)の日没から元日の明け方まで実施される。熊野那智大社では27日(日)に滝の上に架かるしめ縄を張り替え、迎春に備える。
(2020年12月22日付紙面より)
古座川サイクリングフェス (古座川町 )
古座川町で19日、自転車イベント「古座川リバーサイドサイクリングフェス2020」があり一般84人が「KINAN Cycling Team」のプロ選手と共に高池の虫喰岩、滝の拝、一枚岩といった名勝を巡るツーリングに親しんだ。
このイベントは同町観光協会(須川陽介会長)とNPO法人スポーツプロデュース熊野(角口賀敏理事長)が主催、同町と県が後援、株式会社キナンが協力。信号がなく交通も穏やかな町域を生かしたサイクルツーリズムを推進する同協会が主要なコースを広く伝えるため、新宮市を拠点にし大会運営のノウハウを持つ同法人と両輪で計画し、①清流奇岩巡りコース(滝の拝以外の名勝巡り、全長約28㌔)②清流3名勝巡りコース(全長約50㌔)―の2ルートを設定して事前申し込みを受け付けた。
当日は①に20人、②に64人が参加。同協会事務局がある道の駅虫喰岩を大会拠点にして開会し、須川会長は「コロナ禍と初開催で満足のいくイベント結果にならないかもしれないが、今後もよりよいイベントにしていきたいので温かい気持ちで迎えていただければ幸い。古座川の自然や味覚を十分に楽しんでほしい」とあいさつして歓迎した。
来賓を代表して西前啓市町長、鶴保庸介参議院議員、角口理事長が祝辞を寄せ、町議有志も列席。県議会の濱口太史議員と二階俊博代議士の秘書・二階伸康さんは列席に加えて一般参加もした。
共に駆ける同チーム選手10人の自己紹介後、選手含む10人前後の小グループに分かれて順次スタート。スポーツ自転車相応に軽くスピードを出しながら前半はチェックポイントがある各名勝巡りをし、エイドステーションがある一枚岩前で合流した。ジビエやアユ、ユズ菓子など地元の味を昼食としつつ選手のトークショーを鑑賞するなどしながら休憩を取り、後半は南紀月の瀬温泉ぼたん荘前のチェックポイント経由で道の駅虫喰岩へと戻った。
実施に当たり同協会がレンタル提供するスポーツ自転車は全車貸し出しとなり、同法人も希望に対する不足分を出してフォローしたという。ツーリング後は記念グッズ(イベントロゴ入りボトルなど)を受け取って終了となり、参加者やスタッフは物産やサイクリンググッズの直販を利用しつつ解散した。
(2020年12月22日付紙面より)
クリスマス需要に向け目慣らし会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町苺(いちご)生産組合(桒野稔近(くわの・としちか)組合長)は、クリスマス需要期の出荷に向け18日、同町南大居のJAみくまの太田営農センターで、和歌山県オリジナル品種のイチゴ「まりひめ」の目慣らし会を開いた。イチゴ生産農家14人、みくまの農業協同組合、県職員らが参加し、イチゴの品質などについて意見を出し合った。
「まりひめ」は東牟婁地方を代表する特産品で、那智勝浦町の太田地区が主要産地。果実は大きめ、甘みが強く酸味もほどよい。例年12月初旬から翌年の5月ごろにかけて出荷。公設市場を通して近隣のスーパーなどで販売される。昨年は4パック入り約1万2000ケースが出荷された。
目慣らし会はケース詰め基準の統一と等級の確認を目的に、イチゴの出荷が本格化し始める時季に開催している。桒野組合長は、同センターに届いた約100ケースのイチゴを前に「コロナの影響も続くが『まりひめ』は人気がある品種。これからも自信を持って出荷してほしい」と参加者らに呼び掛けた。
桒野組合長は「大きな台風もなかったが天候の関係か、少しだけ収穫が遅れた。しかしクリスマスに間に合って良かった」と今年の状況について説明し「大きくて食味がいい。『まりひめでなければ』というファンも多い」と自信をのぞかせた。
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1971(昭和46)年に結成され、設立50年を迎える那智勝浦町苺生産組合。このほど、同組合は産業の振興や発展、農山漁村の活性化に貢献したとして、令和2年度「和歌山県農林水産業賞」(農業部門)を受賞した。桒野組合長は「設立50年を迎えるに当たり栄えある賞を頂けて光栄」と話していた。
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「まりひめ」が品種登録されて今年で10年を迎えた。県いちご生産組合連合会は今年、「まりひめ」のPRポスターを一新。「今年も『まりひめ』元気です」をキャッチコピーに採用し、さらに愛される品種を目指す。
また、連合会は各管内の小学生を対象に「まりひめ」PRポスターコンテストを実施しており、優秀作品を来年以降のポスターに採用する予定としている。
(2020年12月20日付紙面より)
合同夜間パトロール (新宮市 )
少年補導員、地域安全推進員、熊野パトロール隊、新宮少年相談センター、新宮警察署による合同夜間パトロールが18日、新宮市内であった。約30人が同市大橋通の大橋交番を出発。約1時間かけて繁華街や商店街、国道沿いなどを巡回した。
年末年始特別警戒の取り組みの一環。年末にかけて少年の非行など治安情勢が悪化傾向にある中、少年の非行防止、安全安心のまちづくりを目的に実施した。
パトロールの実施に当たり、同署の小畑博昭署長が「当署も年末年始の特別警戒に努めている。本日は寒く、ご多忙の中お集まりいただいてありがたい」とあいさつ。
参加者らは各自、懐中電灯や「安心・安全街づくり」と記されたちょうちんや「みんなでつくろう 安心の街」と書かれたのぼり旗を手に夜のまちを巡回。併せて、自転車盗や特殊詐欺に注意を呼び掛けるのぼり旗も用意し、防犯意識高揚のための広報活動を行った。
(2020年12月20日付紙面より)
1年生と地元企業の交流会 (紀南高校 )
御浜町の県立紀南高校(森典英校長、生徒189人)で18日、地元企業8社を招いての交流会があった。1年生55人が参加し、各企業から事業内容などの説明を受けた。
県外進出、県外就職が増加する一方、ふるさとを離れても将来的には戻りたいというニーズがあることを踏まえ、地元の高校生と企業の交流の場を設け、将来、就職を考える一助に、また、地元の人材確保につながる機会となるよう県商工会連合会が主催。
3回目を迎えた本年度は、かきうち農園、さくら清凉社、ウミガメフーズ、尾﨑畜産御浜ファーム、M・A・P紀南事務所、熊野精工、野地木材工業、三角田(みすまだ)工業が参加した。
体育館に集まった1年生を前に、紀宝町商工会の田尾友児会長が「将来、この地に残って働きたいと思う人もいると思う。なるべく地域に残って地元産業を支えてもらいたい。今日はじっくり話を聞いて進路の参考にしてほしい」とあいさつ。
各ブースでは会社代表や担当者が会社概要や業務内容などを説明。働くイメージを持ってもらおうと、映像で紹介する企業もあり、生徒たちは2年後の進路実現に向けて、熱心に耳を傾けていた。
(2020年12月20日付紙面より)
新宮警察署(小畑博昭署長)は18日、管内の個人6人に対し感謝状を贈った。一人一人に感謝状を手渡した小畑署長は「安心安全なまちづくりは、皆さまや地域の方々の協力なしではなし得ない。今後とも警察業務にご理解いただくとともに、末永いご支援とご協力を」と謝辞を述べた。
このたびの感謝状は、令和2年中に警察活動の各分野における協力者に対し贈呈するもの。警備や雑踏事故防止、拾得業務の適正化、交通安全、防災、犯罪抑止などの各分野に功労があった人に贈られた。
ホテル浦島執行役員の石垣俊光さんは、テロ対策等管理者対策に協力するなど、警備活動に協力した。熊野本宮大社の九鬼家隆宮司は、例大祭や初詣などにおいて新型コロナ感染予防対策を講じた上で事前に雑踏整理のシミュレーションを実施するなど雑踏事故防止に万全を期したことが評価。
西日本旅客鉄道株式会社新宮駅長の小谷典史さんは、特例施設占有者として拾得物の適切な保管管理や届け出を行い、県民の財産保護に寄与。交通安全協会新宮支部職員の下浦朋さんは、約18年にわたり交通安全協会職員として精勤し管内の交通安全に貢献した。
株式会社POS代表取締役の堀哲也さんは、行方不明者の捜索や、同署との合同によるドローン操縦訓練の実施や、関係機関による大規模地震災害対応訓練への参加など、各種防災活動に協力。株式会社オークワ保安員の宮本さおりさんは、万引被疑者の検挙や捜査への協力など、管内の万引事犯の減少に努めるなど犯罪抑止活動に尽力したことが認められた。
感謝状を受け取った堀さんは「民間としてドローンを使って活動に協力できた。身に余る光栄」。九鬼宮司は「気が引き締まる思い。改めてしっかりと、安心安全に参拝者の方々をお迎えできるよう努めたい」と喜びを語った。
(2020年12月20日付紙面より)
熊野川中で防災授業 (国交省 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所は11日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川中学校(吉田元紀校長、生徒29人)で公開防災授業を実施した。「大雨が降ったときの身を守る行動を考えよう!」をテーマに、生徒たちが大雨に伴う水害時に取るべき行動などについて討議し、災害に対する認識を深めた。
防災授業は今年で4回目の取り組み。国内有数の台風常襲地である紀伊半島において、有事の際にどのようなタイミングでどのような行動を起こせばいいのかなどを考えるきっかけづくりとして実施している。
同事務所調査課の玉木秀幸・地域防災調整官らが、2011(平成23)年の紀伊半島大水害や18(平成30)年の西日本豪雨などの様子を写真や資料を用いて過去の災害を振り返った。
洪水浸水想定区域図や土砂災害警戒区域図、洪水ハザードマップなどの説明を行い▽在宅▽避難所▽ホテル▽青空▽縁故―のコロナ禍における避難方法を紹介。
4班に分かれた生徒らは避難ルート、タイムラインなどのワークシート記入や意見交換、情報共有を通じて、地域や自宅の水害・土砂災害の危険性や避難時の注意点、避難ルートの確認、避難の際に行う準備や行動について考える機会とした。
最後に、各ワークを通して確認した内容を班ごとに発表。「動きやすい服装で避難する」「状況を確認しながら周りの人を手伝う」「大切なものは2階に上げる」「ラジオやモバイルバッテリーを用意しておく」「普段から地域の人とコミュニケーションをとっておく」など、避難時の具体的行動について示した。
発表を終え、玉木地域防災調整官が「自分の家のリスクの確認は重要。今日のことを持ち帰って、家族の人に教えてあげて」と呼び掛けた。生徒会長の中前なごみさん(2年)が「防災のことをたくさん教えていただき勉強になった。今日のことを今後にも生かしていきたい」と玉木地域防災調整官らに感謝を述べた。
(2020年12月13日付紙面より)
教育研究会ICT部会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育研究会ICT部会は10日、町立太田小学校(上地巳奈子校長)、市野々小学校(中西健校長)、色川小学校(寺地琢也校長)、宇久井小学校(芝﨑勝善校長)の4校をつないでオンライン授業を実施した。
同部会は本年度、オンラインツールを活用した遠隔授業をテーマに研究を進めている。国が推進するGIGAスクール構想への対応や、1人学級を抱えるへき地の小規模校同士の交流など、さまざまな視点から児童にとってより良い授業の在り方を模索することが目的。
この日はオンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を用い、宇久井小学校から平瀬公士教頭が国語科の授業を実施。遠隔で3校の5、6年生30人が、2、3人のグループに分かれて電子黒板やノートパソコンで授業を受けた。
児童は「虫」「虹」「地」などのヘビが元になっている漢字の成り立ちを学び、「蛸(たこ)」「蚯蚓(みみず)」といった難読漢字クイズで盛り上がった。他校の友人と一緒に授業を受けられることを喜ぶ姿も見られ、児童からは「クイズで頭をたくさん使った」「いろんな人と交流できてうれしい」との声があった。
教職員による研究協議では、「児童の感想は楽しかったという意見が多く、交流ツールとしては良い」という意見があった反面、「授業する側としては子どもたちの様子が把握しづらい」「ノートパソコンでは音量が小さく、外付けのスピーカーが必要。機材の接触不良で、電子黒板から音がでないトラブルもあった」といった課題も浮かび、今後の改善について議論が交わされた。
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■GIGAスクール構想
GIGAは「Global and Innovation Gateway for All」の略。義務教育を受ける児童・生徒に1人1台の学習者用タブレットと高速ネットワーク環境を整備することで、公正に個別最適化され、資質・能力を確実に育成できる教育ICT環境を実現する構想。
(2020年12月13日付紙面より)
校庭に巨大ピクセルアート登場 (木本高 )
創立100周年を迎える県立木本高校の校庭に9日、巨大なピクセルアートが登場した。この歴史と伝統を祝う事業の一環で、3年生188人による「100」の人文字とともにドローンによる記念写真撮影で祝った。
同校は1920年、県立木本中学校として開校し、55年には現在の木本高等学校に校名を変更した。記念のピクセルアート作りは昨年夏に企画され、同高校、熊野林星会、三重大学地域拠点サテライト、東紀州サテライトが制作に携わってきた。このアートは約9㍍×14・4㍍の大きさ。同高校学校林のヒノキの間伐材を利用した4・5㌢角の木片チップ6万4000枚を使って80枚のパネルに仕上げ、制作を担当した3年生がこれを並べることで完成させた。
図柄は100年の歴史を表現するため、開校当時の制服を着た男子生徒と現在の制服姿の女子生徒を並べ、後方には100年前から変わらぬ姿の獅子岩を描いている。図案は3年生で漫画研究部の松本奈々部長(17)が考案し、約1カ月かけて完成させた。これを節目とした新しい歴史の始まりには、「今の学校や地域の雰囲気を守り、変わらずにいってほしい」と願った。製材や乾燥を重ねて材料のチップを用意した熊野林星会の野地良成副会長(39)は「生徒たちと何かできないかと高校から相談があり、木育教育の一環として引き受けた。地元高校に少しでも恩返しできたかな」と述べた。
作業を終えた仲川聖華さん(17)は「100周年記念事業に参加できたことを誇りに思う」、同じく川上かおるさん(18)も「伝統ある素晴らしい学校と改めて感じた」と話した。撮影会は当初9月16日の予定だったが、天候の都合で延期されていた。パネルは、パーティションなど活用法を検討中という。
(2020年12月13日付紙面より)
移転準備のため26日に閉館 (鵜殿図書館 )
紀宝町立鵜殿図書館が移転準備のため、26日(土)をもって閉館し、28年の歴史に幕を下ろすことになった。来春には同町神内の旧保健センターに移転し、「図書館・子育て支援センター複合施設」として再開する。
鵜殿図書館は1992(平成4)年4月に建設され、施設の老朽化が進みバリアフリー対策も十分でないことや、小高い丘の中腹に位置し交通アクセス、駐車場が広くないなどの理由から移転が決まった。
26日まで町内在住、在勤者に限り1人20冊まで本を借りることができる。返却期限は来年4月1日までで、図書館玄関横のブックポストに返す。入館の際はマスクの着用と手指消毒を求めている。開館時間は午前9時30分から午後6時までで、休館日は月曜日。
移動図書館は来年1月まで予定通り実施する。日程は「広報きほう1月号」に掲載する。
1月以降、移転準備により整理した本の「リサイクル本コーナー」を町生涯学習センターまなびの郷と、ふるさと資料館に設置する。
今月16日(水)午後7時から、図書館2階研修室で児童書作家・杉山亮さんによる「ものがたりライブ」を開く。対象は小学生以上で、申し込み、問い合わせは同図書館(電話0735・32・4646)まで。
(2020年12月13日付紙面より)
じゃばらいず北山が会見
北山村の特産品ジャバラを用いた事業の発展と地域づくりに寄与することを目的に設立された「株式会社じゃばらいず北山」(池上輝幸代表取締役社長)は10日、新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で会見を開き、ジャバラの花粉症への効用を調べるモニター調査や臨床試験の内容を発表し、新商品をPRした。
モニター調査は、東京都の東京家政大学(以降、家政大)と共同で回答アンケートを作成することにより、より精度の高い結果を出すことができるという。第1弾が14日(月)から来年1月25日(月)まで。第2弾は1月26日(火)から3月1日(月)までを予定。各1000人を募集。ジャバラ粉末を1日1㌘程度、2週間ほど摂取し、花粉症への効用をアンケートで答える。ウェブでの申し込み限定(https://www.kitayamamura.net/kafun2000/)。
臨床試験はデータの信ぴょう性を高めることを目的に、医師で家政大の澤田めぐみ教授がジャバラのスギ花粉症に対する有効性と安全性を科学的に調査する。家政大は過去に約1カ月間の短期試験を行っており、今回は約3カ月間の長期試験となる。検査にはジャバラの果皮の粉末を固めたものを使用するが、長期投与効果を検討するために効き目成分が入っていないものも用いるなど、プラセボ対照、ランダム化二重盲検を行うという。調査の対象者は東京都在住となる。
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新商品は、これまでの「じゃばらパウダー」に改良を加え、子どもでも味わえる粉末となった「じゃばらっ粉(こ)」。人気の「じゃばらウォーター」は甘みを調整してパッケージもリニューアルした。じゃばらっ粉は、1日の摂取目安量約2㌘に、ジャバラ果汁10㍉㍑に含まれるナリルチン量が約8倍含まれている。1缶40㌘(約20日分)で1500円(税別)。来年1月25日(月)までに予約すれば20%オフとなる。予約開始は12月18日(金)からで、発売は1月26日(火)から。
なお、現在の商品数は30品未満だが、今後は果皮を使用した製品を多く開発していく予定。
池上社長は「今回の調査では専門家に協力いただくことで効果の裏付けにつながると期待している。北山村のジャバラをブランド化し、全国の皆さまに知ってもらえるように知名度を上げていきたい」。
同村の活性化などについては「住民に手厚い環境が用意できるようになってきたのはジャバラやふるさと納税などが大きい産業になってきてくれたから。小さい村ながら健闘できているのでは」と語った。
商品や臨床実験に対する問い合わせは、じゃばらいず北山(電話0735・49・2380)まで。
(2020年12月12日付紙面より)
市野々公衆トイレ供用開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々地区の王子神社前に10月末に完成した公衆トイレが10日、供用開始となった。完成記念のセレモニーなどは実施されなかった。
古道を歩く人々や観光客の利用のために同区が要望していたもので、土地は同区が無償貸与し建設に至っている。
町企画課によると、トイレ施設は木造平屋建て。床面積が18・46平方㍍、建築面積が19・65平方㍍。男性用トイレは洋式大便器1基と小便器1基で、女子トイレが洋式大便器1基。多目的トイレは洋式大便器1基とオストメイト、ベビーチェアも完備している。
建設費は1878万9100円で、内訳は設計管理業務委託料が181万5000円(2カ年)、工事請負費は1697万4100円となっている。
(2020年12月12日付紙面より)
名取市「なとセン」と交流 (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(岡鼻崇会長、以下新宮ボラセン)は11日、同市新町の新宮ステーションで、市の姉妹都市・宮城県名取市の市民活動支援センター(なとセン)と、「Zoom(ズーム)」を使用したオンライン交流会を開催した。両センターがおのおのの事業説明を行ったほか、質疑応答などを介して交流を図った。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行が懸念される中、需要が高まるウェブ会議ツール「Zoom」。このたびの交流会は、ツール導入をきっかけに、改めて両市の交流を図る機会を設けることを目的に開催された。両市は職員の派遣を通じて親交を深めるとともにさまざまな情報交換を行う一端としている。
両センターの交流会は初。新宮市からは岡鼻会長をはじめ11人が参加。名取市からは「なとセン」の阿留多伎眞人(あるたき・まこと)理事長と事務局の木村ひろ子さんが参加した。
開催に当たり、岡鼻会長が「それぞれの市民活動団体が自信を持って素晴らしい活動ができるように意見交換できれば」。阿留多伎理事長は「こういう形の交流が市民活動の幅を広げることにつながれば」とそれぞれあいさつ。参加者同士自己紹介し、モニターを通して顔を合わせた。
阿留多伎理事長は、センターの歴史や事業、センターの指定管理を担うNPO法人「パートナーシップなとり」の取り組みなどについて説明。
新宮市社会福祉協議会の樋川守さんが、新宮ボラセン「結夢(ゆめ)」の活動内容について、地域交流イベント「しんぐう元気フェスタ」の開催や「新宮・那智勝浦 天空ハーフマラソン」への参加協力などを紹介した。令和2年度の新宮ボラセン登録数は84団体、個人25人となっている(4月現在)。
質疑応答では、「なとセン」が「東日本大震災以降、復興までの道のりを語り部が紹介する活動や防災教育を行う市民団体もある」などと紹介。今後については「事業を広げていきたいがまだまだ市民活動が市民に浸透しているとは言い難い」と現状を話した。
新宮ボラセンは「登録することによって会場を無償で借りられるなどの仕組みがある」などと登録のメリットについて説明。最後に今後の交流の在り方について意見を交換した。
(2020年12月12日付紙面より)
旧車両は古座署へ入れ替え (串本町消防本部 )
串本町消防本部(寺島正彦消防長)が10日、串本消防署(新屋寿男署長)へ新たに配備された救助工作車(以下新車両とする)の運用を始めた。先鋭資機材を搭載したⅡ型車両で、価格は約1億2600万円。旧車両は古座消防署へ入れ替え配備し、引き続き運用する。
救助工作車は、建物の倒壊や車両の損壊で中に閉じ込められた要救助者を救出するために必要な資機材を搭載した消防車両。串本消防署は市町村合併前の2001(平成13)年に初導入したが、以来19年が経過し今後は高速延伸や民間小型ロケット発射場完成などに伴う地域変化に対する体制の改善や強化が求められる状況も見込まれることから本年度、更新整備をするに至ったという。
約20年の経過に伴い、積載する資機材も相応に進歩。新車両の油圧式救助器具(カッター・スプレッダー・ラムシリンダー・コンビツール)は電動で水中対応となり、▽エンジン音がないことで隊員間の活動時の意思疎通が取りやすい▽起動が速く行動がより迅速になる▽台風や豪雨など荒天下でも扱いやすく対応の幅が広がる―といった利点が更新により得られる。
車両据え付けの小型クレーンは旧車両よりアームが1・2㍍長く、ワイヤー長をほぼ倍の約74㍍にすることで転落事故への対応能力を高めている。旧車両で前引きだったウインチが前後引きに代わり、安定した荷重制御ができるようになった点も含めて活動を迅速化させるという。価格の内訳は車両が約8400万円、資機材が約4200万円という。
同本部はこの日、田嶋勝正町長と同町消防団の稲田賢団長を交えて運用開始式を実施。田嶋町長は「安全安心のために有効活用し、その職務に一層精励してほしい」と期待を注いで新屋署長へキーを託し、隊員は取り扱いの演示をして積載している主な資機材を紹介。寺島消防長は「念願の新車両。一日も早く慣れ、運用方法を熟考して成果を現場活動に反映してほしい。高速やホテル、ロケットで今後はより多くの人や物が流れ込む状況。消防への期待も相応に高まるので、しっかりと活用して大いに応えてほしい」と述べて今後の運用に向けた気持ちを引き締めた。
古座消防署に配備されている救助工作車もⅡ形車両だが串本消防署よりも導入年が古く、入れ替え配備をして引き続き更新の機会を探るという。
(2020年12月12日付紙面より)
【第26回】生の魚は何歳から?
生卵と同じように、「お刺し身やおすしは、何歳から食べられますか?」とよく聞かれます。これもまた、残念ながら明確な答えはありません。離乳食期は、消化機能もまだ弱いので2~3歳くらいからというのが一般的です。ただ初めて食べさせるときは、いろいろ不安ですよね。そこで、気を付けたいポイントとそのリスクを併せてお知らせしようと思います。
生の魚のリスクにはどんなものがあるんでしょうか? まずは「アニサキス」です。最近話題になっている、魚介類に寄生する寄生虫です。生の魚を食べて、数時間から十数時間後に激しいみぞおちの痛みや嘔吐(おうと)などが発症するといわれています。そして、このアニサキスの怖いところは、強い生命力にあります。アニサキスは60度で1分、70度以上では瞬時に死滅します。また冷凍処理によりアニサキス幼虫は感染性を失うので、魚をマイナス20度以下で24時間以上冷凍することは有効です。酸には抵抗性があり、食酢での処理、塩漬け、しょうゆやワサビを付けても死ぬことはありません。加熱調理するか、十分に冷凍してから調理することが効果的です。ただ、この「アニサキス」には一つ救いがあります。寄生虫は目に見えるということです。なので、生の魚を食べる前に、じ~っと見て寄生虫がいないか確認しましょう!
次は「腸炎ビブリオ」。これも今は減少傾向にありますが、お刺し身などから発生する食中毒の代表的なものです。生の魚から発生しますが、手指や調理器具などを介しても感染することがあるので、家庭でも注意した方が良さそうです。潜伏時間は2時間から24時間で、激しい腹痛、下痢などが主症状です。腸炎ビブリオは、塩水を好むそうなので、真水でよく洗うことでも防ぐことができますが、おすしやお刺し身ではなかなかできませんよね。
そして、「ノロウイルス」。これも、有名な感染症です。冬に広まることが多く、加熱により防げますが、生だとなかなか避けられません。基本的には二枚貝に多いので、体調不良や寝不足のときは、生の貝は避けた方が良さそうです。子どもに生の貝を与えるのは極力避けましょう。
最後は「ヒスタミン中毒」です。実はこれとても厄介なのですが、魚を取った時に付着してしまったら加熱しても加工しても死なないんです! ですが、重症になることは少なく、抗ヒスタミン剤を投与することで、完治します。子どもに生のお魚を与えるときは、「目で見て確認する」「生魚を与えたことを意識して、症状が出たらすぐに病院に行く」「保管の際の温度管理を気を付ける」「調理器具は消毒殺菌」「二枚貝を避ける」この五つのポイントに注意してください。
楽しい年末年始を過ごすためにも、ぜひ十分注意しながら、食事を楽しんでいただきたいと思います。
(2020年12月12日付紙面より)
神倉小6年がふるさと学習 (新宮市 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長、児童436人)で10日、ふるさと学習が行われた。6年生83人が、県立新翔高校の野間清教諭、中岸速人教諭、建築技術部の山口裕大君(3年)、三宅悠夢君(2年)の協力の下、体育館に四畳半の川原家(かわらや)を建設した。
同校運営協議会(下岡輝子会長)による「ヤタガラス子ども未来プロジェクト」の一環。子どもたちに町の歴史や文化などを学んでもらおうと、協議会メンバーを中心に有志ボランティアが協力して授業を設けている。
6年生は「熊野川と暮らし」をテーマに学習を進めており、11月24日には中瀬古友夫さんから川原家の歴史を学習した。川原家はくぎを1本も使わずに組み立てる簡易商店で、洪水時に短時間で解体・建設ができることが特徴。生活物資や木材、炭などの交易の舞台として市の発展を支えた権現河原に、明治~大正の最盛期には約300軒の宿屋や鍛冶屋、土産物屋、風呂屋が建ち並んでいた。
川原家を組み立てる手順を学んだ児童は、安全に気を付けつつ木材を組み立てていった。土台に柱を立てて貫(ぬき)を通し、梁(はり)と桁(けた)を渡して、最後はシュロ縄で棟木と屋根板を固定させて完成させた。見学の児童も、徐々に家の姿に近づいていく川原家の様子を熱心にメモに取った。
壁板張りやくさび打ちを担当した加子坂有晟君は「柱は重かったけれど、楽しかった。新宮の歴史を知るいい機会になった」と話していた。
(2020年12月11日付紙面より)
宇久井中でサポーター講座 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長、生徒62人)で9日、認知症サポーターキャラバン養成講座「認知症って何だろう」が開かれた。株式会社下里福祉のつつじ園に勤める看護師の川口利恵さんが講話し、1年生29人が認知症の中核症状や地域の患者への接し方を学んだ。
同校は本年度、人権学習の一環として車椅子・アイマスクの福祉体験やバリアフリー学習に取り組んでいる。同講座は認知症について正しい知識を身に付け、患者や家族の支援者となる「認知症サポーター」を育成することを目的に、全国の自治体で実施されている。
川口さんは、アルツハイマー病や脳血管障害によって新しい出来事が記憶できなくなり、時間や場所などの認識が混乱して生活に支障が出てくる認知症の症状を解説。患者の内面で起きている世界や気持ちを想像することの大切さを語り、「認知症患者の背景には彩り豊かな生活や家族がある。自分らしく、一生懸命今を生きているその人を理解して」と呼び掛けた。
生徒たちは認知症患者の手記を読んで、これまで普通にできていたことができなくなる患者の不安や困惑、失敗をとがめられることで生じる自責の念を想像。地域でいつもと様子が違う高齢者を見掛けたときの適切な声の掛け方や接し方を学んだ。
講座を受けた生徒には認知症サポーターの証しであるオレンジのリストバンドが配られ、早速身に付ける姿も見られた。
(2020年12月11日付紙面より)
串本町立潮岬中学校(水上茂秀校長、生徒65人)が9日、ロケット事業に関するワークショップ(WS)に参加し、田原地区で建設中の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」における打ち上げ開始に向け基礎知識を教わるなどした。
このWSは、町事業「誘客多客化等実証事業」の一環。町民のロケット事業に対する機運を高めるため、将来を担う世代が集まる町立の13小中学校と県立串本古座高校を必須とし、年度中に計30回開くことを目指している。
すでに観光を含む商工業者を対象に部分実施、町民の代表で構成される議会を対象に初の全体実施をしていて、その成果を加味した内容を13小中学校の先陣を切る形で潮岬中が受けた形となっている。
この日はWSを監修する株式会社USPジャパン代表取締役の新津研一さんが講師として登壇。そのノウハウを受け継ぎ次期講師となるため、南紀串本観光協会ガイド部会の会員も同席した。
新津さんはロケット事業関係者のWSに向けたメッセージを紹介し、串本町の今の状況を生徒に感じさせた上で▽同発射場や小型ロケットの概要▽スペースワン株式会社が目指す事業の概要▽小型ロケットとさまざまなロケットの対比▽人工衛星が生活に果たす役割とその産業の将来展望▽串本に注がれる注目に対して自分たちができること―などを語った。
終盤では田嶋勝正町長のビデオメッセージを視聴し、田嶋町長は「これからロケットが串本町を大きく変える。それがまさに君たちの時代。ぜひとも知恵を出し共に頑張ろう」と呼び掛けた。教わった事柄を後で振り返れるよう、WSの内容をまとめた冊子「スペースポート紀伊まるわかりブック」と小型ロケットの解説を印刷した下敷きも配布。生徒を代表して平賀令晃(れおう)君(2年)は「話を聞いてさらに興味を持ち、発射が楽しみになった」と感想を述べてWS実施に感謝した。
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同日現在、潮岬中と出雲小と串本西小が2学期中の参加を希望。他の小中高校は未定で、年明けに参加する見込み。他方、町民向けには14日(月)に発射場がある田原地区(田原・上田原・佐部)で実施し、15日(火)の午前、午後(日中)、同(夜半)に定員30人の事前申し込み制で実施することが決まっている。
15日の3回は10日締め切りだが、9日現在で定員まで余裕がある状況。その他の実施は未定。母体の町事業は成果報告会実施が必須となっているため同町ロケット推進室は1月末までに30回達成を目指すとしている。
このWSの問い合わせは同町ロケット推進グループ(電話0735・67・7004)まで。
(2020年12月11日付紙面より)
やまじ採れたて市で奉仕作業 (御浜町 )
御浜町山地の無人市場「やまじ採れたて市」(尾崎英夫・管理者)と山地区(山本進部区長)は10日、ボランティアで無人市場駐車場の改修工事に取り組んだ日本土木工業㈱とユウテック㈱に記念品を贈呈した。
市場は今年、開設10年を迎え、アスファルト舗装が傷んでいたことから、日本土木工業が11月17日に舗装、ユウテックが翌18日に白線ラインを引いた。
奉仕作業に当たった両社に記念品を贈り、山本区長は「センターラインが消えかかっていたので、整備していただいてきれいになった。出品者の皆さんも喜んでいる」と感謝した。
両社は山地地区企業会(上野公太郎事務局長)に所属し、同企業会を代表して椋野玲史・発起人が「この施設は補助金をもらっておらず、自助自立で運営している。企業会の中で協力していただきありがたい。心から感謝申し上げます。今後、ますますこの市場が長く続き、高齢者の方々の楽しみにつながれば」と述べた。
やまじ採れたて市は、2010(平成22)年4月に開設。33のブースに生産者の写真プレートを設置し、顔が見える市場として人気を集めている。今の時季はミカンやマイヤーレモン、ハクサイ、ダイコン、イチゴなどが並び、朝からにぎわいを見せている。
(2020年12月11日付紙面より)
新宮グラウンドゴルフ同好会 (新宮市 )
更生保護女性会が宇久井保で (那智勝浦町 )
那智勝浦地区更生保護女性会の会員5人が8日、那智勝浦町立宇久井保育所(山田有美所長、園児83人)を訪問し、5歳児25人と草花染めを楽しんだ。園児たちはマリーゴールドの花を煮出した染色液で木綿の布が染まっていく様子を観察し、完成したオリジナルハンカチを手に笑顔を見せていた。
同会は青少年の健全育成に努めるとともに、非行や犯罪に陥った人々の社会復帰を支援する団体。愛の協賛金募金や社明啓発活動、地域の子どもたちの見守り、薬物乱用防止啓発活動など、地域に更生保護の土壌をつくり上げる活動を展開している。
この日は晴天に恵まれ、園庭で作業をした。園児たちはどんな色に染まるのかわくわくしながら鍋をのぞき込み、発色を促進させるミョウバンの化学反応で染色液が濃い黄色に変化すると「うわー」と驚きの声を上げた。
模様を付けるために輪ゴムで縛った箇所をほどくと「かわいい模様になっている」と喜び、園庭にハンカチを干した。
同会の丸本弘美さんは「今年は新型コロナウイルス感染症の影響でほとんど活動ができておらず、子どもたちとの交流も久しぶり。元気な姿が見られて良かった」と語った。
最後に、園児たちから花と手作りの眼鏡掛けのプレゼントがあった。
(2020年12月10日付紙面より)
犬馬鹿倶楽部恒例の催し (新宮市 )
熊野市から串本町までの会員らで組織する犬馬鹿倶楽部(瀧本美鈴代表、会員60人)は6日、新宮市佐野の黒潮公園で毎年恒例の「犬馬鹿大運動会」を開催した。飼い主と愛犬がコミュニケーションを取りながら、障害物競走やリレーなどさまざまな種目に挑んだ。
同倶楽部によると、運動会は21回目を迎え、月1度のしつけ教室の成果を披露するとともに会員同士の交流を図ることが目的だという。今年3月実施予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から延期となっていた。
この日は約40頭の犬が参加。午後のプログラム1番目の「おいでおいで」は愛犬がグラウンドの上に準備された犬用玩具やおやつに気を取られず、待機する飼い主の元までたどり着ければゴールという種目。
スタートを告げる笛の音と同時に飼い主が愛犬の名前を連呼。玩具やおやつに気を取られる犬や、真っ先に飼い主の元へ駆け寄る犬もおり、会場は大いに盛り上がった。その後は水運び競争やあめまきが行われた。
瀧本代表は「倶楽部を通して会員同士が仲良くなり、犬にとっては集団行動を学んでほしい。今後も会員さんたちに楽しんでいただけたらうれしい」と語った。
(2020年12月10日付紙面より)
ウオークラリーで交流深める (相野谷小・中 )
紀宝町の相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒20人)と相野谷小学校(岩本直樹校長、児童53人)は7日、人権フォーラムを開催。地区住民の協力を得て、児童生徒が小学校近くの土手にスイセンの球根を植えた。協力して作業し、来春に咲く美しい花を楽しみにしていた。
人権フォーラムは、児童生徒が地区住民と一緒に環境美化活動に取り組むことで、地域の自然を愛する心を育み、つながりを深めることが目的。スイセンの植栽は15年ほど前から始まり、小中合同は5年目。大里、井内両地区の農村環境活動組織が県の交付金を活用して球根を用意した。
相野川沿いに集合後、原章三さんが「これからも皆さんと一緒に地域に花を咲かせたい。一緒に頑張りましょう」と呼び掛けた。作業は約300㍍間で行い、中学生が掘った15㌢ほどの穴に小学生がスイセン800球を植えた。
植栽後は小中学生が7、8人でチームを組み、ウオークラリーを開催。同中生徒会の田中楓会長(2年)が「みんなで頑張ろう」とあいさつし、各チームで自己紹介した後、10チームが約2㌔のコースに出発。チームで協力してピンポン球つかみやジェスチャーゲームに挑戦、クイズを解きながらゴールを目指し、交流も深めた。
(2020年12月10日付紙面より)
木葉神社例祭「祢んねこ祭り」 (串本町 )
串本町田原にある木葉神社(井谷正守宮司)で6日、例祭「祢(ね)んねこ祭り」があった。コロナ禍の情勢を鑑み、今年は本殿大前の儀のみ執行。田原区の和田充旦区長ら11人が代表参列し、井谷宮司と共に主祭神への礼を尽くした。
この神社は、JR田原駅の北東に位置。木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を主祭神とし、古くから「祢んねこの宮」と親しまれ子授け、安産、子安の信仰を集めている。その特色は奉仕にも色濃く宿り、近年は12月第1日曜日に営まれている例祭ではご飯持ちみこや子どもみこ、童子といった子役の奉仕や子守の所作の奉納など他に類を見ない内容が含まれる。その特殊性もあり、県の無形民俗文化財に指定されるところともなっている。
例祭は大きく▽朝日遙拝行列▽本殿大前の儀▽子守り神事―から成り、子守り神事の口上が例祭の通称の由来となっている。田原獅子保存会の全頭奉納や公民館田原支館の農産物品評会・区民展といった奉賛行事も含めた全体で区内きってのにぎわいを見せ、区内だけでなく出身者の帰省や拝観も多く集めている。
この状況がコロナ禍の情勢において妥当か、と関係団体で結成する祢んねこ祭り保存会は9月13日の会合で協議し、今年に限り代表参列による本殿大前の儀(子どもみこの奉納を除く)のみとすることを決断。諸奉仕の大半を中止する異例の形で本祭を迎える形となった。
当日は和田区長、田原獅子保存会の井本悟会長ら、神社役員が代表参列。沸かした釜湯にササの葉を浸しそのしずくで身を清める古式の修祓(しゅうばつ)「湯立ての儀」を経て井谷宮司が祝詞や玉串を神前にささげ、参列者も続いて主祭神への礼を尽くした。
その他の行事はなかったが本祭に合わせて訪れた人々が本殿大前の儀終了後、開扉された神体をじかに参拝するなどした。和田区長は「このような状況になってしまったのは残念だが、こうして神事ができただけでも良かった。この残念な気持ちを糧にして、来年の再開を盛り上げていけたらと思う。田原も高齢化でお年寄りが多いだけに、コロナだけではなく全てにおいて健康で幸せに暮らせることを願いたい」と思うところを語った。
(2020年12月10日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
勝浦ヤンキースが体験会 (那智勝浦町 )
建設工事パトロール実施 (新宮労基署 )
新宮労働基準監督署(中前英人署長)は1日、新宮市佐野の株式会社エフオン新宮発電所新設工事現場でパトロールを実施。労働災害防止の啓発に努めた。
パトロールは年末年始無災害運動(12月1日~1月15日)期間中の取り組みの一環。慌ただしい年末年始において、大掃除や設備の保守点検などの作業が多くなることに加え、積雪や凍結による転倒などの危険が増すなど労働災害発生の危険性が危惧される中、安全管理意識を引き締め、経営者・労働者が一丸となって安全衛生活動を推進し、無災害で乗り切る状況を促すことを狙いとしている。本年度の標語は「きっちり確認 ゆっくり休息 しっかり準備 年末年始無災害」。
和歌山県の11月10日現在の労働災害件数は781件。昨年同時期から9件減少しているものの死亡事故は6件に増加しており、予断を許さない状況となっている。
この日は和歌山労働局の片野圭介・労働基準部長と新宮労働基準監督署の松尾駿・労働基準監督官が現地を訪れ▽墜落・転落災害の防止▽建設機械、クレーン等災害の防止▽倒壊、崩壊災害の防止▽火災・爆発等災害の防止▽職業性疾患の防止―などを重点的にパトロールを実施した。
同社技術統括部の水野泰朗副部長が工程調整会議の実施や、作業エリアや工事車両、重機配置などの調整にデジタル野帳アプリを使用していることなどを説明。施工を行う株式会社大林組からも各種パトロールの実施や情報発信・共有のために現場対応ビジネスアプリを導入しているなどの紹介があった。
パトロールを終え、片野労働基準部長は「段差などにも配慮されており、きれいに作っていただいている。事故の起こりにくい現場と感じた」などと講評。さらなる安全管理の徹底を求めた。
同社の発電所は来年秋ごろの完成を予定しており、そこから試運転を経て2022年3月から運転を開始する予定。発電所の定格出力は1万8000㌔㍗で、年間発電量は一般家庭約3万世帯分となる。年間稼働日数は330日(24時間稼働)。燃料として県内や近隣県から調達した木質チップを年間約18万㌧使用する。
(2020年12月4日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で2日、来年のえと「丑(うし)」の色紙が完成した。九鬼宮司が7月初旬から墨とポスターカラーで描いていた。色紙は手描き1000枚、印刷2000枚を用意。手書きは元旦以降祈とう(有料)を受ける参拝者らに授与され、印刷は2000円で3日から授与されている。
手描きの色紙には太陽を背にした黒牛を描いた。牛の輪郭を描く線に、鋼のよろいをイメージした金色を使用し「世界中の人々が難局を取り除きながら新たな一歩を踏み出し、大きく羽ばたくことのできる明るい年であるように」と願いを込め「翔」の文字を書き入れた。
印刷の色紙には真正面を見据える青牛。背中には「いい一年を」と鏡餅を背負っている。青色に医療従事者への感謝を込め、「よみがえりの地」熊野から新たな出発を興してほしいとの思いから「出発」の文字を添えた。それぞれの色紙に「祈 コロナウイルス終息」の印が金色と銀色で押されている。
九鬼宮司は「共に新型コロナの終息を願って仕上げた。皆さんが力強く前に進む一年であってほしい」と色紙に込めた思いを語った。
印刷色紙は郵送も可能(送料別途)。問い合わせは同大社(電話0735・42・0009)まで。
(2020年12月4日付紙面より)
冬の飛散抑えるため設置 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が3日、会員や関係者の協力を得て串本町くじ野川にある橋杭海水浴場に防砂ネットを設置した。
環境省「快水浴場百選」の一つに数えられる同海水浴場は、橋杭岩や紀伊大島を望める開放感や良好な水質、絹のようになめらかな砂浜を特色とする。他方、冬場に強く吹き抜ける風で砂が舞いやすく、近隣への飛散とそれによる砂浜の目減りを抑えるためシーズンオフ中にこのネットを設置している。
この日は中村洋介副会長ら14人が作業に参加。設置場所は遊泳区域内の砂浜で、海岸線に対して垂直となる方向へ高さ約1㍍、幅約12㍍のプラスチック製ネット16枚を約4㍍間隔で張り、過去の使用で破れた部分を取り除いた短めの再利用ネット3枚も追加で設置して約80㍍幅で飛散抑制の対処をした。
設置期間はシーズンイン直前の来年3月末前までを予定。舞い上がった砂を飛散する前にネットへ当てて落とす仕組みで、例年ネットが半ば埋まるぐらいの飛散抑制効果を発揮している。本年度は県事業により、遊泳期間終了後に砂1100立方㍍が追加されたところ。新たな砂が少しでも飛散抑制できることを期待して作業を締めくくった。
(2020年12月4日付紙面より)
大林さんに全商連会長表彰 (南紀くろしお商工会 )
女性会員の増強などに貢献したとして、南紀くろしお商工会女性部部長で和歌山県商工会女性部連合会の理事を務める大林幸子さんが全国商工会連合会会長表彰・女性部功労賞を受賞した。2日、那智勝浦町商工会館で伝達式が行われ、同商工会女性部の辻本圭子副部長や中村美紀子副部長、会計の東佳代さんが祝いに駆け付けた。
同商工会によると、例年、東京都渋谷区のNHKホールで商工会全国大会が開催され、総理大臣や参議院・衆議院の議員などを含む約2000人規模で実施されているという。
今年は商工会法施行60周年記念の節目の大会だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小して開かれた。コロナの影響を鑑み、和歌山県からは県商工会連合会の代表のみが出席した。
同商工会に在籍し40年以上が経過した大林さん。女性部の部長は6年目となり、これまで会員増強やさまざまな商工会活動などに尽力してきた。
女性部として2015年に中小企業庁長官表彰を受賞、その翌年に部員増強の年間実績が1位となり、全国商工会女性部連合会から表彰されている。それらの活躍を含め、県商工会連合会が大林さんを推薦し、今回の表彰に至った。
同商工会の森川起安会長は「私が会長を務めて19年目だが、このような賞を受賞したのは初めて。私にとっても名誉なこと」と評価。
「これだけ多くの女性会員を増強できたのは全国でも珍しい。組織にとって大きな力だからこそ表彰されたのだと思う」と語った。
大林さんは受賞について「商工会の皆さまや女性部の皆さまのおかげ。慢心することなく、これからも高みを目指していく決心であります」と話した。
(2020年12月4日付紙面より)
那智勝浦少年野球クラブが訪問
新宮市民スポ祭兼連盟杯社会人大会 (紀南バレーボール連盟 )